JP5447325B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置 - Google Patents

合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置に関する。
鋼板の表面にめっきを被覆した合金化溶融めっき鋼板(以下「GA鋼板」ともいう。)を張出し成形して張出し成形品を製造する方法が、自動車部品や家電部品の製造に多用される。張出し成形では、パンチ、ダイおよびホルダーを備えるプレス装置を用いて、ダイおよびホルダーにより成形対象である鋼板を固定し、鋼板にしわ押さえ力を加えながらダイに対してパンチを上昇または下降させることによって、鋼板をパンチ形状の張出し成形品へ成形する。
クランク機構を用いたクランクプレスが、プレス装置には従来から用いられる。鋼板は、クランクプレスによって、パンチ成形ストロークの上死点および下死点において速度ゼロとなるとともに上死点および下死点の中間位置で最も速い速度となる、サインカーブを描くパンチ速度(成形速度)で、成形される。なお、クランクプレスにリンク機構を付設することによってパンチの成形速度を低下したリンクモーションプレスも用いられる。最近では、パンチの駆動源としてサーボモータを用いることによってパンチ成形速度のカーブを自由に設定可能なサーボプレスも用いられる。
このようにして鋼板を張出し成形して張出し成形品を製造する際には、成形品に割れ等の成形不良の他に、寸法精度不良である面歪み(面品質不良)が発生することが知られている。
特許文献1には、金属板の成形の途中で金属板からパンチを一端離した後に成形を再開することによって割れが金属板に発生する成形限界を向上する方法が開示され、特許文献2には、パンチが金属板に触れる直前に成形速度を遅くし、さらに、生産性を高めるために、少なくともパンチ径×0.25の高さ分だけ成形した後に成形速度を速くすることによって、ショックラインの発生を抑制しながら金属板を成形加工する方法が開示され、さらに、特許文献3には,金型の特定部位に対して表面処理を施すことにより摩擦係数を低下して、面歪みを抑制する方法が開示されている。
特開2005−199318号公報 特開2007−98428号公報 特開2008−229637号公報
一般的に、GA鋼板は、普通鋼板(以下「CR鋼板」ともいう。)に比較して、鋼板とパンチ等の工具との摺動性が不安定である。このため、割れがプレス成形の際の鋼板に発生し易いだけでなく、例えばドアアウターパネルを初めとする張出し成形品の内部の塑性歪み分布や残留応力分布が不均一となることによって面歪みが発生し易く、量産安定性に欠けるという課題がある。
図1は、自動車のドアアウターパネル0における面歪みの発生状況を模式的に示す説明図である。同図に示すように、ドアアウターパネル0における面歪みは、ドアー取手部(以下、「エンボス部」という)であるa部の周囲のb部それぞれに不均一な残留応力が発生することによって、落差が数10〜数100μmとなる凹凸の面外変形となって発生する。面歪みが生じた成形品は、見栄えが悪く外観品質不良となるので手直しの対象となる。このため、張り出し成形品のエンボス部の周囲の面歪みを抑制する必要がある。
このため、工具に対するGA鋼板の摺動性を安定させることが要求されている。これまでにも、例えば、GA鋼板の表面に新たな皮膜を形成することや、GA鋼板の表面のめっきの合金化に関する特別な製造管理を行うことによって、GA鋼板の摺動性を向上する方法が提案されている。しかし、これらの方法を実施すると、GA鋼板からなる張出し成形品の製造コストの上昇は避けられない。
また、特許文献1、2により開示された方法に基づいても、GA鋼板の成形における摺動性の不安定に起因した品質不良を、必ずしも充分に抑制することができず、また、生産性も低下する。
さらに、特許文献3により開示された方法に基づく手法では、金型に対して表面処理を行う必要があるため、製造コストの上昇は否めない。
本発明は、従来の技術が有するこれらの課題に鑑みてなされたものであり、GA鋼板を張出し成形する際の摺動性を安定化し、これにより張り出し成形品の成形性の向上を図ることができるGA鋼板からなる張出し成形品の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋼板の張出し成形において、鋼板とプレス工具との摩擦係数が、プレス成形品の品質に及ぼす影響を検討した。
