JP5452056B2 - 経口薬 - Google Patents

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Description

本発明は、吸着剤及び瀉下剤を含有する経口薬に関する。
人体に有害な影響を及ぼす化学物質などの有害物質や老廃物の体内への蓄積を回避することは難しく、我々はそれらによる悪影響を少なからず受けている。例えば、これらの蓄積は、肝機能や腎機能の低下などを生じさせ得る。そこで、これらの有害物質や老廃物を体内から排除し、健康状態を取り戻す方法が種々試みられている。
このような方法として、例えば食物繊維の摂取による排泄能の向上などによる対処法が知られている。しかしながら、該対処法は即効性に欠け、食生活の改善から長期的スパンで望まなければならないという欠点がある。また、吸着剤の服用による解毒療法が知られている。より具体的には、例えば吸着剤として薬用炭などの活性炭を服用することによる解毒療法が知られている。しかしながら、該療法には便秘などの消化不良を起こすなどの問題がある(特許文献1)。また、該便秘を解消するための方法として、活性炭の摂取後に下剤等の瀉下作用を有する物質を別途服用する方法が知られているが、これは瀉下作用を有する物質が活性炭に吸着されないよう、活性炭と瀉下作用を有する物質とを相当の時間的間隔をおいて別々に服用する必要があり手間を要する。
このため、生体内において蓄積、発生する有害物質や老廃物の量を、簡便かつ短時間で低減できる技術が求められている。
再表98/03259号公報
本発明は、生体内において蓄積、発生する有害物質や老廃物の量を、簡便かつ短時間で低減できる経口薬を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物を瀉下剤と同時に又は逐次に投与してやると、造粒物中の吸着剤は、胃内では瀉下剤を吸着しにくい一方で、腸内では有害物質や老廃物を吸着しやすくなるため、有害物質や老廃物の量を簡便かつ短時間で低減できることを見出した。本発明は前記知見に基づきさらに検討を重ねた結果完成されたものであり、下記に掲げるものである。
1.経口薬
(1−1)吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなる経口薬。
(1−2)前記吸着剤が多孔体である、(1−1)に記載の経口薬。
(1−3)前記多孔体が薬用炭、活性炭、球状炭、カオリン、及び天然ケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、(1−2)に記載の経口薬。
(1−4)前記常温液状油が脂肪酸エステルである、(1−1)〜(1−3)のいずれかに記載の経口薬。
(1−5)前記脂肪酸エステルがサフラワー油、菜種油、ヒマシ油、ごま油、オリブ油、及びミリスチン酸イソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種である、(1−4)に記載の経口薬。
(1−6)前記水溶性高分子が結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、(1−1)〜(1−5)のいずれかに記載の経口薬。
(1−7)前記瀉下剤が大腸刺激性下剤である、(1−1)〜(1−6)のいずれかに記載の経口薬。
(1−8)前記大腸刺激性下剤がジフェニルメタン系下剤、アントラキノン系下剤、フェノールフタレイン系下剤、及び生薬系下剤からなる群より選択される少なくとも1種である、(1−7)に記載の経口薬。
(1−9)前記造粒物がさらに腸溶性高分子を含有するものである、(1−1)〜(1−8)のいずれかに記載の経口薬。
(1−10)前記腸溶性高分子がメタアクリル酸メタアクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及び酢酸フタル酸セルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、(1−9)に記載の経口薬。
(1−11)前記造粒物が湿式造粒によって得ることができるものである、(1−1)〜(1−10)のいずれかに記載の経口薬。
(1−12)顆粒剤、カプセル剤、錠剤、又は丸剤である、(1−1)〜(1−11)のいずれかに記載の経口薬。
(1−13)経口薬が、
吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物を含有してなる製剤と、
瀉下剤を含有してなる製剤
とを含んでなるキットであることを特徴とする、(1−1)〜(1−12)のいずれかに記載の経口薬。
2.経口薬の製造方法
(2−1)(1) 吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含有する組成物を造粒する工程、及び
(2) 工程(1)で得られた造粒物を瀉下剤と共存させる工程
を含む、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなる経口薬の製造方法。
(2−2)前記吸着剤が多孔体である、(2−1)に記載の方法。
