JP5468431B2 - 送電線保護継電装置 - Google Patents
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Description
本発明は、送電線を事故から保護する送電線保護継電装置に係り、特に、事故が短時間で復旧した場合に不要な事故点の切離しを行わないようにした送電線保護継電装置に関する。
送電線保護継電装置は、送電線の端子に設置した計器用変圧器(VT)および計器用変流器(CT)より導入した系統電気量情報に基づいて保護リレー演算を行って事故点を検出し、遮断器へ遮断指令を出力して当該事故点の除去を行うように機能するものである。
一方、鉄塔において送電線を支える懸垂碍子には、雷サージのフラッシオーバによって破壊しないようにアークホーンを設置しているが、近年、このアークホーンとして、雷撃の事故発生時から半サイクル程度の短時間内で事故復旧を可能にした「続流遮断形アークホーン」が開発されている。
電力系統に続流遮断形アークホーンと、送電線保護継電装置とを併設する場合は、続流遮断形アークホーンの動作による事故復旧の方が送電線保護継電装置による事故点除去よりも高速なので、続流遮断形アークホーンの動作が成功し事故復旧が行われた場合には、送電線保護継電装置からの遮断指令を阻止する必要があるが、万一、続流遮断形アークホーンの動作が失敗した時には速やかに送電線保護継電装置による事故点除去を行う必要がある。すなわち、両者の保護には動作協調(時間協調)が必要である。
従来、この動作協調を実現するために、オンディレイタイマによって主保護リレーからの遮断指令の遅延を図るとか、主保護リレーよりも速く動作及び復旧する、例えば、変化分検出リレーにより送電線保護継電装置の遮断指令にロックを行う等の工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
なお、続流遮断形アークホーンは、通常154kV以下の抵抗接地系送電線に適用され、しかも、動作した場合は必ず地絡事故になるという特徴がある。
ところで、上記した特許文献1に開示されている続流遮断形アークホーンは、3線短絡事故時や1線地絡事故時に動作失敗した場合、遮断出力が不要に遅れるという点に課題を残している。
なお、抵抗接地系に設置される送電線保護継電装置では、1線地絡事故の遮断出力回路にタイマを備えており、明らかに動作協調は取れていることから、1線地絡事故時の対策は不要である。
そこで、本発明は上記従来の課題を解決するため、2相以上の地絡事故時に零相電圧が所定範囲内になることに着目し、零相電圧の値に応じて続流遮断形アークホーンの動作あるいは不動作を識別することにより、主保護リレーから出力される遮断指令を適切に活殺し、遮断出力の不要な遅延や出力を防ぐようにした送電線保護継電装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、続流遮断形アークホーンを備えた碍子装置によって送電鉄塔等の支持物に支えられた送電線を保護する送電線保護継電装置において、送電線を含む電力系統から取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて保護リレー演算を行い遮断器に遮断指令を出力する主保護リレーと、前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて零相電圧を検出する第1の手段と、前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて2相以上の事故を検出する第2の手段と、前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて事故回復を識別する第3の手段と、前記第1の手段または第2の手段の出力信号を第1の所定時間復帰を遅延する第1のタイマおよび前記第3の手段の出力信号を第2の所定時間復帰を遅延する第2のタイマを備え、前記第1のタイマあるいは第2のタイマの動作中前記主保護リレーによる遮断器への遮断指令を阻止する第4の手段と、前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて前記第4の手段による遮断指令の阻止を解除する第5の手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、続流遮断形アークホーンの正常な動作によって短時間のうちに事故が復旧した場合、遮断出力阻止回路からの出力信号で主保護リレーによる遮断指令を阻止して送電線を不要に切り離すことを防止することができ、一方、続流遮断形アークホーンの動作が失敗して所定時間以上事故が継続した場合、リレー出力ロック解除回路が動作して、遮断出力阻止回路からの出力信号送電線保護継電装置は事故区間を切り離し、本来の責務を果たす。
