JP5452706B2 - 鉄筋コンクリート仕切体 - Google Patents

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    • E04B1/92Protection against other undesired influences or dangers
    • E04B2001/925Protection against harmful electro-magnetic or radio-active radiations, e.g. X-rays

Description

本発明は、伝搬される電磁波を減衰させるために、2つの空間の間に鉄筋コンクリートによって構築される壁や床などの鉄筋コンクリート仕切体に関するものである。
従来、特許文献1,2に開示されているように、建物の外部から内部への不要な電磁波の侵入や、建物の内部から外部への電磁波の漏洩を防ぐために、電磁波シールド機能を備えた建物が構築されている。すなわち、建物の外で伝搬されている電磁波が室内に侵入すると、テレビやパソコンの画像が乱れたり、電子機器が誤作動を起こしたりすることがある。また、室内での無線送信などによって発生した電磁波が建物の外まで伝搬されることによって、情報が漏洩してしまうことがある。
一方、ビルなどの壁や床は、主に鉄筋コンクリートによって構築されるが、構造体として必要とされる耐力のみを満たすようにして構築された鉄筋コンクリート自体は電磁波シールド機能が低い。特に、波長が短い1GHz以上の周波数の電磁波は、ほとんど鉄筋コンクリートの壁を透過してしまう。
そこで、例えば、鉄筋コンクリートの壁や床の表面に、鉄板、金属網、金属箔、金属メッシュなどの電磁波シールド機能を有する部材を貼り付けることで、電磁波シールド機能を備えた建物にしている。
特開平11−121973号公報 特開2002−54248号公報
しかしながら、従来の電磁波シールド部材を貼り付ける方法は、鉄筋コンクリートによって構築される構造体とは別に電磁波シールド部材を付加する方法であるため、材料費が追加される上に、電磁波シールド部材を貼り付ける作業などの工程が増える。
また、建物の内部にいても携帯電話の電波は受信したいが、無線LAN(Local Area Network)の電波は外部に漏洩させたくないなど、特定の周波数の電磁波のみを遮蔽したい場合がある。
そこで、本発明は、対象とする周波数の電磁波に対して電磁波シールド機能を発揮させることができる鉄筋コンクリート仕切体を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の鉄筋コンクリート仕切体は、一方の空間から他方の空間に向けて伝搬する対象周波数の電磁波を減衰させる鉄筋コンクリート仕切体であって、前記一方の空間から他方の空間に向けての方向を厚さ方向とするコンクリート部と、前記コンクリート部の前記厚さ方向のいずれかの位置で格子状の鉄筋面を形成する鉄筋部とを備え、前記鉄筋部は、一定の間隔を置いて並んで配設される複数の第1鉄筋とその第1鉄筋に交差するように一定の間隔を置いて並んで配設される複数の第2鉄筋とを有するとともに、前記第1鉄筋及び前記第2鉄筋の前記間隔が前記対象周波数の電磁波の波長又は周波数に基づいて調整されていることを特徴とする。
ここで、前記第1鉄筋及び前記第2鉄筋の前記間隔は、前記コンクリート部の内部で共振を起こす周波数の電磁波との関係によって調整されるのが好ましい。
また、前記鉄筋部の前記厚さ方向の位置は、前記対象周波数の前記コンクリート部の内部における一波長の整数倍の長さ又は一波長の整数倍から半波長を引いた長さに基づいて設定されるのが好ましい。
このように構成された本発明の鉄筋コンクリート仕切体は、コンクリート部の内部に埋設される鉄筋部が、複数の第1鉄筋と複数の第2鉄筋とによって格子状に形成されている。そして、この第1鉄筋及び第2鉄筋の間隔は、対象周波数の電磁波の伝搬を減衰させるために、対象周波数の電磁波の波長又は周波数に基づいて調整される。
このため、構造体として必然的に構築される鉄筋コンクリート仕切体自体によって、対象周波数の電磁波を遮蔽することができる。
