JP5461332B2 - 砂利敷設構造および砂利敷設方法 - Google Patents

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Description

本発明は、神社や寺院の境内、庭園、駐車場等にみられる砂利敷設構造および砂利敷設方法に係り、特に、景観を損ねることなく、車椅子やベビーカー等の走行を容易ならしめることが出来ると共に、車両の走行や人の歩行も容易とし、且つ砂利の偏りを防止して平滑な敷設表面を効率的に保つことを可能と為す、新規な砂利敷設構造および砂利敷設方法に関するものである。
従来から、地盤の表層として砂利を敷設した砂利敷設構造(砂利舗装とも言う)が、知られている。かかる砂利敷設構造は、アスファルト舗装やコンクリート舗装に比して施工が容易で安価であることや、速やかな排水性が得られること、景観に優れていること、雑草の防止が期待できることなどの特徴を備えている。それ故、歩道や駐車場の他、神社仏閣の境内、庭園などに広く採用されている。
ところで、従来の砂利敷設構造は、単に地盤上に砂利を敷きつめただけのものか、敷きつめた後にローラーで転圧したものであった。
しかしながら、このような従来の砂利敷設構造では、車椅子やベビーカー、自転車等の細い車輪の車が走行する際、車輪が砂利にめり込んでしまって走行抵抗が非常に大きくなり、方向制御も困難になるという問題があった。また、自動車の走行に際して砂利が飛び跳ねやすいという危険性もあったし、自動車や人等が繰り返して通ると砂利が偏った位置に移動して表面に凹凸が出来やすいという問題もあった。
なお、特開昭61−172901号公報(特許文献1)等には、バインダーを用いて砂利を固着せしめて舗装路の表層にすることも提案されているが、施工が面倒なだけでなく、砂利舗装の特徴である景観が損なわれ、排水性も低下することに加えて、撤去時にバインダーと砂利の分別が困難で再利用が難しいという問題もあり、砂利敷設構造に代わり得るものとは言い難い。
また、特開2001−90005号公報(特許文献2)には、相互に連結された多数の隔壁を備えた合成樹脂の一体成形品からなるマット状成形体を地盤に敷設し、各隔壁で囲まれた空隙部に砂利を充填した砂利敷設構造が提案されている。しかし、かかるマット状成形体は、中空の逆カップ形を有する受圧体を多数並設して、それらの受圧体を相互に連結せしめた構造とされており、隣り合う受圧体間の空隙部に砂利を入り込ませただけであり、施工上の理由から受圧体の中に砂利を充填することが困難である。それ故、車両等の荷重を受圧体の隔壁自体が受けることとなり、受圧体が中空であることと相俟って、耐荷重強度の確保が難しいという問題もあった。即ち、隔壁で囲まれた中空の受圧体内部と、砂利が充填された受圧体外部との圧力差に耐えるだけの強度を、受圧体の隔壁に与えなければならず、大形のマット状成形体を金型で一体成形することが困難であることと相俟って、実用上の問題があったのである。
特開昭61−172901号公報 特開2001−90005号公報
本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであり、その解決課題とするところは、特許文献1に記載の発明のように景観や排水性が損なわれたり撤去時の分別再利用が困難になったりすることがなく、しかも、特許文献2に記載の発明に比して耐荷重強度の確保や製造も容易とされ得て、車椅子やベビーカー等の走行を容易ならしめ且つ砂利の偏りを防止して平滑な敷設表面を保つことを可能と為し得る、新規な砂利敷設構造および砂利敷設方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために為された本発明の特徴とするところは、合成樹脂の弾性線材を立体的に湾曲成形し且つ複数の接触部位において相互に固着せしめることで一体化された三次元網状構造の基材マットが地盤に敷設されていると共に、該基材マット上に砂利が敷設され且つ該砂利が該基材マットの三次元網状構造体の内部に入り込んで充填状態で捕捉されている砂利敷設構造にある。
