キャビネット1は、図1に示すように、前面が開口する縦長な長方形状をなすものであり、底壁と左側壁と右側壁と天壁と後壁を有している。このキャビネット1は外箱の内部に内箱を収納し、外箱および内箱相互間の隙間に断熱材を充填することから構成されたものであり、キャビネット1の内部には水平な上断熱仕切壁2が固定されている。この上断熱仕切壁2は中空状のケース内に固形状の断熱材を収納することから構成されたものであり、キャビネット1の内部には上断熱仕切壁2の上方に位置して冷蔵室3が形成されている。この冷蔵室3は前面が開口するものであり、キャビネット1には冷蔵室3の前方に位置してRドア4が装着されている。このRドア4は使用者が閉鎖状態および開放状態相互間で操作することが可能なものであり、冷蔵室3の前面はRドア4の閉鎖状態で気密状態に閉鎖され、Rドア4の開放状態で冷蔵室3内に対して食品を出し入れすることが可能に開放される。
キャビネット1にはR扉スイッチ5(図2参照)が固定されている。このR扉スイッチ5はオン状態およびオフ状態相互間で電気的な状態が変化するものであり、Rドア4が閉鎖状態にされている場合にオン状態になり、Rドア4が閉鎖状態にされていない場合にオフ状態になる。冷蔵室3の室壁にはR冷気吸込口およびR冷気吐出口のそれぞれが固定されており、冷蔵室3内はRドア4の閉鎖状態でR冷気吐出口から冷気が吐出されることで食品を冷蔵保存することが可能な冷蔵温度帯域にコントロールされる。この冷蔵室3内にはR温度センサ6(図2参照)が固定されており、R温度センサ6は冷蔵室3内の温度に応じた大きさの温度信号を出力する。
キャビネット1の内部には、図1に示すように、上断熱仕切壁2の下方に位置して水平な中断熱仕切壁7が固定され、中断熱仕切壁7の下方に位置して水平な下断熱仕切壁8が固定されている。これら中断熱仕切壁7および下断熱仕切壁8のそれぞれは中空状のケース内に固形状の断熱材を収納することから構成されたものであり、キャビネット1の内部には中断熱仕切壁7および下断熱仕切壁8相互間に位置して野菜室9が形成されている。この野菜室9は前面が開口するものであり、キャビネット1には野菜室9の前方に位置してVドア10が装着されている。このVドア10は使用者が閉鎖状態および開放状態相互間で操作することが可能なものであり、野菜室9の前面はVドア10の閉鎖状態で気密状態に閉鎖され、Vドア10の開放状態で野菜室9内に対して食品を出し入れすることが可能に開放される。この野菜室9の室壁にはV冷気吸込口およびV冷気吐出口のそれぞれが固定されており、野菜室9内はVドア10の閉鎖状態でV冷気吐出口から冷気が吐出されることで食品を冷蔵保存することが可能な冷蔵温度帯域にコントロールされる。
キャビネット1の内部には、図1に示すように、下断熱仕切壁8の下方に位置して冷凍室11が形成されている。この冷凍室11は前面が開口するものであり、キャビネット1には冷凍室11の前方に位置してFドア12が装着されている。このFドア12は使用者が閉鎖状態および開放状態相互間で操作することが可能なものであり、冷凍室11の前面はFドア12の閉鎖状態で気密状態に閉鎖され、Fドア12の開放状態で冷凍室11内に対して食品を出し入れすることが可能に開放される。この冷凍室11の室壁にはF冷気吸込口およびF冷気吐出口のそれぞれが固定されており、冷凍室11内はFドア12の閉鎖状態でF冷気吐出口から冷気が吐出されることで食品を冷凍保存することが可能な冷凍温度帯域(<冷蔵温度帯域)にコントロールされる。この冷凍室11内にはF温度センサ13(図2参照)が固定されており、F温度センサ13は冷凍室11内の温度に応じた大きさの温度信号を出力する。
キャビネット1の内部には、図1に示すように、上断熱仕切壁2および中断熱仕切壁7相互間に位置して製氷室14が形成されている。この製氷室14は前面が開口するものであり、キャビネット1には製氷室14の前方に位置してIドア15が装着されている。このIドア15は使用者が閉鎖状態および開放状態相互間で操作することが可能なものであり、製氷室14の前面はIドア15の閉鎖状態で気密状態に閉鎖され、Iドア15の開放状態で製氷室14内から氷を取出すことが可能に開放される。この製氷室14の室壁にはI冷気吸込口およびI冷気吐出口のそれぞれが固定されており、製氷室14内はIドア15の閉鎖状態でI冷気吐出口から冷気が吐出されることで水を凍結させることが可能な製氷温度帯域(=冷凍温度帯域)にコントロールされる。
キャビネット1には、図1に示すように、冷凍室11の後方に位置して機械室17が形成されている。この機械室17はキャビネット1の外部に通じるものであり、機械室17内には冷凍サイクルのコンプレッサ18が固定されている。このコンプレッサ18はコンプモータ19(図2参照)を駆動源とするものである。このコンプレッサ18は冷媒を吐出する吐出口および冷媒を吸込む吸込口を有するものであり、コンプモータ19の運転状態で吐出口からコンプモータ19の回転速度に応じた流量で冷媒を吐出する。
キャビネット1には、図1に示すように、Rダクト20が固定されている。このRダクト20はR冷気吸込口とR冷気吐出口とV冷気吸込口とV冷気吐出口のそれぞれに接続されたものであり、Rダクト20内にはRファンモータ21(図2参照)が固定されている。このRファンモータ21の回転軸にはRファンが固定されており、Rファンモータ21の運転状態ではRファンが回転することで冷蔵室3内の空気がR冷気吸込口からRダクト20内に吸引され、野菜室9内の空気がV冷気吸込口からRダクト20内に吸引される。これら両空気のそれぞれはRダクト20内を流れた後にR冷気吐出口から冷蔵室3内に吐出され、V冷気吐出口から野菜室9内に吐出される。
キャビネット1には、図1に示すように、Fダクト22が固定されている。このFダクト22はF冷気吸込口とF冷気吐出口とI冷気吸込口とI冷気吐出口のそれぞれに接続されたものであり、Fダクト22内にはFファンモータ23が固定されている。このFファンモータ23の回転軸にはFファン24が固定されており、Fファンモータ23の運転状態ではFファン24が回転することで冷凍室11内の空気がF冷気吸込口からFダクト22内に吸引され、製氷室14内の空気がI冷気吸込口からFダクト22内に吸引される。これら両空気のそれぞれはFダクト22内を流れた後にF冷気吐出口から冷凍室11内に吐出され、I冷気吐出口から製氷室14内に吐出される。
コンプレッサ18の吐出口には、図3に示すように、冷凍サイクルのコンデンサ25が接続されている。このコンデンサ25はコンプモータ19の運転状態でコンプレッサ18の吐出口から吐出された冷媒が進入するものであり、冷媒はコンデンサ25内で凝縮する。Rダクト20内には冷凍サイクルのRエバポレータ26が固定され、Fダクト22内には冷凍サイクルのFエバポレータ27が固定されており、Rエバポレータ26およびFエバポレータ27のそれぞれは流路バルブ28を介してコンデンサ25に接続されている。この流路バルブ28はパルスモータからなるバルブモータ29(図2参照)を駆動源とするものであり、RポートおよびFポートを有している。この流路バルブ28はバルブモータ29が原点位置から正方向へ回転操作されることでRポートを開放し、バルブモータ29が原点位置から逆方向へ回転操作されることでFポートを開放するものであり、Rポートの開放量はバルブモータ29の原点位置を基準する正方向への回転量に応じて制御され、Fポートの開放量はバルブモータ29の原点位置を基準する逆方向への回転量に応じて制御される。
流路バルブ28のRポートは、図3に示すように、Rエバポレータ26に接続されたものであり、流路バルブ28のRポートが開放されたRモードではコンデンサ25内を通過した冷媒がRエバポレータ26内で蒸発した後にコンプレッサ18の吸込口に戻る。この流路バルブ28のRモードでRファンモータ21が運転されている状態ではRエバポレータ26がRダクト20内を流れる空気を冷却することでR冷気吐出口から冷蔵室3内に冷気が吐出され、V冷気吐出口から野菜室9内に冷気が吐出される。流路バルブ28のFポートはFエバポレータ27に接続されたものであり、流路バルブ28のFポートが開放されたFモードではコンデンサ25内を通過した冷媒がFエバポレータ27内で蒸発した後にコンプレッサ18の吸込口に戻る。この流路バルブ28のFモードでFファンモータ23が運転されている状態ではFエバポレータ27がFダクト22内を流れる空気を冷却することでF冷気吐出口から冷凍室11内に冷気が吐出され、I冷気吐出口から製氷室14内に冷気が吐出される。
図2の制御回路30はCPUとROMとRAMを有するものであり、密閉手段と排水手段と製氷モード設定手段と製氷停止モード設定手段のそれぞれに相当する。この制御回路30のROMには運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれが予め記録されており、制御回路30のCPUはモータ駆動回路31を運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれに応じて電気的に制御することでコンプモータ19を回転操作し、モータ駆動回路32を運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれに応じて電気的に制御することでRファンモータ21を回転操作し、モータ駆動回路33を運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれに応じて電気的に制御することでFファンモータ23を回転操作し、モータ駆動回路34を運転制御プログラムおよび運転制御データのそれぞれに応じて電気的に制御することでバルブモータ29を回転操作する。
制御回路30のCPUはR温度センサ6からの温度信号およびF温度センサ13からの温度信号の双方に基づいてバルブモータ29の回転方向を制御することで流路バルブ28をRモードおよびFモード相互間で切換え、バルブモータ29の正方向の回転量を制御することでRエバポレータ26に対する冷媒の流量を制御し、バルブモータ29の逆方向の回転量を制御することでFエバポレータ27に対する冷媒の流量を制御するものである。この制御回路30のCPUは流路バルブ28のRモードでRファンモータ21を運転状態にし、流路バルブ28のFモードでFファンモータ23を運転状態にするものであり、冷蔵室3内は流路バルブ28のRモードでバルブモータ29の回転量が制御されることで冷蔵温度帯域に直接的にコントロールされ、冷凍室11内は流路バルブ28のFモードでバルブモータ29の回転量が制御されることで冷凍温度帯域に直接的にコントロールされ、野菜室9内は冷蔵室3内が冷蔵温度帯域にコントロールされることに連動して間接的に冷蔵温度帯域にコントロールされ、製氷室14内は冷凍室11内が冷凍温度帯域にコントロールされることに連動して製氷温度帯域に間接的にコントロールされる。
製氷室14内には、図1に示すように、ユニットケース35が固定されており、ユニットケース35には製氷皿36が装着されている。この製氷皿36は一面が開口する容器状の複数の製氷ブロックを有するものであり、複数の製氷ブロックのそれぞれの一面が上方へ指向する製氷位置および下方へ指向する離氷位置相互間で前後方向へ指向する軸を中心に回転可能にされている。これら複数の製氷ブロックのそれぞれは一面を通して注入された水を貯留するものであり、複数の製氷ブロック内のそれぞれの水は製氷室14内が製氷温度帯域にコントロールされることで凍結する。製氷皿36には製氷皿36の外部に位置してI温度センサ37(図2参照)が固定されている。このI温度センサ37は製氷皿36の特定の製氷ブロックの底面に接触するものであり、特定の製氷ブロックの底面の温度に応じた大きさの温度信号を出力する。
ユニットケース35内には離氷モータ38(図2参照)が収納されており、離氷モータ38の回転軸は製氷皿36の軸に連結されている。制御回路30のCPUはモータ駆動回路39(図2参照)を電気的に制御することで離氷モータ38を回転操作するものであり、製氷皿36は離氷モータ38が回転操作されることで製氷位置および離氷位置相互間で回転操作される。ユニットケース35にはストッパが固定されている。このストッパは製氷皿36が製氷位置から離氷位置に回転する途中で接触するものであり、製氷皿36はストッパに接触することでストッパに接触する前の自然形状から捻れ形状に弾性変形し、複数の製氷ブロック内のそれぞれの氷は製氷皿36が自然形状から捩れ形状に弾性変形することで製氷ブロックの内面から剥離する。即ち、ストッパは製氷皿36に外力を加えることで製氷皿36内から氷を剥離するものであり、離氷手段に相当する。
製氷室14内には、図1に示すように、アイスボックス40が着脱可能に収納されている。このアイスボックス40は製氷皿36の下方に配置されたものであり、製氷皿36が製氷位置から離氷位置に到達した場合には複数の製氷ブロックのそれぞれの内面から剥離した氷がアイスボックス40内に落下する。このアイスボックス40は貯氷容器に相当する。ユニットケース35には検知レバー41が水平な軸42を中心に回転可能に装着されている。この検知レバー41はアイスボックス40内の氷に上方から接触する状態に自重で傾斜するものであり、検知レバー41の傾斜角度はアイスボックス40内の氷の高さに応じて変動する。ユニットケース35内には検知スイッチ43(図2参照)が収納されている。この検知スイッチ43はアイスボックス40内の氷の高さが一定の満杯値に到達することで検知レバー41の傾斜角度が限度値に到達した場合に電気的なオフ状態からオン状態に切換わるものであり、制御回路30のCPUは検知スイッチ43の電気的な状態に応じてアイスボックス40内の氷の高さが満杯値に到達しているか否かを判定する。この検知スイッチ43はスイッチに相当する。