本発明の実施の形態の鉄筋コンクリート仕切体の構成を説明する断面図である。 本発明の実施の形態の鉄筋コンクリート仕切体の構成を説明する斜視図である。 鉄筋コンクリート仕切体の電磁波シールド効果を確認するためにおこなった解析のモデルを模式的に示した説明図である。 解析結果を示す電界強度分布図である。 解析結果を示す電界強度分布図である。 解析結果を示す電界強度分布図である。 解析結果を示す電界強度分布図である。 周波数と電磁波シールド効果との関係を示したグラフである。 複数の鉄筋部の被り厚さに対して周波数と電磁波シールド効果との関係を示したグラフである。 複数の鉄筋間隔に対して周波数と電磁波シールド効果との関係を示したグラフである。 鉄筋コンクリート仕切体の中で共振を起こす電磁波の周波数と鉄筋間隔との関係を示したグラフである。 鉄筋コンクリート仕切体の中で共振を起こす電磁波の波長と鉄筋間隔との関係を示したグラフである。 実施例1の鉄筋コンクリート仕切体の構成を説明する断面図である。 実施例2の拡幅部が延出された鉄筋によって形成された鉄筋部の構成を説明する斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本実施の形態の鉄筋コンクリート仕切体としてのRC壁1は、図1に示すように、一方の空間としての建物の内部空間R1と他方の空間としての建物の外部空間R2とを仕切るものである。このRC壁1が設けられることによって、建物の内部空間R1から外部空間R2、又は外部空間R2から内部空間R1への対象周波数の電磁波の伝搬が遮蔽される。なお、ここで「遮蔽」とは、伝搬される電磁波が減衰されることで電磁波シールド効果(SE:Shield Effectiveness)が得られる状態をいう。
まず、図1,2を参照しながらRC壁1の構成について説明する。
このRC壁1は、図1,2に示すように、厚さCのコンクリート部2と、コンクリート部2の内部空間R1側に埋設される鉄筋部としての前側鉄筋格子3と、前側鉄筋格子3と並列に外部空間R2側に埋設される鉄筋部としての後側鉄筋格子4とを備えている。
このコンクリート部2は、例えばセメントと骨材と水とを混合して製造される。また、コンクリート部2の配合は、RC壁1として必要とされる強度を満たすように設定すればよい。
また、このコンクリート部2によって形成される内部空間R1側の面を前面11とし、外部空間R2側の面を後面12とする。そして、図1の断面図に示すように、前面11から内部空間R1方向に間隔を置いて、内装板5が前面11と略平行に並べられる。
また、前側鉄筋格子3は、図2に示すように、鉛直方向に向けて立設された複数の第1鉄筋としての縦筋31,・・・と、縦筋31に略直角となるように交差する複数の第2鉄筋としての横筋32,・・・とによって格子状に形成される。すなわち、縦筋31,・・・及び横筋32,・・・は、それぞれ一定の間隔を置いて並んで配設される。そして、縦筋31,・・・と横筋32,・・・とが接する面が鉄筋面30となる。
また、横筋32,32及び縦筋31,31は、それぞれ一定の間隔で略平行に配設されている。そして、横筋32,32間の距離を間隔P1とし、縦筋31,31間の距離を間隔P2とする。さらに、この間隔P1(P2)は、すべての横筋32,32(縦筋31,31)間で等しくしておく。なお、以下においては、間隔P1と間隔P2とが等しい場合は、両方を合わせて格子間隔と呼ぶ場合もある。
さらに、図1に示すように、縦筋31の直径を鉄筋径B1とし、横筋32の直径を鉄筋径B3とする。また、縦筋31とコンクリート部2の前面11との距離を被り厚さC1とする。そして、前面11と鉄筋面30との距離をD1、鉄筋面30と後面12との距離をD2とする。
一方、後側鉄筋格子4は、前側鉄筋格子3と同様に、鉛直方向に向けて立設された複数の第1鉄筋としての縦筋41,・・・と、縦筋41に略直角となるように交差する複数の第2鉄筋としての横筋42,・・・とによって格子状に形成される。すなわち、縦筋41,・・・及び横筋42,・・・は、それぞれ一定の間隔を置いて略平行に配設される。そして、縦筋41と横筋42とが接する面が鉄筋面40となる。また、前側鉄筋格子3の鉄筋面30と鉄筋面40とのコンクリート部2の厚さ方向の間隔を、距離C3とする。
また、横筋42,42間の距離及び縦筋41,41間の距離は、前側鉄筋格子3と同様に間隔P1,P2とし、すべての横筋42,42(縦筋41,41)間で等しくしておく。
さらに、図1に示すように、縦筋41の直径を鉄筋径B2とし、横筋42の直径を鉄筋径B4とする。また、縦筋41とコンクリート部2の後面12との距離を被り厚さC2とする。
次に、図3−図7を参照しながら、本実施の形態のRC壁1の電磁波シールド効果を検討するためにおこなった解析について説明する。
図3は、有限要素法による数値シミュレーションで使用する解析モデルの一部を模式的に示した図である。この図3に示すように、モデル化されたRC壁M1の両側に内部空間MR1と外部空間MR2がモデル化される。また、RC壁M1の内部空間MR1側には内装板M5のモデルが形成される。さらに、RC壁M1の内部には、十字状の前側鉄筋格子M3と後側鉄筋格子M4とがモデル化されている。そして、RC壁M1の内部空間R1側が前面M11となり、RC壁M1の外部空間MR2側が後面M12となる。
この解析では、内部空間MR1側からRC壁M1に向けて垂直偏波の平面波を伝搬させて、外部空間MR2側まで伝搬される電磁波の電界強度を確認した。また、垂直偏波は、周波数を0.5GHz〜1.5GHzまで0.01GHz刻みで変化させてシミュレーションをおこなった。その中で、RC壁M1による電磁波シールド効果が高かった結果を、側方から見た電界強度分布図として図4及び図5に示した。図中では、相対的に電界強度が高い部分を濃いドットで示し、電界強度が低くなるにつれてドットが薄くなる表示としている。
