以下、本発明の実施の形態について、図1〜図43を参照しながら説明する。
まず、本発明の駆動ユニットを備えた機械構造の基本的な構成について、図1〜図8を参照しながら説明する。
<実施例1−1> 図1は、実施例1−1の機械構造10を模式的に示す概略図である。
図1に示すように、機械構造10は、基礎部材20に支持部材30,32,34が放射状に結合された移動体11と、駆動ユニット50x,52x,54xとを備える。駆動ユニット50x,52x,54xは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30,32,34は、基礎部材20に固定された案内部30x,32x,34xと、可動部30y,32y,34yとを含む。可動部30y,32y,34yは、案内部30x,32x,34xに固定された1つの仮想線30z,32z,34zに沿って、矢印50s,52s,54sで示すように受動移動が可能である。
案内部30x,32x,34xに固定された仮想線30z,32z,34zは、基準面に平行な直線である。支持部材30,32,34の案内部30x,32x,34xに固定された仮想線30z,32z,34zは、放射状でかつ略等角度間隔に配置されている。
駆動ユニット50x,52x,54xは、それぞれ、支持部材30,32,34の可動部30y,32y,34yに固定される。駆動ユニット50x,52x,54xは、基準面に沿って互いに異なる2方向に能動移動が可能であり、基準面に対して受動回転可能、すなわち、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。駆動ユニット50x,52x,54xは、能動自由度の数が2である2能動駆動ユニットである。駆動ユニット50x,52x,54xは、床面等の基準面に載置された状態で駆動されると、それぞれ、矢印51,53,55で示すように、基準面に沿って面内2方向に能動的に移動可能である。
駆動ユニット50x,52x,54xは、面内2方向に駆動可能であればよい。すなわち、面内2方向同時に駆動可能であっても、面内2方向に選択的に駆動可能であり、面内1方向に駆動後、他の面内1方向に駆動可能であってもよい。また、後述する能動方向可変車輪のように、面内駆動可能方向を選択したのち、その方向に駆動可能であってもよい。
駆動ユニット50x,52x,54xが基準面に沿って能動移動することにより、支持部材30,32,34の案内部30x,32x,34xに固定された仮想線30z,32z,34zに沿って、駆動ユニット50x,52x,54xが移動すると、駆動ユニット50x,52x,54xは基礎部材20に対して相対移動する。
機械構造10は、基礎部材20に固定された2能動駆動ユニットを含まない。
機械構造10は、移動体11が駆動ユニット50x,52x,54xの駆動力以外の外力によって基準面に沿って受動的に移動させられることがないように構成されている。すなわち、支持部材30,32,34の可動部30y,32y,34yに固定された2能動駆動ユニット50x,52x,54xについて、それぞれの駆動ユニット50x,52x,54xの固定された可動部30y,32y,34yを有する支持部材30,32,34の案内部30x,32x,34xに固定された仮想線30z,32z,34zの方向の基準面平行成分から構成された方向の中に、互いに平行とならない2つの方向から構成された組合せが少なくとも1組存在している。例えば、仮想線30z,32zの方向の基準面平行成分から構成された方向の組合せは、互いに平行とならない2つの方向から構成された組合せである。
機械構造10は、移動体11が駆動ユニット50x,52x,54xの駆動力以外の外力によって基準面に沿って受動的に回転させられることがないように構成されている。すなわち、支持部材30,32,34の可動部30y,32y,34yに固定された2能動駆動ユニット50x,52x,54xについて、それぞれの駆動ユニット50x,52x,54xの位置を通る、基準面に平行で駆動ユニット50x,52x,54xの固定された可動部30y,32y,34yを有する支持部材30,32,34の案内部30x,32x,34xに固定された仮想線30z,32z,34zの方向と直角な直線を、基準面法線方向に基準面に投影した直線50m,52m,54mの中に、同一点で交わらない3つの直線から構成された組合せが少なくとも1組存在している。すなわち、直線50m,52m,54mの組合せは、同一点で交わらない3つの直線から構成された組合せである。
機械構造10は、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。換言すると、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動を制御することにより、移動体11を、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10を基準面に沿って移動させる場合、例えば、2能動駆動ユニットである駆動ユニット50x,52x,54xのそれぞれの能動移動の速度・方向が機械構造10の所望の移動速度・方向と同じになるように、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動を制御する。これにより、機械構造10を所望の方向に一体的に移動させることができる。すなわち、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置を保持したまま、機械構造10を移動させることができる。
機械構造10を基準面に沿って回転させる場合、例えば、2能動駆動ユニットである駆動ユニット50x,52x,54xのそれぞれの能動移動の方向が、機械構造10の所望の回転中心位置と各駆動ユニット50x,52x,54xとを結ぶ基準面に平行な直線に直角で基準面に平行な方向であって機械構造10の所望の回転方向と同じ方向になり、かつ、駆動ユニット50x,52x,54xのそれぞれの能動移動の速度が、機械構造10の所望の回転中心位置と各駆動ユニット50x,52x,54xとの間の基準面に平行な方向の距離に機械構造10の所望の回転の角速度を乗じた大きさとなるように、制御する。これにより、機械構造10を所望の回転中心位置を中心に、一体的に回転させることができる。すなわち、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置を保持したまま、機械構造10を回転させることができる。
機械構造10は、3つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット50x,52x,54xを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計の数は6となる。これに対し、機械構造10は、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10の移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット50x,52x,54xを用いて、機械構造10を移動、回転させるだけでなく、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置を変えることができる。基礎部材20に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置は、機械構造10が停止している状態でも、機械構造10を移動、回転させている状態でも、変えることができる。
移動体11に対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50x,52x,54xの運動や力は、機械構造10の基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業は、駆動ユニット50x,52x,54xを兼用して実現できるため、別の作業のためだけにモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10を移動させることによって広い移動領域を得られる。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、駆動ユニット50x,52x,54xが配置されるように構成すると、移動体11を安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。駆動ユニット50x,52x,54xは、それが固定された可動部30y,32y,34yの可動範囲内に、仮想点又はその近傍領域が含まれていればよい。
<実施例1−2> 図2は、実施例1−2の機械構造10aを模式的に示す概略図である。
図2に示すように、機械構造10aは、基礎部材20a,22a,24aと支持部材30a,32a,34aとが放射状に結合された移動体11aと、駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yとを備える。駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30a,32a,34aは、実施例1−1と同様に、案内部30x,32x,34xと、矢印50s,52s,54sで示すように案内部30x,32x,34xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32y,34yとを含む。支持部材30a,32a,34aの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)は、基準面に平行な直線である。支持部材30a,32a,34aの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)は、放射状でかつ略等角度間隔に配置されている。
駆動ユニット40y,42y,44yは、それぞれ、基礎部材20a,22a,24aに固定される。駆動ユニット50y,52y,54yは、それぞれ、支持部材30a,32a,34aの可動部30y,32y,34yに固定される。
駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yは、それぞれ、基準面に沿って1方向に能動移動が可能かつ異なる他の1方向に受動移動が可能であり、基準面に対して受動回転可能、すなわち、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yは、能動自由度の数が1である1能動1受動駆動ユニットである。駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yは、床面等の基準面に載置された状態で駆動されると、それぞれ、2方向の矢印41a,43a,45a,51a,53a,55aのうち実線で示すように、基準面に沿って面内1方向の能動移動が可能である。また、2方向の矢印41a,43a,45a,51a,53a,55aのうち破線で示すように、能動移動可能方向以外の方向、例えば能動移動可能方向の直角方向には受動的に移動自在であり、外部からの作用を受けると受動的に移動する。
駆動ユニット50y,52y,54yが基準面に沿って能動移動することにより、支持部材30a,32a,34aの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)に沿って、駆動ユニット50y,52y,54yが移動すると、駆動ユニット50y,52y,54yは基礎部材20a,22a,24aに対して相対移動する。
基礎部材20a,22a,24aに固定される駆動ユニット40y,42y,44yは、例えば、2方向の矢印41a,43a,45aのうち実線で示すように、基礎部材20a,22a,24aの延在方向に直角な方向には能動移動可能であり、2方向の矢印41a,43a,45aのうち破線で示すように、他の1方向、例えば基礎部材20a,22a,24aの延在方向には受動移動可能である。
支持部材30a,32a,34aの可動部30y,32y,34yに固定された駆動ユニット50y,52y,54yは、例えば、2方向の矢印51a,53a,55aのうち実線で示すように、支持部材30a,32a,34aの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)に沿う方向に能動移動可能であり、2方向の矢印51a,53a,55aのうち破線で示すように、能動移動が可能な方向と異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向に受動移動可能である。
