JP2006249797A - パネル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、建築、土木分野等で使用するパネルであって、間隙を持って対向して配置した2枚の板材の層間強度を大きくしたものである。
【解決手段】 連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により、間隙をもって対向して配置された2枚の板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材を縫いつけてパネルとしたから、板と板との間のはく離及びせん断に対する強度(いわゆる層間強度)を大きくすることができる。また、その製造方法は、強化繊維で縫い付けたのち、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させればよいから、簡単にパネルを製造することができる。
【選択図】図2
【解決手段】 連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により、間隙をもって対向して配置された2枚の板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材を縫いつけてパネルとしたから、板と板との間のはく離及びせん断に対する強度(いわゆる層間強度)を大きくすることができる。また、その製造方法は、強化繊維で縫い付けたのち、強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させればよいから、簡単にパネルを製造することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、建築、土木分野等で使用するパネル及びその製造方法に関するものである。
従来のパネルとして、図8に示すように、FRP製のスキン部材12,12の間に挟まれたコア-部材14の厚さ方向に貫通し、かつスキン部材12,12と一体化した補強部材13を有するサンドイッチ構造体11がある(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の他のパネルとして、図9に示すように、2枚のFRP製板材21,21を断面H型のFRP製リブ材22を介して所定の間隔をあけて結合し、この2枚のFRP製板材21,21の間に合成樹脂発泡体23を充填してリブ材22と共にサンドイッチ構造としたFRP製パネル材24がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−141048号 公報
特開2002−129699号 公報
特許文献1に記載された従来のサンドイッチ構造体11は、補強部材13をスキン部材12,12と一体化しているため、層間強度は高いが、製造するために複雑な金型等の型が必要であるとともに、成形に多くの工程が必要となる問題がある。
特許文献2に記載された従来のFRP製パネル材24は、2枚のFRP製板材21,21の間に断面H型のFRP製リブ材22を設けているが、板材21,21とリブ材22とのはく離強度が小さいため、層間強度が低い問題がある。
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、間隙をもって対向して配置された少なくとも2枚の板材を結合するために、強度が大きくかつ製造容易な結合部材を用いることにより、はく離強度の大きいパネル及びその製造方法を実現することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は、間隙をもって対向して配置された少なくとも2枚の板材と、これら板材を結合する結合部材とからなり、結合部材は、連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成するとともに両板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材を縫い付けたパネルである。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明の構成に加え、さらに、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回縫い付けたパネルである。
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2に係る本発明の構成に加え、さらに、板材は、強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成したパネルである。
請求項4に係る本発明は、多数の孔が設けられた少なくとも2枚の板材を間隙をもって対向して配置する配置工程と、連続した強化繊維を、配置工程で配置された両板材の各孔を貫通して両板材を縫いつける縫付工程と、縫付工程で縫い付けられた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させるFRP形成工程とからなるパネルの製造方法である。
請求項5に係る本発明は、請求項4に係る本発明の構成に加え、さらに、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回貫通して両板材を縫い付ける縫付工程としたパネルの製造方法である。
