JP5469016B2 - スートブロワ用噴射管、及びスートブロワ装置 - Google Patents

スートブロワ用噴射管、及びスートブロワ装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱交換器の伝熱管に付着した煤等の付着物に、噴射媒体を吹き付けることによって、当該付着物を除去するスートブロワ用噴射管、及びスートブロワ装置に関する。
ボイラ等の熱交換器においては、燃焼物の燃焼によって発生する煤等の付着物が、炉内に設置された過熱器管、再熱器、節灰器等の伝熱管に付着する。このような付着物が伝熱管に付着すると、当該付着物が伝熱を阻害して熱交換効率を低下させ、また、炉内の圧力損失が上昇することでボイラの稼動率が低下し、更に付着物の組成によっては当該付着物が伝熱管を腐食させるという数々の問題が生じる。そのため、高圧の蒸気や空気を噴射できるスートブロワ装置によって、伝熱管に付着した付着物を定期的に除去することで、これらの問題が生じないようにしている。
スートブロワ装置は、往復動させることで伝熱管が設置された炉内へ抜き差しされる管本体を有するスートブロワ用噴射管と、このスートブロワ用噴射管を往復動させる駆動手段と、スートブロワ用噴射管に噴射媒体を送る媒体供給手段とを備えており、当該駆動手段によりスートブロワ用噴射管が炉内へ導入されて、当該スートブロワ用噴射管の先端部から噴射される噴射媒体により伝熱管に付着した付着物が吹き飛ばされ、除去されるようになっている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特開2007−183069号公報 特開2003−269885号公報
上記特許文献に記載されたスートブロワ用噴射管の管本体は、炉内に導入されて、燃焼ガスや煤等の付着物に曝される。それと共に、管本体は、軸芯周りに回転しながらサポートローラーに支持されて、炉内へ抜き差しされるため、当該管本体の外表面がサポートローラー上で摺動する。そのため、鋼材等で構成された管本体は、燃焼ガスや煤等の付着物によって腐食され、サポートローラー上での摺動によって当該管本体の外周面が次第に摩耗していく。
特に、スートブロワ用噴射管の管本体に存在する繋ぎ目等の局所部分で、腐食や摩耗が進行し易い。このような腐食や摩耗が進行すると、当該管本体が折損することや噴射媒体の噴射中に破損すること、更にはスートブロワ装置が作動不良を起こすことや、炉壁との気密性の減少による炉内の温度低下が起こる。そのため、スートブロワ用噴射管の管本体の腐食及び摩耗度合いを監視し、腐食や摩耗が進行する毎に管本体の交換を実施しなければならず、その分、スートブロワ装置のメンテナンスのためのコストが嵩んでしまう。
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、耐腐食性及び耐摩耗性を向上させることでメンテナンスのためのコストを低減できるスートブロワ用噴射管、及びスートブロワ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、次の技術的手段を講じた。
即ち本発明のスートブロワ用噴射管は、前後方向に往復動させながら軸芯周りに回転させることで炉外サポートローラーに支持されて、外表面がサポートローラで摺動しながら伝熱管が設置された炉内へ抜き差しされる鋼製の管本体を有し、当該管本体の先端部から噴射される噴射媒体により当該伝熱管に付着した付着物を除去するスートブロワ用噴射管において、前記鋼製の管本体の外表面に、溶射皮膜が形成されており、前記溶射皮膜は、Ni基自溶合金、Co基自溶合金、及びFe基自溶合金のうち何れかの自溶合金を含む溶射材料を溶射法で溶射して形成した皮膜に、フュージング処理を施した自溶合金溶射皮膜であることを特徴とするものである。
上記本発明のスートブロワ用噴射管とすれば、管本体の外表面に、溶射皮膜が形成されているため、当該管本体の耐腐食性及び耐摩耗性を向上させることができる。このことにより、スートブロワ用噴射管の管本体の腐食及び摩耗が進行し難くなり、当該噴射管が折損することや噴射媒体の噴射中に破損すること、更にはスートブロワ装置の作動不良や、炉壁との気密性の減少による炉内の温度低下を起こり難くすることができる。これにより、スートブロワ用噴射管の管本体の腐食及び摩耗度合いの監視回数や、当該管本体の交換回数が減り、メンテナンスのためのコストを低減することできる。