機械構造10aは、駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10aを基準面に沿って移動させる場合、1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yのそれぞれの移動速度・方向は、能動移動可能方向成分と受動移動可能方向成分を合成したものとなるので、例えば、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動(能動移動可能方向成分と受動移動可能方向成分とを合成した移動を意味する)の方向が、機械構造10aの所望の移動方向と同じになるようにするとともに、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動の速度が、機械構造10aの所望の移動速度と同じになるように、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yを制御する。この場合、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動速度・方向のうち各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動移動可能方向成分に相当する移動速度を、能動移動可能方向に能動的に実現するように各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10aを所望の方向に一体的に移動させることができる。すなわち、移動体11aに対する駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10aを移動させることができる。
機械構造10aを基準面に沿って回転させる場合、例えば、1能動1受動駆動ユニットである各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動の方向が、機械構造10aの所望の回転中心位置と各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yとを結ぶ基準面に平行な直線に直角で基準面に平行な方向かつ機械構造10aの所望の回転方向に合致する方向と同じになるようにするとともに、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動の速度が、機械構造10aの所望の回転中心位置と各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yとの間の基準面に平行な方向の距離に機械構造10aの所望の回転の角速度を乗じた大きさとなるように、駆動ユニットを制御する。この場合、各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動受動合成移動速度・方向のうち各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの能動移動方向成分に相当する移動速度を、能動移動可能方向に能動的に実現するように各駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10aを所望の回転中心位置を中心に、一体的に回転させることができる。すなわち、移動体11aに対する駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10aを回転させることができる。
機械構造10aは、6つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計の数は6となる。これに対し、機械構造10aは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10aの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yを用いて機械構造10aを移動、回転させるだけでなく、移動体11aに対する駆動ユニット50y,52y,54yの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20a,22a,24aに対する駆動ユニット50y,52y,54yの相対位置を変えることができる。
移動体11aに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50y,52y,54yの運動や力は、機械構造10aの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10aの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10aを移動させることによって広い移動領域を得られる。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、駆動ユニット40y,42y,44y,50y,52y,54yが配置されるように構成すると、移動体11aを安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。駆動ユニット50y,52y,54yについては、駆動ユニット50y,52y,54yが固定された可動部30y,32y,34yの可動範囲内に、仮想点又はその近傍領域が含まれていればよい。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、基礎部材20a,22a,24aに固定された3つの駆動ユニット40y,42y,44yが配置されるように構成すると、駆動ユニット40y,42y,44yにより移動体11aを安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。
<実施例1−3> 図3は、実施例1−3の機械構造10bを模式的に示す概略図である。
図3に示すように、機械構造10bは、基礎部材20b,22bと支持部材30b,32b,34bとが放射状に結合された移動体11bと、駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yとを備える。駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30b,32b,34bは、案内部30x,32x,34xと、矢印50s,52s,54sで示すように、案内部30x,32x,34xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32y,34yとを含む。支持部材30b,32b,34bの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)は基準面に平行な直線である。
基礎部材20b,22bには、それぞれ、駆動ユニット40y,42yが固定される。支持部材30b,32b,34bの可動部30y,32y,34yには、それぞれ、駆動ユニット50x,52y,54yが固定される。駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
基礎部材20b,22bに固定される駆動ユニット40y,42yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印41b,43bのうち実線で示すように基礎部材20b,22bの延在方向に直角な方向には能動移動可能であり、2方向の矢印41b,43bのうち破線で示すように他の1方向、例えば基礎部材20b,22bの延在方向には受動移動可能である。
支持部材32b,34bの可動部32y,34yに固定された駆動ユニット52y,54yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印53b,55bのうち実線で示すように、支持部材32b,34bの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向には能動移動可能であり、2方向の矢印53b,55bのうち破線で示すように、能動移動が可能な方向と異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向には受動移動可能である。
支持部材30bの可動部30yに固定された駆動ユニット50xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51bで示すように、支持部材30bの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向と、それとは異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向とに、能動移動可能である。
機械構造10bは、駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10bを基準面に沿って移動させる場合、例えば、2能動駆動ユニットである駆動ユニット50xの能動移動の速度・方向が機械構造10bの所望の移動速度・方向と同じになるように、駆動ユニット50xを制御する。さらに、1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,42y,52y,54yのそれぞれの移動速度・方向は能動移動可能方向成分と受動移動可能方向成分とを合成したものとなるので、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動(能動移動可能方向成分と受動移動可能方向成分とを合成した移動を意味する)の方向が、機械構造10bの所望の移動方向と同じになるようにするとともに、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動の速度が、機械構造10bの所望の移動速度と同じになるように、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yを制御する。この場合、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動速度・方向のうち各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動移動可能方向成分に相当する移動速度を、能動移動可能方向に能動的に実現するように各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10bを所望の方向に一体的に移動させることができる。すなわち、移動体11bに対する駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10bを移動させることができる。
機械構造10bを基準面に沿って回転させる場合、例えば、2能動駆動ユニットである駆動ユニット50xの能動移動の方向が、機械構造10bの所望の回転中心位置と駆動ユニット50xとを結ぶ基準面に平行な直線に直角で基準面に平行な方向かつ機械構造10bの所望の回転方向に合致する方向と同じになるようにするとともに、駆動ユニット50xの能動移動の速度が、機械構造10bの所望の回転中心位置と駆動ユニット50xとの間の基準面に平行な方向の距離に、機械構造10bの所望の回転の角速度を乗じた大きさとなるように制御する。さらに、1能動1受動駆動ユニット40y,42y,52y,54yについては、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動の方向が、機械構造10bの所望の回転中心位置と各駆動ユニット40y,42y,52y,54yとを結ぶ基準面に平行な直線に直角で基準面に平行な方向かつ機械構造10bの所望の回転方向に合致する方向と同じになるようにするとともに、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動の速度が、機械構造10bの所望の回転中心位置と各駆動ユニット40y,42y,52y,54yとの間の基準面に平行な方向の距離に、機械構造10bの所望の回転の角速度を乗じた大きさとなるように、駆動ユニット40y,42y,52y,54yを制御する。 この場合、各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動受動合成移動速度・方向のうち各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの能動移動方向成分に相当する移動速度を、能動移動可能方向に能動的に実現するように各駆動ユニット40y,42y,52y,54yの駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10bを所望の回転中心位置を中心に、一体的に回転させることができる。すなわち、移動体11bに対する駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10bを回転させることができる。
