JP5462702B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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    • F16D21/00Systems comprising a plurality of actuated clutches
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Description

本発明は、エンジンやモータ等の動力源からトランスミッションへ動力を伝達するためのクラッチ装置に関する。
車両の変速を自動的に行う手段として自動変速機(AT)が知られている。近年のATは、例えばトルクコンバータ、複数の遊星ギヤおよびクラッチを組み合わせたものが主流となっている。しかし、ATたとえばトルクコンバータは、流体を介して動力を伝達するので、入力側と出力側とを機械的に直接連結しトルクを伝達する手動変速機(MT)に比べて、動力伝達効率が低下する。したがって、ATは、ドライバーの労力が軽減されるという利点を有している反面、車両の燃費が低下するという欠点を有している。そこで、近年では、MTの伝達効率を確保しつつクラッチ操作を不要とすることを目的とした自動変速機(AMT)が、提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この自動変速機では、MTのクラッチ操作およびトランスミッションの変速操作を自動化することができ、従来のMTと同様の伝達効率を確保しつつ、クラッチ操作を不要とすることができる
特開2002−174262号公報
特許文献1に記載のクラッチ装置は、主に、一対のフライホイールを含むカバー部材、一対のフライホイールの間に配置された一対のプレッシャープレート、およびそれぞれが一対のプレッシャープレートそれぞれによって押圧される一対のクラッチディスクを有している。このようなデュアルタイプのクラッチ装置は、トランスミッションに動力を伝達するための2本のシャフトを介して、エンジンからの動力をトランスミッションへと伝達する。
トランスミッションに動力を伝達するためのシャフトは、インナーシャフトとアウターシャフトとから構成されている。この場合、クラッチ装置が、主にインナーシャフトに支持された状態において、シャフトとともに同軸周りに回転することによって、エンジンからの動力をトランスミッションへと伝達する。
ここで、エンジンからの動力をトランスミッションへと確実に伝達するためには、シャフトに対するクラッチ装置の装着が、重要となる。クラッチ装置は、シャフトに位置決めされ、クランクシャフトに連結される。このようにクラッチ装置が装着された状態において、エンジンからトランスミッションへと動力が伝達される際には、クラッチ装置にはスラスト力が発生し、このスラスト力はシャフトへと伝達される。このスラスト力は、回転共振等の問題を引き起こすおそれがあるので、スラスト力を確実にシャフトに伝達することも同時に重要となる。
スラスト力の入力軸への入力経路は、上述したシャフトに対するクラッチ装置の位置決めによって、決定される。この位置決めは、一般的には、スラスト力を受けるための位置決め部材、たとえばスナップリング等を用いて、行われることが多く、手動で行われる。特に、クラッチ装置をシャフトに位置決めする作業は、クラッチ装置本体をシャフトに取り付けた状態で、スナップリング等のような位置決め部材を、クラッチ装置本体とシャフトとの間の狭い空間においてシャフトに、手動で直接的に設置しなければならない。このため、この作業の存在が、クラッチ装置の組み立て効率を大きく低下させる原因となっていた。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、スラスト力を入力軸へと確実に伝達することができるクラッチ装置を、提供することにある。
また、本発明の別の目的は、このような問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、組み立て効率を向上することができるクラッチ装置を、提供することにある。
請求項1に係るクラッチ装置は、エンジンから、入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置である。
このクラッチ装置は、エンジンからの動力が入力される入力回転体と、プレッシャプレートと、クラッチディスク組立体と、回転支持機構と、軸移動規制機構とを、有している。プレッシャプレートは、入力回転体に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。クラッチディスク組立体は、プレッシャプレートを介して、入力回転体から入力軸に動力を伝達している。回転支持機構は、入力軸と入力回転体との間に設けられおり、入力回転体を入力軸に対して回転可能に支持している。軸移動規制機構は、入力軸と回転支持機構との間に設けられている。軸移動規制機構は、回転支持機構を支持する支持部材と、入力軸と支持部材との間において支持部材と入力軸とに係合し支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを、有している。
ここで、軸移動規制機構の支持部材は、筒状に形成されている。支持部材は、軸移動規制部材を係止する係止凹部を、内周面に有している。また、支持部材は、軸移動規制部材が待機する待機凹部を、係止凹部の位置を基準としたトランスミッション側の内周面に、有している。軸移動規制部材は、環状に形成されている。軸移動規制部材は、支持部材の待機凹部から支持部材の係止凹部へと縮径されながら案内され、支持部材の係止凹部と入力軸の外周面に形成された溝部とに、嵌合される。
このクラッチ装置では、エンジンの動力は、プレッシャプレートを入力回転体の方向に移動することによって、クラッチディスク組立体を介して、入力回転体から入力軸へと伝達される。また、エンジンの動力が、入力回転体から入力軸に伝達される場合には、プレッシャープレートを押圧するための反力としてのスラスト力が、発生する。このスラスト力は、軸移動規制機構によってエンジン側への軸移動が規制された回転支持機構に入力され、入力軸へと伝達される。具体的には、支持部材が回転支持機構を支持した状態で、軸移動規制部材が、入力軸と支持部材との間において支持部材と入力軸とに係合することによって、支持部材のエンジン側への軸移動が規制される。これにより、上記のスラスト力は、入力軸へと伝達される。