以下、本発明に係る送電線保護継電装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
[実施形態1]
図1は、本実施形態1に係る送電線保護継電装置の構成図、図2は図1中の2相以上事故検出要素の一例を示す詳細構成図、図3は図1中の事故回復検出要素の一例を示す詳細構成図、図4は図1中のリレー出力ロック解除回路の一例を示す詳細構成図である。そして、図5は本実施形態1における事故除去ケースを示すタイムチャートであり、図6は実施形態1における事故継続ケースを示すタイムチャートである。
[実施形態1]
図1は、本実施形態1に係る送電線保護継電装置の構成図、図2は図1中の2相以上事故検出要素の一例を示す詳細構成図、図3は図1中の事故回復検出要素の一例を示す詳細構成図、図4は図1中のリレー出力ロック解除回路の一例を示す詳細構成図である。そして、図5は本実施形態1における事故除去ケースを示すタイムチャートであり、図6は実施形態1における事故継続ケースを示すタイムチャートである。
(構成)
まず図1において、1は保護対象である送電線から図示していないアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量、またはこの取り込んだ電気量を用いて求められた合成電気量を用いて保護リレー演算を行い、事故判定を行う「主保護リレー」であり、この主保護リレー1には、例えば、電流作動リレー、距離リレーあるいは回線選択リレー等が適用できる。2は送電線からアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量を演算して零相電圧を検出する「零相電圧検出要素」であり、動作時間は演算式の関係で前記主保護リレー1よりも高速である。3は前記零相電圧検出要素2と同様に送電線からアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量を演算して線間電圧の低下を検出する「2相以上事故検出要素」であり、動作時間は前記保護リレー1よりも高速である。この「2相以上事故検出要素」3の詳細構成は後に図2を参照して説明する。
まず図1において、1は保護対象である送電線から図示していないアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量、またはこの取り込んだ電気量を用いて求められた合成電気量を用いて保護リレー演算を行い、事故判定を行う「主保護リレー」であり、この主保護リレー1には、例えば、電流作動リレー、距離リレーあるいは回線選択リレー等が適用できる。2は送電線からアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量を演算して零相電圧を検出する「零相電圧検出要素」であり、動作時間は演算式の関係で前記主保護リレー1よりも高速である。3は前記零相電圧検出要素2と同様に送電線からアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量を演算して線間電圧の低下を検出する「2相以上事故検出要素」であり、動作時間は前記保護リレー1よりも高速である。この「2相以上事故検出要素」3の詳細構成は後に図2を参照して説明する。
4は送電線からアナログ入力回路を介して取り込んだ電気量を用いて演算された電気量が予め定められた時間内に復帰したことをもって、図示していない続流遮断形アークホーンの動作によって事故除去が行われたものと推定、すなわち事故除去の識別を行う「事故回復検出要素」であり、この「事故回復検出要素」4の詳細構成は後に図3を参照して説明する。
そして、5はリレー出力ロック解除回路であり、詳細構成は後に図4を参照して説明する。
そして、5はリレー出力ロック解除回路であり、詳細構成は後に図4を参照して説明する。