前記溶射皮膜を構成する成分は限定されるものではないが、前記溶射皮膜は、Ni基自溶合金、Co基自溶合金、及びFe基自溶合金のうち何れかの自溶合金を含む溶射材料を溶射法で溶射して形成した皮膜に、フュージング処理を施した自溶合金溶射皮膜であることが好ましい。この場合、管本体の耐腐食性及び耐摩耗性をより向上させることができるうえ、管本体の表層と溶射皮膜との密着力が増し、当該溶射皮膜の割れや剥離等を防止することができる。
前記溶射材料は、さらにCr、Al、Ta、Y、W、Nb、V、Ti、B、Si、Mo、Zr、Feの群から選択される1種以上の元素の炭化物、硼化物、窒化物の何れか又はこれらの組み合わせからなる成分を含むことが好ましい。溶射材料として、自溶合金にこのような成分を含ませることで、硬さが高くなり、耐摩耗性を向上させることができる。
前記溶射法は高速ガス炎溶射法であることが好ましい。高速ガス炎溶射法を採用することで、皮膜組織が緻密となり、当該皮膜に巻き込むガスを少なくできる。従って、フュージング処理を施す際におけるガスの影響を低減でき、皮膜の酸化が少なくなり、皮膜の溶融がスムーズに行われる。これにより、フュージング処理を施して形成した自溶合金溶射皮膜の表面が滑らかとなる。
スートブロワ用噴射管の管本体が長尺かつ小径とされている場合には、当該管本体がその自重で撓んでしまうことがある。そこで、前記溶射皮膜を、前記管本体の所要部分が炉内に導入されて当該管本体が撓んだ状態に追随可能に形成すれば、当該管本体の撓みに溶射皮膜が追随し、当該溶射皮膜の割れ等を防止することができる。
前記溶射皮膜は、前記管本体の所要部分が炉内に導入された際に当該管本体の撓みを減少させるように形成されていることが好ましい。管本体の撓みが減少すれば、スートブロワ装置の作動不良を抑えることができる。
本発明のスートブロワ装置は、往復動させることで伝熱管が設置された炉内へ抜き差しされる管本体を有するスートブロワ用噴射管と、このスートブロワ用噴射管を往復動させる駆動手段と、前記スートブロワ用噴射管に噴射媒体を送る媒体供給手段と、を備え、前記駆動手段により前記スートブロワ用噴射管を前記炉内へ導入して、当該スートブロワ用噴射管の先端部から噴射される前記噴射媒体により前記伝熱管に付着した付着物を除去するスートブロワ装置において、当該スートブロワ用噴射管が、上記本発明に係るスートブロワ用噴射管であることを特徴とするものである。
上記本発明のスートブロワ装置によれば、スートブロワ用噴射管の管本体の外表面に、溶射皮膜が形成されているため、当該管本体の耐腐食性及び耐摩耗性を向上させることができる。このことにより、管本体の腐食及び摩耗が進行し難くなり、当該管本体が折損することや噴射媒体の噴射中に破損すること、更にはスートブロワ装置の作動不良や、炉壁との気密性の減少による炉内の温度低下を起こり難くすることができる。これにより、スートブロワ用噴射管の管本体の腐食及び摩耗度合いの監視回数や、当該管本体の交換回数が減り、スートブロワ装置のメンテナンスのためのコストを低減することできる。
上記の通り、本発明によれば、スートブロワ用噴射管の管本体の外表面に形成された溶射皮膜によって、当該管本体の耐腐食性及び耐摩耗性が向上しているので、腐食及び摩耗度合いの監視回数や、管本体の交換回数が減り、メンテナンスのためのコストを低減することできる。
本発明の一実施形態に係るスートブロワ装置のアウタチューブをボイラの炉内へ導入した状態を示す模式図である。 スートブロワ装置の全体構成と主要部断面を示す図である。 設置状態のスートブロワ装置のアウタチューブを斜め下方から見た一部を示す斜視図と、アウタチューブの一部を切り取った断面模式図である。 アウタチューブの表層の断面模式図である。 (a)は実施例1のアウタチューブの表層の断面曲線の測定結果であり、(b)は実施例2のアウタチューブの表層の断面曲線の測定結果であり、(c)は比較例のアウタチューブの表層の断面曲線の測定結果である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスートブロワ装置1のアウタチューブ2(スートブロワ用噴射管)を、ボイラの炉100の炉壁101の開口部102からその内部103へ導入した状態を示す模式図であり、図2は、スートブロワ装置1の全体構成と主要部断面を示す図である。スートブロワ装置1が設置される石炭焚きのボイラは、例えば火炉と、過熱器、再熱器、節炭器等の伝熱管104が設置された伝熱部とで主構成されたものであり、微粉炭などの燃料が火炉に供給されて、燃焼され、これにより生成された燃焼ガスが、火炉から伝熱部に流れ、過熱器、再熱器、節炭器で熱交換され、排ガス処理された後に大気に放出されるようになっている。なお、以下の説明において、図2の右側を前側、図2の左側を後側とする。
