JP5454006B2 - フィラメントランプ - Google Patents

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Description

この発明はフィラメントランプに関するものであり、特に、半導体ウェハ等の被処理物を加熱するために用いられるフィラメントランプに係わるものである。
従来の複写機の定着器用、また、半導体ウェハ製造工程における様々なプロセスを行う急速加熱処理装置用の熱源として、透明な発光管内にフィラメントが配設されてなるフィラメントランプが知られている。これらの熱源として使用される従来のフィラメントランプは、特許文献1,2に示されるような支持構造を備える。
特許文献1に示す支持構造(ソケット)200は、図10に示すように、絶縁材料でほぼ四角形状に設けた基板201の内側中央部に四角形状の切欠部202を設け、該切欠部202内には、上方に入出口203を設け、中間部には環状の保持部204を有する導電性で、しかも弾性を有する板バネ等でつくった二股形状の受端子205を挿入固定した構成である。
これによって、当該ソケットにフィラメントランプを保持するには、ガラス管211の両端側外方に突設した導電性の挿入端子212を、ソケットの基板201の切欠部202内に二股形状の受端子205内に、該受端子205の入出口203を介して、その中間部の環状の保持部204に達するまで押込む。このようにして、フィラメントランプは、ガラス管211の両端側下方に突設した導電性の挿入端子212が二股形状の受端子205の環状の保持部204内に弾性的に挟持される。
特許文献2に示す支持構造(外部電極)300は、図11に示すように、保持孔302が形成された基部301と、基部301の一部を切取って形成された略コ字形状の折曲部303とを有する。保持孔302は、フィラメントランプ310のベース304を受け取りかつベース304を確実に保持できるような大きさに設定されている。折曲部303は、その先端303Aが電極305の凹部に挿入できしかも電極305にフィラメント311側に向う押圧力を付与できる形状及び寸法を有する。外部電極300は、フィラメントに給電を行いかつ弾性変形することのできる材料からなる。
図11に示す支持構造によれば、フィラメントランプ310のベース304の外周面は、外部電極300の保持孔302に嵌合されるので、図示矢印a方向及びb方向への動きが規制される。また、フィラメントランプ310は、折曲部303により両側から長手方向に沿って押圧されるので、図示矢印c方向への動きが規制される。
フィラメントランプ310は、外部電極300により各方向の動きが規制されるので、定着器本体からの脱落が防止されるとともに容易に取り外すことができる。
実開昭61−85840号 実公平2−26143号
従来のフィラメントランプは、例えば石英ガラス管の内部にモリブデン製の金属箔を配置し、石英ガラス管を外部から所定の手段で加熱するとともに、石英ガラス管に対して外部から力を加えてピンチして、金属箔が埋設されることで気密に封止された封止部を有する。かかるフィラメントランプの封止部は、石英ガラス管を扁平な薄板状に押し広げることによって形成されるため、機械的強度が低いという弱点があった。
そして、図10に示す従来のフィラメントランプの支持構造によれば、フィラメントランプの挿入端子212を、弾性を有する板バネ等からなる二股形状の受端子205内に押込むものであるため、挿入端子212を受端子205に押込むときに、フィラメントランプの封止部に負荷がかかり、封止部が破損して発光管内に封入されたハロゲンガスがリークし、ランプの機能が損なわれることが度々あった。
図11に示す支持構造でも、フィラメントランプ310のベース304の外周面を外部電極300の保持孔302に嵌合するものであるため、ベース304を外部電極300の保持孔302に嵌合するときに、フィラメントランプの封止部に負荷がかかり、上記と同様の不具合を生じることがあった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱処理装置等にセッティングするときに、封止部を破損させるおそれの少ない支持構造を有するフィラメントランプを提供することにある。
