JP5448852B2 - ポリフェノール高含有組成物の製造方法および製造装置 - Google Patents

ポリフェノール高含有組成物の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリフェノール高含有組成物およびその製造方法に関する。より詳しくは、テオブロミンおよびポリフェノールが共存する植物体またはその加工品から、ポリフェノールを選択的に抽出することによって、テオブロミン含量が低く、ポリフェノール含量が高い組成物を効率よく製造する方法に関する。
一般に、様々な果物や野菜中に含まれている植物ポリフェノールを摂取することは、健康維持に有益であることが知られている。なかでも、カカオに含まれるカカオポリフェノールは、抗酸化作用、歯石形成抑制作用、抗腫瘍作用、抗ストレス作用、発癌予防作用などの様々な生理効果を有することが知られている(例えば特許文献1〜5参照)。
カカオポリフェノールは、カカオの抽出物として得ることができ、近年、そのような抽出物を使用したココアおよびチョコレートなどのカカオ飲食品が注目されている。しかし、一般的に、市販のココアまたはチョコレートなどに含まれるカカオポリフェノールの含量は低い。そのため、カカオ飲食品によって上述の生理効果を発揮させるためには、それらをかなり大量に摂取することが必要となる。しかし、そのような大量摂取は様々な弊害を引き起こす可能性がある。したがって、ポリフェノール含量が高い組成物、特に、カカオポリフェノール高含有組成物の製造方法が確立できれば、大量のココアやチョコレートを摂取せずに、生理効果を発揮するのに十分な量のポリフェノールを無理なく摂取することが可能となる。
このような観点において、カカオからカカオポリフェノールを抽出する様々な方法が検討されている。例えば、抽出時に熱水またはエタノールを使用する方法が提案されている(例えば特許文献1,6,7参照)。例示したカカオポリフェノールの抽出方法に見られるように、従来のポリフェノールの抽出方法は、抽出、合成吸着剤への吸着処理、洗浄および溶媒による溶出など、煩雑な操作を必要とし、ポリフェノールを効率よく、かつ安価に得ることは難しいことが多い。そのため、果物や野菜を原料として、効率よく、かつ安価にポリフェノール高含有組成物を製造する方法が待ち望まれている。
特開平7-213251号公報 特開平7-238028号公報 特開平7-274894号公報 特開平9-206026号公報 特開平9-234018号公報 特開平9-224606号公報 特開2000-256345号公報 Martin L. Price and Larry G. Butler, J. Agric Food Chem., Vol. 25 No.6, 1268-1273, 1977 AOAC Official Methods of Analysis (1990) 980.14,「Theobromine and Caffeine in Cacao Products Liquid Chromatographic Method」 Food Chemistry 68 (2000) Yinrong Lu, L. Yeap Foo 「Antioxidant and radical scavenging activities of polyphenols from apple pomace」 Journal of Nutrition, 1999, 129: 1725-1730 SatoshiNagaoka, Kenji Miwa, Michiko Eto, Yasuo Kuzuya, Goro Hori and Kazuhiro Yamamoto「Soy Protein Peptic Hydrolysate with Bound Phospholipids Decreases Micellar Solubility and Cholesterol Absorption in Rats and Caco-2 Cells」
そもそも、カカオから得られる粗抽出物は、多くの場合、カカオポリフェノールの他に、テオブロミン、アミノ酸、およびタンパクなどの成分を含んでおり、粗抽出物中のカカオポリフェノールの含量は高いとは言い難い。粗抽出物をさらに分離精製した場合であっても、カカオポリフェノールとテオブロミンとの分離は難しく、カカオポリフェノール画分はテオブロミンを含んでいることが多い。テオブロミンは、優れた生理効果を有する一方で、それらを多く摂取すると、気分が悪くなることが知られている。したがって、カカオポリフェノールの抽出物を飲食品として使用する場合、抽出物におけるカカオポリフェノール含量は高く、その一方でテオブロミン含量が低いことが望まれる。
しかし、従来の抽出方法は、煩雑な操作を必要とするだけでなく、その性質を考慮すると、カカオポリフェノールとテオブロミンとの分離が難しく、抽出物中のテオブロミン含量も高い傾向がある。したがって、本発明は、簡便かつ効率よく、ポリフェノール高含有組成物を提供することを目的とし、特に、カカオポリフェノール含量が高く、その一方でテオブロミン含量の低い組成物を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の状況に鑑み鋭意検討を行った結果、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に、ポリフェノールとテオブロミンとが共存する粗抽出液を接触させたとき、テオブロミンが効率よく樹脂に吸着され、ポリフェノールが効率よく溶出されることを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり、以下に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)以下の工程を有するポリフェノール含有組成物の製造方法。
(a)ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品を溶媒で抽出し、ポリフェノール粗抽出液を得る工程、
(b)上記ポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き上記陽イオン交換樹脂に、イオン性物質を含まない第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る工程、
(c)上記第1のポリフェノール溶出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に再度通液した後に、イオン性物質を含まない第2の溶媒を通液し、第2のポリフェノール溶出液を得る工程、および
(d)上記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥させる工程。
(2)上記植物体がカカオであることを特徴とする、上記(1)に記載の製造方法。
(3)上記工程(a)において、上記抽出に用いる溶媒が、40〜70重量%のエタノール水溶液である、上記(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)上記工程(b)及び上記工程(c)において、上記第1および第2の溶媒の通液がSV=2〜10の流速で実施されることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
(5)上記工程(c)に先立ち、上記第1のポリフェノール溶出液からテオブロミンの沈殿物を析出させ、次いで上記沈殿物を除去することによって得られる溶液を上記工程(c)で使用することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法。
(6)上記イオン性物質を含まない第1および第2の溶媒が、それぞれ、脱イオン水またはエタノール水溶液である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法。
(7)上記イオン性物質を含まない第2の溶媒が、35℃以下の脱イオン水またはエタノール濃度が30重量%以下のエタノール水溶液である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法。
(8)上記(1)〜(7)に記載の製造方法によって得られるポリフェノール含有組成物。
(9)固形分中のポリフェノール含量が33重量%以上であり、テオブロミン含量が1重量%以下であるポリフェノール含有組成物。
(10)ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール含有組成物を製造するための装置であって、
ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール粗抽出液を得る手段を有する抽出区分と、
