JP5467944B2 - 遊技機用基板ケース及びそれを備えた遊技機 - Google Patents

遊技機用基板ケース及びそれを備えた遊技機 Download PDF

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Description

本発明は、遊技機の背面側に装着される遊技機用基板ケース、及びその遊技機用基板ケースを備えたパチンコ機等の遊技機に関する。
遊技機用基板ケースとして、例えば下記特許文献1には、第1ケース体と、第1ケース体に重ね合わされ、重ね合わされた状態における所定の閉塞位置にて内部に収容された配線基板を外部から接触不能とする第2ケース体と、第1ケース体と第2ケース体とを閉塞位置に固定保持可能な封止手段とを備えたものが記載されている。封止手段(かしめ手段)は、第1ケース体に一体成形された被結合部(被係合部)、第2ケース体に一体成形された封止部材(係合部)、及び開封障害部とで構成されている。封止部材(かしめ部材)は、損壊可能な保持部によって第2ケース体に連結されており、被結合部へ向けて押し込まれると、保持部の損壊により第2ケース体から独立して移動できるようになり、被結合部と離脱不能に結合する。そして、封止部材が被結合部と結合した状態(かしめ状態)において、第1ケース体と第2ケース体とを開方向へ相対移動させようとすると、開封障害部により封止部材の移動が規制されることとなって、基板ケースの開封が阻止されるようになっている。
特開2009−22508号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された遊技機用基板ケースでは、保持部を損壊させるために封止部材を被結合部へ向けてある程度強い力で押し込んだときに、封止部材が第2ケース体から独立して移動できることに起因して、保持部の損壊態様により押し込む方向が狙いとする方向から反れることも多く、封止部材を被結合部にうまく結合させることができないという問題、すなわち組み付け時の作業性が悪いという問題があった。また、封止状態にある第1ケース体と第2ケース体とを開封するときは開封障害部を切り離す構成であるため、切り離された開封障害部がゴミとなって残るという問題もあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、組み付け時の作業性が良好で、また開封時にゴミ等が生じ難い構成の遊技機用基板ケース、及びそれを用いた遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明の遊技機用基板ケースは、第1ケース体と、第1ケース体に重ね合わされ、重ね合わされた状態における所定の閉塞位置にて内部に収容された配線基板を外部から接触不能とする第2ケース体と、第1ケース体と第2ケース体とを閉塞位置に固定保持可能なかしめ手段とを備えた遊技機用基板ケースであって、かしめ手段は、第1ケース体と一体に形成される係合部と、第2ケース体と一体に形成され、かしめのための押圧力を受けたとき係合部を強制的に係合させることでかしめ状態となり、係合部が離脱不能となる被係合部と、基端部にて第1ケース体と一体に連結される一方、先端部にて係合部と一体に連結され、該係合部の被係合部へ向けての移動を撓み変形により許容し、かつ、かしめ状態後において係合部と被係合部との連結状態を維持する連結アームと、を備えることを特徴とする。
本願発明の遊技機用基板ケースでは、係合部が連結アームによって第1ケース体と一体に連結されており、かしめ状態後においても、係合部と第1ケース体との連結状態が維持される。このため、従来の遊技機用基板ケースにおける封止部材と異なり、係合部が独立した部材とはならず、係合部を被係合部へ向けて押し込んだときに連結アームが基端部を弾性変形支点として係合部を被係合部へ向けてガイドする役割を果たすようになるので、係合部を被係合部に容易に係合させることができ、組み付け時の作業性を向上させることができる。
この場合、かしめ状態とされる前において、少なくとも係合部は、第1架橋部によって第1ケース体と一体に連結されており、第1架橋部を切断することにより、連結アームが基端部にて第1ケース体に支持される片持ち梁状態となって、係合部の被係合部へ向けての移動が許容されるように構成することができる。
これによれば、第1架橋部を切断すると同時にかしめる(係合部を押し込む)こともできるが、連結アームが基端部で第1ケース体に連結(支持)されているので、第1架橋部を予め工具(ニッパなど)で切断することができる。このため、係合部を被係合部へ向けて強い力で押し込まなくて済むので、係合部を被係合部に対してほぼ確実にかしめることができ、組み付け時の作業効率を向上させることができる。