機械構造10bは、4つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,42y,52y,54yと、1つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット50xとを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計は6となる。これに対し、機械構造10bは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10bの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yを用いて機械構造10bを移動、回転させるだけでなく、移動体11bに対する駆動ユニット50x,52y,54yの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20b,22bに対する駆動ユニット50x,52y,54yの相対位置を変えることができる。
移動体11bに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50x,52y,54yの運動や力は、機械構造10bの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10bの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40y,42y,50x,52y,54yとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10bを移動させることによって広い移動領域を得られる。
<実施例1−4> 図4は、実施例1−4の機械構造10cを模式的に示す概略図である。
図4に示すように、機械構造10cは、基礎部材20c,22cと支持部材30c,32c,34cとが放射状に結合された移動体11cと、駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yとを備える。駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30c,32c,34cは、案内部30x,32x,34xと、矢印50s,52s,54sで示すように案内部30x,32x,34xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32y,34yとを含む。支持部材30c,32c,34cの案内部30x,32x,34xに固定された仮想線(図示せず)は基準面に平行な直線である。
基礎部材20c,22cには、それぞれ、駆動ユニット40y,42xが固定される。支持部材30c,32c,34cの可動部30y,32y,34yには、それぞれ、駆動ユニット50y,52y,54yが固定される。駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
基礎部材20cに固定される駆動ユニット40yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印41cのうち実線で示すように基礎部材20cの延在方向には能動移動可能であり、2方向の矢印41cのうち破線で示すように他の1方向、例えば基礎部材20cの延在方向に直角な方向には受動移動可能である。
基礎部材22cに固定される駆動ユニット42xは、2能動駆動ユニットである。例えば2方向の矢印43cで示すように、基礎部材22cの延在方向と、他の1方向、例えば基礎部材22cの延在方向に直角な方向とに能動移動可能である。
支持部材30c,32c,34cの可動部30y,32y,34yに固定された駆動ユニット50y,52y,54yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51c,53c,55cのうち実線で示すように、支持部材30c,32c,34cの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向に能動移動可能であり、2方向の矢印51c,53c,55cのうち破線で示すように能動移動が可能な方向と異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向に受動移動可能である。
機械構造10cは、駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10cを基準面に沿って移動、回転させる場合、実施例1−3の機械構造10bを基準面に沿って移動、回転させる場合の駆動ユニットの駆動と同様に駆動ユニットの駆動を制御すればよい。例えば、2能動駆動ユニット42xについては実施例1−3の2能動駆動ユニットと同様に駆動を制御し、1能動1受動駆動ユニット40y,50y,52y,54yについては、実施例1−3の1能動1受動駆動ユニットと同様に駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10cを所望の方向に一体的に移動、回転させることができる。すなわち、移動体11cに対する駆動ユニット42x,40y,50y,52y,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10cを移動、回転させることができる。
機械構造10cは、4つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,50y,52y,54yと、1つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット42xとを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計は6となる。これに対し、機械構造10cは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10cの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yを用いて機械構造10cを移動、回転させるだけでなく、移動体11cに対する駆動ユニット50y,52y,54yの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20c,22cに対する駆動ユニット50y,52y,54yの相対位置を変えることができる。
移動体11cに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50y,52y,54yの運動や力は、機械構造10cの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10cの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40y,42x,50y,52y,54yとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10cを移動させることによって広い移動領域を得られる。
<実施例1−5> 図5は、実施例1−5の機械構造10dを模式的に示す概略図である。
図5に示すように、機械構造10dは、基礎部材20dと支持部材30d,32dとが放射状に結合された移動体11dと、駆動ユニット40y,50x,52xとを備える。駆動ユニット40y,50x,52xは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30d,32dの可動部30y,32yは、案内部30x,32xと、矢印50s,52sで示すように案内部30x,32xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32yとを含む。支持部材30d,32dの案内部30x,32xに固定された仮想線(図示せず)は、基準面に平行な直線である。
基礎部材20dには、駆動ユニット40yが固定される。支持部材30d,32dの可動部30y,32yには、それぞれ、駆動ユニット50x,52xが固定される。駆動ユニット40y,50x,52xは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
基礎部材20dに固定される駆動ユニット40yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印41dのうち実線で示すように基礎部材20dの延在方向に直角な方向には能動移動可能であり、2方向の矢印41dのうち破線で示すように、他の1方向、例えば基礎部材20dの延在方向には受動移動可能である。
支持部材30d,32dの可動部30y,32yに固定された駆動ユニット50x,52xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51d,53dで示すように、支持部材30d,32dの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向と、それとは異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向とに能動移動可能である。
機械構造10dは、駆動ユニット40y,50x,52xの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10dを基準面に沿って移動、回転させる場合、実施例1−3の機械構造10bを基準面に沿って移動、回転させる場合の駆動ユニットの駆動と同様に駆動ユニットの駆動を制御すればよい。例えば、2能動駆動ユニット50x,52xについては実施例1−3の2能動駆動ユニットと同様に駆動を制御し、1能動1受動駆動ユニット40yについては、実施例1−3の1能動1受動駆動ユニットと同様に駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10dを所望の方向に一体的に移動、回転させることができる。すなわち、移動体11dに対する駆動ユニット50x,52x,40yの相対位置を保持したまま、機械構造10dを移動、回転させることができる。
機械構造10dは、一つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40yと、2つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット50x,52xとを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計は5となる。これに対し、機械構造10dは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10dの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40y,50x,52xを用いて機械構造10dを移動、回転させるだけでなく、移動体11dに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20dに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることができる。
移動体11dに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50x,52xの運動や力は、機械構造10dの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10dの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40y,50x,52xとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10dを移動させることによって広い移動領域を得られる。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、駆動ユニット40y,50x,52xが配置されるように構成すると、移動体11dを安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。駆動ユニット50x,52xは、それが固定された可動部の可動範囲内に、仮想点又はその近傍領域が含まれていればよい。
<実施例1−6> 図6は、実施例1−6の機械構造10eを模式的に示す概略図である。
図6に示すように、機械構造10eは、基礎部材20e,22eと支持部材30eとが放射状に結合された移動体11eと、駆動ユニット40y,42y,50xとを備える。駆動ユニット40y,42y,50xは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30eは、案内部30xと、矢印50sで示すように案内部30xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30yとを含む。支持部材30eの案内部30xに固定された仮想線(図示せず)は、基準面に平行な直線である。