上記抽出区分から移送手段を介して移送されたポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き上記陽イオン交換樹脂に、イオン性物質を含まない第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第1の分離精製、および上記第1の分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第1のポリフェノール溶出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に再度通液した後に、イオン性物質を含まない第2の溶媒を通液して第2のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第2の分離精製を可能とする分離精製区分と、
上記分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥する手段を有する回収区分と
を有することを特徴とする製造装置。
なお、本出願は、同出願人によって2008年2月7日に出願された日本国特願2008−27946号に基づく優先権主張を伴うものであって、この明細書を参照することにより、本明細書の一部に組み込むものとする。
本発明の製造方法によれば、簡便な方法で、かつ効率よく、ポリフェノール高含有組成物を製造することができる。本発明では粗抽出液を予め多孔性樹脂などで前処理する必要がないので、工程が簡素であり、ポリフェノールの回収率が高く、必要な溶剤量も少なくて済むという利点がある。また、本発明の製造方法によって得られる組成物は、一般的な従来のカカオ抽出物と比較して、固形分におけるポリフェノール含量が高いため、様々な用途において有益である。特に、本発明によって得られるカカオポリフェノール高含有組成物は、従来のカカオ抽出物と比較してテオブロミンの含量が低いため、飲食物及び医薬品などに配合しやすい。
図1は、本発明の製造装置の一実施形態を説明するフロー図である。 図2は、抽出溶媒としてエタノール水溶液を使用した場合におけるエタノール濃度と抽出効果との関係を示すグラフである。 図3は、実施例6および比較例1で検討したミセル不溶化能の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
100:抽出区分
100a、100b:配管
110:抽出タンク
120:原料タンク
130:溶媒タンク
140:遠心分離機
200:分離精製区分
200a、200b、200c:配管
210:カラム
212:廃液タンク
220:濃縮機
230:カラム
232:廃液タンク
240a、240b、240c、240d:溶媒タンク
300 回収区分
300a 配管
310:濃縮機
320:噴霧乾燥機
322: 回収タンク
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の第1は、ポリフェノール含有組成物の製造方法に関する。この製造方法は、ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品を溶媒で抽出し、ポリフェノール粗抽出液を得る工程と、上記ポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させた後に溶出させ、ポリフェノール溶出液を得る工程と、必要に応じて、ポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥する工程とを有することを特徴とする。このような方法によれば、ポリフェノール粗抽出液中の不要な成分を、上記陽イオン交換樹脂に吸着させ、除去することができる。その結果、ポリフェノールに富む画分を選択的に溶出することができる。得られる組成物の固形分あたりのポリフェノール含量をより高めるために、上記陽イオン樹脂との接触を繰り返し実施することが好ましい。本発明の製造方法の一実施形態では、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂を用いる分離精製工程を少なくとも2回実施することが好ましい。
本発明の製造方法の好ましい一実施形態は、(a)ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品を溶媒で抽出し、ポリフェノール粗抽出液を得る工程と、(b)上記ポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き上記陽イオン交換樹脂にイオン性物質を含まない第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る工程と、次いで(c)上記第1のポリフェノール溶出液を、再度、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に通液した後に、引き続き、イオン性物質を含まない第2の溶媒を通液して第2のポリフェノール溶出液を得る工程と、必要に応じて(d)上記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥する工程とを有する。なお、工程(c)で使用する陽イオン交換樹脂は、先の工程(b)で使用した上記陽イオン交換樹脂を再生して再利用しても、別途準備した上記陽イオン交換樹脂を使用してもよい。
本明細書において使用する用語「ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品」とは、植物体またはその加工品の成分中にポリフェノールを含有するものであればよく、その他、共存する成分については特に限定されないことを意味する。すなわち、本発明による製造方法はポリフェノールを含有する様々な植物体およびその加工品に適用可能である。特に限定するものではないが、本発明は、ポリフェノールとテオブロミンとが共存する、カカオ、マテ、チャノキ、コーラ、ガラナ、コーヒーノキなどの植物体またはその加工品からポリフェノール成分を選択的に抽出するのに有用である。
以下、原料としてカカオの植物体またはその加工品を使用した場合を一例として、本発明によるポリフェノール含有組成物の製造方法について詳細に説明する。しかし、本発明による製造方法は、カカオ以外の植物体およびその加工品を原料として使用した場合についても、同様に実施可能であることはいうまでもない。なお、本明細書に使用する用語「ポリフェノール高含有組成物」とは、固形分におけるポリフェノール成分の含量が33重量%以上、より好ましくは40重量%以上であることを意図している。特に、原料としてカカオの植物体またはその加工品を使用した場合には、固形分におけるカカオポリフェノールの含量が33重量%以上、より好ましくは40重量%以上であり、その一方で、固形分におけるテオブロミンの含量が1重量%以下、より好ましくは0.9重量%以下であることを意図している。
本発明において原料として使用可能な「カカオの植物体またはその加工品」とは、例えば、カカオ樹皮、カカオ葉、カカオ豆およびカカオシェルなどの植物体、およびカカオニブ、カカオマス、脱脂カカオマス、ココアパウダーなどのカカオ豆加工品であってよい。なお、カカオマスはカカオ豆を磨砕して得られ、脱脂カカオマスはカカオマスから油脂を除去することによって得られる。カカオマスからの油脂の除去方法は、特に制限されず、圧搾などの公知の方法を適用することができる。脱脂カカオマスを粉砕することによってココアパウダーが得られる。そして、これら例示した原料の中でも、カカオマスやココアパウダーは、その加工工程において、磨砕、粉砕などの微粒化処理が施されているため、ポリフェノールの抽出を効率的に実施することができる観点から好ましい。
本発明による製造方法の一実施形態において、工程(a)は、ポリフェノールを含有する原料からポリフェノール粗抽出液を得る工程に関する。この工程は、溶媒抽出を行うこと以外は特に限定されず、周知の抽出技術を適用することができる。例えば、抽出釜に原料を入れ、所定量の抽出溶媒に一定時間浸漬し抽出液を得る方法や、カラムに充填した原料に抽出溶媒を送液し、所定量の抽出液を得る方法などの、周知の溶媒抽出方法から適宜選択すればよい。抽出溶媒に溶解しない成分(残渣)については、遠心分離処理、ろ過処理などの方法を用いて除去する。このようにして得られるポリフェノール粗抽出液は、抽出処理によって得られたままの多量の溶媒を含む溶液であっても、抽出溶媒の一部を留去した溶液であってもよい。抽出溶媒の一部を留去した際に、沈殿や析出物が発生した場合は、遠心分離処理、ろ過処理などの公知の方法により除去する。
カカオの植物体またはその加工品を原料として用いた場合、工程(a)では、溶媒抽出による抽出液(以下、「カカオ粗抽出液」と略記する)を調製する。調製方法としては、溶媒抽出を適用すること以外は特に限定されない。溶媒抽出として使用する溶媒は、水、エタノール、メタノール、およびアセトニトリルなどの有機溶媒またはその水溶液であってよい。特に限定するものではないが、水、エタノールおよびその水溶液は、食品製造に汎用される溶媒である観点から好ましい。これらの溶媒は、人体に無害という理由からも好ましい。そのような溶媒は、エタノールを単独で使用してもよいが、水、または水とエタノールとの混合物、すなわちエタノール水溶液を使用することがより好ましい。エタノール水溶液におけるエタノール濃度は、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは40〜70重量%であり、さらに好ましくは50重量%である。