請求項1の発明は、両端に、金属箔が埋設されて気密に封止された板状の封止部を有する発光管と、前記発光管内に、発光管の管軸方向に伸びるように配設されたフィラメントと、前記フィラメントの両端のそれぞれに連設されるとともに、前記封止部に埋設された金属箔に対し電気的に接続された内部リードと、前記封止部を収納する有底開口を有するベース部と、前記ベース部に装着される固定用金具とを備えるフィラメントランプであって、前記固定用金具は、前記発光管の管軸方向に延伸して前記ベース部の有底開口に挿入される舌片部と、前記舌片部に連接され鉛直方向に延伸する、回動自在な鉛直方向部とを有することを特徴とするフィラメントランプである。
請求項2の発明は、両端に、複数の金属箔が埋設されて気密に封止された板状の封止部を有する発光管と、前記発光管内に、それぞれ発光管の管軸方向に伸びるように順次に並んで配設された複数のフィラメントと、各フィラメントの両端のそれぞれに連接され、前記封止部に埋設されたそれぞれの金属箔に対し個別に電気的に接続された内部リードと、前記封止部を収納する有底開口を有するベース部と、前記ベース部に装着される固定用金具とを備え、各フィラメントに個別に給電されるフィラメントランプであって、
前記固定用金具は、前記発光管の管軸方向に延伸して前記ベース部の有底開口に挿入される舌片部と、前記舌片部に連接されて鉛直方向に延伸する、回動自在な鉛直方向部とを有することを特徴とするフィラメントランプである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2のフィラメントランプにおいて、前記したそれぞれの封止部に対し、前記ベース部がそれぞれ設けられ、前記したそれぞれのベース部に対し、前記固定用金具がそれぞれ装着され、前記固定用金具に係るそれぞれの舌片部が、前記発光管の管軸方向において互いに逆方向に延伸することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2のフィラメントランプにおいて、前記鉛直方向部が弾性を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または請求項2のフィラメントランプにおいて、前記舌片部が前記ベース部の有底開口において前記封止部に内接することを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1または請求項2のフィラメントランプにおいて、前記固定用金具が、前記鉛直方向部に連設された、前記封止部の周囲をコの字状に包囲する落下防止部が設けられていることを特徴とする。
本発明のフィラメントランプは、前記固定用金具は、前記発光管の管軸方向に延伸して前記ベース部の有底開口に挿入される舌片部と、前記舌片部に連接され鉛直方向に延伸するとともに、回動自在な鉛直方向部とを有しているので、フィラメントランプを加熱処理装置にセッティングする際に、機械的強度の低い封止部に対する負荷が従来のものに比べて軽減され、封止部の破損を確実に防止することができる。
本発明のフィラメントランプを搭載した加熱処理装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。 図2に示すフィラメントランプの一端部の断面図である。 図2に示すフィラメントランプが備える固定用金具の構成を、支持台とともに示す斜視図である。 発光管を固定用金具に対して着脱する手順を説明するための斜視図である。 本発明の第2の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。 図6に示すフィラメントランプが備える固定用金具の構成を、支持台とともに示す斜視図である。 本発明の第3の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。 従来のフィラメントランプの支持構造の構成を示す斜視図である。 従来のフィラメントランプの支持構造の構成を示す斜視図である。
図1は、本発明のフィラメントランプを搭載した加熱処理装置の構成の一例を示す。加熱処理装置は、互いに平行に並ぶように配置された複数のフィラメントランプ10と、各フィラメントランプを支持するための支持台40が固定された天板50とを備えて構成されている。支持台40は、各フィラメントランプ10の両端のそれぞれに設けられた固定用金具30を支持するために、1つのフィラメントランプにつき2つ設けられている。各フィラメントランプ10は、天板50に固定された支持台40に吊持され、各々の管軸が互いに平行に伸びるように並んで配置されている。
