JP2005168150A - 保護継電装置の自動点検装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動点検中に事故が発生した場合に、保護対象装置が重大な事故状態になる前に保護する。
【解決手段】主検出点検部1は、自動点検中には、抑止回路21を介してトリップ・ロック用補助リレー2を動作させ、他のリレー6の出力信号を抑止回路22で遮断しておく。論理和回路23は主検出点検信号MXによる点検出力の他、主要リレー5が保護出力を発生したときに補助リレー3をオン動作させる。
FD点検部10は、リレー11を除いた他のリレー12の出力信号を抑止回路24で遮断しておく。論理和回路25は、点検信号FDXによる点検出力の他、リレー11が保護出力を発生したときに補助リレー4をオン動作させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主検出リレー部と事故検出リレー部を備えた保護継電装置の自動点検装置に関する。
保護継電装置は、例えば、配電線(フィーダ)の電圧・電流を電圧変成器や変流器で検出し、これらの検出信号をアナログ入力部で取り込み、これらの検出信号をディジタル信号に変換し、マイクロコンピュータ等の保護演算部で検出値と整定値との比較演算などによって過電流や過電圧の発生を判定する保護演算を行い、過電圧発生等の事故検出が得られたときに、補助リレーなどで構成する保護出力部により配電線に介挿されるしゃ断器のトリップを行う。
この種の保護継電装置は、保護動作の信頼性を確保するため、定期的に点検を行うことができる自動点検機能を設けることが推奨されている(例えば、特許文献1参照)。
この自動点検には、保護対象からの検出信号に代えて、事故状態を模擬した点検信号をアナログ入力部に入力し、保護出力部に所期のトリップ信号が得られるか否かをチェックする方式、または補助リレーなどの故障発生率の高い機構部の動作のみを点検する方式がある。
図3は保護出力部(補助リレー部)の自動点検シーケンス図を示し、図4に自動点検処理のフローチャートを示す。
図3において、破線ブロックAで示す部分は電流差動継電器(87リレー)機能などをもつ保護継電装置の主検出リレー部に対する自動点検シーケンスを論理回路で示し、破線ブロックBで示す部分は電流差動継電器(87Fリレー)機能などをもつ事故検出リレー部に対する自動点検シーケンスを論理回路で示す。
主検出点検部1は、自動点検の起動条件成立で、トリップロック信号11Xをオンさせることでトリップ・ロック用補助リレー2を動作させ、これによって主検出用補助リレー(MX)3および事故検出用補助リレー(FDX)4の動作にもしゃ断器の誤ったトリップを防止する。同時に、主検出リレー部のリレー5、6の出力信号を抑止回路7で遮断しておく。この状態で、主検出点検信号MXを発生し、論理和回路8を通して補助リレー3をオン・オフ動作させ、補助リレーの補助接点等のオン・オフ動作等から正常/異常を判定する。
この判定結果が正常の場合、FD点検指令部9はFD点検部10に点検指令を発生する。FD点検部10は、FD点検信号FDXを発生し、事故検出リレー部のリレー11、12の出力信号を抑止回路13で遮断すると共に、論理和回路14を通して補助リレー4をオン・オフ動作させ、正常/異常を判定する。
この判定結果が正常の場合、各リレーの出力信号抑止を解除し、主検出点検部1が補助リレー2を復帰させてトリップ・ロックを解除する。
系統保護継電方式の標準的な考え方(ディジタル編)、平成4年3月、電気事業連合会工務部、保護制御担当課長会議
前記のように、自動点検には、トリップ・ロック用補助リレー2を動作させ、しゃ断器トリップをロックした状態で行う。このロック状態による点検中に、保護対象に事故が発生したとき、点検終了で補助リレー2を復帰させた後にトリップ動作を得ることになる。つまり、保護継電装置は自動点検中には保護不能状態にある。