抽出時の温度は、抽出溶媒として水を使用する場合は、理論的には0〜100℃の範囲、好ましくは50〜90℃の範囲が好ましい。また、溶媒としてエタノール水溶液を使用する場合は、理論的には0〜80℃の範囲、好ましくは40〜70℃の範囲が好ましい。抽出時間は、使用する原料およびその他の抽出パラメーターを考慮して、所望の抽出対象物に応じて適宜決定すればよい。特に限定するものではないが、抽出時間は、通常、約10〜60分間である。上述のようにして得られるカカオ粗抽出液は、カカオポリフェノールとともに、テオブロミン、アミノ酸類、糖類、色素類、および油脂などのその他の不要な成分を多量に含有している。
本発明による製造方法の一実施形態において、工程(b)および(c)は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂を用いた分離精製に関する。一実施形態において、工程(b)は、工程(a)で得たポリフェノール粗抽出液から、主にタンパク、アミノ酸などの不要な成分を除去して、第1のポリフェノール溶出液を得ることを目的とする。また、工程(c)は、工程(b)の溶出液から主にテオブロミンなどの不要な成分を除去して、第2のポリフェノール溶出液を得ることを目的とする。不要な成分の除去は、上記陽イオン交換樹脂に粗抽出液または第1のポリフェノール溶出液をそれぞれ接触させた後に、適切な溶媒を通液することによって達成される。
ここで、本明細書において使用する用語「陽イオン交換樹脂」とは、特に限定されるものではなく、強酸性または弱酸性の周知の陽イオン交換樹脂を意図している。さらに、「予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂」とは、反応基となる樹脂中の陽イオンを、予め水素イオンで置換処理していることを示している。本発明において使用可能な陽イオン交換樹脂の具体例として、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)シリーズSK1B、SK110、SK116、P206、WK40、およびロームアンドハース社製のアンバーライト(登録商標)IR−120B、IR−200CT、IRC50、IR−124、さらにザ・ダウケミカル・カンパニー社製のダウエックス(登録商標)50W-X8が挙げられる。
上記陽イオン交換樹脂に対する水素イオンの置換処理は、例えば、適当な濃度の酸を樹脂に接触させることによって実施することができる。上記置換処理を実施するために、例えば、1N−塩酸を使用することができる。本発明では、陽イオン交換樹脂を予め水素イオン置換処理することによって、陽イオン交換樹脂にテオブロミンがより吸着しやすくなると考えられる。したがって、本発明において使用する陽イオン交換樹脂は、特に限定されるものではないが、いかなる樹脂を使用した場合であっても、予め水素イオン置換処理を行うことが必須となる。
一般に、陽イオン交換樹脂などを充填材として使用するイオン交換クロマトからの目的物質の溶出には、イオン交換樹脂とイオン交換できる物質を含む、塩酸、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、および塩化ナトリウムなどのイオン性溶液が使用される。しかし、本発明における製造方法では、陽イオン交換樹脂からのポリフェノールの溶出は、脱イオン水などのイオン性物質を含まない溶媒を通液することによって実施される。本明細書において使用する用語「イオン性物質を含まない溶媒」とは、陽イオン交換樹脂と吸脱着するような物質を含まない溶媒を意図している。本発明では、イオン性物質を含まない溶媒の具体例として、脱イオン水、有機溶媒の水溶液が挙げられる。有機溶媒の水溶液としては、工程(a)において先に例示したとおりであり、好ましい溶媒としてエタノール水溶液が挙げられる。本発明では、コストの観点から、脱イオン水が最も好ましい。
本発明では、予め水素イオンで置換処理した陽イオン交換樹脂と、イオン性物質を含まない溶媒との組み合わせによって、カカオ粗抽出物中のテオブロミンなどの不要な成分を選択的に陽イオン交換樹脂に吸着させ、カカオポリフェノールを優先的に溶出させることが可能である。本発明の一実施形態では、工程(b)および(c)の目的に応じて、それぞれ適切な溶出溶媒を選択し、使用することが好ましい。以下、工程(b)および(c)について、さらに詳細に説明する。
工程(b)において、陽イオン交換樹脂と、ポリフェノール粗抽出液、より具体的にはカカオ粗抽出液との接触は、陽イオン交換樹脂に粗抽出液中のカカオポリフェノール以外の不要な成分を樹脂に吸着させ、引き続きカカオポリフェノール画分を選択的に溶出することができれば、いかなる方法を用いてもよい。また、カカオ粗抽出液と陽イオン交換樹脂との接触処理の条件は、カカオ粗抽出液の濃度などに応じて適宜選択することができる。
例えば、本発明の工程(b)は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂をカラムに充填し、次いでこのカラム内の陽イオン交換樹脂にカカオ粗抽出液を通液させることによって実施することができる。別法として、本発明の工程(b)は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂をカカオ粗抽出液に直接投入し、撹拌を行うことによって実施することもできる。このような方法を用いた場合には、カカオ粗抽出液中の不要な成分を陽イオン交換樹脂に吸着させた後、ろ過などの分離方法によって陽イオン交換樹脂を回収する必要がある。すなわち、後者の方法は、回分処理となるため、作業効率の観点からすると、カラムを用いた方法がより好ましい。
カラムを用いた方法によって工程(b)を実施する場合、実質的には、陽イオン交換樹脂を平衡化する溶媒が必要となる。本発明では、平衡化するための溶媒として、エタノール含量が0〜50重量%、より好ましくは0〜10重量%のエタノール水溶液を使用する。そして、陽イオン交換樹脂を平衡化させた後にカカオ粗抽出液を通液させ、引き続き、イオン性物質を含まない溶媒を通液することによって、第1のカカオポリフェノール溶出液を得る。
工程(b)において溶出に使用する溶媒は、イオン性物質を含まない溶媒であれば、特に限定されない。しかし、工程(b)において、ポリフェノール粗抽出液に含まれる主にタンパクおよびアミノ酸などの不要な成分を分離する観点から、それらの分離が容易となる溶媒を適宜選択して使用することが好ましい。例えば、脱イオン水、エタノール水溶液などの有機溶媒の水溶液が挙げられる。一般的には、溶出に使用する溶媒は、抽出液と同じエタノール濃度とする。したがって、例えば、エタノール含量が30〜95重量%のエタノール水溶液を使用することができる。しかし、本発明の工程(b)においては、脱イオン水を使用した場合にも同様に不要な成分を樹脂に吸着させ分離することができる。
溶出に使用する溶媒の温度は、特に限定されない。例えば、脱イオン水を使用する場合は、理論的には0〜100℃の範囲、好ましくは5〜50℃の範囲である。また、エタノール水溶液を使用する場合は、理論的には0〜80℃の範囲、好ましくは5〜50℃の範囲である。イオン性物質を含まない溶媒は、SV=1〜10程度、好ましくはSV=2〜10程度の流速でカラムを通液することが好ましい。このような流速で通液することによって、固形分あたりのカカオポリフェノール含量が高い組成物(溶液状態)を得ることが容易となる。なお、流速に関し、例えば「SV=1」とは、1時間あたり樹脂量と等倍(1倍)容量の液を流すことを意味する。
工程(b)において、カラムに充填する陽イオン交換樹脂の樹脂量は、適宜選択することができる。例えば、樹脂の充填量は、カカオ粗抽出液の液量に対して、1/50倍以上、好ましくは1/25倍以上の容量が好ましい。工程(c)において別途カラムを準備する場合には、樹脂の充填量を少なくしてもよい。工程(b)において使用する樹脂量が少ない場合、タンパクやアミノ酸などの不要な成分が吸着されるだけで、テオブロミンは吸着されずに溶出しやすくなる。したがって、得られる溶出液には、ポリフェノールとともに多量のテオブロミンが含まれる。
本発明による一実施形態において、工程(c)は、先の工程(b)で得られる第1のポリフェノール溶出液から、主にテオブロミンなどの不要な成分を除去する工程である。工程(c)で使用する上記陽イオン交換樹脂は、先の工程(b)で使用した上記陽イオン交換樹脂を再生して再利用しても、別途準備した上記陽イオン交換樹脂を使用してもよい。テオブロミンは、カカオポリフェノールよりも上記陽イオン交換樹脂に吸着しやすい。そのため、上記陽イオン交換樹脂に第1のポリフェノール溶出液を接触させることによって、テオブロミンを除去することができ、ポリフェノールに富む画分が得られる。上記陽イオン交換樹脂との接触方法は、特に限定されないが、工程(b)と同様にカラムを用いた方法によって効率よく実施することができる。具体的には、上記陽イオン交換樹脂を平衡化させた後に、第1のポリフェノール溶出液を通液させ、引き続き、イオン性物質を含まない溶媒を通液する。
