JP5457858B2 - 薬液供給方法及び薬液供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造工程のうち、スラリーを使用する化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)(以下、CMPと称す)工程に薬液を供給する薬液供給方法及び薬液供給装置に関する。
半導体デバイスや液晶の駆動デバイスなどの集積回路を製造する際に、CMP工程は層間絶縁膜、シャロー・トレンチ分離用絶縁膜、導電性金属膜等の複数の膜に対して平坦化の目的で用いられているが、特に導電性金属膜の平坦化を目的とする場合は酸化力を有する成分を必須としている。特に最近では、ダマシン法により銅配線を形成する際のCMP工程では、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウムなどの砥粒を含むスラリーに、酸化剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素水、硝酸第二鉄、硝酸第二アンモニウムセリウムなどのいずれかを混合させるが、なかでも過硫酸塩は過酸化水素よりも酸化電位が高い為、その酸化力が高く、配線材料である銅やバリア膜であるタンタルやタンタル化合物を研磨する際の研磨特性が優れており、最も有力な候補と言える。その反応式の一例は、以下の通りである。
2H2O→H22+2H++2e−E0=1.78V
2SO4 2-→S28 2-+2e−E0=2.01V
CMP工程に酸化剤として過硫酸塩を用いる場合、通常は過硫酸塩の水溶液として使用する。この水溶液は、常温では酸化性成分の分解が顕著である為、水溶液で輸送する場合は10度以下に保冷して分解を防止する必要がある。しかし、これには冷却の為のエネルギーと、溶媒を輸送するという無駄なコストが発生することになる。そこで、過硫酸塩の粉末を一般的な袋包装に充填して輸送し、半導体製造工場内で開封した後に所定の容器に移し替えて超純水などの溶媒にて溶解するか、予め過硫酸塩の粉末を溶解用の容器に充填して輸送しておき、使用前にその容器へ超純水などの溶媒を投入して溶解する運用が採られている。
ここで、前述の運用には問題点が少なくとも3点挙げられる。
1点目は、過硫酸塩水溶液の品質維持の問題である。使用前に過硫酸塩の粉末が充填された袋包装や容器を開封すると、開封時に過硫酸塩の粉末が周囲の雰囲気に曝されることにより、有機物などの不純物が混入する可能性が高い。工業用ではそれほど問題にならないが、半導体製造工程に用いる場合はこの汚染の問題は致命的である。また、開封時に過硫酸塩の粉末が工場内に飛散し、人体への悪影響も懸念される。
2点目は、過硫酸塩水溶液の性能維持の問題である。前述した通り過硫酸塩水溶液は経時的に分解する性質があり、半導体製造工場内で粉末を溶解して所望の濃度に調整して供給する場合は、溶解後に過硫酸塩水溶液の酸化力が保たれている一定時間内で出来るだけ使い切るような運用を行いながら、一定時間を経過した場合は廃棄することが多い。即ち、一定時間で使い切れる量の過硫酸塩水溶液を作成しておき、使い終わったら次の容器で新たに過硫酸塩水溶液を作成するといったバッチ方式が採られる。しかしながらこの方法では、その過硫酸塩水溶液の保管条件や環境変化の影響に対するマージンをおかなければならず、廃棄する量が多い。また半導体製造工場の生産量は常に一定ではない為、生産量が低下した場合は廃棄する量が更に多くなる傾向にある。
3点目は、輸送コストの問題である。過硫酸塩の飽和濃度は比較的低く、例えば、過硫酸アンモニウムの飽和濃度は40%程度である。輸送用の容器の大きさは一般的に200Lのものが多く、この容器は過硫酸アンモニウム粉末を溶解して出来る水溶液の貯蔵用としても使用される。例えば、200Lの容器で40%の濃度の過硫酸アンモニウム水溶液を作成する場合、容器へ充填出来る過硫酸アンモニウム粉末の重量は最大で約80kgとなる。つまり、容器の大きさに対して充填される過硫酸塩の重量は半分以下であり、これは輸送効率に無駄が生じていると言える。