請求項6に係る本発明は、請求項4又は5に係る本発明の構成に加え、さらに、板材は、強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成したパネルの製造方法である。
請求項1に係る本発明による作用は、連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により、間隙をもって対向して配置された2枚の板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材を縫いつけてパネルとしたから、板と板との間のはく離及びせん断に対する強度(いわゆる層間強度)を大きくすることができる。また、板と板との間にFRP材からなる多数の小柱が形成されるため、圧縮強度の大きいパネルとすることができる。
請求項2に係る本発明の作用は、請求項1に係る本発明による作用に加え、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回縫い付けたから、強化繊維の強度をより充分に利用することができ、層間強度及び圧縮強度を一層大きくすることができる。
請求項3に係る本発明による作用は、請求項1又は2に係る本発明の作用に加え、板材をFRP材により形成したから、パネルをより軽量で強度を大きくできる。
請求項4に係る本発明による作用は、配置工程と、縫付工程と、FRP形成工程によりパネルを製造できるから、簡単な製造工程で請求項1に係るパネルを製造することができる。
請求項5に係る本発明による作用は、請求項4に係る本発明の作用に加え、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回貫通して両板材を縫い付ける縫付工程としたことにより、請求項2に係るパネルを製造することができる。
請求項6に係る本発明による作用は、請求項4又は5に係る本発明の作用に加え、板材をFRPにより形成したことにより、請求項3に係るパネルを製造することができる。
請求項1に係る本発明は、間隙をもって対向して配置された2枚の板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材をFRP材により縫いつけてパネルとしたから、この種のパネルで問題となる板と板との間のはく離及びせん断に対する強度(いわゆる層間強度)並びに圧縮強度を大きくした軽量パネルとすることができる。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明の効果に加え、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回縫い付けたから、強化繊維の強度をより充分に利用することができ、層間強度及び圧縮強度を一層大きくすることができ、軽量、高強度が必要な用途への適用が可能となる。
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2に係る本発明の効果に加え、板材をFRP材により形成したから、パネルをより軽量で強度を大きくできる。
請求項4に係る本発明は、配置工程と、縫付工程と、FRP形成工程によりパネルを製造できるから、簡単な製造工程で請求項1に係るパネルを製造することができる。
請求項5に係る本発明は請求項4に係る本発明の効果に加え、板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回貫通して両板材を縫い付ける縫付工程としたことにより、請求項2に係るパネルを製造することができる。
請求項6に係る本発明は、請求項4又は5に係る本発明の効果に加え、板材をFRPにより形成したことにより、請求項3に係るパネルを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付した図面により詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図面である。
図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態を示す図面である。
図1はパネルの平面図であり、強化繊維を縫い付けた状態を模式的に示し、図2は図1のA−A断面図である。図3は図2に示す強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させた状態を示す断面図である。
2枚のFRP材からなる板材1a,1bが間隙をもって対向して配置されており、各板材1a,1bには,第1図に示すように多数の孔2,2が碁盤目状に設けられている。
2枚のFRP材からなる板材1a,1bが間隙をもって対向して配置されており、各板材1a,1bには,第1図に示すように多数の孔2,2が碁盤目状に設けられている。
これら板材1a,1bを結合する結合部材3が図3に示すように両板材1a,1bに設けられた多数の孔2,2を貫通して両板材1a,1bを縫い付けている。
結合部材3は,連続した強化繊維3aとマトリックス樹脂を有するFRP材により形成している。
結合部材3は,連続した強化繊維3aとマトリックス樹脂を有するFRP材により形成している。