このように、本発明では、軸移動規制機構の軸移動規制部材が、入力軸と軸移動規制機構の支持部材との間において支持部材と入力軸とに係合しているので、支持部材のエンジン側への軸移動を確実に規制することができる。すなわち、上記のスラスト力を、入力軸へと確実に伝達することができる。
また、本発明では、従来のクラッチ装置のように、クラッチ装置と入力軸との間の狭い空間において、軸移動規制部材を、手動で最後に設置しなくても、軸移動規制機構の軸移動規制部材を、入力軸と軸移動規制機構の支持部材との間に前もって配置しておくことができるので、クラッチ装置の組み立て効率を大幅に向上することができる。
また、この場合、軸移動規制部材を、支持部材の係止凹部と入力軸の外周面に形成された溝部とに嵌合しているので、クラッチ装置に発生するスラスト力を、入力軸へと確実に伝達することができる。
また、この場合、軸移動規制部材が、支持部材の待機凹部に配置された状態で、入力軸の溝部に嵌合された後に、支持部材の待機凹部から支持部材の係止凹部へと縮径されながら案内される。そして、軸移動規制部材が係止凹部に到達すると、この軸移動規制部材が、係止凹部に向けて拡径し、係止凹部と入力軸の溝部とに嵌合される。このように、本発明では、軸移動規制部材を、入力軸と支持部材との間において、支持部材の待機凹部に配置しておくことによって、軸移動規制部材を待機凹部から係止凹部へと案内することができるので、従来のクラッチ装置のように、クラッチ装置と入力軸との間の狭い空間において、軸移動規制部材を、手動で直接的に設置する必要がなくなり、クラッチ装置の組み立て効率を大幅に向上することができる。また、軸移動規制部材を、待機凹部から係止凹部へと縮径しながら案内し、係止凹部で拡径することができるので、軸移動規制部材を係止凹部に確実に嵌合することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項に記載のクラッチ装置において、支持部材の待機凹部のエンジン側の壁面が、軸移動規制部材を待機凹部から係止凹部へと案内するための第1案内部になっている。第1案内部は、軸移動規制部材を縮径可能なテーパ状に形成されている。
この場合、第1案内部すなわちテーパ状の待機凹部の壁面を用いて、軸移動規制部材を、縮径しながら、待機凹部から係止凹部へと案内することができるので、軸移動規制部材が係止凹部に到達したときに、軸移動規制部材を、係止凹部に向けて拡径することができる。これにより、軸移動規制部材を、係止凹部に確実に係合することができるので、支持部材のエンジン側への軸移動を確実に規制することができる。すなわち、上記のスラスト力を、入力軸へと確実に伝達することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項1又は2に記載のクラッチ装置において、支持部材の係止凹部の底部の内径が、支持部材の待機凹部の底部の内径より小さい。
この場合、支持部材の係止凹部の底部の内径が、支持部材の待機凹部の底部の内径より小さくなるように、係止凹部および待機凹部が支持部材に形成されているので、待機凹部から係止凹部へと縮径しながら案内された軸移動規制部材を、係止凹部に確実に嵌合することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項1から3のいずれかに記載のクラッチ装置において、支持部材が、軸移動規制部材を回収する回収凹部を、係止凹部の位置を基準としたエンジン側の内周面にさらに有している。軸移動規制部材は、支持部材の係止凹部から支持部材の回収凹部へと縮径されながら案内され、支持部材の回収凹部において拡径し回収される。
この場合、軸移動規制部材が、支持部材の係止凹部から支持部材の回収凹部へと縮径されながら案内される。そして、軸移動規制部材が回収凹部に到達すると、この軸移動規制部材が、回収凹部に向けて拡径し、回収凹部に回収される。このように、本発明では、係止凹部と入力軸の溝部との間に嵌合されていた軸移動規制部材を、回収凹部に回収することができるので、従来のクラッチ装置のように、クラッチ装置と入力軸との間の狭い空間において、軸移動規制部材を、手動で直接的に取り外す必要がなくなり、クラッチ装置を分解効率を大幅に向上することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項に記載のクラッチ装置において、支持部材の係止凹部のエンジン側の壁面が、軸移動規制部材を係止凹部から回収凹部へと案内するための第2案内部になっている。第2案内部は、軸移動規制部材を縮径可能なテーパ状に形成されている。
この場合、第2案内部すなわちテーパ状の係止凹部の壁面を用いて、軸移動規制部材を、縮径しながら、係止凹部から回収凹部へと案内することができるので、軸移動規制部材が回収凹部に到達したときに、軸移動規制部材を、回収凹部に向けて拡径することができる。これにより、軸移動規制部材を、回収凹部に確実に回収することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項4又は5に記載のクラッチ装置において、支持部材の回収凹部の底部の内径が、支持部材の係止凹部の底部の内径より大きい
この場合、支持部材の回収凹部の底部の内径が、支持部材の係止凹部の底部の内径より大きくなるように、回収凹部および係止凹部が支持部材に形成されているので、係止凹部から回収凹部へと縮径しながら案内された軸移動規制部材を、回収凹部に確実に嵌合し回収することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項1からのいずれかに記載のクラッチ装置において、入力軸の外周面にはスプライン軸が形成されており、支持部材におけるエンジン側端部の内周面にはスプライン溝が形成されている。そして、入力軸のスプライン軸と、支持部材のスプライン溝とを嵌合することにより、支持部材は入力軸に対して回転不能に装着される。
この場合、入力軸のスプライン軸と支持部材のスプライン溝とを嵌合することにより、支持部材が入力軸に対して回転不能に装着されているので、この支持部材を有する軸移動規制機構は、入力軸まわりに回転支持機構を確実に支持することができる。