本実施形態に係るスートブロワ装置1は、ボイラの火炉や伝熱部の炉100の外部の所要箇所に設置されるものであり、前後方向に長いアウタチューブ2と、このアウタチューブ2を往復動させる駆動手段3と、アウタチューブ2に噴射媒体fを供給する媒体供給手段4とを備えている。アウタチューブ2は、長尺かつ小径とされた長尺部2Aと、この長尺部2Aの一端に溶接固定された先端部2Bからなる管本体で構成されている。なお、先端部2Bを長尺部2Aの一端に設ける形態は限定されるものではなく、例えば、先端部2Bを長尺部2Aの一端に着脱可能に設けてもよい。
長尺部2Aと先端部2Bとを合わせた長さは約10mであり、当該長尺部2Aは、JISG3458にSTPA24として規定された鋼製で、外径90mmの断面円形の筒状に形成されており、当該先端部2Bは、SUS310S製で、外径90mmの容器状に形成されている。先端部2Bには、軸方向と略直交する方向へ噴射媒体fを噴射する複数の噴射孔6が設けられている。媒体供給手段4は、アウタチューブ2の内側に同芯状に設けられたインナチューブ7と、このインナチューブ7に、バルブ8を介し通気可能な配管9によって接続された媒体供給装置10とを有している。媒体供給装置10から流れ出す蒸気或いは空気等の噴霧媒体fは、その流量がバルブ8で調整されつつ、インナチューブ7へ入り、アウタチューブ2の内部へ送られるようになっている。
アウタチューブ2を往復動させる駆動手段3について説明する。アウタチューブ2の上側には、当該アウタチューブ2の軸方向に沿って延びる細長のガイドレール11とラック12が固定されており、このうちガイドレール11には、ラック12に噛み合うピニオン13を備えたブラケット14が走行可能に取り付けられている。アウタチューブ2は、ブラケット14に支持されかつ軸芯周りに回転可能に取り付けられていると共に、アウタチューブ2の内周面とインナチューブ7の外周面との間には、軸受16が設けられている。これにより、アウタチューブ2が、インナチューブ7の周りで軸芯周りに回転可能とされている。アウタチューブ2の外周には、当該アウタチューブ2を軸芯周りに回転させる駆動力を伝えるための図示しないスプロケットが設けられている。
ブラケット14の近傍には、駆動力を発生させる駆動モータ15が設置されている。この駆動モータ15が駆動されることにより、その駆動力がピニオン13、ラック12等を介してアウタチューブ2を往復動させ、その一方で、当該駆動力がスプロケット等を介してアウタチューブ2を軸芯周りに回転させる。ガイドレール11の前後両端には、図示しないリミットスイッチ機構が設けられており、このリミットスイッチ機構により、アウタチューブ2が、炉壁101から所定量だけ炉内103に導入された時に停止するようになっている。このような駆動手段3の構成によって、アウタチューブ2は、所定距離の間で前後方向に往復動しながら、軸芯周りに回転できるようになっている。
また、アウタチューブ2の後端の内周面とインナチューブ7の後端の外周面と間には、シール部材17が設けられており、当該インナチューブ7で送られてきた噴射媒体fが漏れないようになっている。炉壁101の開口部102には、当該開口部102に沿ってグランドパッキン110が設けられている。このグランドパッキン110は、アウタチューブ2を炉内103へ導入している間、当該アウタチューブ2の外周面2aと開口部102との間をシールするものである。それと共にアウタチューブ2が炉内103へ抜き差しされる際に、グランドパッキン110に当該アウタチューブ2の外周面2aが摺動することで、当該アウタチューブ2がスムーズに往復動されるようになっている。
図3は、設置状態のスートブロワ装置1のアウタチューブ2を斜め下方から見た一部を示す斜視図と、アウタチューブ2の一部を切り取った断面模式図である。この図3にも示すように、設置面Gには、アウタチューブ2の前後方向中間部を支持する中間サポート部材50と、アウタチューブ2の前後方向前部を支持する前サポート部材51が固定されている。これら中間サポート部材50及び前サポート部材51は、それぞれ回転可能に軸支されたローラー部R(サポートローラー)を備えている。それぞれのローラー部Rにアウタチューブ2の外周面2aが接しており、アウタチューブ2の前後方向及び軸芯周りの回転の動きに伴って各ローラー部Rが回転するようになっている。
スートブロワ装置1は以上のように構成されており、スートブロワ装置1の運転が開始されると、媒体供給装置10からの例えば蒸気等の噴射媒体fが、配管9、インナチューブ7を通ってアウタチューブ2の内部に送り込まれ、それと共に、アウタチューブ2が前進しながら軸芯周りに回転する。アウタチューブ2が所定量だけ炉内103へ導入されると、送られてきた噴射媒体fがアウタチューブ2の噴射孔6から高速で噴射され、この高速の噴射媒体fが伝熱管104(図1参照)に当たることで、当該伝熱管104の表面に付着している燃焼灰等の付着物が飛散され、除去される。
