JP5451330B2 - スタンプ作成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マスクを介して光硬化樹脂を部分的に硬化させることにより、所望のスタンプを簡単に作成するためのスタンプ作成装置に関するものである。
従来、この種のスタンプ作成装置として、太陽光によって感光性樹脂板を露光して露光部分を硬化させて印面とするものが知られている(特許文献1)。この装置は、直方体状の装置本体に、黒色弾性部材上に感光性樹脂板と印影が描かれたネガフィルムとを載置した印面部材をセットする露光台と、露光台にセットされた部材を位置決め固定するための透明カバーと、これらを遮光するための遮光カバーと、露光時間を設定するためのタイマーと、を備えている。ユーザーは、感光性樹脂板およびネガフィルムを載置した黒色弾性部材を露光台にセットし、遮光カバーを閉じた状態で装置を屋外に持ち出し、タイマーで露光時間を設定してから遮光カバーを開いて露光させる。そして、露光時間が終了すると、再び遮光カバーを閉じて屋内に戻り、露光によって硬化した部分以外を水または溶剤で洗浄除去することによって、印影部分が他部分より突出した印面を作成する。
特開平7−144463号公報
しかしながら、上記のスタンプ作成装置では、ユーザーが遮光カバーの開閉操作を行わなければならないため、ユーザーが露光時間中に装置を離れた場合には、タイマーが設定時間の終了を知らせても、露光を終了することができず、露光過剰となるおそれがあった。そのため、露光過剰により印影が印面に精度良く形成されないという問題があった。したがって、設定された露光時間通りに正確に露光させるためには、ユーザーは、タイマーが露光時間の終了を知らせるまで装置の傍を離れることができず、作業効率が悪かった。
また、太陽光に含まれる紫外線量は、季節、気象条件、太陽の位置等により大きく異なるため、紫外線量を正確に把握できないまま、露光時間を設定せざるを得なかった。これによって、印影部分の膨張や突出不良によって、印面が精度良く形成されないという問題があった。
本発明は、設定された露光時間通りに露光を行うことができ、良好な印面を有するスタンプを作成することができるスタンプ作成装置を提供するものである。
本発明のスタンプ作成装置は、印影画像を形成したマスクを介して、スタンプユニットの表面に設けた光硬化樹脂を露光し、光硬化樹脂の印影に相当する部分を硬化させるスタンプ作成装置であって、スタンプユニットが着脱自在に装着される装着部と、装着部を覆うように設けられ、マスクが重ねられたスタンプユニットに光が導入される光導入部を形成した蓋体と、蓋体に組み込まれ、光導入部を開閉するシャッターと、スタンプユニットの露光時間を設定するためのタイマー機構と、タイマー機構に連動し、露光時間に応じて、シャッターを開放状態から閉塞状態に作動させるシャッター機構と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、スタンプユニットの印面形成に際し、タイマー機構に連動してシャッター機構が作動するため、シャッターの開閉操作をユーザーが行う必要がなく、設定された露光時間通りに精度良く印面を露光することができる。これによって、マスクに対応する部分の光硬化樹脂を硬化させ、簡単に、且つ、精度良く、印面を形成することができる。
この場合、光の強度を測定する光強度測定部と、光強度測定部の測定結果に基づいて光硬化樹脂の適正露光時間を設定させるための露光時間指標部と、を更に備えたことが好ましい。
また、この場合、光強度測定部は、光の強度に応じて変色する光感応材を有し、露光時間指標部は、光感応材の変色状態を表した設定表示部を有していることが好ましい。
これらの構成によれば、光が自然光である場合でも、光強度測定部の変色状態に基づいて紫外線の強度を把握することができる。このため、露光時間指標部の設定表示部に基づいて光感応材の変色状態に合わせて時間設定を行うことができ、光硬化樹脂の適切な露光時間を簡単に設定することができる。
この場合、シャッター機構は、シャッターの開閉動作をガイドするシャッターガイド部と、シャッターを開放位置にロックするロック機構と、シャッターを閉塞位置に向かって付勢するシャッター付勢部と、タイマー機構に連動して、露光時間が経過後にロック機構によるシャッターのロック状態を解除させるシャッター移動手段と、を有していることが好ましい。
また、この場合、タイマー機構は、露光時間を計時するタイマー本体と、設定された露光時間に応じてホーム位置から設定位置まで移動し、露光時間の経過に伴い、設定位置からホーム位置に復帰する操作部と、を有していることが好ましい。