本発明に従えば、基材マットの三次元網状構造体の内部に砂利が入り込んで充填状態で敷設されることから、車や人等の載荷重が砂利によって支持されて地盤に伝達されることとなる。それ故、基材マット自体に大きな強度が要求されることがなく、簡単で且つ安価な基材マットの構造が実現可能となる。
しかも、合成樹脂の弾性線材による三次元網状構造の基材マットでは、弾性線材で囲まれた空洞部の外部への開口部分となる弾性線材間の隙間が、弾性線材の弾性変形によって拡大され得る。それ故、弾性線材間の隙間を通じて基材マットの内部に砂利を入り込ませて充填することが容易であり、施工も容易に行うことが可能となるのである。
さらに、砂利は、基材マットに対して固着されておらず、砂利同士もバインダ等で固着される必要がないことから、隙間を通じての優れた排水性が発揮されると共に、砂利敷設構造の撤去時に基材マットと砂利を分別して各別に再利用等することも可能となる。
また、基材マットが埋まって見えない程に、基材マットの上に砂利を敷設することも可能であり、たとえ基材マットが見えても細い弾性線材から構成されていることから、砂利敷きの良好な景観が大きく損なわれることもない。
ところで、本発明の砂利敷設構造では、より好適な態様が存在する。例えば、前記基材マットが、モノフィラメントをランダムなループ状で長さ方向に堆積したループ体の複数本を並設すると共にそれら複数本のループ体を互いに隣り合うもの同士の相互の接触部位において固着せしめた構造とされることにより、該基材マットにおいて、各該ループ体の長さ方向に連続した筒状空洞部が形成されて、該筒状空洞部が該基材マットの表面側に開口せしめられていると共に、隣り合う該筒状空洞部間においてそれぞれ各該ループ体が相互に固着されることによって該ループ体の長さ方向に延びる骨格補強部が設けられていることが、本発明において好適である。
このような複数本のモノフィラメントのループ体の相互固着構造をもって基材マットを構成することにより、本発明に好適な基材マットを大形の成形金型を必要とすることなく容易に製造することが出来る。また、ループ体の筒状空洞部によって砂利を効率的に且つ強固に保持せしめることが出来ると共に、ループ体の固着されていない部分の弾性変形に基づいて、砂利を筒状空洞部内に容易に入り込ませて充填することが出来るから施工も容易となる。更にまた、ループ体の相互固着部からなる骨格補強部によって大きな強度を付与することが可能となる。
また、本発明では、例えば、前記地盤に重ね合わされた前記基材マットの底面に対して、該底面上に広がるように重ね合わせられた二次元網状構造の補強層が設けられて固着されている態様が、好適に採用され得る。
このような補強層を形成することにより、基材マットの表面側には、砂利を内部に入り込ませるための開口部を充分な大きさと量で形成しつつ、基材マットの底面側において基材マットの強度を向上させることが可能となる。なお、かかる補強層は、例えば、一本又は複数本のモノフィラメントを、基材マットの底面上に湾曲や屈曲,蛇行等させて全体として網目状に重ね合わせると共に、基材マットに対して固着せしめることによって有利に形成され得る。
また、本発明では、例えば、前記基材マットが、その複数箇所において、前記地盤に対して打ち込まれた固定用ピン材により、該地盤に対して位置固定されている態様が、好適に採用され得る。なお、固定用ピン材は、基材マットと別部材でも良いし、基材マットの底面に突出して一体的に設けられていても良い。