請求項に係るクラッチ装置では、請求項1からのいずれかに記載のクラッチ装置において、入力回転体が、第1円板部と、第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを有している。プレッシャプレートは、入力回転体内に配置されている。プレッシャープレートは、第1プレッシャプレートと、第2プレッシャプレートとを有している。第1プレッシャプレートは、第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレートは、第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。
クラッチディスク組立体は、第1クラッチディスク組立体と、第2クラッチディスク組立体とを有している。第1クラッチディスク組立体は、第1円板部と第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を含み、第1入力軸に連結されている。第2クラッチディスク組立体は、第2円板部と第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を含み、第1入力軸より大径の第2入力軸に連結されている。回転支持機構は、第2入力軸と入力回転体との間に設けられ、入力回転体を第1入力軸および第2入力軸に対して回転可能に支持されている。軸移動規制機構は、第2入力軸と回転支持機構との間に設けられている。軸移動規制機構は、回転支持機構を支持する支持部材と、第2入力軸と支持部材との間において支持部材と第2入力軸とに係合し支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有している。
この場合、軸移動規制機構において、支持部材が回転支持機構を支持するとともに、軸移動規制部材が、第2入力軸と支持部材との間において支持部材と第2入力軸とに係合し、支持部材のエンジン側への軸移動を規制している。
このように、本発明では、軸移動規制機構の軸移動規制部材が、第2入力軸と支持部材との間において支持部材と入力軸とに係合しているので、支持部材のエンジン側への軸移動を確実に規制することができる。すなわち、クラッチ装置に発生するスラスト力を、第2入力軸へと確実に伝達することができる。
また、本発明では、スラスト力を、第1入力軸より大径の第2入力軸、すなわち第1入力軸より剛性の高い第2入力軸において受けることができる。これにより、スラスト力を第1入力軸で受けた場合に、第1入力軸の剛性の低さによって生じうる回転共振等の問題を、解消することができる。すなわち、エンジンからトランスミッションへと、動力を安定的に伝達することができる。
さらに、本発明では、上記のように、軸移動規制機構の軸移動規制部材を、入力軸と軸移動規制機構の支持部材との間に前もって配置しておくことができるので、クラッチ装置の組み立て効率を大幅に向上することができる。
本発明では、軸移動規制機構の軸移動規制部材が、入力軸と軸移動規制機構の支持部材との間において支持部材と入力軸とに係合しているので、支持部材のエンジン側への軸移動を確実に規制することができる。すなわち、上記のスラスト力を、入力軸へと確実に伝達することができる。また、本発明では、軸移動規制機構の軸移動規制部材を、入力軸と軸移動規制機構の支持部材との間に前もって組み付けておくことができるので、クラッチ装置の組み立て効率を大幅に向上することができる。
クラッチ装置の断面図。 クラッチ装置を入力軸に装着するときの装着形態を説明するための図(その1)。 クラッチ装置を入力軸に装着するときの装着形態を説明するための図(その2)。 クラッチ装置を入力軸に装着するときの装着形態を説明するための図(その3)。 クラッチ装置を入力軸に装着するときの装着形態を説明するための図(その4)。 クラッチ装置を入力軸に装着するときの装着形態を説明するための図(その5)。 クラッチ装置を入力軸から取り外すときの取り外し形態を説明するための図(その1)。 クラッチ装置を入力軸から取り外すときの取り外し形態を説明するための図(その2)。
<クラッチ装置の全体構成>
図1に示すように、本クラッチ装置1は、エンジンから、トランスミッションの第1入力軸91および第2入力軸92に動力を伝達するための装置であって、入力回転体10と、第1プレッシャプレート39と、第2プレッシャプレート49と、第1クラッチディスク組立体5と、第2クラッチディスク組立体6と、駆動機構7と、回転支持機構11と、軸移動規制機構12と、支持機構13とを、備えている。入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第1クラッチディスク組立体5、回転支持機構11の第1回転支持機構211、支持機構13、および駆動機構7の第1駆動機構7Aにより、第1クラッチC1が構成されている。入力回転体10、第2プレッシャプレート49、第2クラッチディスク組立体6、回転支持機構11の第2回転支持機構111、および駆動機構7の第2駆動機構7Bにより第2クラッチC2が構成されている。第1クラッチC1および第2クラッチC2は、いわゆるノーマルオープンタイプのクラッチである。第1クラッチC1が第1速、第3速および第5速において動力を伝達し、第2クラッチC2が第2速および第4速において動力を伝達する。
第1入力軸91には、段差部91a、環状溝91b、およびスプライン軸91cが、形成されている。スプライン軸91cは、第1入力軸91の先端側の外周面において軸方向に形成されている。段差部91aは、スプライン軸91cのトランスミッション側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。環状溝91bは、第1入力軸91の先端側の外周に形成されている。詳細には、環状溝91bは、スプライン軸91cのエンジン側において、スプライン軸91cの外周に形成されている。
第2入力軸92の先端側の外周面には、スプライン軸92bが形成されている。また、第2入力軸92の外周面には、環状の溝部92aが形成されている。さらに、第2入力軸92の径が第1入力軸91の径より大径になるように、第2入力軸92は形成されている。溝部92aを基準としたトランスミッション側の外周面の径が、溝部92aを基準としたエンジン側外周面の径より大きくなるように、第2入力軸92は形成されている。詳細には、第2入力軸92のトランスミッション側の外周面の径が、第2入力軸92のスプライン軸92bの外周面の径より大きくなっている。