図2(a)〜図2(d)は、張出し成形品の一例であるドアアウターパネル0の成形状況を模式的に示す説明図である。図2(b)〜図2(e)は、図2(a)におけるドアアウターパネル0のa−a’断面での金型と材料の状態を示しており、図2(a)〜図2(d)において、符号1はドアアウターエンボス部であり、符号2はブランク(鋼板)であり、符号3はダイであり、符号4はホルダーであり、符号5はパンチである。
ドアアウターパネル0の成形は、図2(b)に示すようにホルダー4上にブランク2がセットされ,次に図2(c)に示すようにブランク2がダイ3とホルダー4とによって挟まれることにより拘束される。ホルダー4によってブランク2を押さえ込む力をBHFという。次に、図2(d)に示すようにブランク2をパンチ5によってドアー形状に成形する。さらに成形が進み下死点近傍では、図2(e)に示すようにエンボス6が成形される。張出し成形においては、ブランク2がダイ3とホルダー4とによって拘束されるため、フランジ部8の材料が成形中にパンチ部7へ流入することはない。
ドアアウターパネル0をはじめとする張出し成形品において、摩擦係数が低いほうが、歪み分布が均一となって成形品内部の残留応力分布が均一となり、面歪みも抑制される。特にエンボス部6を成形する過程においてこの部位の材料と金型との接触面圧が高くなり、摩擦抵抗力が増加することで材料の流動挙動が不均一になり、不均一な残留応力が導入され易い。
なお、単位面積当たりの摩擦抵抗力は、単位面積当たりの摩擦抵抗力=接触面圧×摩擦係数(μ)により表され、接触面圧とは、BHFや材料の変形抵抗等によって生じる金型と材料の接触面圧である。
つまり、張出し成形の過程で摩擦係数の変動が大きいと、摩擦抵抗力の変動が大きくなり、面品質が低下する。また、成形過程の後半、例えば成形下死点の近傍では、エンボスが成形される過程において接触面圧が高くなって摩擦抵抗力が高くなるために、材料の流動挙動が不均一となり面歪みが増大する。
本発明者らは、GA鋼板2の張出し成形において接触面圧が高くなる成形過程の後半、例えば成形下死点の近傍のエンボス成形工程における摩擦抵抗力を低減するために、GA鋼板2とパンチ5との間の摩擦係数と摺動性とに注目して鋭意検討し、以下に列記する知見(1)〜(8)を得て、本発明を完成した。なお、以降の説明は、図2における鋼板2がGA鋼板であるとして行う。
(1)GA鋼板2とパンチ5との摩擦係数が小さいほど、摩擦抵抗力の変動が小さくなり面品質は良好となる。特にパンチ5とダイ3におけるエンボス部周辺の摩擦係数を低下させる程良好となる。
(2)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、GA鋼板2のめっき中のζ相の量により変化し、ζ相の量が少ないほど摩擦係数が小さくなる。
(3)GA鋼板2は、めっき中のζ相の量のばらつきが大きく、その結果、プレス成形の際の摺動性が不安定となる。
(4)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、接触面圧により変化し、接触面圧が大きいほど摩擦係数が大きくなる。
(5)GA鋼板2とパンチ5、ダイ3との摩擦係数は、パンチ成形速度により変化し、パンチ成形速度が大きいほど摩擦係数が小さくなる。
(6)したがって、接触面圧が高い、すなわち、成形下死点近傍のエンボスを成形する過程においてパンチ成形速度を大きくすることにより当該部位の摺動性が向上し、面歪みが抑制される。
(7)一般的なクランクプレス、すなわち、パンチ速度がサインカーブで表されるプレスによりGA鋼板2をプレス成形すると、成形過程の後半で成形ストロークとともにパンチ速度が著しく低下するため、摩擦係数が大きくなり、摺動性が低下し、面歪みが発生し易くなる。
(8)サーボプレスやリンクモーション機構を有するクランクプレスでは、成形荷重が高くなる成形過程の後半でパンチ成形速度を高めることが可能となる。これにより、GA鋼板2を張出し成形した際の面品質の低下を抑制することができる。