冷蔵室3内には、図4に示すように、給水タンク44が収納されている。この給水タンク44は製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに給水するための水を貯留するものであり、冷蔵室3内から抜取られた抜取り状態および冷蔵室3内に収納された収納状態相互間で使用者が操作することが可能にされている。この給水タンク44はタンクに相当するものであり、給水口45を有している。この給水口45は給水タンク44内に水を給水するためのものであり、給水タンク44内の水は冷蔵室3内の冷気によって凍結することなく冷蔵温度帯域に冷却される。この給水タンク44には蓋46が装着されている。この蓋46は給水口45を閉鎖する閉鎖状態および給水口45を開放する開放状態相互間で使用者が操作することが可能にされたものであり、給水タンク44内には次の手順1〜2)で水が給水される。
1)給水タンク44を冷蔵室3内から外部に抜取り、給水タンク44の抜取り状態で蓋46を閉鎖状態から開放状態に操作する。
2)給水タンク44内に蓋46の開放状態で給水口45を通して水を注入し、蓋46を開放状態から閉鎖状態に戻す。この蓋46の閉鎖状態で給水タンク44を冷蔵室3内に収納する。この水は水道の蛇口または飲用容器から給水タンク44内に注入されるものであり、酸素を含んでいる。
給水タンク44内には、図4に示すように、後端部に位置してケーシング47が固定されている。このケーシング47は吸水口および吐水口のそれぞれを有するものであり、ケーシング47内にはインペラー48が収納されている。このインペラー48は前後方向へ指向する軸を中心に回転可能にされたものであり、インペラー48には永久磁石からなるドライブマグネットが固定されている。冷蔵室3内には給水タンク44の外部に位置して給水ポンプモータ49が固定されている。この給水ポンプモータ49は前後方向へ指向する回転軸を有するものであり、給水ポンプモータ49の回転軸には永久磁石50が固定されている。この永久磁石50は給水タンク44の収納状態でインペラー48のドライブマグネットに給水タンク44の壁を介して磁力で結合するものであり、給水タンク44の収納状態で給水ポンプモータ49が運転されている場合にはインペラー48が永久磁石50を介して回転操作されることで給水タンク44内の水がケーシング47の吸水口を通してケーシング47内に吸引され、ケーシング47の吐水口から吐出される。この給水ポンプモータ49は注水器に相当し、ケーシング47とインペラー48と給水ポンプモータ49と永久磁石50は給水ポンプを構成するものである。
制御回路30のCPUはモータ駆動回路51(図2参照)を電気的に制御することで給水ポンプモータ49を運転状態および運転停止状態相互間で操作するものである。この制御回路30のCPUは給水ポンプモータ49を一定の回転速度で一定の運転時間だけ運転状態にするものであり、給水ポンプモータ49が一定の回転速度で一定の運転時間だけ運転状態にされた場合には製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに相互に同一な一定量の水を貯留するだけの一定量の水が給水タンク44内から吐出される。この給水ポンプモータ49の運転を単位の運転と称し、給水ポンプモータ49の単位の運転で給水タンク44内から吐出される水量を単位量と称し、給水タンク44はN(2以上の整数)×単位量の水を貯留することが可能な容積に設定されている。
ケーシング47の吐水口には、図4に示すように、給水タンク44の内部で吐水管52の入口が接続されている。この吐水管52の出口は給水タンク44の外部で下向きに開口しており、ケーシング47の吐水口から吐出された水は吐水管52の出口から下向きに吐出される。冷蔵室3内にはホッパー53が固定されている。このホッパー53は水の搬送量を制御するものであり、円筒状の径大部および径大部に比べて内径寸法が小さな円筒状の径小部を有している。このホッパー53の径大部内には吐水管52の出口が挿入されており、吐水管52の出口から吐出された水はホッパー53の径大部内に注入され、ホッパー53の径小部を通して排出される。
ホッパー53の径小部には、図4に示すように、入口管54の上端部が接続されている。この入口管54は、図5に示すように、上下方向へ指向する直線状をなすものであり、入口管54には入口弁55が介在されている。この入口弁55は入口弁ソレノイド56(図2参照)を駆動源とする電磁弁からなるものである。この入口弁55は入口弁ソレノイド56の電気的なオフ状態で閉鎖状態になるものであり、入口管54は入口弁55の閉鎖状態で空気および水のそれぞれが通過不能に閉鎖される。この入口弁55は入口弁ソレノイド56の電気的なオン状態で開放状態になるものであり、入口管54は入口弁55の開放状態で空気および水のそれぞれが通過可能に開放される。制御回路30のCPUはソレノイド駆動回路57(図2参照)を電気的に制御することで入口弁ソレノイド56をオフ状態およびオン状態相互間で操作するものであり、入口管54は入口弁ソレノイド56の電気的な状態が制御されることで閉鎖状態および開放状態相互間で切換えられる。
冷蔵室3内には、図4に示すように、給水タンク44の後方に位置して脱気容器58が固定されている。この脱気容器58は、図5に示すように、円筒状の側板と円板状の天板と円板状の底板で囲まれた中空状をなすものであり、入口管54の下端部は脱気容器58の天板に接続されている。この脱気容器58は水および空気のそれぞれが流通不能に密閉されたものであり、制御回路30のCPUは入口管54の開放状態で給水ポンプモータ49の単位の運転を行うことで給水タンク44内から入口管54を通して脱気容器58内に単位量の水を注入する。
脱気容器58の底板には、図5に示すように、出口管59の上端部の入口が接続されている。この出口管59は後から前に向けて下降する直線状をなすものであり、出口管59には出口弁60が介在されている。この出口弁60は出口弁ソレノイド61(図2参照)を駆動源とする電磁弁からなるものである。この出口弁60は出口弁ソレノイド61の電気的なオフ状態で閉鎖状態になるものであり、出口管59は出口弁60の閉鎖状態で空気および水のそれぞれが通過不能に閉鎖される。この出口弁60は出口弁ソレノイド61の電気的なオン状態で開放状態になるものであり、出口管59は出口弁60の開放状態で空気および水のそれぞれが通過可能に開放される。
制御回路30のCPUはソレノイド駆動回路62(図2参照)を電気的に制御することで出口弁ソレノイド61をオフ状態およびオン状態相互間で操作するものであり、出口管59は出口弁ソレノイド61の電気的な状態が制御されることで閉鎖状態および開放状態相互間で切換えられる。この制御回路30のCPUは入口弁ソレノイド56および出口弁ソレノイド61のそれぞれの電気的な状態を制御することで脱気容器58を減圧モードと貯水モードと排水モード相互間で切換えるものである。減圧モードは入口管54および出口管59のそれぞれの閉鎖状態であり、貯水モードは入口管54の開放状態および出口管59の閉鎖状態であり、排水モードは入口管54および出口管59のそれぞれの開放状態であり、制御回路30のCPUは脱気容器58内に水が貯留されていない空の状態で脱気容器58を貯水モードに切換え、脱気容器58の貯水モードで給水ポンプモータ49の単位の運転を行うことで脱気容器58内および出口管59内の双方に単位量の水を貯留する。これら脱気容器58内および出口管59内に単位量の水が貯留された状態では、図5に示すように、脱気容器58内の上半部に水が貯留されていない脱気空間が形成される。
Rダクト20内には、図4に示すように、減圧ポンプ63が固定されている。この減圧ポンプ63は減圧ポンプモータ64(図2参照)を駆動源とするものであり、吸気口および排気口を有している。この減圧ポンプ63は減圧ポンプモータ64の運転状態で空気を吸気口から吸引して排気口から排出するものであり、減圧ポンプ63の排気口には排気管の一端部が接続されている。この排気管の他端部はキャビネット1の外部に通じており、減圧ポンプ63の排気口から排出された空気は排気管を通してキャビネット1の外部に排出される。制御回路30のCPUはモータ駆動回路65(図2参照)を電気的に制御することで減圧ポンプモータ64を運転状態および運転停止状態相互間で操作するものである。この制御回路30のCPUは減圧ポンプモータ64を一定の回転速度で運転状態にするものであり、減圧ポンプモータ64の運転状態では減圧ポンプ63が空気を一定の流量で排出する。この減圧ポンプ63は減圧器に相当する。
脱気容器58の天板には、図5に示すように、減圧管66の前端部が接続されている。この減圧管66は前後方向へ指向するものであり、減圧管66の前端部は脱気容器58内に単位量の水が貯留された状態で脱気空間内に通じる。この減圧管66には逆止弁67が介在されている。この逆止弁67は空気が減圧管66内を前端部から後端部に向けて流れることを許容するものであり、空気が減圧管66内を後端部から前端部に向けて流れることを禁止する。この減圧管66の後端部には減圧ポンプ63の吸気口が接続されており、制御回路30のCPUは脱気容器58内に単位量の水を貯留した場合には脱気容器58の減圧モードで減圧ポンプモータ64を運転状態にすることで脱気容器58の脱気空間内の空気を減圧管66から排気管を通して排出し、脱気容器58の脱気空間を大気圧に比べて低圧の減圧状態にする。この脱気容器58の減圧状態では脱気容器58内の水中から脱気空間に溶存酸素が放出され、脱気容器58内の水の溶存酸素の量が脱気空間の減圧前に比べて低くなる。この脱気容器58内の水中から脱気空間に溶存酸素を放出する行為を脱気と称する。
出口管59の下端部には、図4に示すように、給水管68の上端部が接続されている。この給水管68は後から前に向けて下降する直線状をなすものであり、給水管68の下端部は上断熱仕切壁2を貫通して下方の製氷室14内に挿入されている。この給水管68の下端部は製氷皿36の製氷位置で特定の製氷ブロックの一面に上方から対向するものであり、制御回路30のCPUは脱気容器58内の水を脱気した場合には製氷皿36の製氷位置で脱気容器58を排水モードにすることで脱気容器58内の水を出口管59および給水管68のそれぞれを通して製氷皿36の特定の製氷ブロック内に直接的に注入する。この水は特定の製氷ブロック内から溢れることで特定の製氷ブロックを除く残りの全ての製氷ブロック内に注入される。
図6の透明製氷処理は制御回路30のROMに運転制御プログラムの一部として予め記録されたものであり、図6の透明製氷処理の実行中にはR温度センサ6からの温度信号およびF温度センサ13からの温度信号の双方に基づいて冷蔵室3内および野菜室9内のそれぞれが冷蔵温度帯域にコントロールされ、冷凍室11内が冷凍温度帯域にコントロールされ、製氷室14内が製氷温度帯域にコントロールされる。
制御回路30のCPUはステップS1の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態にする。そして、ステップS2で入口弁55を出口弁60の閉鎖状態で開放状態に切換え、脱気容器58を減圧モードから貯水モードに切換える。
CPUはステップS2で入口弁55を閉鎖状態に切換えると、ステップS3で減圧ポンプモータ64を運転停止状態から運転状態に切換え、ステップS4で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換えることで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入開始する。この給水ポンプモータ49の運転開始時には脱気容器58内に水が貯留されておらず、脱気容器58に対する給水は脱気容器58の空の状態で開始される。この脱気容器58に対する給水は減圧ポンプモータ64の運転状態で脱気容器58内から空気を排出しながら行われるものであり、ホッパー53は給水タンク44内から入口管54を通して脱気容器58内に水が円滑に注入されるように水の搬送量を制御する。
CPUはステップS4で給水ポンプモータ49を運転状態にすると、ステップS5でRAMのタイマT1の値にROMに予め記録された初期値(0)を設定する。このタイマT1の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値を加算するものである。このタイマ割込み処理は一定時間(1sec)が経過する毎に起動するものであり、タイマT1の値は給水ポンプモータ49の運転開始時を基準とする時間に相当する。
CPUはステップS5でタイマT1の値をリセットすると、ステップS6でタイマT1の値の加算結果をROMに予め記録された給水時間1と比較する。この給水時間1は給水タンク44内から脱気容器58内に単位量の水を注入するための時間であり、CPUはステップS6でタイマT1の値の加算結果が給水時間1に到達したと判断した場合にはステップS7で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換えることで脱気容器58に対する給水を停止する。この給水停止状態では脱気容器58内に単位量の水が貯留されており、脱気容器58内に予め決められた一定の容積の脱気空間が形成されている。