さらに、この場合、シャッター移動手段は、操作部の操作に連動して回転する回転体と、回転体に設けられ、操作に連動してシャッターを閉塞位置から開放位置に移動させる移動カム部と、回転体に設けられ、復帰動作に連動してロック機構によるシャッターのロック状態を解除させる解除部と、を含んでいることが好ましい。
これらの構成によれば、タイマー機構の操作部の回転動作に連動して、シャッター機構によるシャッターの開閉が行われる。このため、設定された時間に従ってシャッターが開閉し、ユーザーによるシャッターの開閉操作が不要になる。これによって、設定された時間に従ってスタンプユニットが露光されるため、精度良い印面を作成することができる。
さらに、スタンプユニットおよびマスクを押圧する紫外線を透過可能な露光カバーと、装着部に設けられ、スタンプユニットを離脱方向に付勢する付勢手段と、露光カバーを、付勢手段の抗力によりロック・アンロックするロック手段と、を更に備えことが好ましい。
この構成によれば、スタンプユニットおよびマスクを装着部にセットし、露光カバーを閉塞すると、スタンプユニットおよびマスクは、露光カバーを受けとして付勢手段により付勢される。さらに、閉塞された露光カバーは、ロック手段によってロックされる。これにより、スタンプユニットとマスクとを、密着状態で精度良く位置決め固定することができる。一方、ロック手段を解除すると、付勢手段により、露光カバーが跳ね上げられてスタンプユニットが装着部から浮き上がった状態となる。このため、スタンプユニットを、装着部から簡単に取り外すことができる。したがって、装着部に対してスタンプユニットの着脱を容易に行うことができる。
スタンプユニットの外観斜視図である。 本実施形態に係るスタンプ作成装置の本体ケースの(a)外観斜視図、(b)側面断面図、である。 本実施形態に係るスタンプ作成装置の蓋ケースの(a)表側の外観斜視図、(b)裏側の外観斜視図、(c)側面断面図である。 本実施形態に係るスタンプ作成装置における、スタンプユニットのセット方法を示す説明図である。 本実施形態に係るスタンプ作成装置における、シャッター開閉動作を示す説明図である。 第1変形例における本体ケースの外観斜視図である。 第2変形例における本体ケースの外観斜視図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るスタンプ作成装置について説明する。このスタンプ作成装置は、表面に紫外線硬化樹脂(光硬化樹脂)が設けられたスタンプユニットを、印影画像を作成したマスクを介して露光し、印影画像に相当する部分を硬化させることによって印面を形成するものである。そこで先ず、紫外線硬化樹脂を有するスタンプユニットについて説明し、その後、スタンプ作成装置について説明する。
図1に示すように、スタンプユニット1は、基体2と、基体2の一方の表面に取り付けた印面形成部3とから構成されている。基体2は、基体本体4と、基体本体4の裏面中央に突設した接合突起5とからなり、樹脂等で一体に形成されている。印面形成部3は、紫外線によって硬化する紫外線硬化樹脂6と、紫外線の影響を受けない樹脂プレート7と、薄手のスポンジ(発泡ウレタン)8と、を順に積層して、構成されている。このように構成されたスタンプユニット1は、印面形成後、接合突起5の部分で台木20(仮想線で図示)に装着され、スタンプとして使用される。紫外線硬化樹脂6は、マスク9を介して紫外線に露光することにより硬化し、最終的に印面となる。なお、印面形成部3は、長方形に形成されているが、正方形や、円形等のいずれの形状であってもよい。また、基体2、印面形成部3が台木20と一体となったものをスタンプユニット1としても良い。
マスク9は、紫外線透過性の素材のフィルム状のマスクシートに、紫外線が透過しない塗料を塗布し、印影画像に相当する部分の塗料を除去することにより構成されている。マスク9を介して印面形成部3に紫外線を当てて露光すると、印影画像の画線部分から紫外線が透過する。これにより、紫外線硬化樹脂6は、印影画像に対応する部分が硬化する。
次に、図2ないし図5を参照して、スタンプ作成装置10について説明する。スタンプ作成装置10は、本体ケース11と、本体ケース11を覆う蓋ケース12(蓋体)と、本体ケース11と蓋ケース12との間に介設した露光カバー13と、を備え、例えば、全体として偏平な直方体形状に形成されている。なお、露光カバー13を設けることなく、蓋ケース12を露光カバー13として使用してもよい。