図4は、アウタチューブ2の表層の断面模式図である。図3及び図4に示すように、上記のスートブロワ装置1のアウタチューブ2の外表面2hの全体には、溶射法による溶射皮膜20が形成されている。この溶射皮膜20は、溶射材料としての自溶合金材料を溶射して形成した自溶合金溶射皮膜20である。自溶合金材料として、本実施形態ではJISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末に、さらにWCを含ませたWC含有Ni基自溶合金粉末を使用している。従って、自溶合金溶射皮膜20は、WC含有Ni基自溶合金からなるものである。本発明に適用される自溶合金は、Ni、Co、及びFeのうち何れかを主成分として、B、Si等を数%添加させたNi基自溶合金、Co基自溶合金、及びFe基自溶合金のことであり、B、Siが添加されていることで低い融点を有しており、基材に溶射した後、溶融させることで緻密な皮膜を形成できる。溶射材料は、限定されるものではないが、Ni基自溶合金、Co基自溶合金、及びFe基自溶合金のうち何れかの自溶合金のみからなるものや、本実施形態のように、当該何れかの自溶合金にCr、Al、Ta、Y、W、Nb、V、Ti、B、Si、Mo、Zr、Feの群から選択される1種以上の元素の炭化物、硼化物、窒化物の何れか又はこれらの組み合わせからなる成分を含ませたものが好ましい。
自溶合金を用いることで、溶射皮膜の耐摩耗性を向上させることができ、自溶合金にさらに上記炭化物等の成分を含ませることで、耐摩耗性をより向上させ、高硬度の溶射皮膜を得ることができる。なお、自溶合金に含ませる上記炭化物等の成分の含有量は20〜80重量%が好ましい。上記炭化物等の成分の含有量が20重量%未満であると、当該成分を含ませることによる耐摩耗性及び硬度向上の効果が低下し、当該成分の含有量が80重量%を超えると、自溶合金を用いることによる耐摩耗性の効果が期待できないからである。
自溶合金に上記の炭化物等の成分を含ませた溶射材料の具体例としては、Cr含有Ni基自溶合金、TaC含有Ni基自溶合金、NbC含有Ni基自溶合金、VC含有Ni基自溶合金、TiC含有Ni基自溶合金、BC含有Ni基自溶合金、SiC含有Ni基自溶合金、CrB含有Ni基自溶合金、WB含有Ni基自溶合金、MoB含有Ni基自溶合金、ZrB含有Ni基自溶合金、TiB含有Ni基自溶合金、FeB含有Ni基自溶合金、CrN含有Ni基自溶合金、CrN含有Ni基自溶合金、TaN含有Ni基自溶合金、TaN含有Ni基自溶合金、NbN含有Ni基自溶合金、VN含有Ni基自溶合金、TiN含有Ni基自溶合金、BN含有Ni基自溶合金、Cr含有Co基自溶合金、TaC含有Co基自溶合金、WC含有Co基自溶合金、NbC含有Co基自溶合金、VC含有Co基自溶合金、TiC含有Co基自溶合金、BC含有Co基自溶合金、SiC含有Co基自溶合金、CrB含有Co基自溶合金、WB含有Co基自溶合金、MoB含有Co基自溶合金、ZrB含有Co基自溶合金、TiB含有Co基自溶合金、FeB含有Co基自溶合金、CrN含有Co基自溶合金、CrN含有Co基自溶合金、TaN含有Co基自溶合金、NbN含有Co基自溶合金、VN含有Co基自溶合金、TiN含有Co基自溶合金、BN含有Co基自溶合金、Cr含有Fe基自溶合金、TaC含有Fe基自溶合金、WC含有Fe基自溶合金、NbC含有Fe基自溶合金、VC含有Fe基自溶合金、TiC含有Fe基自溶合金、BC含有Fe基自溶合金、SiC含有Fe基自溶合金、CrB含有Fe基自溶合金、WB含有Fe基自溶合金、MoB含有Fe基自溶合金、ZrB含有Fe基自溶合金、TiB含有Fe基自溶合金、FeB含有Fe基自溶合金、CrN含有Fe基自溶合金、CrN含有Fe基自溶合金、TaN含有Fe基自溶合金、NbN含有Fe基自溶合金、VN含有Fe基自溶合金、TiN含有Fe基自溶合金、BN含有Fe基自溶合金、等が挙げられる。
アウタチューブ2を製造する際に用いられる上記溶射法は、金属、セラミック等の材料を、プラズマ、燃焼エネルギー、電気アーク等の熱源によって、微粒の溶融体にし、これを基材の表面に吹き付けて皮膜を形成させる表面処理技術である。従って、溶射法を用いれば、金属、非金属無機質材料(例えば、金属の酸化物、炭化物)、高分子材料、ガラス等、熱源により安定した溶融状態や軟化現象を示す材料でさえあれば、どのようなものでも成膜化することができる。さらに、溶融体が得られないような材料であっても、金属成分を添加した状態にすれば、金属のみを軟化させ溶融状態にできるので、皮膜の形成が可能である。