CPUはステップS7で給水ポンプモータ49を運転停止状態にすると、ステップS8で入口弁55を開放状態から閉鎖状態に切換えることで脱気容器58を貯水モードから減圧モードに切換える。この脱気容器58の減圧モードでは減圧ポンプモータ64がステップS3から継続的に運転状態にされており、ステップS8では減圧ポンプモータ64が脱気容器58の脱気空間から空気を排出することで脱気空間を減圧開始する。このCPUはステップS8で脱気容器58の脱気空間を減圧開始した場合にはステップS9へ移行し、RAMのタイマT2の値に初期値(0)を設定する。このタイマT2の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値を加算するものであり、CPUはタイマT2の値を加算することで脱気空間の減圧開始時を基準とする時間を計測する。
CPUはステップS9でタイマT2の値をリセットすると、ステップS10でタイマT2の値の加算結果をROMに予め記録された減圧時間(30sec)と比較する。この減圧時間は脱気容器58内の水から脱気空間に溶存酸素が放出される脱気レベル(0.5atm)に脱気空間を減圧するための時間であり、CPUはステップS10でタイマT2の値の加算結果が減圧時間に到達したと判断した場合にはステップS11で減圧ポンプモータ64を運転状態から運転停止状態に切換えることで脱気空間の減圧を停止する。
CPUはステップS11で脱気空間の減圧を停止すると、ステップS12でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS13で温度信号の検出結果をROMに予め記録された水切れ温度と比較する。この水切れ温度は製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに水が貯留されているか否かを判定するための閾値であり、CPUは製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに水が貯留されていない場合にはステップS13で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS14でRAMのタイマT3の値に初期値(0)を設定する。このタイマT3の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値を加算するものであり、CPUはタイマT3の値を加算することで脱気空間の減圧停止時を基準とする時間を計測する。
CPUはステップS14でタイマT3の値をリセットすると、ステップS15でタイマT3の値の加算結果をROMに予め記録された脱気時間(90min)と比較する。この脱気時間は脱気容器58内の水から脱気空間に溶存酸素を放出するための時間であり、CPUはステップS15でタイマT3の値の加算結果が脱気時間に到達したと判断した場合にはステップS21で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS22で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。この入口弁55の開放状態では脱気容器58の脱気空間が入口管54およびホッパー53のそれぞれを介して外部に通じることで大気圧に戻り、出口弁60の開放状態では脱気容器58内の脱気済の水が出口管59および給水管68のそれぞれを通して排出される。この出口弁60の開放状態では製氷皿36が製氷位置で静止しており、給水管68から排出された水は製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに注入される。
CPUはステップS22で出口弁60を開放状態にすると、ステップS23でRAMのタイマT4の値に初期値(0)を設定する。このタイマT4の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値を加算するものであり、CPUはタイマT4の値を加算することで出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換えたことを基準とする時間を計測する。このCPUはステップS23でタイマT4の値をリセットした場合にはステップS24へ移行し、タイマT4の値の加算結果をROMに予め記録された給水時間2と比較する。この給水時間2は脱気容器58内の脱気済の水を脱気容器58内から製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに注入するための時間であり、CPUはステップS24でタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断した場合にはステップS1に復帰する。即ち、製氷皿36に水が貯留されていない状態では脱気容器58内に単位量の水が貯留され、脱気容器58の脱気空間が減圧され、脱気容器58内の水から減圧済の脱気空間に溶存酸素が放出され、脱気容器58内の脱気済の水が製氷皿36に給水される。
CPUはステップS1に復帰すると、ステップS1〜S11のそれぞれを行うことで給水タンク44内から脱気容器58内に単位量の水を注入し、脱気容器58の脱気空間を脱気レベルに減圧する。そして、ステップS12でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS13で温度信号の検出結果を水切れ温度を比較する。この場合には製氷皿36内に未凍結の水が貯留されており、CPUはステップS13で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS16でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS17で温度信号の検出結果をROMに予め記録された凍結完了温度(−12.5℃<水切れ温度)と比較する。この凍結完了温度は製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれの水が下面まで凍結するための温度であり、CPUはステップS17で温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断した場合にはステップS18へ移行する。
CPUはステップS18へ移行すると、タイマT1の値の加算結果をROMに予め記録された製氷完了時間(=脱気時間)と比較する。この製氷完了時間は製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれの氷の凍結を進行させるための時間であり、CPUはステップS18でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS19へ移行し、検知スイッチ43が電気的なオフ状態にあるか否かを判断する。例えばアイスボックス40内に満杯値の高さの氷が貯留されている状態ではステップS19で検知スイッチ43がオン状態にあると判断し、検知スイッチ43がオフ状態になるまで待機する。
CPUはアイスボックス40内に満杯値の高さの氷が貯留されていない状態ではステップS19で検知スイッチ43がオフ状態にあると判断し、ステップS20で離氷モータ38を回転操作する。この離氷モータ38の回転操作は製氷皿36が製氷位置から離氷位置に回転した後に離氷位置から製氷位置に戻るように行われるものであり、製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれの氷はステップS19で製氷皿36が製氷位置から離氷位置に回転操作されることで製氷ブロックの内面から剥離し、アイスボックス40内に落下する。
CPUはステップS20の離氷処理を終えると、ステップS21〜ステップS24のそれぞれを行うことで脱気容器58内の水を製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに注入し、ステップS1に復帰する。この水はステップS11で減圧ポンプモータ64が運転停止状態にされてからステップS20の離氷処理が終了するまで脱気容器58内に脱気空間の減圧状態で放置されることで脱気されたものであり、製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれには離氷が終了することで脱気済の新たな水が脱気容器58内から注入される。
図7は透明製氷処理での製氷の流れであり、製氷皿36および脱気容器58のそれぞれの空の状態では給水タンク44内から脱気容器58内に脱気前の水が注入されることで脱気容器58内に単位量の脱気前の水が貯留され(b参照)、脱気容器58の脱気空間が脱気レベルに減圧される。図8は脱気容器58の脱気空間を脱気レベル(0.5atm)に減圧した状態での時間の経過に対する水の溶存酸素量の変化を示すものであり、脱気容器58内の水は脱気時間が経過するまで脱気空間の圧力が脱気レベルに維持されることで脱気され、脱気時間が経過した場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入されることで製氷が始まる(c参照)。この製氷が始まった場合には給水タンク44内から空の脱気容器58内に脱気前の水が注入されることで脱気容器58内に単位量の脱気前の水が再び貯留され(d参照)、脱気容器58の脱気空間が脱気レベルに減圧される。この脱気容器58内の水は製氷皿36内の氷が製氷皿36内から剥離されるまで脱気空間の圧力が脱気レベルに維持されることで脱気されるものであり(e参照)、製氷皿36内の氷が製氷皿36内から剥離された場合には脱気容器58内の脱気済の水が再び製氷皿36内に注入されることで製氷が始まり(c参照)、給水タンク44内から空の脱気容器58内に脱気前の水が注入されることで脱気容器58内に脱気前の単位量の水が再び貯留される(d参照)。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
給水タンク44内の水を脱気容器58の貯水モードで脱気容器58内に注入することで脱気容器58内に水を貯留し、脱気容器58内に脱気空間を残した。この脱気容器58内に水を注入した場合には脱気容器58を貯水モードから密閉モードに切換え、脱気容器58の密閉モードで脱気容器58の脱気空間から外部に空気を排出することで脱気空間を減圧状態とし、脱気空間の減圧状態で脱気期間が経過するまで待機した。この脱気期間は脱気容器58内の水中に残存する気体が脱気空間に放出されるのに必要な時間(製氷完了時間)であり、脱気期間が経過した場合には脱気容器58を密閉モードから排水モードに切換えることで脱気容器58内の脱気済の水を製氷皿36内に注入した。このため、製氷皿36内の水が気体の除去状態で凍結するので、気体が残ったまま凍結する場合に比べて氷の透明度が高くなる。
図9の透明製氷処理は制御回路30のCPUが図6の透明製氷処理に換えて行うものであり、CPUはステップS13でI温度センサ37の温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断した場合にはステップS31で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS32で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。そして、ステップS33でタイマT4の値をリセットし、ステップS34でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。ここでタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断した場合にはステップS35でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS36で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。
脱気容器58内に水が貯留されている場合にはステップS32で出口弁60が開放状態にされることで脱気容器58内の脱気前の水が製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれに注入される。この場合にはCPUはステップS36で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS1の初期設定処理に復帰することで給水タンク44内から脱気容器58内に水を再び注入する。即ち、製氷皿36内および脱気容器58内のそれぞれが空の状態では給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に脱気前の水が注入されることで製氷が始まり、製氷が始まった場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が再び注入される。この水は脱気容器58内に脱気空間の減圧状態で貯留されることで脱気され、製氷皿36内から氷が剥離された場合に脱気容器58内から製氷皿36内に注入される。
