JP5457547B2 - 無水銀高輝度ガス放電ランプ - Google Patents

無水銀高輝度ガス放電ランプ Download PDF

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Description

本発明は、無水銀高輝度放電ランプを記述している。
自動車への適用に対するキセノンランプ等の高輝度放電(HID)ランプにおいて、ランプの寿命にわたって維持される非常に高い光出力を有することが所望される。ガス放電ランプの性能は、その電極の性能に非常に依存している。優れた電極の性能は、電極の浪費が少ないこと、電極がその形状を保つこと、電極材料がほとんど蒸発しないこと、及び、電極が熱いランプにおける種々の化学プロセスと否定的に相互作用しないことを意味している。ランプの性能は、作動中に気化するペレットの形で通常導入される不活性ガス及び塩充填剤(salt fill)を含む充填物の組成物によっても影響を受け得る。塩充填剤は、その特定の特性に従い選ばれたいくつかのメタルハライドを含むことができ、例えば、ランプのカラーポイントに対するその寄与のため、特定のメタルハライドを含ませることができる。
通常は金属であり、トリウムの場合も多くあるエミッター材料の電極材料への添加、又は、ランプの充填物への添加が、電極の性能をかなり改善することができるということは、技術的現状において良く知られている。そのような金属は、作動中に電極表面上に少量であっても存在する場合、電極の仕事関数を下げ、従って、低い電極温度での陰極の電子の放出を可能にし得る。低い電極温度は、次に、通常、電極の性能を改善する。
エミッター材料は、通常、例えば酸化トリウム(ThO)等の酸化物の形でドーパントとして、バルク電極材料に添加される。この方法で添加される場合、エミッター材料は、「固体エミッター」と呼ばれ、電極は、「トリウム入り電極」と呼ばれる。いくつかの先行技術の自動車ランプにおいて、特に重大な準備段階の間に酸化トリウムが電極に対して有益な影響を有すると証明されたため、固体でのアプローチが電極の性能を改善するために使用されてきた。電極が熱くなるに従いトリウムが電極によって非常に容易に放出されるため、固体エミッターは、特に準備段階の間に効果的である。自動車のヘッドランプに対して、準備段階は非常に大きい電流にて生じるので、電極は非常に速く熱くなり、エミッターの存在は、従って、仕事関数を下げるためにこの段階の間で最も重要である。この突然且つ極端な電極の加熱を中和するためのいかなる基準もなく、これらの電極は、極端なバーンバックを受けやすく、実際、もろくなり且つ壊れる場合がある。
しかし、固体でのアプローチの欠点は、酸化トリウムに含有される酸素がランプにおける化学的性質に対して有害な副作用を有し、ランプの寿命にわたって光出力(ルーメン)の低下を最終的に生じるということである。例えば、酸化トリウム(ThO)は、電極から蒸発し、充填ガス内のヨウ化スカンジウム(ScI)と反応して、ヨウ化トリウム(ThI)を与えるが、酸化スカンジウム(Sc)も与えることができる。結果として、スカンジウムの部分が酸化物として結合され、気相においてもはや利用可能ではないので、ランプの効率は乏しい。
別の欠点は、製造における制限のため、酸化トリウムが、一般に、トリウム入り電極のバルクにわたり分布させられるが、電極の先端付近ではわずかな添加量のみが実際に必要とされるということである。この材料の浪費は、酸化トリウムの供給が少ないため、望ましくない。さらに、トリウムは、放射性材料であり、否定的な環境影響を有すると考えられている。電極のバルクにトリウムを添加することのさらなる欠点は、時間の経過に伴い、トリウム入り電極をランプの外側にあるリード線に接続するモリブデンフォイルとトリウムが反応し、ピンチクラック(pinch crack)によってランプの故障を引き起こすということである。
固体として(塩のペレットとして)ランプの放電チャンバにおいて初めに存在し、且つ、電極を覆うようガスの形状でトリウムが利用可能になる前に、第一に気化しなくてはならない塩充填剤の一部としてハロゲン化トリウムを含ませことによって、「気相エミッター」としてトリウムを含むためのいくつかの試みが実行されてきた。例えば、米国特許第4,798,995号に記載された水銀ベースのHIDランプは、電極の先端にて酸化トリウムから蒸発したトリウムがハロゲン化トリウムによって戻されるトリウム/ハライドの輸送サイクルを確立することができるように、従来のトリウム入りタングステン電極を、ランプ充填物における少量のヨウ化トリウムと組み合わせる。US6,809,478 B2も、酸化トリウムでドープされた電極、及び、少量のヨウ化トリウムを含有する充填物を有するランプを記載している。これらの文献のうちどちらにおいても、ヨウ化トリウムの、準備段階の間に電極の仕事関数を効果的に下げるためにそれ自体に作用することができないことが、電極における十分な酸化トリウムを使用することによって補われなければならない。