また、被係合部は、第2架橋部によって第2ケース体と一体に連結されており、かしめ状態とされた後において、第2架橋部を切断することにより、第2ケース体がかしめ状態にある係合部及び被係合部から独立して分離可能となり、第1ケース体と第2ケース体との固定保持状態が解除されるように構成することができる。
これによれば、第2架橋部を切断することにより、第1ケース体と第2ケース体との固定保持状態が解除されるが、第2架橋部が独立した部材とはならないので、従来の開封障害部のようなゴミの発生を防止することができる。
また、係合部は先細りとなるテーパ状の係止爪を含んで構成され、被係合部は係止孔を含んで構成されており、係止爪が係止孔に強制的に挿入されることで、第1ケース体と第2ケース体とが閉塞位置に固定保持されるように構成することができる。この場合、第1ケース体には、係止爪を係止孔に誘導するガイド壁を形成するためのガイド孔が該係止爪の先端近傍に形成されているとよい。
これによれば、係止爪がガイド壁により係止孔に向けて誘導されるので、かしめ作業がより一層容易になる。また、例えば第1ケース体と第2ケース体とが相対的なスライド移動により閉鎖位置から開封位置へ移動するものである場合、第1ケース体と第2ケース体とを無理に開封しようとしても、係止爪がガイド壁により移動を規制されるので、係止孔に対して係止爪を安定して配置することができる。
また、上記課題を解決するために本発明の遊技機は、上記した遊技機用基板ケースを備えることを特徴とする。
本発明によれば、組み付け時における作業性が良好で、開封時におけるゴミ等が生じ難い構成の遊技機用基板ケースを提供することができる。また、そのような遊技機用基板ケースを備えたことから、不正行為を有効に防止できる遊技機を提供することができる。
本発明の基板ケースを備えたパチンコ機の一例を示す正面図。 図1の背面図。 図2に示した基板ケース(かしめ状態)の斜視図。 (a)は図3の平面図。(b)は(a)の4B−4B断面図。 図3に示した基板ケースの開状態(基板組み付け前)を示す斜視図。 図3に示した基板ケースの開状態(基板組み付け後)を示す斜視図。 (a)は図6の平面図。(b)は(a)の7B−7B断面図。(c)は(a)の7C−7C断面図。 (a)、(c)は図3に示した基板ケースを構成する蓋体の斜視図。(b)は(a)の右側面図。 (a)は図8(a)の平面図。(b)は図8(a)の正面図。 (a)、(c)は図3に示した基板ケースを構成するベ−ス体の斜視図。(b)は(a)の左側面図。 (a)は図10(a)の平面図。(b)は図10(a)の正面図。(c)は図10(a)の背面図。 (a)は図6に示した基板ケースが重ね合わせ位置にある状態を示す斜視図。(b)は(a)の状態にある基板ケースを閉塞位置までスライド移動させた状態を示す斜視図。 (a)は図12(a)の平面図。(b)は(a)の13B−13B断面図。(c)は(a)の13C−13C断面図。(d)は(a)の13D−13D断面図。(e)は(a)の13E−13E断面図。 (a)は図12(b)の平面図。(b)は(a)の14B−14B断面図。(c)は(a)の14C−14C断面図。(d)は(a)の14D−14D断面図。(e)は(a)の14E−14E断面図。 図3の一部を破断して示す要部拡大図。 図3に示した状態から第2架橋部を切断して重ね合わせ位置までスライド移動させた状態を示す斜視図。 (a)は図16の平面図。(b)は(a)の17B−17B断面図。(c)は(a)の17C−17C断面図。 (a)は図13(a)の18A−18A断面図。(b)は図14(a)の18B−18B断面図。(c)は図4(a)の18C−18C断面図。(d)は図17(a)の18D−18D断面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明の遊技機の一実施例であるパチンコ機1を示している。最初に、このパチンコ機1の概要について説明する。なお、以下の図1及び図2を用いたパチンコ機1の説明において、背面側(裏面側)とは遊技盤2と交差(例えば直交)するパチンコ機1の前後方向のうち遊技者側(前方側)とは反対側(後方側)を意味する。また、上下方向とは遊技盤2の盤面に沿う形で遊技球が流下する方向(例えば鉛直方向)を意味する。さらに、左右方向とは遊技盤2に沿う形で上下方向と交差する方向(例えば水平方向)を意味し、パチンコ機1の正面視にて左側、右側をいう。
