JP5457990B2 - スイッチトキャパシタ回路 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチトキャパシタ回路に関し、特にCLS(Correlated Level Shift)技術を用いて構成され、低消費電力で動作するスイッチトキャパシタ回路に関する。
スイッチトキャパシタ回路によるサンプルホールド回路の一般的な従来例を図3に示す。
図3に示すスイッチトキャパシタ回路300は、入力端子、出力端子、全差動演算増幅器AMP1及びAMP2、スイッチSW1a、SW1b〜SW9a、SW9bおよびコンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfb、Cca、Ccbを備えて構成される。
入力端子は、アナログ入力信号Vip、Vinを入力する端子である。出力端子は、入力端子から入力されたアナログ入力信号Vip、Vinが増幅され、アナログ出力信号Vop、Vonとして出力される端子である。
スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bは、例えば図示しない制御部から出力される制御信号によって回路の接続状態を切り替えることにより、アナログ入力信号Vip、Vinをサンプリングするためのサンプリング用スイッチである。
コンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfbは、スイッチによる接続状態を切り替えることによって、アナログ入力信号Vip、Vinに対応する電荷を貯蓄・保持し、入力端子から入力されたアナログ入力信号をサンプルおよびホールドするためのサンプリング用コンデンサである。
コンデンサCla、Clbは、負荷容量である。
全差動演算増幅器AMP1は、コンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfbでサンプルおよびホールドされたアナログ入力信号Vip、Vinを増幅する機能部である。
全差動演算増幅器AMP2は、上述した全差動演算増幅器AMP1と同じように機能するが、図示のように全差動演算増幅器AMP1に縦列に接続され、増幅度を高めるように機能する。
即ち、このスイッチトキャパシタ回路は、演算増幅部が2つの全差動演算増幅器AMP1、AMP2を用いて2ステージで構成される。
コンデンサCca、Ccbは全差動演算増幅器AMP1、AMP2が安定して動作するための位相補償用コンデンサとして機能する。
図3に示したサンプルホールド回路のサンプル状態の接続を図4(a)に等価回路300aとして示す。また、ホールド状態の接続を図4(b)に等価回路300bとして示す。図4(a)、図4(b)より、スイッチトキャパシタ回路におけるアンプの入力コモン(サミングノード)電圧は、Vsc=Vic−(Vic−Vcm2)と表され、Vic(入力コモン電圧)=Vcm2(出力コモン電圧)の場合、Vsc=Vacとなる。
図5は、近年提案され、注目されているCLS(Correlated Level Shift)技術を用いて構成されるスイッチトキャパシタ回路の回路構成図である(例えば特許文献1参照)。
図5のスイッチトキャパシタ回路において図3のサンプルホールド回路におけるコンデンサ、スイッチ、および、端子と同様に機能する各機能部には同一の符号を附してある。
図5において、図3には存在しないスイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7b、SW8a、SW8bは、全差動演算増幅器AMP2とコンデンサClsa、Clsbとの接続状態を切り替えるレベルシフト用スイッチとして機能する。
図5におけるコンデンサClsa、Clsbは、エスティメートフェーズにて全差動演算増幅器AMP2から出力される増幅されたアナログ入力信号をサンプルし、レベルシフトフェーズにてアナログ出力信号Vop、Vonにレベルシフトするレベルシフト用コンデンサとして機能する。
次に、図6を参照して、CLS技術を用いて構成されるスイッチトキャパシタ回路におけるサンプルフェーズ、エスティメートフェーズ、および、レベルシフトフェーズの作用について、本発明者が行った解析結果について説明する。
図6は、図5の回路に係るスイッチトキャパシタ回路におけるサンプルフェーズ、エスティメートフェーズ、および、レベルシフトフェーズの等価回路図である。