板材1a,1bは、平織りのガラス繊維、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いてハンドレイアップ成形法により成形したFRP製であり、板厚は2ミリメートルとし、孔2の径を3mmとしている。
結合部材3を構成する連続した強化繊維3aは、ガラス繊維からなり径が6.5μmの単繊維を800本収束した束を2束撚り合せて両板材1a,1bを縫い付けている。結合部材3を構成するマトリックス樹脂はエポキシ樹脂を用いている。
連続した強化繊維3aは、図1及び図2に示すように、1個の孔2に対して、2回縫い付けている。1個の孔2に対する強化繊維3aの縫付回数は要求されるパネルの層間強度、強化繊維3aの仕様、孔2のピッチ(孔2の単位面積当りの個数)等により決定するのであり、3回以上であっても、1回であってもよい。
また、連続した強化繊維3aは、板材1a,1bの全体に対して連続している必要はなく、複数の孔2,2について連続していればよく、要は両板材1a,1bが強化繊維3aにより縫い付けられていればよいのである。
また、連続した強化繊維3aは、板材1a,1bの全体に対して連続している必要はなく、複数の孔2,2について連続していればよく、要は両板材1a,1bが強化繊維3aにより縫い付けられていればよいのである。
板材1a,1bの強化繊維は平織りのガラス繊維としたが、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維と炭素繊維を複合したもの等でもよく、繊維の形態としては、クロス、マット、ストランド等でよい。また、板材1a,1bの樹脂はエポキシ樹脂としたが、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等でもよい。
結合部材3を構成する強化繊維3aについても、板材1a,1bの強化繊維と同様に炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維と炭素繊維を複合したもの等でもよい。また、結合部材3を構成するマトリックス樹脂についても、板材1a,1bの樹脂と同様にフェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等でもよい。
さらに、板材1a,1bはFRP材に限らず、軽量のアルミ合金製でもよく、板厚、間隙、大きさは必要に応じて決めることができる。
また、板材1a,1bは平板状のものについて説明したが、湾曲したものであってもよく、両板材1a,1bの結合は、強化繊維3aとマトリックス樹脂を有するFRP材により形成された結合部材3による縫い付けであるから、湾曲していても平板状のものと変わりなく両板材1a,1bを間隙をもって結合して製作することができる。
また、板材1a,1bは平板状のものについて説明したが、湾曲したものであってもよく、両板材1a,1bの結合は、強化繊維3aとマトリックス樹脂を有するFRP材により形成された結合部材3による縫い付けであるから、湾曲していても平板状のものと変わりなく両板材1a,1bを間隙をもって結合して製作することができる。
第1の実施の形態は、連続した強化繊維3aとマトリックス樹脂を有するFRP材により、間隙をもって対向して配置された2枚の板材1a,1bに設けられた多数の孔2,2を貫通して両板材1a,1bを縫いつけてパネルとしたから、板1aと板1bとの間のはく離及びせん断に対する強度(いわゆる層間強度)を大きくすることができる。
また、図3に示すように、板1aと板1bとの間にFRP材からなる多数の小柱3b、3bが形成されるため、圧縮強度の大きいパネルとすることができる。
また、図3に示すように、板1aと板1bとの間にFRP材からなる多数の小柱3b、3bが形成されるため、圧縮強度の大きいパネルとすることができる。
図4は、本発明の第2の実施の形態を示すパネルの平面図であり、強化繊維を縫い付けた状態を模式的に示している。
この図4に示す第2の実施の形態が図1に示す第1の実施の形態と異なる点は、図1の第1の実施の形態では板材1aに多数の孔2,2を碁盤目状に設けているのに対して、図4の第2の実施の形態では板材1aに多数の孔2,2を千鳥状に設けた点である。
この図4に示す第2の実施の形態が図1に示す第1の実施の形態と異なる点は、図1の第1の実施の形態では板材1aに多数の孔2,2を碁盤目状に設けているのに対して、図4の第2の実施の形態では板材1aに多数の孔2,2を千鳥状に設けた点である。
第2の実施の形態は、板材1aに設けた孔2,2のピッチが第1の実施の形態と同じく15mmであるが、斜めに15mmであるため、孔2,2の数が第1の実施の形態のものより約15%多くなり、結合部材3を構成する強化繊維3aの縫い付け個所も第1の実施の形態のものより約15%多くなっている。
この第2の実施の形態は孔2,2を千鳥状に設ける点を除き、第1の実施の形態と同じであるから、詳細な説明は省略する。
この第2の実施の形態は孔2,2を千鳥状に設ける点を除き、第1の実施の形態と同じであるから、詳細な説明は省略する。
本発明の第3の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。
図5はパネルの平面図であり、強化繊維を縫い付けた状態を模式的に示し、図6は図5のB−B部分を示す正面図である。