以上述べた主保護リレー1からリレー出力ロック解除回路5までの要素の出力回路は以下のようにロジックシーケンスに構成されている。
まず、前記主保護リレー1の出力信号は後述するアンド回路12の一方の入力端子に入力されるようになっている。
まず、前記主保護リレー1の出力信号は後述するアンド回路12の一方の入力端子に入力されるようになっている。
そして、前記零相電圧検出要素2の出力信号2aおよび前記2相以上事故検出要素3の出力信号3aはそれぞれ第1のオア回路6に入力されており、これらの零相電圧検出要素2または2相以上事故検出要素3のうちいずれか一方でも動作すると出力信号6aを第1のオフディレイタイマ7に入力するようになっている。このオフディレイタイマ7は、オア回路6の出力信号6aが入力されると、その時点から所定の遅延復帰時間T1まで継続して出力信号7aを生じ、第2のオア回路9に入力されるようになっている。
また、前記事故回復検出要素4の出力信号4aは第2のオフディレイタイマ8に入力され、この第2のオフディレイタイマ8は出力信号4aが入力されると、その時点から所定時間t2まで継続して出力信号8aを生じ、前記第2のオア回路9に入力されるようになっている。
なお、第2のオフディレイタイマ8の復帰遅延時間T2は、続流遮断形アークホーンが動作して事故除去がなされた後も所定時間、主保護リレー1による遮断指令が出力されることを防止する。
そして、前記第2のオア回路9は、前記第1のオフディレイタイマ7の出力信号7a、第2のオフディレイタイマ8の出力信号8aのいずれかまたは双方が入力されると、出力信号9aをノット回路10に入力する。すると、このオア回路9の出力信号9aはノット回路10よって論理値を反転されて第3のオア回路11に入力されるようになっている。
ここで、一点鎖線枠で囲まれた前記零相電圧検出要素2、2相以上事故検出要素3、事故回復検出要素4、第1のオア回路6、・・・、ノット回路10までの回路を、遮断出力阻止回路C1と呼称する。
前述した第3のオア回路11は、前記遮断出力阻止回路C1の出力信号10aの他に前記リレー出力ロック解除回路5の出力信号5aをも入力し、出力信号11aを前記アンド回路12の他方の入力端子に入力されるようになっている。
この結果、アンド回路12は、前記主保護リレー1が動作(出力信号“1”)しているとき、遮断出力阻止回路C1の出力(ノット回路10の出力)またはリレー出力ロック解除回路5の出力信号5aから論理値“1”なる信号が第3のオア回路11に入力されると、アンド回路12の入力条件が成立し、遮断器引外しコイル13を励磁するが、遮断出力阻止回路C1から論理値“0”なる信号が第3のオア回路11に入力されると、前記主保護リレー1から出力された遮断器への遮断指令を阻止する。
次に、図2を参照して前記2相以上事故検出要素3の詳細構成を説明する。
図2において、2相以上事故検出要素3は、線間電圧検出要素31-1、31-2および31-3を備えており、これらの検出要素31-1、31-2および31-3は、各線間電圧が所定値であることを検出した場合、オア回路32を介して信号3aを出力するように構成されている。したがって、オア回路32から信号32aが出力されたことをもって、2相以上の事故が発生したことを検出できる。
図2において、2相以上事故検出要素3は、線間電圧検出要素31-1、31-2および31-3を備えており、これらの検出要素31-1、31-2および31-3は、各線間電圧が所定値であることを検出した場合、オア回路32を介して信号3aを出力するように構成されている。したがって、オア回路32から信号32aが出力されたことをもって、2相以上の事故が発生したことを検出できる。
因みに、線間電圧検出要素31-1は、線間電圧Vabが所定値VkΔ(例えば定格の80%程度の値)以下であることを検出したとき信号“1”を出力し、同様に、線間電圧検出要素31-2は線間電圧Vbcが所定値VkΔ以下であることを検出したとき信号“1”を出力し、線間電圧検出要素31-3は線間電圧Vcaが所定値VkΔ以下であることを検出したとき信号“1”を出力する。
次に、図3を参照して前記事故回復検出要素4の詳細構成を説明する。