基礎部材20e,22eには、それぞれ、駆動ユニット40y,42yが固定されている。支持部材30eの可動部30yには、駆動ユニット50xが固定されている。駆動ユニット40y,42y,50xは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
基礎部材20e,22eに固定される駆動ユニット40y,42yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印41e,43eのうち実線で示すように基礎部材20e,22eの延在方向に直角な方向には能動移動可能であり、2方向の矢印41e,43eのうち破線で示すように、他の1方向、例えば基礎部材20e,22eの延在方向には受動移動可能である。
支持部材30eの可動部30yに固定された駆動ユニット50xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51eで示すように、支持部材30eの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向と、それとは異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向とに、能動移動可能である。
機械構造10eは、駆動ユニット40y,42y,50xの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10eを基準面に沿って移動、回転させる場合、実施例1−3の機械構造10bを基準面に沿って移動、回転させる場合の駆動ユニットの駆動と同様に駆動ユニットの駆動を制御すればよい。例えば、2能動駆動ユニット50xについては実施例1−3の2能動駆動ユニットと同様に駆動を制御し、1能動1受動駆動ユニット40y,42yについては、実施例1−3の1能動1受動駆動ユニットと同様に駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10eを所望の方向に一体的に移動、回転させることができる。すなわち、移動体11eに対する駆動ユニット50x,40y,42yの相対位置を保持したまま、機械構造10eを移動、回転させることができる。
機械構造10eは、2つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット40y,42yと、1つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット50xとを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計は4となる。これに対し、機械構造10eは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10eの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40y,42y,50xを用いて機械構造10eを移動、回転させるだけでなく、移動体11eに対する駆動ユニット50xの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20e,22eに対する駆動ユニット50xの相対位置を変えることができる。
移動体11eに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50xの運動や力は、機械構造10eの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10eの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40y,42y,50xとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10eを移動させることによって広い移動領域を得られる。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、駆動ユニット40y,42y,50xが配置されるように構成すると、移動体11eを安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。駆動ユニット50xは、それが固定された可動部の可動範囲内に、仮想点又はその近傍領域が含まれていればよい。
<実施例1−7> 図7は、実施例1−7の機械構造10fを模式的に示す概略図である。
図7に示すように、機械構造10fは、基礎部材20fと支持部材30f,32fとが放射状に結合された移動体11fと、駆動ユニット40x,50x,52xとを備える。駆動ユニット40x,50x,52xは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30f,32fは、案内部30x,32xと、矢印50s,52sで示すように案内部30x,32xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32yとを含む。支持部材30f,32fの案内部30x,32xに固定された仮想線(図示せず)は、基準面に平行な直線である。
基礎部材20fには、駆動ユニット40xが固定される。支持部材30f,32fの可動部30y,32yには、それぞれ、駆動ユニット50x,52xが固定される。駆動ユニット40x,50x,52xは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
基礎部材20fに固定される駆動ユニット40xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印41fで示すように、基礎部材20fの延在方向と、他の1方向、例えば基礎部材20fの延在方向に直角な方向に能動移動可能である。
支持部材30f,32fの可動部30y,32yに支持される駆動ユニット50x,52xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51f,53fで示すように、支持部材30f,32fの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向と、それとは異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向とに、能動移動可能である。
機械構造10fは、駆動ユニット40x,50x,52xの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10fを基準面に沿って移動、回転させる場合、実施例1−1の機械構造10を基準面に沿って移動、回転させる場合の駆動ユニットの駆動と同様に駆動ユニットの駆動を制御すればよい。例えば、2能動駆動ユニット40x,50x,52xについては実施例1−1の2能動駆動ユニットと同様に駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10fを所望の方向に一体的に移動、回転させることができる。すなわち、移動体11fに対する駆動ユニット40x,50x,52xの相対位置を保持したまま、機械構造10fを移動、回転させることができる。
機械構造10fは、3つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット40x,50x,52xを備えているため、駆動ユニットの能動自由度の合計は6となる。これに対し、機械構造10fは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10fの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット40x,50x,52xを用いて機械構造10fを移動、回転させるだけでなく、移動体11fに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20fに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることができる。
移動体11fに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50x,52xの運動や力は、機械構造10fの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10fの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット40x,50x,52xとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10fを移動させることによって広い移動領域を得られる。
特に、一つの仮想円の円周上に等間隔に配置された仮想点又はその近傍領域に、それぞれ、駆動ユニット40x,50x,52xが配置されるように構成すると、移動体11fを安定して移動、回転させやすくなり、好ましい。駆動ユニット50x,52xは、それが固定された可動部の可動範囲内に、仮想点又はその近傍領域が含まれていればよい。
<実施例1−8> 図8は、実施例1−8の機械構造10gを模式的に示す概略図である。
図8に示すように、機械構造10gは、基礎部材20gに支持部材30g,32g,34g,36gが放射状に結合された移動体11gと、駆動ユニット50x,52x,54y,56xとを備える。駆動ユニット50x,52x,54y,56xは、床面等の基準面に載置される。
支持部材30g,32g,34g,36gは、案内部30x,32x,34x,36xと、矢印50s,52s,54s,56sで示すように案内部30x,32x,34x,36xに固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である可動部30y,32y,34y,36yとを含む。支持部材30g,32g,34g,36gの案内部30x,32x,34x,36xに固定された仮想線(図示せず)は、基準面に平行な直線である。
支持部材30g,32g,34g,36gの可動部30y,32y,34y,36yには、それぞれ、駆動ユニット50x,52x,54y,56xが固定される。駆動ユニット50x,52x,54y,56xは、基準面の法線に平行な線を回転の中心軸として受動回転可能である。
支持部材34gの可動部34yに固定された駆動ユニット54yは、1能動1受動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印55gのうち実線で示すように支持部材34gの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向に能動移動可能であり、2方向の矢印55gのうち破線で示すように能動移動が可能な方向と異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向には受動移動可能である。
支持部材30g,32g,36gの可動部30y,32y,36yに固定された駆動ユニット50x,52x,56xは、2能動駆動ユニットである。例えば、2方向の矢印51g,53g,57gで示すように、支持部材30g,32g,36gの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿う方向と、それとは異なる方向、例えば仮想線(図示せず)に直角な方向とに、能動移動可能である。
機械構造10gは、駆動ユニット50x,52x,54y,56xの駆動を制御することにより、基準面に沿って移動、回転させることができる。
機械構造10gを基準面に沿って移動、回転させる場合、実施例1−3の機械構造10bを基準面に沿って移動、回転させる場合の駆動ユニットの駆動と同様に駆動ユニットの駆動を制御すればよい。例えば、2能動駆動ユニット50x,52x,56xについては実施例1−3の2能動駆動ユニットと同様に駆動を制御し、1能動1受動駆動ユニット54yについては、実施例1−3の1能動1受動駆動ユニットと同様に駆動を制御すればよい。これにより、機械構造10gを所望の方向に一体的に移動、回転させることができる。すなわち、移動体11gに対する駆動ユニット50x,52x,56x,54yの相対位置を保持したまま、機械構造10gを移動、回転させることができる。
機械構造10gは、1つの1能動1受動駆動ユニットである駆動ユニット54yと、3つの2能動駆動ユニットである駆動ユニット50x,52x,56xとを備えているため、駆動ユニット50x,52x,54y,56xの能動自由度の合計は7となる。これに対し、機械構造10gは、基準面に沿っての移動(2自由度)と回転(1自由度)の合計3自由度を有しており、駆動ユニットの能動自由度の合計の数が、機械構造10gの移動と回転の自由度の合計の数よりも多い。そのため、駆動ユニット50x,52x,54y,56xを用いて機械構造10gを移動、回転させるだけでなく、移動体11gに対する駆動ユニット50x,52x,54y,56xの相対位置を変えることができる。すなわち、基礎部材20gに対する駆動ユニット50x,52x,54y,56xの相対位置を変えることができる。