(2−3)前記多孔体が薬用炭、活性炭、球状炭、カオリン、及び天然ケイ酸アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、(2−2)に記載の方法。
(2−4)前記常温液状油が脂肪酸エステルである、(2−1)〜(2−3)のいずれかに記載の方法。
(2−5)前記脂肪酸エステルがサフラワー油、菜種油、ヒマシ油、ごま油、オリブ油、及びミリスチン酸イソプロピルからなる群より選択される少なくとも1種である、(2−4)に記載の方法。
(2−6)前記水溶性高分子が結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、(2−1)〜(2−5)のいずれかに記載の方法。
(2−7)前記瀉下剤が大腸刺激性下剤である、(2−1)〜(2−6)のいずれかに記載の方法。
(2−8)前記大腸刺激性下剤がジフェニルメタン系下剤、アントラキノン系下剤、フェノールフタレイン系下剤、及び生薬系下剤からなる群より選択される少なくとも1種である、(2−7)に記載の方法。
(2−9)前記組成物がさらに腸溶性高分子を含有するものである、(2−1)〜(2−8)のいずれかに記載の方法。
(2−10)前記腸溶性高分子がメタアクリル酸メタアクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及び酢酸フタル酸セルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、(2−1)〜(2−9)のいずれかに記載の方法。
(2−11)前記造粒が湿式造粒である、(2−1)〜(2−10)のいずれかに記載の方法。
(2−12)前記経口薬が顆粒剤、カプセル剤、錠剤、又は丸剤である、(2−1)〜(2−11)のいずれかに記載の方法。
(2−13)前記経口薬が、
吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物を含有してなる製剤と、
瀉下剤を含有してなる製剤
とを含んでなるキットであることを特徴とする、(2−1)〜(2−12)のいずれかに記載の方法。
本発明の経口薬によれば、(1)投与後胃内通過時までは吸着剤の吸着能が減じられているため吸着剤が胃内で瀉下剤を過剰に吸着せず、かつ、(2)その後の消化過程では吸着剤の吸着能が回復する。このため、吸着剤及び瀉下剤を同時に又は逐次に投与しているにもかかわらず、吸着剤及び瀉下剤をともに作用させることができる。より詳細には、吸着剤の作用により消化過程で生体内の有害物質及び老廃物の量を低減させることができ、かつ、瀉下剤の作用により消化不良を回避しつつ吸着剤を体外に排出することができる。
したがって、本発明の経口薬によれば、短時間で生体内の有害物質及び老廃物の量を低減することができる。また、本発明の経口薬によれば、薬物中毒や食中毒に起因する有害物質等を生体内で吸着剤に吸着させて、これらを早急に排泄させることができる。また、本発明の経口薬によれば、有害物質や老廃物の生体内量を効果的に低減できることから、高尿酸血症、腎不全、肝疾患、さらには尿毒症、意識障害等の脳症等の疾患の症状、有害物質・老廃物の影響による肝臓、腎臓、消化器官等の機能低下、それに伴う抜け毛、肌荒れ、乾燥肌、疲労感、頭痛、精神不安等を軽減することができる。
1.本発明の経口薬
本発明の経口薬は、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を必須要素として組み合わせてなることを主な特徴とする。また、造粒物は必要に応じてさらに腸溶性高分子を含んでいてもよい。以下、本発明の構成について詳細に説明する。
(1)吸着剤
吸着剤は、その表面に他の物質を付着させる性質を有するものである。吸着剤は、経口投与可能であり、かつ生体内で有害物質や老廃物を吸着するものであればよく、特に限定されない。例えば、各種の多孔体が挙げられる。
本発明において多孔体とは内部及び表面に、又は内部若しくは表面のいずれかに微細な空隙が多数存在する物質を意味する。多孔体としては、例えば、各種の炭類、カオリン、及び天然ケイ酸アルミニウム等が好ましく用いられる。炭類としては活性炭、薬用炭、及び球状炭等が例示される。なかでも、有害物質や老廃物の吸着能、及び安全性等の点から薬用炭が好ましい。薬用炭は日本薬局方における規定に従い、各種木炭、おがくず、石炭、食物繊維質など含炭素物質を原料とする。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸着剤の形状は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、粉状、粒状、球状が例示される。吸着剤の形状は、後述する常温液状油及び水溶性高分子等との相性等の点から、好ましくは粉状、又は粒状であり、より好ましくは粉状である。
また、吸着剤の大きさ(平均粒子径)も、本発明の効果を妨げない限り制限されない。例えば、吸着剤の大きさは好ましくは0.01〜2000μm、好ましくは0.1〜1000μm、より好ましくは1〜200μmが例示される。
なお、本発明において、大きさ(平均粒子径)とはコールターカウンター法により測定されたものをいう。コールターカウンター法による測定機器としては、ベックマン・コールター株式会社製「Multisizer 3」又はそれに準ずる機器を使用する。