本発明は、パンチとダイを備えるプレス成形装置を用いてGA鋼板を張出し成形することによって張出し成形品を製造する際に、パンチとGA鋼板とが接触を開始してから成形下死点までの間の少なくとも一部の領域では、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大することを特徴とするGA鋼板からなる張出し成形品の製造方法である。
別の観点からは、本発明は、パンチとダイを備え、GA鋼板にプレス成形を行って張出し成形品の製造する製造装置であって、パンチのパンチ成形速度を調整する速度調整手段を備え、この速度調整手段は、パンチとGA鋼板とが接触を開始してから成形下死点までの間の少なくとも一部の領域で、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大する機能を有することを特徴とする張出し成形品の製造装置である。
これらの本発明における「パンチ成形速度」とは、ダイを固定した状態でパンチを移動することにより成形する場合にはパンチの移動速度を意味し、パンチを固定した状態でダイを移動することにより成形する場合はダイの移動速度を意味する。また、ダイとパンチの両方を移動することにより成形する場合は、パンチの移動速度とダイの移動速度の合計を意味する。
これらの本発明では、前記領域は、エンボスを成形するストロークから成形下死点となる成形ストロークまでの領域であることが望ましい。
さらに、これらの本発明では、前記領域のパンチ成形速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするときに、下記式(1)で算出される基準速度に比べて大きいことが望ましい。
基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2であり、Tは、ストローク位置SP(下死点から距離)から下死点までの時間(秒)を意味する。
本発明によれば、GA鋼板を張出し成形する際の摺動性を安定化し、GA鋼板の張出し成形におけるプレス成形中の不均一な残留応力分布の発生を抑制することができるので、GA鋼板からなる張り出し成形品の面品質の向上を図ることができるようになる。
また、本発明によれば、GA鋼板とCR鋼板とを同一の金型で張出し成形する際の面歪みの発生が抑制され、安定してプレス成形することができるようになる。
図1は、自動車のドアアウターパネルにおける面歪みの発生状況を模式的に示す説明図である。 図2(a)〜図2(d)は、張出し成形品の一例であるドアアウターパネルの成形状況を模式的に示す説明図である。 図3は、従来のクランクプレス方式のパンチ速度パターンの推移を示すグラフである。 図4は、本発明におけるパンチ成形速度(成形速度)とストロークとの関係の一例を示すグラフである。 図5は、本発明におけるパンチ成形速度の類型を例示するグラフである。 図6(a)は成形品を示す説明図であり、図6(b)は成形前における図6(a)のA−A’断面での材料と金型との関係を示す説明図であり、さらに、図6(c)は成形前における図6(a)のB−B’断面での材料と金型との関係を示す説明図である。 図7は、本実施例における成形速度の類型を示すグラフであり、(a)は、従来の通常のクランクモーションの速度パターンを示し、(b)〜(e)は本発明例の速度パターンを示す。 図8は、従来の通常のクランクモーションの速度パターンを示すグラフである。 図9は、試験結果を示すグラフである。
本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
図3は、従来のクランクプレス方式のパンチ速度パターンの推移を示すグラフである。
従来のクランクプレス方式のパンチ速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするとき、下記(1)式で表され、成形開始から下死点までの成形領域では、パンチストロークとともにパンチ速度が単調に減少するパターンとなる。なお、式(1)で表されるパンチ速度を規準速度と言う。
基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2であり、Tは、ストローク位置SP(下死点から距離)から下死点までの時間(秒)である。