工程(c)の一実施形態では、工程(b)によって得られる第1のポリフェノール溶出液をそのまま使用してもよい。別の実施形態として、上記溶出液から不要な成分を沈殿させ、その沈殿物を除去して得られる溶液を使用してもよい。このような実施形態は、工程(b)において上記陽イオン交換樹脂の使用量が少ない場合、特に好ましい。なぜならば、工程(b)において上記陽イオン交換樹脂の使用量が少ない場合、溶出液は多量のテオブロミンを含んでいる。したがって、工程(c)に先立ち、第1のポリフェノール溶出液中に含まれるテオブロミンを沈殿物として除去することが可能となるためである。したがって、このような実施形態は、テオブロミン含量が少ないポリフェノール高含有組成物を効率よく得るために有益となる。
テオブロミンの沈殿は、溶出液中の溶媒の留去など、公知の方法によって実施することができる。なお、分離したテオブロミンは、公知の方法によって適宜精製し、副産物として利用することもできる。上述のようなテオブロミンの除去工程を実施した場合、工程(c)では、テオブロミン沈殿物を除去して得られる溶液をそのまま陽イオン交換樹脂に接触させ、さらにイオン性物質を含まない溶媒を通液させる。別の実施形態として、上記溶液中のエタノール濃度を、溶出液における濃度と同程度にするために、上記溶液にエタノールを適宜添加してもよい。このような実施形態では、エタノールを添加した溶液を、陽イオン交換樹脂に接触させ、さらにイオン性物質を含まない溶媒を通液させる。
本発明では、工程(c)においてテオブロミンを効率良く除去するために、溶出に使用する溶媒を適切に選択することが好ましい。工程(c)において溶出に使用する溶媒は、テオブロミンを上記陽イオン樹脂に効率良く吸着させることができる一方で、ポリフェノールを選択的に溶出できる、イオン性物質を含まない溶媒であればよい。例えば、脱イオン水、エタノール水溶液などの有機溶媒の水溶液が挙げられる。
溶出溶媒として脱イオン水を使用する場合、脱イオン水の温度は35℃以下、より好ましくは25℃以下とすることが望ましい。35℃を超える温度の脱イオン水を使用すると、テオブロミンが樹脂に吸着し難くなり、ポリフェノールとともに溶出しやすくなる傾向がある。溶出溶媒としてエタノール水溶液などの有機溶媒の水溶液を使用する場合、先の工程で使用した溶媒よりも低い濃度の溶媒を使用することが好ましい。例えば、抽出時に使用したエタノール水溶液よりも濃度の低いエタノール水溶液を使用することができる。より具体的には、工程(c)においてエタノール水溶液を使用する場合、エタノール含量が0〜30重量%、より好ましくは0〜10重量%のエタノール水溶液を用いることが好ましい。エタノール水溶液のエタノール濃度が30重量%を超えると、テオブロミンが吸着し難くなり、ポリフェノールとともに溶出しやすくなる傾向がある。
工程(c)における溶出溶媒の流速は、先に説明した工程(b)と同様であってよい。工程(c)における樹脂の充填量は、第1のポリフェノール溶出液またはさらに処理を施して得た溶液の液量に対して、1倍以上、好ましくは1.5倍以上の容量が好ましい。別法として、工程(b)で使用した上記陽イオン交換樹脂を再生して再利用してもよい。
上述のように、本発明による製造方法では、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂による分離精製を複数工程に分けて実施することによって、カラム内に充填させる樹脂量および通液させる溶媒量を少なくすることが可能となるため、作業効率がよい。また、複数回の分離精製は、最終的に得られる組成物のポリフェノール含量を高める観点からも好ましい。本発明による製造方法において、上記陽イオン交換樹脂による分離精製は、工程(b)および(c)の2回の実施に限定するものでなく、必要に応じて同様の分離精製を繰り返し実施してもよい。また、工程(a)での抽出、工程(b)および(c)での分離精製に加えて、分離精製に関する公知の技術を適用してもよい。
本発明による製造方法では、必要に応じて、工程(a)〜(c)を含む分離精製工程を経て得られるポリフェノール溶出液を、濃縮または乾燥する工程(d)を設けることが好ましい。このような濃縮または乾燥によって、目的とするポリフェノール高含有組成物を固形状態で得ることが容易となる。濃縮または乾燥は、公知の方法を適用することが可能である、例えば、濃縮方法の一例として、減圧濃縮および加熱濃縮が挙げられる。乾燥方法の一例として、噴霧乾燥および凍結乾燥が挙げられる。なお、工程(d)における濃縮または乾燥の際にテオブロミンの沈殿物が生じた場合には、沈殿物を除去することによって、最終的に得られる組成物中のテオブロミン含量をさらに低下させることもできる。テオブロミンの沈殿物の除去は、ろ過や遠心分離などの公知の方法によって実施することができる。
本発明の第2は、本発明の第1による製造方法によって得られるポリフェノール高含有組成物に関する。そのような組成物は、固形分あたりのポリフェノール含量が高いため、ポリフェノールが有効となる様々な用途に利用することが可能となる。特に、本発明によって得られるカカオポリフェノール組成物は、カカオポリフェノール含量が高い一方で、テオブロミン含量が従来品と比較して著しく低いことを特徴とする。そのため、飲食品や医薬品に好適に添加することができる。
例えば、本発明による組成物を、一般に製剤に使用できる各種賦形剤、安定剤、香味剤などと調合することによって、薬理効果を有する錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの医薬品を提供することができる。また、本発明による組成物を、ココア、コーヒー、チョコレート、ビスケット、スナック、キャンデー、錠菓、ガム、グミ、ゼリー、羊かん、アイスクリーム、シャーベット、飲料、乳製品、パン、ソーセージおよびハムなどの飲食品に配合することで、それらに薬理効果を付与することもできる。なお、飲食品や医薬品への適用を考慮した場合、組成物における固形分中のポリフェノール含量が33重量%以上であり、テオブロミン含量が1重量%以下であるカカオポリフェノール含有組成物が好ましい。本発明によれば、そのようなカカオポリフェノール含量が高くかつテオブロミン含量の低い、望ましい組成物を提供することができる。
本発明の第3は、ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール含有組成物を製造するための装置に関する。
本発明の製造装置は、ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール粗抽出液を得る手段を有する抽出区分と、上記抽出区分から移送手段を介して移送されたポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き上記陽イオン交換樹脂に、イオン性物質を含まない第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第1の分離精製および上記第1の分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第1のポリフェノール溶出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に再度通液した後に、イオン性物質を含まない第2の溶媒を通液して第2のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第2の分離精製を可能とする分離精製区分と、上記分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥する手段を有する回収区分と
を有することを特徴とする。
抽出区分は、少なくとも、上記植物体またはその加工品(以下、原料ともいう)と抽出に使用する溶媒を収容することができる容器を備える。抽出は、容器内で原料と溶媒とを接触させることによって実施され、不溶成分(残渣)を除去手段によって除去することにより、ポリフェノール粗抽出液が得られる。容器は、原料と抽出溶媒とを注入するための少なくとも1つの開口部、およびポリフェノール粗抽出液を排出するための開口部を備えていることが好ましい。例えば、容器はカラム、抽出釜、タンクであってよい。抽出効率を向上させるために、容器内にはプロペラ、スクリューなどの攪拌手段が設けられてもよい。また、容器内には回転刃などの原料を微細に粉砕する手段が設けられてもよい。不溶成分の除去手段は、例えば、容器外に設けられる遠心分離装置、およびろ過装置であってよい。必要に応じて、抽出区分にエバポレータ、減圧濃縮機などの濃縮手段を追加することによって、分離精製区分への移送に先立ち、粗抽出液の溶媒を留去して液量を減らすこともできる。
