JP5446583B2 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ブレーキ装置に採用される負圧式倍力装置に関するものである。
この種の負圧式倍力装置の一つとして、内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力をブレーキマスタシリンダのピストンに出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記バルブピストン内に配設されて前記入力部材の移動に応じて前記変圧室を前記負圧室或いは大気に連通させる制御弁と、前記バルブピストンに形成されていて前記負圧室に常時連通可能な負圧通路と、前記負圧室にて前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁に組付けられていて前記負圧通路の前端開口を覆うとともに同前端開口と前記負圧室を連通させる連通路を有する板状のカバー部材を備えていて、前記ハウジングの前方部分に前記ブレーキマスタシリンダが同軸的に組付けられて、同ブレーキマスタシリンダにおけるシリンダ本体から後方に突出する前記ピストンの後端部が前記負圧室内に突入している負圧式倍力装置があり、例えば、下記特許文献1に記載されている。なお、後方とは、負圧式倍力装置に対してブレーキペダル側あるいは車両後方側を意味し、前方とは、負圧式倍力装置に対してブレーキマスタシリンダ側あるいは車両前方側を意味する。
特許第3873453号公報
上記した特許文献1に記載されている負圧式倍力装置では、当該負圧式倍力装置の前方が後方に比して上方となるように傾斜した状態で使用される際に、仮に、ブレーキマスタシリンダにおけるピストンの後端部下端からカバー部材上(カバー部材の前面)へとブレーキ液が滴下したときにも、同ブレーキ液がカバー部材の連通路を通してバルブピストン(上記特許文献1では、パワーピストンと記載されている)の負圧通路に向けて流動することを抑制するために、所定位置(バルブピストンに対して定められている組付位置)でカバー部材上に滴下したブレーキ液をカバー部材外へと導くガイド部がカバー部材に設けられている。また、カバー部材に設けたガイド部が、その機能を的確に発揮する所定位置に、組付けられて固定されるように、カバー部材のバルブピストンに対する回転を規制する規制部が設けられている。
上記した特許文献1に記載されている負圧式倍力装置では、カバー部材に設けたガイド部がバルブピストンに対して所定位置に固定されるように、カバー部材をバルブピストンに対して周方向の特定箇所(カバー部材が規制部によって回転を規制される箇所)に組付ける必要があり、カバー部材の組付性に改善の余地(本発明の解決課題)がある。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、上記した負圧式倍力装置において、前記カバー部材が、前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁と係合する環状プレート部を備えるとともに、この環状プレート部に一体的に設けられて前記ピストンの後端部下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置に配置されたときでも前記連通路を形成するとともにその上に滴下したブレーキ液を前記連通路外に導く形状に形成された被覆部を備えていて、前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して所定の半径で円弧状に形成されたスリットの径方向内側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、前記負圧通路の前端開口を覆うことが可能であり、かつ、前記環状プレート部との間に、径外方にのみ開口し前記負圧室と前記負圧通路とを連通させる連通路を形成していることに特徴がある。
また、本発明は、上記した負圧式倍力装置において、前記カバー部材が、前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁と係合する環状プレート部を備えるとともに、この環状プレート部に一体的に設けられて前記ピストンの後端部下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置に配置されたときでも前記連通路を形成するとともにその上に滴下したブレーキ液を前記連通路外に導く形状に形成された被覆部を備えていて、前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して所定の半径で円弧状に形成されたスリットの径方向外側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、前記負圧通路の前端開口を覆うことが可能であり、かつ、前記環状プレート部との間に、径内方にのみ開口し前記負圧室と前記負圧通路とを連通させる連通路を形成していることに特徴がある。これらの場合において、前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して周方向にて所定の間隔(例えば、等間隔)で複数個設けられていることも可能である。
