JP5462579B2 - 積層型電池製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート状の正極と負極とをセパレータを介して交互に積層してなる積層型電池の製造装置に関する。
ハイブリッド自動車や電気自動車などに用いられる電池として、積層型のリチウムイオン二次電池の需要が増大している。これは、シート状の正極と負極とを、セパレータを介して交互に積層してなるもので、例として、正極にはアルミ箔にコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウムを塗布したもの、負極には銅箔に黒鉛を塗布したもの、セパレータには高分子フィルムなどが用いられ、積層数を増やすことで、より大容量化できる。
ところで、需要の増大に伴い、その製造装置において生産速度の高速化が求められるようになったが、上記のリチウムイオン二次電池に代表される積層型電池の製造装置としては、従来、特許文献１に示すような装置があった。
特開２００８−２８２７５６号公報
しかしながら、特許文献１の装置は、正極、負極およびセパレータを積層する一工程ごとにアームの回転動作および上下方向の動作ならびにパッドの吸着および解放が行われるため、生産速度の高速化には限界があった。
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、正極、負極およびセパレータを積層した電池材を高速生産できる積層型電池製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、シート状の正極と負極とをセパレータを介して交互に積層してなる積層型電池の製造装置であって、正極、負極およびセパレータをそれぞれ切り離し容易な破断線を介して連続形成した連続正極材、連続負極材および連続セパレータ材を素材として、各素材を、連続セパレータ材、連続正極材、連続セパレータ材、連続負極材または連続セパレータ材、連続負極材、連続セパレータ材、連続正極材の順に、それぞれの破断線を一致させて重ね合わせて形成した連続電池材を巻きつける略円筒形状の巻回手段と、負圧を発生して前記連続電池材を前記巻回手段の側周面に吸着保持する吸着手段と、前記の吸着した連続電池材を破断線ごとに切断して単位電池材を形成する切断手段と、前記単位電池材を必要積層数重ね合わせて保持する保持手段とを備え、前記切断手段が、前記巻回手段の側周面の円周方向の一部が半径方向に突出するものであることを特徴とする。
本発明によれば、連続正極材、連続負極材および連続セパレータ材を素材として、これらを巻回手段に巻きつけるだけで重ね合わせることができる。巻きつけるには巻回手段を回転させればよく、あとはこれを破断線ごとに切断して形成した単位電池材を連続的に積層して保持手段で保持すればよいから、従来のように正極、負極およびセパレータを一枚ずつ積層する場合と比べて工程数が少なく、生産速度を高速化できる。また、巻回手段の側周面の円周方向の一部を半径方向に突出させれば、連続電池材の長手方向に引張り力が働き、破断線で切断される。巻回手段の外周側からカッターなどで切断する場合、刃先が切断箇所に正確に位置していなければならないが、本発明によれば、簡易かつ確実に破断線で切断できる。
本発明の積層型電池製造装置の概要図。 素材の形状の説明図。 電池材の斜視図。
本発明の積層型電池製造装置の具体的な構成について、各図面に基づいて説明する。この装置は、正極Ｐ、負極ＮおよびセパレータＳをそれぞれ切り離し容易なミシン目状の破断線Ｌを介して連続形成した連続正極材Ｐ１、連続負極材Ｎ１および連続セパレータ材Ｓ１を素材とする。正極Ｐおよび負極Ｎはいずれも略矩形であるが、その一辺の一部が延出した電極タブＴが必要であり、図２（ａ）に示すように、破断線Ｌを屈曲させることで電極タブＴを形成している。セパレータＳは矩形であり、破断線Ｌは直線である。
これらの連続正極材Ｐ１、連続負極材Ｎ１および連続セパレータ材Ｓ１は、図１に示すように、ロール状に巻回されている。そしてそれぞれの素材が引き出され、回転する円筒形のドラムからなる巻回手段１に巻き取られ、連続電池材Ｂ１が形成される。連続電池材Ｂ１は、図２（ｂ）に示すように、連続セパレータ材Ｓ１、連続正極材Ｐ１、連続セパレータ材Ｓ１、連続負極材Ｎ１の順に、それぞれの破断線Ｌの位置が一致するように重ね合わせられている。ただし、正極Ｐと負極Ｎとで電極タブＴの位置が逆になるよう、互いに反転して重ね合わせられている。