移動体11gに対する相対位置が変わるときの駆動ユニット50x,52x,54y,56xの運動や力は、機械構造10gの基準面に沿った移動や回転以外の別の作業に利用することが可能である。この別の作業のために、機械構造10gの基準面に沿った移動や回転に用いる駆動ユニット50x,52x,54y,56xとは構成が異なるモータ等の新たな駆動源を設ける必要がないので、駆動源を有効に利用しやすい。また、機械構造10gを移動させることによって広い移動領域を得られる。
次に、移動体の上に、機械構造の基準面に沿った移動や回転以外の別の作業のための構成を設けた機械構造について、図9〜図23を参照しながら説明する。
<実施例2−1> 図9は、シリアル型の機械構造60を模式的に示す概略図である。
図9に示すように、機械構造60は、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、その上に被動部材62,64,66が直列に結合されている。
すなわち、移動体11の基礎部材20に、油圧シリンダ61の一端が固定されている。第1の被動部材62の一端は、油圧シリンダ61の他端に結合され、第1の被動部材62の他端は、第1の油圧モータ63を介して、第2の被動部材64の一端に結合されている。第2の被動部材64の他端は、第2の油圧モータ65を介して、第3の被動部材66の一端に結合されている。第3の被動部材66の他端には、作業用ツール等の作動要素68が固定されている。駆動ユニット50xは、チューブ65pを介して第2の油圧モータ65に接続されている。駆動ユニット52xは、チューブ61pを介して、油圧シリンダ61に接続されている。駆動ユニット54xは、チューブ63pを介して第1の油圧モータ63に接続されている。チューブ65p,61p,63pは、駆動ユニット50x,52x,54xの代わりに、駆動ユニット50x,52x,54xが固定された支持部材30,32,34の可動部に接続されてもよい。すなわち、チューブ65p,61p,63pは、駆動ユニット50x,52x,54xと駆動ユニット50x,52x,54xが固定された支持部材30,32,34の可動部とが結合された結合体に接続されていればよい。
ここでは、「駆動ユニットが支持部材に沿って移動する」とは、「駆動ユニットが支持部材の案内部に固定された仮想線に沿って移動し、駆動ユニットが基礎部材に対して相対移動する」ことを意味するものとし、また、「結合体が支持部材に沿って移動する」とは、「結合体が支持部材の案内部に固定された仮想線に沿って移動し、結合体が基礎部材に対して相対移動する」ことを意味するものとし、この表現を実施例2−1から実施例3−11の説明で用いる。
油圧シリンダ61は、駆動ユニット52xが矢印52sで示すように支持部材32に沿って移動すると、すなわち、駆動ユニット52xを含む結合体が矢印52sで示すように支持部材32に沿って移動すると、チューブ61pを介して油が移動し、矢印61sで示すように伸縮する。第1の油圧モータ63は、駆動ユニット54xが矢印54sで示すように支持部材34に沿って移動すると、すなわち、駆動ユニット54xを含む結合体が矢印54sで示すように支持部材34に沿って移動すると、チューブ63pを介して油が移動し、矢印63sで示すように回転し、第2の被動部材64の姿勢を変える。第2の油圧モータ65は、駆動ユニット50xが矢印50sで示すように支持部材30に沿って移動すると、すなわち、駆動ユニット50xを含む結合体が矢印50sで示すように支持部材30に沿って移動すると、チューブ65pを介して油が移動し、矢印65sで示すように回転し、第3の被動部材66の姿勢を変える。したがって、作動要素68は、駆動ユニット50x,52x,54xの移動により、すなわち、駆動ユニット50x,52x,54xを含む各結合体の移動により、移動体11の基礎部材20に対する位置や姿勢を変化させることができる。
また、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動し、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることにより、作動要素68に基準面に沿っての移動、回転の3自由度を与えることができる。
機械構造60は、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動して、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることで、作動要素68の移動領域を広げることができる。また、駆動ユニット50x,52x,54xは移動体11の基準面に沿った移動、回転にも、作動要素68の移動体11の基礎部材20に対する移動と姿勢の変化にも利用できるので、駆動源を有効利用できる。
<実施例2−2> 図10は、パラレル型の機械構造60sを模式的に示す概略図である。
図10に示すように、機械構造60sは、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、その上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52x,54xとの間がリンク70,72,74を介して接続されている。
すなわち、リンク70,72,74の一端は、1自由度の回転ジョイント71s,73s,75sを介して駆動ユニット50x,52x,54xに接続されている。リンク70,72,74の一端は、駆動ユニット50x,52x,54xの代わりに、駆動ユニット50x,52x,54xが固定された支持部材の可動部に接続されてもよい。すなわち、リンク70,72,74の一端は、駆動ユニット50x,52x,54xと駆動ユニット50x,52x,54xが固定された支持部材30,32,34の可動部とが結合された結合体に接続されていればよい。リンク70,72,74の他端は、3自由度の回転ジョイントである球面ジョイント71b,73b,75bを介して被動部材80に接続される。被動部材80には、例えば、作業用のツールや装置などを取り付ける。
リンク70,72,74は、1自由度の回転ジョイント71s,73s,75sを中心に回転自在である。リンク70,72,74は、球面ジョイント71b,73b,75bを通る任意の直線を回転中心軸として回転自在であり、被動部材80に対して自在に傾くことができ、被動部材80に対して回転することができる。
このように移動体11の上に設けられたリンク機構によって、被動部材80の移動体11の基礎部材に対する位置及び傾きは、駆動ユニット50x,52x,54xが矢印50s,52s,54sで示すように支持部材30,32,34に沿って移動すると、すなわち、駆動ユニット50x,52x,54xを含む各結合体が矢印50s,52s,54sで示すように支持部材30,32,34に沿って移動すると、変化する。このとき、被動部材80の、移動体11の基礎部材に対する高さと2方向の傾きを変化させることができ、3自由度の運動を実現できる。
また、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動し、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることにより、被動部材80に基準面に沿っての移動、回転の3自由度を与えることができる。
したがって、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80の空間6自由度の運動を独立して実現することが可能である。
機械構造60sは、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動して、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることで、被動部材80の移動領域を広げることができる。また、駆動ユニット50x,52x,54xは移動体11の基準面に沿った移動、回転にも、被動部材80の移動体11の基礎部材に対する移動と姿勢の変化にも利用できるので、駆動源を有効利用できる。
<実施例2−3> 図11は、ハイブリッド型の機械構造60tを模式的に示す概略図である。
図11に示すように、機械構造60tは、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、その上に被動部材80と被動部材66aとが直列に結合されている。
支持柱78aは支持柱要素78とユニバーサルジョイント79kを有する。被動部材80は、基端が移動体11の基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、2自由度の回転ジョイントであるユニバーサルジョイント79kを介して2方向の傾き自在に支持されている。また、被動部材80と駆動ユニット50x,52xとの間が、リンク70,72により並列に接続されている。すなわち、リンク70,72の一端は、球面ジョイント71a,73aを介して駆動ユニット50x,52xに接続されている。リンク70,72の他端は、球面ジョイント71b,73bを介して被動部材80に接続される。
被動部材80は、駆動ユニット50x,52xが矢印50s,52sで示すように支持部材30,32に沿って移動すると、移動体11の基礎部材に対する2方向の傾きが変わる。
被動部材80には、油圧シリンダ67の一端が取り付けられている。被動部材80は、油圧シリンダ67を介して、被動部材66aの一端に結合されている。被動部材66aの他端には作動要素68が固定されている。駆動ユニット54xはチューブ67pを介して油圧シリンダ67に接続されている。駆動ユニット54xが矢印54sで示すように支持部材34に沿って移動すると、チューブ67pを介して油が移動して、油圧シリンダ67が矢印67sで示すように伸縮し、作動要素68が進退する。
また、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動し、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることにより、作動要素68に基準面に沿っての移動、回転の3自由度を与えることができる。
機械構造60tは、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動して、移動体11を基準面に沿って移動、回転させることで、作動要素68の移動領域を広げることができる。また、駆動ユニット50x,52x,54xは移動体11の基準面に沿った移動、回転にも、作動要素68の移動体11の基礎部材に対する移動と姿勢の変化にも利用できるので、駆動源を有効利用できる。
次に、パラレル型の機械構造について、さらに説明する。
<実施例3−1> 図12は、実施例3−1の機械構造60aを模式的に示す概略図である。
図12に示すように、機械構造60aは、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、その上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52x,54xとの間がリンク70,72,74を介して接続されている。すなわち、リンク70,72,74の一端は、球面ジョイント71a,73a,75aを介して駆動ユニット50x,52x,54xに接続されている。リンク70,72,74の他端は、球面ジョイント71b,73b,75bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78とユニバーサルジョイント79kを有する。被動部材80は、基端が移動体11の基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、ユニバーサルジョイント79kを介して結合されている。支持柱要素78は、中間位置に伸縮ジョイント79tを備え、支持柱要素78は上下1方向にのみ伸縮自在であり、被動部材80の高さが自在に変化する。被動部材80は、支持柱78aとの結合によって基準面に沿う方向には移動体11の基礎部材に対して相対移動と相対回転をしないように拘束されるが、基準面に接離する高さ方向には移動体11の基礎部材に対して相対移動自在であり、また、移動体11の基礎部材に対して2方向に傾くことも自在である。
駆動ユニット50x,52x,54xが支持部材30,32,34に沿って移動し、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置が変化すると、被動部材80は、基準面や移動体11の基礎部材からの高さと、基準面や移動体11の基礎部材に対する傾きとが変わる。基準面に沿う2軸をx、yとし、基準面に垂直な軸をz、x軸まわりの回転をθx、y軸まわりの回転をθy、z軸まわりの回転をθzとすると、被動部材は、z、θx、θyの運動が可能である。