図3において、事故回復検出要素4は、系統事故が回復した場合に線間電圧が事故中の値よりも増加することに着目し、線間電圧の増加傾向検出要素を適用した構成となっている。 41-1はab相の線間電圧増加傾向検出要素、41-2はbc相の線間電圧増加傾向検出要素、そして41-3はca相の線間電圧増加傾向検出要素であり、それぞれ、現在の線間電圧Vabと所定時間前の線間電圧V´abとの差分(Vab−V´ab)が所定値kVn1以上、すなわち、Vab−V´ab>kVn1であることを検出した場合、オア回路42を介して論理値“1”なる信号4aを第2のオフディレイタイマ8に出力するように構成されている。このように、オア回路42から出力された信号4aによって続流遮断形アークホーンによる事故回復を検出することができる。
図3において、事故回復検出要素4は、系統事故が回復した場合に線間電圧が事故中の値よりも増加することに着目し、線間電圧の増加傾向検出要素を適用した構成となっている。 41-1はab相の線間電圧増加傾向検出要素、41-2はbc相の線間電圧増加傾向検出要素、そして41-3はca相の線間電圧増加傾向検出要素であり、それぞれ、現在の線間電圧Vabと所定時間前の線間電圧V´abとの差分(Vab−V´ab)が所定値kVn1以上、すなわち、Vab−V´ab>kVn1であることを検出した場合、オア回路42を介して論理値“1”なる信号4aを第2のオフディレイタイマ8に出力するように構成されている。このように、オア回路42から出力された信号4aによって続流遮断形アークホーンによる事故回復を検出することができる。
次に、図4を参照して前記リレー出力ロック解除回路5の詳細構成を説明する。
図4において、リレー出力ロック解除回路5は、前記「主保護リレー」1等に採用されている事故検出要素(FDリレー)51が動作したことを条件にオンディレイタイマ52を起動するように構成されている。このオンディレイタイマ52は、入力信号が起動開始時点から予め定められた動作遅延時間T3以上継続して入力された場合、出力“1”を生じるように構成されている。この動作遅延時間T3は、続流遮断形アークホーンの動作時間(例えば、系統周波数の0.5サイクル)よりも十分に長い2〜3サイクル程度に設定されている。
図4において、リレー出力ロック解除回路5は、前記「主保護リレー」1等に採用されている事故検出要素(FDリレー)51が動作したことを条件にオンディレイタイマ52を起動するように構成されている。このオンディレイタイマ52は、入力信号が起動開始時点から予め定められた動作遅延時間T3以上継続して入力された場合、出力“1”を生じるように構成されている。この動作遅延時間T3は、続流遮断形アークホーンの動作時間(例えば、系統周波数の0.5サイクル)よりも十分に長い2〜3サイクル程度に設定されている。
オンディレイタイマ52から動作出力“1”が生じた後も前記主保護リレー1が動作している場合、続流遮断形アークホーンの動作失敗、すなわち、事故継続とみなしてリレー出力ロック解除回路5の出力信号5aを第3のオア回路11を経て前記アンド回路12の他方の入力端子に入力する。これにより、アンド回路12は2入力条件が成立することから、遮断器引外しコイル13に遮断指令を出力し、励磁する。
なお、リレー出力ロック解除回路5は、事故検出要素51の動作条件を主保護リレー1の動作条件に替えてオンディレイタイマ52動作のトリガにしても実施可能である。
(作用)
次に、図5および図6のタイムチャートを参照して本実施形態1の作用を説明する。
なお、図5および図6では説明を単純化するため、各種事故検出要素2、3、4、51の動作および復帰のタイミングは、事故の発生時点、除去時点と同じタイミングにして描いている。
次に、図5および図6のタイムチャートを参照して本実施形態1の作用を説明する。
なお、図5および図6では説明を単純化するため、各種事故検出要素2、3、4、51の動作および復帰のタイミングは、事故の発生時点、除去時点と同じタイミングにして描いている。
(ケース1)
まず、2相地絡事故発生後に続流遮断形アークホーンが正常に動作するケース1について、図5を参照して説明する。
まず、2相地絡事故発生後に続流遮断形アークホーンが正常に動作するケース1について、図5を参照して説明する。
時刻t1で保護対象設備である送電線に2相以上の地絡事故が発生すると、図5のように零相電圧が発生し、かつ、線間電圧は所定値VkΔ、Vk1以下になり、さらに、図示していないが零相電流も流れる。
