JP5454679B2 - 乗客コンベア - Google Patents

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Description

本発明は、エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアに係り、特に、その枠体の構成に関する。
従来の乗客コンベアでは、特許文献1の第2図や、特許文献2の図1,図2等に示すように、エスカレーター用枠体は、長手方向に複数に分割されたブロックがボルト等によって互いに接続された構造となっており、このブロックのそれぞれは、L形鋼で構成された上弦材,下弦材,縦材,斜め材をトラス状に重ねて配置し、重なり部の端部が溶接された構造となっている。
特開昭63−57485号公報(第2図等) 特開2003−128372号公報(図1,図2等)
しかしながら、前記特許文献1,2のように、枠体を構成するそれぞれのブロックにおいて、上弦材と下弦材に縦材と斜め材を溶接した場合、上弦材や下弦材が溶接熱により変形し、上弦材や下弦材の長手方向の端部において、隣のブロックの上弦材や下弦材に対して位置がずれてしまい、このずれが大きいと、隣合うブロック同士を接続できなくなるという問題があった。この変形を修正するためには専門の技術者の勘に頼るしかなく、簡単に修正出来ないという問題があった。
また、溶接されているため、リニューアルをする場合には簡単に解体することが出来ない問題もある。
したがって、本発明の目的は、枠体の製作性が良く、リニューアルのしやすい乗客コンベアを提供することにある。
尚、上記した課題以外のその他の課題は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
本発明の乗客コンベアでは、建築構造物に設置された枠体と、前記枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、前記乗降床間を無端状に連結されて循環回動する踏段と、前記踏段を駆動する駆動装置と、前記踏段の回動方向に沿って左右に対向する欄干とを備え、前記枠体は、長手方向に複数に分割されたブロックが互いに接続された構造であるとともに、前記ブロックのそれぞれは、上弦材と、下弦材と、縦材と、斜め材とを有し、前記縦材および前記斜め材は、リーマボルトによって前記上弦材および前記下弦材に締結されている構造とした。
尚、上記した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。また、上記した構成以外の本発明の構成の例は、本願明細書全体の記載または図面から明らかにされる。
本発明によれば、枠体の製作性が良く、リニューアルのしやすい乗客コンベアを提供できる。
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
本発明の乗客コンベアの全体側面を示す図である。 従来の場合の枠体同士の接続部Sの上弦材部分の拡大図である。 図1のI−Iに沿う本発明の断面を示す図である。 図3のII−IIに沿う断面を示す図である。
本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。尚、各図において、同一又は類似の構成要素には同じ符号を付し、説明を省略する。
本発明における実施例として、乗客コンベアの一種であるエスカレーターについて、図1〜図4を用いて説明する。
図1は、本発明の乗客コンベアの全体側面を示す図である。本実施例におけるエスカレーターは、図1に示す通り、建築構造物に設置された枠体4と、この枠体4の長手方向両端部に設けた乗降床71,72と、これら乗降床71,72間を無端状に連結されて循環移動する踏段8と、この踏段8を駆動する駆動装置Mと、踏段8の回動方向に沿って左右に対向する欄干13とを備えている。そして、本実施例の枠体4は上階51と下階52との間に跨って設置されている。枠体4の長手方向の端部には、それぞれ受けばり53が設けられており、枠体4は、受けばり53を介してそれぞれ上階51と下階52とに支えられる構造となっている。
ここで、枠体4は、長手方向に複数のブロックに分割された構造となっており、隣合うブロックは、接続部Sにおいて、ボルト等によって互いに接続された構造となっている。尚、図1では、接続部Sとして1箇所のみ図示しているが、接続部Sは2箇所以上あってもよい。このように複数のブロックに分割することで、それぞれのブロックを工場で製造してから、ブロック毎にエスカレーター設置現場に搬入し、その後、接続部Sを接続することで、エスカレーターの製造,搬入,設置の作業が容易になる。
図2は、従来の場合の枠体同士の接続部Sの上弦材部分の拡大図であり、上弦材41に縦材43および斜め材44(図2では図示せず)を溶接Yにより接続した構造である。このように上弦材41に縦材43および斜め材44を溶接Yにより接続すると、上弦材41が溶接熱により変形し、変位gだけずれが生じる場合があり、このずれが大きいと、隣合うブロックの上弦材41を添え板A1,A2で挟んでボルト類Bで連結するのが困難になるという問題があった。また、下弦材についても溶接Yにより同様に変形するという問題があった。
次に、図3は、図1のI−Iに沿う本発明の断面を示す図である。また、図4は、図3のII−IIに沿う断面を示す図である(欄干13および欄干支持ベース13Aは図示せず)。
