JP5467467B2 - 脱脂判定装置及び脱脂判定方法 - Google Patents
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Description
重量法では、サンプルの重量を洗浄工程の前後でそれぞれ測定し、その両者の差に基づいて、脱脂の程度を判定する。しかしながら、この手法は、油脂の検出精度が低いことが一般に知られている。また、この手法は、一般に、製品となるサンプル(金属板)の一部を取り出して行われる。すなわち、この手法では、サンプルを破壊する必要があり、生産現場では実用的な手法ではない。
屈折率法は、具体的には、例えばエリプソメーターを用いた手法である。この手法では、サンプル(例えば金属板等)の表面に対して光を斜め入射して、表面の油脂で屈折及び/または偏向する反射光を分析して油脂の厚さを測定する方法である。しかしながら、この手法も、一般に、製品となるサンプルの一部を取り出して検査する手法であるので、サンプルを破壊する必要があり、生産現場では実用的な手法ではない。
一般に、2つ以上の異なる原子が結合した分子に赤外線を照射すると、その分子は、照射された赤外線に含まれる所定波長の成分を吸収して振動する。それゆえ、赤外線を分子に照射して、吸収された波長成分を特定することにより、その物質を特定することができる。
ほとんどの有機物、特に油脂等に、紫外線を照射すると蛍光現象が発生することは、従来、よく知られている。この現象において、例えば、照射する紫外線量をUVとし、発生する蛍光量をVLとすると、両者の間にはVL=η×UVという関係が成立する。
一般に、品質管理の分野において、脱脂を含む塗装処理やメッキ処理などの表面処理工程の本質的な良否判定を工程終了後における生産現場での一般的な検査(例えば外観検査等)で行うことは、その工程の特性上、困難である。例えば、塗装膜の密着性等の品質の良否は、非破壊試験となる外観検査だけでは判断できない。それゆえ、これらの表面処理工程は、特殊工程と呼ばれる。
この手法は、人間の目による感応検査である。この手法では、検査対象(金属板)に光を斜め照射し、その際の反射(反射模様)の程度のバラツキを目視で確認して、脱脂の程度を判定する。しかしながら、この手法は、定量的な判定ができないだけでなく、判定する人によって判定基準にバラツキが生じるので、判定結果の信頼性が低い。さらに、この手法では、製品の外観のみの判定となり、表面処理そのものの良否を判定することができない。
第1の実施形態では、脱脂判定装置の基本構成例及び油脂から発生する蛍光の検出原理について説明する。紫外線照射により、金属表面に付着した微量の油脂を検出する手法としては、次の3つの手法(1)〜(3)が考えられる。
この手法では、まず、予め光源からの出射光に含まれる不要な可視光成分のスペクトル特性を測定する。次いで、油脂が付着した金属表面に紫外線を照射し、油脂で発生した蛍光成分と、油脂で反射した不要な可視光成分とが混在したスペクトル特性を測定する。そして、測定した2つのスペクトル特性の差異に基づいて、油脂で発生した蛍光成分のみを抽出する。
油脂で発生した蛍光成分のみを抽出する手法として、光源からの出射光に含まれる不要な可視光成分をノイズカットフィルタで除去する手法が考えられる。しかしながら、例えば、約390nm〜420nmの30nm程度の波長幅の波長成分をカットする市販のフィルタを用いて約390nm以上のノイズをカットする場合であっても、ノイズカットフィルタの特性上、約360nm付近の波長成分も一部カットされる。それゆえ、紫外線光源の光出射口付近にこのようなノイズカットフィルタを設けても、紫外線の中心波長365nmを含む紫外線の波長成分が一部カットされるので、紫外線強度が低下し、所望の蛍光が得られなくなる。
油脂で発生した蛍光成分のみを高感度で抽出する手法として、照射光の偏光の特性を利用する手法も考えられる。本発明では、主に、この手法を用いて油脂で発生した蛍光を検出する。以下、本発明の第1の実施形態に係る脱脂判定装置の基本構成例を、図面を参照しながら説明する。
図1に、本実施形態の脱脂判定装置の基本構成例を示す。なお、図1は、脱脂判定装置の概略断面図である。また、図1では、説明を簡略化するため、金属板100の表面に一様に油脂110が付着しているサンプルに対して脱脂判定装置10を適用している様子を示す。なお、ここでは、金属板100を被測定対象物とするが、本発明はこれに限定されず、少なくとも一部の表面に金属面が露出しているような任意のサンプルを被測定対象物とすることができる。
次に、本実施形態の脱脂判定装置10における蛍光Sfの検出原理を定性的に説明する。
(0.04+0.6〜0.8)UVL=0.64UVL〜0.84UVL ・・・(1)
となる。また、反射光Srcに含まれる不要な可視光成分の光量は、
(0.04+0.6〜0.8)VLL=0.64VLL〜0.84VLL ・・・(2)
となる。
(0.64VLL〜0.84VLL)+ηUVL
=(0.64×0.15UVL〜0.84×0.15UVL)+ηUVL
=(0.096〜0.126)UVL+ηUVL ・・・(3)
となる。
0.14UVL(S)=0.14×0.5UVL=0.07UVL ・・・(4)
となり、反射光Srに含まれる不要な可視光成分(S波)の光量は、
0.14VLL(S)=0.14×0.5VLL=0.07VLL ・・・(5)