このため、零相電圧検出要素2、2相以上事故検出要素3およびリレー出力ロック解除回路5内の事故検出要素(FDリレー)51は一斉に動作して論理値“1”なる信号2a、3a、51aを出力する。なお、これらの検出要素2、3および51の動作時刻から少し遅れて主保護リレー1が動作して論理値“1”なる信号1aを出力する。
主保護リレー1の動作により、論理値“1”なる出力信号1aがアンド回路12の一方の入力端子に入力されるが、この主保護リレー1の動作に先立って、後述するように遮断出力阻止回路C1から論理値“0”なる信号が第3のオア回路11を経てアンド回路12の他方の入力端子に入力されるため、アンド回路12から遮断指令が出されることはない。
以下、事故発生後の遮断出力阻止回路C1内の応動について詳しく説明する。
2相以上の事故発生によって、遮断出力阻止回路C1内の零相電圧検出要素2および2相以上事故検出要素3は動作して論理値“1”なる出力信号2aおよび3aを第1のオア回路6を経て第1のオフディレイタイマ7に入力する。この第1のオフディレイタイマ7は、予め定められた復帰遅延時間T1だけ出力信号2aおよび3aを遅延復帰させて第2のオア回路9経由ノット回路10に入力する。このノット回路10は遅延復帰された論理値“1”なる信号の極性を“0”に反転し、遮断出力阻止回路C1の出力信号として第3のオア回路11に入力する。
2相以上の事故発生によって、遮断出力阻止回路C1内の零相電圧検出要素2および2相以上事故検出要素3は動作して論理値“1”なる出力信号2aおよび3aを第1のオア回路6を経て第1のオフディレイタイマ7に入力する。この第1のオフディレイタイマ7は、予め定められた復帰遅延時間T1だけ出力信号2aおよび3aを遅延復帰させて第2のオア回路9経由ノット回路10に入力する。このノット回路10は遅延復帰された論理値“1”なる信号の極性を“0”に反転し、遮断出力阻止回路C1の出力信号として第3のオア回路11に入力する。
なお、リレー出力ロック解除回路5内のオンディレイタイマ52は未だ遅延動作時間T3には至らないので、リレー出力ロック解除回路5から論理値“1”なる出力信号5aが出力されることはない。
この結果、2相以上の事故発生直後から第3のオア回路11を経てアンド回路12の他方の入力端子に論理値”0”なる阻止信号が入力されることとなり、保護対象設備である送電線に2相以上の地絡事故が発生して主保護リレー1が動作しても、遮断出力阻止回路C1によって遮断器の遮断は阻止される。
そして、2相以上の地絡事故の発生時刻t1から所定時間(例えば0.5サイクル;50ヘルツ系では10ms、60ヘルツ系では8ms)を経過した直後の時刻t2で続流遮断形アークホーンが正常に動作したことにより事故が除去されると、零相電圧検出要素2、2相以上事故検出要素3およびリレー出力ロック解除回路5内の事故検出要素51の出力信号は全て論理値“0”に復帰し、一方、事故回復検出要素4が線間電圧の回復によって事故除去を検出して論理値“1”なる信号4aを出力する。
この事故回復検出要素4の出力信号4aは、第2のオフディレイタイマ8、オア回路9を経てノット回路10に入力され、論理値“1”を“0”に反転する。この結果、第2のオフディレイタイマ8およびノット回路10により所定の遅延復帰時間T2内の出力を阻止し、不要に遮断指令が出力されることを防止する。
このように、続流遮断形アークホーンが正常に動作した後でも主保護リレー1によって事故点(区間)の切り離しが行われることはない。
(ケース2)
次に、続流遮断形アークホーンが正常に動作できないケース2について、図6を参照して説明する。
次に、続流遮断形アークホーンが正常に動作できないケース2について、図6を参照して説明する。
時刻t1で保護対象設備である送電線に2相以上の地絡事故が発生すると、前述のケース1と同様に、零相電圧検出要素2およびリレー出力ロック解除回路5内の事故検出要素51は一斉に動作して、論理値“1”の信号2a、3a、51aを出力する。一方、主保護リレー1は、零相電圧検出要素2等の動作に若干遅れて論理値“1”の信号1aを出力する。
時刻t2で続流遮断形アークホーンに動作が期待される0.5サイクル〜1サイクル内の時間T1を過ぎ、なおも事故が継続してリレー出力ロック解除回路5内のオンディレイタイマ52の遅延動作時間T3に到達した時刻t3になると、オンディレイタイマ52が動作出力“1”を生じる。このため、リレー出力ロック解除回路5から論理値“1”なる信号5aが第3のオア回路11を経てアンド回路12の他の入力端子に加わり、遮断指令が遮断器引き外しコイル13に流れて遮断器を動作させ、事故点(区間)の除去を行う。