図2に示すように、本体ケース上面11aには、スタンプユニット1を着脱自在に装着するための装着部15が形成されている。装着部15は、本体ケース上面11aにスタンプユニット1と相補的形状となるように窪入形成されている。装着部15の底面の中央には、スタンプユニット1の接合突起5が挿入されるための位置決め孔14が形成されている。さらに、位置決め孔14には、挿入した接合突起5を介して、スタンプユニット1を離脱方向に付勢するコイルばね(付勢手段)16が組み込まれている。
また、本体ケース11には、装着部15の手前の開口部18に位置して、後述する露光カバー13を閉状態にロックするロック手段17が配設されている。ロック手段17は、閉状態の露光カバー13を係止するロック爪部19と、ロック爪部19を係止方向に付勢する板ばね部21とから成り、本体ケース11に一体に形成されている。露光カバー13を閉塞すると、露光カバー13の先端がロック爪部19の突起爪22に係止(ロック)される。一方、この状態から、ロック爪部19を手前に引くと板ばね部21の抗力により、露光カバー13の先端が突起爪22から外れると共に露光カバー13が跳ね上げられ、上記のコイルばね16により、スタンプユニット1が浮き上がるようになっている。
露光カバー13は、上記の装着部15を覆うように開閉自在に構成されたカバー本体23と、カバー本体23を本体ケース上面11aに開閉自在に支持するヒンジ部24と、を有している。カバー本体23は、紫外線を透過可能な、例えば透明なガラス板で構成され、露光カバー13を開放した状態で、装着部15にスタンプユニット1およびマスク9を装着すると、上記のコイルばね16により、スタンプユニット1およびマスク9は僅かに浮いた状態にセットされる。この状態から露光カバー13を閉塞すると、コイルばね16の抗力により、スタンプユニット1およびマスク9は、露光カバー13に押圧される。さらに露光カバー13による押圧が進み、本体ケース上面11aとマスク9の表面とが面一になったところで、露光カバー13がロック手段17によりロックされる。これにより、スタンプユニット1とマスク9とが密着し、且つこれらが装着部15に位置決めされてセットされる(図2(b)参照)。
蓋ケース12は、図3に示すように、天壁12aから垂下した周壁12bの部分で本体ケース11に着脱可能に、且つ露光カバー13および本体ケース上面11aを開閉するように構成されている。また、蓋ケース12の天壁12aには、上記の装着部15に対応する部分に光導入部25が形成されている。光導入部25は、天壁12aの一部を例えば、方形に切り取るように形成した開口部であり、この部分から装着部15に装着したスタンプユニット1に紫外線(自然光)が導入される。
また、蓋ケース12の天壁12a上面には、左部手前に位置して、紫外線硬化樹脂6を露光するための露光時間を設定するタイマー機構26が組み込まれている。タイマー機構26の周囲には、露光時間の指標を示すための設定表示部27(露光時間指標部)が設けられ、設定表示部27の右脇には、光(紫外線)の強度を測定するためのシート状の光感応材28が貼着されている(図3(a)参照)。さらに、蓋ケース12の裏側には、光導入部25の開閉を行うシャッター29と、シャッター29の開閉を行うシャッター機構31が配設されている(図3(b)参照)。
タイマー機構26は、蓋ケース12に固定されたタイマー本体32と、露光時間を設定する操作ダイヤル33(操作部)と、操作ダイヤル33がタイマー本体32に対して回転操作するための支軸34と、を備えている。操作ダイヤル33の支軸34には、後述するシャッター移動手段35の回転体36が軸着されている(図3(c)参照)。すなわち、操作ダイヤル33とシャッター移動手段35が連動する構成となっている。(詳細は後述する)。
タイマー本体32は、操作ダイヤル33の回転動作に伴う支軸34の回転を受けて弾性力を蓄積させるぜんまい(図示省略)と、ぜんまいに蓄積された弾性力を動力源として支軸34を一定速度で逆回転させる調速機構部(図示省略)と、弾性力を調速機構部に伝達する動力伝達機構(図示省略)と、を備えている。
操作ダイヤル33には、つまみ37が突設されており、ユーザーは、つまみ37を把持して操作ダイヤル33をホーム位置から回転操作することで、露光時間が設定できるようになっている。操作ダイヤル33を回転させて露光時間を設定すると、露光時間の計時を開始し、操作ダイヤル33がホーム位置に戻った(回転停止)ところで、露光時間の計時が終了する。すなわち、操作ダイヤル33が、設定された位置からホーム位置まで復帰動作(逆転)することにより、露光時間の計時を行う。このとき、操作ダイヤル33と共にその支軸34も回転し、後述するシャッター移動手段35を介して、シャッター29の開閉動作が行われる。