図6(a)はスイッチトキャパシタ回路500におけるサンプルフェーズ時の等価回路500aを示し、図6(b)はスイッチトキャパシタ回路500におけるエスティメートフェーズ時の等価回路500bを示し、図6(c)はスイッチトキャパシタ回路500におけるレベルシフトフェーズ時の等価回路500cを示す。
まず、サンプルフェーズ時、スイッチトキャパシタ回路500の前段(本例では初段)ではスイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bが接続状態になると共に、スイッチSW5a、SW5bとSW9a、SW9bが切断状態となる。さらに、スイッチトキャパシタ回路500の後段ではスイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7bが接続状態になると共に、スイッチSW4a、SW4bとSW8a、SW8bが切断状態となり、図6(a)に示すような等価回路500aとなる。
このとき、4つのコンデンサCfa、Cfb、Csa、Csbにアナログ入力信号Vip、Vinに対応する電荷がそれぞれ貯蓄され、アナログ入力信号Vip、Vinがサンプルされる。
続いて、エスティメートフェーズ時、スイッチトキャパシタ回路500の前段ではスイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bが切断状態となると共に、スイッチSW5a、SW5bとSW9a、SW9bが接続状態となる。さらに、スイッチトキャパシタ回路500の後段ではスイッチSW4a、SW4bが接続状態になると共に、スイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7bは接続状態のままで、スイッチSW8a、SW8bは切断状態のままであるので、図6(b)に示すような等価回路500bとなる。
このとき、前段(本例では初段)では、コンデンサCfa、Cfb、Csa、Csbのそれぞれに貯蓄された電荷が保持されるため、全差動演算増幅器AMP1、AMP2によってアナログ入力信号Vip、Vinを増幅した信号が出力される。
さらに、後段では、レベルシフト用のコンデンサClsa、Clsbは、全差動演算増幅器AMP2の出力端子と、全差動演算増幅器AMP2の反転入力端子との間に接続される。
この態様のスイッチトキャパシタ回路500では特に、レベルシフト用のコンデンサClsa、Clsbは、Cca、Ccbと同様に全差動演算増幅器AMP2の位相補償を併せて行うように機能すると共に、全差動演算増幅器AMP2から出力される増幅されたアナログ入力信号をサンプルする。
そして、レベルシフトフェーズ時、スイッチSW6a、SW6bおよびSW7a、SW7bは切断され、SW8a、SW8bが接続されると、図6(c)に示すような等価回路500cとなる。
このとき、コンデンサClsa、Clsbは、レベルシフト用のコンデンサとして機能する。従来回路と同様に、全差動演算増幅器AMP2の出力は出力コモン電圧Vcm2にレベルシフトされ、Clsa、Clsbの右端がアナログ出力信号VopL、VonLとして出力される。
上述のスイッチトキャパシタ回路では、所定のレベルシフト用コンデンサを、エスティメートフェーズで、全差動演算増幅器の出力のサンプルと全差動演算増幅器の位相補償とに兼用し、レベルシフトフェーズでは、全差動演算増幅器の出力のレベルシフトに用いている。
図5のスイッチトキャパシタ回路では、このように所定のレベルシフト用コンデンサを全差動演算増幅器の出力のサンプルと全差動演算増幅器の位相補償に兼用することにより、全差動演算増幅器の負荷を低減させ、スイッチトキャパシタ回路における消費電力を低減させている。
特開2010−114587号公報
続いて、図6(b)および図6(c)を参照して、エスティメートフェーズ時およびレベルシフトフェーズ時の電荷の挙動に着目して、出力コモン電圧を算出する。
ここで、Vcm1は全差動演算増幅器AMP1のコモン電圧、Vcm2は全差動演算増幅器AMP2のコモン電圧である。Vip、Vinはアナログ信号である入力電圧、VopE、VonEはエスティメートフェーズでのアナログ出力電圧、VopL、VonLはレベルシフトフェーズでのアナログ出力電圧、Vacは全差動演算増幅器AMP1のサミングノード電位を決めるリファレンス電圧である。VspE、VsnEはエスティメートフェーズでの全差動演算増幅器AMP1のサミングノードの電圧、VspL、VsnLはレベルシフトフェーズでの全差動演算増幅器AMP1のサミングノードの電圧である。