この図3に示す通り、本実施例のエスカレーターの枠体4は、左側部材4Aと右側部材4Bと上横桁4Cと下横桁4Dとで構成されている。また、左側部材4Aと右側部材4Bの内側には、レール10やスカートガード11を取り付けられる縦部材5(5A,5B)を備えている。そして、縦部材5(5A,5B),上横桁4C,下横桁4Dは、それぞれ、縦材43に、ボルト類(例えばリーマボルトR)によって取り付けられている。また、下横桁4Dの上には、油受12が配置されている。
そして、本発明では、図3および図4に示す通り、左側部材4Aは上弦材41と下弦材42と縦材43と斜め材44とでトラス状に構成され、組み立て時には、雇などを利用して上弦材41と下弦材42とに跨って縦材43と斜め材44とを配置し、重なり部をリーマ穴加工し、その後リーマボルトRで締結するようにしている。また、右側部材4Bも同様にして組み立てられている。
このように、上弦材41と下弦材42に対し縦材43および斜め材44をリーマボルトRで固定したことにより、縦材43および斜め材44の接続の際に溶接Yが不要となるため、上弦材41や下弦材42に溶接熱による変形が発生しないため、枠体の隣合うブロック同士の接続が容易になるメリットがある。また、リーマボルトRを用いて接続しているため、溶接が不要になるので、枠体4の製作性が良く、リニューアルのしやすい乗客コンベアを提供することが可能となる。
さらに、本発明では、通常のボルトではなくリーマボルトRを用いている。縦材43および斜め材44を通常のボルトで上弦材41と下弦材42に接続した場合は、ボルトと穴との間に隙間が出来るため地震等の際の強度が弱くなるという問題があるが、本発明では、リーマボルトRを用いることで、リーマボルトRと穴との間の隙間がほぼなくなるため、地震等の際の強度を溶接の場合と同等以上に保つことが出来るというメリットもある。
尚、本発明では、上弦材41および下弦材42として、現在乗客コンベアで広く用いられているL形鋼を用いてもよいが、これに限られず、上弦材41および下弦材42として、鋼板を曲げて形成した上弦材41および下弦材42を用いることで、軽量化することが出来るとともに、通常のL形鋼に比べて、上弦材41や下弦材42の高さh1,h2(図3参照)を調節できる為、リーマボルトの固定スペースを確保しやすくなるという効果もある。
ここで、図3において、縦部材5(5A,5B),上横桁4C,下横桁4Dは、それぞれ、縦材43にリーマボルトRによって接続することが製作性や強度の面で最も望ましいが、これに限られず、溶接によって取り付けるようにしてもよい。溶接の場合、溶接熱により縦材43に変形が起こる可能性があるが、縦材43が変形したとしても、その変形が上弦材41および下弦材42に及ぼす影響は小さいので、接続部Sにおける接続の際にはあまり問題とはならない。
本発明では、全ての縦材43および斜め材44をリーマボルトRにより固定することが望ましいが、枠体4の長手方向の両端部(受けばり53の近傍)の縦材については、隣のブロックと接続する接続部Sが存在しないため、溶接によって接続するようにしてもよい。本発明では、上弦材41および下弦材42の変形による変位gが許容範囲内であれば、全ての縦材43および斜め材44のうち、所定の割合以上(例えば9割以上)をリーマボルトRにより固定するようにしてもよい。
尚、本実施例では、エスカレーターについて説明したが、段差の生じない、動く歩道に本構造を適用しても良い。
以上、本発明を実施例を用いて説明してきたが、これまで説明した構成はあくまで一例であり、本発明は、技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
4 枠体
4A 左側部材
4B 右側部材
4C 上横桁
4D 下横桁
5,5A,5B 縦部材
8 踏段
10 レール
11 スカートガード
12 油受
13 欄干
41 上弦材
42 下弦材
43 縦材
44 斜め材
51 上階
52 下階
53 受けばり
71,72 乗降床
M 駆動装置
R リーマボルト
Y 溶接

Claims (1)

  1. 建築構造物に設置された枠体と、前記枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、前記乗降床間を無端状に連結されて循環回動する踏段と、前記踏段を駆動する駆動装置と、前記踏段の回動方向に沿って左右に対向する欄干とを備えた乗客コンベアであって、
    前記枠体は、長手方向に複数に分割されたブロックが互いに接続された構造であるとともに、前記ブロックのそれぞれは、上弦材と、下弦材と、縦材と、斜め材とを有し、前記上弦材および前記下弦材は、鋼板をL字状に曲げた部材で構成されており、前記縦材は、前記縦材の長手方向に複数並んだリーマボルトによって前記上弦材の側面側に締結されており、前記斜め材は、前記斜め材の長手方向に複数並んだリーマボルトによって前記上弦材の側面側に締結されており、前記縦材は、前記縦材の長手方向に複数並んだリーマボルトによって前記下弦材の側面側に締結されており、前記斜め材は、前記斜め材の長手方向に複数並んだリーマボルトによって前記下弦材の側面側に締結されていることを特徴とする乗客コンベア。
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