JP5453480B2 - チクソキャスティング用鋳鉄ビレットおよびその製造方法 - Google Patents

チクソキャスティング用鋳鉄ビレットおよびその製造方法 Download PDF

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本発明は、チクソキャスティング用鋳鉄ビレットおよびその製造方法に関する。
鋳造材料を加熱して固相と液相とが共存する半溶融状態として鋳造する半溶融鋳造法は、低い溶融温度で鋳型への鋳造が可能であるため、鋳型への熱負荷が通常の鋳造と比べて軽減され、鋳型の寿命が延び、経済的であるため、鋳鉄の鋳造法として注目されている。
鋳鉄の半溶融鋳造法には、液相線温度から固相線温度の間の温度に鉄を冷却・保持し、そのまま鋳型(金型)へ鋳造するレオキャスト法(例えば特許文献1)と、目的成分の鉄を一旦所定の形状へ凝固させて固体とし、その後高周波誘導加熱などにより半溶融状態とし、鋳型へ鋳造するチクソキャスティング法の2種類がある。
しかし、特許文献1のレオキャスト法は、鋳造する部品の重量に合わせて鉄を分割することが困難であり、かつ、複雑な温度制御が必要であり、安定的な生産は難しい。
一方、後者のチクソキャスティング法は、そのような問題はなく、経済的かつ安定的な半溶融鋳造法として期待されている。鋳鉄のチクソキャスティングにおいては、例えば特許文献2に開示されているように亜共晶鋳鉄成分で行われる。
また、チクソキャスティング用の素材ビレットを製造する方法には、水平連続鋳造法によるもの(例えば特許文献3)や、水冷銅鋳型を有する連続鋳造機を用いて半連続鋳造するもの(例えば特許文献4)が知られている。
特開2006−122971号公報 特開2005−290420号公報 特開2003−290878号公報 特許第4076155号公報
しかし、特許文献3の水平連続鋳造法では、高温大気中で冷却されるため、表面酸化膜が生成され、それがチクソ射出成形時に製品に混入することがある。そのため、場合によっては側面全面を削り上げる必要があり、コストが高くなってしまう。また、切断面では脱炭層が削られ、ビレット加熱時の保形性に影響をおよぼす。
さらに、素材が亜共晶の成分であるため、液相線と固相線との温度間隔が広く、凝固時間が長い。しかも、セメンタイトが晶出するため、凝固時の収縮率が大きい。このため、特許文献3、4のような連続鋳造では、動的状態、すなわち鋳造材料と鋳型との間に相対移動がある状態で凝固するため、表面には「被り」という独特な欠陥ができやすく、オシレーションマークでは表面皮膜が不均一であり、保形性に影響がある。また、ニアネットシェイプとすることができず、切断費用が高くなってしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、複雑な温度制御等が不要であり、連続鋳造によらずに安価に製造することができるチクソキャスティング用鋳鉄ビレットおよびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、チクソキャスティング用の亜共晶組成を有する素材としての鋳鉄ビレットを製造する際に、組織を適切に制御することにより、連続鋳造によらずに、通常の鋳型を用いた静止状態による鋳造によって、複雑な制御を経ることなく、しかも欠陥を生じることなくニアネットシェイプの鋳鉄ビレットを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づくものであり、以下の(1)〜(7)を提供する。
(1) 質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有し、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)からなる高炭素析出相、または前記高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有することを特徴とするチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
(2) さらに質量%でCr:0.10〜0.50%、B:0.001〜0.01%、Mn:0.3〜0.8%、Ni:0.5〜1.5%のうち一種または二種以上を含有することを特徴とする(1)に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
(3) 表面に厚さ0.01〜0.1mmの脱炭層を有することを特徴とする(1)または(2)に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
(4) 質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有するか、または、この基本組成に加えてさらに質量%でCr:0.10〜0.50%、B:0.001〜0.01%、Mn:0.3〜0.8%、Ni:0.5〜1.5%のうち一種または二種以上を含有する溶湯を、鋳型内に鋳込み、20℃/minより大きい冷却速度で凝固させて、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(Fe C)からなる高炭素析出相、または前記高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有する鋳鉄ビレットを製造することを特徴とするチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