今、各ノードのコモンモード電圧を簡易に求めるため、差動入力信号がゼロ(Vip=Vin=Vic)の場合を考える。
コモンモード電圧は差動信号がどのような値の場合においても一定であるためこの条件を与えて求めたコモンモード電圧はどのような入力信号においても同じ値となる。
このときVspE=VsnE、VspL=VsnL、VopL=VonLが成り立つので、それぞれを、VspE=VsnE=VsE、VspL=VsnL=VsL、VopL=VonL=VoLとおく。
また、V1pE=V1nE=Vcm1、VopE=VonE=Vcm2が成り立つ。
図6(b)のエスティメートフェーズ時のVspEが印加されているノードの電荷Q1Eは
Q1E
=Csa・(VsE−Vic)+Cfa・(VsE−Vcm2)
=(Csa+Cfa)・VsE−Csa・Vic−Cfa・Vcm2………(1)
となる。
また、VopEが印加されているノードの電荷Q2Eは
Q2E
=Clsa・(Vcm2−Vcm1)+Cfa・(Vcm2−VsE)
+Cca・(Vcm2−Vcm1)+Cla・(Vcm2―Vac)
=(Clsa+Cfa+Cca+Cla)・Vcm2−Cfa・VsE
−(Cca+Clsa)・Vcm1―Cla・Vac……………………………(2)
となる。
一方、図6(c)のレベルシフトフェーズ時のVspLが印加されているノードの電荷Q1Lは
Q1L
=Csa・(VsL−Vic)+Cfa・(VsL−・VoL)
=(Csa+Cfa)・VsL−Csa・Vic−Cfa・VoL…………(3)
となる。
VopLが印加されているノードQ2Lの電荷は
Q2L
=Clsa・(VoL−Vcm2)+Cfa・(VoL−VsL)
+Cca・(VoL−Vcm1)+Cla・(VoL―Vac)
=(Clsa+Cfa+Cca+Cla)・VoL−Cfa・VsL
−Clsa・Vcm2−Cca・Vcm1―Cla・Vac……………………(4)
となる。
電荷保存の法則よりQ1E=Q1Lであるため、式(1)と式(3)より
(Csa+Cfa)(VsE−VsL)−Cfa(Vcm2−VoL)=0…(5)
同様に、Q2E=Q2Lであるため、式(2)と式(4)より
(Clsa+Cfa+Cca+Cla)(Vcm2−VoL)
−Cfa(VsE−VsL)
−Clsa(Vcm1−Vcm2)=0………………………………………(6)
が成立する。
式(5)を変形すると式(7)が得られる。
Vcm2−VoL=(Csa+Cfa)(VsE−VsL)/Cfa………(7)
式(7)を式(6)へ代入すると、
(Clsa+Cfa+Cca+Cla)(Csa+Cfa)(VsE−VsL)/Cfa
−Cfa(VsE−VsL)−Clsa(Vcm1−Vcm2)=0
変形して、
{(Clsa+Cfa+Cca+Cla)(Csa+Cfa)/Cfa−Cfa}(VsE−VsL)=Clsa(Vcm1−Vcm2)
従って、
VsE−VsL=Clsa(Vcm1−Vcm2)/{(Clsa+Cfa+Cca
+Cla)(Csa+Cfa)/Cfa−Cfa}………………………………(8)
が成立する。
ここで、全差動演算増幅器AMP1のコモン電圧Vcm1、および、全差動演算増幅器AMP2のコモン電圧Vcm2について、Vcm1=Vcm2であればVsE−VsL=0となりエスティメートフェーズでのAMP1入力コモン電圧VsEと、レベルシフトフェーズでのAMP1入力コモン電圧VsLが等しくなる。
本発明者は上掲の図5のスイッチトキャパシタ回路について以上のようにその動作を解析した。そして、更なる実用段階での開発に向かって考察を深め、現状での構成によるスイッチトキャパシタ回路では、未だ、次のような現実的な技術課題が残されているという知見を得るに到った。
即ち、低電源電圧でも全差動演算増幅器AMP1、AMP2が動作できるように設計すると設計の自由度が制限されVcm1=Vcm2とする事が難しくなる。
Vcm1とVcm2とが等しくない場合、エスティメートフェーズとレベルシフトフェーズとでは、AMP1入力コモン電圧が異なることになり、全差動演算増幅器AMP1には上記両フェーズにおける入力コモン電圧を受容可能な広い同相入力レンジが必要となってしまう。これもまたAMP1の低電源電圧化の妨げとなる。
本発明は、本発明者による上述のようなスイッチトキャパシタ回路の動作に係る詳細な解析によって新たに見出された具体的な技術課題を解決するべくなされたものであり、エスティメートフェーズとレベルシフトフェーズとで、所定のレベルシフト用コンデンサを、全差動演算増幅器の出力のサンプルと全差動演算増幅器の位相補償とに兼用する方式のCLS技術を適用したスイッチトキャパシタ回路において、入出力コモン電圧の変動が抑止されて低電圧化によく適合するスイッチトキャパシタ回路を提供することを目的としている。