図4は、0.96GHzの周波数の垂直偏波の平面波を伝搬させたときの電界強度分布図である。この周波数の電磁波を伝搬させると、図4に示すように前側鉄筋格子M3と後側鉄筋格子M4との間で定在波が形成されて電界強度が高く(濃いドット)なっていることがわかる。これは、前側鉄筋格子M3と後面M12との間(図1の距離D2)で共振が起きて、反射波の多重反射の相互関係により定在波が形成されたものと考えられる。そして、外部空間MR2では電界強度が非常に低く(薄いドット又は白色)なっているのは、RC壁M1内の共振によって電磁波が減衰され、外部空間MR2にほとんど電磁波が伝搬されなかったためと考えられる。
また図5は、1.25GHzの周波数の垂直偏波の平面波を伝搬させたときの電界強度分布図である。この周波数の電磁波を伝搬させると、図5に示すように前面M11と前側鉄筋格子M3との間で定在波が形成されて電界強度が高く(濃いドット)なっていることがわかる。これは、RC壁M1の前面M11と前側鉄筋格子M3との間(図1の距離D1)で共振が起きたためと考えられる。
一方、図6は、図3に示したモデルから後側鉄筋格子M4を除いた前側鉄筋格子M3のみが配置されたモデルによって解析をおこなった結果である。この図6に示すように、このモデルでは、1.03GHzの周波数の垂直偏波の平面波を伝搬させると、前面M11と前側鉄筋格子M3との間で定在波が形成されて電界強度が高く(濃いドット)なっていることがわかる。これは、RC壁M1の前面M11と前側鉄筋格子M3との間(図1の距離D1)で共振が起きたためと考えられる。
他方、図7は、図3に示したモデルから前側鉄筋格子M3を除いた後側鉄筋格子M4のみが配置されたモデルによって解析をおこなった結果である。この図7に示すように、このモデルでは、1.05GHzの周波数の垂直偏波の平面波を伝搬させると、後面M12と後側鉄筋格子M4との間で定在波が形成されて電界強度が高く(濃いドット)なっていることがわかる。これは、RC壁M1の後面M12と後側鉄筋格子M4との間(図1の被り厚さC2+鉄筋径B2)で共振が起きたためと考えられる。
このようにRC壁M1では、特定の周波数のときに壁内部で共振が起き、透過波が抑制されることがわかる。ここで、透過波の抑制に寄与する現象としては、共振と共振以外の現象とが考えられるが、少なくとも共振が発生しているので、これらの現象を合わせて「共振に準じた現象」という。
図8は、周波数を横軸に、電磁波シールド効果(SE)を縦軸にして、上述した解析結果をまとめた図である。ここで、電磁波シールド効果(SE)は、RC壁M1の有無で比べた電界強度の比に基づいてデシベル(dB)で表す。
SE=20log10(RC壁M1が無いときの電界強度/RC壁M1が有るときの電界強度)
例えば、電磁波シールド効果(SE)が20dBとは、電磁波の強さが10分の1に減衰されたことを示し、シールド率でいうと90%となる。
図8のグラフでは、0.96GHzと1.25GHzにおいて電磁波シールド効果(SE)のピークが発生している。これは、図4,5に示したRC壁M1内で共振が起きた周波数である。すなわち、周波数0.96GHzの電磁波のときは、前側鉄筋格子M3と後面M12との間(図1の距離D2)で共振が起き、電磁波が大きく減衰された。また、周波数1.25GHzの電磁波のときは、RC壁M1の前面M11と前側鉄筋格子M3との間(図1の距離D1(=被り厚さC1+鉄筋径B1))で共振が起き、電磁波が大きく減衰された。
なお、図8は解析結果に基づくものであるが、実際に製作された鉄筋コンクリート壁を使った実測試験の結果からも同様の結果を得ることができ、解析結果の有効性が確認できた。
これらの結果から、前側鉄筋格子3の鉄筋面30によって、電磁波の透過波が抑制される半透過面が形成されていることがわかる。そして、この半透過面となった鉄筋面30が反射面として機能することによって共振が起きることになる。
このように前側鉄筋格子M3と後面M12又は前側鉄筋格子M3と前面M11との間で共振が起きているため、前側鉄筋格子M3の位置をRC壁M1の厚さ方向に移動させて距離D1,D2を変化させると、電磁波シールド効果(SE)も変化することになる。図9は、前側鉄筋格子M3の被り厚さC1を、20mm,30mm,40mm,50mm,60mmと10mm単位で変化させた場合の解析結果を示した図である。なお、鉄筋径B1は10mm、RC壁M1の厚さCは200mmとして解析をおこなった。