また、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動により、移動体11の基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11とともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80が空間6自由度の運動を独立して行うことが可能である。
<実施例3−2> 図13は、実施例3−2の機械構造60bを模式的に示す概略図である。
図13に示すように、機械構造60bは、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、その上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52x,54xとの間がリンク70,72,74を介して接続されている。すなわち、リンク70,72,74の一端は、1自由度の回転ジョイント71s,73s,75sを介して駆動ユニット50x,52x,54xに接続されている。リンク70,72,74の他端は、球面ジョイント71b,73b,75bを介して被動部材80に接続されている。
駆動ユニット50x,52x,54xが支持部材30,32,34に沿って移動し、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置が変化すると、被動部材80は、位置と傾きとが変わる。すなわち、被動部材80は、z、θx、θyを変化させることができる。
また、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動により、移動体11の基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11とともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80が空間6自由度の運動を独立して行うことが可能である。
なお,被動部材80がz、θx、θyを変化させると、移動体11の基礎部材が静止した条件下でも、これとともに被動部材80のx,y,θzも変化する。このため、被動部材80のx,y,θzの運動は、移動体11の基礎部材に対する被動部材80の運動と、基準面に沿った移動体11の運動を合成したものとなる。
<実施例3−3> 図14は、実施例3−3の機械構造60cを模式的に示す概略図である。
図14に示すように、機械構造60cは、図13の実施例3−2と略同様に構成されているが、土台となる機械構造10hの構成が実施例3−2とは異なる。すなわち、機械構造10hは、実施例3−2と同じ構成の機械構造10に、基礎部材20sと基礎部材20sに固定された2能動駆動ユニット40xが追加されている。
駆動ユニット40x,50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80は空間6自由度の運動を独立して行うことが可能である。
機械構造60cは、駆動ユニット40x,50x,52x,54xの能動自由度の合計の数が8であり、被動部材80の空間6自由度よりも自由度の数が多い。
<実施例3−4> 図15は、実施例3−4の機械構造60dを模式的に示す概略図である。
図15に示すように、機械構造60dは、図13の実施例3−2と略同様に構成されているが、土台となる機械構造10iの構成とリンクの構成が実施例3−2とは異なる。
すなわち、土台となる機械構造10iは、実施例3−2と同じ構成の機械構造10に、支持部材30,32,34とともに放射状に結合された支持部材36と、支持部材36の可動部に固定された2能動駆動ユニット56xとが追加され、駆動ユニット56xと被動部材80とは、リンク76を介して接続されている。すなわち、リンク76の一端は、球面ジョイント77aを介して駆動ユニット56xに接続されている。リンク76の他端は、球面ジョイント77bを介して被動部材80に接続されている。
駆動ユニット50x,52x,54x,56xを駆動することで、被動部材80は空間6自由度の運動を独立して行うことが可能である。
機械構造60dは、駆動ユニット50x,52x,54x,56xの能動自由度の合計の数が8であり、被動部材80の空間6自由度よりも自由度の数が多い。
<実施例3−5> 図16は、実施例3−5の機械構造60eを模式的に示す概略図である。
図16に示すように、機械構造60eは、実施例1−1と同じ構成の機械構造10の移動体11の上に、被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52x,54xとの間は、リンク70,72,74を介して接続されている。すなわち、リンク70,72,74の一端は、球面ジョイント71a,73a,75aを介して駆動ユニット50x,52x,54xに接続されている。リンク70,72,74の他端は、球面ジョイント71b,73b,75bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78を有する。被動部材80は、基端が移動体11の基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に固定されている。支持柱要素78は、中間位置に伸縮ジョイント79tを備え、上下1方向にのみ伸縮自在である。被動部材80は、支持柱78aに支持されることによって、移動体11の基礎部材に接離する高さ方向にのみ移動自在であり、基準面に沿う方向の移動体11の基礎部材に対する相対移動と、移動体11の基礎部材に対する3方向の相対回転とが拘束されている。
駆動ユニット50x,52x,54xが支持部材30,32,34に沿って移動し、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置が変化すると、被動部材80は、移動体11の基礎部材からの高さが変わる。被動部材はzの運動が可能である。
また、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動により、移動体11の基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11とともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80がx,y、z,θzの空間4自由度の運動を独立して行うことが可能である。
機械構造60eは、駆動ユニット50x,52x,54xの能動自由度の合計の数が6であり、被動部材80が運動を実現できる空間4自由度よりも自由度の数が多い。
<実施例3−6> 図17は、実施例3−6の機械構造60fを模式的に示す概略図である。
図17に示すように、機械構造60fは、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造10を備え、移動体11の上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52x,54xとがリンク70,72,74を介して接続されている。すなわち、リンク70,72,74の一端は、球面ジョイント71a,73a,75aを介して駆動ユニット50x,52x,54xに接続されている。リンク70,72,74の他端は、球面ジョイント71b,73b,75bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78と球面ジョイント79aを有する。被動部材80は、基端が移動体11の基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、球面ジョイント79aを介して結合されている。これにより、被動部材80は、移動体11の基礎部材に対する相対位置が拘束されながら、移動体11の基礎部材に対する姿勢を変えることができる。すなわち、基準面に対して自在に傾くことができ、基準面に沿って回転自在である。駆動ユニット50x,52x,54xを駆動して、移動体11に対する駆動ユニット50x,52x,54xの相対位置を変えることにより、リンク70,72,74を介して、被動部材80のθx,θy,θzの運動を実現することができる。
また、駆動ユニット50x,52x,54xの駆動により、移動体11の基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11とともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,54xを駆動することで、被動部材80がx,y、θx,θy,θzの空間5自由度の運動を独立して行うことが可能である。
なお、被動部材80は、移動体11の基礎部材が静止した条件下でも、θzを変化させることができる。このため、被動部材80のθzの運動は、移動体11の基礎部材に対する被動部材80の運動と、基準面に沿った移動体11の運動を合成したものとなる。
機械構造60fは、駆動ユニット50x,52x,54xの能動自由度の合計の数が6であり、被動部材80が運動を実現できる空間5自由度よりも自由度の数が多い。
<実施例3−7> 図18は、実施例3−7の機械構造60gを模式的に示す概略図である。
図18に示すように、機械構造60gは、土台として実施例1−5と同じ構成の機械構造10dを備え、移動体11dの上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52xとがリンク70,72を介して接続されている。すなわち、リンク70,72の一端は、球面ジョイント71a,73aを介して駆動ユニット50x,52xに接続されている。リンク70,72の他端は、球面ジョイント71b,73bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78とユニバーサルジョイント79kを有する。被動部材80は、基端が移動体11dの基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、ユニバーサルジョイント79kを介して結合されている。これにより、被動部材80は、移動体11dの基礎部材に対する相対位置が拘束されながら、移動体11dの基礎部材に対する傾きを変えることができる。すなわち、移動体11dの基礎部材に対して自在に傾くことができる。駆動ユニット50x,52xを駆動して、移動体11dに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることにより、リンク70,72を介して、被動部材80のθx,θyの運動を実現することができる。
また、駆動ユニット50x,52x,40yの駆動により、移動体11dの基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11dとともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,40yを駆動することで、被動部材80がx,y、θx,θy,θzの空間5自由度の運動を独立して行うことが可能である。
<実施例3−8> 図19は、実施例3−8の機械構造60hを模式的に示す概略図である。
図19に示すように、機械構造60hは、土台として実施例1−5と同じ構成の機械構造10dを備え、移動体11dの上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52xとがリンク70,72を介して接続されている。すなわち、リンク70,72の一端は、球面ジョイント71a,73aを介して駆動ユニット50x,52xに接続されている。リンク70,72の他端は、球面ジョイント71b,73bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78と1自由度の回転ジョイント79sを有する。被動部材80は、基端が移動体11dの基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、1自由度の回転ジョイント79sを介して結合されている。すなわち、図20の要部拡大図に示すように、被動部材80は、支持柱要素78に対して、1自由度の回転ジョイント79sを中心に矢印79xで示す1方向にのみ回転することができる。また、支持柱要素78は、中間位置に伸縮ジョイント79tを備え、支持柱要素78は上下1方向にのみ伸縮自在であり、被動部材80の高さが自在に変化する。
被動部材80は、支持柱78aによって、基準面に沿う方向の移動体11dの基礎部材に対する相対位置と相対回転と、移動体11dの基礎部材に対する1方向の傾きとが拘束されながら、移動体11dの基礎部材に対する他の方向の傾きと高さを変えることができる。すなわち、駆動ユニット50x,52xを駆動して、移動体11dに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることにより、リンク70,72を介して、被動部材80のz,θxの運動を実現することができる。