上記目的に鑑みて、ここに、以下に列記する技術を提案する。
)複数のサンプリング用スイッチと、
前記複数のサンプリング用スイッチとそれぞれ接続され、当該複数のサンプリング用スイッチを切り替えることによりアナログ入力信号をサンプルおよびホールドする複数のサンプリング用コンデンサと、
互いに縦列に接続され、前記複数のサンプリング用コンデンサによりサンプルおよびホールドされたアナログ入力信号を増幅して出力する複数の全差動演算増幅器と、
前記複数の全差動演算増幅器により増幅されたアナログ入力信号をサンプルおよびレベルシフトするレベルシフト用コンデンサ並びに前記レベルシフト用コンデンサと前記複数の全差動演算増幅器との接続状態を切り替える複数のレベルシフト用スイッチから成るCLS回路部とを備え、
前記レベルシフト用コンデンサは、前記増幅されたアナログ入力信号をサンプルするフェーズで、前記複数の全差動演算増幅器のうちの最後段の全差動演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続されて当該最後段の全差動演算増幅器の位相補償用コンデンサとして機能するようになっているスイッチトキャパシタ回路であって、
前記エスティメートフェーズからレベルシフトフェーズへの移行に際して前記最後段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧を既定の第2電圧から初段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧と等しい既定の第1電圧となるように当該移行のタイミングで切替えて保持する出力コモン電圧保持回路を備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
上記()のスイッチトキャパシタ回路では、CLS回路部におけるレベルシフト動作時に、エスティメートフェーズからレベルシフトフェーズへの移行に際して、前記出力コモン電圧保持回路によって、最後段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧が初段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧と等しくなるように切替えられて保持される。
)前記出力コモン電圧保持回路は、前記初段の全差動演算増幅器における出力コモン電圧に等しい電圧を選択して前記最後段の全差動演算増幅器に供給するスイッチ手段を備えることを特徴とする(1)のスイッチトキャパシタ回路。
上記()のスイッチトキャパシタ回路では、(1)のスイッチトキャパシタ回路において特に、出力コモン電圧保持回路が、初段の全差動演算増幅器における出力コモン電圧に等しい電圧を選択して最後段の全差動演算増幅器に供給するため、エスティメートフェーズからレベルシフトフェーズへの移行に際して、初段の全差動演算増幅器および最後段の全差動演算増幅器の各出力コモン電圧が等しくなる。
エスティメートフェーズとレベルシフトフェーズとで、所定のレベルシフト用コンデンサを、全差動演算増幅器の出力のサンプルと全差動演算増幅器の位相補償とに兼用する方式のCLS技術を適用したスイッチトキャパシタ回路において、入出力コモン電圧の変動が抑止されて、同相入力レンジの大きさに関する要求水準が低減される。このため、十分な低電圧化が図られ、消費電力が低減されたスイッチトキャパシタ回路を実現できる。
本発明の一つの実施の形態としてのスイッチトキャパシタ回路の回路構成図である。 図1のスイッチトキャパシタ回路に適用されたCLS技術における各フェーズでの動作を説明するための等価回路を表す図である。 スイッチトキャパシタ回路によるサンプルホールド回路の従来例を表す回路図である。 図3のサンプルホールド回路の動作を説明するための図である。 CLS技術を用いて構成される従来のスイッチトキャパシタ回路の回路構成図である。 図3のスイッチトキャパシタ回路に適用されたCLS技術における各フェーズでの動作を説明するための等価回路図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一つの実施の形態としてのスイッチトキャパシタ回路の回路構成図である。