このように、続流遮断形アークホーンによって遮断できない場合や事故が遷移して事故電圧・電流が所定時間継続して発生している場合、リレー出力ロック解除回路5が動作出力“1”を生じることによって遮断出力阻止回路C1からの遮断指令阻止を解除する。これによって、送電線保護継電装置は遮断器へ遮断指令を出力して事故区間を切り離すことで本来の動作責務を果たす。
(効果)
以上述べたように、本実施形態1によれば、続流遮断形アークホーンの正常な動作によって、例えば半サイクル程度の短時間のうちに事故が復旧した場合、主保護リレーによる遮断指令を阻止して、保護対象である送電線を不要に切り離すことを防止することができ、一方、続流遮断形アークホーンの動作が失敗して事故が継続した場合は、リレー出力ロック解除回路によって遮断指令阻止回路による阻止を解除し、送電線保護継電装置によって事故区間を切り離し、本来の責務を果たすことがきる。
以上述べたように、本実施形態1によれば、続流遮断形アークホーンの正常な動作によって、例えば半サイクル程度の短時間のうちに事故が復旧した場合、主保護リレーによる遮断指令を阻止して、保護対象である送電線を不要に切り離すことを防止することができ、一方、続流遮断形アークホーンの動作が失敗して事故が継続した場合は、リレー出力ロック解除回路によって遮断指令阻止回路による阻止を解除し、送電線保護継電装置によって事故区間を切り離し、本来の責務を果たすことがきる。
[実施形態2]
次に、本発明に係る実施形態2について図7を参照して説明する。
本実施形態2は、図1の「2相以上事故検出要素」3の他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の線間電圧が変化することに着目し、線間電圧の変化分検出を「2相以上事故検出要素」3に適用した構成を採用している。
次に、本発明に係る実施形態2について図7を参照して説明する。
本実施形態2は、図1の「2相以上事故検出要素」3の他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の線間電圧が変化することに着目し、線間電圧の変化分検出を「2相以上事故検出要素」3に適用した構成を採用している。
本実施形態2の「2相以上事故検出要素」3場合、線間電圧の変化分は現在の値と1〜2サイクル前の値を比較して算出する。因みに、ab相間の電圧変化分はΔVab=Vab−V´ab、bc相間の電圧変化分はΔVbc=Vbc−V´bc、そしてca相間の電圧変化分はΔVca=Vca−V´caである。
電圧変化分検出要素33−1、33−2および33−3によって線間電圧の変化分ΔVab、ΔVbcおよびΔVcaが所定値Vkd以上(ΔVab≧Vkd、ΔVbc≧VkdおよびΔVca≧Vkd)であることを算出し、オア回路34によってオア信号3aを出力することで2相以上の事故を検出する。
[実施形態3]
次に、本発明に係る実施形態3について図8を参照して説明する。
本実施形態3は、図1の2相以上事故検出要素3の更に他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の電流が大きくなることに着目し、相電流検出を2相以上事故検出要素3に適用した構成を採用している。
次に、本発明に係る実施形態3について図8を参照して説明する。
本実施形態3は、図1の2相以上事故検出要素3の更に他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の電流が大きくなることに着目し、相電流検出を2相以上事故検出要素3に適用した構成を採用している。
本実施形態3の「2相以上事故検出要素」3の場合、電圧の変化分に替えて、異なる2相に流れる電流を比較し、その値の絶対値が所定値以上であることを算出する。因みに、相電流検出要素(a相-b相)35−1は、|Ia−Ib|>Ik1、相電流検出要素(b相-c相)35−2は、|Ib−Ic|>Ik1、相電流検出要素(c相-a相)35−3は、|Ic−Ia|>Ik1をそれぞれ演算する。
そして、これらの相電流検出要素35−1〜35−3の算出結果をオア回路36からオア信号3aとして出力することで2相以上の事故を検出する。
[実施形態4]