そして、図9には、図8に示した被り厚さC1が40mmのときの結果を実線で示した。周波数1.25GHzのときの電磁波シールド効果(SE)は、この実線で示した被り厚さC1=40mmのときをピークに、それよりも被り厚さC1が厚くなっても薄くなっても低下した。これに対して周波数0.96GHzのときの電磁波シールド効果(SE)は、被り厚さC1が60mmのときが最も高く、被り厚さC1が40mmのときが最も低くなった。但し、程度の差はあるが、周波数0.96GHz及び周波数1.25GHzのときは、20mm〜60mmのすべての被り厚さC1で電磁波シールド効果(SE)が得られている。
このように前側鉄筋格子3の鉄筋面30が半透過面となって電磁波の反射が発生する場合は、RC壁1内で共振が起きて電磁波がシールドされることがわかる。しかしながら、前側鉄筋格子3の横筋32,32の間隔P1及び縦筋31,31の間隔P2によっては、前側鉄筋格子3で電磁波の反射が起きなくなる。そこで、周波数と格子間隔(間隔P1,P2)との関係について検討をおこなった。
図10には、格子間隔(間隔P1,P2)を、130mm,140mm,150mm,160mm,170mmと10mm単位で変化させた場合の周波数と電磁波シールド効果(SE)との関係を示した。この図10では、図8に示した格子間隔が150mmの場合を実線で示した。この実線で示した格子間隔よりも格子間隔が狭くなる場合は、図10に示すようにピークが右側に移動し、格子間隔が広くなるとピークが左側に移動する。すなわち、格子間隔が狭い方が高い周波数(短い波長)の電磁波の反射面として機能し、格子間隔が広くなるにつれて低い周波数(長い波長)の電磁波の反射面として機能することがわかる。
そこで、前側鉄筋格子3又は後側鉄筋格子4の格子間隔(間隔P1,P2)を調整することで、透過波を抑制する半透過面を形成し、対象周波数の電磁波をRC壁1内で共振させる。
図11には、格子間隔(間隔P1,P2)を横軸に、RC壁1内で電磁波が反射する(共振する)周波数を縦軸にしたグラフを示した。この図11の周波数グラフF1は、電磁波をRC壁1の距離D1(=被り厚さC1+鉄筋径B1)の中で反射させる場合の周波数と格子間隔との関係を示している。なお、電磁波を被り厚さC2+鉄筋径B2の中で反射させる場合も、周波数グラフF1が利用できる。例えば、1.25GHzの周波数の電磁波を共振させるためには、周波数グラフF1から格子間隔(間隔P1,P2)を150mmにすればよいことが読み取れる。
また、周波数グラフF2は、前側鉄筋格子3の鉄筋面30と後面12との距離D2の中で反射せる場合の周波数と格子間隔との関係を示している。なお、電磁波を後側鉄筋格子4の鉄筋面40と前面11との距離(被り厚さC1+鉄筋径B1+距離C3)の中で反射させる場合も、周波数グラフF2が利用できる。例えば、0.96GHzの周波数の電磁波を共振させるためには、周波数グラフF2から格子間隔(間隔P1,P2)を150mmにすればよいことが読み取れる。
ところで、この周波数グラフF1,F2を使用するにあたって、所定の許容誤差範囲内であれば、対象周波数周辺の電磁波を遮蔽させる効果を得ることができる。すなわち、図8に示すように、電磁波シールド効果(SE)は、周波数1.25GHzの周辺では1.20GHz〜1.32GHzの範囲で得られる。そこで、(1.32−1.20)/2=0.06GHzとなることから、対象周波数の前後0.06GHzを許容誤差範囲として扱うこととする。
図11には、周波数グラフF1(F2)に対して、許容誤差の上限と下限を一点鎖線UF1,LF1(UF2,LF2)で示した。例えば、0.96GHzの周波数の電磁波を遮蔽するための格子間隔(間隔P1,P2)は、(150−9.0)=141mm〜(150+11.8)=161.8mmの間であればよい。
これに対して、図11の周波数と格子間隔との関係を、RC壁1内の電磁波の波長λと格子間隔(間隔P1,P2)との関係で示したのが図12である。すなわち図12は、波長λを縦軸に、格子間隔(間隔P1,P2)を横軸にしている。ここで、RC壁1内のコンクリート部2の波長λは、コンクリート部2の比誘電率をε、電磁波の周波数をf、光速をvとすると次式によって算出できる。
λ=v/f×1/√ε ・・・(式0)
周波数グラフF1を式0によって変換した波長グラフW1から、格子間隔が150mmのときの波長λは101mmと読み取れる。この波長101mmの半波長は50.5mmである。一方、図9に示すように、周波数1.25GHzの電磁波の電磁波シールド効果(SE)が最大になるときの被り厚さC1(=40mm)から算出される距離D1は、被り厚さC1+鉄筋径B1=40mm+10mm=50mmであり、上述した半波長の長さ50.5mmと略等しくなる。
また、この波長グラフW1は次の関係式で示すことができる。
λ=0.4685P+30.937 ・・・(式1)
ここで、格子間隔P=P1=P2
よって、RC壁1によって遮蔽したい任意の対象周波数fの波長λを上記式1に代入すれば、前側鉄筋格子3を半透過面とするために必要な格子間隔Pを得ることができる。
また、波長グラフW1の許容誤差範囲となる上限グラフUW1と下限グラフLW1は、次の関係式で示すことができる。