上記した本発明の負圧式倍力装置においては、前記カバー部材が、前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁と係合する環状プレート部を備えるとともに、この環状プレート部に一体的に設けられた被覆部を備えていて、この被覆部が、前記ピストンの後端部下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置に配置されたときでも、前記連通路を形成するとともに、その上に滴下したブレーキ液を前記連通路外に導く形状に形成されている。このため、カバー部材をバルブピストンまたは可動隔壁に対して回転規制する等して位置決め固定する必要がなくて、カバー部材のバルブピストンに対する組付性を改善することが可能である。
本発明による負圧式倍力装置の一実施形態を示す部分破断側面図である。 図1に示した負圧式倍力装置の要部拡大断面図である。 図1および図2に示したリテーナ(カバー部材)の拡大正面図である。 図3に示したリテーナ(カバー部材)の側面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 リテーナ(カバー部材)の他の実施形態を示した図3相当の正面図である。 図6に示したリテーナ(カバー部材)の側面図である。 図6のA−A線に沿った断面図である。 本発明による負圧式倍力装置の他の実施形態を示す要部拡大断面図である。
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1および図2に示した負圧式倍力装置は、ハウジング10と、このハウジング10に組付けられた可動隔壁20とバルブピストン30を備えるとともに、バルブピストン30に組付けられた入力部材40と出力部材50と反力部材60と制御弁70とキー部材80等を備えている。
ハウジング10は、図1に示したように、内部に圧力室Roを形成する前方シェル11と後方シェル12を備えていて、内部の圧力室Roが可動隔壁20によって負圧導入管13を通して負圧源(例えば、図示省略のエンジンの吸気マニホールド)に常時連通する前方の負圧室R1と、この負圧室R1と大気にそれぞれ連通・遮断する後方の変圧室R2とに区画されている。このハウジング10は、後方シェル12を気密的に貫通する複数本(図1では1本が示されている)のボルト14と、これに螺着されるナット(図示省略)を用いて、車体(図示省略)に固定されるように構成されている。また、ハウジング10の前方には、前方シェル11を気密的に貫通する複数本(図1では1本が示されている)のボルト15と、これに螺着されるナット(図示省略)を用いて、ブレーキマスタシリンダ100が同軸的に組付けられている。なお、ボルト14とボルト15が一本のボルト(中間部にて可動隔壁20を気密的に貫通するボルト)で構成されることもある。
可動隔壁20は、金属製のプレート21とゴム製のダイアフラム22とから成り、ハウジング10内に前進後退可能に組付けられている。ダイアフラム22は、その外周縁に形成されたビード部にて、後方シェル12の外周縁に設けられた折り返し部と前方シェル11とにより気密的に挟持されている。また、ダイアフラム22は、その内周縁に形成されたビード部にて、バルブピストン30の前方フランジ部外周に設けられた溝に、プレート21とともに気密的に固定されている。
図1に示したブレーキマスタシリンダ100は、そのシリンダ本体101の後端部101aが前方シェル11に形成された中心筒部を貫通して負圧室R1内に気密的に突入し、またシリンダ本体101に形成されたフランジ部101bの後面が前方シェル11の前面に当接している。また、ブレーキマスタシリンダ100のピストン102は、シリンダ本体101から後方に突出して後端部102aが負圧室R1内に突入しており、出力部材50の先端によって前方に押動されるように構成されている。
バルブピストン30は、ハウジング10内に収容されている前端部にて可動隔壁20に結合された中空状のピストンであって、円筒状に形成された部位にてハウジング10の後方シェル12に気密的かつ前進後退可能に組付けられており、ハウジング10の前方シェル11との間に板状のリテーナ(カバー部材)32とともに介装されたスプリング31によって後方に付勢されている。また、バルブピストン30の軸心には、図2に示したように、前端面から後端面に向けて、反力室孔30a、反力室孔30aより小径のプランジャ先端部収納孔30b、プランジャ収納孔30c、プランジャ収納孔30cより大径のプランジャ収容孔30d、制御弁収納孔30e、フィルタ収納孔30f等からなり、前後方向に貫通する軸孔が設けられている。