給水タンク44内に水がない場合にはステップS4で給水ポンプモータ49が運転状態にされても給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入されず、ステップS32で出口弁60が開放状態にされても脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されない。この場合にはCPUはステップS36で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS37でR扉スイッチ5がオン状態にあるか否かを判断する。ここでR扉スイッチ5がオン状態にあると判断した場合にはステップS38へ移行し、RAMのタイマT5の値に初期値(0)を設定する。このタイマT5の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値を加算するものであり、CPUはタイマT5の値を加算することでR扉スイッチ5がオン状態にあると判断したことを基準とする時間を計測する。
CPUはステップS38でタイマT5の値をリセットすると、ステップS39でタイマT5の値の加算結果をROMに予め決められた給水待ち時間(1hr)と比較する。ここでタイマT5の値の加算結果が給水待ち時間に到達したと判断した場合にはステップS40で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換え、ステップS41でタイマT1の値をリセットし、ステップS42でタイマT1の値の加算結果をROMに予め記録された給水時間3と比較する。この給水時間3は給水タンク44内から製氷皿36内に単位量の水を注入するための時間であり、給水時間1および給水時間2のそれぞれに比べて長く設定されている。
CPUはステップS42でタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断すると、ステップS43で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換える。即ち、給水タンク44内に水がない場合には使用者がRドア4を開放状態にして給水タンク44内に水を補給するまで待機し、使用者が給水タンク44内に水を補給した後に給水ポンプモータ49を運転状態にすることで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入する。そして、ステップS35でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS36で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS1の初期設定処理へ移行する。
上記実施例2によれば次の効果を奏する。
製氷皿36内に水および氷のそれぞれが存在せずに給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれにも水が存在しない状態では給水タンク44内に水が補給された場合に給水ポンプモータ49を脱気容器58の排水モードで運転状態とし、給水タンク44内の脱気前の水を製氷皿36内に脱気容器58内を通して注入した。一般的に水に溶け込んだ溶存酸素量は水の温度が低いほど多く、水の温度が高いほど少ない。水道の蛇口から給水タンク44内に補給される水道水の温度は冷蔵室3の温度に比べて高く、図10に示すように、水道の蛇口から給水タンク44内に補給される水道水の溶存酸素量は減圧状態と同程度になる。即ち、給水タンク44内に水が補給された場合には給水ポンプモータ49が脱気容器58の排水モードで運転状態になることで給水タンク44内から製氷皿33内に脱気前でありながらも溶存酸素量が少ない水が注入されるので、脱気期間が経過するまで待機することなく透明度が高い氷を製氷できる。
Rドア4の前面には製氷モードスイッチが装着されている。この製氷モードスイッチは使用者が操作することが可能なものであり、制御回路30のCPUは製氷モードスイッチの操作内容に応じてRAMの透明製氷フラグをオン状態およびオフ状態のいずれかに設定する。この透明製氷フラグのオン状態は透明製氷モードに相当するものであり、CPUは透明製氷モードでは図6の透明製氷処理または図9の透明製氷処理を実行する。
図11の通常製氷処理は制御回路30のROMに運転制御プログラムの一部として予め記録されたものである。この通常製氷処理は透明製氷フラグがオフ状態に設定された通常製氷モードで実行されるものであり、CPUはステップS51の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態にする。そして、ステップS52で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS53で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS54で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換える。この給水ポンプモータ49の運転状態で給水タンク44内に水が貯留されている場合には給水タンク44内の水が脱気容器58内を通して製氷皿36内に脱気されることなく注入される。
CPUはステップS54で給水ポンプモータ49を運転状態に切換えると、ステップS55でタイマT1の値をリセットし、ステップS56でタイマT1の値の加算結果を給水時間3と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断した場合にはステップS57で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS58で入口弁55を開放状態から閉鎖状態に切換え、ステップS59で出口弁60を開放状態から閉鎖状態に切換える。即ち、製氷皿36内には給水タンク44内から脱気容器58内を通して単位量の水が脱気されることなく注入される。
CPUはステップS59で出口弁60を閉鎖状態にすると、ステップS60でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS61で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで製氷皿36内に未凍結の水が貯留されている場合には温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS62でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS63で温度信号の検出結果を凍結完了温度と比較する。
CPUはステップS63で温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断すると、ステップS64でタイマT1の値の加算結果を製氷完了時間と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS65へ移行し、検知スイッチ43がオフ状態にあるか否かを判断する。ここで検知スイッチ43がオフ状態にあると判断した場合にはステップS66の離氷処理へ移行し、製氷皿36を製氷位置から離氷位置に回転操作した後に離氷位置から製氷位置に戻すことで製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれの氷を製氷ブロックの内面から剥離し、ステップS52に復帰する。
給水タンク44内に水が貯留されておらず給水ポンプモータ49が運転状態にされても製氷皿36内に水が注入されない場合にはCPUはステップS61でI温度センサ37からの温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS67でR扉スイッチ5がオン状態にあるか否かを判断する。ここでR扉スイッチ5がオン状態にあると判断した場合にはステップS68でタイマT5の値をリセットし、ステップS69でタイマT5の値の加算結果を給水待ち時間と比較する。ここでタイマT5の値の加算結果が給水待ち時間に到達したと判断した場合にはステップS52に復帰する。即ち、給水タンク44内に水が貯留されていない場合には使用者がRドア4を開放状態にして給水タンク44内に水を補給するまで待機し、使用者が給水タンク44内に水を補給した後に入口弁55および出口弁60のそれぞれの開放状態で給水ポンプモータ49を運転状態にすることで給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に単位量の水を脱気することなく注入する。
上記実施例3によれば次の効果を奏する。
透明製氷モードの設定状態では脱気容器58の脱気空間が減圧状態にされたことを基準に製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるので、脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入されることで通常製氷モードの設定状態に比べて透明度が高い氷が製氷される。通常製氷モードの設定状態では給水タンク44内から製氷皿36内に未脱気の水が注入されるので、透明製氷モードの設定状態に比べて透明度が低い氷が製氷される。このため、使用者が製氷モードスイッチを操作することで透明度が相互に異なる氷を製氷できる。
図12の透明製氷モード移行処理はRAMの透明製氷フラグがオフ状態からオン状態に切換えられた場合に制御回路30のCPUが先頭のステップS71から実行するものであり、CPUはステップS71の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態にする。そして、ステップS72でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS73で温度信号の検出結果をROMに予め記録された製氷完了温度と比較する。この製氷完了温度は製氷皿36内に水および氷のいずれかが残っているか否かを判断するための閾値であり、図6のステップS17の凍結完了温度と図9のステップS17の凍結完了温度と図11のステップ63の凍結完了温度のそれぞれに比べて低く設定されている。
通常製氷モードは給水タンク44内の水を脱気することなく製氷皿36内に注入するものであり、脱気容器58内に水が貯留されていない。この通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残っている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS73で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS2で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS3で減圧ポンプモータ64を運転停止状態から運転状態に切換え、ステップS4で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換えることで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入開始する。
CPUはステップS4で給水ポンプモータ49を運転状態に設定すると、ステップS74でRAMのタイマT6の値に初期値(0)を設定する。このタイマT6の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値(1sec)を加算するものであり、CPUはステップS74でタイマT6の値をリセットした場合にはステップS75でタイマT6の値の加算結果を給水時間1と比較する。ここでタイマT6の値の加算結果が給水時間1に到達したと判断した場合にはステップS7で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換えることで脱気容器58内に単位量の水を貯留する。
CPUはステップS7で給水ポンプモータ49を運転停止状態にすると、ステップS8〜S11のそれぞれを実行することで脱気容器58の脱気空間を脱気レベルに減圧する。そして、ステップS17でI温度センサ37の温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断した場合にはステップS18へ移行し、タイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したか否かを判断する。このタイマT1の値は直前の通常製氷処理からリセットされることなく継続的に加算されているものであり、CPUはステップS18でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS19およびS20のそれぞれを実行することで製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれから氷を剥離し、ステップS21〜S24のそれぞれを実行することで脱気容器58内の脱気済の水を製氷皿36内に注入し、図6の透明製氷処理のステップS1または図9の透明製氷処理のステップS1へ移行する。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っていない状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS73でI温度センサ37の温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS76で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換える。そして、ステップS77で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS78で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換える。