また、駆動ユニット50x,52x,40yの駆動により、移動体11dの基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11dとともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,40yを駆動することで、被動部材80がx,y,z,θx,θzの空間5自由度の運動を独立して行うことが可能である。
<実施例3−9> 図21は、機械構造60iを模式的に示す概略図である。
図21に示すように、機械構造60iは、土台として実施例1−5と同じ構成の機械構造10dを備え、移動体11dの上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50x,52xとがリンク70,72を介して接続されている。すなわち、リンク70,72の一端は、1自由度の回転ジョイント71s,73sを介して駆動ユニット50x,52xに接続されている。リンク70,72の他端は、球面ジョイント71b,73bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78と球面ジョイント79aを有する。被動部材80は、基端が移動体11dの基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、球面ジョイント79aを介して結合されている。また、支持柱要素78は、中間位置に伸縮ジョイント79tを備え、支持柱要素78は上下1方向にのみ伸縮自在であり、被動部材80の高さが自在に変化する。
被動部材80は、支持柱78aによって、基準面に沿う方向の移動体11dの基礎部材に対する相対位置が拘束されながら、移動体11dの基礎部材に対する姿勢と高さを変えることができる。すなわち、駆動ユニット50x,52xを駆動して、移動体11dに対する駆動ユニット50x,52xの相対位置を変えることにより、リンク70,72を介して、被動部材80のz,θx,θyを変化させることができる。ただし、z、θx、θyが、相互に制約をもった上で変化するので、独立して動かすことはできるのはz、θx、θyのうち、いずれか2つまでとなる。
なお、被動部材80がz,θx,θyを変化させると、移動体11dの基礎部材が静止した条件下でも、これとともにθzも変化する。このため、被動部材80のθzの運動は、移動体11dに対する被動部材80の運動と、基準面に沿った移動体11dの運動を合成したものとなる。
また、駆動ユニット50x,52x,40yの駆動により、移動体11dの基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11dとともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,52x,40yを駆動することで、被動部材80が空間5自由度の運動を独立して行うことが可能である。
<実施例3−10> 図22は、機械構造60jを模式的に示す概略図である。
図22に示すように、機械構造60jは、土台として実施例1−6と同じ構成の機械構造10eを備え、その上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50xとの間がリンク70を介して接続されている。すなわち、リンク70の一端は、球面ジョイント71aを介して駆動ユニット50xに接続されている。リンク70の他端は、球面ジョイント71bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78を有する。被動部材80は、基端が移動体11eの基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に固定されている。支持柱要素78は、中間位置に伸縮ジョイント79tを備え、上下1方向にのみ伸縮自在である。被動部材80は、支持柱78aに支持されることによって、基準面に沿う方向の移動体11eの基礎部材に対する相対移動と、移動体11eの基礎部材に対する3方向の相対回転とが拘束された状態で、移動体11eの基礎部材に接離する高さ方向にのみ移動自在である。
駆動ユニット50xを駆動して、移動体11eに対する駆動ユニット50xの相対位置を変えることにより、リンク70を介して、被動部材80のz方向の運動を実現することができる。
また、駆動ユニット50x,40y,42yの駆動により、移動体11eの基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11eとともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,40y,42yを駆動することで、被動部材80がx,y,z,θzの空間4自由度の運動を独立して行うことが可能である。
<実施例3−11> 図23は、機械構造60kを模式的に示す概略図である。
図23に示すように、機械構造60kは、土台として実施例1−6と同じ構成の機械構造10eを備え、その上に被動部材80が配置され、被動部材80と駆動ユニット50xとの間がリンク70を介して接続されている。すなわち、リンク70の一端は、球面ジョイント71aを介して駆動ユニット50xに接続されている。リンク70の他端は、球面ジョイント71bを介して被動部材80に接続されている。
支持柱78aは支持柱要素78と1自由度の回転が可能な回転ジョイント79sを有する。被動部材80は、基端が移動体11eの基礎部材に固定された支持柱要素78の先端に、1自由度の回転が可能な回転ジョイント79sを介して、固定されている。被動部材80は、支持柱78aに支持されることによって、基準面に沿う方向の移動体11eの基礎部材に対する相対位置と相対回転と、移動体11eの基礎部材に対する高さと1方向の傾きとが拘束されながら、移動体11eの基礎部材に対して他の1方向に自在に傾くことができる。駆動ユニット50xを駆動して、移動体11eに対する駆動ユニット50xの相対位置を変えることにより、リンク70を介して、被動部材80の傾きθxを変えることができる。
また、駆動ユニット50x,40y,42yの駆動により、移動体11eの基準面に沿った移動と回転が可能であるため、被動部材80は、移動体11eとともに運動することにより、x,y、θzの運動が可能である。
したがって、駆動ユニット50x,40y,42yを駆動することで、被動部材80がx,y,θx,θzの空間4自由度の運動を独立して行うことが可能である。
次に、駆動ユニットの具体的な構成について、図24〜図27を参照しながら説明する。
<具体例1−1> 図24の要部斜視図に示すように、支持部材は、案内部102と可動部104とを備える。案内部102は基礎部材に固定される。可動部104は、案内部102に固定された仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である。支持部材は、例えば、可動部104が案内部102に沿って直線状に移動自在であるリニアガイドである。
可動部104には、駆動ユニットである全方向移動車輪100が固定されている。全方向移動車輪100は、回転駆動されると基準面に沿って能動的に移動し、かつ該進行方向と異なる方向に基準面に沿って能動的又は受動的に移動可能である車輪を有する。すなわち、全方向移動車輪100は、車輪が接する基準面に沿って異なる2方向に移動することができ、駆動されると、少なくとも1方向に基準面に沿って能動的に移動する駆動装置である。全方向移動車輪100は、1自由度の能動移動と1自由度の受動移動とが可能であっても、2自由度の能動移動が可能であってもよい。すなわち、全方向移動車輪100は、1能動1受動駆動ユニットであっても、2能動駆動ユニットであってもよい。
全方向移動車輪100は、基準面との接点において受動的に回転する。すなわち、外部からの力が作用すると、基準面に沿って接点を中心に受動的に回転する。全方向移動車輪100の基準面との接点になる部分で、受動回転可能となる。
例えば、全方向移動車輪として、オムニホイールを用いることができる。オムニホイールは、回転駆動されると基準面に沿って能動的に移動し、かつ該進行方向と垂直な方向に基準面に沿って受動的に移動可能となるようなローラを有する。また、基準面に沿って受動回転可能である。すなわち、オムニホイールは1能動1受動駆動ユニットである。
あるいは、全方向移動車輪として、全方向駆動車輪を用いることができる。全方向駆動車輪は、回転駆動されると基準面に沿って能動的に移動し、かつ該進行方向と垂直な方向にも基準面に沿って能動的に移動可能となるようなローラを有する。また、基準面に沿って受動回転可能である。すなわち、全方向駆動車輪は2能動駆動ユニットである。
<具体例1−2> 図25(a)の底面図、図25(b)の正面図に模式的に示すように、駆動ユニット110は、2個の駆動ユニット要素である全方向車輪112,114が、本体部111に支持されている。本体部111は、支持部材の可動部104に固定されている。支持部材の可動部104は、支持部材の案内部102に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動自在に支持されている。
全方向車輪112,114は、駆動されると、図25(a)において実線で示す矢印112s,114sの方向に能動的に移動する。全方向車輪112,114は、破線で示す矢印112t,114tの方向には受動的に移動自在である。2個の全方向車輪112,114は、図25(a)に示すように、互いに非平行に配置され、それぞれの駆動方向が中心軸116で交差するように配置されている。駆動ユニット110は、全方向車輪112,114を駆動することで、基準面に沿って2自由度の能動移動が可能である。また、全方向車輪112,114の、受動移動自在である方向112t,114tは、どちらも中心軸116を中心とする仮想円の円周方向と一致するため、駆動ユニット110は、矢印116sで示すように、中心軸116を中心として受動回転可能となる。駆動ユニット110は、2能動駆動ユニットである。
<具体例1−3> 図26の概略図に示すように、駆動ユニット122は、基準面120に接する下部122bと、支持部材の可動部104に固定される上部122aとが、矢印124で示すように相対回転自在に結合されている。支持部材の可動部104は、支持部材の案内部102に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動自在に支持されている。
駆動ユニット122の下部122bは、基準面120に沿って、x,y方向に並進2自由度の能動移動が可能であるが、基準面120に対して受動回転することや、能動回転することはできない。駆動ユニット122の上部122aと下部122bとを相対回転自在に結合する部分により、駆動ユニット122の上部122aは基準面120に対して受動回転可能となる。すなわち、駆動ユニット122は2能動駆動ユニットである。例えば、駆動ユニット122の下部122bには、2自由度能動並進リニアモータの可動部を用いることができる。この場合、基準面120にリニアモータの固定部を配置する。
<具体例1−4> 駆動ユニットとして、能動方向可変車輪を用いてもよい。能動方向可変車輪は、支持部材の可動部又は基礎部材に固定されるベース部と、ベース部に支持される車輪とを備え、車輪を能動的に回転駆動することで基準面に沿った能動移動ができ、かつ車輪の向きを能動的に変えることで能動移動方向を変えることができる。能動方向可変車輪は、車輪の向きを変えることによって、基準面に沿って2自由度の能動移動が可能である。また、能動方向可変車輪は、基準面との接点において受動的に回転する。すなわち、外部からの力が作用すると、基準面に沿って接点を中心に受動的に回転する。能動方向可変車輪の基準面との接点になる部分で、受動回転可能となる。すなわち、能動方向可変車輪は2能動駆動ユニットである。
<具体例1−5> 図27(a)の底面図、図27(b)の正面図に模式的に示すように、駆動ユニット130は、基準面120に接する下部130bと、支持部材の可動部104に固定される上部130aとが、矢印130kで示すように相対回転自在に結合されている。支持部材の可動部104は、支持部材の案内部102に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動自在に支持されている。
駆動ユニット130は、駆動されると、矢印132s,134sで示す方向に能動移動する並進能動1自由度の2個の駆動輪132,134を備えている。駆動輪132,134は、矢印132s,134sに示す方向以外の方向には能動的にも受動的にも移動できない。2個の駆動輪132,134は、それぞれの能動移動方向が互いに平行になるように固定されている。