一般的に受け入れられている考えは、かなりの時間がかかる手順である塩充填剤が十分に気化した後でのみ気相エミッターが効果的になることができるということであった。気化が不十分である限り、エミッター材料は、電極の仕事関数を下げるよう作用することができない。ここに記載されたタイプのHIDランプに対しては、塩充填剤が十分に気化される前に20秒に達する時間が容易に経過し得る。この長い持続時間は、一般に、容認できないものであるとしてみなされてきた。信頼できるエミッターの欠如は、結果として、過度の電極の加熱、強いバーンバックを生じ、さらに、最終的には電極の性能を悪化させ、おそらく、電極を故障させる。明らかに、そのような否定的な特徴は、信頼性が最も重要である自動車のヘッドライト等の製品において容認できない。これらの理由のため、固体エミッターが、先行技術のガス放電ランプにおいて選択法であって、いかなる少量のハロゲン化トリウムも、通常、ランプのカラーポイントに対する特定の影響のために塩充填剤に含まれるのみである。例えば、US6,376,988 B1において、充填ガスにおけるトリウムは、改善された色の識別に使用されてきたのみである。実際、ヨウ化トリウムの使用は、一部のアプローチにおいて、完全に拒絶され、電極の性能を改善するための他の技術が採用された。国際公開WO2007/026288号は、例えば、トリウムが全く無いランプを記載しているが、記載されたランプの電極の性能は、固体エミッターとしてトリウムを使用したランプより優れていない。
バッファガスとしてキセノンを使用するHIDランプと付随する既知の問題は、点火後の準備段階の間及び定常状態の作動において電磁干渉(EMI)が生じ得るということである。ランプは、次に、例えば車内のTV受像機等、車内の電子機器に対して否定的な効果を有し得る無線周波信号を生成する。
EMIの発生は、ランプがその安定した「スポットモード」で作動している場合にはるかに起こりにくい。この理由のため、ランプが点火されると、可能な限り早く拡散モードからスポットモードに切り替わることがランプにとって望ましい。気相エミッターとしてヨウ化トリウムを添加することは役立つが、先行技術のランプにおいて、塩のプールは第一に、十分なトリウムが利用可能になる前に特定の温度に到達しなくてはならないため、気相におけるトリウムの初めの不十分な存在により、スポットは十分早い段階で現れない。
水銀は初めに、例えば、非常に能率的なラジエーターであり、比較的低い作動温度にて好ましい光出力を与える等といったいくつかの理由により、HIDランプの充填ガスに含まれていた。水銀は、高い蒸気圧も有しているので、結果として生じる低い作動電流と共に高いランプ電圧を得ることができる。これらの利点にもかかわらず、環境及び健康の理由のために、特定のタイプの自動車ランプから水銀を除くための手が近年に至って打たれてきており、それに応じてランプの基準が進展させられてきた。しかし、水銀の省略は、前述の問題を悪化させる。
従って、前述の問題を回避する無水銀高輝度放電ランプを提供することが本発明の目的である。
本発明の目的は、請求項1に記載の無水銀高輝度ガス放電ランプによって達成される。
本発明によると、無水銀高輝度ガス放電ランプは、放電チャンバ内の充填物を囲み且つ放電チャンバ内に延びる一対の電極を含む放電容器を含み、当該ランプに対して、電極はトリウムが無く、充填物は、少なくとも6wt%のヨウ化トリウムを含むハロゲン化組成物(halide composition)を含む。通常、「塩充填剤」とも呼ばれる「ハロゲン化組成物」は、一般に、塩ペレットの形で充填物に添加され、「塩充填剤」及び「ハロゲン化組成物」という用語は、従って、交換して使用することができる。ランプの作動中、放電チャンバが加熱される場合に、充填物の大部分は蒸発し、従って、「充填ガス」と呼ぶことができる。以下において、「充填物」及び「充填ガス」という用語は、従って、交換して使用することができる。
「トリウムが無い」という表現は、電極に適用された場合、いかなる酸化トリウムも含むことなく電極が製造されることを意味するとして理解されることになる。そのような電極は、「トリウム無し」電極と呼ぶこともできる。高輝度放電ランプのための電極は、一般に、タングステンから作製されるため、以下において、本発明によるランプにおけるトリウム無し電極のバルク材料が主としてタングステンを含むことを想定することができる。
例えばヨウ化トリウムThI等、塩の形で気相エミッターとしてエミッター金属を、そのような高い濃度で無水銀ランプの塩充填剤に添加することによって、電極の性能は、固体エミッターのアプローチを利用した先行技術のランプによって得られたものに匹敵したことを本発明によるランプを用いた実験は示した。実験は、「スポットまでの時間」、「光束維持率」(これらの用語は以下で説明される)、及び、ランプの連続する燃焼において観察された早い準備段階の間の陰極近傍プラズマの明るさ等、関連する性能要件を考慮に入れた。早い準備段階の間(最初の10秒内等)の高いレベルの陰極近傍プラズマの明るさは、ランプのエミッターが申し分なく機能していること、及び、ランプの電極が十分に「冷たい」ことの信頼できるインジケーターである。本発明によるランプを用いた実験において、いかなる固体エミッターもなく、思いがけなく高いプラズマの明るさのレベルを観察した。一般に容認された理解は長く、塩充填剤の一部として含まれたいかなるエミッターも、塩充填剤が十分に蒸発する又は気化するのにかかる時間の間、単純に利用できないということであったため、これらの観察は非常に驚くべきものであった。これらの思いがけない有望な観察に対する説明は、バーンインの間、十分な量の塩充填剤が蒸発及び分離するので、多量のトリウムが電極の表面上に堆積され、電極の本体の中に移動するということである。移動したトリウムは、ランプが消された場合、電極内に残る。後の準備段階において、そのトリウムは、依然としていくらか電極内に存在し、その一部のみが、塩充填剤におけるヨウ化トリウムとして結合される。従って、ランプに対してバーンイン手順が実行されると、トリウムの一部が、ランプを点けた後すぐに固体エミッターとして利用可能であり、従って、いかなるトリウムも塩充填剤から蒸発される前であっても電極の温度を下げるようすぐに作用する。