図1のスイッチトキャパシタ回路100はCLS技術を用いて構成されている。
図1に示すスイッチトキャパシタ回路100は、入力端子、出力端子、全差動演算増幅器AMP1及びAMP2、スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3b、SW5a、SW5b、SW6a、SW6b、SW7a、SW7b、SW8a、SW8b、SW9a、SW9b、および、コンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfb、Cca、Ccb、Clsa、Clsbを備えて構成される。図示のとおり、初段の全差動演算増幅器AMP1と最後段の全差動演算増幅器とは従属接続されている。
入力端子は、アナログ入力信号Vip、Vinを入力する端子である。出力端子は、入力端子から入力されたアナログ入力信号Vip、Vinが増幅され、アナログ出力信号Vop、Vonとして出力される端子である。
スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bは、例えば図示しない制御部から出力される制御信号によって回路の接続状態を切り替えることにより、アナログ入力信号Vip、Vinをサンプリングするためのサンプリング用スイッチである。
コンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfbは、上述の各サンプリング用スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bによる接続状態を切り替えることによって、アナログ入力信号Vip、Vinに対応する電荷を貯蓄・保持し、入力端子から入力されたアナログ入力信号をサンプルおよびホールドするためのサンプリング用コンデンサである。
一方、スイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7b、SW8a、SW8bは、このスイッチトキャパシタ回路100に適用されたCLS技術における全差動演算増幅器AMP2とコンデンサClsa、Clsbとの接続状態を切り替えるレベルシフト用スイッチとして機能する。
また、コンデンサCla、Clbは、負荷容量である。
全差動演算増幅器AMP1は、コンデンサCsa、Csb、Cfa、Cfbでサンプルおよびホールドされたアナログ入力信号Vip、Vinを増幅する機能部である。
全差動演算増幅器AMP2は、上述の全差動演算増幅器AMP1と同様に機能するが、図示のように全差動演算増幅器AMP1に縦列に接続され、増幅度を高めるように機能する。
即ち、このスイッチトキャパシタ回路100は、演算増幅部が2つの全差動演算増幅器AMP1、AMP2を用いて2ステージで構成される。
そして、図1に示すスイッチトキャパシタ回路100で、コンデンサCca、Ccbは全差動演算増幅器AMP1、AMP2が安定して動作するための位相補償用コンデンサとして機能する。
次に、図1のスイッチトキャパシタ回路100のサンプルフェーズ、エスティメートフェーズ、および、レベルシフトフェーズでの作用について図2の等価回路を参照して説明する。
図2は、図1のスイッチトキャパシタ回路に適用されたCLS技術における各フェーズでの動作を説明するための等価回路を表す図である。
図2(a)はスイッチトキャパシタ回路100におけるサンプルフェーズ時の等価回路100aを示し、図2(b)はスイッチトキャパシタ回路100におけるエスティメートフェーズ時の等価回路100bを示し、図2(c)はスイッチトキャパシタ回路100におけるレベルシフトフェーズ時の等価回路100cを示している。
まず、サンプルフェーズ時、スイッチトキャパシタ回路100の前段(本例では初段)ではスイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bが接続状態になると共に、スイッチSW5a、SW5b、SW9a、SW9bが切断状態となる。
さらに、スイッチトキャパシタ回路100の後段ではスイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7bが接続状態になる共に、スイッチSW4a、SW4bとSW8a、SW8bが切断状態となり、この結果、図2(a)に示すような等価回路100aが形成される。