加熱処理装置は、不図示の給電装置から各フィラメントランプ10に対して電力を供給して、複数のフィラメントランプを一斉に点灯させ、各フィラメントランプ10が放射する光を鉛直方向下方側に配置された不図示の被処理体に照射して、被処理体の加熱処理を行うものである。被処理体は、例えば半導体ウェハ、太陽電池、液晶基板である。
〔第1の実施例のフィラメントランプ〕
以下、図2ないし図4を用いて本発明の第1の実施例のフィラメントランプについて説明する。図2は第1の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図、図3は図2に示すフィラメントランプの一端側における断面図、図4は固定用金具の構成を支持台と共に示す斜視図である。図3は、便宜上、フィラメントランプの一端側の断面構造のみを示しているが、他端側の断面構造も一端側の構造と同じである。
図2に示すように、フィラメントランプ10は、直管状の発光管11を備えている。発光管11は、管軸方向の両端のそれぞれに、金属箔13A,13Bを埋設することにより気密に封止された、一対の板状の封止部12A,12Bが形成されている。各封止部12A,12Bは、発光管構成材料である石英ガラス管の内部に金属箔13A,13Bをそれぞれ配置した状態で、石英ガラス管をバーナー等の加熱手段で外部から加熱するとともに、石英ガラス管に対して外部から力を加えてピンチすることによって形成される。
発光管11の内部には、コイル状のフィラメント14が発光管11の管軸と平行に伸びる姿勢で配置され、フィラメント14の両端のそれぞれには、給電用の一対の内部リード15A,15Bが連設されている。各内部リード15A,15Bは、各封止部12A,12Bに埋設された金属箔13A,13Bに対して、それぞれ電気的に接続されている。
17A,17Bは金属箔13A,13Bを介してフィラメント14に給電するための給電線である。18A,18B,18Cは、フィラメント14の垂下がりを防止するために、発光管11の内壁に挟持された環状のアンカーである。
封止部12A,12Bには、有底の角筒形状を有するベース部20A,20Bが、封止部12A,12Bのそれぞれを包囲するように取付けられている。
図3に示すように、ベース部20Aの先端面には、封止部12Aを挿入するための有底開口21Aが形成されている。また、ベース部20Aには、開口22A、23A、24Aがそれぞれ形成されている。22Aは、外部リード16Aを通過させるために、有底開口21Aの底部に設けられた開口である。23Aは外部リード16Aと給電線17Aとを抵抗溶接するときに溶接棒を挿入するために、ベース部20Aの側面を貫通するように設けられた開口である。24Aは給電線を挿入するために、ベース部20Aの基端面に設けられた開口であり、開口23Aに連通している。なお、ベース部20B側についても、ベース部20A側と同様の構成である。
図3に示すように、金属箔13Aには、封止部12Aの外方に突出するように伸びる外部リード16Aが接続されている。外部リード16Aは、一端が金属箔13Aに電気的に接続され、他端が封止部12Aの外方に突出するとともに、開口22Aを貫通して開口23Aの内部に伸び出ている。給電線17Aは、一端が開口23Aの内部に伸び出るように開口24Aの内部に挿入され、外部リード16Aの他端に電気的に接続され、他端がベース部20Aの外方に突出している。外部リード16Aと給電線17Aとは、ベース部20Aの側面に設けられた開口23A内に溶接棒を挿入して抵抗溶接することによって接続されている。これにより、給電線17A、外部リード16A、金属箔13Aおよび内部リード15Aを介してフィラメント14に対して給電することが可能になる。
さらに、フィラメントランプ10は、図2に示すように、発光管11を吊持するために、それぞれのベース部20の開口21内においてそれぞれの封止部12に対して内接する一対の固定用金具30A、30Bを備えている。
固定用金具30Aは、図4(A)に示すように、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部31Aと、舌片部31Aに連設されて舌片部31Aに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部32Aと、鉛直方向部32Aに連設されて舌片部31Aと平行に伸びる取付け部33Aと、取付け部33Aに穿設された開口34Aとを有している。取付け部33Aは、開口34Aを介して、支持台40Aに設けられた螺子穴に螺子42Aを螺合することにより、支持台40Aに螺設されている。