図4は、本発明におけるパンチ成形速度(成形速度)とストロークとの関係の一例を示すグラフである。なお、以降の説明では、成形開始時とはパンチと材料が接触する瞬間とする。
本発明に係る製造装置を、図2を参照しながら、説明する。
図2に示すように、本発明に係る製造装置は、パンチ5、ホルダー4およびダイ3と、図示しないパンチ成形速度を調節する速度調整手段とを備える。この製造装置は、GA鋼板に張出し成形を行って、図2(a)に示すエンボス部1に代表される凹部を有する張出し成形品0を製造する。
速度調整手段は、(a)パンチ5とGA鋼板2とが接触を開始(成形開始)してから下死点までの間の少なくとも一部の領域で、直前のパンチ速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大する機能を有し、(b)下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするときに、その領域のパンチ成形速度をクランクモーションで規定される上記式(1)で算出される基準速度に比べて大きくする機能を有するのが望ましい。
また、速度調整手段は、エンボス部1を成形するストローク以降から成形下死点までのパンチ成形速度を規準速度に比べて大きくする機能を備えることが望ましい。
この速度調整手段としては、例えば、パンチの駆動源として用いられるサーボモータが例示される。
また、本発明におけるパンチ速度の調整は、予めエンボス深さを求めておき、直前のパンチ速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大するタイミングを決定し、このタイミングを速度調整手段に伝達することにより行うことができる。すなわち、エンボス1が成形されるタイミングにおいて、パンチ速度の維持または成形速度の増大が行われる。
次いで、本発明の製造方法を説明する。
本発明のGA鋼板の張出し成形では、図4にグラフで示すように、パンチ5がGA鋼板2に接触を開始した直後にパンチ成形速度を増速し、その後、減速して成形下死点にてパンチ成形速度をゼロとする速度パターンで成形が行われる。この速度パターンにより、張出し成形は、成形開始から下死点まで、規準速度に比べて大きいパンチ速度で行われる。
前述したように、GA鋼板2のプレス成形においては、成形速度が高いほどGA鋼板2と工具5、3との摩擦係数が小さくなる。したがって、図4に示す速度パターンのように、成形領域においてパンチ成形速度を一旦増速し、成形荷重が高くなるストロークにおける成形速度を、規準速度に比べて大きく設定することにより、エンボス成形領域における高接触面圧下において摩擦係数が低下し、摩擦抵抗力が低下する。その結果、成形品面内の歪み分布が均一となり、面歪みの発生が抑制される。
この本発明は、パンチ5がGA鋼板2に接触を開始した直後にパンチ成形速度を増速する速度パターンであるが、本発明はこの速度パターンに限定されるものではない。
図5は、本発明におけるパンチ成形速度のパターンを例示するグラフである。
図5のグラフの曲線a、b、cにより例示するように、パンチ5とGA鋼板2とが接触を開始してから下死点までの間に少なくとも一部の領域において、パンチ成形速度をストロークとともに増速するか、あるいは直前の速度を維持することにより、その領域のパンチ速度が、規準速度に比べて大きい速度パターンとなるようにすればよい。
本発明では、成形開始から下死点までの間の内エンボスが成形される以降のストロークにおいて規準速度に比べて大きい速度パターンとなるように増速または速度を維持することが望ましい。
図5のグラフの曲線aに示すように、パンチ5がGA鋼板2に接触を開始してから成形下死点までの少なくとも一部の領域で、成形速度を増速する速度パターンとすることが望ましい。なお、パンチ成形速度が100mm/sec以上となるように増速することが望ましい。
この製造方法により、張出し成形中の摩擦係数が低下し、摩擦抵抗力が低下する。その結果、成形品内の歪み分布が均一となり、面歪みの発生が抑制される。
また、本発明により、GA鋼板2の張出し成形におけるエンボス成形中の摺動性が安定するため、摺動性が異なるGA鋼板2とCR鋼板とを同一のプレス金型により安定してプレス成形することが可能になる。