・入力回転体
入力回転体10は、エンジンから動力が伝達される部材であり、フレキシブルプレート93を介して、クランクシャフト99に連結されている。フレキシブルプレート93の内周部はボルトによりクランクシャフト99に固定されており、フレキシブルプレート93の外周部はボルト(図示しない)により入力回転体10に固定されている。クランクシャフト99の内周部にはベアリングが固定されており、このベアリングにより第1入力軸91の先端が回転可能に支持されている。
入力回転体10は、主に、第1フライホイール3(第1円板部)と、第2フライホイール4(第2円板部)と、中間プレート38とを有している。中間プレート38は、第1フライホイール3と第2フライホイール4との間に挟み込まれており、第1フライホイール3および第2フライホイール4と一体回転可能になっている。後述する第1プレッシャプレート39は、図示しない第1ストラッププレートを介して、中間プレート38に一体回転可能且つ軸方向に弾性的に連結されている。後述する第2プレッシャプレート49は、図示しない第2ストラッププレートを介して、中間プレート38に一体回転可能且つ軸方向に弾性的に連結されている。
・第1プレッシャプレート
第1プレッシャプレート39は、入力回転体10内に配置されており、第1フライホイール3に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第1プレッシャプレート39は、第1フライホイール3と軸方向に対向して配置されている。第1プレッシャプレート39には、径方向外方に突出した第1支持部39aが、形成されている。第1支持部39aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第1支持部39aにおいて、第1プレッシャープレート39は、第1駆動機構7Aの第1駆動支持部材78に連結されている。なお、第1プレッシャープレート39には、第1支持部39aとは異なる位置において、円周方向に所定の間隔を隔てて、第1突出部(図示しない)が設けられている。この第1突出部において、第1ストラッププレートは、第1プレッシャープレート39に固定されている。
・第2プレッシャプレート
第2プレッシャプレート49は、入力回転体10内に配置されており、第2フライホイール4に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されている。第2プレッシャプレート49は、第2フライホイール4と軸方向に対向して配置されている。第2プレッシャプレート49には、径方向外方に突出した第2支持部49aが、形成されている。第2支持部49aは、円周方向に、所定の間隔を隔てて配置されている。この第2支持部49aにおいて、第2プレッシャープレート49は、第2駆動機構7Bの第2駆動支持部材79に連結されている。なお、第2プレッシャープレート49には、第2支持部49aとは異なる位置において、円周方向に所定の間隔を隔てて、第2突出部(図示しない)が設けられている。この第2突出部において、第2ストラッププレートは、第2プレッシャープレート49に固定されている。
・第1クラッチディスク組立体
第1クラッチディスク組立体5は、入力回転体10から第1入力軸91へ動力を伝達するためのアッセンブリであり、後述する支持機構13たとえば第1支持部材35を介して第1入力軸91に連結されている。第1クラッチディスク組立体5は、第1摩擦部57と、第1入力部材52と、第1ハブ51と、複数の第1スプリング55と、を有している。第1摩擦部57は、第1フライホイール3と第1プレッシャプレート39との軸方向間に配置されている。第1摩擦部57は、入力回転体10および第1プレッシャプレート39と摺動可能に設けられている。第1入力部材52は、第1摩擦部57から動力が伝達される部材であり、第1摩擦部57に連結されている。第1ハブ51の内周面には、第1支持部材35に連結するためのスプライン溝が、形成されている。第1ハブ51は、支持機構13を介して第1入力軸91に連結されている。第1スプリング55は、第1入力部材52により弾性変形可能に支持されており、第1入力部材52と第1ハブ51とを回転方向に弾性的に連結している。
・第2クラッチディスク組立体
第2クラッチディスク組立体6は、入力回転体10から第2入力軸92へ動力を伝達するためのアッセンブリであり、第2入力軸92に連結されている。第2クラッチディスク組立体6は、第2摩擦部67と、第2入力部材62と、第2ハブ61と、複数の第2スプリング65と、を有している。第2摩擦部67は、第2フライホイール4と第2プレッシャプレート49との軸方向間に配置されている。第2摩擦部67は、入力回転体10および第2プレッシャプレート49と摺動可能に設けられている。第2入力部材62は、第2摩擦部67から動力が伝達される部材であり、第2摩擦部67に連結されている。第2ハブ61は第2入力軸92に連結されている。第2スプリング65は、第2入力部材62により弾性変形可能に支持されており、第2入力部材62と第2ハブ61とを回転方向に弾性的に連結している。
・駆動機構
駆動機構7は、第1駆動機構7Aおよび第2駆動機構7Bを有している。第1駆動機構7Aは、第1クラッチC1の動力伝達を操作するための機構であって、第1プレッシャプレート39に軸方向の押し付け力を伝達する。第1駆動機構7Aは、入力回転体10に支持された第1駆動支持部材78と、第1駆動支持部材78が入力回転体10に対して第1フライホイール3側に移動するように第1駆動支持部材78に駆動力を伝達する第1駆動力伝達部71とを、有している。第2駆動機構7Bは、第2クラッチC2の動力伝達を操作するための機構であって、第2プレッシャプレート49に軸方向の押し付け力を伝達する。第2駆動機構7Bは、入力回転体10に支持された第2駆動支持部材79と、第2駆動支持部材79が入力回転体10に対して第2フライホイール4側に移動するように第2駆動支持部材79に駆動力を伝達する第2駆動力伝達部72と、を有している。
・回転支持機構