上述のような等価回路100aが構成されている状態では、4つのコンデンサCfa、Cfb、Csa、Csbにアナログ入力信号Vip、Vinに対応する電荷がそれぞれ貯蓄され、アナログ入力信号Vip、Vinがサンプルされる。
続いて、エスティメートフェーズ時、スイッチトキャパシタ回路100の前段ではスイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2b、SW3a、SW3bが切断状態となると共に、スイッチSW5a、SW5b、SW9a、SW9bが接続状態となる。
さらに、スイッチトキャパシタ回路100の後段ではスイッチSW4a、SW4b、SW_Eが接続状態になると共に、スイッチSW6a、SW6b、SW7a、SW7bは接続状態のままで、スイッチSW8a、SW8bは切断状態のままであるので、図2(b)に示すような等価回路100bが形成される。
上述のような等価回路100bが構成されている状態では、前段(本例では初段)では、コンデンサCfa、Cfb、Csa、Csbのそれぞれに貯蓄された電荷が保持されるため、全差動演算増幅器AMP1、AMP2によってアナログ入力信号Vip、Vinを増幅した信号が出力される。
さらに、後段(本例では最後段)では、レベルシフト用のコンデンサClsa、Clsbは、全差動演算増幅器AMP2の出力端子と、全差動演算増幅器AMP2の対応する反対極性の入力端子との間にそれぞれ接続される。そして、全差動演算増幅器AMP2から出力される増幅されたアナログ入力信号をサンプルする。
またスイッチSW_Eが接続状態となることにより、全差動演算増幅器AMP2には、図示しない定電圧源からの電圧Vcm2が供給される。
そして、レベルシフトフェーズ時、スイッチSW6a、SW6bおよびSW7a、SW7bは切断され、SW8a、SW8bが接続されると、図2(c)に示すような等価回路100cが形成される。
このとき、コンデンサClsa、Clsbは、レベルシフト用のコンデンサとして機能する。そして、CLS技術を適用したこの種の回路における通常の作用の如く、全差動演算増幅器AMP2の出力はコモン電圧にレベルシフトされる。
図1のスイッチトキャパシタ回路100では特に、このレベルシフトに際して、スイッチSW_Lが接続状態となり、図示しない定電圧源からの電圧Vcm1が供給されて、全差動演算増幅器AMP2の出力コモン電圧が全差動演算増幅器AMP1の出力コモン電圧と同電圧となる。
即ち、図1のスイッチトキャパシタ回路100では、定電圧源からの既定の第2電圧である電圧Vcm2および既定の第1電圧であるVcm1を選択的に全差動演算増幅器AMP2の出力コモン電圧として供給するためのスイッチSW_EおよびSW_Lと導体部とを含んで、出力コモン電圧保持回路110が構成されている。この出力コモン電圧保持回路110によって、エスティメートフェーズからレベルシフトフェーズへの移行に際して最後段の全差動演算増幅器AMP2の出力コモン電圧を初段の全差動演算増幅器AMP1の出力コモン電圧Vcm1(既定の第1電圧)、従って、最後段の全差動演算増幅器AMP2の入力コモン電圧、と等しくなうように、電圧Vcm2(既定の第2電圧)から電圧Vcm1(既定の第1電圧)に当該移行のタイミングで切替えて保持する出力コモン電圧保持回路110が構成されている。
図1の実施の形態では出力コモン電圧保持回路110が、上述のように、エスティメートフェーズにおいては全差動演算増幅器AMP2にその出力コモン電圧としてこの全差動演算増幅器AMP2における通常時の仕様に適合した電圧Vcm2を供給するため、適正な動作点で正規に動作する。そして、レベルシフトフェーズへの移行に際して、全差動演算増幅器AMP2の出力コモン電圧が全差動演算増幅器AMP1の出力コモン電圧Vcm1と等しくなうように切替えられ、保持される。このため、入出力コモン電圧の変動が抑止されて、同相入力レンジの大きさに関する要求水準が低減される。このため、十分な低電圧化が図られ、消費電力が低減されたスイッチトキャパシタ回路を実現できる。
以下、さらに図2を参照して、エスティメートフェーズ時、レベルシフトフェーズ時の電荷の挙動に着目して、出力コモン電圧を算出する。
ここでも、各ノードのコモンモード電圧を簡易に求めるため、差動入力信号がゼロ(Vip=Vin=Vic)の場合を想定する。コモンモード電圧は差動信号がどのような値の場合においても一定のためこの条件を与えて求めたコモンモード電圧はどのような入力信号においても同じ値となる。