言い換えると、トリウムエミッターは、電極バルク材料から生じたかのように振る舞うので、本発明によるランプは、酸化トリウムは必要とされない;ランプにおける酸素の否定的な副作用が回避される;ランプにおけるトリウムの総量が、トリウム入り電極を使用した先行技術のランプよりもはるかに(10か20倍分だけ)少ない;及び、ランプの寿命が、トリウム入り電極を使用した先行技術のランプと比較してより長い;ため、付随する欠点もなく、気相エミッターとしてヨウ化トリウムを使用することの利点を、固体エミッターとしてトリウムを使用することの利点と組み合わせる。本発明によるランプの別の利点は、電極がいかなるトリウムも初めに含有しないため、モリブデンフォイル(「Moフォイル」とも呼ばれる)が、かなり長い間、電極から生じるいかなるトリウムによっても影響を受けないままでおり、従って、ランプの寿命を長くするということである。
序論において前述したもの等、トリウム無し電極を用いた、充填ガス内にヨウ化トリウムを有する先行技術の無水銀自動車ヘッドランプは、一般に、カラーポイントに影響を与えるために通常含まれる例えば2重量パーセント(2wt%)以下の低い割合のヨウ化トリウムのみを有する。これらのランプは、最初のルーメン出力の約10%に相当する15時間後の200乃至400lmの光束における深刻な低下によって特徴づけられる。光出力の低下が深刻であるため、そのようなランプは、製品規格を満たすことができない。さらに、そのような先行技術のランプの充填ガスにおけるヨウ化トリウムの気相濃度は、初めに低すぎて準備段階の間の性能は満足のいくものではない。しかし、本発明による無水銀ランプにおいて、トリウム無し電極と共に増加したレベルのヨウ化トリウムは、比較的安定した光出力のランプを生じる、すなわち、45分から15時間までのエージングの間のそのルーメンの損失が、比較できる先行技術のランプにおける損失よりも有利に低かったと示した。言い換えると、本発明によるランプの実施形態のルーメン出力はより安定している。
さらに、トリウム入り電極を用いた先行技術の無水銀ランプに匹敵する、驚くほど優れた電極の性能を達成することができるということを、本発明によるランプの実施形態を用いた実験は示した。これらの実験は、準備段階の間のランプのEMIの振る舞いにおいてかなりの改善も示した。さらに、塩充填剤における比較的高い濃度のヨウ化トリウムは、これまで固体エミッターを用いてのみ取得可能であった特性である、ランプの早い準備段階の間にトリウムがすでに効力を生じるのを可能にするということを、本発明によるランプを用いた実験は示した。
従って、簡略且つ経済的な解決策において、本発明によるランプは、固体エミッターとしてトリウムを使用した先行技術のランプよりも(より少ないスカンジウムが酸化物として結合され、モリブデンフォイルがよりダメージを受けにくいため)永続きして、(ランプに使用されるトリウムの総量がより少ないため)環境に優しいと同時に、固体エミッターとしてトリウムを利用するランプと類似の好ましい電極の性能を享受する。
従属請求項及び続く説明は、本発明の特に有利な実施形態及び特色を開示している。
本発明によるランプは、先行技術のD1乃至D4のヘッドランプの代わりに使用することができる。本発明によるランプは無水銀であるため、以下において、D3又はD4ランプと呼ぶことができるが、いかなる方法においても本発明を制限することはない。さらに、例えばヨウ化トリウムに対するThI等の化学式によるメタルハライドに対するいかなる言及も、その金属及びハロゲンの別の金属塩の使用を排除しない。例えば、本発明によるランプにおいて、ハロゲン化トリウムは、臭化トリウム、塩化トリウム、又は、フッ化トリウムのうちいずれでもあり得る。
本発明によるランプの充填物における全塩充填剤の重量は、少なくとも100μg及び400μg以下であることが好ましい。より好ましくは、全塩充填剤の重量は、D3又はD4ランプに適切である、少なくとも250μg及び350μg以下である。