CPUはステップS78で給水ポンプモータ49を運転状態にすると、ステップS79でタイマT1の値をリセットし、ステップS80でタイマT1の値の加算結果を給水時間3と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断した場合にはステップS81で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS82でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS83で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。
給水タンク44内から製氷皿36内に単位量の水が脱気されることなく注入された場合にはCPUはステップS83で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、図6の透明製氷処理のステップS1または図9の透明製氷処理のステップS1へ移行する。そして、ステップS1〜S7で給水タンク44内から脱気容器58内に単位量の水を注入し、ステップS8〜S11で脱気容器58の脱気空間を脱気レベルに減圧し、ステップS20で製氷皿36の複数の製氷ブロック内のそれぞれから氷を剥離し、ステップS21〜S24で脱気容器58内の脱気済の水を製氷皿36内に注入する。
給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入されなかった場合にはCPUはステップS83で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS84でR扉スイッチ5がオン状態にあるか否かを判断する。ここでR扉スイッチ5がオン状態にあると判断した場合にはステップS85でタイマT5の値をリセットし、ステップS86でタイマT5の値の加算結果を給水待ち時間と比較する。ここでタイマT5の値の加算結果が給水待ち時間に到達したと判断した場合にはステップS87で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換え、ステップS88でタイマT1の値をリセットし、ステップS89でタイマT1の値の加算結果を給水時間3と比較する。
CPUはステップS89でタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断すると、ステップS90で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS82に復帰する。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内および給水タンク44内のそれぞれに水が貯留されていない状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には使用者が給水タンク44内に水を補給した後に給水ポンプモータ49が運転状態になり、給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に単位量の水が脱気されることなく注入される。
上記実施例4によれば次の効果を奏する。
製氷皿36内に水または氷が残されていると共に脱気容器58内に水が残されていない状態で製氷モードが通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には脱気容器58内に水を貯留した状態で脱気容器58の脱気空間を減圧状態とし、直前の通常製氷モードでの製氷皿36内の水が凍結して製氷皿36内から氷が剥離された場合または直前の通常製氷モードでの製氷皿36内の氷が製氷皿36内から剥離された場合に脱気容器58内から製氷皿36内に水を注入した。このため、直前の通常製氷モードでリセットされたタイマT1の値が透明製氷モードで製氷完了時間に到達するまで脱気容器58の脱気空間が減圧状態に維持されるので、脱気容器58内の水を脱気するための所要時間が短縮される。
図13の透明製氷モード移行処理は制御回路30のCPUが図12の透明製氷モード移行処理に換えて実行するものであり、CPUはステップS11で減圧ポンプモータ64を運転状態から運転停止状態に切換えた場合にはステップS91でタイマT6の値をリセットし、ステップS20の離氷処理を終えた場合にはステップS92でタイマT6の値の加算結果を脱気時間と比較する。ここでタイマT6の値の加算結果が脱気時間に到達したと判断した場合にステップS21〜S24のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の単位量の水を注入する。
上記実施例5によれば次の効果を奏する。
製氷皿36内に水または氷が残されていると共に脱気容器58内に水が残されていない状態で製氷モードが通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には脱気容器58内に水を貯留した状態で脱気容器58の脱気空間を減圧状態とし、脱気容器58の脱気空間を減圧状態にした場合には脱気空間が減圧状態にされてから脱気時間が経過したか否かを判定し、脱気時間が経過したと判定した場合に脱気容器58内から製氷皿36内に水を注入したので、脱気容器58の脱気空間を脱気に必要な一定の脱気時間だけ減圧状態に維持することができる。
図14の通常製氷処理は制御回路30のCPUが図10の通常製氷処理に換えて実行するものである。この図14の通常製氷処理は透明製氷フラグがオン状態からオフ状態に切換えられた場合に先頭のステップS101の初期設定処理から開始されるものであり、CPUはステップS101の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態にする。そして、ステップS102でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS103で温度信号の検出結果を製氷完了温度と比較する。
透明製氷モードは脱水容器58内に水を貯留し、製氷皿36内から氷が剥離される毎に脱水容器58内から製氷皿36内に水を注入するものである。この透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残り、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残っている状態で透明製氷モードから通常製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS103で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS104でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS105で温度信号の検出結果を凍結完了温度と比較する。
CPUはステップS105で温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断すると、ステップS106でタイマT1の値の加算結果を製氷完了時間と比較する。このタイマT1の値は直前の透明製氷モードからリセットされることなく継続的に加算されているものであり、CPUはステップS106でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS107へ移行し、検知スイッチ43がオフ状態にあるか否かを判断する。ここで検知スイッチ43がオフ状態にあると判断した場合にはステップS108の離氷処理へ移行し、製氷皿36内から氷を剥離する。
CPUはステップS108の離氷処理を終えると、ステップS109で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS110で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換えることで直前の透明製氷モードでの脱気容器58内の水を製氷皿36内に注入開始し、ステップS111でRAMの貯水済フラグをオフ状態に設定する。この貯水済フラグは脱気容器58内に水が貯留されているか否かを示すものであり、CPUはステップS111で貯水済フラグをオフ状態に設定した場合にはステップS112でタイマT4の値をリセットし、ステップS113でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。ここでタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断した場合にはステップS114でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS115で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。
CPUは脱気容器58内に直前の透明製氷モードでの水が残っていた場合にはステップS115で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS134でタイマT1の値をリセットする。そして、ステップS124でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS125で温度信号の検出結果を凍結完了温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断した場合にはステップS126でタイマT1の値の加算結果を製氷完了時間と比較する。
CPUはステップS126でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断すると、ステップS127で検知スイッチ43がオフ状態にあるか否かを判断する。ここで検知スイッチ43がオフ状態にあると判断した場合にはステップS128の離氷処理で製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS132で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS133で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。
CPUはステップS133で出口弁60を開放状態にすると、ステップS116で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換えることで給水タンク44内の水を脱気容器58内を通して製氷皿36内に注入開始する。そして、ステップS117でタイマT1の値をリセットし、ステップS118でタイマT1の値の加算結果を給水時間3と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断した場合にはステップS119で入口弁55を開放状態から閉鎖状態に切換え、ステップS120で出口弁60を開放状態から閉鎖状態に切換える。次にステップS121で貯水済フラグをオフ状態に設定し、ステップS122でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS123で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。
CPUは給水タンク44内に水が残されていた場合にはステップS123で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS124〜S128のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離する。即ち、透明製氷モードで製氷皿36内に水または氷が残り、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残っている状態で透明製氷モードから通常製氷モードに切換えられた場合には製氷皿36内から氷が剥離されるまで脱気容器58内の水が脱気空間の減圧状態で脱気容器58内に貯留され、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内の脱気済の水が製氷皿36内に注入される。この脱気済の水が凍結して製氷皿36内から氷が剥離された以後は給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に水が脱気されることなく注入され、脱気されていない水が凍結することで氷が製氷される。