パチンコ機1の遊技盤2は、内枠3に着脱可能に嵌め込み固定され、内枠3は外枠4に左側にて上下に配置されるヒンジ3a,3aを通る開閉軸線O周りに回動開閉可能に支持されている。また、遊技盤2は遊技者側に位置するガラス板(図示せず)で覆われ、ガラス板は前面枠5(ガラス枠)に固定され、前面枠5はヒンジ(図示せず)により内枠3に回動開閉可能に支持されている。なお、内枠3は前面枠5の背面側に、外枠4は内枠3の背面側に、それぞれ部分的に重なり合った状態で配置されている。
遊技盤2の盤面2aの前面は、ほぼ左半周が内外2本のガイドレール2bによって区画され、全体として円形に近い形状の遊技領域11が形成されている。遊技領域11の中央には液晶表示装置12が搭載され、液晶表示装置12の下方(遊技領域11の中央下部)に大入賞装置13(アタッカー)が配置されている。また、液晶表示装置12と大入賞装置13との間には、電動チューリップ(電チュー)にて構成される始動入賞装置14(チャッカー)が配置されている。
さらに、前面枠5の下部には、発射用の遊技球を貯留しておくための球受皿15が前方側に膨出する形で左右方向に延設されている。前面枠5の右側下端部には、球受皿15から供給された遊技球を遊技領域11に発射するための発射ハンドル16が前方側に突出形成されている。
遊技盤2は、四辺が矩形状(正方形状又は長方形状)の板製のものであり、その盤面2aの前面には、上記した液晶表示装置12、大入賞装置13、始動入賞装置14等の遊技装置が装着され、その裏面は、遊技装置12〜14等を保護する盤裏カバー17が設けられている。また、駆動制御する主制御部C1が遊技盤裏面の所定の装着箇所に装着されている。
内枠3は、四辺が矩形状(正方形状又は長方形状)の枠組み構造のものであり、その裏面には、上記した発射ハンドル16を駆動制御する発射制御部C2、払出装置6を駆動制御する払出制御部C3が所定の装着箇所に装着されている。発射制御部C2及び払出制御部C3は、主制御部C1との間でそれぞれ制御信号の送受信を行う。
主制御部C1は、図3〜図7に示すように、主制御基板PBと、この主制御基板PBを内部に収容するための主制御基板ケース(以下、単に基板ケースともいう)20とを備えている。なお、以下の図3以降を用いた主制御基板PB、基板ケース20の説明において、上下方向とは基板ケース20をパチンコ機1から取り外した状態で、仮想の水平面上に載置したと仮定した場合に(図3参照)、その水平面と交差する方向(例えば鉛直方向)を意味し、図4(a)に示す平面視にて紙面の表側、あるいは図4(b)に示す正面断面視にて図示上側が上方向、図4(a)に示す平面視にて紙面の裏側、あるいは図4(b)に示す正面断面視にて図示下側が下方向となる。また、左右方向とは上記水平面に沿う形で上下方向と交差する方向(例えば水平方向)を意味し、図4(a)に示す平面視、あるいは図4(b)に示す正面断面視における図示左側が左方向、図示右側が右方向となる。さらに、図4(a)に示す平面視にて図示下側、あるいは図4(b)に示す正面断面視にて紙面の表側が前方向、図4(a)に示す平面視にて図示上側、あるいは図4(b)に示す正面断面視にて紙面の裏側が後方向となる。
主制御基板PB(配線基板)は、長方形の板状をなし、その上面には、周辺部を除くほぼ全面に渡って複数の電子部品(図示省略)が実装され、前縁に沿って各種コネクタP2が実装されている(図3、図4参照)。また、主制御基板PBの3つの隅部には、位置決め用貫通孔H1が形成され、1つの隅部の近傍には、取付ビスB1用の貫通孔H2が形成されている(図5参照)。
基板ケース20は、開閉可能かつ重ね合わせ可能な蓋体30とベース体40とを備えるとともに、蓋体30とベース体40とを各左壁側で連結する繋ぎ部材50,50と、各右壁に沿って配置され蓋体30とベース体40とを固定保持可能なかしめ手段60とを備えている。蓋体30、ベース体40、及びかしめ手段60は、透明な合成樹脂(例えばPC、ABS等)で形成されている。
蓋体30(第2ケース体)は、図8、図9に示すように、略長方形状で下方へ開口する容器状をなし、下段の本体部31と、上段の膨出部32とを一体に備えている。本体部31を構成する上壁31aの内面(裏面)は、図5に示すように、主制御基板PBの実装面を直接、あるいは支持突起31a1を介して間接的に載置する機能を有する。また、上壁31aには、主制御基板PBの各位置決め用貫通孔H1に係合可能な位置決め突起31a2が形成されるとともに、主制御基板PBの各種コネクタP2をそれぞれ外部へ突出させるためのコネクタ用貫通孔31a3が形成されている。