薬用炭以外の吸着剤、又は複数の吸着剤を組み合わせて利用する場合には、その形状及び大きさは、前記薬用炭の形状及び大きさ並びに有害物質や老廃物の排出効果の関係に基づき適宜設定される。
なお、ここで有害物質及び老廃物とは、腸管内で産生されたり消化管で分泌されるなど生体内で発生する物質や、経口的に摂取される飲食品等に含まれる種々の物質や微生物、また薬物などを含み、生体内に吸収又は蓄積されることにより疾患をもたらし得るものを指す。疾患としては、特に限定されないが、例えば、肝機能や腎機能の低下、高尿酸血症、尿毒症、意識障害等の脳症等が挙げられる。具体的には例えば、肝機能障害、腎機能障害
等が挙げられ、その自覚症状としては抜け毛、肌荒れ、乾燥肌、疲労感、頭痛、精神不安など様々である。
(2)常温液状油
常温液状油は、25℃での性状が液状である油であればよく、本発明の効果を妨げない限り制限されない。本発明において「25℃での性状が液状である」とは、融点が25℃以下であることを意味する。
常温液状油としては、例えば常温液状の脂肪酸エステルが挙げられる。常温液状の脂肪酸エステルとしては、例えば、サフラワー油、菜種油、ヒマシ油、ごま油、オリブ油、及びミリスチン酸イソプロピルが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明の効果をより顕著に奏することから、特にサフラワー油、菜種油、ヒマシ油、ごま油及びオリブ油からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(3)水溶性高分子
水溶性高分子は、水のある状況において溶解又は分散することで、増粘、分散、流動化、潤滑、賦形、粘結、接着、フィルム化、保水、膨潤、又はゲル化等多種多様な機能を発揮しうるものである。本発明の効果を妨げない限り制限されない。官能基として、水酸基、アミノ基、酸アミド基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、又はリン酸基等を有するものが挙げられる。
この水溶性高分子の例としては、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の効果をより顕著に奏することから、特に結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、及びカルメロースナトリウムからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。結晶セルロース及びその他の少なくとも1種の組み合わせがより好ましい。
(4)腸溶性高分子
腸溶性高分子は、通常この分野で用いられる、pH5以上の水に溶解するが酸性域では溶解しない皮膜形成性の高分子物質である。本発明の効果を妨げない限り制限されない。
腸溶性高分子としては、例えば、アクリル酸系共重合体、セルロース誘導体、ポリビニル誘導体、又はマレイン酸−ビニル系共重合体等が挙げられる。このようなアクリル酸系共重合体の具体例としては、メタアクリル酸メタアクリル酸メチル共重合体、メチルアクリレートメタアクリル酸共重合体、スチレンアクリル酸共重合体、及びメチルアクリレートメタアクリル酸オクチルアクリレート共重合体等が挙げられる。メタアクリル酸メタアクリル酸メチル共重合体としては、例えば、メタクリル酸コポリマーL(デグサ社製、商品名オイドラギットL100)等が挙げられる。また、このようなセルロース誘導体の具体例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、セルロースアセテートサクシネート、メチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルエチルセルロースフタレート、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等が挙げられる。また、このようなポリビニル誘導体の具体例としては、ポリビニルアルコールフタレート、ポリビニルブチレートフタレート、及びポリビニルアセトアセタールフタレート等が挙げられる。また、このようなマレイン酸−ビニル系共重合体の具体例としては、ビニルアセテートマレイン酸無水物共重合体、ビニルブチルエーテルマレイン酸無水物共重合体、及びスチレンマレイン酸モノエステル共重合体が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の効果をより顕著に奏することから、特にメタクリル酸コポリマーL、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及び酢酸フタル酸セルロースからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
(5)造粒物
吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物は、通常の方法により造粒される。造粒の方法は、本発明の効果を妨げない限り制限されない。