本実施形態のアウタチューブ2を製造する工程のうち、溶射皮膜の形成工程について説明する。アウタチューブ2の外表面2hに、WC含有Ni基自溶合金粉末を、高速ガス炎溶射法(HVOF)によって溶射して皮膜を形成する。次に、同外表面2hに形成されたこの皮膜を、ガスバーナーによって加熱(フュージング処理)し、自溶合金溶射皮膜20とする。なお、皮膜を形成するための溶射法は、限定されるものではないが、本実施形態で用いた高速ガス炎溶射法の他、粉末式フレーム溶射法、高速フレーム溶射法が好適に用いられる。
溶射皮膜の形成工程において高速ガス炎溶射法、粉末式フレーム溶射法、高速フレーム溶射法を採用することによって、溶射された皮膜を構成する粒子間の結合力が向上され、それと共に当該皮膜が緻密化される。さらに、同溶射皮膜の形成工程においてフュージング処理を施すことによって、次のような効果が得られる。第1に、溶射された皮膜をさらに緻密化し溶射皮膜の強度を高めることができる。第2に、溶射皮膜とアウタチューブ2の外表面2hとが物理的に結合される。第3に、溶射皮膜とアウタチューブ2の外表面2hとの界面に拡散層が形成されることで、当該溶射皮膜と当該外表面2hとが化学的に結合される。これらの効果により、自溶合金溶射皮膜20が、わずかの隙間もない状態で外表面2hに強固にコーティングされて、当該自溶合金溶射皮膜20と当該外表面2hとの密着力が格段に向上されている。
特に、本実施形態では、高速ガス炎溶射法を用いて、アウタチューブ2の外表面2hに皮膜を形成しているため、皮膜組織が非常に緻密となり、溶射時に当該皮膜に巻き込まれるガスを少なくできる。そのため、皮膜にフュージング処理を施す際、ガスの発生が低減され、皮膜の酸化が少なくなる。皮膜の酸化は、皮膜を構成する粒子の溶融を阻害する要因となるが、この阻害要因が減少することから、皮膜を構成する粒子の溶融がスムーズに行われ、当該粒子同士が隙間無く高密度で結合する。これにより、良好な連続皮膜が形成され、自溶合金溶射皮膜20の表面を極めて滑らかにでき、良好な摺動特性を得ることができる。溶射皮膜の表面粗さは、Raで4.2μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましい。Raが4.2μmを超えると、溶射皮膜の表面の良好な摺動特性が得られないからである。
本実施形態の自溶合金溶射皮膜20の厚みtは、約0.5mmとなっている。溶射皮膜の厚みは、0.1〜2.0mmが好ましく、0.4〜1.0mmがより好ましい。厚みtが0.1mm未満であると、フュージング処理を施す際、皮膜を構成する粒子同士が結合し難く、アウタチューブ2の外表面2hが酸化してしまうおそれがある。この場合、フュージング処理を施すことによる、上述の第1〜第3の効果が得られなくなる。厚みtが2.0mmを超えると、フュージング処理の効果を得るために、長時間の加熱が必要となり、皮膜及びアウタチューブ2が、長時間、高温に曝される。そのため、次のような不具合が生じる。フュージング処理を施している皮膜と、フュージング処理を施し冷却した後の溶射皮膜との温度差が大きくなることで、溶射皮膜内に生じる応力が大きくなり、溶射皮膜に割れが発生したり、溶射皮膜のアウタチューブ2の外表面2hからの剥離が発生する。さらに、フュージング処理を施している皮膜が溶融し過ぎて流れ出し、膜厚が不均一となる。
溶射皮膜の硬さは、Hv硬度(ビッカース硬さ)で400以上が好ましい。Hv硬度が400を下回ると、溶射皮膜の摩耗量が大きくなり、高い耐摩耗性が発揮できないからである。なお、Hv硬度が750以上であっても、例えばセラミックで形成された溶射皮膜は、一般的に靱性が低く割れやすいため、溶射皮膜の割れや剥離が生じてしまう。そのため、硬度の観点から溶射皮膜をセラミックで形成するのは、実用上好ましくない。
アウタチューブ2の外表面2hに、上記溶射皮膜(自溶合金溶射皮膜)20が形成されていることで、当該アウタチューブ2の特に高温での酸化が抑制されており、耐腐食性を向上させることができる。それと共に、同外表面2hに、上記溶射皮膜(自溶合金溶射皮膜)20が形成されていることで、当該アウタチューブ2の耐摩耗性を向上させることができる。従って、アウタチューブ2の腐食及び摩耗が進行し難くなっている。アウタチューブ2の腐食が進行し難くなることで、当該アウタチューブ2が高温の炉内103に導入されて、燃焼ガスや煤等の付着物に曝されても、当該アウタチューブ2に錆等が発生し難くなり、当該アウタチューブ2の減肉が起こり難くなる。これにより、アウタチューブ2の長尺部2Aと先端部2Bとの繋ぎ目等での折損、噴射媒体fの噴射中における破損を防止することができる。