図3(b)に示すように、シャッター29は、光導入部25を開閉するシャッター板38と、シャッター板38を保持するシャッターホルダー39とを有し、樹脂等で一体に形成されている。シャッター板38は、光導入部25より一回り大きく形成され、蓋ケース12の裏面に密接するように配設されている。シャッターホルダー39は、シャッター板38の一方の長辺側に連設されており、シャッターホルダー39の基部側には、後述するシャッター移動手段35に係合する係合突起41が形成されている。そして、シャッター29は、光導入部25を開放する開放位置と、光導入部25を覆う閉塞位置との間で、進退自在に構成されている。なお、シャッター板38と光導入部25との隙間からの光漏れを防止するために遮光効果のある緩衝材等を設けることが好ましい。また、シャッター29は、回動によって光導入部25を開閉する形態であってもよい。
シャッター機構31は、シャッター29の開閉動作をガイドするシャッターガイド部42と、シャッター29を閉塞位置に向かって付勢するシャッター付勢部43と、開放位置に移動したシャッター29を開放位置にロックするロック機構44と、タイマー機構26に連動してシャッター29のロック状態を解除させるシャッター移動手段35と、を備えている。
シャッターガイド部42は、蓋ケース12の裏面に突設された一本のガイドレールで構成され、シャッター29の長手方向の中央に位置するように形成されている。一方、シャッター板38およびシャッターホルダー39には、ガイド溝(図示省略)が形成されており、シャッターガイド部42は常にガイド溝に係合してシャッター29の開閉動作、すなわち開放位置と閉塞位置との間の進退動作をガイドする。シャッター付勢部43は、例えば、樹脂製の板ばねであり、一方の端部がシャッターホルダー39に連設され、他方の端部が蓋ケース12の周壁12b内面に当接している。この場合、シャッター付勢部43は、シャッターホルダー39と一体に成形され、シャッターホルダー39から斜めに延在している。また、シャッター付勢部43の先端には、蓋ケース12の周壁12bに対しスライド自在に当接するように、摺接突起45が設けられている(図5参照)。
ロック機構44は、シャッター29の係合突起41が係止されるロック突起51と、上面の半部にロック突起51を突設した突起ベース52と、突起ベース52の内部に組み込まれ、突起ベース52を突出方向に付勢するロックばね(図示省略)と、を有している(図5参照)。ロック突起51は、係合突起41の乗り越えを円滑にすべく、係合突起41側の面が傾斜面となっている。同様に、突起ベース52は、回転体36の解除片部49による沈み込みを円滑にすべく、解除片部49側の面が傾斜面となっている。
シャッター移動手段35は、蓋ケース12の裏側において、操作ダイヤル33の支軸34に軸着した回転体36を有している。回転体36は、大径且つ周方向に長い大円弧部46と、小径且つ大円弧部46の残余の部分に連なる小円弧部47と、大円弧部46と小円弧部47との間の一方の段部となる径方向カム部(移動カム部)48と、大円弧部46と小円弧部47との間の他方の段部からクランク状に周方向に延びる解除片部(解除部)49と、で一体に形成されている。大円弧部46は、操作ダイヤル33における露光時間の設定範囲に略対応しており、係合突起41は、径方向カム部48に続いて大円弧部46に摺接する。
シート状の光感応材28は、蓋ケース12の天壁12aの上面に貼付され、光の強度を測定する。光感応材28は、例えば、変色するフォトクロミック化合物等で構成されており、紫外線の強度に応じて可逆的に変色する。この性質を利用して、太陽光に含まれる紫外線が、季節、天候、太陽の位置等の条件により変動しても、光感応材28の変色状態から紫外線の強度を認識することができる。また、天壁12aの上面に貼付された設定表示部27は、タイマー機構26の操作ダイヤル33の周囲を囲むようにして、分刻みの時間表示と共に色の変化を段階的に表しており、変色状態、すなわち紫外線の強度に応じて、露光時間の設定が簡単且つ正確に行えるようになっている。したがって、ユーザーは、印面形成に際して、光感応材28の変色状態を確認することにより、操作ダイヤル33を回転させて紫外線硬化樹脂6が硬化するための適切な露光時間の設定を容易に行うことができる。
次に、図4および図5を参照して、スタンプユニット1の印面形成時の操作手順について説明する。