さらに、本発明は、前述の如き課題を解決するために、(a)砂利敷設の対象となる地盤を整地する整地工程と、(b)合成樹脂の弾性線材を立体的に湾曲成形し且つ複数の接触部位において相互に固着せしめることで一体化された三次元網状構造の基材マットを準備するマット準備工程と、(c)該マット準備工程で準備した該基材マットを、該整地工程で整地した該地盤上に重ね合わせて設置するマット敷設工程と、(d)該マット敷設工程で設置した該基材マットの上から砂利を敷設する砂利敷設工程と、(e)該砂利敷設工程で敷設した該砂利を転圧せしめて該砂利を前記基材マットの三次元網状構造体の内部に入り込ませて充填状態で捕捉せしめる転圧工程とを、含む砂利敷設方法も、特徴とする。
本発明方法に従えば、上述の如き技術的効果を発揮し得る、本発明に従う砂利敷設構造が有利に施工、実現され得る。なお、かかる施工に際しては、前記砂利敷設工程に先立って、前記マット敷設工程で設置した前記基材マットを、固定用ピン材により前記地盤に対して固定するマット固定工程を、更に含むことも可能であり、予め基材マットを地盤に位置決めしておくことにより、その後の砂利敷設工程や転圧工程に際しての基材マットの変位を防止して、容易に施工することが出来ると共に、施工後の基材マットの変位や浮き上がりを防止して、砂利敷設構造の長期間に亘る安定性の向上等を図ることも出来る。
上述のとおり本発明によれば、合成樹脂の弾性線材による三次元網状構造を有する基材マットを採用したことで、バインダ等を必要とすることなく砂利が充填された敷設状態に保持せしめることが出来る。それによって、車椅子等の走行や歩行を容易ならしめると共に、砂利の偏りを防止して平滑な敷設表面を効率的に保つことを可能と為し、更に撤去時の分別による砂利の再利用も可能とする、新規な砂利敷設構造および砂利敷設方法が実現され得るのである。
本発明の一実施形態としての砂利敷設構造の断面説明図。 図1に示した砂利敷設構造に用いられている基材マットを示す斜視図。 図2に示された基材マットの断面図。 図3に示された基材マットを地盤に敷設した施工状態の説明図。 本発明の一実施例としての基材マットの参考写真。 図5に示された基材マットを用いた砂利敷設構造の一実施例の参考写真。 図5に示された基材マットを用いた砂利敷設構造の別の実施例の参考写真。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。先ず、図1には、本発明に従う砂利敷設構造の一実施形態の断面が示されている。本実施形態の砂利敷設構造は、図2〜3に示されている基材マット10を、図4に示されているように地盤12の上に並置して敷き詰め、更に、基材マット10の構造体内部に入り込んで砂利14が敷設されることによって構成されている。
かかる基材マット10は、合成樹脂の弾性線材16を立体的に湾曲成形し且つ複数の接触部位において相互に固着せしめることで一体化された三次元網状構造を有している。そして、湾曲成形された弾性線材16によって、基材マット10の内部には、連続した空間としての隙間18が形成されている。また、この内部の隙間18は、基材マット10の表面(図中の上面)20に位置する弾性線材16間の開口部を通じて、外部空間に開放されている。
なお、基材マット10の成形材料や弾性線材16の立体的な湾曲形状は特に限定されるものでなく、地盤12の上に設置されて数年以上の期間に亘って砂利14を捕捉し続ける耐久性と要求強度を備えていれば良い。具体的には、例えば、発明の技術分野が本発明とは異なるが、特開昭54−22931号公報や特開2002−275876号公報に記載されている如き暗渠排水用マットに従う構造のものが、好適に採用され得る。
すなわち、基材マット10の具体的な成形材料や製造方法は、上記の公開公報に詳述されている公知技術であるから、ここでは詳細に説明しないが、例えば基材マット10を準備するマット準備工程において、合成樹脂の弾性線材16としてポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を複数本の並設ノズルから例えばスクリュー等で加熱軟化させてモノフィラメント状にしてランダムな(変形した)ループ状にしてループ長方向(ループ軸方向)に連続して押し出し、これらの複数本のループ状モノフィラメント22を相互に近接させて部分的に隣り合うもの同士を接触させて溶着一体化させつつ、冷却することによって全体として所定幅寸法で帯状に延びる基材マット10を連続的に成形することができる。なお、かかる成形は、例えば特開昭54−22931号公報に記載されているようにコンベア上に載置されて順次に送られるようにしても良いし、特開2002−275876号公報に記載されているように水中で連続的に冷却させたり、ローラで整形したりしても良い。