透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残っている場合にはCPUはステップS103で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS109〜S113のそれぞれを実行することで脱気容器58内の水を製氷皿36内に注入する。そして、ステップS114でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS118で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS134でタイマT1の値をリセットし、ステップS124〜S128のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離する。即ち、透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残っている場合には透明製氷モードから通常製氷モードに切換えられることで脱気容器58内の水が製氷皿36内に注入される。この水が凍結して製氷皿36内から氷が剥離された以後は給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に水が脱気されることなく注入され、脱気されていない水が凍結することで氷が製氷される。
透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、脱気容器58内にも水が残っておらず、給水タンク44内に水が残っている場合にはCPUはステップS103で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS109〜S114のそれぞれを実行する。そして、ステップS115で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS116〜S121のそれぞれを実行することで給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に水を注入する。そして、ステップS122でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS123で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS124〜S128のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離する。即ち、透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、脱気容器58内にも水が残っておらず、給水タンク44内に水が残っている場合には透明製氷モードから通常製氷モードに切換えられることで給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に水が注入され、脱気されていない水が凍結することで氷が製氷される。
透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれにも水が残っていない場合にはCPUはステップS123で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS129でR扉スイッチ5がオン状態にあるか否かを判断する。ここでR扉スイッチ5がオン状態にあると判断した場合にはステップS130でタイマT5の値をリセットし、ステップS131でタイマT5の値の加算結果を給水待ち時間と比較する。
CPUはステップS131でタイマT5の値の加算結果が給水待ち時間に到達したと判断すると、ステップS132で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS133で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS116で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換える。即ち、透明製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残っておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれにも水が残っていない場合には使用者がRドア4を開放状態にして給水タンク44内に水を補給するまで待機し、使用者が給水タンク44内に水を補給した後に給水タンク44内から脱気容器58内を通して製氷皿36内に水が注入され、脱気されていない水が凍結することで氷が製氷される。
図15の透明製氷処理は制御回路30のCPUが図6または図9の透明製氷処理に換えて実行するものである。この図15の透明製氷処理は透明製氷フラグがオフ状態からオン状態に切換えられた場合に先頭のステップS141の初期設定処理から開始されるものであり、CPUはステップS141の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態にする。そして、ステップS142でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS143で温度信号の検出結果を製氷完了温度と比較する。
通常製氷モードは製氷皿36内から氷が剥離される毎に給水タンク44内から製氷皿36内に水を注入するものであり、使用者が製氷モードスイッチを短い時間間隔で操作することで透明製氷モードから通常製氷モードを経て透明製氷モードに切換えた場合には脱気容器58内に水が残されていることがある。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS143で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS144で貯水済フラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここで貯水済フラグがオン状態に設定されていると判断し、ステップS145でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS146で温度信号の検出結果を凍結完了温度と比較する。
CPUはステップS146で温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断すると、ステップS147でタイマT1の値の加算結果を製氷完了時間と比較する。このタイマT1の値は直前の通常製氷モードからリセットされることなく継続的に加算されているものであり、CPUはステップS147でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS148で検知スイッチ43がオフ状態にあるか否かを判断する。ここで検知スイッチ43がオフ状態にあると判断した場合にはステップS149の離氷処理で製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS150で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS151で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。そして、ステップS152でタイマT4の値をリセットし、ステップS153でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。
CPUはステップS153でタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断すると、ステップS154で貯水済フラグをオフ状態に設定する。そして、ステップS155でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS156で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS158で出口弁60を入口弁55の開放状態で閉鎖状態に切換え、ステップS159で減圧ポンプモータ64を運転停止状態から運転状態に切換える。
CPUはステップS159で減圧ポンプモータ64を運転状態にすると、ステップS160で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換えることで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入開始する。そして、ステップS161でタイマT1の値をリセットし、ステップS162でタイマT1の値の加算結果を給水時間1と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が給水時間1に到達したと判断した場合にはステップS163で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS164で貯水済フラグをオン状態に設定する。
CPUはステップS164で貯水済フラグをオン状態に設定すると、ステップS165で入口弁55を減圧ポンプモータ64の運転状態で開放状態から閉鎖状態に切換えることで脱気容器58の脱気空間を減圧開始する。そして、ステップS166でタイマT2の値をリセットし、ステップS167でタイマT2の値の加算結果を減圧時間と比較する。ここでタイマT2の値の加算結果が減圧時間に到達したと判断した場合にはステップS168で減圧ポンプモータ64を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS145へ移行する。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には製氷皿36内から氷が剥離されるまで脱気容器58が水の貯留状態で密閉される。この水は製氷皿36内から氷が剥離された場合に脱気容器58内から製氷皿36内に注入されるものであり、脱気容器58内の水が製氷皿36内に注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、脱気容器58内に水が残されておらず、給水タンク44内に水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS143で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS144で貯水済フラグがオフ状態に設定されていると判断する。そして、ステップS157で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS158で出口弁60を閉鎖状態にする。次にステップS159〜S164のそれぞれを実行することで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入し、ステップS165〜S168のそれぞれを実行することで脱気容器58の脱気空間を減圧する。
CPUは脱気容器58の脱気空間を減圧すると、ステップS145〜ステップS149のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS150〜S154のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水を注入する。そして、ステップS155でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS156で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS158で出口弁60を入口弁55の開放状態で閉鎖状態に切換える。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、脱気容器58内に水が残されておらず、給水タンク44内に水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は直前の通常製氷モードで製氷皿36内に残されていた水が凍結し、製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS143で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS169で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS170で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS171で貯水済フラグをオフ状態に設定する。そして、ステップS172でタイマT4の値をリセットし、ステップS173でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。
CPUはステップS173でタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断すると、ステップS174でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS175で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS158〜S164のそれぞれを実行することで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入し、ステップS165〜S168のそれぞれを実行することで脱気容器58の脱気空間を減圧し、ステップS145〜S149のそれぞれを行うことで製氷皿36内から氷を剥離する。