1点目の課題を解決する為に、例えば、粉末の飛散や悪臭の放散といった周囲環境の汚染を防ぐ薬剤投入装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記特許文献1に記載されている薬剤投入装置では、下記に挙げる課題を有することが分かった。即ち、容器を倒立又は傾斜させて薬剤を調合槽へ投入した場合、特に過硫酸塩では、一度に調合槽へ落下した粉末は溶け残りが生じることがある為、調合槽での撹拌が必須であることが分かった。また、静電気によって容器の内壁に過硫酸塩が付着することや、部品同士の隙間に過硫酸塩が入り込むことで、全ての過硫酸塩が調合槽へ投入出来ない恐れがある。更には、容器へ筒状体を螺合する際に付着する不純物や、蓋体(弁)の可動部からの不純物が、過硫酸塩を汚染することが考えられる。容器の大きさを大きくすることも、安全面を考慮すると難しい。2点目の課題については、一度調合した薬剤水溶液は調合槽が空になるまで使い切るというバッチ方式の為、この課題を解決することは出来ない。3点目の課題については、上記従来装置は容器に充填された薬剤を投入することを前提としている為、この課題を解決することが出来ない。
2点目及び3点目の課題を解決する為に、例えば、半導体製造工場のオンサイトで原料粉末から水溶液を調製する装置が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記特許文献2に記載されている処理液調整装置では、下記に挙げる課題を有することが分かった。即ち、原料粉末を溶解調製槽へ投入する際に使用するスクリューフィーダーは、機械的に擦れる部分(摺動部)がある為、ホッパーから粉末をかき出す際に、粉末を汚染させる危険性がある。また、特に過硫酸塩は吸湿性が高い為、ホッパー内で簡易に保管するだけでは、周囲の水分により固化する可能性があり、厳密な湿度管理が必要になる。吸湿固化した過硫酸塩は水に溶解し難くなるだけではなく、溶質の重量も変化する為、水溶液濃度の誤差にも繋がる。従って、上記従来装置は、オンサイトで過硫酸塩の粉末から水溶液を調整する方法には適していない。
特開2006−223953公報 特開2003−209092公報
本発明は、上記した従来技術の課題を解決し、薬液の原料となる過硫酸塩の固形物が周囲の環境と接触し、汚染されることを防止し、輸送効率を向上することが出来、しかも、過硫酸塩水溶液の作成工程も簡略化出来るとともに、より高精度な濃度調整かつ安定した長期保管が可能となる、CMP工程へ過硫酸塩を含む薬液を供給する薬液供給方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明における第1の課題解決手段は、上記目的を達成する為、CMP工程へ過硫酸塩を含む薬液を供給する薬液供給方法において、少なくとも1つの溶媒投入口を有する密閉された充填容器に一定量の過硫酸塩の固形物を充填し、当該充填容器の底部まで挿入した挿入管を用いて当該充填容器の底部まで溶媒を投入することで過硫酸塩の固形物を溶解し、溶解した過硫酸塩水溶液をポンプ又は溶媒の流入圧力で前記充填容器より排出し、貯蔵用タンクへ投入するとともに、前記充填容器より排出する過硫酸塩水溶液の濃度を測定することで、所望の濃度とする為に不足した溶媒の量を計算し、過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンクへ投入すると同時に、不足した量の溶媒を前記貯蔵用タンク内へ投入しながら所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成し、所望の濃度に調整した過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンク内に貯蔵した薬液供給法方法を提供することにある。
本発明における第2の解決手段は、前記過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを使用した薬液供給法方法を提供することにある。
本発明における第3の解決手段は、前記貯蔵用タンク内に貯蔵された過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度よりも高い場合、不足した溶媒の量を追加投入して、過硫酸塩水溶液の濃度をより高精度に調整する薬液供給法方法を提供することにある。