また、基材マット10のサイズは、成形装置の能力の他、敷設する敷地の面積や形状、採用する砂利の粒径等に応じて適宜に設定され得、限定されるものでない。例えば、砂利の粒径が2〜30mm程度の場合を考えると、線径が0.5〜3mm程度のモノフィラメントを10〜50mm程度の外径寸法をもったループ状(還元すれば、ランダムに歪んで変形した粗巻コイル状又は螺旋状)に湾曲させて連続的に成形することが好適である。また、基材マット10の幅寸法は、成形装置が備えるノズルの並設数などによるが、成形や搬送、敷設等に際しての取扱いの容易さ等を考慮して10〜200cmの幅寸法とされることが望ましい。基材マット10の長さ寸法は、ロール状に巻き取ることによって5mやそれ以上とすることも可能であるが、同様に取扱いの容易さ等を考慮すると、例えば30cmや50cm程度の長さとされ得る。
このようにして製造された本実施形態の基材マット10は、複数本のループ状モノフィラメント22が、並列的に且つ隣接部分において相互に溶着一体化されてなり、且つそれら各ループ状モノフィラメント22には、長さ方向に連続した筒状空洞部24が形成されている。そして、かかる筒状空洞部24の集合により、前述の隙間18が、基材マット10の内部に形成されているのである。また、隣り合う筒状空洞部24,24間には、隣り合うループ状モノフィラメント22,22が、基材マット10の長さ方向(ループ長方向)で所定間隔を隔てた複数箇所において相互に溶着一体化されていることにより、ループ長方向に延びる骨格補強部26が形成されている。要するに、この骨格補強部26は、ループ状モノフィラメント22の単体よりも剛性及び強度が大きくされており、三次元網状構造における厚さ方向において耐潰れ強度の向上が図られているのである。
さらに、本実施形態では、基材マット10の底面(図中の下面)において、底面上の全体に広がる補強層28が設けられており、基材マット10の曲げ強度や曲げ剛性の向上が図られている。この補強層28は、透水性を確保するために多孔のもので、且つ基材マット10を構成するループ状モノフィラメント22に対して固着され得るものであれば良い。好適には、例えば熱可塑性の合成樹脂材料で形成された多孔の板状体が採用され、ループ状モノフィラメント22で構成された三次元網状構造の底面に対して複数の接触部位において溶着されて一体的に固着される。特に本実施形態では、三次元網状構造の底面に対して複数本のモノフィラメントを湾曲形状で重ね合わせるように成形し、各モノフィラメントを円を描きながら移動させることでトロコイド状に重なる円を連続して形成して相互の重なり部分で一体的に溶着固定すると共に、隣り合うモノフィラメント同士も接触部位で相互に溶着固定することにより、全体として二次元的な網状構造をもって補強層28が形成されている。なお、本実施形態では、基材マット10の表面(図中の上面)20に補強層が設けられていないが、補強層に充分な大きさの開口が確保できれば、基材マット10の表面20にも、底面と同様に補強層を設けても良い。
このような構造とされた基材マット10は、図4に示されているように地盤12の上に並置して敷き詰められている。なお、整地工程として、地盤12には、公知の路盤工事を行うことが望ましく、例えば、仕上面から100〜300mm程度の深さで地盤12を掘り下げた後、その整地して略平坦に均した床面に、C−40程度の砕石30を100〜250mm程度の厚さで敷き詰める。なお、更に必要に応じて細かい砕石等からなるレベル調整材を10〜30mm程度の厚さで敷き詰めても良い。その後、適当な転圧を行って突き固めることで、マット敷設面を形成する。