無水銀HIDランプのルーメン出力及びカラーポイントは、塩充填剤の組成物、放電チャンバの寸法、電極のサイズ及び位置等、多くの要素によって支配される。さらに、ランプの物理的構造、ランプが作動される条件、及び、ランプにおける充填ガスの圧力全てが、その光出力に影響を与えるよう役立つ。HIDランプの充填ガスは、一般に、いくつかの重要な物質を含み、その各々が、特定の要求を満たすよう選ばれる。例えば、充填ガスにおけるヨウ化ナトリウムとヨウ化スカンジウムとの組み合わされた量は、ランプの能率を決定する。明らかに、これらの金属塩の相対的割合は要求に応じて調整することができ、相対量を調整して、ルーメン出力における差異、黒体ラインに対するカラーポイントの位置等を制御することができる。従って、本発明によるランプは、少なくとも35wt%及び60wt%以下のヨウ化ナトリウムを含む、並びに、少なくとも20wt%及び40wt%以下のヨウ化スカンジウムを含むハロゲン化組成物を有した充填ガスを含むことが好ましい。本発明によるランプの性能をさらに改善するために、充填ガスのハロゲン化組成物は、少なくとも20wt%及び40wt%以下の割合までヨウ化ナトリウムを、及び、少なくとも25wt%及び35wt%以下の割合までヨウ化スカンジウムを含むことがより好ましい。これらのレベルのヨウ化ナトリウム及びヨウ化スカンジウムは、ランプが十分高い光出力を提供することを保証する。
すでに前述したように、水銀を使用し且つトリウム入り電極を有するHIDランプは、好ましい白色光を生成することができる。そのようなランプのカラーポイントは、セシウム、タリウム、トリウム等、特定の要素の化合物を含むことによってさらに洗練される。しかし、水銀無しでは、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化スカンジウムは黄色っぽい色合いを有した光を生成する傾向があり、その黄色っぽい色合いを有した光は、ヘッドランプによって照らされた物体の色を見分けるドライバーの能力を黄色っぽい色が減じるために自動車への適用に対して望ましくない。この理由のため、無水銀HIDランプは、一般に、特定の量の他の物質又は化合物を充填ガス内に含み、要求された範囲内の色温度を提供する。従って、本発明のさらに好ましい実施形態において、無水銀HIDランプの充填ガスは、20wt%以下のヨウ化亜鉛を含む、及び、0.5wt%以下のヨウ化インジウムを含むハロゲン化組成物を含む。
自動車のHIDランプは、通常、起動時間を速めるため、及び、点火後じかに、受け入れられる光出力を提供するためにある割合のキセノンガスを含有する。従って、本発明によるランプにおける充填ガスは、非作動状態において少なくとも12バールの圧力下でキセノンガスを含むことが好ましい。これは、ランプの「冷圧(cold pressure)」と呼ばれる。
自動車のHIDランプ等の高圧ガス放電ランプの振る舞い又は性能は、時間の経過に伴い変化する。いわゆる「バーンイン」時間である最初の45分の作動の間、非常に好ましい結果を観察することができ、その後、結果は傾く場合がある。このタイプのランプにおける最初の15時間の作動は、従って、「エージング」時間としてみなされる。エージング時間の後、ルーメン出力、能率等の関連性のある値は、その安定した値に達したと想定することができる。以下で記述されるように、本発明による無水銀ランプは、気相エミッターを提供するために示された高濃度のヨウ化トリウムを使用し、先行技術のランプと比較して、非常に好ましい性能をエージング後に達成した。
HIDランプの電極は、通常、放電チャンバの相反する端部内に突出するように配置される。放電容器の石英ガラスの歪曲した屈折特性のため、電極の実際の離隔距離は、一般に、視覚的に決定することができず、通常、例えばX線技術を使用して実行される。この理由のため、電極の離隔は、一般に、「視覚的な離隔」として表現される。本発明によるランプにおいて、電極は、電極の先端が少なくとも3.8mm及び4.6mm以下の視覚的な離隔を含むように、放電チャンバ内に置かれる。例えば3.7mmの「実際の」離隔は、約4.2mmの視覚的な離隔に一致する。一般に、HIDランプにおける電極の寸法及び厚さは、ランプの性能に対する効果も有している。電極の厚さが作動中に到達する電極の温度を支配し、次に、安定器のパラメータに従い電極の整流の振る舞い及びバーンバックを決定するため、安定したアークの維持は、電極の形状、特に、その寸法に非常に依存している。電極は、先端からピンチ(pinch)まで均一の直径のシンプルなロッド形状として実現することができるか、又は、ピンチよりも先端にてより広くあるよう、若しくは、ピンチよりも先端にてより狭くあるよう実現することができ、例えば、電極は、その先端又は正面から外側に向けられた小さな「口」を特徴づける場合がある。明らかに、以下で与えられる寸法は、燃焼前の電極の最初の寸法にあてはまる。
いくつかの濃度のヨウ化トリウムに対して、「薄い」電極が満足のいく性能をもたらすことを、本発明によるランプの実施形態は示した。従って、本発明によるランプにおいて、電極の前方領域における最大直径は、少なくとも200μm及び400μm以下であることが好ましい。より好ましくは、電極の直径は、260μmから360μmまでの間である。階段型電極も、本発明によるランプにおいて使用することができ、その場合、先端での直径は、360μmから400μmまでの間でありえ、電極シャフトの直径はピンチに向かうに従いより狭くなる。例えば、8.3wt%のヨウ化トリウム及び300μmの電極を用いて良い結果を得た(エージング後のルーメンの損失は約100lmのみであった)。しかし、そのような濃度のヨウ化トリウムを「薄い」電極と共に使用して、望ましくないEMIレベルが生じる場合がある。従って、本発明の好ましい実施形態において、電極の先端での直径は、例えば少なくとも300μm及び400μm以下である、約360μmであることが好ましい。8.3wt%のヨウ化トリウム及び360μmを有した本発明によるランプに対して実行した観察は、エージング後の光の減少を示さなかった。さらに、これらのパラメータを用いて、ランプのEMI性能を著しく改善した。