この第3の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が、板材1a,1bとも孔2,2を同じ位置に設けて対向させ、結合部材3を板材1a,1bに対して垂直に配置しているが、第3の実施の形態では、一方の板材1aの孔2,2の位置と、他方の板材1bの孔2,2の位置とを、両板材1a,1bを対向して配置したとき、一方の板材1aの孔2,2の中間となる位置に他方の板材1bの孔2,2が位置するようにしている。
そして、図1及び図4では、一方の板材1aの外側に位置する強化繊維3aを実線で、他方の板材1bの外側に位置する強化繊維3aを点線で示しているが、図5では、両板材1a,1bの外側及び間に位置する強化繊維3aを実線・点線の区別をせず、強化繊維3aの縫い付け状態をわかり易くするために、線種を区別して縫い付け状態を模式的に示した。なお、図5において、一方の板材1aに設けた孔2,2は実線、他方の板材1bに設けた孔2,2は点線で示している。
図5はパネルの平面図であり、強化繊維を縫い付けた状態を模式的に示し、図6は図5のB−B部分を示す正面図である。
この第3の実施の形態は、第1及び第2の実施の形態が、板材1a,1bとも孔2,2を同じ位置に設けて対向させ、結合部材3を板材1a,1bに対して垂直に配置しているが、第3の実施の形態では、一方の板材1aの孔2,2の位置と、他方の板材1bの孔2,2の位置とを、両板材1a,1bを対向して配置したとき、一方の板材1aの孔2,2の中間となる位置に他方の板材1bの孔2,2が位置するようにしている。
そして、図1及び図4では、一方の板材1aの外側に位置する強化繊維3aを実線で、他方の板材1bの外側に位置する強化繊維3aを点線で示しているが、図5では、両板材1a,1bの外側及び間に位置する強化繊維3aを実線・点線の区別をせず、強化繊維3aの縫い付け状態をわかり易くするために、線種を区別して縫い付け状態を模式的に示した。なお、図5において、一方の板材1aに設けた孔2,2は実線、他方の板材1bに設けた孔2,2は点線で示している。
第3の実施の形態では、両板材1a,1bの孔2,2の位置を上記のようにしたことにより、結合部材3が両板材1a,1bを傾斜して配置されることになり、いわゆるラーメン構造の結合となり、両板材1a,1bのせん断に対する強度を高くすることができ、またパネルの坐屈に対する強度も高くすることができる。
この第3の実施の形態は両板材1a,1bの孔2,2の位置を異ならせた点を除き、第1の実施の形態と同じであるから、詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態は両板材1a,1bの孔2,2の位置を異ならせた点を除き、第1の実施の形態と同じであるから、詳細な説明は省略する。
上記の第1〜第3の実施の形態では、板材1a,1bを2枚の場合について説明したが、板材を3枚以上とすることもできる。
板材を3枚とする場合には、例えば、第1の実施の態様で説明した2枚からなるパネルを形成した後、さらに3枚目の板材を間隙をもってパネルに対向させて配置し、2枚のパネルに設けた孔とは別の位置に、3枚の板材を貫通する多数の孔を設けて、これら孔を貫通させて、連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により3枚の板材を縫い付けるのである。
板材を3枚とする場合には、例えば、第1の実施の態様で説明した2枚からなるパネルを形成した後、さらに3枚目の板材を間隙をもってパネルに対向させて配置し、2枚のパネルに設けた孔とは別の位置に、3枚の板材を貫通する多数の孔を設けて、これら孔を貫通させて、連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により3枚の板材を縫い付けるのである。
上記の第1〜第3の実施の形態では、板材1aと板材1bの間隙は結合部材3が位置するところを除き、空間としている。この空間には、パネルを建築物の壁などに用いた場合、配線等を通すことができる。
また、パネルにさらに大きな断熱性能を要求される場合、パネルを形成した後、空間に発泡体を形成してサンドイッチパネルとすることもできる。
また、パネルにさらに大きな断熱性能を要求される場合、パネルを形成した後、空間に発泡体を形成してサンドイッチパネルとすることもできる。
次に、本発明の製造方法に係る実施の形態を図7に基づいて、上記図1〜図6を参照しながら説明する。
図7は製造工程のフローチャートである。
図7は製造工程のフローチャートである。
まず、板材の製作工程について説明する。
板材は、平織りのガラス繊維、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いてハンドレイアップ成形法により成形し、上記第1〜第3の実施の形態に示すように、孔2,2を形成する。
板材は、平織りのガラス繊維、エポキシ樹脂及び硬化剤を用いてハンドレイアップ成形法により成形し、上記第1〜第3の実施の形態に示すように、孔2,2を形成する。
次に、板材の配置工程では、板材の製作工程で製作された多数の孔2,2が設けられた2枚の板材1a,1bを適宜のジグを用いて所定の間隙をもって対向して配置する。
次の板材の縫付工程では、ガラス繊維からなり径が6.5μmの単繊維を800本収束した束を2束撚り合せた連続したガラス強化繊維3aにより、両板材1a,1bに設けた各孔2,2を貫通して両板材1a,1bを縫い付けている。強化繊維3aの縫付の開始端部及び終了端部は、板材1a,1bの孔2の近辺に接着剤を塗布したテープで仮止めしておくのである。