ここで、自動点検に要する時間は、補助リレー2、3、4の応答遅れ時間でほぼ決まり、一般には約200msを要する。この遅れは、図5にタイムチャートで示すように、自動点検には、補助リレー11Xのオンによりトリップロックした後、主検出リレー部Aのオン・オフ点検と、その後の事故検出リレー部Bのオン・オフ点検を行う。この自動点検中に事故が発生した場合、トリップロック終了後に初めてトリップ指令を得ることができることになり、自動点検初期に事故が発生した場合には最大で200msの遅れを伴う。
上記のように、自動点検中の事故発生にはトリップ遅れを伴う。しかし、変圧器保護などの機器の保護には、点検中の事故時であっても、機器につながるしゃ断器をできるだけ速くトリップ動作させ、保護できることが要望される。例えば、変圧器は事故発生で大電流が一定時間以上流れると、変圧器自体およびその周辺機器を破損させるおそれがあり、たとえ点検中であっても事故発生時には直ちにトリップ動作できることが要望される。
本発明の目的は、自動点検中に事故が発生した場合に、保護対象装置が重大な事故状態になる前に保護することができる自動点検装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、自動点検中に、主検出リレー部または事故検出リレー部のうちの主要なリレー要素に保護動作出力が発生したときは、自動点検を強制中止すると共に、保護出力を発生するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)保護出力部をそれぞれ補助リレーで構成した主検出リレー部と事故検出リレー部を有し、両リレー部が共に保護動作したときのみ、前記保護出力部に保護対象装置のしゃ断器をトリップさせる保護出力を得る保護継電装置の自動点検装置であって、
自動点検に際して、前記両リレーの保護出力をロックするトリップ・ロック用補助リレーを動作させ、この状態で前記主検出リレー部と事故検出リレー部の補助リレーを順次動作させることで、保護出力部の正常/異常または各リレー要素の正常/異常を判定する自動点検処理手段と、
前記自動点検処理手段による自動点検中に、前記主検出リレー部または事故検出リレー部のうちの主要なリレー要素に保護動作出力が発生したときには、該自動点検を強制中止すると共に、前記保護出力を発生する処理手段とを備えたことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、自動点検中に、主検出リレー部または事故検出リレー部のうちの主要なリレー要素に保護動作出力が発生したときは、自動点検を強制中止すると共に、保護出力を発生するようにしたため、自動点検中に事故が発生した場合に、保護対象装置が重大な事故状態になる前に保護することができる。
図1は、本発明の実施形態を示す自動点検シーケンス図を示す。同図が図3と異なる部分は、自動点検中に、主検出リレー部のうちの主要な保護機能をもつリレー要素に保護動作出力が発生したときには、自動点検を強制中止すると共に、主検出リレー部に保護出力を発生するシーケンスとした点にある。また、事故検出リレー部のうちの主要な保護機能をもつリレー要素になる電流差動継電器(87Fリレー)に保護動作出力が発生したときには、事故検出リレー部に保護出力を発生するシーケンスとする。ここで、主要な保護機能をもつリレー要素とは、それが動作したときは、保護対象装置が重大な事故状態になる前に直ちに保護動作を必要とするリレーとする。
図1において、主検出リレー部Aの点検中には、主検出点検部1は、自動点検の起動条件成立で、トリップロック信号11Xをオンさせ、抑止回路21を介してトリップ・ロック用補助リレー2を動作させ、同時に、電流差動継電器(87リレー)5を除いた他のリレー6の出力信号を抑止回路22で遮断しておく。論理和回路23は、電流差動継電器(87リレー)5と抑止回路22を通した他のリレー6からの保護出力および主検出点検信号MXの論理和を取り、リレー5、6が保護出力を発生したときに補助リレー3をオン動作を可能にし、主検出点検信号MXが発生したときに補助リレー3をオン・オフ動作を可能にする。