一方、アウタチューブ2の摩耗が進行し難くなることで、各ローラー部Rと摺動することによる局所的な摩耗を減少させることができる。これにより、アウタチューブ2を備えたスートブロア装置1の作動不良をなくすことができる。また、アウタチューブ2の局所的な摩耗が減少することで、炉壁101との気密性が高まり、スートブロア装置1を作動させることによる炉内103の温度低下を抑制することができる。
一方、所定部分が炉内103に導入された長尺かつ小径とされたアウタチューブ2は、片持ち状態となり、その自重によって撓んでしまう場合がある。本実施形態の自溶合金溶射皮膜20は、アウタチューブ2の外表面2hに対する高い密着力により、当該アウタチューブ2の撓みに追随可能となっている。これより、アウタチューブ2が、撓んだ場合でも、皮膜の割れ及び皮膜の剥離が生じ難く、当該アウタチューブ2の腐食及び摩耗を防止することができる。
また、自溶合金溶射皮膜20の高い強度と、アウタチューブ2の外表面2hに対する高い密着力とにより、当該アウタチューブ2の撓みを減少させることができる。アウタチューブ2の撓みが減少すれば、アウタチューブ2がスムーズに往復動され、スートブロア装置1の作動不良を抑えることができる。更に、アウタチューブ2の撓みを減少させることで、炉内103の伝熱管104等に接触するおそれがなく、スートブロア装置1を作動させることによるボイラの損傷を防ぐことができる。
炉壁101の開口部102には、当該開口部102に沿ってグランドパッキン110が設けられているため、アウタチューブ2が撓んだ状態で往復動すると、当該グランドパッキン110へ過大な力が作用する。そのため、グランドパッキン110の摩耗量及び変形量が増大し、グランドパッキン110の交換回数が多くなる。本実施形態の自溶合金溶射皮膜20により、アウタチューブ2の撓みを減少させているので、グランドパッキン110へ過大な力がかからないようになっている。これにより、グランドパッキン110の摩耗量及び変形量が減少するので、グランドパッキン110の交換回数が減らされ、メンテナンスのためのコストを抑えることができる。
上記本実施系形態のスートブロワ装置1、及びこれに備えられたアウタチューブ2(スートブロワ用噴射管)によれば、アウタチューブ2の外表面2hに、自溶合金溶射皮膜20が形成されているため、アウタチューブ2の耐腐食性及び耐摩耗性を向上させることができる。このことにより、アウタチューブ2の腐食及び摩耗が進行し難くなり、当該アウタチューブ2が折損することや噴射媒体の噴射中に破損すること、さらにはスートブロワ装置1の作動不良や、炉壁101との気密性の減少による炉内103の温度低下を起こし難くすることができる。従って、アウタチューブ2の腐食及び摩耗度合いの監視回数や、アウタチューブ2の交換回数が減り、スートブロワ装置1のメンテナンスのためのコストを低減することでき、更には安全性をも向上させることができる。
アウタチューブ2における、ローラー部R及びグランドパッキン110と摺動する摺動部分は、その表面を出来るだけ滑らかにする必要があるため、溶射皮膜が形成された当該摺動部分を研磨しなければならない。アウタチューブ2は一般に、細長いものであるため、その研磨には、長い時間と多大な労力を要する。本実施形態では、高速ガス炎溶射法を用いて皮膜を形成しているため、上述のようにアウタチューブ2の外表面2hが極めて滑らかとなっている。そのため、アウタチューブ2外表面2hを研磨しなくても、十分な摺動性能が得られる。これにより、コストを格段に低減させることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1〜実施例、及び比較例1〜比較例4の金属片は、すべてJISG3458にSTPA24として規定された鋼製とした。
(実施例1)金属片の外表面に、JISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末を粉末式フレーム溶射法によって溶射し、その後、フュージング処理を施して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの自溶合金溶射皮膜を形成した。
(実施例2)金属片の外表面に、JISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末にWC粉末を35重量%含有させたWC含有Ni基自溶合金粉末を粉末式フレーム溶射法によって溶射し、その後、フュージング処理を施して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの自溶合金溶射皮膜を形成した。