先ず、ユーザーは、スタンプユニット1表面の紫外線硬化樹脂6にマスク9を載置し、スタンプユニット1の接合突起5を装着部15の位置決め孔14の位置に合わせて嵌めこむ(図4(a)参照)。続いて、露光カバー13を倒しこみ、スタンプユニット1およびマスク9を押圧するようにして、露光カバー13をロック爪部19にロックする。これによって、露光カバー13を受けとしてコイルばね16に付勢された、紫外線硬化樹脂6とマスク9とが相互に密接する(図4(b)参照)。このようにして、本体ケース11にスタンプユニット1がセットされたら、本体ケース11に蓋ケース12を装着する(図4(c)参照)。そして、蓋ケース12の光感応材28の変色状態をチェックし、操作ダイヤル33により紫外線硬化樹脂6が硬化するための適切な露光時間を設定する。このとき、操作ダイヤル33を設定表示部27の該当位置まで回転させると、シャッター29が開いて光導入部25から露光が開始される。
図5(a)および(b)に示すように、操作ダイヤル33の設定操作(回転)に連動して、径方向カム部48は、シャッター29の係合突起41に係合し、シャッター29を閉塞位置から開放位置に移動させる。開放位置に達したシャッター29は、係合突起41がロック突起51に係合し、シャッター29を開放位置にロックする(図5(c)参照)。
一方、図5(d)に示すように、露光時間の経過に伴い、操作ダイヤル33が復動動作(逆回転)に移行すると、係合突起41は、大円弧部46に摺接している状態から、径方向カム部48を経て小円弧部47に対峙する状態となる。さらに、復動動作が進み復動動作の終了直前になると、解除片部49が係合突起41に接近し、ロック機構44を解除する。ロック機構44が解除されると、シャッター29は、シャッター付勢部43により瞬時に閉塞位置に移動する。
露光終了後、蓋ケース12を開き、本体ケース11のロック爪部19を手前に引くと、板ばね部21の抗力により露光カバー13の先端が突起爪22から外れて露光カバー13が跳ね上がり、コイルばね16によりスタンプユニット1が装着部15から離脱する。なお、スタンプユニット1は露光終了後に、印面を洗浄して未硬化部分を除去した後、台木20に取り付けることによってスタンプが完成する。
なお、本実施形態では、蓋ケース12の天壁12a上面に露光時間の指標を示すための設定表示部27を設けたが、設定表示部27は別部材であってもよい。例えば、フォトクロミック化合物等で構成された光感応材28と、露光時間の指標を示すための設定表示部27と、を付属部品として構成してもよい。
次に、図6および図7を参照して、本実施形態におけるスタンプ作成装置の変形例について説明する。本変形例におけるスタンプ作成装置10は、複数のスタンプユニット1を同時に露光可能とするものであり、本実施形態と同様に、本体ケース11と、本体ケース11を覆う蓋ケース12(蓋体)と、本体ケース11と蓋ケース12との間に介設した露光カバー13と、を備えている。
なお、本実施形態との重複記載を避けるべく、異なる部分のみを以下に説明する。
図6に示すように、第1変形例における本体ケース11は、本体ケース上面11aにスタンプユニット1を着脱自在に装着するための装着部15が形成されている。装着部15の底面中央には、スタンプユニット1の接合突起5が挿入されるための位置決め溝53を有している。位置決め溝53は、装着部15の長さ方向に延びた直線状の溝であり、スタンプユニット1の接合突起5が係合する幅に形成されている。図6に示すように、装着部15は、位置決め溝53に位置決めするようにして長さ方向にスタンプユニット1を複数(図示では2つ)並べてセット可能に構成されている。これにより、複数のスタンプユニット1を同時に露光させることができる。なお、図示のものはスタンプユニット1が2つであるが、3つ以上のスタンプユニット1をセットしてもよく、また、1つのみセットして露光させてもよい。
次に図7に示すように、第2変形例における本体ケース11は、本体ケース上面11aにスタンプユニット1を着脱自在に装着するための装着部15が形成されている。装着部15の底面中央には、スタンプユニット1の接合突起5が挿入されるための位置決め孔14が幅方向に並んで2つ形成され、装着部15に対して幅方向にスタンプユニット1を2つ並べてセット可能に構成されている。これにより、2つのスタンプユニット1を同時に露光させることができる。なお、スタンプユニット1を1つのみセットして露光させてもよい。