駆動ユニット130は、2個の駆動輪132,134を同じ方向に同じ移動量となるように駆動すると、矢印130tで示すように1方向に移動する。2個の駆動輪132,134の移動量に差が生じると、矢印130sで示すように、駆動ユニット130の下部130bが向きを変え、駆動ユニット130が移動する方向が変化する。これにより、基準面120に沿っての2自由度の能動移動が可能である。また、駆動ユニット130の上部130aと下部130bとを相対回転自在に結合する部分により、駆動ユニット130の上部130aは基準面120に対して受動回転可能となる。すなわち、駆動ユニット130は、2能動駆動ユニットである。
次に、支持部材の具体的な構成について、図28〜図30を参照しながら説明する。
<具体例2−1> 図28(a)〜(c)の概略図に模式的に示すように、複数の支持部材を、3股、4股、5股など、放射状に配置する。あるいは、図28(d)の概略図に模式的に示すように、基準面に沿ってずれた配置とすることもできる。
支持部材は、同一平面に配置されても、異なる平面に配置されてもよい。例えば図28(e)の概略図に模式的に示すように、支持部材が空間的にずれて配置されてもよい。
<具体例2−2> 図29の概略図に模式的に示すように、基礎部材140と可動部142とが、矢印146で示す方向に伸縮するパンタグラフ144を介して結合されていてもよい。パンタグラフ144が案内部となる。
<具体例2−3> 支持部材は、必ずしも、基礎部材に対して駆動ユニットが直線状に相対移動する必要はない。例えば図30の概略図に示すように支持部材の案内部に固定された曲がった仮想線に沿って、駆動ユニットが非直線状に案内されてもよい。
なお、支持部材は、基礎部材に対して駆動ユニットの相対的な移動が可能となるものを用いればよく、上述した構成以外に、種々の構成とすることができる。
次に、伝達要素の具体的な構成について、図31〜図42を参照しながら説明する。
<具体例3−1> 結合体と被動部材との間を、すなわち、支持部材の可動部又は可動部に固定された駆動ユニットと被動部材との間をリンク機構を介して接続する。この場合、例えば図31(a)〜(c)の概略図に示すように、駆動ユニットの駆動によって基礎部材に対する相対位置が変化する部分(結合体、すなわち、支持部材の可動部又は可動部に固定された駆動ユニット)200と被動部材202との間に1つのリンク204のみを配置しても、複数のリンク205,206,207を直列に配置しても、複数のリンク208,209を並列に配置してもよい。なお、図中の●はジョイントである。
<具体例3−2> 図32の概略図に模式的に示すように、支持部材の可動部(図示せず)に固定された駆動ユニット210と一体に移動する第1のラック212が矢印211で示すように移動すると、第1のラック212が噛み合うように基礎部材(図示せず)に回転自在に支持されたピニオン214が矢印215で示すように回転し、ピニオン214に噛み合うように基礎部材(図示せず)に支持された第2のラック216が矢印217で示すように移動するように構成する。
この場合、駆動ユニット210の運動を、駆動ユニット210の移動方向とは異なる方向の運動に変換して利用することができる。
<具体例3−3> 図33の要部斜視図に模式的に示すように、支持部材の可動部に固定された駆動ユニット220の矢印211で示す運動を、駆動ユニット220と一体に移動する直進部材222に形成されたラック222aと中間部材224に形成されたピニオン224aとの噛み合いによって、矢印225で示す回転運動に変換した後、この回転運動を、中間部材224に形成されためねじ224bとねじ棒部材226に形成されたおねじ226aとの噛み合いによって、ねじ棒部材226の直進運動に変換する。中間部材224は基礎部材に回転自在に支持されている。ねじ棒部材226は、回転しないように基礎部材に拘束されており、矢印227で示す直進移動が可能である。
この場合、駆動ユニット220の運動を、駆動ユニット220の移動方向とは異なる方向の運動に変換して利用することができる。
<具体例3−4> 図34の概略図に模式的に示すように、基礎部材234と、駆動ユニット230が固定された支持部材の可動部232とに、パンタグラフ機構236を接続し、矢印231で示すように、基礎部材234に対して駆動ユニット230が接離すると、パンタグラフ機構236が矢印237で示すように伸縮する。
この場合、駆動ユニット230の運動を、駆動ユニット230の移動方向とは異なる方向の運動に変換して利用することができる。
<具体例3−5> 図35の概略図に模式的に示すように、基礎部材に固定された直進案内部材244に沿って自在に移動する直進部247に移動部材248を固定する。駆動ユニット240が固定されたリニアガイドの可動部242と直進部247との間を、リンク246と紙面内においてのみ回転自在である1自由度の回転ジョイント246s,246tとを介して接続する。
矢印241で示すように駆動ユニット240が移動すると、直進部247が矢印245で示すように直進案内部材244に沿って移動し、移動部材248は矢印249で示すように上下に移動する。
<具体例3−6> 図36の概略図に模式的に示すように、移動体に、駆動ユニット250を支持するリニアガイド252の上に、斜めにリニアガイド254を配置する。上側のリニアガイド254の可動部254aに移動部材256を固定する。2つのリニアガイド252,254の可動部252a,254aの間を、伸縮自在な結合部材258で結合する。
駆動ユニット250が矢印251で示すようにリニアガイド252に沿って移動すると、結合部材258は矢印259で示すように伸縮し、上側のリニアガイド254の可動部254aは矢印255で示すようにリニアガイド254に沿って移動する。これにより、移動部材256は、上側のリニアガイド254に沿って高さを変えながら移動する。
<具体例3−7> 図37の概略図に模式的に示すように、基礎部材262に、駆動ユニット260の移動によりピストンが進退するように第1の油圧シリンダ264を固定する。第1の油圧シリンダ264の油圧によりピストンが駆動される第2の油圧シリンダ266を基礎部材262に固定し、第2の油圧シリンダ266のピストンに移動部材268を固定する。
駆動ユニットが矢印261で示すように移動すると、移動部材268は矢印269で示すように移動する。
<具体例3−8> 図38の概略図に模式的に示すように、機械構造290は、土台となる機械構造270の上に、被動部材298が配置されている。土台となる機械構造270は、Y字状の移動体271を備えている。移動体271は、基礎部材271sに支持部材271a,271b,271cの案内部の一端が固定され、支持部材271a,271b,271cの案内部の他端に基礎部材271x,271y,271zが固定されている。基礎部材271x,271y,271zには、伸縮部材282,284,286の一端が固定されている。駆動ユニット272,274,276が、支持部材271a,271b,271cの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動すると、伸縮部材282,284,286は、矢印283,285,287で示すように伸縮する。伸縮部材282,284,286の他端と被動部材298との間は、リンク292,294,296を介して接続されている。リンク292,294,296の一端は、1自由度の回転ジョイント293s,295s,297sを介して、伸縮部材282,284,286の先端に接続され、リンク292,294,296の他端は、球面ジョイント293b,295b,297bを介して、被動部材298に接続されている。
駆動ユニット272,274,276が支持部材271a,271b,271cの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動すると、伸縮部材282,284,286が伸縮し、伸縮部材282,284,286にリンク292,294,296を介して接続されている被動部材298の姿勢や位置が変化する。
機械構造290は、駆動ユニット272,274,276の移動を、伸縮部材282,284,286の伸縮運動に変換して利用している。
<具体例3−9> 図39の概略図に模式的に示すように、機械構造308は、土台となる機械構造300の上に配置された被動部材310と、駆動ユニット302,304,306との間が、破線で示すワイヤ312,314,316で接続されている。機械構造300は、具体例3−8と同様に、Y字状の移動体301を備えている。移動体301は、基礎部材301sに支持部材301a,301b,301cの案内部の一端が固定され、支持部材301a,301b,301cの案内部の他端に基礎部材301x,301y,301zが固定されている。駆動ユニット302,304,306は、支持部材301a,301b,301cの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動することができる。機械構造300の基礎部材301x,301y,301zには、ワイヤ312,314,316が挿通される中空穴を有するワイヤ案内部材313,315,317が固定されている。
駆動ユニット302,304,306が支持部材301a,301b,301cの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動すると、ワイヤ312,314,316の繰り出し、引き込みが生じて、被動部材310の姿勢や位置が変化する。
機械構造308は、駆動ユニット302,304,306の移動を、ワイヤ312,314,316の繰り出し、引き込みに変換して利用している。
<具体例3−10> 図40の概略図に模式的に示すように、駆動ユニット320と一体となって移動するラック322が噛み合うピニオン324を、基礎部材に回転自在に支持する。
この場合、矢印321で示す駆動ユニット320の移動を、矢印325で示すピニオン324の回転運動に変換して利用することができる。
<具体例3−11> 図41の概略図に模式的に示すように、基礎部材に、回転リンク334の一端を、矢印335で示すように紙面内においてのみ回転自在となるように支持し、駆動ユニット330とともに移動する部分と回転リンク334とを、リンク332と1自由度の回転ジョイント332s,332tを介して接続する。
この場合、矢印331で示す駆動ユニット330の移動を、矢印335で示す回転リンク334の回転運動に変換して利用することができる。
<具体例3−12> 図42の概略図に模式的に示すように、土台として実施例1−1と同じ構成の機械構造340を備え、その上に被動部材368を配置する。駆動ユニット342,344,346は、支持部材341s,341t,341uの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿って移動することができる。機械構造340の基礎部材341xに、駆動ユニット342,344,346の支持部材341s,341t,341uの案内部に固定された仮想線(図示せず)に沿った移動に伴って1自由度の回転をする回転部材352,354,356を配置し、回転部材352,354,356に一端が結合された直動ジョイント362,364,366の傾きを変化させる。直動ジョイント362,364,366は、長さ方向に自在に伸縮する。直動ジョイント362,364,366の他端は、球面ジョイント363,365,367を介して、被動部材368に接続されている。
この場合、駆動ユニット342,344,346の移動を、矢印で示すように回転部材352,354,356の回転運動に変換して利用することができる。
<変形例1> 基礎部材と支持部材の案内部とが、一体に形成されてもよい。例えば図43(a)の要部斜視図及び図43(a)の線X−Xに沿って見た図43(b)の正面図に示すように、共通部材400の下部に、駆動ユニット420が固定される支持部材410の可動部414を摺動自在に支持し案内する支持部材410の案内部412を形成し、共通部材400の上部に基礎部材402を形成する。
<まとめ> 以上に説明したように、本発明の駆動ユニットを備えた機械構造は、移動体の基準面に沿った移動、回転と、それ以外の別の作業とに、駆動ユニットを用いることで、広い移動領域を得られ、また、駆動源を有効に利用しやすい。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変更を加えて実施することが可能である。
例えば、駆動ユニットの一部に支持部材の可動部が含まれる構成にしてもよい。あるいは、駆動ユニットと一体に、可動部を形成してもよい。
駆動ユニットが固定されない支持部材の可動部があってもよい。このような可動部は、例えばリンク機構を構成するために用いることができる。
支持部材の一つの案内部に、その案内部に固定された1つの仮想線(図示せず)に沿って受動移動が可能である複数の可動部を設けてもよい。