事故検出リレー部Bの点検中では、FD点検部10の点検指令FDX信号の発生により、電流差動継電器(87F)11を除いた他のリレー12の出力信号を抑止回路24で遮断しておく。論理和回路25は、過電流リレー11の保護出力と抑止回路24を通した他のリレー12の保護出力および点検信号FDXの論理和を取り、リレー11が保護出力を発生したとき、または自動点検中でないときの他のリレー12が保護出力を発生したときに補助リレー4のオン動作を可能にし、点検信号FDXが発生したときに補助リレー4のオン・オフ動作を可能にする。
以上の自動点検シーケンスにより、自動点検中に、電流差動継電器(87リレー)5に保護出力が発生したときには、補助リレー2を強制的にオフ動作させると共に、補助リレー3をオン動作させ、主検出リレー部Aの出力にトリップ動作を得ることができる。この動作は、主検出リレー部Aの点検中および事故検出リレー部Bの点検中に拘わらず得ることができる。
次に、自動点検中に、過電流リレー(87F)11に保護出力が発生したときには、補助リレー4をオン動作させ、事故検出リレー部Bの出力にトリップ動作を得ることができる。この動作は、主検出リレー部Aの点検中および事故検出リレー部Bの点検中に拘わらず得ることができる。
したがって、主検出リレー部Aの自動点検中にリレー5が動作したとき、補助リレー11がオフしてその接点を閉じ、補助リレー3がオンしてその接点を閉じ、しゃ断器のトリップ準備ができる。この状態に加えて、リレー11が動作したとき、補助リレー4がオンしてその接点を閉じ、しゃ断器のトリップを行うことができる。すなわち、主検出リレー部Aの自動点検中に、リレー5およびリレー11が共に保護動作出力があるときに、トリップ出力を得るシーケンスになり、保護対象機器を直ちに保護することが必要な条件が成立したときのみトリップ出力を得る。
この保護動作は、図2に示すタイムチャートになる。補助リレー11Xのオンによりトリップロックした後、主検出リレー部Aのオン・オフ点検中に、事故が発生し、リレー(87リレー)5とリレー(87Fリレー)11が共に動作したとき、トリップロックを解除し、トリップ指令を得、保護対象装置を保護する。同様に、事故検出リレー部Bの点検中に事故が発生した場合、リレー5、11が共に動作すれば、同様の保護動作を得ることができる。
本実施形態では、図2では、事故発生から数10msの遅れでトリップ指令を発生する場合を示すように、従来の自動点検方式での200msを要するトリップ動作に比べて迅速な保護動作になる。
本発明の実施形態を示す自動点検シーケンス図。 実施形態における事故発生時のタイムチャート。 従来の自動点検シーケンス図。 従来の自動点検処理のフローチャート。 従来の事故発生時のタイムチャート。
符号の説明
A 主検出リレー部
B 事故検出リレー部
1 主検出点検部
2 トリップ・ロック用補助リレー
3 主検出リレー部の補助リレー
4 事故検出リレー部の補助リレー
5、6、11、12 保護リレー
9 FD点検指令部
10 FD点検部

Claims (1)

  1. 保護出力部をそれぞれ補助リレーで構成した主検出リレー部と事故検出リレー部を有し、両リレー部が共に保護動作したときのみ、前記保護出力部に保護対象装置のしゃ断器をトリップさせる保護出力を得る保護継電装置の自動点検装置であって、
    自動点検に際して、前記両リレーの保護出力をロックするトリップ・ロック用補助リレーを動作させ、この状態で前記主検出リレー部と事故検出リレー部の補助リレーを順次動作させることで、保護出力部の正常/異常または各リレー要素の正常/異常を判定する自動点検処理手段と、
    前記自動点検処理手段による自動点検中に、前記主検出リレー部または事故検出リレー部のうちの主要なリレー要素に保護動作出力が発生したときには、該自動点検を強制中止すると共に、前記保護出力を発生する処理手段とを備えたことを特徴とする保護継電装置の自動点検装置。
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