(実施例3)金属片の外表面に、JISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末にWC粉末を35重量%含有させたWC含有Ni基自溶合金粉末を高速ガス炎溶射法によって溶射し、その後、フュージング処理を施して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの自溶合金溶射皮膜を形成した
(比較例1)金属片の外表面に、ブロンズ線材を溶線式フレーム溶射法によって溶射して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの溶射皮膜を形成した。
(比較例2)金属片の外表面に、SUS420J2線材を溶線式フレーム溶射法によって溶射して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの溶射皮膜を形成した。
(比較例3)金属片の外表面に、Al粉末をプラズマ溶射法によって溶射して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの溶射皮膜を形成した。
(比較例4)金属片の外表面に、Cr粉末をプラズマ溶射法によって溶射して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの溶射皮膜を形成した。
(比較例5)S45C製の金属片の外表面に、溶射皮膜を形成しないものとした。
(比較例6)SCM430製の金属片の外表面に、溶射皮膜を形成しないものとした。
(比較例7)SUS304製の金属片の外表面に、溶射皮膜を形成しないものとした。
実施例1〜実施例、及び比較例1〜比較例7について、硬さ、耐摩耗性、耐割れ性、耐剥離性、及び表面粗さを評価した。硬さはJISZ2244に準じるビッカース硬さ試験で評価し、耐摩耗性はJISH8503に準じるスガ式摩耗試験で評価し、耐割れ性及び耐剥離性はJISZ2248に準じる金属材料曲げ試験で評価し、表面粗さはJISB0651に準じる触針式表面粗さ試験で評価した。
ビッカース硬さ試験:100×100×20mmの金属片を試験片として測定した。試験条件:荷重;0.1〜0.3kgf、測定;5〜10の測定点の平均値。
スガ式摩耗試験:100×100×20mmの金属片の表面を平面研磨仕上げ(ダイヤ#400)し、側面と裏面を研削して50×50×5mmに加工し、これを試験片として摩耗減量を測定した。試験条件:研磨紙;SiC#320、荷重;3.25kgf、往復回数;2000回。
金属材料曲げ試験:20×100×5の短冊状の金属片を試験片として目視により評価した。溶射皮膜が形成されている側を凸にして90度の角度で曲げた後、溶射皮膜の割れ及び剥離度合いを観察した。この試験は、スートブロワ装置に組み込んで使用しているときの、アウタチューブの撓みを想定し、それに耐えうる溶射皮膜の選定のために行うものである。次の基準で評価した。微少な皮膜割れは発生するが、皮膜剥離は無い:◎、皮膜割れは発生するが、皮膜剥離は軽微:○、皮膜割れが発生し、皮膜剥離が一部発生:△、皮膜割れが顕著に発生し、皮膜剥離が顕著に発生:×
触針式表面粗さ試験:20×100×5の短冊状の金属片を試験片として、触針式表面粗さ測定器で3箇所を測定し、その平均値(Ra)を算出した。
実施例1〜及び比較例1〜7の試験結果を表1に示す。
Figure 0005469016
実施例1〜実施例の試験片は、高い硬さ、優れた耐摩耗性、優れた耐割れ性及び耐剥離性、及び小さい表面粗さを兼ね備えていることが認められる。溶射皮膜を形成したアウタチューブをスートブロア装置に組み込んだ場合と、溶射皮膜を形成しないアウタチューブをスートブロア装置に組み込んだ場合と、の寿命を推定する。例えば、実施例2の溶射皮膜を形成した場合の摩耗量は28.6mgであり、比較例5のS45Cの摩耗量は211.5mgであるため、この溶射皮膜を形成した場合は、溶射皮膜を形成しないS45Cの211.5/28.6=7.4倍の寿命となる。
さらに実機で評価するため、外表面に溶射皮膜を形成したアウタチューブを製作し、これをスートブロワ装置に組み込み、当該装置をボイラに設置して6ヶ月間の運転を行った。運転後、アウタチューブの外観観察と、アウタチューブの外表面のうちローラー部に接触している部分に形成されている溶射皮膜の膜厚測定と、表層の断面曲線の測定を行った。以下の実施例6、7、及び比較例8のアウタチューブは、すべてJISG3458にSTPA24として規定された鋼製とした。
(実施例6)アウタチューブの外表面に、JISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末を粉末式フレーム溶射法によって溶射し、その後、フュージング処理を施して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの自溶合金溶射皮膜を形成した。