(5) 前記鋳鉄ビレットの表面に厚さ0.01〜0.1mmの脱炭層が形成されることを特徴とする(4)に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
(6) 前記鋳型は、キャビティを有する金型または砂型であり、前記溶湯を前記キャビティ内で静止状態かつ密閉状態で凝固させることを特徴とする(4)または(5)に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
(7) 前記鋳造後の鋳鉄ビレットがニアネットシェイプであることを特徴とする(4)から(6)のいずれかに記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
本発明によれば、質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有し、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)からなる高炭素析出相、または前記高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有するので、金型または砂型のキャビティ内で静止状態かつ密閉状態として「被り」のような鋳造欠陥を生じることなく完全に凝固させることができる。このため、連続鋳造によることなくかつ複雑な制御を必要とせずにチクソキャスティング用鋳鉄ビレットを得ることができる。
このように密閉した鋳型の中で冷却するため、表面に薄い脱炭層ができ、その厚さを0.01〜0.1mmとすることにより、チクソキャスティングを行うにあたって半溶融状態とした際にも形状保持性がよく、かつ脱炭層が非溶融物として製品内に残存することがない。
また、連続鋳造設備を用いることなく砂型や金型で鋳造することができるので、設備費を低減することができる。さらに、素材としての鋳鉄ビレットをニアネットシェイプとすることができるので、切断が不要である。
本発明の鋳鉄ビレットを製造する際に用いられる鋳型の構造の一例を示す断面図である。 実施例1のねずみ鋳鉄製金型を用いて鋳造したビレットの光学顕微鏡による金属組織写真である。 実施例3のクロマイト砂型を用いて鋳造したビレットの光学顕微鏡による金属組織写真である。 比較例1の石英砂型を用いて鋳造したビレットの光学顕微鏡による金属組織写真である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットは、質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有し、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)からなる高炭素析出相、またはこのような高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有する。
Cを2.0〜3.0%としたのは、2.0%未満ではセメンタイトが晶出しないため、白鋳鉄にならならず、一方、3.0%を超えるとセメンタイトの代わりに片状黒鉛が析出するからである。
Siは黒鉛の促進元素である。1.50〜2.50%としたのは、1.50%未満ではビレットに晶出したセメンタイトをチクソ成形後の黒鉛化焼鈍時間が長く、場合によって黒鉛化できないこともあり、一方、2.50%を超えると鋳造段階ではセメンタイトの代わりに黒鉛が晶出するからである。
これら基本組成に加え、さらに質量%でCr:0.10〜0.50%、B:0.001〜0.01%、Mn:0.3〜0.8%、Ni:0.5〜1.5%のうち一種または二種以上を含有することが好ましい。
Crはセメンタイトの促進元素であり、0.10%以上含有させることによって、セメンタイトを形成されやすくすることができる。一方、0.50%より多いと、黒鉛化処理時間が長くなり、場合によっては黒鉛化できない可能性がある。
Bは以下のような二重の効果を有する元素である。すなわち、Bは凝固段階ではセメンタイトの促進元素であり、その添加により、セメンタイトを形成されやすくすることができる。また、焼鈍処理の段階では黒鉛化を促進する効果があるため、黒鉛化焼鈍時間を短縮できる。これらの効果は0.001%以上で有効に発揮されるが、0.01%を超えても効果が飽和する。
Mnは、Crと同様セメンタイトの促進元素であるとともに、基地強化の元素である。その含有量が0.3%より少ないと、黒鉛が析出しやすくなり、また、半溶融チクソ成形の製品強度が低いものとなってしまう。一方、0.8%より多いと、黒鉛化処理時間が長くなり、場合によっては黒鉛化できない可能性がある。
Niは主に鉄基地を強靭化する元素である。その含有量が0.5%より少ないと、半溶融チクソ成形後の製品を強靱化する効果が小さい。一方、Niは高価な元素であるため、1.5%を超えると、コスト上昇分に見合うだけの強度向上効果が得られない。