λ=0.5167P+28.816 ・・・(式1U)
λ=0.4267P+32.559 ・・・(式1L)
例えば格子間隔を150mmにしたときに、波長λが96.6mm〜106.3mmの範囲に入る電磁波は、共振に準じた現象を起こすことができる。
さらに、この前側鉄筋格子3による電磁波シールド効果を最大にするためには、前側鉄筋格子3の被り厚さC1に鉄筋径B1を加えた距離D1が、半波長0.5λとなるように調整すればよい。また、1次の共振だけでなく、2次,3次,・・・,n次の共振も同様に起きるため、距離D1を(波長の整数倍−半波長)=nλ−0.5λ(nは整数)になるように調整すればよいと一般化できる。なお、後側鉄筋格子4の被り厚さC2に鉄筋径B2を加えた距離も、波長λの整数倍−半波長(0.5λ)の長さを基準に調整することができる。
また、図9に示すように、周波数1.25GHzのときの被り厚さC1=40mmをピークに、その前後20mmの被り厚さC1でも電磁波シールド効果(SE)が得られたことから、厚さ方向の位置の所定の許容誤差は、基準値の前後20mmとすることができる。
これに対して、周波数グラフF2を式0によって変換した波長グラフW2から、格子間隔が150mmのときの波長λは132mmと読み取れる。一方、図9に示すように、周波数0.96GHzの電磁波の電磁波シールド効果(SE)が最大になるときの被り厚さC1(=60mm)から算出される距離D2は、RC壁1の厚さC−(被り厚さC1+鉄筋径B1)=200mm−(60mm+10mm)=130mmであり、上述した波長λの長さ132mmと略等しくなる。
また、この波長グラフW2は次の関係式で示すことができる。
λ=0.8056P+10.59 ・・・(式2)
ここで、格子間隔P=P1=P2
よって、RC壁1によって遮蔽したい任意の対象周波数fの波長λを上記式2に代入すれば、前側鉄筋格子3を半透過面とするために必要な格子間隔Pを得ることができる。
また、波長グラフW2の許容誤差範囲となる上限グラフUW2と下限グラフLW2は、次の関係式で示すことができる。
λ=0.9160P+2.829 ・・・(式2U)
λ=0.7142P+16.564 ・・・(式2L)
例えば格子間隔150mmをしたときに、波長λが123.7mm〜140.2mmの範囲に入る電磁波は、共振に準じた現象を起こすことができる。
さらに、この前側鉄筋格子3による電磁波シールド効果を最大にするためには、前側鉄筋格子3と後面12との距離D2が、波長λ又はn次の共振を考慮して波長の整数倍nλ(nは整数)の長さを基準に調整すればよい。また、ここでも上述したのと同様に、厚さ方向の位置の所定の許容誤差は、基準値の前後20mmとすることができる。
次に、本実施の形態の鉄筋コンクリート仕切体(RC壁1)の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のRC壁1は、コンクリート部2の内部に埋設される前側鉄筋格子3が、複数の縦筋31,・・・と複数の横筋32,・・・とによって格子状に形成されている。そして、この横筋32,32と縦筋31,31の間隔P1,P2(格子間隔P)は、対象周波数fの電磁波の伝搬を減衰させるために、対象周波数fの電磁波の波長λに基づいて調整される。
例えば、上記した式0によってRC壁1によって遮蔽したい対象周波数fの波長λを算出する。そして、前側鉄筋格子3又は後側鉄筋格子4の被りにおける共振に準じた現象によって電磁波を減衰させようとする場合は、上記式1に対象周波数fの波長λを代入し、前側鉄筋格子3又は後側鉄筋格子4の格子間隔P(間隔P1,P2)を算出する。なお、図12の波長グラフW1を使って格子間隔Pを求めることもできる。
さらに、電磁波の半透過面として作用させたい前側鉄筋格子3(又は後側鉄筋格子4)のRC壁1の厚さ方向の位置を、波長λの整数倍−半波長との関係を使って調整する。すなわち、(被り厚さC1+鉄筋径B1)=(nλ−0.5λ:nは整数)となるように、前側鉄筋格子3の鉄筋面30の厚さ方向の位置を調整する。
このように前側鉄筋格子3又は後側鉄筋格子4の少なくとも一方の格子間隔P及び厚さ方向の位置を調整するだけで、構造体として必然的に構築されるRC壁1自体によって、対象周波数fの電磁波を遮蔽することができる。
特に、前側鉄筋格子3と後側鉄筋格子4の両方を半透過面として機能させることで、電磁波シールド効果をより高めることができる。
一方、前側鉄筋格子3と後面12との間の共振に準じた現象によって電磁波を減衰させようとする場合は、上記式2又は図12の波長グラフW2を使って前側鉄筋格子3の格子間隔P(間隔P1,P2)を求める。
さらに、電磁波の半透過面として作用させたい前側鉄筋格子3のRC壁1の厚さ方向の位置を、波長λの整数倍によって調整する。すなわち、鉄筋面30と後面12との距離D2が波長λの整数倍(nλ:nは整数)となるように、前側鉄筋格子3の位置を調整する。