図6(a)〜図6(c)を参照しながら本実施例で用いたサーボプレスに設置した金型等の試験条件を説明する。
図6(a)は成形品10を示す説明図であり、図6(b)は成形前における図6(a)のA−A’断面での材料2と金型(パンチ5、ホルダ4およびダイ3)との関係を示す説明図であり、さらに、図6(c)は成形前における図6(a)のB−B’断面での材料2と金型(パンチ5、ホルダ4およびダイ3)との関係を示す説明図である。なお、B−B’断面の曲率半径は2000mmである。また、パンチ5のサイズは400mm角である。
材料2は、板厚が0.70mmで600mm角の正方形状である340MPa級焼付硬化型鋼板(BH鋼板)を用いた。
図6(b)及び図6(c)に示す装置を用いて、全体の成形深さが40mmであってエンボス部の深さが25mmである蒲鉾型モデルパネルにプレス成形する試験を行った。この試験では、BHFは100トンとし、フランジ部10bの材料のパンチ部10aへの流入がほとんど無いように拘束した。
図7は、本実施例における成形速度の類型を示すグラフであり、(a)は、従来の通常のクランクモーションの速度パターンを示し(比較例)、(b)〜(e)は本発明例の速度パターンを示す。また、図8は、従来の通常のクランクモーションの速度パターンを示す。
面歪みの定量評価は、エンボス部の横15mmの位置においてB−B’断面と平行な方向へゲージ長50mmの3点ゲージで測定し、本発明に係る成形モーション(図7のグラフにおける(b)〜(e))での曲率と、通常モーション(図7のグラフにおける(a))との曲率とを比較した。
図9は、比較例及び本発明例それぞれの曲率の変化量(曲率の最大値−曲率の最小値)の平均を比較して示すグラフである。なお、表面の曲率を測定することにより表面の凹凸状態が把握され、面歪みは曲率の変化量で評価でき、曲率の変化量が小さいほど面歪みが良好であることが知られている。
図9のグラフから、本発明によれば、曲率の変化量が小さくなり面歪みが良好になることが明らかである。

Claims (4)

  1. パンチとダイを備えるプレス成形装置を用いて合金化溶融亜鉛めっき鋼板を張出し成形することによって張出し成形品を製造する際に、前記パンチと前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板とが接触を開始してから成形荷重が最大となる成形ストロークまでの間の少なくとも一部の領域では、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
  2. 前記領域は、成形品の内部の面歪みが発生し易い凹部を成形しはじめるストロークから成形下死点までの領域である請求項1に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
  3. 前記領域のパンチ成形速度は、下死点からのストローク位置をSP(mm)とし、1分間当たりのストローク回数をSN(回数/分)とし、上死点から下死点までの全ストロークをST(mm)とするときに、下記式(1)で算出される基準速度に比べて大きい請求項1または請求項2に記載された合金化溶融亜鉛めっき鋼板からなる張出し成形品の製造方法。
    基準速度(mm/s)=2×3.14/(60/SN)×sin(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2・・・(1)
    ここで、SP=-cos(T×2×3.14/(60/SN))×ST/2+ST/2
    T:ストローク位置SP(下死点から距離)から下死点までの時間(秒)
  4. パンチとダイを備え、合金化溶融亜鉛めっき鋼板にプレス成形を行って張出し成形品の製造する製造装置であって、
    前記パンチのパンチ成形速度を調整する速度調整手段を備え、
    該速度調整手段は、前記パンチと前記合金化溶融亜鉛めっき鋼板とが接触を開始してから下死点までの間の少なくとも一部の領域で、直前のパンチ成形速度を維持し、または成形ストロークとともにパンチ成形速度を増大する機能を有することを特徴とする張出し成形品の製造装置。
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