その後、このマット敷設面に対して、基材マット10を重ね合わせて順次に敷設するマット敷設工程を行うことになるが、基材マット10は、出来るだけ隙間なく敷き詰めることが望ましい。また、敷設の際や敷設後、更に施工後における基材マット10の移動や位置ずれを防止するために、基材マット10を地盤12に固定するマット固定工程を行うことが望ましい。かかる固定は、例えば地盤12の複数箇所に対して固定用ピン材32を打ち込んで、この固定用ピン材32の頭部を基材マット10に係止させることが有効である。即ち、固定用ピン材32は、金属や合成樹脂等の硬質材で形成されたペグ(peg)状のものであり、基材マット10の隙間18を通じて地盤に打ち込まれる杭の頭部に鉤状の係止部が形成されており、この係止部において基材マット10の例えば補強層28に係止されるようになっている。なお、隣り合う基材マット10,10同士を相互に固定する連結構造を採用しても良い。
次に、地盤12に基材マット10を敷き詰めて固定した後、砂利敷設工程として、その上から砂利14を投入する。本発明において採用される砂利14は、土木材料又は建設材料として、神社や寺院の境内、庭園、駐車場等にみられる砂利敷設構造を実現するのに採用可能なものであれば良く、砂利敷設構造が採用される場所や目的、用途等に応じて各種の砂利(砂利相当物を含む)が採用され得る。具体的には、従来から建設現場で砂利として用いられている天然由来の砂利や人工由来の砂利、再生骨材からなる砂利等を含み、例えば玉砂利や砕石は勿論、レンガ屑、樹脂砂利、硝子砂利、バークチップ等を、本発明において砂利14として採用することが出来、それにより、砂利敷設構造に要求される多様な趣向に対して広く対応することが可能となる。
また、砂利14の粒径も、採用する基材マット10における三次元網状構造の網目骨格の大きさや、要求される性能(車椅子や自転車の走行が予定される場合や、徒歩のみが予定される場合、自動車の走行も予定される場合などにそれぞれ対応した性能を含む)、要求される外観や趣きなどによって適宜に設定され得る。何れにしても、基材マット10における三次元網状構造の中の隙間18に入り込み得る大きさの粒径であれば良い。例えば一般の境内では、ふるいを使って選別した2〜10mm程度の粒径の砂利が好適に採用され得るが、複数種類の目の大きさのふるいを使って選別した複数種類の粒径の砂利を適当に混ぜて目的とする粒度分布を得た砂利等を採用することも可能である。
このような砂利14を、敷設された基材マット10の上に投入し、必要に応じて転圧する転圧工程を行う。これにより、砂利14は、基材マット10を構成する三次元網状構造の隙間18、換言すれば各ループ状モノフィラメント22の筒状空洞部24の中に入り込むようにして敷き均される。そして、砂利14が基材マット10の隙間18に均等に充填されるように地均しを行うことで、目的とする砂利敷設構造の施工が完了する。なお、砂利14は、基材マット10を全体に覆うようにして、基材マット10の上に2〜10mm程度の層厚で形成されても良いが、基材マット10を形成するループ状モノフィラメント22の上端部分が露出する程度に砂利14を敷設することにより、砂利14を基材マット10で一層強く保持せしめて砂利14の移動を制限することが可能となる。
因みに、上述の如き実施形態に従う施工実例を、図5〜7に示す。図5は、ループ状モノフィラメント22で形成した三次元網状構造を有する基材マット10の実例であり、底面には二次元網状構造を有する補強層28が溶着一体化されている。図6及び図7は、それぞれ、かかる基材マット10を用いて施工した砂利敷設構造34,36である。なお、図6に示す砂利敷設構造は、砂利14として、粒径が2〜5mm程度の玉砂利を採用したものであり、一方、図7に示す砂利敷設構造は、砂利14として、粒径が5〜10mm程度の砕石砂利を採用したものである。