自動車のHIDランプに対する重要な考慮すべき問題は、ランプにとって「スポット」モードに達するのにかかる時間、すなわち、最初の拡散モードから最後のスポットモードまで放電アークが展開するまでに経過する点火後の時間である。この時間は、通常、「スポットまでの時間」と呼ばれ、理想的には可能な限り短くあるべきである。先行技術D3及びD4のランプは、好ましいスポットまでの時間を達成することができるが、序論においてすでに述べた欠点を有したトリウム入り電極を使用する犠牲においてのみ達成することができる。塩充填剤におけるより高い濃度のヨウ化トリウムがスポットまでの時間に対して肯定的な影響を有するということを、本発明によるランプを用いた実験は示した。例えば、約17wt%のThI含有量及び薄い(約300μm)電極を有したランプは、エージング後のたった7秒という短いスポットまでの時間を示し、トリウム入り電極を用いた先行技術のランプを使用して取得可能な結果に匹敵した。厚い(約360μm)電極を使用して、スポットまでの時間を、17wt%ThIを用いたランプに対してさらにエージング後約1秒まで減らした。しかし、本発明によるランプは、例えばたった8.5wt%という割合のより低いレベルのヨウ化トリウムをより厚い(約360μm)電極と組合せて用いて、約1秒という好ましいスポットまでの時間を達成することもできる。これらの短いスポットまでの時間の持続時間のため、準備段階の間のEMIの振る舞いは、本発明のランプの実施形態において有意に減らされたと観察した。
HIDランプの別の重要な特徴は、その「光束維持率」、すなわち、そのランプの寿命にわたるランプによる光束出力の安定性である。例えば、300μgという全塩量において2wt%のThIを用いた先行技術D4のランプは、エージング後に200乃至400lmという光束における低下を示すことができ、それは、最初のルーメン出力の約10%であり得る。そのようなルーメンの激しい低下は深刻過ぎるので、このランプは、製品規格を満たすことができない。従って、ランプシリーズを開発する間の目標は、最初の45分間のバーンインの間に好ましい特徴を示し、15時間のエージング後にその特徴が著しく変わらないランプである。
本発明によるランプの実施形態を用いた実験において、比較的多いヨウ化トリウム含有量はエージングの間のルーメンの損失に対して有意に肯定的な影響を有するということが観察された。約8.5wt%以上のヨウ化トリウム含有量がルーメン出力の低下を約0乃至100lmまで制限するということを、本発明によるランプを用いた実験は示した。従って、本発明のさらに好ましい実施形態において、ハロゲン化組成物におけるヨウ化トリウムの割合は、少なくとも7wt%、好ましくは少なくとも8wt%、より好ましくは少なくとも9wt%、さらに、最も好ましくは少なくとも10wt%を含む。
取得可能な総ルーメン出力は安定していたということを、8乃至18wt%という範囲における比較的高い濃度のヨウ化トリウムを有した本発明によるランプを用いた実験は示した。しかし、ルーメン出力は、他の要素を調整することによって増やすことができたということをさらなる実験は示した。例えば、ランプの最初の冷圧を上げることができる。従って、本発明のさらに好ましい実施形態において、充填ガスは、非作動状態において少なくとも14バールの圧力下でキセノンガスを含む。光束も、ランプにおけるヨウ化亜鉛のレベルを調整することによって肯定的に影響を受け得る。従って、本発明のさらに好ましい実施形態において、充填ガスは、5wt%以下という減少したヨウ化亜鉛濃度を含むハロゲン化組成物を含む。ヨウ化ナトリウムとヨウ化スカンジウムとの相対的割合も、ランプの光束に対して肯定的な影響を有し得るので、本発明によるランプの好ましい実施形態において、充填ガスは、ヨウ化スカンジウムに対するヨウ化ナトリウムの(重量による)比が1.0に近づくが1.0未満に低下しないようにヨウ化ナトリウム及びヨウ化スカンジウムを含むハロゲン化組成物を含む。
上記のように、HIDランプに関する既知の問題は、一部のトリウムが最終的にモリブデンフォイルに到達し、フォイル及びピンチ領域内のクラックにダメージを与え得るということである。従って、本発明によるランプのさらに好ましい実施形態において、モリブデンフォイルは、ピンチ領域内のさらに後ろに、すなわち、放電チャンバからより離れた距離にて設けられるので、電極がモリブデンフォイルに接続されるポイントも、ピンチ領域内のさらに後ろに設けられる。その追加的距離は約2mmを含み得るので、2つの相反するピンチ領域におけるモリブデンフォイル間の離隔は増やされる。好ましくは、モリブデンフォイルの端と放電チャンバの内壁との間の電極の埋め込まれた長さが少なくとも4mmという距離を含むように、電極は、ランプのピンチ領域内に置かれたモリブデンフォイルに接続される。「埋め込まれた長さ」は、放電チャンバの内壁からピンチ領域内に電極が突出するポイントから、電極が接続されるモリブデンフォイルの端までのピンチ領域に埋め込まれた電極の長さを意味するよう理解されることになる。実際に、モリブデンフォイルは、放電容器から離れるよう動かされ、この増えた距離は、トリウムがモリブデンフォイルに到達するのにかなり長くかかり、従って、この移動にかかる時間を長くすることによって、問題を回避するか、又は、少なくとも後回しにするということを意味する。