このように前側鉄筋格子3の格子間隔P及び厚さ方向の位置を調整するだけで、構造体として必然的に構築されるRC壁1自体によって、対象周波数fの電磁波を遮蔽することができる。
すなわちこのようにして構築されるRC壁1は、構造体として構築しなければならない鉄筋コンクリート壁の鉄筋の間隔P1,P2及び被り厚さC1,C2などを調整しただけで、電磁波シールド機能を発揮させることができる。このため、電磁波シールド部材を貼り付けなければならない従来の場合に比べて、材料費を削減できる。また、作業も鉄筋コンクリート壁自体を構築する作業とほとんど変わらず、電磁波シールド機能を付加するための追加作業がほとんど発生せず容易に構築できる。
ここで、このようなRC壁1を構築する建物として、データセンター、サーバルーム、放送スタジオ、撮影スタジオ、空港レーダ管制室、無線LANが利用可能なオフィス、電磁波シールドルームなどが挙げられる。
また、このRC壁1は、対象周波数fに対する電磁波シールド効果(SE)は高いが、それ以外の周波数の電磁波は透過させることができる。このため、建物の内部にいても携帯電話の電波は受信したいが、無線LANの電波は外部に漏洩させたくないなど、特定の周波数の電磁波のみを遮蔽することができる。
さらに、この対象周波数は一周波数に限られず、例えば図8に示したように、1.25GHzと0.96GHzの2つの周波数を特に効果的に減衰させることができる。
また、このようなRC壁1は建物の建築現場で直接、構築することができる。さらに、工場や作業ヤードなどでRC壁1を構成するプレキャストパネルを予め製造し、建築現場でプレキャストパネルを組み立てることによってRC壁1とすることもできる。
そして、工場などでプレキャストパネルを製造する方法であれば、前側鉄筋格子3及び後側鉄筋格子4を正確な格子間隔Pで正確な位置に配置することが安定的にできる。さらに、コンクリート部2の厚さも正確に形成することができるので、所望する電磁波シールド機能を備えた安定した品質のRC壁1を構築することができる。
次に、前記実施の形態で説明したRC壁1とは別の形態の鉄筋コンクリート仕切体としてのRC壁1Aについて説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を用いて説明する。
実施例1のRC壁1Aは、図13の断面図に示すように、前側鉄筋格子3と略平行に金網部としての溶接金網6がコンクリート部2に埋設されている。この溶接金網6は、鉛直方向に向けて立設された複数の縦線材61,・・・と、縦線材61に略直角となるように交差する複数の横線材62,・・・とによって格子状に形成される。
そして、この溶接金網6の略平行に並列された横線材62,62間及び縦線材61,61間の格子間隔P3を調整することによって、溶接金網6を任意の周波数の半透過面とすることができる。すなわち、前記実施の形態で説明した前側鉄筋格子3の格子間隔(間隔P1,P2)と同様に、格子間隔P3によって半透過面として作用させることができる周波数の大きさが異なる。このため、溶接金網6で遮蔽したい電磁波の対象周波数fckの波長λckを上記した式0で求め、その波長λckに基づいて式1又は式2又は図12を使って格子間隔P3を求める。
また、この溶接金網6のRC壁1Aの厚さ方向の位置は、対象周波数fckの波長λckに基づいて前記した実施の形態と同様に設定することができる。すなわち、溶接金網6の被りにおける共振によって電磁波を減衰させようとする場合は、前面11と溶接金網6との距離を波長λckの整数倍−半波長=(nλck−0.5λck:nは整数)にすることによって調整する。
これに対して溶接金網6と後面12との間の共振によって電磁波を減衰させようとする場合は、溶接金網6と後面12との距離を波長λckの整数倍にすることによって調整する。
このように前側鉄筋格子3及び後側鉄筋格子4に加えて溶接金網6を配置することで、RC壁1Aは、複数の対象周波数f,fckに対して電磁波シールド効果を発揮することができる。
また、前側鉄筋格子3によって遮蔽させる対象周波数fと、溶接金網6によって遮蔽させる対象周波数fckとが近い値であれば、2つの重なりによってピークの幅が広がるため、遮蔽可能な周波数の帯域幅を広げることができる。
なお、実施例1のこの他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
次に、前記実施の形態又は実施例1で説明した前側鉄筋格子3及び後側鉄筋格子4とは別の形態の鉄筋部について説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を用いて説明する。
図14は、実施例2の鉄筋部としての羽付き鉄筋格子7の斜視図である。この羽付き鉄筋格子7は、鉛直方向に向けて立設された複数の第1鉄筋としての縦筋71,・・・と、縦筋71に略直角となるように交差する複数の第2鉄筋としての横筋72,・・・とによって格子状に形成される。この縦筋71,71と横筋72,72とによって形成される正方形状の格子の目を、ここでは隙間73と呼ぶ。