これらの残部はFeおよび不可避不純物である。
この鋳鉄ビレット素材の金属組織を、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)からなる高炭素析出相、またはこのような高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有するものとしたのは、以下のような理由による。
鋳造段階で高炭素が黒鉛として液体から晶出・成長する黒鉛は寸法の大きい片状黒鉛になりやすい。焼鈍によっては、この黒鉛が変化しないため、製品の強度を損なう。したがって、凝固段階では炭素は基本的に全部がセメンタイトとして晶出する必要がある。一方、セメンタイトの晶出に伴って析出した黒鉛は微細であり製品の性質に悪影響を与えることがなく、また、黒鉛化焼鈍時に黒鉛の核になってセメンタイトの黒鉛化時間を短縮する効果があるため、少量の微細に点状分布する黒鉛の含有は許容される。
この場合、黒鉛の体積分率は2%未満で、かつその寸法は0.01mm以下であることが好ましい。黒鉛の体積分率が2%以上では、黒鉛が液体から晶出した際に片状となり、半溶融チクソ成形の製品強度が低下してしまう。また、黒鉛の寸法が0.01mmより大きいと片状となり、やはり製品の強度が低下してしまう。
チクソキャスティング用素材としての鋳鉄ビレットを製造する過程で、その表面にはC量の少ない脱炭層が形成されるが、その脱炭層の厚さを0.01〜0.1mmの範囲とすることが好ましい。脱炭層の厚さが0.01mm未満であると、鋳鉄ビレットをチクソキャスティングするために半溶融状態とした際に形状を保持することができず、鋳鉄ビレットを鋳型に搬送することが困難となる。一方、脱炭層が0.1mmを超えると鋳造時に非溶融物として製品内に残存し、欠陥となる。
次に、チクソキャスティングの素材となる鋳鉄ビレットの製造方法について説明する。
まず、上記組成を有する鋳鉄の溶湯を調製し、次に、鋳鉄溶湯を円柱形あるいは長方形のキャビティを有する鋳型(金型あるいは砂型)に鋳込み、キャビティ内で静止状態かつ密閉状態として完全に凝固させる。
図1はこのときに用いる鋳型の構造の一例を示す断面図である。鋳型1は砂型あるいは金型として構成され、その中にはキャビティ2が形成されている。3は湯道であり、4は押湯、5は断熱スリーブである。溶湯を鋳込む際には、溶湯を湯道3に注入し、下方からキャビティ2の中に入れる。そして、キャビティ2内で静止状態かつ密閉状態として溶湯を完全に凝固させる。
このとき、鋳型内(キャビティ内)で、冷却速度が20℃/minより大きくなるようにして凝固させる。これにより、上記金属組織が形成される。冷却速度が20℃/min以下の場合には、寸法の大きい片状黒鉛が晶出し、製品の強度が低下してしまう。なお、本発明でいう冷却速度は、冷却曲線において、共晶温度点直前の冷却速度をいう。
20℃/minより大きい冷却速度とするためには、鋳型材料の選択が重要であり、鋳型が金型の場合には、純銅、ねずみ鋳鉄、および炭素鋼等を好適に用いることができ、砂型の場合には、クロマイト砂を好適に用いることができる。しかし、石英砂を用いた砂型の場合には、熱伝導性が低いため冷却速度が小さく、所望の組織が得られない。
また、このとき、密閉した鋳型の中で冷却するため、表面に薄い脱炭層ができるが、この脱炭層の厚さは、鋳型の内側に塗布する塗型の材料(種類)によって制御することができる。例えば、金型の内側にアルミナ系の塗型を塗布することにより、脱炭層の厚さを好ましい範囲である0.01〜0.1mmの範囲に制御することができる。
これにより、連続鋳造によることなくかつ複雑な制御を必要とせずにチクソキャスティング用の素材となる鋳鉄ビレットを得ることができる。
このように、静止状態で凝固するため、「被り」のような欠陥を生じることがない。さらに連続鋳造設備が不要であり、砂型や金型で鋳造することができるので、設備費を低減することができる。さらに、素材としての鋳鉄ビレットをニアネットシェイプとすることができるので、切断が不要である。さらにまた、レオキャスト法を用いた場合のような複雑な組成制御が不要である。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1:金型鋳造例1)
鋳型として、キャピティ寸法がφ65mm長さ130mmであり、上部に断熱スリーブを用いた押湯を設けたねずみ鋳鉄製の金型を準備し、これを180℃で予熱し、キャビティの内側にアルミナ系の塗型を塗布した。
このような鋳型のキャビティ内に、質量%でC:2.6%、Si:1.6%の鋳鉄溶湯を注入してチクソキャスティング素材としての鋳鉄ビレットを鋳造した。鋳造温度は1450℃とした。冷却速度は110℃/minであった。
得られた円柱状ビレットの長さ方向の中心部から切断し、切断面の品質検査を行った。切断面では引け巣、ピンホールなど鋳造欠陥が皆無であり、内部品質が良好であった。
ビレットからサンプルを採取し、ナイタールエッチングして、光学顕微鏡で金属組織を観察した。その際の金属組織写真を図2に示す(観察位置:下(1/2H)−中心から15mm(1/4t))。図2に示すように、基地はパーライトであり、炭素は結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC;図中Cで示す)として存在しており、黒鉛の析出は見られなかった。また、ビレットの表面を調査した結果、表面に厚み0.04mmの脱炭層が均一に分布していた。
