JP5447325B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
本発明は、従来の技術が有するこれらの課題に鑑みてなされたものであり、GA鋼板を張出し成形する際の摺動性を安定化し、これにより張り出し成形品の成形性の向上を図ることができるGA鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
図2(a)〜図2(d)は、張出し成形品の一例であるドアアウターパネル0の成形状況を模式的に示す説明図である。図2(b)〜図2(e)は、図2(a)におけるドアアウターパネル0のa−a’断面での金型と材料の状態を示しており、図2(a)〜図2(d)において、符号1はドアアウターエンボス部であり、符号2はブランク(鋼板)であり、符号3はダイであり、符号4はホルダーであり、符号5はパンチである。
(1)GA鋼板2とパンチ5との摩擦係数が小さいほど、摩擦抵抗力の変動が小さくなり面品質は良好となる。特にパンチ5とダイ3におけるエンボス部周辺の摩擦係数を低下させる程良好となる。
(2)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、GA鋼板2のめっき中のζ相の量により変化し、ζ相の量が少ないほど摩擦係数が小さくなる。
(3)GA鋼板2は、めっき中のζ相の量のばらつきが大きく、その結果、プレス成形の際の摺動性が不安定となる。
(4)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、接触面圧により変化し、接触面圧が大きいほど摩擦係数が大きくなる。
(5)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、パンチ成形速度により変化し、パンチ成形速度が大きいほど摩擦係数が小さくなる。
(6)したがって、接触面圧が高い、すなわち、成形下死点近傍のエンボスを成形する過程においてパンチ成形速度を大きくすることにより当該部位の摺動性が向上し、面歪みが抑制される。
(7)一般的なクランクプレス、すなわち、パンチ速度がサインカーブで表されるプレスによりGA鋼板2をプレス成形すると、成形過程の後半で成形ストロークとともにパンチ速度が著しく低下するため、摩擦係数が大きくなり、摺動性が低下し、面歪みが発生し易くなる。
(8)サーボプレスやリンクモーション機構を有するクランクプレスでは、成形荷重が高くなる成形過程の後半でパンチ成形速度を高めることが可能となる。これにより、GA鋼板2を張出し成形した際の面品質の低下を抑制することができる。
さらに、これらの本発明では、前記領域のパンチ成形速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするときに、下記式(1)で算出される基準速度に比べて大きいことが望ましい。
基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2であり、Tは、ストローク位置SP(下死点からの距離)から下死点までの時間(秒)を意味する。
図3は、従来のクランクプレス方式のパンチ速度パターンの推移を示すグラフである。
従来のクランクプレス方式のパンチ速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするとき、下記(1)式で表され、成形開始から下死点までの成形領域では、パンチストロークとともにパンチ速度が単調に減少するパターンとなる。なお、式(1)で表されるパンチ速度を規準速度と言う。
基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2であり、Tは、ストローク位置SP(下死点からの距離)から下死点までの時間(秒)である。
図2に示すように、本発明に係る製造装置は、パンチ5、ホルダー4およびダイ3と、図示しないパンチ成形速度を調節する速度調整手段とを備える。この製造装置は、GA鋼板に張出し成形を行って、図2(a)に示すエンボス部1に代表される凹部を有する張出し成形品0を製造する。
この速度調整手段としては、例えば、パンチの駆動源として用いられるサーボモータが例示される。
本発明のGA鋼板の張出し成形では、図4にグラフで示すように、パンチ5がGA鋼板2に接触を開始した直後にパンチ成形速度を増速し、その後、減速して成形下死点にてパンチ成形速度をゼロとする速度パターンで成形が行われる。この速度パターンにより、張出し成形は、成形開始から下死点まで、規準速度に比べて大きいパンチ速度で行われる。
図5は、本発明におけるパンチ成形速度のパターンを例示するグラフである。
また、本発明により、GA鋼板2の張出し成形におけるエンボス成形中の摺動性が安定するため、摺動性が異なるGA鋼板2とCR鋼板とを同一のプレス金型により安定してプレス成形することが可能になる。
図6(a)は成形品10を示す説明図であり、図6(b)は成形前における図6(a)のA−A’断面での材料2と金型(パンチ5、ホルダ4およびダイ3)との関係を示す説明図であり、さらに、図6(c)は成形前における図6(a)のB−B’断面での材料2と金型(パンチ5、ホルダ4およびダイ3)との関係を示す説明図である。なお、B−B’断面の曲率半径は2000mmである。また、パンチ5のサイズは400mm角である。
図6(b)及び図6(c)に示す装置を用いて、全体の成形深さが40mmであってエンボス部の深さが25mmである蒲鉾型モデルパネルにプレス成形する試験を行った。この試験では、BHFは100トンとし、フランジ部10bの材料のパンチ部10aへの流入がほとんど無いように拘束した。
Claims (4)
- パンチとダイを備えるプレス成形装置を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板を張出し成形することによって張出し成形品を製造する際に、前記パンチと前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板とが接触を開始してから成形荷重が最大となる成形ストロークまでの間の少なくとも一部の領域では、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
- 前記領域は、成形品の内部の面歪みが発生し易い凹部を成形しはじめるストロークから成形下死点までの領域である請求項1に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
- 前記領域のパンチ成形速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするときに、下記式(1)で算出される基準速度に比べて大きい請求項1または請求項2に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2
T:ストローク位置SP(下死点からの距離)から下死点までの時間(秒) - パンチとダイを備え、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にプレス成形を行って張出し成形品の製造する製造装置であって、
前記パンチのパンチ成形速度を調整する速度調整手段を備え、
該速度調整手段は、前記パンチと前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板とが接触を開始してから下死点までの間の少なくとも一部の領域で、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大する機能を有することを特徴とする張出し成形品の製造装置。
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