CPUは製氷皿36内から氷を剥離すると、ステップS150〜S154のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水を注入する。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれに水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入される。この製氷皿36内に水が注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間の減圧は製氷皿36内から氷が剥離されるまで維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、脱気容器58内にも水が残されておらず、給水タンク44内に水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS175で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS176で給水ポンプモータ49を入口弁55および出口弁60のそれぞれの開放状態で運転状態に切換える。そして、ステップS177でタイマT1の値をリセットし、ステップS178でタイマT1の値の加算結果を給水時間3と比較する。
CPUはステップS178でタイマT1の値の加算結果が給水時間3に到達したと判断すると、ステップS179でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS180で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS158〜S164のそれぞれを実行することで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入し、ステップS165〜S168のそれぞれを実行することで脱気容器58の脱気空間を減圧する。
CPUは脱気容器58の脱気空間を減圧すると、ステップS145〜S149のそれぞれを行うことで製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS150〜S154のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水を注入する。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、脱気容器58内にも水が残されておらず、給水タンク44内に水が残されている状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入される。この製氷皿36内に水が注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれにも水が残されていない状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合にはCPUはステップS180で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断する。そして、ステップS181で入口弁55を開放状態から閉鎖状態に切換え、ステップS182で出口弁60を開放状態から閉鎖状態に切換え、ステップS183でR扉スイッチ5がオン状態にあるか否かを判断する。
CPUはステップS183でR扉スイッチ5がオン状態にあると判断すると、ステップS184でタイマT5の値をリセットし、ステップS185でタイマT5の値の加算結果を給水待ち時間と比較する。ここでタイマT5の値の加算結果が給水待ち時間に到達したと判断した場合にはステップS186で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS187で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。そして、ステップS176〜S178のそれぞれを実行することで給水タンク44内から製氷皿36内に水を注入し、ステップS179でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS180で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断する。
CPUはステップS180で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断すると、ステップS158〜S164のそれぞれを実行することで給水タンク44内から脱気容器58内に水を注入し、ステップS165〜S168のそれぞれを実行することで脱気容器58の脱気空間を減圧する。そして、ステップS145〜S149のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS150〜S154のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水を注入する。即ち、通常製氷モードで製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、給水タンク44内および脱気容器58内のそれぞれにも水が残されていない状態で通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合には使用者がRドア4を開放状態にして給水タンク44内に水を補給するまで待機し、使用者が給水タンク44内に水を補給した後に給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入される。この製氷皿36内に水が注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
上記実施例6によれば次の効果を奏する。
製氷皿36内に水または氷が残されていると共に脱気容器58内に水が残されている状態で製氷モードが透明製氷モードから通常製氷モードに切換えられた場合には脱気容器58の脱気空間を減圧状態に維持し、直前の透明製氷モードでの製氷皿36内の水が凍結して製氷皿36内から氷が剥離された場合または直前の透明製氷モードでの製氷皿36内の氷が製氷皿36内から剥離された場合に脱気容器58内の水を製氷皿36内に注入した。このため、通常製氷モードで脱気容器58の脱気空間を減圧状態に維持している期間内に製氷モードが再び通常製氷モードから透明製氷モードに切換えられた場合に減圧状態の維持を継続して行うことができるので、脱気容器58内の水を脱気するための所要時間が短縮される。
Rドア4の前面には製氷OFFスイッチが装着されている。この製氷OFFスイッチは使用者が操作することが可能なものであり、制御回路30のCPUは製氷OFFスイッチの操作内容に応じてRAMの製氷OFFフラグをオン状態およびオフ状態のいずれかに設定する。この製氷OFFフラグのオフ状態では透明製氷フラグの設定状態に応じて透明製氷処理および通常製氷処理のいずれかを実行し、製氷OFFフラグのオン状態では透明製氷処理および通常製氷処理のそれぞれを実行することなく図16の製氷OFF処理を実行する。この製氷OFFフラグのオン状態は製氷停止モードのオン状態に相当し、製氷OFFフラグのオフ状態は製氷停止モードのオフ状態に相当する。
図16の製氷OFF処理は制御回路30のROMに運転制御プログラムの一部として予め記録されたものであり、CPUは製氷OFFフラグがオフ状態からオン状態に切換えられた場合にはステップS191の初期設定処理で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態とする。そして、ステップS192でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS193で温度信号の検出結果を製氷完了温度と比較する。
製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、脱気容器58内に水が残されている場合にはCPUはステップS193で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS194でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS195で温度信号の検出結果を凍結完了温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が凍結完了温度に到達したと判断した場合にはステップS196へ移行し、タイマT1の値の加算結果を製氷完了時間と比較する。このタイマT1の値は直前の通常製氷モードまたは直前の透明製氷モードからリセットされることなく継続的に加算されているものであり、CPUはステップS196でタイマT1の値の加算結果が製氷完了時間に到達したと判断した場合にはステップS197で検知スイッチ43がオフ状態にあるか否かを判断する。
CPUはステップS197で検知スイッチ43がオフ状態にあると判断すると、ステップS198の離氷処理で製氷皿36内から氷を剥離する。そして、ステップS199で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS200で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS201で貯水済フラグをオフ状態に設定する。次にステップS202でタイマT4の値をリセットし、ステップS203でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。
CPUはステップS203でタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断すると、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS194〜S198のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS199〜S203のそれぞれを実行する。そして、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。
脱気容器58は単位量の水が貯留されるものであり、製氷OFF処理が開始されてから1回目のステップS199〜S203で脱気容器58内の水が製氷皿36内に注入された場合には脱気容器58内が空の状態になる。このため、2回目のCステップS199〜S203では脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されず、CPUは製氷OFF処理が開始されてから2回目のステップS205で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断する。そして、ステップS206で入口弁55を開放状態から閉鎖状態に切換え、ステップS207で出口弁60を開放状態から閉鎖状態に切換え、製氷OFFスイッチが操作されることで製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられるまで待機する。
製氷皿36内に水および氷のいずれかが残されており、脱気容器58内に水が残されていない場合にはCPUはステップS193で温度信号の検出結果が製氷完了温度以上であると判断し、ステップS194〜S198のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離し、ステップS199〜S203のそれぞれを実行する。そして、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。ここで温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、入口弁55および出口弁60のそれぞれを開放状態から閉鎖状態に切換え、製氷OFFスイッチが操作されることで製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられるまで待機する。
製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、脱気容器58内に水が残されている場合にはCPUはステップS193で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS199〜S203のそれぞれを実行することで脱気容器58内から製氷皿36内に水を注入する。そして、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果が水切れ温度以上であると判断し、ステップS194〜S198のそれぞれを実行することで製氷皿36内から氷を剥離する。
CPUは製氷皿36内から氷を剥離すると、ステップS199〜S203のそれぞれを実行し、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。この場合にはステップS199〜S203で脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されず、CPUはステップS205で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断する。そして、入口弁55および出口弁60のそれぞれを開放状態から閉鎖状態に切換え、製氷OFFスイッチが操作されることで製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられるまで待機する。