また、この縦筋71には、図14に示すように、左右の両側に拡幅部としての羽部71a,71aが延出される。すなわち羽部71a,71aは、縦筋71を挟んで対峙する位置に設けられる。また、この羽部71a,71aは、縦筋71の長手方向に沿って帯板状の鋼板を固着することによって形成できる。
さらに、横筋72にも、図14に示すように、上下の両側に拡幅部としての羽部72a,72aが延出される。すなわち羽部72a,72aは、横筋72を挟んで対峙する位置に設けられる。また、この羽部72a,72aは、横筋72の長手方向に沿って帯板状の鋼板を固着することによって形成できる。
そして、このように羽部71a,72aが延出された縦筋71と横筋72とは、格子の隙間73が最も狭くなる方向に羽部71a,72aを向けた状態で交差させる。ここで、羽付き鉄筋格子7の羽部71aと羽部72aとが平行に配置された場合が、隙間73の投影面積が最も狭くなる。
このように縦筋71と横筋72とに羽部71a,72aを設けることによって、羽部72a,72aによる間隔P4(又は羽部71a,71aによる間隔P6)から横筋72,72間の間隔P5(又は縦筋71,71間の間隔P7)に至るまで、格子間隔を幅広くみなすことができる。そして、格子間隔が広いということは複数の格子間隔を含んでいることを意味し、各格子間隔に対応する周波数を共振させることができることを意味する。すなわち、羽部71a,72aを設けることによって、共振させることができる対象周波数の帯域幅を広げることができる。
このように構成された羽付き鉄筋格子7が配置されたRC壁1,1Aは、遮蔽可能な電磁波の周波数の帯域幅が広いため、広い範囲で電磁波を効果的に遮蔽することができる。
また、上記では帯板状の羽部71a,72aを拡幅部として説明したが、これに限定されるものではなく、縦筋71及び横筋72に線状やテープ状の鋼材を巻き付けることによって拡幅部を形成してもよい。
なお、実施例2のこの他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
次に、前記実施の形態で説明したコンクリート部2とは別の形態のコンクリート部について説明する。なお、前記実施の形態又は他の実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語や同一符号を用いて説明する。
この実施例3で説明するコンクリート部は、電磁波を吸収する性能が通常のコンクリートのみを使った場合に比べて高くなるように形成される。
例えば、導電性粉体、導電性繊維又は磁性粉体などの電磁波の吸収性能を高めるための混合材をコンクリートに混入してコンクリート部を形成することによって、コンクリート部自体で電磁波を吸収させることができる。ここで、導電性粉体としては、粒径1〜500μmのカーボンビーズ又は金属粉などが使用できる。また、導電性繊維としては、繊維径5〜30μmかつ繊維長1〜20mmの炭素繊維、炭化ケイ素繊維又は金属繊維などが使用できる。さらに、磁性粉体としては、粒径3〜500μmのフェライト粉、チタン粉又は磁石粉などが使用できる。
また、コンクリートに気泡を混入したり、多孔性コンクリートを用いたりしても、コンクリート部自体の電磁波を吸収させる性能を高めることができる。
なお、実施例3のこの他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるため説明を省略する。
以上、本発明の鉄筋コンクリート仕切体を、実施形態及び実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施形態などに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、前記実施の形態及び実施例では、内部空間R1と外部空間R2との間をRC壁1,1Aで仕切る外壁の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、内部空間の間仕切り壁に本発明を適用することができる。また、壁に限定されるものではなく、床や天井を本発明の鉄筋コンクリート仕切体としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、内部空間R1から外部空間R2に向けて伝搬される電磁波を例に説明したが、これに限定されるものではなく、外部空間R2から内部空間R1に向けて伝搬される電磁波を対象とする場合にも同様の考え方によって鉄筋部を配置することができる。