固定用金具30Aは、図3に示すように、ベース部20Aの有底開口21A内において、舌片部31Aが封止部12Aに内接するように有底開口21A内に挿入されることにより、発光管11が鉛直方向下方に落下しないように発光管11を吊持している。舌片部31Aは、封止部12Aに内接した状態でベース部20Aの有底開口21Aから離脱することのない程度の厚みおよび幅を有している。
固定用金具30Bは、図4(B)に示すように、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部31Bと、舌片部31Bに連設されて舌片部31Bに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部32Bと、鉛直方向部32Bに連設されて舌片部31Bと平行に伸びる取付け部33Bと、取付け部33Bに穿設された開口34Bとを有している。取付け部33Bは、開口34Bを介して、支持台40Bに設けられた螺子穴に螺子42Bを螺合することにより、支持台40Bに螺設されている。
固定用金具30Bは、ベース部20Bの有底開口内において、舌片部31Bが封止部12Bに内接するように開口21B内に挿入されることにより、発光管11が鉛直方向下方に落下しないように発光管11を吊持している。舌片部31Bは、封止部12Bに内接した状態でベース部20Bの開口21Bから離脱することのない程度の厚みおよび幅を有している。
図5は、発光管を固定用金具に対して着脱する方法を示す。
図5(A)は、発光管11を固定用金具30A,30Bに装着する前の状態を示す。図5(A)に示すように、固定用金具30A,30Bは、それぞれの舌片部31Aおよび31Bが互いに逆方向に向かって伸びるように配置されている。
図5(B)は、一方の固定用金具30Aの舌片部31Aのみを一方のベース部20Aの有底開口21Aに挿入し、他方の固定用金具30Bの舌片部31Bは他方のベース部20Bの有底開口21Bに挿入されていない状態を示す。図5(B)に示すように、一方の固定用金具30Aの舌片部31Aを一方のベース部20Aに挿入した後に、発光管11を矢印A1の方向(他方のベース部20Bの方向)へスライドさせることにより、鉛直方向部32Aの弾性力に抗して鉛直方向部32Aを反時計回りに回動させ、他方のベース部20Bが他方の固定用金具30Bの舌片部31Bよりも紙面の右方側に配置されるようにする。
そして、図5(B)に示すように、発光管11を矢印A2の方向(一方のベース部20Aの方向)にスライドさせることにより、鉛直方向部32Aを時計回りに回動させ、他方の固定用金具30Bの舌片部31Bを他方のベース部20Bの有底開口21B内に挿入する。
このようにして、図5(C)に示すように、固定用金具30A,30Bにおけるそれぞれの舌片部31A,31Bが、それぞれのベース部20A,20B内に挿入され、封止部12A,12Bに内接した状態とされる。このようにして、発光管11が固定用金具30A,30Bを介して支持台40A,40Bに吊持され、加熱処理装置へのフィラメントランプのセッティング作業が完了する。
使用寿命を超過したフィラメントランプを新品のものに交換する場合は、図5(B)に示すように、発光管11を矢印A1の方向へスライドさせることによって、一方の固定用金具30Aの鉛直方向部32Aを反時計回りに回動させ、他方の固定用金具30Bをベース部20Bから離脱させる。
その後に、発光管11を矢印A2の方向にスライドさせることにより、鉛直方向部32Aを時計回りに回動させ、一方の固定用金具30Aをベース部20Aから離脱させる。
本発明のフィラメントランプは、固定用金具30A,30Bが舌片部31A,31Bおよび弾性を有しかつ円周方向に回動自在な鉛直方向部32A,32Bを有し、それぞれの舌片部31A,31Bが管軸方向において互いに逆方向に向けて延伸するものである。本発明のフィラメントランプにおいては、一方の固定用金具30Aの舌片部31Aを一方のベース部20Aに挿入した後に、鉛直方向部32Aの弾性力に抗しながら発光管11を矢印A1の方向へスライドさせ、さらに、鉛直方向部32Aから生じる付勢力を受けながら発光管11を矢印A2の方向へスライドさせ、他方の固定用金具30Bの舌片部31Bを他方のベース部20Bに挿入し、これにより、発光管11が固定用金具30A,30Bを介して支持台40A,40Bに吊持される。