製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、脱気容器58内にも水が残されていない場合にはCPUはステップS193で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断し、ステップS199〜S203のそれぞれを実行する。そして、ステップS204でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS205で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。この場合にはステップS199〜S203で脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されず、CPUはステップS205で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断する。そして、入口弁55および出口弁60のそれぞれを開放状態から閉鎖状態に切換え、製氷OFFスイッチが操作されることで製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられるまで待機する。
CPUは製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられた場合には透明製氷フラグがオン状態に設定されているか否かを判断し、透明製氷フラグがオン状態に設定されていると判断した場合には図15の透明製氷処理をステップS141の初期設定処理から開始し、透明製氷フラグがオフ状態に設定されていると判断した場合には図14の通常製氷処理をステップS101の初期設定処理から開始する。
CPUは図15の透明製氷処理のステップS141で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態とする。そして、ステップS142でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS143で温度信号の検出結果を製氷完了温度と比較する。この場合には製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、CPUはステップS143で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断する。
CPUはステップS143で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断すると、ステップS169〜S173のそれぞれを実行し、ステップS174でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS175で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。この場合には脱気容器58内に水が残されておらず、脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されない。このため、CPUはステップS175で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS175で給水ポンプモータ49を入口弁55および出口弁60のそれぞれの開放状態で運転状態に切換える。即ち、給水タンク44内に水が残されている状態で製氷OFFモードがオフ状態に設定されることで透明製氷処理が開始された場合には給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入される。この給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は製氷皿36内から氷が剥離されるまで減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
CPUは図14の通常製氷処理のステップS101で入口弁55および出口弁60のそれぞれを閉鎖状態とし、給水ポンプモータ49および減圧ポンプモータ64のそれぞれを運転停止状態とする。そして、ステップS102でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS103で温度信号の検出結果を製氷完了温度と比較する。この場合には製氷皿36内に水および氷がいずれも残されておらず、CPUはステップS103で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断する。
CPUはステップS103で温度信号の検出結果が製氷完了温度に比べて低いと判断すると、ステップS109〜S113のそれぞれを実行し、ステップS114でI温度センサ37からの温度信号を検出し、ステップS115で温度信号の検出結果を水切れ温度と比較する。この場合には脱気容器58内に水が残されておらず、脱気容器58内から製氷皿36内に水が注入されない。このため、CPUはステップS115で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS116で給水ポンプモータ49を入口弁55および出口弁60のそれぞれの開放状態で運転状態に切換える。即ち、給水タンク44内に水が残されている状態で製氷OFFモードがオフ状態に設定されることで通常製氷処理が開始された場合には給水タンク44内から製氷皿36内に水が注入され、製氷皿36内から氷が剥離された場合には給水タンク44内から製氷皿36内に水が再び注入される。
上記実施例7によれば次の効果を奏する。
製氷モードが透明製氷モードに設定されている状態であって製氷皿36内に水または氷が残されていると共に脱気容器58内に水が残されている状態で製氷停止モードがオフ状態からオン状態に切換えられた場合には製氷皿36内の水が凍結して製氷皿36内から氷が剥離された場合または製氷皿36内の氷が製氷皿36内から剥離された場合に脱気容器58内の水を製氷停止モードのオン状態で製氷皿36内に注入した。このため、脱気容器58内に水が残ったままの状態になることがなくなるので、衛生上の不安が解消される。
製氷皿36内に水および氷のそれぞれが残されておらずに脱気容器58内に水が残されていない状態で製氷停止モードがオン状態からオフ状態に切換えられることで透明製氷モードが開始される場合には給水タンク44内の水を製氷皿36内に脱気容器58内を通して注入したので、脱気容器58内に水を減圧状態で貯留しておくことで脱気するための時間が不要になる。
図17の透明製氷処理は制御回路30のCPUが図14の透明製氷処理に換えて実行するものであり、CPUは製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられた時点で透明製氷フラグがオン状態に設定されている場合には図17の透明製氷処理のステップS175で温度信号の検出結果が水切れ温度に比べて低いと判断し、ステップS211の脱気処理へ移行する。
図18はステップS211の脱気処理であり、CPUはステップS211で出口弁60を入口弁55の開放状態で閉鎖状態に切換え、ステップS212で減圧ポンプモータ64を運転停止状態から運転状態に切換え、ステップS213で給水ポンプモータ49を運転停止状態から運転状態に切換える。即ち、製氷OFFフラグがオン状態からオフ状態に切換えられることで透明製氷処理が開始された時点で給水タンク44内に水が残っている場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入される。
CPUはステップS213で給水ポンプモータ49を運転状態にすると、ステップS214でタイマT1の値をリセットし、ステップS215でタイマT1の値の加算結果を給水時間1と比較する。ここでタイマT1の値の加算結果が給水時間1に到達したと判断した場合にはステップS216で給水ポンプモータ49を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS217で貯水済フラグをオン状態に設定する。
CPUはステップS217で貯水済フラグをオン状態に設定すると、ステップS218で入口弁55を減圧ポンプモータ64の運転状態で開放状態から閉鎖状態に切換えることで脱気容器58の脱気空間を減圧開始する。そして、ステップS219でタイマT2の値をリセットし、ステップS220でタイマT2の値の加算結果を減圧時間と比較する。ここでタイマT2の値の加算結果が減圧時間に到達したと判断した場合にはステップS221で減圧ポンプモータ64を運転状態から運転停止状態に切換え、ステップS222でRAMのタイマT7の値に初期値(0)を設定する。このタイマT7の値はCPUがタイマ割込み処理を起動する毎に一定値(1sec)を加算するものであり、CPUはステップS222でタイマT7の値をリセットした場合にはステップS223へ移行する。
CPUはステップS223へ移行すると、タイマT7の値の加算結果をROMに予め記録された短脱気時間(1hr)と比較する。この短脱気時間は製氷完了時間に比べて短く設定されたものであり、CPUはステップS223でタイマT7の値の加算結果が短脱気時間に到達したと判断した場合にはステップS224で入口弁55を閉鎖状態から開放状態に切換え、ステップS225で出口弁60を閉鎖状態から開放状態に切換える。そして、ステップS226で貯水済フラグをオフ状態に設定し、ステップS227でタイマT4の値をリセットし、ステップS228でタイマT4の値の加算結果を給水時間2と比較する。
CPUはステップS228でタイマT4の値の加算結果が給水時間2に到達したと判断すると、図16のステップS179でI温度センサ37からの温度信号を検出する。即ち、製氷OFFフラグがオフ状態からオン状態に切換えられることで透明製氷処理が開始された時点で給水タンク44内に水が残っている場合には脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は脱気空間の減圧が停止してから短脱気時間が経過するまで製氷皿36の空の状態で減圧状態に維持されるものである。この短脱気時間は製氷OFFフラグがオフ状態からオン状態に切換えられることで透明製氷処理が開始された場合とは異なる通常の脱気時間(図15のステップS161でタイマT1の値がリセットされてからステップS150で脱気容器58の脱気空間が開放されるまでの時間)に比べて短く設定されたものであり、短脱気時間が経過した場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。この脱気済の水が製氷皿36内に注入された場合には給水タンク44内から脱気容器58内に水が注入され、脱気容器58の脱気空間が減圧される。この脱気空間は製氷皿36から氷が剥離されるまでの通常の脱気時間だけ減圧状態に維持されるものであり、製氷皿36内から氷が剥離された場合には脱気容器58内から製氷皿36内に脱気済の水が注入される。
上記実施例8によれば次の効果を奏する。
製氷皿36内に水および氷のそれぞれが残されておらずに脱気容器58内に水が残されていない状態で製氷停止モードがオン状態からオフ状態に切換えられることで透明製氷モードが開始される場合には脱気容器58内に水を貯留した状態で脱気空間を減圧状態とし、脱気空間を減圧状態としてから一定の短脱気時間が経過した場合に脱気容器58内の脱気済の水を製氷皿36内に注入したので、透明製氷モードが開始された1回目から透明度が高い氷を製氷できる。
上記実施例8においては、制御回路30が図18のステップS223でタイマT7の値の加算結果を製氷完了時間と比較する構成としても良い。
図19の製氷OFF処理は制御回路のCPUが図15の製氷OFF処理に換えて実行するものであり、CPUはステップS196でタイマT1の値の加算結果が製氷完了温度に到達したと判断した場合には検知スイッチ43の電気的な状態を判断することなくステップS198の離氷処理で製氷皿36内から氷を剥離する。
上記実施例9によれば次の効果を奏する。
製氷停止モードのオフ状態でアイスボックス40内の氷が満杯高さに到達していると検出されている場合には製氷が終了した場合であっても製氷皿36内から氷を剥離せず、製氷停止モードのオン状態ではアイスボックス40内の氷が満杯高さに到達していると検出されているか否かに拘らず製氷が終了した場合に製氷皿36内から氷を剥離した。このため、製氷停止モードのオン状態ではアイスボックス40内の氷が満杯高さに到達していると検出されているか否かに拘らず脱気容器58内から水が全て排出されるので、衛生上の不安が解消される。
上記実施例1〜9のそれぞれにおいては、脱気容器58の外周面に電気的な熱源を固定しても良い。この構成の場合には減圧ポンプモータ64を運転状態にすることで脱気容器58の脱気空間を減圧することに換えて熱源を電気的なオン状態にすることで脱気容器58内の水を沸点以上の温度に加熱し、脱気容器58内の水から残留気体を脱気空間に排出すると良い。