本発明における第4の解決手段は、溶解した過硫酸塩水溶液を循環する配管又は貯蔵する貯蔵用タンクに温度調節機構を設け、過硫酸塩水溶液の温度を一定に制御して過硫酸塩水溶液の分解を防止する薬液供給法方法を提供することにある。
本発明における第5の解決手段は、一定量の過硫酸塩の固形物を充填するとともに、当該過硫酸塩の固形物を溶解し、溶解した過硫酸塩水溶液を排出する為、少なくとも1つの溶媒投入口を有する密閉された充填容器と当該充填容器の底部まで挿入した挿入管と当該充填容器に接続した排出口と当該排出口に接続した貯蔵用タンクと前記充填容器より排出する過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度とする為に不足した溶媒の量を計算し、過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンクへ投入すると同時に、不足した量の溶媒を前記貯蔵用タンク内へ投入しながら所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成し、所望の濃度に調整する濃度調整機構を有する薬液供給装置を提供することにある。
本発明における第6の解決手段は、前記貯蔵用タンク内に貯蔵された過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度に満たない場合、不足した溶媒の量を追加投入して、過硫酸塩水溶液の濃度をより高精度に調整する濃度調整機構を有する薬液供給装置を提供することにある。
本発明によれば、過硫酸塩の固形物を密閉された充填容器に充填した状態で装置に装着する事が出来るので、過硫酸塩の固形物が周囲の環境と接触し、汚染されることを防止することが出来る。また、この充填容器は、過硫酸塩の溶解用と貯蔵用を兼ねている従来型とは違い、溶解用に特化したものである為、任意の量の過硫酸塩を充填容器に充填することが出来ることから、輸送効率を向上することが出来る。更には、充填容器へ直接超純水などの溶媒を投入し、過硫酸塩の固形物を溶解しながら排出された過硫酸塩水溶液の濃度を測定して、所望の濃度とする為に不足した溶媒の量を計算し、過硫酸塩水溶液の排出と同時に不足した量の溶媒を貯蔵用タンク内へ投入して所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成するので、過硫酸塩水溶液の作成工程を簡略化出来るとともに、供給中貯蔵用タンクへ任意に水溶液の補充を行うことも可能である。更には、作成した過硫酸塩水溶液の濃度微調整や温度制御を行うことで、より高精度な濃度調整かつ安定した濃度での長期保管が可能となる。
本発明の一実施態様による薬液供給装置の概略構成図。 図1の装置で使用されている充填容器の詳細図。 図1の装置で使用されている充填容器の接続部の過硫酸塩の固形物の輸送時における詳細図。 図1の装置で使用されている充填容器の接続部の装置接続時における詳細図。 本発明の変形例における薬液供給装置の概略構成図。 図4の装置で使用されている充填容器の上面図。 図4の装置で使用されている充填容器の側面図。 実施例1における、過硫酸アンモニウム粉末の溶解条件を示す図。 実施例1における容器内の過硫酸アンモニウム粉末の溶解条件の比較結果。 実施例2における過硫酸アンモニウム水溶液の作成結果。 実施例3における貯蔵用タンク内の過硫酸アンモニウム水溶液の濃度微調整結果。 実施例4における貯蔵用タンク内の過硫酸アンモニウム水溶液の温度制御結果。
本発明の好ましい実施の形態及びその変形例に基づき、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施態様による過硫酸塩の固形物を溶媒である超純水で溶解して、所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成し、その水溶液をCMP装置Bへ供給する為の薬液供給装置Aの例である。1は、過硫酸塩の固形物を充填した充填容器である。15は、充填容器1に接続された溶媒投入口である。2は、容器1へ投入する溶媒の流量を計測する為の流量計である。