本体部31の外周壁を構成する側壁31b,31c,31d,31eのうち前後で向き合う側壁31b,31cには、後述するベース体40の係合片41b1,41c1が係合した状態でベース体40の左方向へのスライド移動を許容する複数の係合溝31b1,31c1(本実施例1では各3つの場合を例示)がそれぞれ形成されている。また、繋ぎ部材50,50が取り付けられる側の側壁31dには、ベース体40の左方向へのスライド移動によってベース体40の係合突部41d1と係合する係合孔31d1(本実施例1では3つの場合を例示)が形成されている。
膨出部32を構成する上壁32aは、主制御基板PBの電子部品と対向配置される。膨出部32の外周壁を構成する各側壁32b,32c,32d,32eのうち後側の側壁32cには、主制御基板PBの実装面を支持するための複数の支持片32c1(本実施例1では3つの場合を例示)が左右に所定間隔で形成されている。
膨出部32の左側の側壁32dには、本体部31の上壁31aを経て側壁31dに渡る部位を基端縁として外向きに突出する二組のガイド壁33,33が前後に並設されている。各組のガイド壁33で区画される上壁31aの端部には、繋ぎ部材50の一端部を取り付けるための取付部31a4が形成されている。取付部31a4は、左右に直線状に延び出すとともに前後に凹凸を連続的に繰り返す所定ピッチの鋸歯状に形成されている。
膨出部32の右側の側壁32eの外側面には、かしめ手段60を構成する一対のかしめ孔付き収容ケース61,61がそれぞれ一対の架橋部63,63(第2架橋部)を介して前後に並列して一体に形成されている。
各かしめ孔付き収容ケース61(被係合部)(以下、単にかしめケース61ともいう)は、図8(a)及び8(b)に示すように、右方へ開口する容器形状をなし、架橋部63に連結される底壁61aと、底壁61aの周縁から右方へ延設される側壁61b,61c,61d,61eと、底壁61aの中間部から右方へ延設され、かしめケース61内を上下の領域S1,S2に仕切る仕切壁61fとを備えている。
仕切壁61fは、補強壁61gを介して下側の側壁61cに連結されている。前後の側壁61d,61eと仕切壁61fとの間、及び前後の側壁61d,61eと下側の側壁61cとの間には、それぞれ所定幅長の間隙Dが形成されている。仕切壁61fの側壁61e寄りの部位には、上下に貫通するテーパ状のかしめ孔61f1(係止孔)が形成され、側壁61bのかしめ孔61f1に対応する部位には、上下に貫通する作業孔61b1が形成されている。
ベース体40(第1ケース体)は、図5、図10及び図11に示すように、長方形状で上方へ開口する略容器状をなし、底壁41aと、底壁41aの前後左右方向における周縁に沿って立設される側壁41b,41c,41d,41eとを備えている。
底壁41aの内側には、主制御基板PBの裏面を支持するための支持壁41a1,41a1がそれぞれ側壁41b,41cから所定の間隔を置いて左右に延設されている。底壁41aの外側(裏面側)には、図10(c)及び図11(c)に示すように、格子状の補強リブ41a2が形成されるとともに、側壁41d側の端部には繋ぎ部材50の他端部を取り付けるための取付部41a4が形成されている。取付部41a4は、蓋体30側の取付部31a4に対応した位置の側壁41dが除かれリブ壁41a3により三方を囲まれる形態に形成されている。取付部41a4も、蓋体30側の取付部31a4と同様、左右方向に直線状に延び出すとともに前後方向に凹凸を連続的に繰り返す所定ピッチの鋸歯状に形成されている。
左側の側壁41dには、蓋体30の側壁31dにおける各係合孔31d1に係合する係合突部41d1が外向きに突設されている。各側壁41b,41cには、蓋体30の側壁31b,31cにおける係合溝31b1,31c1にそれぞれ係合する係合片41b1,41c1が内向きに突設されている。なお、前後の側壁41b,41c間の内幅寸法は、蓋体30の前後の側壁31b,31c間の外幅寸法に比して大きく設定されており、蓋体30の側壁31b,31cがベース体40の側壁41b,41c間に嵌まり込むようになっている。
また、底壁41aの内側であって右側の側壁41eの近傍には、側壁41eと協働してかしめ手段60を構成する一対のかしめ部材62,62が前後に並設されている。
各かしめ部材62(係合部)は、ベース体40の底壁41a及び側壁41eに渡って一体に形成され、両壁41a,41eに対して垂直に配置される側板62a,62bと、側板62bの上端と一体に連結され、その上端との連結部位である基端から側板62aへ向けて円弧状に湾曲形成されて前後に延び出す可動板62cとを備えている。