次に、本発明に係る実施形態4について図9を参照して説明する。
本実施形態4は、図1の「2相以上事故検出要素」3のまた更に他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の電流が変化することに着目し、相電流の変化分検出を「2相以上事故検出要素」3に適用した構成を採用している。
次に、本発明に係る実施形態4について図9を参照して説明する。
本実施形態4は、図1の「2相以上事故検出要素」3のまた更に他の構成例に関するものであり、2相以上の事故が起こった場合、事故相の電流が変化することに着目し、相電流の変化分検出を「2相以上事故検出要素」3に適用した構成を採用している。
37−1、37−2および37−3は電流変化分検出要素であり、図9に示すように異なる相の電流変化分を比較し、その値の絶対値が所定値以上であることを算出する。
因みに、電流変化分検出要素37−1は|ΔIa−ΔIb|>Ik2を演算し、電流変化分検出要素37−2は|ΔIb−ΔIc|>Ik2を演算し、そして、電流変化分検出要素37−3は|ΔIc−ΔIa|>Ik2を演算し、各演算結果をオア回路38を通して信号3aとして出力する。このオア出力3aによって2相以上の事故を検出する。
因みに、電流変化分検出要素37−1は|ΔIa−ΔIb|>Ik2を演算し、電流変化分検出要素37−2は|ΔIb−ΔIc|>Ik2を演算し、そして、電流変化分検出要素37−3は|ΔIc−ΔIa|>Ik2を演算し、各演算結果をオア回路38を通して信号3aとして出力する。このオア出力3aによって2相以上の事故を検出する。
[実施形態5]
次に、本発明に係る実施例5について図10を参照して説明する。
本実施形態5は、図1の「事故回復検出要素」4の他の構成例に関するものであり、事故が回復した場合に線間電圧が増加することに着目し、線間電圧が予め定めた設定値以上になったことをもって事故回復を識別するようにしたものである。
次に、本発明に係る実施例5について図10を参照して説明する。
本実施形態5は、図1の「事故回復検出要素」4の他の構成例に関するものであり、事故が回復した場合に線間電圧が増加することに着目し、線間電圧が予め定めた設定値以上になったことをもって事故回復を識別するようにしたものである。
因みに、線間電圧検出要素43−1、43−2および43−3によって線間電圧Vab、VbcおよびVcaがそれぞれ所定値kVn2以上(Vab>kVn2、Vbc>kVn2およびVca>kVn2)であることを検出し、アンド回路44によってそれらの要素の検出条件が全て満たされた場合(三相のアンド条件成立の場合)、続流遮断形アークホーンによる事故回復を識別し、信号4aを第2のオフディレイタイマ8に出力する。
[実施形態6]
次に、本発明に係る実施形態6について図11を用いて説明する。
本実施形態6は、図1のリレー出力ロック解除回路5の他の構成例に関するものであり、前述した図4の事故検出要素51とオンディレイタイマ52との組み合わせ回路に替えて、事故電流検出要素53を設けたものである。この事故電流検出要素53は、検出した事故電流Ifが値の大きめに設定した設定値IkAよりも大きい場合(If>IkA)場合、時間を待たずにリレーロック解除信号5aを出力するようにしたものである。
次に、本発明に係る実施形態6について図11を用いて説明する。
本実施形態6は、図1のリレー出力ロック解除回路5の他の構成例に関するものであり、前述した図4の事故検出要素51とオンディレイタイマ52との組み合わせ回路に替えて、事故電流検出要素53を設けたものである。この事故電流検出要素53は、検出した事故電流Ifが値の大きめに設定した設定値IkAよりも大きい場合(If>IkA)場合、時間を待たずにリレーロック解除信号5aを出力するようにしたものである。
本実施形態6の場合、事故電流が非常に大きいとき、続流遮断形アークホーンでは遮断できない重大な事故であると看做して遮断出力阻止回路C1の状態に依らず直ちにアンド回路12を経て遮断指令信号を出力する。