回転支持機構11は、第1回転支持機構211と、第2回転支持機構111とを有している。第1回転支持機構211は、第1入力軸91と入力回転体10との間に設けられており、入力回転体10を第1入力軸91に対して回転可能に支持する。具体的には、第1回転支持機構211は、第1ベアリング34を有している。第1ベアリング34は、第1フライホイール3と第1入力軸91との間に配置されており、第1フライホイール3を第1入力軸91に対して回転可能に支持している。詳細には、第1ベアリング34は、第1フライホイール3と第1支持部材35との間に配置されており、第1フライホイール3を第1入力軸91に対して回転可能に支持している。
第2回転支持機構111は、第2入力軸92と入力回転体10との間に設けられており、入力回転体10を第2入力軸92に対して回転可能に支持する。具体的には、第2回転支持機構111は、第2ベアリング44を有している。第2ベアリング44は、第2フライホイール4と第2入力軸92との間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。詳細には、第2ベアリング44は、第2フライホイール4と、後述する軸移動規制機構12との間に配置されており、第2フライホイール4を第2入力軸92に対して回転可能に支持している。また、第2ベアリング44は、軸方向に対向する一対のスナップリング20,21によって、第2フライホイール4と、後述する軸移動規制機構12とに、軸方向に移動不能に装着されている。
・軸移動規制機構
軸移動規制機構12は、図1〜図8に示すように、第2入力軸92と、回転支持機構11たとえば第2回転支持機構111との間において第2入力軸92に対して回転不能に設けられ、第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動を規制する。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、軸移動規制部材46とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111を支持している。
軸移動規制部材たとえば第2入力軸用のスナップリング46は、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制している。第2支持部材45は、筒状に形成されている。第2支持部材45の外周面には、エンジン側において径方向外方に突出し第2ベアリング44を支持する突出部45aと、トランスミッション側において第2ベアリング44を支持するスナップリングを嵌合するための環状溝45bとを有している。また、第2支持部材45の内周面には、第2入力軸用のスナップリング46が待機する待機凹部45cと、第2入力軸用のスナップリング46を係止する係止凹部45dと、第2入力軸用のスナップリング46を回収する回収凹部45eとを有している。
第2支持部材45の内周面には、軸方向にスプライン溝が形成されている。詳細には、第2支持部材45の内周面には、径方向内方に突出する環状突起45kが形成されており、この環状突起45kの内周面には、軸方向にスプライン溝が形成されている。環状突起45kの内周面のスプラインを、第2入力軸92のスプライン軸92bに嵌合することによって、第2支持部材45は第2入力軸92に対して回転不能に装着される。
待機凹部45cは、第2支持部材45の内周面に環状に形成されている。詳細には、待機凹部45cは、係止凹部45dの位置を基準としたトランスミッション側の内周面に、形成されている。待機凹部45cは、第2入力軸92の外周面に形成された溝部92aにスナップリング46を嵌合する前に、スナップリング46を待機させる部分である。また、待機凹部45cのエンジン側の壁面145cは、スナップリング46を待機凹部45cから係止凹部45dへと案内するための第1案内部となっている。第1案内部145cは、スナップリング46を縮径可能なテーパ状に形成されている。また、第1案内部145cは、エンジン側に向けて縮径したテーパ状に形成されている。これにより、第1案内部145cは、スナップリング46を縮径する。
係止凹部45dは、第2支持部材45の内周面に環状に形成されている。スナップリング46が、第2入力軸92の外周面に形成された溝部92aに嵌合された状態で、係止凹部45dは、スナップリング46を係止する。また、係止凹部45dの底部の内径が、待機凹部45cの底部の内径より小さくなるように、係止凹部45dは形成されている。係止凹部45dのエンジン側の壁面145dは、スナップリング46を係止凹部45dから回収凹部45eへと案内するための第2案内部145dとなっている。第2案内部145dは、スナップリング46を縮径可能なテーパ状に形成されている。また、第2案内部145dは、エンジン側に向けて縮径したテーパ状に形成されている。これにより、第2案内部145dは、スナップリング46を縮径する。
回収凹部45eは、第2支持部材45の内周面に環状に形成されている。詳細には、回収凹部45eは、係止凹部45dの位置を基準としたエンジン側の内周面に、形成されている。回収凹部45eは、第2入力軸92の溝部92aに嵌合したスナップリング46を、回収する。また、回収凹部45eの底部の内径が、係止凹部45dの底部の内径より大きくなるように、回収凹部45eは形成されている。さらに、第2支持部材45の内周面と回収凹部45eの底部との距離が、スナップリング46の内周面と外周面との距離より大きくなるように、回収凹部45eは形成されている。
スナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aに係合した状態において、待機凹部45cから係止凹部45dへと縮径されながら案内される。そして、スナップリング46が、係止凹部45dに到達したときに、係止凹部45dの内部に向けて拡径し、係止凹部45dに嵌合される。このようにして、スナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aと係止凹部45dとの間に配置される。
スナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aと係止凹部45dとの間に配置された状態において、係止凹部45dから回収凹部45eへと縮径されながら案内される。そして、スナップリング46が、回収凹部45eに到達したときに、回収凹部45eの内部に向けて拡径する。すると、このスナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aから脱出し、回収凹部45eの内部に配置される。このようにして、スナップリング46は、回収凹部45eに回収される。