可動板62c(連結アーム)は、その先端にて架橋部62c1(第1架橋部)を介して側板62aに連結され、その中間部にて架橋部62c2(第1架橋部)を介してベース体40の側壁41eに連結されている。可動板62cの先端部下面には、下方へ向かうに従って先細りとなるテーパ状のかしめ部62d1を有するかしめ具62d(係止爪)が一体に形成されている。なお、かしめ部62d1のテーパ面は前後方向のみに形成され、左右方向は平坦面となっており、かしめ孔61f1とのクリアランスが極力小さくなるように形成されている。また、可動板62cの先端部上面には、かしめ具62dの形成位置を示す十字状のマーク62c3が形成されている。
側板62aと側板62bとの間には、棚状板62e,62fが上下に所定間隔を置いて側板62a,62b及びベース体40の側壁41eに渡って一体に形成されている。棚状板62e,62f間の間隔は、かしめケース61の仕切壁61fの進入を十分に許容し得る大きさに設定されている。棚状板62e,62fには、図10に示すように、かしめ具62dに対応してかしめ具62dの挿通を許容する挿通孔62e1,62f1(ガイド孔)がそれぞれ形成され、側壁41eと反対側の挿通孔62e1,62f1の一部にガイド孔壁62e0,62f0(ガイド壁)が形成されている。また、棚状板62fの中間部には、かしめケース61の補強壁61gとの干渉を回避するための切り欠き溝62f2が形成されている。
繋ぎ部材50,50は、図3〜図7に示すように、ガイド壁33の組毎に設けられる。各繋ぎ部材50は、例えばゴム、エラストマー等の弾性体で形成されており、対向するガイド壁33の内幅寸法とほぼ同じか、それよりも僅かに小さい外幅寸法を有するとともに、中央部にて長方形状の開口部51を有する帯状に形成されている。各繋ぎ部材50は、その一端部が蓋体30の上壁31aにおける取付部31a4に取り付けられ、その他端部がベース体40の底壁41aにおける取付部41a4に取り付けられる。具体的には、各繋ぎ部材50は、蓋体30及びベース体40を一次側成形品とする二色成形(異材質成形)により、二次側成形工程において蓋体30及びベース体40と一体成形される。
次に、図5、図12〜図15、図18等を用いて、上記のように構成された基板ケース20のかしめ手段60をかしめ状態とする作業手順について説明する。
最初に、図5に示したように開状態にある蓋体30の内部に、実装面を下側にして主制御基板PBを組み付ける。主制御基板PBは、上壁31aの裏面、上壁31aの各支持突起31a1、及び膨出部32の各支持片32c1上に載置され、各コネクタP2が対応するコネクタ用貫通孔31a3に挿通され、各位置決め用貫通孔H1が対応する位置決め突起31a2に係合した状態で、取付ビスB1により位置決め固定される(図6参照)。
次に、図12(a)、図13及び図18(a)に示すように、主制御基板PBが組み付けられた蓋体30をベース体40に重ね合わせる。この場合には、繋ぎ部材50,50の弾性的な曲げ変形に応じて、蓋体30とベース体40とが所定の間隔内に保たれた状態で、蓋体30の膨出部32が上側となり本体部31が下側となるよう、本体部31の側壁31dにおける下端縁近傍を回転支点として蓋体30が回転動作することとなる(図13(b)参照)。このように蓋体30とベース体40とが重なり合った位置が重ね合わせ位置となる。
次に、図12(b)、図14及び図18(b)に示すように、重ね合わせ位置にある蓋体30とベース体40とを相対的にスライド動作、すなわち、蓋体30に対してベース体40を左方へスライド動作、あるいはベース体40に対して蓋体30を右方へスライド動作させる。そして、蓋体30の側壁31b,31cにおける係合溝31b1,31c1と、ベース体40の側壁41b,41cにおける係合片41b1,41c1とが係合し(図14(b)参照)、さらに蓋体30の側壁31dにおける各係合孔31d1と、ベース体40の側壁41dにおける係合突部41d1とが係合するまでスライド動作させると、蓋体30とベース体40とがほぼ閉塞状態となり、上下の離脱が阻止されるようになる。このように蓋体30とベース体40とで、主制御基板PBを内封した位置(接触不能な位置)が閉塞位置となる。
この場合、蓋体30とケース体40とが重ね合わせ位置から閉塞位置へと移行するのに伴って、蓋体30側の取付部31a4とベース体40側の取付部41a4とが次第に接近し、各繋ぎ部材50の中間部が呈する円弧の曲率が次第に大きくなる(図13(b)、図14(b)参照)。そして、蓋体30とケース体40とが重ね合わせ位置又は閉塞位置の何れに位置する場合であっても、各繋ぎ部材50がガイド壁33間の内側から外側へ突出しないで収容されるように、各繋ぎ部材50の全長やガイド壁33の突出長が設定されている。