造粒の方法としては、特に限定されないが、本発明の効果をより顕著に奏することから、湿式造粒が好ましい。湿式造粒とは、水及び/又は低級アルコール(エタノールなど)を添加、噴霧、又は散布しながら造粒することにより、水や結合剤の付着力を利用して造粒することである。
湿式造粒には、押出造粒法、撹拌造粒法、流動層造粒法、連合造粒法、又は転動造粒法等の種々の公知の方法を適用できる。
例えば、押出造粒法では、例えば次のようにして造粒することができる。まず各成分を攪拌混合し、次にこれに精製水を添加してから、さらに一様に混合されるまで攪拌混合を続ける。その後、篩上に載せ、上から圧力をかけることにより押出して造粒する。押出を行う場合に使用する篩としては、特に限定されないが、例えば60〜1400μmの篩が好ましく、90〜1000μmの篩がより好ましい。
造粒後、必要に応じてスクリーンを通して顆粒のサイズを整える。顆粒のサイズとしては、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、63〜1000μmが好ましい。
このようにして得られた顆粒は、まず通常の乾燥処理が施される。乾燥方法としては、公知の方法を広く用いることができる。例えば、スプレードライ、凍結乾燥、凝固乾燥、天日乾燥、又は熱風乾燥等が挙げられる。熱風乾燥を用いる場合、例えば、温度50〜60℃で1〜2時間乾燥すればよい。
このようにして得られた顆粒は、整粒後、さらに2度目の乾燥処理が施されてもよい。
このようにして製造された顆粒は、そのまま製剤として使用してもよいし、必要に応じて錠剤に成形して使用してもよい。
また、上記1回目の通常乾燥を施した顆粒を錠剤に成形した後、該錠剤に2度目の乾燥処理を施してもよい。
吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子に、必要に応じてさらに腸溶性高分子を添加してから造粒することもできる。
吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子に、必要に応じてさらに他の成分を添加してから造粒することもできる。湿式造粒を行う場合は、例えば、結合剤、崩壊剤、基剤、甘味剤、pH調整剤、滑沢剤、香料をさらに添加して造粒することができる。結合剤としては、例えば、牛脂硬化油、硬化油、軽質無水ケイ酸等を用いることができる。その他従来その用途で使用される成分を用いることができる。
造粒物において、吸着剤に対する常温液状油の配合比率は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、吸着剤として薬用炭を単独で使用する場合、本発明の効果をより顕著に奏することから、薬用炭1重量部に対して0.25重量部以上が好ましく、0.5重量部がより好ましく、1重量部以上がさらに好ましく、1.25重量部以上がとくに好ましい。
また、造粒物における吸着剤の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、吸着剤として薬用炭を単独で使用する場合、造粒物中に好ましくは4〜80重量%、より好ましくは8〜70重量%、さらに好ましくは16〜60重量%である。薬用炭以外の吸着剤、又は複数の吸着剤を組み合わせて利用する場合には、その配合割合は、前記薬用炭の配合割合と有害物質や老廃物の排出効果との関係に基づき適宜設定される。
造粒物における常温液状油の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、常温液状油としてサフラワー油、菜種油、ヒマシ油、又はごま油を単独で使用する場合、好ましくは造粒物中に4〜70重量%、より好ましくは18〜60重量%、さらに好ましくは20〜55重量%である。サフラワー油、菜種油、ヒマシ油、及びごま油とは別の常温液状油、又は複数の常温液状油を組み合わせて利用する場合には、その配合量は、前記サフラワー油等の配合割合と有害物質や老廃物の排出効果との関係に基づき適宜設定される。
造粒物における水溶性高分子の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、水溶性高分子として結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを単独で使用する場合、好ましくは6〜50重量%、より好ましくは6〜45重量%、さらに好ましくは6〜40重量%である。
例えば、水溶性高分子として結晶セルロースと、さらにヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのいずれか1種以上とを組み合わせて使用する場合、これら2種以上の水溶性高分子の造粒物における配合割合は好ましくは合計で6〜60重量%、より好ましくは合計で6〜50重量%、さらに好ましくは合計で6〜45重量%である。
また、吸着剤に対する水溶性高分子の配合比率は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、水溶性高分子として結晶セルロースと、さらにヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースのいずれか1種以上とを組み合わせて使用し、吸着剤として薬用炭を使用する場合、本発明の効果をより顕著に奏することから、薬用炭1重量部に対して合計で0.1重量部以上が好ましく、合計0.14重量部以上がより好ましい。