ここでの溶媒は、超純水W1を用いている。3は、超純水W1の閉止バルブである。4は、充填容器1内で溶解した過硫酸塩を排出する為のポンプである。5は、溶解しきれなかった過硫酸塩の塊が直接貯蔵用タンク8へ落下するのを防ぐ為のトラップである。6は、排出された過硫酸塩水溶液の濃度を計測する為の濃度計である。7は、充填容器1と貯蔵用タンク8を隔離する為の閉止バルブである。8は、溶解した過硫酸塩水溶液を貯蔵する為の貯蔵用タンクである。9は、貯蔵用タンク8へ超純水W2を直接投入する場合に、超純水W2の流量を計測する為の流量計である。10は、超純水W2の流量を自動調整する流量制御バルブである。11は、貯蔵用タンク8内の過硫酸塩水溶液の濃度を計測する為の濃度計である。12は、貯蔵用タンク8内の過硫酸塩水溶液を、濃度計11やCMP装置Bへ送液する為に用いるポンプである。13a及び13bは、濃度計11やCMP装置Bへ過硫酸塩水溶液を送液するラインを切り替える為のバルブである。14は、過硫酸塩水溶液の温度を一定の低温に保ち、過硫酸塩の分解を防ぐ為の温度調節器である。以下、これらの動作について、図1を参照しながら説明する。
初めに、過硫酸塩の固形物が充填された充填容器1を薬液供給装置Aにセットする。薬液供給装置Aが過硫酸塩水溶液の作成を開始すると、まずバルブ3とバルブ7を開き、溶媒投入口15より充填容器1へ超純水W1が投入される。超純水W1は、流量計2によって単位時間当たりの流量が計測され、流量データは薬液供給装置A本体の制御コントローラ(図示せず)へ送信される。容器1へ投入された超純水W1は、過硫酸塩を溶解しながら出口配管より排出される。この際、図示したポンプ4で吸引しながら排出しても良いし、超純水W1自身の流入圧力で自然排出しても良い。排出された過硫酸塩水溶液の中には、溶解が不足して塊状になっているものも存在する可能性があり、塊状の過硫酸塩が貯蔵用タンク内で堆積することや、配管やバルブの詰まりを防ぐ為、網目状の受け皿であるトラップ5を用いて、ある程度の大きさの過硫酸塩を受ける安全対策が施されている。
続いて、排出された過硫酸塩水溶液は、濃度計6を通過して貯蔵用タンク8に貯蔵される。濃度計6は、超音波音速方式や導電率方式といった、測定した物理量を過硫酸塩水溶液の濃度に換算出来る検量線を有するものを使用すれば良い。濃度計6で過硫酸塩水溶液の濃度が計測され、濃度データは薬液供給装置A本体の制御コントローラへ送信される。制御コントローラは、前記の超純水W1の流量データと、過硫酸塩水溶液の濃度データから、所望の濃度に調整する為に必要な超純水W2の量を計算し、流量制御バルブ10へバルブの開度信号をフィードバックする。薬液供給装置A本体からの信号に基づき、流量制御バルブ10はバルブの開度を自動調節しながら、超純水W2を貯蔵用タンク8内へ投入する。超純水W2は、流量計9によって、単位時間当たりの流量が計測され、流量データは制御コントローラへ送信される。制御コントローラは、超純水W1とW2の投入時間を計測し、前記の流量データと投入時間から貯蔵用タンク8に貯蔵された過硫酸塩水溶液の合計量を求める。濃度計6の計測値がゼロ%になり、過硫酸塩水溶液の合計量が予め設定した量に到達すると、バルブ3、7、10を閉めて、超純水W1とW2の投入を停止する。
次に、貯蔵用タンク8に貯蔵された過硫酸塩水溶液は、ポンプ12で循環される。まず、バルブ13aと13bを濃度計11側のラインに切り替え、ポンプ12を動作する。濃度計11は、超音波音速方式や導電率方式といった、測定した物理量を過硫酸塩水溶液の濃度に換算出来る検量線を有するものを使用すれば良い。設定時間循環した後、ポンプ12の動作を停止し、濃度を測定する。濃度が規定値よりも高い値を示した場合は、バルブ10を開き、超純水W2を流量計9で計量しながら追加投入する。濃度計11の測定値と、前記で求めた過硫酸塩水溶液の合計量から不足している超純水の量が計算され、投入すべき超純水W2の量が決定される。超純水W2を追加投入した後は、再度ポンプ12により貯蔵用タンク8内の過硫酸塩水溶液を循環し、濃度の測定を行う。この工程を繰り返し行うことで、徐々に所望の過硫酸塩水溶液の濃度へ近付けていく。