このように、本発明のフィラメントランプは、要約すると、固定用金具30A,30Bの鉛直方向部32A,32Bが弾性を有しかつ回動自在であることを利用して、発光管11を管軸方向にスライドさせることにより、舌片部31A,31Bをベース部20A,20B内に挿入するだけで、フィラメントランプを加熱処理装置に容易にセッティングすることができる。したがって、本発明のフィラメントランプの構造によれば、従来のフィラメントランプの構造に比較して、フィラメントランプを加熱処理装置にセッティングする際に、機械的強度の弱い封止部12A,12Bにかかる負荷が軽減され、封止部12A,12Bが破損する危険性を可及的に小さくすることができる。
また、本発明のフィラメントランプによれば、ベース部20A,20B内に挿入した舌片部31A,31Bが、ベース部20A,20Bから離脱しない程度の厚みおよび幅を有している。そのため、発光管11が管軸方向および管軸に対して直交する方向に移動することがなくなり、発光管を最適な位置に位置決めすることができる。
しかも、本発明のフィラメントランプにおいては、固定用金具30A,30Bのそれぞれの舌片部31A,31Bが、ベース部20A,20B内において、それぞれ封止部12A,12Bに内接している。したがって、フィラメントランプの点灯時において、封止部12A,12Bの熱がこれらに当接する舌片部31A,31Bに伝導されることにより、封止部12A,12Bの高温化を抑制することができる。
〔第2の実施例のフィラメントランプ〕
図6は、本発明の第2の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。図6では、図2に示す第1の実施例のフィラメントランプと共通する構成については、図2と同一符号を付すことにより説明を省略する。図6に示すように、フィラメントランプ60は、固定用金具の形状が図2に示すフィラメントランプ10と相違する。図7は、図6に示すフィラメントランプ60が備える固定用金具の構成を支持台とともに示す斜視図である。
図7(A)に示すように、固定用金具70Aは、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部71Aと、舌片部71Aに連設されて舌片部71Aに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部72Aと、鉛直方向部72Aに連設されて舌片部71Aと平行に伸び、開口74Aを有する取付け部73Aと、鉛直方向部72Aに連設されコの字形状を有する落下防止部75Aとを有している。取付け部73Aは、開口74Aを介して、支持台40Aに設けられた螺子穴に螺子42Aを螺合することにより、支持台40Aに螺設されている。
固定用金具70Aは、ベース部20Aの有底開口21A内において、舌片部71Aが封止部12Aに内接するように有底開口21A内に挿入されることにより、発光管11が鉛直方向下方に落下しないように発光管11を吊持している。舌片部71Aは、封止部12Aに内接した状態でベース部20Aの有底開口21Aから離脱することのない程度の厚みを有している。
図7(B)に示すように、固定用金具70Bは、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部71Bと、舌片部71Bに連設されて舌片部71Bに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部72Bと、鉛直方向部72Bに連設されて舌片部71Bと平行に伸び、開口74Bを有する取付け部73Bと、鉛直方向部72Bに連設されコの字形状を有する落下防止部75Bとを有している。取付け部73Bは、開口74Bを介して、支持台40Bに設けられた螺子穴に螺子42Bを螺合することにより、支持台40Bに螺設されている。
固定用金具70Bは、ベース部20Bの有底開口21B内において、舌片部71Bが封止部12Bに内接するように有底開口21B内に挿入されることにより、発光管11が鉛直方向下方に落下しないように発光管11を吊持している。舌片部71Bは、封止部12Bに内接した状態でベース部20Bの有底開口21Bから離脱することのない程度の厚みを有している。