当業者には理解されるように、ピンチ領域内のより長い電極の長さは、電極の埋め込み長さが増えた場合に生じうる別のタイプのクラック、すなわち、拡張されたラジアルクラック(REC)を生じ得る。しかし、これは、代わりの電極の形状を利用することによって回避することができる。従って、本発明によるランプのさらに好ましい実施形態において、充填ガス内に高濃度のヨウ化トリウム及びピンチ内にさらに延びる電極を有したランプの寿命をさらに長くするために、例えば、コイル状電極又はレーザー構造の(「ヘアブラシ」)電極等、代わりの電極の形状を利用することができ、その形状は、拡張された電極の長さにより展開され得るピンチ領域におけるクラックの可能性を減らすことができる。
本明細書に記載された特徴の適切な組合せによって、本発明によるランプは、比較できる先行技術のランプと比べていくつかの利点を享受する。トリウムフリーの電極を有した先行技術のランプと比較して、これらの利点は:
−初期の準備段階の間のより冷たい電極;
−短いスポットまでの時間;
−ランプの寿命にわたりより少ない電極の変形;
−エージングの間のより少ないルーメン損失;
である。
トリウム入り電極を有した先行技術のランプと比較して、利点は:
−ランプ内に酸素が導入されないので、スカンジウムの損失が最小限にされる;
−より長い間、モリブデンフォイルがいかなる伝搬されたトリウムからも離されたまま残る;
−ランプにおけるトリウムの総量が、トリウム入り電極を有した先行技術のランプにおけるものよりも少ない;
−ヨウ化トリウムが、酸化トリウムでドープされたタングステンよりも容易に利用可能である;
ということである。
本発明の他の目的及び特徴が、付随の図面と共に考慮された以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、図面は、単に例証目的のためだけに設計されており、本発明を限定するとして設計されているのではないということを理解されたい。
図面において、最後まで類似の番号は類似の物体を言及している。図における物体は、必ずしも正確な縮尺率で描かれているというわけではない。
本発明の第1の実施形態によるガス放電ランプの断面図を示している。 本発明の第2の実施形態によるガス放電ランプの断面図を示している。 先行技術のランプ及び本発明によるいくつかのランプに対する「スポットまでの時間」のボックスプロットを示している。 先行技術のランプ及び本発明によるランプに対する光束のボックスプロットを示している。 充填物内に異なるヨウ化トリウム濃度を有した本発明によるいくつかのランプに対する、及び、先行技術のランプに対する陰極近傍プラズマの明るさの測定値におけるグラフを示している。
図1では、無水銀石英ガラスのHIDランプ1の断面図が本発明の実施形態に従い示されている。本質的に、ランプ1は、充填ガスを含有する放電チャンバ2を囲む石英ガラスの放電容器5を含む。この例において示された放電チャンバ2の内径Dinnerは、2.2mmから2.6mmでありえ、外径Douterは、5.3mmから6.3mmであり得るので、放電チャンバ2の容量は、15μlから30μlであり得る。2つの電極3、4は、ランプ1の相反する端部から放電チャンバ2内に突出する。製造中、放電容器5の石英ガラスは、電極3、4のシャフトの周りで両側がつままれ(ピンチされ)、放電チャンバ2内に充填ガスを密封する。外側への電極3、4と導線31、41との接続は、ピンチ又はシール(密封)領域内で囲われたモリブデンフォイル30、40によって行われる。電極3、4は、従って、モリブデンフォイル30の前縁と放電チャンバ2の内壁との間のピンチ領域内の埋め込まれた長さdを有する電極3に対して示されているように、ピンチ内に特定の距離分延びる。
電極3、4は、初めに本質的にトリウムがないよう製造されたタングステンロッドであり、放電チャンバ2内に突出し、例えばそのランプのタイプに対する関連がある規制によって支配される距離等、特定の距離によって互いから視覚的に離されている。例において示されたランプ1に対する「実際の」電極離隔距離Esepは、約3.7mmでありえ、約4.2mmの視覚的離隔距離に相当し、D3及びD4の規格を満たしている。本発明によるランプ1の電極3、4は、基部から先端まで均一な厚さのシンプルなロッドとして実現することができる。しかし、電極3、4の厚さは、電極の異なる段階にわたって等しく適当に変化し得るので、例えば、電極3、4は、その先端にてより厚く、基部にてより細い。図において記述された実施形態において、電極3、4は、360μmまでの直径(厚い電極)、又は、300μmまでの直径(薄い電極)を有し得る。これらの直径の値は、それぞれのケースにおける燃焼前の最初の値を言及している。