上記閉塞位置では、図14(a),14(b)及び図18(b)に示すように、ベース体40のかしめ部材62が蓋体30のかしめケース61内に収容された状態となる。具体的には、かしめ部材62の側板62a,62bがそれぞれ対応するかしめケース61内の間隙Dに進入し、かしめ部材62の棚状板62eがかしめケース61の領域S1に進入し、かしめ部材62の棚状板62fがかしめケース61の領域S2に進入した状態となる(図8参照)。
つまり、かしめケース61の仕切壁61fが、かしめ部材62の棚状板62e,62f間に収容される位置関係となり、かしめ部材62のかしめ具62dが棚状板62eの挿通孔62e1を通して仕切壁61fのかしめ孔61f1に達することが可能となる。そして、この収容状態では、可動板62cに設けられたマーク62c3を、図12(b)及び図14(a)に示すように、かしめケース61の側壁61bにおける作業孔61b1から視認することができる。
蓋体30とベース体40とが閉塞位置にある状態で、かしめ部材62の可動板62cにおけるマーク62c3を目印として、例えばドライバ等の工具をかしめケース61の作業孔61b1に差し込み、所定の押圧力で可動板62cを押し込むと、架橋部62c1,62c2が切断されることにより、可動板62cの先端部が下方向へ移動できるようになる。なお、先に架橋部62c1,62c2を予め工具(ニッパなど)で切断した後で、可動板62cを押し込むようにしてもよい。
すなわち、可動板62cの先端部は、図15及び図18(c)に示すように、基端側の中間部位を弾性変形支点とする撓み変形により下方向へ移動する。これにより、かしめ具62dのかしめ部62d1がガイド孔壁62e0により誘導されつつ仕切壁61fのかしめ孔61f1に強制的に挿通されてかしめ状態となり、仕切壁61fから離脱不能となる(図3、図4参照)。このかしめ状態では、蓋体30とベース体40とが固定保持状態となり、蓋体30とベース体40とを閉塞位置から重ね合わせ位置に向けてスライド移動させることはできない。
次に、図16、図17及び図18(d)を用いて、蓋体30とベース体40との固定保持状態を解除する作業手順について説明する。
この場合には、例えばニッパ等の工具を用いてかしめケース61の架橋部63,63を切断する。これにより、蓋体30がかしめ状態にあるかしめ手段60から独立して分離可能となるので、蓋体30とベース体40との固定保持状態を解除することができる。
以上の説明からも明らかなように、この実施例1では、かしめ具62d(係止爪)が可動板62c(連結アーム)を介してベース体40(第1ケース体)と一体に連結されており、かしめ状態後においても、かしめ具62dとベース体40との連結状態が維持される。したがって、かしめ具62dを、かしめ孔61f1(係止孔)へ向けて押し込むと、可動板62cが基端部を弾性変形支点としてかしめ具62dをかしめ孔61f1へ向けてガイドする役割を果たすようになり、かしめ具62dをかしめ孔61f1に容易に係合させることができ、組み付け時の作業性を向上させることができる。
また、上記実施例1では、かしめ状態とされる前において、可動板62cが架橋部62c1,62c2(第1架橋部)によってベース体40と一体に連結されており、架橋部62c1,62c2を切断することにより、可動板62cが基端部側にてベース体40に支持される片持ち梁状態となって、かしめ具62dのかしめ孔61f1へ向けての移動が許容される。
これにより、架橋部62c1,62c2を切断すると同時にかしめる(かしめ具62dを押し込む)こともできるが、可動板62cが基端部でベース体40に連結(支持)されているので、架橋部62c1,62c2を予め工具(ニッパなど)で切断することができる。したがって、かしめ具62dをかしめ孔61f1へ向けて強い力で押し込まなくて済むので、かしめ具62dをかしめ孔61f1に対してほぼ確実にかしめることができ、組み付け時の作業効率を向上させることができる。
また、上記実施例1では、かしめ孔61f1を有するかしめケース61(被係合部)が、架橋部63,63(第2架橋部)によって蓋体30(第2ケース体)と一体に連結されており、架橋部63,63を切断することにより、蓋体30がかしめ状態にあるかしめ手段60から独立して分離可能となり、蓋体30とベース体40との固定保持状態が解除される。すなわち、かしめ具62dとかしめ孔61f1とがかしめられた状態のままベース体40に残され、蓋体30とベース体40とを閉塞位置から重ね合わせ位置に向けて相対的にスライド移動させることができる。
これにより、架橋部63,63を切断することにより、蓋体30とベース体40との固定保持状態が解除されるが、架橋部63,63が独立した部材とはならないので、従来の開封障害部のようなゴミの発生を防止することができる。