抽出区分で得られたポリフェノール粗抽出液は、移送手段を介して、分離精製区分に移送される。移送手段は、例えば送液ポンプ及び配管であってよい。必要に応じて、配管には、調節弁を設けてもよい。送液ポンプ及び調節弁によって、分離精製区分にポリフェノール粗抽出液を移送する際の、流量、流速を調節することができる。
分離精製区分は、第1および第2の分離精製を含む少なくとも2回の分離精製が可能となる配置を有する。すなわち、第1および第2の分離精製は、それぞれ独立した区分として配置されても、同じ区分内での循環を可能とする配管などの移送手段を備える配置であってもよい。
第1および第2の分離精製をそれぞれ独立した区分の配置とする場合、第1の分離精製区分は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂を収容した第1のカラム、およびイオン性物質を含まない第1の溶媒を収容する第1の溶媒タンクを備える。カラム内に収容された上記樹脂に、抽出区分から移送されたポリフェノール粗抽出液を通液した後、さらに第1の溶媒タンクから移送されるイオン性物質を含まない第1の溶媒を通液することによって、第1のポリフェノール溶出液が得られる。
同様に、第2の分離精製区分は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂を収容した第2のカラム、およびイオン性物質を含まない第2の溶媒を収容する第2の溶媒タンクを備える。カラム内に収容された上記樹脂に、抽出区分から移送されたポリフェノール粗抽出液を通液した後、さらに第2の溶媒タンクから移送されるイオン性物質を含まない第2の溶媒を通液することによって、第2のポリフェノール溶出液が得られる。第1の分離精製区分および第2の分離精製区分は配管などの移送手段を介して連絡しており、第1の分離精製区分で得られる第1のポリフェノール溶出液は移送手段を介して第2の分離精製区分に移送される。
第1の分離精製区分において第1のカラムに収容される樹脂量を少なくした場合、第1のポリフェノール溶出液中にはテオブロミンが多く含まれることになる。したがって、第1のポリフェノール溶出液を第2の分離精製区分に移送する前にテオブロミンを除去する除去区分を設けてもよい。そのような除去区分は、例えば、第1および第2の分離精製区分の間に設けられ、第1のポリフェノール溶出液を収容する容器と、溶出液からテオブロミンを析出させ除去する手段と、テオブロミンを除去した後に得られる溶液を、第2の分離精製区分に移送する配管などの移送手段を備える。除去手段は、例えば、ろ過装置、遠心分離装置であってよい。また、除去区分は、テオブロミンの析出を促進するために、冷却装置などの温度制御手段、およびエバポレータ、減圧濃縮機などの濃縮装置を備えていてもよい。
一方、第1および第2の分離精製を同じ区分内で循環させる配置とする場合、分離精製区分は、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂を収容したカラムと、イオン性物質を含まない第1の溶媒を収容する第1の溶媒タンクと、イオン性物質を含まない第2の溶媒を収容する第2の溶媒タンクと、第1の溶媒の通液によって得られる第1のポリフェノール溶出液を再度、カラムに移送するための配管などの移送手段を備える。このような分離精製区分では、抽出区分から移送されたポリフェノール粗抽出液がカラムに通液され、さらに第1の溶媒タンクから供給される第1の溶媒が通液されることで、第1のポリフェノール溶出液が得られる。次いで、この第1のポリフェノール溶出液が、移送手段を介して再生したカラムに再度移送され、カラムに通液された後に、第2の溶媒タンクから供給される第2の溶媒が通液されることによって、第2のポリフェノール溶出液が得られる。
なお、分離精製区分は、陽イオン交換樹脂を水素イオン置換処理するため塩酸、樹脂洗浄に用いる水酸化ナトリウム溶液などの処理溶液を収容する第3および第4の溶媒タンクを備えてもよい。さらに、必要に応じてカラムに供給する溶媒を収容する溶媒タンクを追加してもよい。ポリフェノール溶出液を得た後に、カラムに第3および第4の溶媒タンクから処理溶液を通液することによって、カラム内の樹脂を再生し、分離精製を連続的に実施することが可能となる。第1から第3の各溶媒タンクからカラムへの溶媒の供給は、送液ポンプ及び配管などの移送手段によって達成される。この移送手段は、必要に応じて、調節弁を含んでいてもよい。送液ポンプ及び調節弁によって、カラムに供給する溶媒の流量、流速を調節することができる。
分離精製区分で得られたポリフェノール溶出液は、移送手段を介して、回収区分に移送される。移送手段は、例えば送液ポンプ及び配管であってよい。必要に応じて、配管には、調節弁を設けてもよい。送液ポンプ及び調節弁によって、回収区分にポリフェノール粗抽出液を移送する際の、流量、流速を調節することができる。
ポリフェノール溶出液は、移送手段を介して、回収区分に移送される。回収区分は、移送されたポリフェノール溶出液を収容する容器と、溶出液中の溶媒を容器から除去する手段とを有する。溶媒の除去手段は、例えば減圧濃縮機といった通常の濃縮、凍結乾燥機、または噴霧乾燥機といった通常の粉末化に使用される装置であってよい。
本発明の製造装置の一実施形態を図1に示す。図1に示すように、本発明の製造装置は、抽出区分100と、分離精製区分200と、回収区分300とを有する。抽出区分100は、原料からの抽出を実施するための抽出タンク110、原料を収容するための原料タンク120、抽出溶媒を収容する溶媒タンク130、抽出後の不溶物を除去するための遠心分離機140とを有する。抽出タンク110と遠心分離機140は、配管100aによって連絡している。
分離精製区分200は、第1の分離精製を行うためのカラム210、溶出液を濃縮するための濃縮機220、第2の分離精製を行うためのカラム230、カラムの洗浄処理を行う溶媒を収容するための溶媒タンク240a、カラムの平衡化処理を行う溶媒を収容するための溶媒タンク240b、溶出に使用する溶媒を収容するための溶媒タンク240cおよび240dを有する。カラム210、濃縮機220およびカラム230は、それぞれ配管200aおよび200bを介して連絡している。このような分離精製区分200は、配管100bを介して抽出区分100と連絡している。参照符号212および232は、それぞれ廃液を収容するための廃液タンクを示す。
回収区分300は、分離精製区分200から配管200cを介して移送された溶出液を濃縮するための濃縮機310、濃縮液を乾燥するための噴霧乾燥機320を有する。濃縮機310および噴霧乾燥機320は、配管300aを介して連絡している。参照符号322は、乾燥によって得られる組成物を収容する回収タンクを示す。
このように構成される本発明の製造装置によれば、ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品を原料として、ポリフェノール含量の高い組成物を効率よく得ることが可能となる。なお、本発明の製造装置は、先に説明した本発明の製造方法を実施するために使用することを意図している。したがって、各区分において使用する溶媒、カラムに収容する樹脂などの諸条件については、製造方法における諸条件と同様である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
各実施例および各比較例に記載したカカオポリフェノールの含量およびテオブロミンの含量は、以下の方法による測定によって得た値である。
(ポリフェノール含量)
ポリフェノール含量は、プルシアンブルー法によって測定した。より詳細には、Martin L. Price and Larry G. Butler, J. Agric Food Chem., Vol. 25 No.6, 1268-1273, 1977に記載の方法を参照し、市販のエピカテキンを標準品として、各実施例および各比較例で得た組成物の固形分について定量分析を行うことによって得た値である。
具体的な分析方法の概略は、以下のとおりである。
組成物をn−ヘキサンで処理して脱脂した後、50重量%メタノール水溶液を用いて抽出し、試験溶液とした。次いで、蒸留水50mLに各試験溶液100μLを添加し、攪拌しながら0.1M 硫酸鉄(III)アンモニウム−0.1N 塩酸溶液3mLを加え、その20分後に8mM ヘキサシアノ鉄(III)カリウム水溶液3mLを加え、さらに20分後に720nmの吸光度を測定した。さらに、蒸留水50mLに各サンプル液の溶媒(50重量%メタノール)100μLを加えたもの、および(−)エピカテキン(シグマ社製)メタノール溶液を用い、同様の処理を行って検量線を作成し、各試験溶液中のポリフェノール含量を算出した。
(テオブロミン含量)