第2の実施例のフィラメントランプ60によれば、フィラメントランプ10と同様に、鉛直方向部72Aが弾性を有しかつ回動自在であることを利用して、発光管11を管軸方向にスライドさせることにより、それぞれの固定用金具における舌片部71A,71Bを、それぞれのベース部20A,20B内に挿入する。これにより、発光管11が固定用金具70A,70Bを介して支持台40A,40Bに吊持される。したがって、フィラメント60によれば、フィラメントランプ10と同様、加熱処理装置にセッティングする際に、封止部12A,12Bにかかる負荷を軽減することができ、封止部12A,12Bの破損を防止することができる。
しかも、フィラメントランプ60においては、固定用金具70A,70Bの鉛直方向部72A,72Bに、封止部12A,12Bをコの字状に包囲する落下防止部75A,75Bが連設されているので、万が一、舌片部71A,71Bがベース部20A,20Bから離脱するようなことがあっても、発光管11が被処理物上に落下することが確実に阻止される。したがって、発光管11が落下して破損し、その破片により被処理物が傷つけられる、といった事態の発生を回避することができる。
〔第3の実施例のフィラメントランプ〕
図8は、本発明の第3の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。図8では、図2に示す第1の実施例のフィラメントランプ10と共通する構成については、図2と同一符号を付すことにより説明を省略する。図8に示すように、フィラメントランプ80は、鉛直方向上方に配置された被処理物に向けて光を照射することが図2に示すフィラメントランプ10と相違する。
図8に示すように、発光管11を支持するための支持台96A,96Bが底板95上に固定されている。フィラメントランプ80は、支持台96A,96Bの上面に螺設された固定用金具90A,90Bを備え、これら固定用金具90A,90B上に発光管11が架設され、底板95と平行に伸びる姿勢で配置されている。すなわち、フィラメントランプ80は、鉛直方向上方側に配置された被処理物(不図示)に対して、フィラメントから発した光を照射するように配置されている。
固定用金具90Aは、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部91Aと、舌片部91Aに連設されて舌片部91Aに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部92Aと、鉛直方向部92Aに連設されて舌片部91Aと平行に伸び、開口を有する取付け部93Aとを有する。固定用金具90Aは、取付け部93Aに設けられた開口を介して、支持台96Aに設けられた螺子穴に螺子94Aを螺合することにより、支持台96Aに螺設されている。
固定用金具90Bは、発光管11の管軸と平行に伸びる舌片部91Bと、舌片部91Bに連設されて舌片部91Bに対して垂直方向に伸び、弾性を有しかつ回動自在な鉛直方向部92Bと、鉛直方向部92Bに連設されて舌片部91Bと平行に伸び、開口を有する取付け部93Bとを有する。固定用金具90Bは、取付け部93Bに設けられた開口を介して、支持台96Bに設けられた螺子穴に螺子94Bを螺合することにより、支持台96Bに螺設されている。
固定用金具90A,90Bは、前述したフィラメントランプ10等と同様にして、鉛直方向部92A,92Bが弾性を有しかつ回動自在であることを利用して、舌片部91A,91Bが封止部12A,12Bに内接するようにベース部20A,20B内に挿入されることによって、発光管11を固定している。
第3の実施例のフィラメントランプ80によれば、フィラメントランプ10と同様に、加熱処理装置にセッティングする際に、封止部12A,12Bにかかる負荷を軽減することができ、封止部12A,12Bの破損を防止することができる。
〔第4の実施例のフィラメントランプ〕
図9は、本発明の第4の実施例のフィラメントランプの構成を示す斜視図である。図9では、図2に示すフィラメントランプと同じ固定用金具を装着している。図9では、図2に示すフィラメントランプと共通する構成については、図2と同一符号を付すことにより説明を省略する。なお、図9のフィラメントランプは、前述した固定用金具の何れでも装着することができる。