得られたビレットを固液共存域である1150〜1180℃まで加熱したところ、良好な保形性が得られた。この半溶融状態の鋳鉄ビレットを用いて、不活性ガス雰囲気のチクソ鋳造装置でチクソキャスティングを行った。
得られた製品の内、抜き取り調査で10個を用い、それぞれ中央部を切断し、引張性質、金属組織および内部品質を調査した。いずれの製品でも内部欠陥が検出されず、健全な製品であった。また、引張試験の結果、引張強さ600MPaの高強度値が得られた。
(実施例2:金型鋳造例2)
鋳型として純銅製金型を用いた以外は、実施例1と同様にして、チクソキャスティング素材としての鋳鉄ビレットを鋳造した。鋳造温度は1460℃とした。冷却速度は290℃/minであった。
実施例1と同様に組織観察を行ったところ、基地はパーライトであり、炭素は結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)として存在しており、黒鉛の析出は見られなかった。また、ビレットの表面を調査した結果、表面に厚み0.02mmの脱炭層が均一に分布していた。
(実施例3:砂型鋳造例1)
鋳型としてクロマイト砂型を用いた以外は、実施例1と同様にして、チクソキャスティング素材としての鋳鉄ビレットを鋳造した。鋳造温度は1430℃とした。冷却速度は24℃/minであった。
実施例1と同様に組織観察を行ったところ、図3の金属組織写真に示すように、基地はパーライトであり、炭素は結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC;図中Cで示す)として存在しており、黒鉛の析出は見られなかった。また、ビレットの表面を調査した結果、表面に厚み0.07mmの脱炭層が均一に分布していた。
(比較例1:砂型鋳造例2)
鋳型として石英砂型を用いた以外は、実施例1と同様にして、チクソキャスティング素材としての鋳鉄ビレットを鋳造した。鋳造温度は1430℃とした。冷却速度は12℃/minであった。実施例1と同様に組織観察を行ったところ、図4の金属組織写真に示すように、粗大な片状黒鉛(図中Gで示す)が析出していた。
これらの結果をまとめて表1に示す。
1;鋳型
2;キャビティ
3;湯道
4;押湯
5;断熱スリーブ

Claims (7)

  1. 質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有し、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(FeC)からなる高炭素析出相、または前記高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有することを特徴とするチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
  2. さらに質量%でCr:0.10〜0.50%、B:0.001〜0.01%、Mn:0.3〜0.8%、Ni:0.5〜1.5%のうち一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
  3. 表面に厚さ0.01〜0.1mmの脱炭層を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレット。
  4. 質量%でC:2.0〜3.0%、Si:1.50〜2.50%を含有する亜共晶組成を有するか、または、この基本組成に加えてさらに質量%でCr:0.10〜0.50%、B:0.001〜0.01%、Mn:0.3〜0.8%、Ni:0.5〜1.5%のうち一種または二種以上を含有する溶湯を、鋳型内に鋳込み、20℃/minより大きい冷却速度で凝固させて、鉄の基地を構成する結晶粒界に網状に分布するセメンタイト(Fe C)からなる高炭素析出相、または前記高炭素析出相と少量の微細に点状分布する黒鉛とを有する金属組織を有する鋳鉄ビレットを製造することを特徴とするチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
  5. 前記鋳鉄ビレットの表面に厚さ0.01〜0.1mmの脱炭層が形成されることを特徴とする請求項4に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
  6. 前記鋳型は、キャビティを有する金型または砂型であり、前記溶湯を前記キャビティ内で静止状態かつ密閉状態で凝固させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
  7. 前記鋳造後の鋳鉄ビレットがニアネットシェイプであることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のチクソキャスティング用鋳鉄ビレットの製造方法。
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