貯蔵用タンク8内の過硫酸塩水溶液の濃度が規定値に到達した後は、バルブ13aと13bをCMP装置B側のラインへ切り替え、ポンプ12を動作させて過硫酸塩水溶液をCMP装置Bへ供給する。この際、貯蔵用タンク8へ戻る配管に併設された温度調節器14を用いて、過硫酸塩水溶液の温度を一定に制御する。過硫酸塩水溶液は低温であるほど分解速度は遅くなるので、液温は10℃前後に制御することが好ましい。また、図示した温度調節器14は冷却機構を有したインライン型、つまり過硫酸塩水溶液を循環しながら冷却するタイプであるが、他に、冷却水を通水したチューブを貯蔵用タンク内に沈め、貯蔵用タンク内に貯蔵した過硫酸塩水溶液が一定以上の温度に上昇しないよう制御する方式などが使用出来る。
図2は、過硫酸塩の充填容器1の詳細図である。容器の上面には、超純水などの溶媒を導入する為の溶媒導入口15と、溶解した過硫酸塩を排出する為の排出口16が設けられている。また、容器の底部まで超純水W1が導入されるよう、溶媒導入口15には挿入管17が設けられている。充填容器1の材質は、例えばポリエチレンやPFAなど、耐薬品性が高く、発塵性が低い樹脂製のもので、且つある程度の固さを有したボトル状のものを使用することが好ましい。
図3−A及び図3−Bは、充填容器の接続口の詳細図である。輸送時は図3−Aのように、キャップ18で封止されている。装置に接続する際は、このキャップ18を取り外し、図3−Bのようにカプラー19で接続する。キャップ18を外してからカプラー19へ接続する作業は短時間で容易な為、過硫酸塩が周囲の環境と接触し汚染されることはない。
図4は、本実施態様の変形例である。過硫酸塩の充填容器1の上部から超純水W1を投入し、容器の下部から排出する機構である。充填容器1は貯蔵用タンク8の上方に吊り下げられており、過硫酸塩水溶液は、超純水W1の流入圧力と自重による自然落下で貯蔵用タンク8へ投入される。
図5−A及び図5−Bは、図4の装置で使用されている充填容器1の上面図及び側面図である。充填容器1の上部には、超純水などの溶媒を導入する為の溶媒投入口15が設けられている。容器の下部には、溶解した過硫酸塩を排出する為の排出20が設けられている。また、充填容器1底部まで超純水W1が導入されるように、溶媒投入口15には挿入管17設けられている。溶媒投入口15から導入された超純水W1は、容器内にある過硫酸塩を溶解し、直ちに排出口20から排出される。これにより、前述した図1の実施態様のように、ポンプ4で強制排出する必要がない。この変形例における充填容器1は、例えばポリエチレンやPFAなど、耐薬品性が高く、発塵性が低い樹脂製のもので、且つある程度の柔軟性を有した袋状の包装を使用することが好ましい。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
<実施例1>
本実施例では、図1及び図4に示した装置構成を用いて、過硫酸アンモニウム粉末2kgを充填した充填容器1へ、48Lの超純水W1を投入して溶解し、貯蔵用タンク8へ貯蔵された過硫酸アンモニウム水溶液の濃度を酸化還元滴定法により測定した。ここで、本発明における容器の超純水投入口15に併設した挿入管17の効果を確認する為、図6に示すように溶解条件を4通りに設定した。条件1及び3が本発明における実施例であり、条件2及び4が比較例である。図1に示した装置構成では条件1及び2を、図4に示した装置構成では条件3及び4を用いて試験を実施した。本実施例では、挿入管17の有無による過硫酸アンモニウム粉末の溶解具合を比較する為の試験であるので、濃度制御や温度制御等の機能は使用していない。超純水の投入量の計測に用いる流量計2は、トキコテクノ株式会社製の超音波渦流量計(型式;FUBB4A)を使用した。
上記の試験により得られた結果を、図7に示した。過硫酸アンモニウム粉末2kg全てが超純水48Lに溶解した場合、理論上の貯蔵用タンク8内の濃度は4%になる。結果として、実施例の条件1及び3では過硫酸アンモニウム水溶液の濃度はほぼ4%であり、充填容器1内の過硫酸アンモニウム粉末の残渣も見られず、溶解は正常に行なわれていた。挿入管があることにより、過硫酸アンモニウムと超純水が効率的に接触しながら溶解と排出を行えていることが確認出来た。これに対し、比較例の条件2及び4では過硫酸アンモニウム水溶液の濃度は2%程度であり、充填容器1内には過硫酸アンモニウム粉末の残渣が見られたことから、溶解が不足していた。条件2では、投入された超純水が過硫酸アンモニウム粉末と接触・溶解させる前に排出してしまっており、条件4では、超純水の投入口と排出口の間に過硫酸アンモニウム粉末が壁となって存在する為に、スムーズな排出が出来ていなかった。
