JP5451346B2 - Frp素材、frp成形品、及びfrp素材の製造方法 - Google Patents
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Description
Reinforced Plastics)成形品の製造に用いる新規なFRP成形品用の素材(本明細書においては、単に「FRP素材」と称する)、及びその新規なFRP素材により成形されたFRP成形品(以下、「FRP成形品」と称する)、さらにはFRP素材の製造方法に関するものである。
前記基材に対して前記高強度繊維からなる糸を運針により山折り状に縫い表して、該基材の少なくとも一方の表面の略全面を、所望の密度で配置された自由端を有した連続ループ形状を呈した山折り状の糸で覆うようにしたことを特徴とする。
前記基材に対して前記高強度繊維からなる糸を運針により山折り状に縫い表して、該基材の少なくとも一方の表面の略全面を、所望の密度で配置された自由端を有した連続ループ形状を呈した山折り状の糸で覆うようにし、該FRP素材の保形状態を維持した上で、溶融処理によって前記基材を除去することを特徴とする。
Q∝n×2h×ρ
但し、ρは、ループ形状の糸6先端の自由端6Aの数が1cm2の単位面積当たりに存在する数であり、それを自由端密度と称する。
Aided Design)によって設計され決定される。そして、それ等のデータはCAM(Computer Aided Manufacturing)の制御手段に渡されて基材全面に対する運針制御が自動的に行われる。
FRP成形品を得た場合の強度(片面)=k×ρ×n×2h・・・・・(1)
FRP成形品を得た場合の強度(両面)=2(k×ρ×n×2h)・・(2)
そこで、3千本から5千本程度の高強度繊維の束からなる糸6を準備し、その1条の糸6を基材5の合成樹脂と親和性の高い合成樹脂溶液内に通して含浸させ(図6(a)工程)、乾燥させてリール等に巻き取っておく(図示なし)。その糸6をミシン針7の針孔7Aに通す(図4(B)参照)。次いで、図1に示すように、熱可塑性合成樹脂板や織布、不織布などからなる基材5を準備する。この場合に、基材5の形状は、最終的に得ようとする製品又は部品の形状に合わせた形状とするのが好ましい。つまり、自動車のバンパーを得るための素材であれば、成形前の平板状に展開した形状が望ましく、ドア部分であれば予め窓としての開口部を備えている形状が望ましい。また、最終的な成形品を特定しない汎用性のあるFRP素材を提供しようとする場合は規格化した寸法・形状の基材5でも良い。これにより、製品メーカはFRP素材の規格品を購入して所望の形状に成形加工して使用することができ、FRP素材提供メーカは大量生産により安価な素材を提供することができる。
次に、糸の縫い表し工程の前に、最終的に得ようとする製品又は部品に必要とされる強度から、その運針の設計仕様をCADによって設計する段階が設けられる。そして、そのCADデータは、ミシンのCAM制御手段(図示なし)に渡される。このCADによって運針の仕様を設計する際に、特に炭素繊維の場合には折れ破損に対する考慮が必要である。つまり、炭素繊維は引っ張り強度は強いが曲げ強度には極端に弱く、曲げの曲率が一定以下になると簡単に破断してしまう。そこで、CAD装置においては、炭素繊維の限界ループ径と限界ピッチのデータを入力しておいて、CAD設計による仕様指示が夫々の限界値を超えないように制御している。これらの値は、1条を構成する繊維の本数nによっても相違するので、nと各限界値との相関関係もデータとして保有することが必要である。
次に、FRP成形品とその製造方法について図6(工程全体の流れ)及び図7(成形・養生工程)を用いて説明する。図8〜10はカーボン繊維、ガラス繊維或いはケブラー繊維等をプラスチックで固めて成形したFRP成形品1の完成品を示しており、このFRP成形品1は板状であって、その下部が矩形部2で上部3が一体に設けられており、この上部3には縁に沿って開口した窓孔4が形成されたものであり、さらに一点鎖線で示すように上側の内側がやや図3において前方へ盛り上がっているものを示している。
次に、FRP成形品の製造工程について説明する。図6の(a)及び(b)に示す工程は、FRP素材そのものの製造工程であるが、FRP素材からの連続した製造であれば連続的に実施することも可能である。つまり、前述したとおり、「糸と基材の準備工程」と、それに続く「糸の縫い表し工程」はm成形工程の前段階としての第1工程であり、その第1工程では、熱可塑性合成樹脂板や織布、不織布などからなる基材5には、予め窓孔4が形成されている。そして、この基材5の一方の表面である表面5A及び他方の表面である裏面5Bにそれぞれ表して表面5A及び裏面5Bを覆うように高強度を有する繊維からなる糸6を表して設ける。高強度を有する繊維からなる糸6は、カーボン繊維、ガラス繊維又はケブラー繊維などである。更に、例えば、エポキシ樹脂等の熱可塑性合成樹脂を含浸させる工程を設けてもよいものである。この「含浸工程」は「糸の準備工程」と共に行っても良いし、「糸の縫い表し工程」の前段に行っても良い。
図6に示す後段の工程では、FRP素材製造工程としての第1工程で製造されたFRP素材9(或いは、全くの別工程として製造されたFRP素材9)を、対向して接離可能な一対の金型10A,10B間に配置し、型閉後にFRP素材9に常法とおりの高圧で高温の養生を行って成形を行う。この際、高圧で高温の環境下にあって基材5の成分である熱可塑性合成樹脂及び糸に含浸させた熱可塑性合成樹脂が軟化して変形し、金型形状に沿って成形される。そしてその後に冷却されることでその変形した状態で硬化され、FRP成形品として金型10A,10Bから取り出される。この実施例では、図7の金型の断面形状に沿う如く、図8に示すように、例えば自動車のドア形状の如く、一点鎖線を境界として上側の内側がやや前方へ盛り上がって成形される。