これら図6及び図7に示す何れの砂利敷設構造34,36においても、砂利敷設構造の利点である景観が良好に保たれている。なお、これらの施工例では、基材マット10の存在を明確にするために砂利14の敷設厚さを調節したが、基材マット10のモノフィラメント22が隠れる程に砂利14を多く敷設しても良い。
また、これらの砂利敷設構造は、バインダー等を砂利間に充填するものでないことから、施工が容易であり、且つ砂利間の隙間が大きく確保されて、優れた透水性が発現され得る。しかも、砂利敷設構造の撤去も容易であると共に、撤去後に砂利を基材マット10から分離して再利用すること等も容易となる。
そして、図6,7に示された施工実例において実際に自動車を走行させたり、歩行したりして、性能を確認した結果、充分な強度を確保しつつ、砂利の移動を確実に抑えることが出来ることがわかった。その結果、砂利敷設構造の表面における車両の走行や歩行が容易であり、走行や歩行に伴う砂利の移動が抑えられて表面への窪みの発生も防止されることで良好な景観と性能が安定して維持され得ることを確認し得た。また、砂利の移動が規制されることにより、埃の発生も抑えられて環境の改善にも大きく寄与し得ることが判った。
10:基材マット、12:地盤、14:砂利、16:弾性線材、20:表面、22:ループ状モノフィラメント、24:筒状空洞部、26:骨格補強部、28:補強層、32:固定用ピン材、34,36:砂利敷設構造

Claims (6)

  1. 合成樹脂の弾性線材を立体的に湾曲成形し且つ複数の接触部位において相互に固着せしめることで一体化された三次元網状構造の基材マットが地盤に敷設されていると共に、該基材マット上に砂利が敷設され且つ該砂利が該基材マットの三次元網状構造体の内部に入り込んで充填状態で捕捉されていることを特徴とする砂利敷設構造。
  2. 前記基材マットが、モノフィラメントをランダムなループ状で長さ方向に堆積したループ体の複数本を並設すると共にそれら複数本のループ体を互いに隣り合うもの同士の相互の接触部位において固着せしめた構造とされることにより、
    該基材マットにおいて、各該ループ体の長さ方向に連続した筒状空洞部が形成されて、該筒状空洞部が該基材マットの表面側に開口せしめられていると共に、
    隣り合う該筒状空洞部間においてそれぞれ各該ループ体が相互に固着されることによって該ループ体の長さ方向に延びる骨格補強部が設けられている
    請求項1に記載の砂利敷設構造。
  3. 前記地盤に重ね合わされた前記基材マットの底面に対して、該底面上に広がるように重ね合わせられた二次元網状構造の補強層が設けられて固着されている請求項1又は2に記載の砂利敷設構造。
  4. 前記基材マットが、その複数箇所において、前記地盤に対して打ち込まれた固定用ピン材により、該地盤に対して位置固定されている請求項1〜3の何れか1項に記載の砂利敷設構造。
  5. 砂利敷設の対象となる地盤を整地する整地工程と、
    合成樹脂の弾性線材を立体的に湾曲成形し且つ複数の接触部位において相互に固着せしめることで一体化された三次元網状構造の基材マットを準備するマット準備工程と、
    該マット準備工程で準備した該基材マットを、該整地工程で整地した該地盤上に重ね合わせて設置するマット敷設工程と、
    該マット敷設工程で設置した該基材マットの上から砂利を敷設する砂利敷設工程と、
    該砂利敷設工程で敷設した該砂利を転圧せしめて該砂利を前記基材マットの三次元網状構造体の内部に入り込ませて充填状態で捕捉せしめる転圧工程と
    を含むことを特徴とする砂利敷設方法。
  6. 前記砂利敷設工程に先立って、前記マット敷設工程で設置した前記基材マットを、固定用ピン材により前記地盤に対して固定するマット固定工程を、更に含む請求項5に記載の砂利敷設方法。
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