ここで、自由時のスナップリング46(第2入力軸92に装着前のスナップリング46)の外径が回収凹部45eの外径より大きくなるように、スナップリング46は形成されている。また、自由時のスナップリング46の内径が第2入力軸92のスプライン92bの外径より大きくなるように、スナップリング46は形成されている。さらに、スナップリング46の外径と内径との差が回収凹部45eのエンジン側の壁部の高さより小さくなるように、スナップリング46は形成されている。このようにスナップリング46を形成することによって、スナップリング46を回収凹部45eに確実に回収することができる。
・支持機構
支持機構13は、第1支持部材35とスナップリング95とを有している。第1支持部材35は、筒状に形成されており、内周面にはスプライン溝が形成されている。そして、第1支持部材35のスプライン溝を、第1入力軸91の外周面に形成されたスプライン軸に嵌合することによって、第1支持部材35は、第1入力軸91に対して回転不能に装着される。また、第1支持部材35の外周面には、スプライン軸が形成されている。そして、第1支持部材35のスプライン軸を、第1クラッチディスク組立体5の第1ハブ51に形成されたスプライン溝に嵌合することによって、第1支持部材35が、第1クラッチディスク組立体5に装着される。そして、第1入力軸91に形成された段差部91aと、第1入力軸91に形成された環状溝91bに装着されるスナップリング95とによって、第1支持部材35が第1入力軸91に位置決めされる。また、第1支持部材35が第1入力軸91に位置決めされた状態では、第1支持部材35は、エンジン側の外周面において、第1回転支持機構211の第1ベアリング34を支持している。
<クラッチ装置の入力軸への組み付け及び取り外し>
まず、図2に示すように、支持機構13を除くクラッチ装置1を組み立てた状態において、第2入力軸用のスナップリング46を、第2支持部材45の待機凹部45cと第2入力軸92のエンジン側先端部外周との間に配置する。
続いて、図3に示すように、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動すると、環状突起45kのスプライン溝が、第2入力軸92のスプライン軸92bに嵌合する。その後、待機凹部45cに配置されたスナップリング46が、第2入力軸92の溝部92aに到着し、第2入力軸92の溝部92aのトランスミッション側の壁面に当接する。ここでは、上述したように、第2入力軸92のトランスミッション側の外周面の径(溝部92aを基準としたトランスミッション側の外周面の径)が、第2入力軸92のスプライン軸92bの外周面の径(溝部92aを基準としたエンジン側外周面の径)より大きくなっているので、スナップリング46のトランスミッション側への移動を、第2入力軸92の溝部92aのエンジン側の壁部により規制することができる。なお、この状態では、スナップリング46の内周面と、第2入力軸92の溝部92aの底部との間には、隙間が設けられている。
そして、図4および図5に示すように、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へとさらに移動すると、スナップリング46が、待機凹部45cに嵌合された状態すなわち第1案内部145cに当接した状態において、待機凹部45cから係止凹部45dへと縮径しながら案内され(図4を参照)、スナップリング46が係止凹部45dに到達すると、スナップリング46は拡径し係止凹部45dに嵌合される(図5を参照)。このようにして、スナップリング46は、第2入力軸92の溝部92aと係止凹部45dとに係合し、第2支持部材45のエンジン側への軸移動を規制する。
なお、第2入力軸92のスプライン軸92bは、第2入力軸92の先端部と溝部92aとの間に形成されている。詳細には、スプライン軸92bは、第2入力軸92の外周面においてエンジン側の先端部からトランスミッション側へと延び、溝部92aに到達する手前すなわち概ね溝部92aのエンジン側に、終端を有している。
続いて、図6に示すように、支持機構13たとえば第1支持部材35が、第1入力軸91と、第1クラッチディスク組立体5および第1フライホイール3に装着された第1回転支持機構211との間に装着される。たとえば、第1支持部材35の内周面のスプライン溝が、第1入力軸91のスプライン軸91cに嵌合され、第1支持部材35の外周面のスプライン軸が、第1クラッチディスク組立体5(第1ハブ51)のスプライン溝に嵌合される。そして、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へ移動する。そして、第1支持部材35が、第1入力軸91の段差部91aに当接すると、スナップリング95が第1入力軸91の環状溝91bに装着される。これにより、第1支持部材35が、第1入力軸91に位置決めされる。このようにして、クラッチ装置1は、入力軸91,92に装着される。
次に、図7および図8に示すように、クラッチ装置1が入力軸91,92に装着された状態において、第1支持部材35を第1入力軸91に位置決めするためのスナップリング95が、取り外される。そして、取り外し治具Gがボルトを介して第1支持部材35に装着され(図7を参照)、取り外し治具Gをエンジン側へと移動することによって、第1支持部材35が、第1入力軸91から取り外される。
この状態で、クラッチ装置1をスプラインに沿ってトランスミッション側へと移動させると、スナップリング46が、係止凹部45dに嵌合された状態すなわち第2案内部145dに当接した状態において、係止凹部45dから回収凹部45eへと縮径しながら案内される。そして、スナップリング46が回収凹部45eに到達すると、スナップリング46は拡径し、回収凹部45eに回収される(図8を参照)。続いて、今度は、クラッチ装置1を、スプラインに沿ってエンジン側へと移動すると、スナップリング46が第2支持部材45の回収凹部45eに回収された状態で、クラッチ装置1が、入力軸91,92から取り外される。
<本クラッチ装置の動作>