<実施例2>
本実施例では、図1に示した装置構成を用いて、過硫酸アンモニウム粉末2kgを充填した充填容器1へ、超純水W1を投入して溶解するのと同時に、排出された過硫酸アンモニウム水溶液の濃度を濃度計6で計測し、予め装置で設定した貯蔵用タンク内の濃度4%となるよう、超純水W2の流量を自動的に制御しながら貯蔵用タンク8へ投入した。貯蔵用タンク内で作成された過硫酸アンモニウム水溶液は一定間隔で採取し、酸化還元滴定法により濃度を測定した。充填容器1は、超純水の溶媒投入口15に挿入管17が併設されたものを使用した。超純水の投入量の計測に用いた流量計2及び9は、トキコテクノ株式会社製の超音波渦流量計(型式;FUBB4A)を使用した。過硫酸アンモニウム水溶液の濃度の計測に用いた濃度計6は、富士工業株式会社製の超音波濃度計(型式;FUD−1 Model−12)を使用した。
上記の試験により得られた結果を、図8に示した。過硫酸アンモニウムの溶解初期は、40%程度の高濃度の水溶液が排出されているが、時間経過と共に排出される水溶液濃度が低下していくことが分かる。この濃度の経時変化を追従しながら、追加投入される超純水W2の流量が自動制御されており、点線で示すように、最終的に貯蔵用タンク内へ作成された水溶液濃度は、設定した4%の値を一定に維持していることが確認出来た。
<実施例3>
本実施例では、図1に示した装置構成を用いて、過硫酸アンモニウム粉末2kgを充填した充填容器1へ、超純水W1だけを投入して溶解させた。充填容器1は、超純水投入用の溶媒投入口15に挿入管17が併設されたものを使用した。ここで、本発明における貯蔵用タンク8内での濃度微調整の効果を確認する為、その機能の有無について比較を行った。濃度微調整なしの条件では、超純水48L全量を一度に容器へ投入し、過硫酸アンモニウム水溶液を作成した。濃度微調整ありの条件では、まず40Lの超純水を容器に投入し、容器内に過硫酸アンモニウム粉末の残渣が無いことを確認した後、濃度計11で過硫酸アンモニウム水溶液の濃度を計測した。4%の過硫酸アンモニウム水溶液を作成する為に必要な超純水の量よりも8L少ない為、4%よりも高い濃度(約4.8%)を示した。次に、初回で投入した超純水の量(40L)と濃度測定結果から、4%の濃度とする為に必要な超純水の量を算出し、一定の割合で超純水W2の追加投入と濃度測定の工程を繰り返し、4%の濃度に近付くように制御を行った。超純水W1及びW2の投入量の計測に用いた流量計2及び9は、トキコテクノ株式会社製の超音波渦流量計(型式;FUBB4A)を使用した。過硫酸アンモニウム水溶液の濃度の計測に用いた濃度計11は、富士工業株式会社製の超音波濃度計(型式;FUD−1 Model−12)を使用した。
上記の試験により得られた結果を、図9に示した。試験はそれぞれ3回ずつ実施した。全ての過硫酸アンモニウム粉末が溶解した場合、理論上の貯蔵用タンク内の濃度は4%になる。全ての条件において、充填容器1内で過硫酸アンモニウム粉末の残渣は見られなかったが、濃度微調整なしの条件では4%の上下に変動が大きいのに対し、濃度微調整ありの条件では、より4%に近い濃度で水溶液の作成が出来ていることが確認出来た。即ち、濃度微調整機能によって、高精度で安定した濃度調整が出来ると共に、貯蔵用タンク内へ作成した過硫酸アンモニウム水溶液の濃度が設定した濃度よりも高かった場合は、所望の濃度により近い調整が可能であることが確認出来た。
<実施例4>
本実施例では、図1に示した装置構成を用いて、過硫酸アンモニウム粉末2kgと超純水48Lで作成した水溶液の濃度の経時変化について、温度制御の効果を確認した。温度制御なしの条件では、過硫酸アンモニウム水溶液は約25〜30℃の室温下で、ポンプ12で循環を行った。温度制御ありの条件では、10℃に液温を保ちながらポンプ12で循環を行った。過硫酸アンモニウム水溶液の温度制御に用いた温度調節器14は、株式会社KELK製のケミカルサーキュレータ(型式;NES−333−7)を使用した。