明瞭性のために、図は、本発明に関連する部分のみを示している。ランプの電流又は電力の制御のためにランプによって必要とされるベース及び安定器は示されていない。これら及び他のさらなる構成要素は当業者には既知であるため、本明細書においていくらも詳細には説明されない。ランプ1のスイッチが入れられた場合、安定器の点火装置は、電極3、4にわたり数千ボルトにて迅速に始動電圧をパルスで調整し、放電アークを惹起する。放電チャンバ内の温度は急速に上がり、金属塩は蒸発する。高い光度のアークが次第に確立される一方で、安定器は、(例えばD4ランプに対して35W等)作動レベルまで電力を下げて調節する。
すでに説明したように、ランプの塩充填剤におけるより高い濃度のヨウ化トリウムは、ランプのシール領域内のピンチクラックによって引き起こされる不必要な変性を最終的にもたらし得る。図1bは、本発明によるランプ1’の第2の実施形態を示しており、該実施形態において、電極3’、4’のシャフトは、図1aのランプ1におけるものよりも長い。他の寸法は、図1aのものと同じであるようすることができる。これは、モリブデンフォイル30’、40’がピンチにおいて、モリブデンフォイル30’の前縁と放電チャンバ2の内壁との間のより長い電極の埋め込まれた長さd’を有して囲まれるのを可能にする。増加した埋め込まれた長さは、その領域における温度を下げ、トリウムがモリブデンフォイル30’、40’に到達する可能性を減らす。この方法で、ランプ1’の寿命を長くすることができる。
図2は、充填ガス内にいかなるヨウ化トリウムもない先行技術のランプL_0、並びに、トリウムフリーの電極及び充填ガス内に高濃度のヨウ化トリウムを有した3つのランプL_17_300、L_17_360、L_8.5_360に対して測定したスポットまでの時間のボックスプロットを示している。
ボックスプロットは、上記のように、小さな明るいスポットにおいて放電アークが電極に結合するまでに経過した時間を示している。充填ガス内にいかなるヨウ化トリウムもない先行技術のランプL_0は、(45分のバーンイン時間の後で)開始後スポットモードに到達するまでに、平均で103sを必要としている。これらのランプは古くなるに従い、スポットまでの時間は、約180sという平均値までかなり増え、すなわち、そのようなランプがスポットモードに到達する前に3分経過する。
本発明によるランプの実施形態L_17_300、L_17_360、L_8.5_360は、有意により優れた結果をもたらす。17wt%のヨウ化トリウム及び300μmの厚さを有する電極を有したランプL_17_300は、平均で、45分のバーンイン時間の後でたったの約7s後、及び、15時間の燃焼の後で約10s後にそれぞれスポットモードに到達する。17wt%のヨウ化トリウム及び360μmの厚さを有する電極を有したランプL_17_360は、平均で、45分の燃焼の後で約1s後、及び、15時間の燃焼の後で約10s後にそれぞれスポットモードに到達する。8.5wt%のヨウ化トリウム及び360μmの厚さを有する電極を有したランプL_8.5_360は、平均で、45分の燃焼の後で約23s後、及び、15時間の燃焼の後で約14s後にそれぞれスポットモードに到達する。これらの観察した値は、トリウムの無い電極及びより高いヨウ化トリウム濃度を有した本発明による無水銀ランプを使用した際のスポットまでの時間における有意な改善を示している。特に、自動車のヘッドランプは可能な限り短時間でスポットモードに到達するべきであるため、より古いランプに対する短いスポットまでの時間は、本発明によるランプを支持する強力な論拠である。
本発明によるランプによってもたらされる光束も、先行技術のランプと比較して改善される。図3は、充填ガス内にヨウ化トリウムのない先行技術のランプL_0、及び、9.3wt%のヨウ化トリウム及び300μmの電極を有したランプL_9.3_300に対するルーメン(lm)での光束のボックスプロットを示している。先行技術のランプL_0は、平均で、最初の45分の燃焼(バーンイン)において3420lmもたらすけれども、光束は時間の経過に伴いかなり低下するので、15時間の燃焼(エージング)の後、これらのランプは、平均で、3100lmのみ達成する。これとは対照的に、本発明の実施形態によるランプL_9.3_300は、平均で、最初の45分の燃焼において3325lm、及び、15時間後、3250lmもたらす。明らかに、先行技術のランプL_0に対するルーメン損失は、本発明によるランプL_9.3_300に対するものよりも著しくひどく、本発明によるランプL_9.3_300は、その高いレベルの光束を効果的に維持する。より高いレベルのヨウ化トリウムが最も好ましい結果を生じ、トリウム入り電極を有する先行技術のランプに匹敵する性能を達成しながらより薄い電極の使用を可能にしていることを、これらの実験は示している。