結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、及びカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとは別の水溶性高分子、又は複数の水溶性高分子を組み合わせて利用する場合には、その配合量は、前記結晶セルロース等の配合量と有害物質や老廃物の排出効果との関係に基づき適宜設定される。
本発明において、腸溶性高分子を添加して造粒する場合、吸着剤に対する腸溶性高分子の配合比率は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、腸溶性高分子としてメタクリル酸コポリマーL、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、又は酢酸フタル酸セルロースを単独で使用し、吸着剤として薬用炭を使用する場合、本発明の効果をより顕著に奏することから、薬用炭1重量部に対して0.025重量部以上が好ましく、0.05重量部以上がより好ましい。
また、造粒物における腸溶性高分子の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば、腸溶性高分子としてメタクリル酸コポリマーL、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、又は酢酸フタル酸セルロースを単独で使用する場合、好ましくは2〜20重量%、より好ましくは3〜18重量%、よりさらに好ましくは4〜15重量%である。メタクリル酸コポリマーL、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及び酢酸フタル酸セルロースとは別の腸溶性高分子、又は複数の腸溶性高分子を組み合わせて利用する場合には、その配合量は、前記メタクリル酸コポリマーL等の配合量と有害物質や老廃物の排出効果との関係に基づき適宜設定される。
(6)瀉下剤
本発明の経口薬に配合される瀉下剤としては、瀉下作用を有するものであればよく、本発明の効果を妨げない限り制限されない。例えば、一般に薬の成分として用いられるものを用いることができる。そのような瀉下剤としては、例えば、一般に大腸刺激性下剤として用いられるもの等が挙げられる。大腸刺激性下剤は、大腸の粘膜に直接作用することにより瀉下作用を有する下剤であり、ジフェニルメタン系、アントラキノン系、フェノールフタレイン系、及び生薬系に分類される。
ジフェニルメタン系の下剤としては、ピコスルファートナトリウム、ビサコジル等が例示される。
また、アントラキノン系の下剤としては、センノシド、センノシドA・B、これらのカルシウム塩、アロイン等が例示される。
また、フェノールフタレイン系の下剤としては、フェノールフタレイン及びフェノバリン等が例示される。
また、生薬系の下剤としては、アロエ、アカメガシワ、ダイオウ、ゲンノショウコ、ケツメイシ、アセンヤク、ウバイ、エイジツ、カスカラサグラダ、ケンゴシ、センナ及びこれらのエキス等が例示される。
これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(7)経口薬
本発明の経口薬は、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなるものである。造粒物と瀉下剤は両者が混合された配合剤の状態で組み合わされていてもよい。また、造粒物と瀉下剤は両者を混合しないキットの状態で組み合わされていてもよい。以下、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬と、キットの状態で組み合わせてなる経口薬とに分けて説明する。
(7−1)配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬
造粒物と瀉下剤を混合された配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬においては、造粒物と瀉下剤とは、単に混合されていてもよく、あるいは同一製剤の異なる区画にそれぞれ配置されることで混合されていてもよい。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬の形態としては、錠剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)等の固形製剤が例示される。例えば、錠剤は、必要に応じ通常の剤皮を施したもの、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。このほかの固形製剤についても、必要に応じて、同様に剤皮を施すことができる。