上記の試験により得られた結果を、図10に示した。過硫酸アンモニウム水溶液をポンプ12で常時循環させ、7日間毎に貯蔵用タンク8から採取し、酸化還元滴定法により濃度を測定した。温度制御なしの条件では、経時的に濃度が低下したのに対し、温度制御ありの条件では、濃度の低下はほとんど見られなかった。温度制御によって、過硫酸アンモニウムの分解が抑制されていることが確認出来た。
本発明は、CMP工程へ過硫酸塩を含む薬液を供給する際に、過硫酸塩の固形物を汚染することなく効率的に溶解させ、所望の濃度の過硫酸塩水溶液の高精度な作成と、分解を抑制し、安定な濃度での過硫酸塩水溶液を供給することが出来る薬液供給方法及び装置に活用出来る。
1:充填容器
2:流量計
3:バルブ
4:ポンプ
5:トラップ
6:濃度計
7:バルブ
8:貯蔵用タンク
9:流量計
10:バルブ
11:濃度計
12:ポンプ
13a:バルブ
13b:バルブ
14:温度調節器
15:溶媒投入口
16:排出口
17:挿入管
18:キャップ
19:カプラー
20:排出口
A:薬液供給装置
B:CMP装置

Claims (6)

  1. 化学機械的研磨工程へ過硫酸塩を含む薬液を供給する薬液供給方法において、少なくとも1つの溶媒投入口を有する密閉された充填容器に一定量の過硫酸塩の固形物を充填し、当該充填容器の底部まで挿入した挿入管を用いて当該充填容器の底部まで溶媒を投入することで過硫酸塩の固形物を溶解し、溶解した過硫酸塩水溶液をポンプ又は溶媒の流入圧力で前記充填容器より排出し、貯蔵用タンクへ投入するとともに、前記充填容器より排出する過硫酸塩水溶液の濃度を測定することで、所望の濃度とする為に不足した溶媒の量を計算し、過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンクへ投入すると同時に、不足した量の溶媒を前記貯蔵用タンク内へ投入しながら所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成し、所望の濃度に調整した過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンク内に貯蔵したことを特徴とする薬液供給方法。
  2. 前記過硫酸塩として過硫酸アンモニウムを使用した請求項1に記載の薬液供給方法。
  3. 前記貯蔵用タンク内に貯蔵された過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度よりも高い場合、不足した溶媒の量を追加投入して、過硫酸塩水溶液の濃度をより高精度に調整する請求項1又は2に記載の薬液供給方法。
  4. 溶解した過硫酸塩水溶液を循環する配管又は貯蔵する貯蔵用タンクに温度調節機構を設け、過硫酸塩水溶液の温度を一定に制御して過硫酸塩水溶液の分解を防止する請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬液供給方法。
  5. 一定量の過硫酸塩の固形物を充填するとともに、当該過硫酸塩の固形物を溶解し、溶解した過硫酸塩水溶液を排出する為、少なくとも1つの溶媒投入口を有する密閉された充填容器と当該充填容器の底部まで挿入した挿入管と当該充填容器に接続した排出口と当該排出口に接続した貯蔵用タンクと前記充填容器より排出する過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度とする為に不足した溶媒の量を計算し、過硫酸塩水溶液を前記貯蔵用タンクへ投入すると同時に、不足した量の溶媒を前記貯蔵用タンク内へ投入しながら所望の濃度の過硫酸塩水溶液を作成し、所望の濃度に調整する濃度調整機構を有することを特徴とする薬液供給装置。
  6. 前記貯蔵用タンク内に貯蔵された過硫酸塩水溶液の濃度を測定し、所望の濃度に満たない場合、不足した溶媒の量を追加投入して、過硫酸塩水溶液の濃度をより高精度に調整する濃度調整機構を有する請求項5に記載の薬液供給装置。
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