本発明によるランプを使用して取得可能である、早い準備段階でのプラズマの明るさにおける顕著な改善が、トリウムフリーの300μmの電極を有した本発明によるいくつかのランプに対するヨウ化トリウム濃度に対しての(0から10sまでの早い準備段階にわたり平均され、任意の単位において与えられた)陰極近傍プラズマの明るさのグラフである図4を用いて例示されている。比較のために、トリウム入り電極を有した先行技術のランプによって取得可能なプラズマの明るさは、点線によって与えられている。ヨウ化トリウムの濃度が約5wt%を超えて増加するに従い、早い準備段階での陰極近傍プラズマの明るさは顕著に増加する。6wt%から8wt%までの値は、先行技術のランプより優れている陰極近傍プラズマの明るさのレベルをもたらす。序論において述べたように、この早い準備段階における高い陰極近傍プラズマの明るさのレベルは、ランプのエミッターが満足に機能していることの信頼できる指標である。グラフが示しているように、約8wt%以上の領域におけるヨウ化トリウムの濃度は、はるかに少ないトリウムが全体で使用されるけれども、トリウム入り電極を有した先行技術のランプより明らかに優れている結果をもたらす。
好ましい実施形態の形及びその異形で本発明は開示されてきたけれども、本発明の範囲から逸脱することなく、数多くのさらなる修正及び変化をそこにもたらすことができるということが理解されるはずである。
明瞭性のために、本願を通して単数名詞を言及する際に不定冠詞又は定冠詞が使用されている場合は、その名詞の複数形を除外せず、「含む」という用語は、他のステップ又は要素を除外しないことも理解されたい。

Claims (14)

  1. 放電チャンバ内の充填物を囲み且つ前記放電チャンバ内に延びる一対の電極を含む放電容器を含む無水銀高輝度ガス放電ランプであって、当該ランプに対して、
    前記電極はトリウムが無く、
    前記充填物は、少なくとも6wt%のヨウ化トリウムを含むハロゲン化組成物を含む、
    ランプ。
  2. 前記充填物は、少なくとも35wt%及び60wt%以下のヨウ化ナトリウムを含む、並びに、少なくとも20wt%及び40wt%以下のヨウ化スカンジウムを含むハロゲン化組成物を含む、請求項1に記載のランプ。
  3. 前記充填物は、20wt%以下のヨウ化亜鉛を含む、及び、0.5wt%以下のヨウ化インジウムを含むハロゲン化組成物を含む、請求項1又は請求項2に記載のランプ。
  4. 前記充填物は、非作動状態において少なくとも12バールの圧力下でキセノンガスを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のランプ。
  5. 前記電極は、前記放電チャンバの相反する端部にて配置され、電極の前方領域における最大直径は、少なくとも200μm及び400μm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のランプ。
  6. 前記ハロゲン化組成物におけるヨウ化トリウムの割合は、少なくとも7wt%、好ましくは少なくとも8wt%、より好ましくは少なくとも9wt%、さらに、最も好ましくは少なくとも10wt%を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のランプ。
  7. 前記ハロゲン化組成物におけるヨウ化トリウムの割合は、17.5wt%以下、好ましくは16wt%以下、より好ましくは14wt%以下、さらに、最も好ましくは12wt%以下を含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のランプ。
  8. 前記充填物は、非作動状態において少なくとも14バールの圧力下でキセノンガスを含む、請求項7に記載のランプ。
  9. 前記充填物は、20wt%以下のヨウ化亜鉛を含むハロゲン化組成物を含む、請求項7又は請求項8に記載のランプ。
  10. 前記充填物は、ヨウ化スカンジウムに対するヨウ化ナトリウムの比が1.0の値に近づくが1.0の値未満に低下しないようにヨウ化ナトリウム及びヨウ化スカンジウムを含むハロゲン化組成物を含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載のランプ。
  11. 電極が、当該ランプのピンチ領域内に置かれたモリブデンフォイルに接続され、前記モリブデンフォイルの端と前記放電チャンバの内壁との間の前記電極の埋め込まれた長さが少なくとも4mmという距離を含むように接続される、請求項7乃至10のいずれか一項に記載のランプ。
  12. 前記電極が、レーザー構造の電極及び/又はコイル状電極を含む、請求項7乃至11のいずれか一項に記載のランプ。
  13. 20Wから35Wの公称出力を有した請求項1乃至12のいずれか一項に記載のランプであって、当該ランプに対して、
    前記放電チャンバの容量は、15μlよりも大きいか又は15μlに等しく、及び、30μlよりも小さいか又は30μlに等しく;
    前記放電チャンバの内径は、少なくとも2.0mm及び2.6mm以下を含み;
    前記放電チャンバの外径は、少なくとも5.3mm及び6.3mm以下を含み;さらに、
    当該ランプの前記充填物内の前記ハロゲン化組成物は、少なくとも100μg及び400μg以下の組み合わされた重量を有する;
    ランプ。
  14. 前記電極の先端は、少なくとも3.8mm及び4.6mm以下の視覚的な離隔を含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のランプ
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