次に、実施例2のFRP素材9′を用いたFRP製品の製造方法を説明する。実施例2のFRP素材9′を用いたFRP製品の製造方法は、実施例1又は実施例4のFRP素材9を用いたFRP製品の製造方法と比較すると、実施例1又は実施例4の第1工程(FRP素材製造工程の第1工程としての糸の縫い表し工程)と第2工程(FRP成形品の第2工程としての成形・養生工程)との間、或いは第2工程の成形・養生工程中に、溶融処理による基材取り除き工程としての中間工程を設けたものである。この中間工程である基材取り除き工程では、基材5′を取り除くものである。この基材5′の取り除き工程には、いくつかの方法が考えられる。
5 基材
5A 表面
6 糸
7 針
8 運針方向
9 FRP素材
Claims (8)
- FRP素材であって、所定形状の基材に対して高強度繊維からなる糸を縫い表して、該高強度繊維からなる糸によって前記基材の少なくとも一方の表面を覆うように構成しており、前記基材に対して運針により刺し綴った前記高強度繊維からなる糸は、前記基材の前記少なくとも一方の面において山折り状に縫い表されて多数列に並んだ連続ループ形状を形成し、当該表面側の連続ループ形状の糸の山折り状先端部は自由端となるように構成したことを特徴とするFRP素材。
- FRP素材であって、所定形状の基材に対して高強度繊維からなる糸を縫い表して、該高強度繊維からなる糸によって前記基材の少なくとも一方の表面を覆うように構成しており、前記基材に対して運針により刺し綴った前記高強度繊維からなる糸は、前記基材の前記少なくとも一方の面において山折り状に縫い表されて多数列に並んだ連続ループ形状を形成し、当該表面側の連続ループ形状の糸の山折り状先端部は自由端となるように構成し、前記基材の素材は、溶融処理によって除去され得る素材であることを特徴とするFRP素材。
- FRP素材であって、最終製品となる部品の形状に近似した所定形状の基材に対して前記高強度繊維からなる糸を前記基材の表裏両表面を覆うように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のFRP素材。
- FRP素材の製造方法であって、基材の少なくとも一方の表面を覆うようにして高強度繊維からなる糸を前記基材に対して縫い表してFRP素材を製造する方法であって、
前記基材に対して前記高強度繊維からなる糸を運針により山折り状に縫い表して、該基材の少なくとも一方の表面の略全面を、所望の密度で配置された自由端を有したループ形状を呈した山折り状の糸で覆うようにしたことを特徴とするFRP素材の製造方法。 - FRP素材の製造方法であって、溶融処理によって除去され得る基材の少なくとも一方の表面を覆うように高強度繊維からなる糸を該基材に対して縫い表してFRP素材を製造する方法であって、
前記基材に対して前記高強度繊維からなる糸を運針により山折り状に縫い表して、該基材の少なくとも一方の表面の略全面を、所望の密度で配置された自由端を有したループ形状を呈した山折り状の糸で覆うようにし、該FRP素材の保形状態を維持した上で、溶融処理によって前記基材を除去することを特徴とするFRP素材の製造方法。 - FRP成形品であって、最終製品の部品形状と近似した形状の基材に対して高強度繊維からなる糸を縫い表して、該高強度繊維からなる糸によって前記基材の少なくとも一方の表面を覆うように構成しており、前記基材に対して運針により刺し綴った前記高強度繊維からなる糸は、前記基材の前記少なくとも一方の面において山折り状に縫い表されて多数列に並んだ連続ループ形状を形成されており、当該表面側の連続ループ形状の糸の山折り状先端部は自由端となるように構成されており、成形により前記連続ループ形状の糸の山折り状先端部が夫々自由な方向に折り曲げられていることを特徴とするFRP成形品。
- FRP素材であって、該FRP素材の基材は予め最終製品の部品としての開口部を備えた所定形状を呈しており、該基材に対して高強度繊維からなる糸を縫い表して、該高強度繊維からなる糸によって前記基材の少なくとも一方の表面を覆うように構成しており、前記基材に対して運針により刺し綴った前記高強度繊維からなる糸は、前記基材の前記少なくとも一方の面において山折り状に縫い表されて多数列に並んだ連続ループ形状を形成されており、当該表面側の連続ループ形状の糸の山折り状先端部は自由端となるように構成されていることを特徴とするFRP素材。
- FRP成形品であって、そのFRP素材の基材は予め最終製品の部品としての開口部を備えた所定形状の基材に高強度繊維からなる糸を縫い表して、該高強度繊維からなる糸によって前記基材の少なくとも一方の表面を覆うように構成しており、前記基材に対して運針により刺し綴った前記高強度繊維からなる糸は、前記基材の前記少なくとも一方の面において山折り状に縫い表されて多数列に並んだ連続ループ形状を形成されており、当該表面側の連続ループ形状の糸の山折り状先端部は自由端となるように構成されており、成形により前記連続ループ形状の糸の山折り状先端部が夫々自由な方向に折り曲げられていることを特徴とする最終製品の部品としての開口部を備えたFRP成形品。
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