また、上記実施例1では、かしめ部材62を構成する可動板62cが幅広に形成されているので、可動板62cの曲げ変形時に、かしめ具62を左右方向にぶれることなく、かしめケース61の仕切壁61fにおけるかしめ孔61f1に向けて誘導することができる。これにより、可動板62cを押圧する力のかけ方がマーク62c3から多少ずれたとしても、ほぼ確実にかしめ状態を達成することができる。
また、上記実施例1では、かしめ具62dが先細りとなるテーパ状に形成されており、かしめ具62dがかしめ孔61f1に強制的に挿入されることで、蓋体30とベース体40とが閉塞位置に固定保持されるとともに、ベース体40には、かしめ具62dをかしめ孔61f1に誘導するガイド孔壁62e0を形成するガイド孔62e1がかしめ具62dの先端近傍に形成されている。
これにより、かしめ具62dがガイド孔壁62e0によりかしめ孔61f1に向けて誘導されるので、かしめ作業がより一層容易になる。また、蓋体30とベース体40とを無理にスライド開封しようとしても、かしめ具62dがかしめ孔61f1に対して上下に位置するガイド孔壁62e0,62f0により左右方向の移動を規制されるため、かしめ孔61f1に対してかしめ具62dを安定して配置することができる。
また、上記実施例1では、蓋体30、ベース体40及び繋ぎ部材50,50が二色成形により一体成形され、各繋ぎ部材50がガイド壁33,33間に収容されるようになっている。これにより、不正行為を目的として、基板ケース20を複製しようとしても、蓋体30とベース体40とが繋ぎ部材50,50によって接続(一体)されているため、例えば、蓋体30を破壊して傷の無いベース体40を確保し、逆にベース体40を破壊し傷の無い蓋体30を確保することにより、基板ケース20の偽造を行うことを抑止、防止することができる。
さらに、繋ぎ部材50,50を切断しようとしても、ガイド壁33,33が切断作業を阻止する役目を果たすので、不正行為の発生を効果的に抑止できる。
また、繋ぎ部材50,50を蓋体30及びベース体40に取り付けるための各取付部31a4,41a4が鋸歯状に形成されているので、取付面が平面である場合に比して繋ぎ部材50,50との接触面積を大きくすることができ、接着強度を向上させることができる。さらにこの場合には、不正行為を目的として、繋ぎ部材50,50を各取付部31a4,41a4から剥がしたとしても、各取付部31a4,41a4に繋ぎ部材50,50の一部が残り易いので、繋ぎ部材50,50を再度貼り付けたとしてもきれいに貼ることができず剥がれ易く、不正行為を未然に防止できる。また、各取付部31a4,41a4における繋ぎ部材50,50の残部を痕跡として、不正行為の発生をいち早く発見することもできる。
また、繋ぎ部材50,50には、開口部51が形成されているので、開口部51を通して基板ケース20の内部を視認することができる。したがって、繋ぎ部材50,50としては透明のものに限られず、不透明のものを使用することができる。さらに、開口部51によって繋ぎ部材50の曲げ又はねじれ度合いが大きく許容されるようになるので、蓋体30とベース体40とを開閉する際の作業性が良好となる。なお、繋ぎ部材50,50の材質として好適なゴム、エラストマーは、その種類に応じて弾性率が異なるが、開口部51の形状、大きさを適宜設定することにより、所望の材質のものを使用することができる。ただし、繋ぎ部材50,50の材質等によっては、開口部51を形成しなくてもよい。
また、上記実施例1では、基板ケース20の閉塞位置において、ベース体40のかしめ部材62が蓋体30のかしめケース61内に収容され、かしめ孔61f1を有する仕切壁61fが棚状板62e,62f間の狭いスペース内に収容される。このため、かしめ具62dとかしめ孔61f1とがかしめ状態となった後は、それらのかしめ状態を解除する作業が極めて困難であり、部品の流用がし難い構造となっている。これによっても、不正行為の発生を効果的に抑止できる。
また、上記実施例1では、以上に説明した基板ケース20がパチンコ機1の遊技盤2の背面側に固定配置されている。これにより、不正行為を有効に防止でき、簡易かつ安価にパチンコ機1の安全性を向上させることができる。
(変形例)
上記した実施例1では、かしめ孔61f1を有するかしめケース61が蓋体30に一体成形され、かしめ具62dを有するかしめ部材62がベース体40に一体成形されるようにしたが、これとは逆に、かしめ孔61f1を有するかしめケース61(被係合部)がベース体40に一体成形され、かしめ具62dを有するかしめ部材62が蓋体30に一体成形されるようにしてもよい。