このような配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬には、薬学的に許容される賦形剤、担体等を更に添加することができる。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬を錠剤とする場合には、担体として当該分野で従来公知のものを広く使用することができる。このような担体としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、D−ソルビトール液、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン、アルギン酸ナトリウム等の結合剤;乾燥デンプン、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、ポビドン等の崩壊剤;ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン等保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤;ステビア、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、アスパルテーム等の甘味剤等を使用できる。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬を錠剤とする場合には、例えば前記造粒物を含む内層を、直接又は瀉下剤を含有しないフィルム層を挟んで、瀉下剤を含有するフィルムで被覆することができる。これは例えば、顆粒等の状態にした前記造粒物に対して、瀉下剤及び高分子等を含む溶液を噴霧、乾燥させることにより製造することができる。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬をカプセル剤とする場合には、前記造粒物及び瀉下剤、ならびに必要に応じて添加される薬学的に許容される賦形剤や担体等を、ゼラチン、プルラン、デンプン、アラビアガム等を原料とする従来公知のカプセルに充填することによりカプセル剤としてもよい。
前記以外に、添加剤として、例えば界面活性剤、吸収促進剤、吸着剤、充填剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節する塩を、製剤の投与単位形態に応じて適宜選択し使用できる。
また、アミノ酸、ビタミン類、無機塩類、生薬類、植物類、植物由来油、整腸生菌等の他の活性成分を含有させてもよい。他の活性成分としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等のアミノ酸;ビタミンA1、ビタミンA2、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンB2、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ビオチン等のビタミン類;塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム等の金属塩や、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩等の無機塩類;プランタゴ・オバタなどの植物類;植物油等;乳酸菌等の整腸生菌等が例示される。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬が前記顆粒剤、錠剤、カプセル剤以外の固形製剤の形態であっても、必要に応じて前記賦形剤、担体等を添加することができる。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬における造粒物の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば1〜95重量%が好ましい。また、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬における瀉下剤の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば0.1〜95重量%が好ましい。
配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬を各種製剤に調製した場合の1日摂取量は、投与対象の状態や症状の程度に応じて適宜変更され得るが、大人1人(体重60kg)に対する1日あたりの投与量は経口薬中の活性炭量として通常100〜4000mg、好ましくは150〜2000mg、より好ましくは200〜1000mgである。また、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬は、通常1日1〜3回に分けて経口投与の形態で用いられる。服用時刻は特に限定されないが、食後が好ましい。
(7−2)キットの状態で組み合わせてなる経口薬
造粒物と瀉下剤を混合しないキットの状態で組み合わせてなる経口薬においては、造粒物が配合されている第1製剤と瀉下剤が配合されている第2製剤とがキットの状態となっている。