クラッチ装置1の動作について説明する。図1に示す状態は、駆動機構7により第1クラッチC1および第2クラッチC2に押付力が付与されていない状態であり、第1クラッチC1および第2クラッチC2で動力伝達が行われていない状態である。この状態では、第1プレッシャプレート39は、図1に示す軸方向位置に保持されており、第2プレッシャプレート49も、図1に示す軸方向位置に保持されている。ここで、エンジンから動力が入力回転体10に伝達されると、入力回転体10、第1プレッシャプレート39、第2プレッシャプレート49および駆動機構7は一体回転する。第1入力軸91が第1支持部材35を介して第1ベアリング34を支持しており、第1ベアリング34が第1フライホイール3を回転可能に支持している。また、第2入力軸92が軸移動規制機構12を介して第2ベアリング44を支持しており、第2ベアリング44が第2フライホイール4を回転可能に支持している。これにより、入力回転体10の回転が安定する。
例えば、車両が第1速で発進する際、トランスミッションの第1入力軸91側が第1速に切り替えられ、第1駆動機構7Aが第1アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押される。すると、第1駆動支持部材78および第1プレッシャプレート39がエンジン側に移動する。この結果、第1クラッチディスク組立体5の第1摩擦部57が第1プレッシャプレート39と第1フライホイール3との間に挟み込まれ、第1クラッチディスク組立体5を介して第1入力軸91に動力が伝達される。これらの動作により、車両は第1速で発進を開始する。
第1速から第2速への変速時には、トランスミッションの第2入力軸92側が第2速に切り替えられる。トランスミッションが第2速の状態で、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に第2クラッチC2が連結状態に切り替えられる。具体的には、第1駆動機構7Aに付与されている駆動力が解放される。すると、第1駆動機構7Aの状態が図1に示す状態に戻り、第1クラッチC1を介した動力伝達が解除される。
一方で、第2駆動機構7Bが第2アクチュエータ(図示せず)によりエンジン側に押されると、第2駆動支持部材79および第2プレッシャプレート49がトランスミッション側に移動する。この結果、第2クラッチディスク組立体6の第2摩擦部67が第2プレッシャプレート49と第2フライホイール4との間に挟み込まれ、第2クラッチディスク組立体6を介して第2入力軸92に動力が伝達される。これらの動作により、変速段が第1速から第2速に切り替えら、車両は第2速で走行を開始する。
第2速から第3速への変速時には、トランスミッションの第1入力軸91側が第3速に切り替えられる。トランスミッションが第3速の状態で、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に第1クラッチC1が連結状態に切り替えられる。具体的には、第2駆動機構7Bに付与されている駆動力が解放される。すると、第2駆動機構7Bの状態が図1に示す状態に戻り、第2クラッチC2を介した動力伝達が解除される。
上記の内容をまとめると、本クラッチ装置1では、奇数速での走行時には、動力は、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。また、走行時に奇数速から偶数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第1入力軸91へと伝達されている状態において、偶数のギアが第2入力軸92にセットされる。そして、第1クラッチC1の解除とほぼ同時に、第2クラッチC2が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、偶数のギアがセットされた第2入力軸92へと伝達される。さらに、走行時に偶数速から奇数速へと切り換えられる場合、動力がエンジンから第2入力軸92へと伝達されている状態において、奇数のギアが第1入力軸91にセットされる。そして、第2クラッチC2の解除とほぼ同時に、第1クラッチC1が連結状態に切り替えられると、動力が、エンジンから、奇数のギアがセットされた第1入力軸91へと伝達される。
<本クラッチ装置の特徴>
従来では、アッセンブリとして組み立てられたクラッチ装置を、第1入力軸91および第2入力軸92に装着する場合、クラッチ装置の軸方向の移動を規制する位置決めは、エンジン側に突出した第1入力軸91の先端側で行う必要があった。このため、従来のクラッチ装置では、クラッチ装置1に発生するスラスト力は、第2入力軸92より小径の第1入力軸91で受けざるを得なかった。このため、この場合、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに、第1入力軸の剛性の低さによる回転共振等が、発生するおそれがあった。
しかしながら、本クラッチ装置1では、回転支持機構11すなわち第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されている。軸移動規制機構12は、第2支持部材45と、第2入力軸用のスナップリング46とを有している。第2支持部材45は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111を支持している。そして、第2入力軸用のスナップリング46を、第2支持部材45と第2入力軸92とに係合することによって、第2支持部材45のエンジン側への軸移動が規制されている。このようにして、軸移動規制機構12は、第2入力軸92と第2回転支持機構111との間において、第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が規制される。
このように、本クラッチ装置1では、第2入力軸92に対する第2回転支持機構111のエンジン側への軸移動が、軸移動規制機構12によって規制されているので、エンジンからトランスミッションへと動力を伝達するときに発生するスラスト力を、第1入力軸91より大径の第2入力軸92に伝達することができる。すなわち、本クラッチ装置1では、クラッチ装置1に発生するスラスト力を、第1入力軸91より剛性の高い第2入力軸92において受けることができるので、エンジンからトランスミッションへと動力を安定的に伝達することができる。また、本クラッチ装置1では、スラスト力を第2入力軸92に伝達できるとともに、本クラッチ装置1を、上記のように、第1入力軸91および第2入力軸92に容易に着脱することができる。これにより、クラッチ装置1の組み立て効率および交換効率を、大幅に向上することができる。