連続した強化繊維3aは、図1及び図2に示すように、1個の孔2に対して、2回縫い付けている。1個の孔2に対する強化繊維3aの縫付回数は要求されるパネルの層間強度、強化繊維3aの仕様、孔2のピッチ(孔2の単位面積当りの個数)等により決定するのであり、3回以上であっても、1回であってもよい。
また、連続した強化繊維3aは、板材1a,1bの全体に対して連続している必要はなく、複数の孔2,2について連続していればよく、要は両板材1a,1bが強化繊維3aにより縫い付けられていればよいのである。
連続した強化繊維3aは、図1及び図2に示すように、1個の孔2に対して、2回縫い付けている。1個の孔2に対する強化繊維3aの縫付回数は要求されるパネルの層間強度、強化繊維3aの仕様、孔2のピッチ(孔2の単位面積当りの個数)等により決定するのであり、3回以上であっても、1回であってもよい。
また、連続した強化繊維3aは、板材1a,1bの全体に対して連続している必要はなく、複数の孔2,2について連続していればよく、要は両板材1a,1bが強化繊維3aにより縫い付けられていればよいのである。
次に、強化繊維に樹脂を含浸させて硬化させるFRP形成工程では、一方の板材1aを上に水平にして、エポキシ樹脂からなるマトリックス樹脂を、縫付工程で縫い付けられた強化繊維3aに、その外面から他方の板材1bとの間に位置する強化繊維3aを含めて塗布、含浸させ、摂氏70度で2時間で熱硬化させる。ついで、他方の板材1bを上に水平にして、エポキシ樹脂からなるマトリックス樹脂を、縫付工程で縫い付けられた強化繊維3aに、その外面から一方の板材1aとの間に位置する強化繊維3aを含めてに塗布、含浸させ、摂氏70度で2時間で熱硬化させる。
そして、縫付工程で仮止めしたテープ並びに強化繊維3aの開始端部及び終了端部を除去するのである。
これによって、パネルの製造が終了する。
そして、縫付工程で仮止めしたテープ並びに強化繊維3aの開始端部及び終了端部を除去するのである。
これによって、パネルの製造が終了する。
板材1a,1bの強化繊維は平織りのガラス繊維としたが、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維と炭素繊維を複合したもの等でもよく、繊維の形態としては、クロス、マット、ストランド等でよい。また、板材1a,1bの樹脂はエポキシ樹脂としたが、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂等でもよい。
また、板材1a,1bの製作は、ハンドレイアップ成形法としたが、真空(減圧)バック成形法、RTM成形法等であってもよく、さらに、板材1a,1bはFRP材に限らず、軽量のアルミ合金製でもよい。この場合、板材の製作はプレスにより孔2,2を同時に形成できる。
また、板材1a,1bの製作は、ハンドレイアップ成形法としたが、真空(減圧)バック成形法、RTM成形法等であってもよく、さらに、板材1a,1bはFRP材に限らず、軽量のアルミ合金製でもよい。この場合、板材の製作はプレスにより孔2,2を同時に形成できる。
1a,1b 板材
2 孔
3 結合部材
3a 強化繊維
3b 小柱
2 孔
3 結合部材
3a 強化繊維
3b 小柱
Claims (6)
- 間隙をもって対向して配置された少なくとも2枚の板材と、これら板材を結合する結合部材とからなり、結合部材は、連続した強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成するとともに両板材に設けられた多数の孔を貫通して両板材を縫い付けたものであることを特徴とするパネル。
- 板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回縫い付けていることを特徴とする請求項1に記載のパネル。
- 板材は、強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のパネル。
- 多数の孔が設けられた少なくとも2枚の板材を間隙をもって対向して配置する配置工程と、連続した強化繊維を、配置工程で配置された両板材の各孔を貫通して両板材を縫いつける縫付工程と、縫付工程で縫い付けられた強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させるFRP形成工程とからなることを特徴とするパネルの製造方法。
- 板材に設けられた1個の孔に対して、連続した強化繊維を複数回貫通して両板材を縫い付ける縫付工程としたことを特徴とする請求項4に記載のパネルの製造方法。
- 板材は、強化繊維とマトリックス樹脂を有するFRP材により形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載のパネルの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010280212A (ja) * | 2009-05-08 | 2010-12-16 | Toshinori Ochiai | Frp素材、frp成形品、及びそれ等の製造方法 |
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