(実施例7)アウタチューブの外表面に、JISH8303にMSF−Ni4種として規定されたNi基自溶合金粉末を高速フレーム溶射法によって溶射し、その後、フュージング処理を施して、当該外表面に膜厚が0.40〜0.55mmの自溶合金溶射皮膜を形成した。
(比較例8)アウタチューブの外表面に、溶射皮膜を形成しないものとした。
外観観察結果を次に示し、膜厚の測定結果を表2に示し、断面曲線の測定結果を図5(a)〜(c)に示す。図5(a)は実施例6の測定結果であり、図5(b)は実施例7の測定結果であり、図5(c)は比較例8の測定結果である。断面曲線の測定長さは12.5mmとし、図5(a)〜(c)における縦軸は50μm/2目盛、横軸は500μm/2目盛である
(外観観察)
実施例6及び実施例7:アウタチューブの外表面に赤錆等は発生しておらず、ローラー部と摺動する部分での摩耗痕は見られなかった。
比較例8:アウタチューブの外表面の全面に赤錆が発生しており、ローラー部と摺動する部分には螺旋状の大きな摩耗痕が見られた。
Figure 0005469016
(膜厚測定)
膜厚の測定結果から、実施例6及び実施例7の膜厚に実質的な変化は認められず、溶射皮膜は殆ど摩耗していないことが認められる。
(断面曲線の測定)
断面曲線の測定結果から、実施例6及び実施例7よりも比較例8の方が摩耗度合いの大きいことが認められる。
上記で開示した実施形態及び実施例は例示であり、スートブロワ装置、これに備えられたアウタチューブ、及びそれらを構成する材料や、寸法、形状は、適宜変更することができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内の全ての変更が含まれる。
1 スートブロワ装置
2 アウタチューブ
2a 外周面
2h 外表面
3 駆動手段
6 噴射孔
7 インナチューブ
20 溶射皮膜
101 炉壁
103 炉内
104 伝熱管
f 噴射媒体

Claims (6)

  1. 前後方向に往復動させながら軸芯周りに回転させることで炉外サポートローラーに支持されて、外表面がサポートローラで摺動しながら伝熱管が設置された炉内へ抜き差しされる鋼製の管本体を有し、当該管本体の先端部から噴射される噴射媒体により当該伝熱管に付着した付着物を除去するスートブロワ用噴射管において、
    前記鋼製の管本体の外表面に、溶射皮膜が形成されており、
    前記溶射皮膜は、Ni基自溶合金、Co基自溶合金、及びFe基自溶合金のうち何れかの自溶合金を含む溶射材料を溶射法で溶射して形成した皮膜に、フュージング処理を施した自溶合金溶射皮膜であることを特徴とするスートブロワ用噴射管。
  2. 前記溶射材料は、Cr、Al、Ta、Y、W、Nb、V、Ti、B、Si、Mo、Zr、Feの群から選択される1種以上の元素の炭化物、硼化物、窒化物の何れか又はこれらの組み合わせからなる成分を含むことを特徴とする請求項1に記載のスートブロワ用噴射管。
  3. 前記溶射法は、高速ガス炎溶射法であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスートブロワ用噴射管。
  4. 前記溶射皮膜は、前記管本体の所要部分が炉内に導入されて当該管本体が撓んだ状態に追随可能に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のスートブロワ用噴射管。
  5. 前記溶射皮膜は、前記管本体の所要部分が炉内に導入された際に当該管本体の撓みを減少させるように形成されている請求項〜4のいずれかに記載のスートブロワ用噴射管。
  6. 前後方向に往復動させながら軸芯周りに回転させることで炉外サポートローラーに支持されて、外表面がサポートローラで摺動しながら伝熱管が設置された炉内へ抜き差しされる鋼製の管本体を有するスートブロワ用噴射管と、このスートブロワ用噴射管を前後方向に往復動させ、軸芯周りに回転させる駆動手段と、前記スートブロワ用噴射管に噴射媒体を送る媒体供給手段と、を備え
    前記駆動手段により前記スートブロワ用噴射管を前記炉内へ導入して、当該スートブロワ用噴射管の先端部から噴射される前記噴射媒体によって前記伝熱管に付着した付着物を除去するスートブロワ装置において、
    前記スートブロワ用噴射管が、請求項1〜5のいずれかに記載のスートブロワ用噴射管であることを特徴とするスートブロワ装置。
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