テオブロミン含量は、AOAC Official Methods of Analysis (1990) 980.14 「Theobromine and Caffeine in Cacao Products Liquid Chromatographic Method」に記載された方法を参照し、市販のテオブロミンを標準品として、各実施例および各比較例で得られる組成物の固形分について定量分析を行うことによって得た値である。
具体的な分析方法の概略は、以下のとおりである。
先ず、組成物を試料として遠沈管に正確に量り取り、石油エーテル30mlを加えてよく撹拌した後、遠心分離して上清を捨てる。脱脂された試料を三角フラスコに移し入れ、水を加えて約100mlとする。この溶液を100℃の湯浴中で25分間加熱した。加熱後の溶液を直ちに冷却し、2重量%硫酸亜鉛水溶液10ml、および1.8重量%水酸化バリウム10mlを加えて混合した後、静置した。この溶液に水を加えて200mlに定容し、再度、100℃の湯浴中で10分間加熱した。加熱後の溶液をろ過することによって、試料溶液を調製した。このようにして得た試料溶液を使用して、高速液体クロマトグラフによる測定を実施した。高速液体クロマトグラフによる測定条件は、以下のとおりである。
分析用カラム: Waters μ-Bondapak C18 10μm 4mmID×300mm(またはこれと同等のもの)
移動層: 水:アセトニトリル(85:15)
移動層流量: 1.0ml/分、検出;UV273nm
(抽出溶媒の検討)
抽出溶媒としてエタノール水溶液を使用し、溶媒の組成が、ポリフェノール回収率と固形分あたりのポリフェノール含量に与える影響について検討した。手順は以下のとおりである。
先ず、10gのカカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.1重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を磨砕した。この磨砕したカカオ豆を、0〜100重量%のエタノール水溶液200mlに添加し、50℃、30分間撹拌した。次いで、不溶物を遠心分離処理にて取り除いて、カカオ粗抽出液を得た。得られたカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、この固形分中のポリフェノール含量を測定した。結果を図2に示す。ポリフェノール回収率、および固形分あたりのポリフェノール含量の結果を考慮すると、エタノール濃度50重量%付近が抽出溶媒として好ましいことが分かった。
(実施例1)
ココアパウダー(油脂含量12重量%、カカオポリフェノール含量10.4重量%、テオブロミン含量2.0重量%)を使用し、以下の手順に従って、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、上記ココアパウダー100gを1000mlの水に分散し、90℃で30分間撹拌した後、不溶物を遠心分離処理にて取り除くことにより、カカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理を施した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を1000ml充填したカラムに、上記カカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、上記カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液2000mlを分取した。
次に、上記溶出液2000mlを凍結乾燥することによって、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は40.2重量%、テオブロミン含量は0.6重量%であった。
同様にして別途調製したカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は8.2重量%、テオブロミン含量は3.3重量%であった。
(実施例2)
ココアパウダー(油脂含量12重量%、カカオポリフェノール含量10.4重量%、テオブロミン含量2.0重量%)を使用し、以下の手順に従って、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、上記ココアパウダー2gを50重量%エタノール水溶液20mlに分散し、50℃で30分間撹拌した後、不溶物を遠心分離処理にて取り除くことにより、カカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理を施した陽イオン交換樹脂(ダウエックス 50W−X8)を20ml充填したカラムに、このカカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液50mlを分取した。
次に、上記溶出液50mlを凍結乾燥することによって、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は53.4重量%、テオブロミン含量は0.7重量%であった。
同様にして別途調製したカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は19.9重量%、テオブロミン含量は5.3重量%であった。
(実施例3)
10gのカカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.3重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を使用し、以下の手順に従って、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、上記カカオ豆10gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液200mlを添加し、50℃にて30分間撹拌した。次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去することにより、カカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理を施した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を200ml充填したカラムに、上記カカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水を通液によって、溶出液600mlを分取した。
次に、上記600mlの溶出液を凍結乾燥することによって、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は62.3重量%、テオブロミン含量は0.6重量%であった。
同様にして別途調製したカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は28.4重量%、テオブロミン含量は8.5重量%であった。
(実施例4)
100gのカカオシェル(カカオポリフェノール含量3.5重量%、テオブロミン含量2.0重量%)を使用し、以下の手順に従って、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、上記カカオシェル100gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液500mlを添加し、50℃にて30分間撹拌した。次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去することにより、カカオシェル粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理を施した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を500ml充填したカラムに、このカカオシェル粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。カカオシェル粗抽出液および脱イオン水の通液によって、溶出液1500mlを分取した。
次に、上記溶出液1500mlを凍結乾燥することによって、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は20.5重量%、テオブロミン含量は0.4重量%であった。
同様にして別途調製したカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は7.8重量%、テオブロミン含量は0.9重量%であった。
(実施例5)
100gのカカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.1重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を使用し、以下の手順に従って、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、上記カカオ豆100gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液1000mlを添加し、50℃にて10分間撹拌した。次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去し、カカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理を施した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を1000ml充填したカラムに、上記カカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液3000mlを分取した。
次に、上記3000mlの溶出液を、乾燥温度(入口温度)160℃の条件下で噴霧乾燥を行い、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は59.0重量%、テオブロミン含量は0.6重量%であった。
同様にして別途調製したカカオ粗抽出液を凍結乾燥し、固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は28.4重量%、テオブロミン含量は8.5重量%であった。
(実施例6)
実施例5によって得たポリフェノール含有組成物を使用し、以下の評価項目から、組成物による生理効果について検討した。その結果を表1および図3に示す。
(DPPHラジカル消去能)
DPPH(1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(1,1-Dyphenyl-2-picrylhydrazyl;DPPH)ラジカル消去能は、Food Chemistry 68 (2000) Yinrong Lu, L.Yeap Foo 「Antioxidant and radical scavenging activities of polyphenols from apple pomace」に記載の方法に従い、市販のエピカテキンを指標として測定した。測定方法の概略は、以下の通りである。
指標のエピカテキンおよび各サンプルを50重量%エタノール水溶液にて溶解した。この溶液100μlに0.1mM DPPH溶液2mlを加え、30分間室温で静置した後、520nmの吸光度を測定した。ブランク溶液(DPPH溶液)の吸光度の値を阻害率100%として、各サンプルの阻害率を算出した。測定で得られた数値が低いほど、DPPHラジカル消去能が高いことを示す。
(ミセル不溶化能)
ミセル不溶化能は、Journal of Nutrition ,1999,129:1725-1730 Satoshi
Nagaoka, Kenji Miwa, Michiko Eto, Yasuo Kuzuya,Goro Hori and Kazuhiro Yamamoto「Soy Protein Peptic Hydrolysate with Bound Phospholipids Decreases Micellar Solubility and Cholesterol Absorption in Rats and Caco-2 Cells」に記載の方法に従い、市販のエピカテキンを指標として測定した。
測定方法の概略は、以下の通りである。タウロコール酸ナトリウム 7.44mmol/L、コレステロール 1.94mmol/L、オレイン酸 1mmol/L、モノオレイン酸 0.5mmol/L、フォスファチジルコリン 0.6mmol/L、塩化ナトリウム 132mmol/Lをリン酸Buffer(pH7.4)に分散させ、10分間超音波処理をしてミセル溶液を調整した。この溶液に、指標のエピカテキン及びサンプルを50重量%エタノール水溶液と良く混合し、37℃で60分間加温した。その後、遠心分離にて沈殿物を取り除き、上清液のコレステロール量を市販のコレステロールE−テストワコー(和光純薬工業株式会社製)のキットを用いて測定した。測定で得られた数値が高いほど、ミセル不溶化能が高いことを示す。
(比較例1)
市販品のカカオポリフェノール素材(株式会社明治フードマテリア製、商品名「カカオポリフェノール」)を使用し、実施例6と同様の検討を行った。その結果を表1および図3に示す。
Figure 0005448852
注記:(1)各含量は、固形分の全重量を基準としたときの含有率である。
表1から明らかなように、本発明のポリフェノール含有組成物(実施例6)は、市販品(比較例1)と比較して、ポリフェノール含量が高く、かつテオブロミン含量が低いことが分かる。また、市販品と比較して、ラジカル消去能が高いことが分かる。さらに、図3から、市販品と比較して、ミセル不溶化能についても高いことも分かる。ここで、「DPPHラジカル消去能が高い」ことは、組成物が高い抗酸化力を有することを示唆する。また、「ミセル不溶化能が高い」ことは、コレステロールのミセルを不溶化する能力が高く、血中コレステロールを低下させる能力を有することを示唆する。このような観点から、本発明によれば、従来の市販品よりも、より有用なポリフェノール含有組成物を提供できることが明らかである。
(実施例7)
本実施例は、分離精製の工程で使用する陽イオン交換樹脂の検討に関する。カカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.0重量%、テオブロミン含量1.2重量%)を使用し、以下の手順にしたがって、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、カカオ豆10gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液を200ml添加し、50℃にて30分間撹拌し、次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去してカカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理した各種陽イオン交換樹脂(表2を参照)200mlを充填したカラムに、カカオ抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液600mlを分取した。
上記溶出液600mlを凍結乾燥することによりポリフェノール含有組成物を得た。得られた組成物の固形分中の成分を分析し、各組成物における成分を比較することによって、樹脂の種類による影響について検討した。その結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例7において使用した各種陽イオン交換樹脂にかえて、水酸化物イオン置換処理した陰イオン交換樹脂(表2を参照)を使用したことを除き、実施例7と同様の操作を行うことによって、溶出液を得た。次に、実施例と同様にして溶出液を凍結乾燥することによって、ポリフェノール含有組成物を得た。得られた組成物の固形分中の成分について、実施例7と同様にして分析を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005448852
注記:
(1)各含量は、固形分の全重量を基準としたときの含有率である。
(2)「ダイヤイオン」(登録商標)のシリーズは、三菱化学株式会社製である。
(3)「アンバーライト」(登録商標)のシリーズは、ロームアンドハース株式会社製である。
表2に示したように、分離精製において陽イオン交換樹脂を使用した場合(実施例7)は、陰イオン交換樹脂を使用した場合(比較例2)と比較して、いずれも固形分中のポリフェノール含量は高く、その一方でテオブロミン含量は低い。このことから、充填材として、強酸性または弱酸性の陽イオン交換樹脂のいずれを選択した場合であっても、テオブロミンを良好に吸着することができ、テオブロミンとポリフェノールとの分離に効果的であることが分かった。一方、陰イオン交換樹脂を使用した場合(比較例2)は、陽イオン交換樹脂を使用した場合(実施例7)と比較して、いずれも、ポリフェノール含量は著しく低く、テオブロミン含量は高い。このような結果から、充填材として、充填材として陰イオン交換樹脂を使用した場合には、樹脂がテオブロミンだけでなく、ポリフェノールについても吸着してしまう傾向があることが分かった。
(実施例8)
本実施例は、陽イオン交換樹脂を用いた分離精製の工程で使用する溶媒の検討に関する。具体的には、陽イオン交換樹脂を充填したカラムの平衡化溶液、およびカラムからの溶離液として、種々の溶媒を使用して検討を行った。
カカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.4重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を使用し、以下の手順にしたがって、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、カカオ豆2gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液を20ml添加し、50℃にて30分間撹拌し、次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去してカカオ粗抽出液を得た。