以上の構成によれば、タイマー機構26に連動してシャッター機構31が作動するため、シャッター29の開閉操作をユーザーが行う必要がなく、設定された露光時間通りに印面を露光させ、精度の良い印面を形成することができる。また、光感応材28の変色状態に基づいて紫外線の強度を把握することができるため、紫外線硬化樹脂6が硬化するための適切な露光時間を簡単に設定することができる。
<他の変形例>
なお、マスク9としてインクリボンを用いるようにしてもよい。この場合、例えば、テーププリンターを利用し、テーププリンターあるいはこれに接続したパーソナルコンピューターから印影画像を入力し、熱転写印刷を実施する。そして、印刷により、ポジ画像部分が除去されてネガ画像が形成されたインクリボンをマスク9とする。また、その際、ポジ画像はテープに形成されて、スタンプユニット1の背面に貼着する印影画像の表示シールとして利用する。
1…スタンプユニット 6…紫外線硬化樹脂 9…マスク 10…スタンプ作成装置 15…装着部 17…ロック手段 11…本体ケース 12…蓋ケース 13…露光カバー 25…光導入部 26…タイマー機構 27…設定表示部 28…光感応材 29…シャッター 31…シャッター機構 32…タイマー本体 33…操作ダイヤル 35…シャッター移動手段 36…回転体 42…シャッターガイド部 43…シャッター付勢部 44…ロック機構 48…径方向カム部 49…解除片部

Claims (7)

  1. 印影画像を形成したマスクを介して、スタンプユニットの表面に設けた光硬化樹脂を露光し、前記光硬化樹脂の印影に相当する部分を硬化させるスタンプ作成装置であって、
    前記スタンプユニットが着脱自在に装着される装着部と、
    前記装着部を覆うように設けられ、前記マスクが重ねられた前記スタンプユニットに光が導入される光導入部を形成した蓋体と、
    前記蓋体に組み込まれ、前記光導入部を開閉するシャッターと、
    前記スタンプユニットの露光時間を設定するためのタイマー機構と、
    前記タイマー機構に連動し、前記露光時間に応じて、前記シャッターを開放状態から閉塞状態に作動させるシャッター機構と、を備えたことを特徴とするスタンプ作成装置。
  2. 光の強度を測定する光強度測定部と、
    前記光強度測定部の測定結果に基づいて前記光硬化樹脂の適正露光時間を設定させるための露光時間指標部と、を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のスタンプ作成装置。
  3. 前記光強度測定部は、前記光の強度に応じて変色する光感応材を有し、
    前記露光時間指標部は、前記光感応材の変色状態を表した設定表示部を有していることを特徴とする請求項2に記載のスタンプ作成装置。
  4. 前記シャッター機構は、
    前記シャッターの開閉動作をガイドするシャッターガイド部と、
    前記シャッターを開放位置にロックするロック機構と、
    前記シャッターを閉塞位置に向かって付勢するシャッター付勢部と、
    前記タイマー機構に連動して、前記露光時間が経過後に前記ロック機構によるシャッターのロック状態を解除させるシャッター移動手段と、を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のスタンプ作成装置。
  5. 前記タイマー機構は、
    前記露光時間を計時するタイマー本体と、
    設定された前記露光時間に応じてホーム位置から設定位置まで移動し、前記露光時間の経過に伴い、前記設定位置からホーム位置に復帰する操作部と、を有していることを特徴とする請求項4に記載のスタンプ作成装置。
  6. 前記シャッター移動手段は、
    前記操作部の操作に連動して回転する回転体と、
    前記回転体に設けられ、前記操作に連動して前記シャッターを前記閉塞位置から前記開放位置に移動させる移動カム部と、
    前記回転体に設けられ、前記復帰動作に連動して前記ロック機構によるシャッターのロック状態を解除させる解除部と、を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のスタンプ作成装置。
  7. 前記スタンプユニットおよび前記マスクを押圧する紫外線を透過可能な露光カバーと、
    前記装着部に設けられ、前記スタンプユニットを離脱方向に付勢する付勢手段と、
    前記露光カバーを、前記付勢手段の抗力によりロック・アンロックするロック手段と、を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のスタンプ作成装置。
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