そして、巻回手段１は、その外周部分に負圧を発生する吸着手段２を有しており、側周面に巻きつけられた連続電池材Ｂ１を吸着保持できる。ただし、負圧を発生するか否かは自由に切り替えることができ、図１においては、負圧が発生している箇所を網掛けで表示している。さらに、巻回手段１は側周面が円周方向に分割されており、その一部を半径方向に突出させることができ、これが切断手段３として機能する。なお、分割の間隔は連続電池材Ｂ１の破断線Ｌの間隔と略一致する。
このように構成することにより、巻回手段１に巻きつけられた連続電池材Ｂ１は、まず吸着手段２により吸着される（図１（ａ））。そして、吸着されたまま巻回手段１の回転に伴って移動し、所定の位置において、切断手段３により切断される（図１（ｂ））。ここで、図２（ｂ）に示すように、重ね合わせられた各素材の破断線Ｌは完全に一致しているものではないから、鋭利な刃で切り裂く方法では各素材の破断線Ｌどおりに切断することはできないが、切断手段３が半径方向に突出することにより、連続電池材Ｂ１には長手方向（円周方向）に引張り力が働き、破断線Ｌで引きちぎられ、単一の正極Ｐ、負極ＮおよびセパレータＳが重なった単位電池材Ｂ２が形成される。
そして、単位電池材Ｂ２については、吸着手段２による吸着が解除され、巻回手段１の側周面から離脱して、保持手段４に収容される（図１（ｃ））。保持手段４は、平面形状が単位電池材Ｂ２と略同形状で上側が開口した箱体であって、これに単位電池材Ｂ２を連続して収容すれば、各単位電池材Ｂ２の位置を合わせた上で重ね合わせることができ、電池材Ｂが完成する（図１（ｄ））。なお、単位電池材Ｂ２の保持手段４への収容については、切断した単位電池材Ｂ２を保持手段４へと落下させるものであってもよいし、何らかの搬送手段によって保持手段４へと移送するものであってもよい。
なお、完成した電池材Ｂの斜視図を図３に示す。この電池材Ｂについては、正極Ｐの電極タブＴ（Ｐ）同士、負極Ｎの電極タブＴ（Ｎ）同士をそれぞれ連結し、これをケースに納めて電解液に浸せば、電池が得られる。
このように構成した積層型電池製造装置は、連続正極材、連続負極材および連続セパレータ材を素材として、これらをドラムからなる巻回手段に巻きつけるだけで重ね合わせることができる。巻きつけるには巻回手段を回転させればよく、あとはこれを破断線ごとに切断して形成した単位電池材を連続的に積層して保持手段で保持すればよいから、従来のように正極、負極およびセパレータを一枚ずつ積層する場合と比べて工程数が少なく、生産速度を高速化できる。そして、切断手段は、巻回手段の側周面の円周方向の一部を半径方向に突出させるものであるから、連続電池材の長手方向に引張り力を働かせて、破断線で切断できる。巻回手段の外周側からカッターなどで切断する場合、刃先が切断箇所に正確に位置していなければならず、また本発明の連続電池材のように重なった素材のそれぞれを異なる破断線で切断することは難しいが、本発明によれば、簡易かつ確実に、各素材の破断線どおりに切断できる。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、切断手段は、巻回手段の側周面自体が突出するものではなく、巻回手段に内蔵した別部材が突出するものでもよい。また、保持手段は、箱体に限られず、複数電池材の四隅にのみ当接する部材が位置しているものなど、複数電池材を互いに位置合わせして重ねることができれば、どのようなものであってもよい。
１ 巻回手段
２ 吸着手段
３ 切断手段
４ 保持手段
Ｐ 正極
Ｐ１ 連続正極材
Ｎ 負極
Ｎ１ 連続負極材
Ｓ セパレータ
Ｓ１ 連続セパレータ材
Ｌ 破断線
Ｂ１ 連続電池材
Ｂ２ 単位電池材

Claims (1)

  1. シート状の正極と負極とをセパレータを介して交互に積層してなる積層型電池の製造装置であって、
    正極、負極およびセパレータをそれぞれ切り離し容易な破断線を介して連続形成した連続正極材、連続負極材および連続セパレータ材を素材として、
    各素材を、連続セパレータ材、連続正極材、連続セパレータ材、連続負極材または連続セパレータ材、連続負極材、連続セパレータ材、連続正極材の順に、それぞれの破断線を一致させて重ね合わせて形成した連続電池材を巻きつける略円筒形状の巻回手段と、
    負圧を発生して前記連続電池材を前記巻回手段の側周面に吸着保持する吸着手段と、
    前記の吸着した連続電池材を破断線ごとに切断して単位電池材を形成する切断手段と、
    前記単位電池材を必要積層数重ね合わせて保持する保持手段とを備え、
    前記切断手段が、前記巻回手段の側周面の円周方向の一部が半径方向に突出するものであることを特徴とする積層型電池製造装置。
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