次に、予め、水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B 強酸性陽イオン交換樹脂)を20ml充填したカラムに、下記表3に示す各種平衡化溶液を100ml通液した。その後、このカカオ粗抽出液をSV=5で通液した。続いて、上記カラムに表3に示すカラム溶離液を通液した。
次に、カカオ粗抽出液およびカラム溶離液の通液によって、各溶出液を分取し、それぞれ凍結乾燥することによって、各ポリフェノール含有組成物を得た。各組成物の固形分の成分についてそれぞれ分析し、その成分を比較することによって、溶媒の影響について検討した。その結果を表3に示す。
Figure 0005448852
注記:
(1)平衡化溶液の温度は、それぞれ25℃である。
(2)カラム溶離液の温度は、それぞれ25℃である。
(3)各含量は、固形分の全重量を基準としたときの含有率である。
表3から明らかなように、平衡化溶液およびカラム溶離液として脱イオン水を使用した場合に、ポリフェノール含量が最も高く、かつテオブロミン含量が最も低い組成物が得られた。また、エタノール水溶液を使用した場合には、エタノール濃度が高くなるにつれて、テオブロミンが溶出されやすくなる傾向がみられる。このことから、脱イオン水を使用した場合に、テオブロミンが陽イオン交換樹脂に最も吸着されやすくなることが分かった。
(実施例9)
カカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.3重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を使用し、以下の手順にしたがって、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、カカオ豆100gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液を1000ml添加し、50℃にて30分間撹拌し、次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去することにより、カカオ粗抽出液を得た。
次に、予め、水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B 強酸性陽イオン交換樹脂)を20ml充填したカラムに、上記カカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および脱イオン水の通液によって、溶出液600mlを分取した。
次に、上記溶出液600mlを減圧濃縮することによって40mlの濃縮液を得た。この濃縮液を18時間静置した後、析出した沈殿を遠心分離によって、取り除いた。
次に、先の操作で得た遠心上清液を、再度、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を80ml充填したカラムに、SV=5の流速で通液した。続いて、25℃の脱イオン水を通液した。上記遠心上清液および上記脱イオン水を通液によって、溶出液200mlを分取した。
次に、上記溶出液200mlを凍結乾燥することにより、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は52.9%、テオブロミン含量は0.9%であった。
(実施例10)
カカオ豆(産地で乾燥を終えたもの、カカオポリフェノール含量7.3重量%、テオブロミン含量1.3重量%)を使用し、以下の手順にしたがって、ポリフェノール含有組成物を調製した。
先ず、カカオ豆100gを磨砕した後、50重量%エタノール水溶液を1000ml添加し、50℃にて30分間撹拌し、次いで、不溶成分を遠心分離処理にて除去することによってカカオ粗抽出液を得た。
次に、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B 強酸性陽イオン交換樹脂)を20ml充填したカラムに、上記カカオ粗抽出液をSV=5の流速で通液した。続いて、カラムに25℃の脱イオン水を通液した。上記カカオ粗抽出液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液600mlを分取した。引き続き、上記溶出液600mlを減圧濃縮することによって40mlの濃縮液を得た。
次に、先の操作で得た濃縮液を、再度、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120B)を160ml充填したカラムに、SV=5の流速で通液した。続いて、25℃の脱イオン水を通液した。上記濃縮液および上記脱イオン水の通液によって、溶出液360mlを分取した。 次に、上記溶出液360mlを凍結乾燥することにより、ポリフェノール含有組成物を得た。この組成物の固形分中の成分を分析した結果、ポリフェノール含量は51.9%、テオブロミン含量は0.9%であった。
以上の説明からして、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施態様を構成することができることは明白であり、本発明は請求の範囲において限定した以外は、その特定の実施態様によって制約されるものではない。

Claims (7)

  1. 以下の工程を有するポリフェノール含有組成物の製造方法。
    (a)ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品を溶媒で抽出し、ポリフェノール粗抽出液を得る工程、
    (b)前記ポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き、前記陽イオン交換樹脂に、脱イオン水を含む第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る工程、
    (c)前記第1のポリフェノール溶出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に再度通液した後に、脱イオン水を含む第2の溶媒を通液して第2のポリフェノール溶出液を得る工程、および
    (d)前記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥させる工程。
  2. 前記植物体がカカオであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記工程(a)において、前記抽出に用いる溶媒が、40〜70重量%のエタノール水溶液である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(b)及び前記工程(c)において、前記第1および第2の溶媒の通液がSV=2〜10の流速で実施されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記工程(c)に先立ち、前記第1のポリフェノール溶出液からテオブロミンの沈殿物を析出させ、次いで前記沈殿物を除去することによって得られる溶液を前記工程(c)で使用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記第2の溶媒が、35℃以下の脱イオン水である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール含有組成物を製造するための装置であって、
    ポリフェノールを含有する植物体またはその加工品からポリフェノール粗抽出液を得る手段を有する抽出区分と、
    前記抽出区分から移送手段を介して移送されたポリフェノール粗抽出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に接触させ、引き続き上記陽イオン交換樹脂に、脱イオン水を含む第1の溶媒を通液し、第1のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第1の分離精製区分、および前記第1の分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第1のポリフェノール溶出液を、予め水素イオン置換処理した陽イオン交換樹脂に再度通液した後に、脱イオン水を含む第2の溶媒を通液して第2のポリフェノール溶出液を得る手段を有する第2の分離精製を可能とする第2の分離精製区分と、
    前記第2の分離精製区分から移送手段を介して移送された上記第2のポリフェノール溶出液を濃縮または乾燥する手段を有する回収区分と
    を有することを特徴とする製造装置。
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