このとき、図2(b)および図2(c)における各部位の電圧は、VspE=VsnE、VspL=VsnL、VopL=VonLが成り立つので、それぞれを、VspE=VsnE=VsE、VspL=VsnL=VsL、VopL=VonL=VoLとおく。また、V1pE=V1nE=Vcm1、VopE=VonE=Vcm2が成り立つ。
図2(b)のエスティメートフェーズ時の接続は既述の等価回路500bと同一である。従って、上掲の式(1)、(2)が成立する。
また、図2(c)のレベルシフトフェーズ時のVspLが印加されているノードの電荷Q1Lは
Q1L
=Csa・(VsL−Vic)+Cfa・(VsL−・VoL)
=(Csa+Cfa)・VsL−Csa・Vic−Cfa・VoL………(13)
となる。
一方、VopLが印加されているノードQ2Lの電荷は
Q2L
=Clsa・(VoL−Vcm1)+Cfa・(VoL−VsL)
+Cca・(VoL−Vcm1)+Cla・(VoL―Vac)
=(Clsa+Cfa+Cca+Cla)・VoL−Cfa・VsL
−(Clsa+Cca)・Vcm1―Cla・Vac…………………………(14)
となる。
電荷保存の法則よりQ1E=Q1Lであるため、式(1)と式(13)より
(Csa+Cfa)(VsE−VsL)−Cfa(Vcm2−VoL)=0…(15)
同様に、Q2E=Q2Lなので、式(2)と式(14)より
(Clsa+Cfa+Cca+Cla)(Vcm2−VoL)
−Cfa(VsE−VsL)=0…………………………………………………(16)
が成立する。
式(15)を変形すると式(17)が得られる。
Vcm2−VoL=(Csa+Cfa)(VsE−VsL)/Cfa…………(17)
式(17)を式(16)へ代入すると、
{(Clsa+Cfa+Cca+Cla)(Csa+Cfa)(VsE−VsL)/Cfa−Cfa}(VsE−VsL)=0
従って、
VsE−VsL=0………………………………………………………………(18)
が成立する。
即ち、エスティメートフェーズとレベルシフトフェーズとで全差動演算増幅器AMP1の電位変化がないため、全差動演算増幅器AMP1には同相入力レンジの狭い構造のアンプを用いることが可能となり、全差動演算増幅器AMP1を低電源電圧化することが可能となる。
100、300、500……………スイッチトキャパシタ回路
100a、100b、100c……等価回路
110…………………………………出力コモン電圧保持回路
300a、300b、………………等価回路
500a、500b、500c……等価回路

Claims (2)

  1. 複数のサンプリング用スイッチと、
    前記複数のサンプリング用スイッチとそれぞれ接続され、当該複数のサンプリング用スイッチを切り替えることによりアナログ入力信号をサンプルおよびホールドする複数のサンプリング用コンデンサと、
    互いに縦列に接続され、前記複数のサンプリング用コンデンサによりサンプルおよびホールドされたアナログ入力信号を増幅して出力する複数の全差動演算増幅器と、
    前記複数の全差動演算増幅器により増幅されたアナログ入力信号をサンプルおよびレベルシフトするレベルシフト用コンデンサ並びに前記レベルシフト用コンデンサと前記複数の全差動演算増幅器との接続状態を切り替える複数のレベルシフト用スイッチから成るCLS回路部とを備え、
    前記レベルシフト用コンデンサは、前記増幅されたアナログ入力信号をサンプルするフェーズで、前記複数の全差動演算増幅器のうちの最後段の全差動演算増幅器の反転入力端子と出力端子との間に接続されて当該最後段の全差動演算増幅器の位相補償用コンデンサとして機能するようになっているスイッチトキャパシタ回路であって、
    前記エスティメートフェーズからレベルシフトフェーズへの移行に際して前記最後段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧を既定の第2電圧から初段の全差動演算増幅器の出力コモン電圧と等しい既定の第1電圧となるように当該移行のタイミングで切替えて保持する出力コモン電圧保持回路を備えたことを特徴とするスイッチトキャパシタ回路。
  2. 前記出力コモン電圧保持回路は、前記初段の全差動演算増幅器における出力コモン電圧に等しい電圧を選択して前記最後段の全差動演算増幅器に供給するスイッチ手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトキャパシタ回路。
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