また、可動板62cを含めてかしめ部材62を構成する要素が同じ材質のもので一体成形されるようにしたが、可動板62cとそれ以外の棚状板62e等の構成要素とを二色成形するようにしてもよい。例えば、可動板62cを弾性体(ゴム)で形成するようにすれば、かしめ部材62cを押し込み易くすることができる。
また、蓋体30とかしめケース61とを一体に連結する架橋部63の数や、可動板62cと側板62a、側壁41eとを一体に連結する架橋部62c1,62c2の数は、二つに限らず、一つ又は三つ以上の複数に適宜変更可能である。また、かしめ手段60を構成するかしめケース61及びかしめ部材62の組数も適宜変更可能である。
また、上記実施例1では、蓋体30とベース体40とを相対的にスライド移動させることにより、蓋体30とベース体40との位置関係が重ね合わせ位置から閉塞位置となるタイプの基板ケースに本発明を適用したが、蓋体30とベース体40とを相対的にスライド移動させなくても、かしめ動作が可能な基板ケースに本発明を適用することもできる。
また、かしめ手段でのかしめ態様(係合態様)は、かしめ孔61f1(係止孔)とかしめ具62d(係止爪)との場合に限らず、種々の係合パターンに変更可能である。
また、本発明の基板ケースは主制御部C1に限らず、発射制御部C2や払出制御部C3等の各種制御部に適用することができる。さらに、本発明の基板ケースはパチンコ機に限らず、各種遊技機に適用することができる。
1 パチンコ機(遊技機)
PB 主制御基板(配線基板)
20 基板ケース(主制御基板ケース、遊技機用基板ケース)
30 蓋体(第2ケース体)
40 ベース体(第1ケース体)
50 繋ぎ部材
60 かしめ手段
61 かしめケース(かしめ孔付き収容ケース、被係合部)
61f 仕切壁
61f1 かしめ孔(係止孔)
62 かしめ部材(係合部)
62c 可動板(連結アーム)
62c1,62c2 架橋部(第1架橋部)
62d かしめ具(係止爪)
63 架橋部(第2架橋部)

Claims (6)

  1. 第1ケース体と、前記第1ケース体に重ね合わされ、重ね合わされた状態における所定の閉塞位置にて内部に収容された配線基板を外部から接触不能とする第2ケース体と、前記第1ケース体と前記第2ケース体とを前記閉塞位置に固定保持可能なかしめ手段とを備えた遊技機用基板ケースであって、
    前記かしめ手段は、前記第1ケース体と一体に形成される係合部と、
    前記第2ケース体と一体に形成され、かしめのための押圧力を受けたとき前記係合部を強制的に係合させることでかしめ状態となり、前記係合部が離脱不能となる被係合部と、
    基端部にて前記第1ケース体と一体に連結される一方、先端部にて前記係合部と一体に連結され、該係合部の前記被係合部へ向けての移動を撓み変形により許容し、かつ、前記かしめ状態後において前記係合部と前記被係合部との連結状態を維持する連結アームと、
    を備えることを特徴とする遊技機用基板ケース。
  2. 前記かしめ状態とされる前において、少なくとも前記係合部は、第1架橋部によって前記第1ケース体と一体に連結されており、前記第1架橋部を切断することにより、前記連結アームが前記基端部にて前記第1ケース体に支持される片持ち梁状態となって、前記係合部の前記被係合部へ向けての移動が許容される請求項1に記載の遊技機用基板ケース。
  3. 前記被係合部は、第2架橋部によって前記第2ケース体と一体に連結されており、前記かしめ状態とされた後において、前記第2架橋部を切断することにより、前記第2ケース体がかしめ状態にある前記係合部及び前記被係合部から独立して分離可能となり、前記第1ケース体と前記第2ケース体との固定保持状態が解除される請求項1又は2に記載の遊技機用基板ケース。
  4. 前記係合部は先細りとなるテーパ状の係止爪を含んで構成され、前記被係合部は係止孔を含んで構成されており、前記係止爪が前記係止孔に強制的に挿入されることで、前記第1ケース体と前記第2ケース体とが前記閉塞位置に固定保持される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技機用基板ケース。
  5. 前記第1ケース体には、前記係止爪を前記係止孔に誘導するガイド壁を形成するためのガイド孔が該係止爪の先端近傍に形成されている請求項4に記載の遊技機用基板ケース。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遊技機用基板ケースを備えることを特徴とする遊技機。
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