となる。なお、UVL(S)は、出射光Sに含まれるS波の紫外線成分の光量であり、VLL(S)は、出射光Sに含まれるS波の可視光成分の光量である。
0.14VLL(S)×0.2=0.14×0.5VLL×0.2
=0.014VLL ・・・(6)
となる。
上記第1の実施形態では、不要な可視光成分を低減する手法として、照射光の偏光の特性を利用する手法(上記第1の実施形態で説明した手法(3))を用いたが、第2の実施形態では、さらに、上記第1の実施形態で説明した手法(2)、すなわち、ノイズカットフィルタを用いる手法を加えて不要な可視光成分をより一層低減する。
次に、本実施形態の脱脂判定装置20における脱脂判定処理の具体的な手順を、図5を参照しながら説明する。なお、図5は、本実施形態の脱脂判定装置20における脱脂判定処理の手順を示すフローチャートである。
第3の実施形態では、上記第2の実施形態で説明した脱脂判定装置より、さらに、油脂で発生した蛍光の検出感度を向上させることができる脱脂判定装置について説明する。
Claims (8)
- 無偏光の紫外線をブリュースター角となる入射角で金属表面に斜め入射する紫外線光源と、
前記金属表面に対して前記紫外線の入射方向と対称的な方向に射出される前記金属表面からの反射光が直接入射されない位置に配置され、前記紫外線の照射時に前記金属表面で発生する可視光成分の光を検出する可視光検出器と、
前記金属表面で発生した可視光成分の光の一部を多重反射させて前記可視光検出器に導くミラーと、
前記可視光検出器で検出した検出信号に基づいて、前記金属表面上に油脂が存在するか否かを判定する判定回路部と
を備える脱脂判定装置。 - 前記ミラーが、お椀状の形状を有することを特徴とする請求項1に記載の脱脂判定装置。
- さらに、前記紫外線光源の光出射口に設けられた、可視光成分の光を除去する長波長カットフィルタと、
前記可視光検出器の光入射口に設けられた、紫外線を除去する短波長カットフィルタとを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の脱脂判定装置。 - さらに、複数の紫外線光源を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の脱脂判定装置。
- さらに、前記可視光検出器の光入射側に設けられ、前記可視光検出器に入射される光を集光する光学系を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の脱脂判定装置。
- 前記可視光検出器が、前記紫外線の照射位置の真上に配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の脱脂判定装置。
- 前記紫外線光源が、310〜380nmの波長範囲内の所定波長の紫外線を射出する発光ダイオードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の脱脂判定装置。
- 無偏光の紫外線を射出させて、その紫外線をブリュースター角となる入射角で金属表面に入射させる紫外線光源と、可視光検出器と、前記金属表面で発生した可視光成分の光の一部を多重反射させて前記可視光検出器に導くミラーと、前記金属表面上に油脂が存在するか否かを判定する判定回路部とを備える脱脂判定装置の前記紫外線光源が、前記紫外線を所定の入射角で前記金属表面に斜め入射するステップと、
前記可視光検出器が、前記紫外線の照射時に前記金属表面で発生する可視光成分の光を検出するステップと、
前記判定回路部が、前記可視光検出器で検出した検出信号に基づいて、前記金属表面上に油脂が存在するか否かを判定するステップと
を含む脱脂判定方法。
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JP2010248392A JP5467467B2 (ja) | 2010-11-05 | 2010-11-05 | 脱脂判定装置及び脱脂判定方法 |
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JP2012098248A JP2012098248A (ja) | 2012-05-24 |
JP5467467B2 true JP5467467B2 (ja) | 2014-04-09 |
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Family Applications (1)
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JPH1172436A (ja) * | 1997-08-29 | 1999-03-16 | Kawasaki Steel Corp | 金属材料表面の塗油量測定方法および装置 |
JP2007093478A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Toyoda Gosei Co Ltd | 蛍光体の検出方法及び装置 |
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2010
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