1…主保護リレー、2…零相電圧検出要素(第1の手段)、3…2相以上事故検出要素(第2の手段)、31−1…線間電圧検出要素(ab相)、31−2…線間電圧検出要素(bc相)、31−3…線間電圧検出要素(ca相)、32…オア回路、33−1…電圧変化分検出要素(ab相)、33−2…電圧変化分検出要素(bc相)、33−3…電圧変化分検出要素(ca相)、34…オア回路、35−1…相電流検出要素(a相−b相)、35−2…相電流検出要素(b相−c相)、35−3…相電流検出要素(c相−a相)、36…オア回路、37−1…電流変化分検出要素(a相−b相)、37−2…電流変化分検出要素(b相−c相)、37−3…電流変化分検出要素(c相−a相)、38…オア回路、4…事故回復検出要素(第3の手段)、41−1…線間電圧増加傾向検出要素(ab相)、41−2…線間電圧増加傾向検出要素(bc相)、41−3…線間電圧増加傾向検出要素(ca相)、42…オア回路、43−1…線間電圧増加傾向検出要素(ab相)、43−2…線間電圧増加傾向検出要素(bc相)、43−3…線間電圧増加傾向検出要素(ca相)、44…アンド回路、5…リレー出力ロック解除回路(第5の手段)、51…事故検出要素、52…オンディレイタイマ、53…事故電流検出要素、6…オア回路、7…オフディレイタイマ、8…オフディレイタイマ、9…オア回路、10…ノット回路、11…オア回路、12…アンド回路、13…遮断器引外しコイル、C1…遮断器の遮断出力阻止回路(第4の手段)。
Claims (9)
- 続流遮断形アークホーンを備えた碍子装置によって送電鉄塔等の支持物に支えられた送電線を保護する送電線保護継電装置において、
送電線を含む電力系統から取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて保護リレー演算を行い遮断器に遮断指令を出力する主保護リレーと、
前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて零相電圧を検出する第1の手段と、
前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて2相以上の事故を検出する第2の手段と、
前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて事故回復を識別する第3の手段と、
前記第1の手段または第2の手段の出力信号を第1の所定時間復帰を遅延する第1のタイマおよび前記第3の手段の出力信号を第2の所定時間復帰を遅延する第2のタイマを備え、前記第1のタイマあるいは第2のタイマの動作中前記主保護リレーによる遮断器への遮断指令を阻止する第4の手段と、
前記取り込まれた電気量またはその合成電気量を用いて前記第4の手段による遮断指令阻止を解除する第5の手段と、を備えたことを特徴とする送電線保護継電装置。 - 前記第2の手段は、線間電圧が所定値以下のとき、2相以上の事故を検出することを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
- 前記第2の手段は、線間電圧の変化分が所定値以上のとき、2相以上の事故を検出することを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
- 前記第2の手段は、相電流が所定値より大きいとき、2相以上の事故を検出することを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
- 前記第2の手段は、相電流の変化分が所定値より大きいとき、事故を識別させることを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
- 前記第3の手段は、現在の線間電圧から所定時間前の線間電圧が所定値よりも大きくなったとき、事故回復を識別することを特徴とする請求項1に記載の送電線保護継電装置。
- 前記第3の手段は、事故後に全ての線間電圧が所定値よりも大きくなったとき、事故回復を識別することを特徴とする請求項1に記載の送電線保護継電装置。
- 前記第5の手段は、事故検出要素が動作開始時点から所定時間経過後も継続して動作している場合、前記第4の手段による遮断信号阻止を解除することを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
- 前記第5の手段は、事故電流が所定値以上であることを検出したとき、前記第4の手段による遮断信号阻止を解除することを特徴とする請求項1記載の送電線保護継電装置。
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