本発明は、エンジンから、入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置に、利用可能である。
1 クラッチ装置
3 第1フライホイール(第1円板部)
4 第2フライホイール(第2円板部)
5 第1クラッチディスク組立体
6 第2クラッチディスク組立体
7 駆動機構
10 入力回転体
111 第2回転支持機構(回転支持機構)
12 軸移動規制機構
35 第1支持部材
45 第2支持部材
45a 突出部
45b 環状溝
45c 待機凹部
45d 係止凹部
45e 回収凹部
46 第2入力軸用のスナップリング(軸移動規制部材)
145c 第1案内部
145d 第2案内部
34 第1ベアリング
44 第2ベアリング
39 第1プレッシャプレート
49 第2プレッシャプレート
51 第1ハブ
52 第1入力部材
57 第1摩擦部
61 第2ハブ
62 第2入力部材
67 第2摩擦部
91 第1入力
92 第2入力
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ

Claims (8)

  1. エンジンから、入力軸を有するトランスミッションへと、動力を伝達するためのクラッチ装置であって、
    エンジンからの動力が入力される入力回転体と、
    前記入力回転体に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置されたプレッシャプレートと、
    前記プレッシャプレートを介して前記入力回転体から前記入力軸に動力を伝達するクラッチディスク組立体と、
    前記入力軸と前記入力回転体との間に設けられ、前記入力回転体を前記入力軸に対して回転可能に支持する回転支持機構と、
    前記入力軸と前記回転支持機構との間に設けられ、前記回転支持機構を支持する支持部材と、前記入力軸と前記支持部材との間において前記支持部材と前記入力軸とに係合し前記支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有する軸移動規制機構と、
    を備え
    前記軸移動規制機構では、
    前記支持部材は、筒状に形成されており、前記軸移動規制部材を係止する係止凹部を、内周面に有しており、且つ前記軸移動規制部材が待機する待機凹部を、前記係止凹部の位置を基準としたトランスミッション側の内周面に有しており、
    前記軸移動規制部材は、環状に形成されており、前記支持部材の前記待機凹部から前記支持部材の前記係止凹部へと縮径されながら案内され、前記支持部材の前記係止凹部と前記入力軸の外周面に形成された溝部とに、嵌合される、
    ラッチ装置。
  2. 前記支持部材の前記待機凹部のエンジン側の壁面は、前記軸移動規制部材を前記待機凹部から前記係止凹部へと案内するための第1案内部であり、
    前記第1案内部は、前記軸移動規制部材を縮径可能なテーパ状に形成されている、
    請求項に記載のクラッチ装置。
  3. 前記支持部材の前記係止凹部の底部の内径は、前記支持部材の前記待機凹部の底部の内径より小さい、
    請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記支持部材は、前記軸移動規制部材を回収する回収凹部を、前記係止凹部の位置を基準としたエンジン側の内周面にさらに有しており、
    前記軸移動規制部材は、前記支持部材の前記係止凹部から前記支持部材の前記回収凹部へと縮径されながら案内され、前記支持部材の前記回収凹部において拡径し回収される、
    請求項1から3のいずれかに記載のクラッチ装置。
  5. 前記支持部材の前記係止凹部のエンジン側の壁面は、前記軸移動規制部材を前記係止凹部から前記回収凹部へと案内するための第2案内部であり、
    前記第2案内部は、前記軸移動規制部材を縮径可能なテーパ状に形成されている、
    請求項に記載のクラッチ装置。
  6. 前記支持部材の前記回収凹部の底部の内径は、前記支持部材の前記係止凹部の底部の内径より大きい、
    請求項4又は5に記載のクラッチ装置。
  7. 前記入力軸の外周面にはスプライン軸が形成されており、前記支持部材におけるエンジン側端部の内周面にはスプライン溝が形成されており、前記入力軸のスプライン軸と前記支持部材のスプライン溝とを嵌合することにより、前記支持部材は前記入力軸に対して回転不能に装着される、
    請求項1からのいずれかに記載のクラッチ装置。
  8. 前記入力軸は、第1入力軸および前記第1入力軸より大径の第2入力軸を有し、
    前記入力回転体は、第1円板部と、前記第1円板部と空間を隔てて配置された第2円板部とを有し、
    前記プレッシャプレートは、前記入力回転体内に配置され、前記第1円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第1プレッシャプレートと、前記入力回転体内に配置され、前記第2円板部に対して一体回転可能かつ軸方向に移動可能に配置された第2プレッシャプレートとを有し、
    前記クラッチディスク組立体は、前記第1円板部と前記第1プレッシャプレートとの間に配置された第1摩擦部を含み、前記第1入力軸に連結された第1クラッチディスク組立体と、前記第2円板部と前記第2プレッシャプレートとの間に配置された第2摩擦部を含み、前記第2入力軸に連結された第2クラッチディスク組立体とを有し、
    前記回転支持機構は、前記第2入力軸と前記入力回転体との間に設けられ、前記入力回転体を前記第1入力軸および前記第2入力軸に対して回転可能に支持し、
    前記軸移動規制機構は、前記第2入力軸と前記回転支持機構との間に設けられ、前記回転支持機構を支持する支持部材と、前記第2入力軸と前記支持部材との間において前記支持部材と前記第2入力軸とに係合し前記支持部材のエンジン側への軸移動を規制する軸移動規制部材とを有する、
    請求項1からのいずれかに記載のクラッチ装置。
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