図9に示すように、フィラメントランプ100の発光管101内には、3つのフィラメント103,104,105が管軸方向に順次に並んで配置されている。一端側の封止部102Aに直近するフィラメント103に連設された内部リード103A,103Bは、同一方向に延伸し、同一の封止部102Aに埋設された金属箔106A,106Bと接続されている。
一方、中央部に位置するフィラメント104の内部リード104A,104Bは、互いに異なる方向に延伸し、封止部102A,102Bに埋設された金属箔107A,107Bに接続されている。
他端側の封止部102Bに直近するフィラメント105に関しても、上記フィラメント103と同様に、その内部リード105A,105Bは、同一方向に延伸し、同一の封止部102Bに埋設された金属箔108A,108Bに接続されている。
金属箔106A,106Bには外部リード109A,109Bが、金属箔107A,107Bには外部リード110A,110Bが、金属箔108A,108Bには外部リード111A,111Bがそれぞれ接続されている。
フィラメント103には、自重による垂下がりを防止するための環状のアンカー116A,116Bが設けられている。アンカー116A,116Bは、絶縁管112,113の間に挟持されている。
フィラメント103の近傍を延伸する内部リード103A,104Aは、それぞれ絶縁管112,113によって被覆されている。絶縁管112,113は、例えば、直管形状を有する石英ガラスによって構成されている。絶縁管112,113は、フィラメント103と、フィラメント104に連設された内部リード104Aとが、アンカー116A,116Bを介して短絡しないようにするために設けられている。
フィラメント104には、自重による垂下がりを防止するための環状のアンカー117A,117Bが設けられている。アンカー117A,117Bは、発光管101の内壁に当接して固定されている。
フィラメント105には、自重による垂下がりを防止するための環状のアンカー118A,118Bが設けられている。アンカー118A,118Bは、絶縁管114,115の間に挟持されている。
フィラメント105の近傍を延伸する内部リード104B,105Aは、それぞれ絶縁管114,115によって被覆されている。絶縁管114,115は、例えば、直管形状を有する石英ガラスによって構成されている。絶縁管114,115は、フィラメント105と、フィラメント104に連設された内部リード104Bとが、アンカー118A,118Bを介して短絡しないようにするために設けられている。
また、発光管101の内部の封止部102A,102B近傍には、ガラスブリッジ119A,119Bが設けられている。ガラスブリッジ119A,119Bは、図9に示すように、一対の円柱状ガラス部材からなる。
ガラスブリッジ119Aの間には、内部リード103A,103B,104Aが挟持されている。ガラスブリッジ119Bの間には、内部リード104B,105A,105Bが挟持されている。
フィラメントランプ100においては、発光管101の管軸方向に順次に並んで配置されたフィラメント103,104,105のそれぞれに対して個別に給電されるものであるため、各フィラメントの発光等の制御を個別に行うことができることから、例えば熱処理される被処理体上における場所的な温度変化の度合いの分布が被処理体の形状に対して非対称である場合であっても、当該被処理体の特性に応じた所望の放射照度分布で光照射することができる結果、被処理体を均一に加熱することができ、従って、被処理体における被照射面の全体にわたって、均一な温度分布を実現することができるという利点を有する。
また、フィラメントランプ100によれば、中央部のフィラメント104の近傍に、給電系の異なる他のフィラメント103,105に連設された内部リードが延在することがない。したがって、被処理体の直上に位置するフィラメント105からの照射光が内部リードや、これに被嵌される絶縁管によって遮られることがなく、均一照射が達成される。
第4の実施例のフィラメントランプ100の封止部102A,102Bは、それぞれ3つの金属箔が埋設されており、図2に示すフィラメントランプ10よりも、幅広に形成されているために機械的強度が低く、破損する危険性が高い。