また、前記実施の形態では設けていないが、内装板5とRC壁1との間に、鉄板、金属網、金属箔、金属メッシュ、フェライト材などの電磁波シールド部材を配置するなどして電磁波シールド効果を高めることができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、前側鉄筋格子3の横筋32を縦筋31に対してRC壁1の後面12側に配置したが、これに限定されるものではなく、縦筋31に対してRC壁1の前面11側に横筋32を配置してもよい。同じく、後側鉄筋格子4の横筋42を縦筋41に対してRC壁1の後面12側に配置してもよい。
また、前記実施の形態及び実施例では、前側鉄筋格子3と後側鉄筋格子4の両方が配筋されたRC壁1,1Aについて説明したが、これに限定されるものではなく、前側鉄筋格子3又は後側鉄筋格子4のいずれかが配筋されたシングル配筋の鉄筋コンクリート仕切体であっても、電磁波シールド効果を発揮させることができる。
さらに、前記実施の形態及び実施例では、縦筋31と横筋32とが直交する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1鉄筋と第2鉄筋は直角以外の角度で交差するものであってもよい。また、第1鉄筋と第2鉄筋は、鉛直方向や水平方向を向いていなくてもよく、斜めに配筋されていてもよい。

Claims (11)

  1. 一方の空間から他方の空間に向けて伝搬する対象周波数の電磁波を減衰させる鉄筋コンクリート仕切体であって、
    前記一方の空間から他方の空間に向けての方向を厚さ方向とするコンクリート部と、
    前記コンクリート部の前記厚さ方向のいずれかの位置で格子状の鉄筋面を形成する鉄筋部とを備え、
    前記鉄筋部は、一定の間隔P1を置いて並んで配設される複数の第1鉄筋とその第1鉄筋に交差するように一定の間隔P2を置いて並んで配設される複数の第2鉄筋とを有するとともに、前記第1鉄筋の前記間隔P1及び前記第2鉄筋の前記間隔P2が前記対象周波数の電磁波の前記コンクリート部の内部における波長λ との関係で、λ =0.4685P1(mm)+30.937(mm)及びλ =0.4685P2(mm)+30.937(mm)を満たす値を基準に調整されていることを特徴とする鉄筋コンクリート仕切体。
  2. 前記第1鉄筋の前記間隔P1及び前記第2鉄筋の前記間隔P2は、前記コンクリート部の内部で共振を起こす周波数の電磁波との関係によって調整されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  3. 前記第1鉄筋の前記間隔P1と前記第2鉄筋の前記間隔P2と等しい間隔Pであるとともに、前記対象周波数の電磁波の前記コンクリート部の内部における波長λとの関係で、λ=0.4685P(mm)+30.937(mm)を満たす値を基準に、上限をλ =0.5167P(mm)+28.816(mm)、下限をλ =0.4267P(mm)+32.559(mm)とする許容誤差範囲で設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  4. 前記鉄筋部の前記厚さ方向の位置は、前記対象周波数の電磁波の前記コンクリート部の内部における一波長の整数倍の長さ又は一波長の整数倍から半波長を引いた長さに基づいて設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  5. 前記鉄筋部の前記厚さ方向の位置は、前記対象周波数の電磁波の前記コンクリート部の内部における一波長の整数倍の長さ又は一波長の整数倍から半波長を引いた長さを基準に前後20mmの許容誤差範囲で設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  6. 前記対象周波数が複数あることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  7. 前記鉄筋部は、前記厚さ方向に間隔を置いて複数、設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  8. 前記コンクリート部に格子状の金網部を埋設したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  9. 前記第1鉄筋及び前記第2鉄筋に対して、格子の隙間が狭くなる方向に延出される拡幅部を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  10. 前記コンクリート部には、電磁波の吸収性能を高める混合材又は気泡が混入されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
  11. パネル状に成形されたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の鉄筋コンクリート仕切体。
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