キットの状態には、第1製剤と第2製剤が、同一の包装に混合して包装されている状態も含まれる。また、この第1製剤及び第2製剤が、別々の包装中にそれぞれ空間的に分離して包装されており、かつ個々に取り出すことができるように納められている状態も含まれる。この状態においては、さらにこの第1製剤及び第2製剤を同時又は逐次に投与する旨を記載した指示書がさらに包装に添付されているか、又はその旨が明示的若しくは黙示的に示されていてもよい。
キットに含まれる第1製剤及び第2製剤の形態としては、錠剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)等の固形製剤が例示される。これら固形製剤についての説明は、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬について上記したのと同様であるため省略する。
キットに含まれる第1製剤における造粒物の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば1〜100重量%である。また、キットに含まれる第2製剤におけるにおける瀉下剤の配合割合は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、例えば1〜100重量%である。
キットに含まれる第1製剤及び第2製剤の混合比は、本発明の効果を妨げない限り制限されないが、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬について説明した造粒物及び瀉下剤の経口薬における配合割合等に基づき適宜設定される。
キットの状態で組み合わせてなる経口薬の1日摂取量及び服用時刻は、配合剤の状態で組み合わせてなる経口薬について説明した摂取量等に基づき適宜設定される。
2.本発明の経口薬の製造方法
本発明の経口薬の製造方法は、(1)吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含有する組成物を造粒する工程、及び(2)工程(1)で得られた造粒物を瀉下剤と共存させる工程を含むことを主な特徴とする。
特に説明がない限り、本発明の経口薬について説明した内容が同様にこの本発明の経口薬の製造方法に対しても適用される。
前記造粒物を瀉下剤と共存させる工程は、これらが共存する状態となる限り制限されない。これらを単に混合することによって共存させてもよい。この場合、共存させてから製剤することができる。
これらをそれぞれ同一製剤内における別々の区画内に配置することによって共存させてもよい。この場合も、共存させてから製剤することができる。
また、前記造粒物と瀉下剤とを別々の製剤へと製剤した後にこれらを前述の通りキット化することによって共存させてもよい。
本発明の経口薬の製造方法として具体的には、例えば後述する実施例及び製剤例に記載の方法が例示される。
以下に実施例、比較例及び試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例にのみ限定されるものではない。
1.実施例:本発明の経口薬の製造
表1〜3の通り実施例毎に各成分を秤量した上で乳鉢上にて乳棒を用いて攪拌混合した。続いて水又はエタノールを添加して、さらに一様に混合されるまで攪拌混合した。その後、850μmの金属製篩上に載せ、スパチュラを用いて圧力を上からかけ、押し出された造粒物をさらに乾燥(50℃、1時間)させて造粒物を得た。この造粒物を以下の試験例で用いた。
この造粒物をさらにアロエ末と混合して、本発明の経口薬を得た。
2.比較例:比較対照経口薬の製造
表4の通り比較例毎に各成分を用い、実施例と同様に経口薬を得た。また、この際に得られた各造粒物を以下の試験例で用いた。
3.試験例1:吸着抑制試験(人工胃液)
実施例1〜20及び比較例1〜4で製造した造粒物をそれぞれ薬用炭として400mgとなるようにとり、アロエ末150mgとともに人工胃液(日本薬局方崩壊試験法の第1液)に混合、懸濁し、37℃、pH1.2で30分間振とうさせた。
アロエ末には瀉下作用のある生薬成分であるバルバロインが含まれていることが知られており、振とうによりアロエ末から溶出される。このバルバロインは、実施例及び比較例において吸着剤として用いられている薬用炭によって吸着される性質を有する。本試験例は、このバルバロインが造粒物中の薬用炭に吸着される度合いが、実施例及び比較例の間で異なるか否かを検証することを目的とするものである。
30分間の振とう後、懸濁液を孔径0.45μmの樹脂製フィルター(Pall社製)を用いて濾過した。得られた濾液中に含まれているバルバロイン量を、第十五改正日本薬局方解説書(生薬等)D-22−D-26頁「アロエ」の定量法に従い定量した。
カラムはCOSMOSIL「5C18−MS−II」(内径4.6×150mm)(ナカライテスク社製)を、カラム温度は30度にて、移動相に水/アセトニトリル/酢酸(74/26/1)混液を用い、紫外吸光光度計(株式会社島津製作所製)にて360nmの吸光度を測定した。
アロエ末のみを同様に振とう懸濁させた場合の濾液中のバルバロイン量に対する、各実施例及び各比較例の造粒物を懸濁させたときのバルバロイン量の比率を残存率(%)として算出した。この残存率がより高いものほど、胃内での瀉下剤の吸着がより抑制されているものと評価した。