第4の実施例のフィラメントランプ100は、鉛直方向部32Aが弾性を有して回動自在であることを利用して、発光管101を管軸方向にスライドさせることにより、固定用金具30A,30Bの舌片部31A,31Bをベース部20A,20B内に挿入するだけで、フィラメントランプを加熱処理装置に容易にセッティングすることができる。よって、機械的強度の弱い封止部12A,12Bにかかる負荷が軽減され、封止部12A,12Bが破損する危険性を可及的に小さくすることができる。
10 フィラメントランプ
11 発光管
12A,12B 封止部
13A,13B 金属箔
14 フィラメント
15A,15B 内部リード
16A,16B 外部リード
17A,17B 給電線
20A,20B ベース部
30A,30B 固定用金具
31A,31B 舌片部
32A,32B 鉛直方向部
33A,33B 取付け部
40A,40B 支持台
50 天板
70A,70B 固定用金具
71A,71B 舌片部
72A,72B 鉛直方向部
73A,73B 取付け部
75A,75B 落下防止部
90A,90B 固定用金具
91A,91B 舌片部
92A,92B 鉛直方向部
93A,93B 取付け部
95 底板
96A,96B 支持台
100 フィラメントランプ
101 発光管
102A,102B 封止部
103,104,105 フィラメント
103A,103B,104A,104B,105A,105B 内部リード
106A,106B,107A,107B,108A,108B 金属箔
109A,109B,110A,110B,111A,111B 外部リード
112,113,114,115 絶縁管
116A,116B、117A,117B,118A,118B アンカー
119A,119B ガラスブリッジ

Claims (6)

  1. 両端に、金属箔が埋設されて気密に封止された板状の封止部を有する発光管と、
    前記発光管内に、発光管の管軸方向に伸びるように配設されたフィラメントと、
    前記フィラメントの両端のそれぞれに連設されるとともに、前記封止部に埋設された金属箔に対し電気的に接続された内部リードと、
    前記封止部を収納する有底開口を有するベース部と、
    前記ベース部に装着される固定用金具と、を備えるフィラメントランプであって、
    前記固定用金具は、前記発光管の管軸方向に延伸して前記ベース部の前記有底開口に挿入される舌片部と、前記舌片部に連接され鉛直方向に延伸する、回動自在な鉛直方向部とを有することを特徴とするフィラメントランプ。
  2. 両端に、複数の金属箔が埋設されて気密に封止された板状の封止部を有する発光管と、
    前記発光管内に、それぞれ発光管の管軸方向に伸びるように順次に並んで配設された複数のフィラメントと、
    各フィラメントの両端のそれぞれに連接され、前記封止部に埋設されたそれぞれの金属箔に対し個別に電気的に接続された内部リードと、
    前記封止部を収納する有底開口を有するベース部と、
    前記ベース部に装着される固定用金具とを備え、各フィラメントに個別に給電されるフィラメントランプであって、
    前記固定用金具は、前記発光管の管軸方向に延伸して前記ベース部の前記有底開口に挿入される舌片部と、前記舌片部に連接されて鉛直方向に延伸する、回動自在な鉛直方向部とを有することを特徴とするフィラメントランプ。
  3. 前記したそれぞれの封止部に対し、前記ベース部がそれぞれ設けられ、
    前記したそれぞれのベース部に対し、前記固定用金具がそれぞれ装着され、
    前記固定用金具に係るそれぞれの舌片部が、前記発光管の管軸方向において互いに逆方向に延伸することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィラメントランプ。
  4. 前記鉛直方向部が弾性を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィラメントランプ。
  5. 前記舌片部が、前記ベース部の有底開口において前記封止部に内接することを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィラメントランプ。
  6. 前記固定用金具が、前記鉛直方向部に連設された、前記封止部の周囲をコの字状に包囲する落下防止部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のフィラメントランプ。
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