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実施例1〜20の経口薬はいずれも残存率が70%を上回っており、軒並み高い値を示したのに対して、比較例1〜4の経口薬はいずれも残存率が50%以下であり低い値に止まることが分かった。比較例1〜4は、吸着剤、瀉下剤、常温液状油、及び水溶性高分子のうち常温液状油(比較例1)、又は水溶性高分子(比較例2〜4)を欠くものである。瀉下剤を吸着しないという本発明特有の効果がより優れているのは、これらの構成要素を全て含む経口薬であるということを、これらの結果は示している。
また、実施例1〜20から、吸着剤の瀉下剤に対する吸収能は、常温液状油の濃度に依存して低減されることが確認された。
また、実施例12〜14及び20から、吸着剤の瀉下剤に対する吸収能は、腸溶性高分子によりさらに低減されることが確認された。
4.試験例2:吸着回復試験(人工腸液)
実施例10及び2で製造した造粒物をそれぞれ薬用炭として400mgとなるようにとり、アロエ末150mgとともに人工腸液(日本薬局方崩壊試験法の第2液)に混合、懸濁し、37℃、pH6.8で180分間振とうさせた。
180分間の振とう後、試験例1と同様にしてフィルター濾液中に含まれているバルバロイン量を測定し残存率を算出した。
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実施例2及び10の経口薬はいずれも残存率が40%を下回っており、胃内の環境を模擬した試験例1の場合と比べると格段にバルバロインが吸着されることが分かった。これらの結果は、本発明の経口薬が腸内においては胃内とは対照的に、吸着剤の本来の機能である吸着能がある程度回復していることを示している。このため、実施例2及び10をはじめとする本発明の経口薬であれば、少なくとも胃内では瀉下剤を吸着することがない一方で、腸内では有害物質や老廃物を吸着することができる。
5.製剤例
製剤例1〜60に従い、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなる経口薬を製造した。また、必要に応じて前記造粒物に腸溶性高分子を含ませた経口薬を製造した。
なお、以下のカプセル剤は、日本薬局方 製剤総則6.カプセル剤の製法に従って製造できる。なお、吸着剤を含む構成と瀉下剤を含む構成とに別け、各々造粒したものをカプセルに充てんすることが望ましい。
また、以下の顆粒剤は日本薬局方 製剤総則7.顆粒剤の製法に従って製造できる。なお、吸着剤を含む構成と瀉下剤を含む構成とに別け、各々造粒したものを包装することが望ましい。
錠剤については日本薬局方 製剤総則15.錠剤の製法に従って製造できる。なお、吸着剤を含む構成を造粒した後、瀉下剤を含む構成と共に打錠することが望ましい。
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Claims (10)

  1. 吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなる経口薬。
  2. 前記吸着剤が多孔体である、請求項1に記載の経口薬。
  3. 前記常温液状油が脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の経口薬。
  4. 前記水溶性高分子が結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の経口薬。
  5. 前記瀉下剤が大腸刺激性下剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の経口薬。
  6. 前記造粒物がさらに腸溶性高分子を含有するものである、請求項1〜5のいずれかに記載の経口薬。
  7. 前記腸溶性高分子がメタアクリル酸メタアクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、及び酢酸フタル酸セルロースからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の経口薬。
  8. 前記造粒物が湿式造粒によって得ることができるものである、請求項1〜7のいずれかに記載の経口薬。
  9. 経口薬が、
    吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物を含有してなる製剤と、
    瀉下剤を含有してなる製剤
    とを含んでなるキットであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の経口薬。
  10. (1)吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含有する組成物を造粒する工程、及び
    (2)工程(1)で得られた造粒物を瀉下剤と共存させる工程
    を含む、吸着剤、常温液状油、及び水溶性高分子を含む造粒物、並びに瀉下剤を組み合わせてなる経口薬の製造方法。
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