また、バルブピストン30には、プランジャ収容孔30dに対応してキー部材挿通孔30gが径方向に設けられている。また、バルブピストン30には、負圧室R1に常時連通可能している一対の連通孔30h(一方は図示省略)が設けられていて、これら各連通孔30h(すなわち、負圧通路)の後端部に対応して制御弁70の負圧制御弁部70aが着座可能な環状の負圧弁座30iが形成されている。また、バルブピストン30には、キー部材80の後方にてプランジャ収容孔30dと変圧室R2を連通させる軸方向連通孔30jと径方向連通孔30kが形成されている。
入力部材40は、バルブピストン30内にて同バルブピストン30に対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力(入力)を受ける部材であり、バルブピストン30のプランジャ先端部収納孔30bから制御弁収納孔30eに収容されてバルブピストン30に対して軸方向(前後方向)に移動可能なプランジャ41と、このプランジャ41に球状先端部42aにて関節状に連結されて後端部42bにてブレーキペダル(図示省略)に連結される入力ロッド42を備えている。
プランジャ41は、図2にて示したように、先端部にてバルブピストン30のプランジャ先端部収納孔30bに軸方向へ摺動可能に組付けられ、中間部にてバルブピストン30のプランジャ収納孔30cに軸方向へ摺動可能に組付けられていて、バルブピストン30によってガイド支持されている。また、プランジャ41は、先端(前端面)にてバルブピストン30の反力室孔30aに収容された反力部材60に係合可能であり、その後端には制御弁70の大気制御弁部70bに離座可能に着座する環状の大気弁座41aが形成されている。
出力部材50は、バルブピストン30の推進力をブレーキマスタシリンダ100のピストン102に出力するものであり、反力部材60とともにバルブピストン30の反力室孔30aに軸方向へ移動可能に組付けられていてリテーナ32の内周部(詳細にはリテーナ32における環状プレート部32aの内周縁部)との係合によってバルブピストン30に対して抜け止めされている後方部材51と、この後方部材51の先端部に一体的に組付けられた出力ロッド52によって構成されている。出力ロッド52の先端は、ブレーキマスタシリンダ100におけるピストン102の係合部102bに押動可能に当接している。
反力部材60は、バルブピストン30内にて入力部材40と出力部材50間に介装されたリアクションゴムディスクであり、その前端面にて出力部材50における後方部材51の後端面に当接し、その後端面にて、バルブピストン30の環状反力受け面30mに当接するとともに、プランジャ41の前端面に当接可能となっていて、出力部材50に作用する力の反力をバルブピストン30と入力部材40(プランジャ41)に分けて伝達可能である。
制御弁70は、上記した負圧制御弁部70aと大気制御弁部70bを有する環状の可動部70Aと、バルブピストン30の制御弁収納孔30eに形成された段部に気密的に嵌合固定された環状の固定部70Bと、環状の可動部70Aと環状の固定部70Bを連結する円筒状の伸縮部70Dによって構成されている。環状の可動部70Aは、入力ロッド42間に介装したスプリングS1によって前方に向けて付勢されていて、前後方向に移動可能である。環状の固定部70Bは、環状のリテーナ71によってバルブピストン30に固定されていて、入力ロッド42間に介装したスプリングS2によって前方に向けて付勢されている。
スプリングS2は、バルブピストン30と入力部材40間に介装されて入力部材40をバルブピストン30に対して後方所定位置に向けて後方に付勢するリターンスプリングであり、前端にてリテーナ71を介してバルブピストン30に係合し、後端にて入力部材40の入力ロッド42に係合している。リテーナ71は、バルブピストン30に組付けられていて、バルブピストン30の内孔段部に固定されており、制御弁70の固定部70Bをバルブピストン30に固定する機能をも備えている。
負圧制御弁部70aは、バルブピストン30に形成された負圧弁座30iに着座・離座可能であり、負圧弁座30iへの着座によって負圧室R1と変圧室R2の連通を遮断し、負圧弁座30iからの離座によって負圧室R1と変圧室R2を連通させる。大気制御弁部(弁座)70bは、プランジャ41に形成された環状の大気弁部41aに着座・離座可能であり、環状の大気弁座41aへの着座によって変圧室R2と大気の連通を遮断し、環状の大気弁部41aからの離座によって変圧室R2と大気を連通させる。
キー部材80は、バルブピストン30に対するプランジャ41の軸方向移動(前進後退移動)の限度を規定するとともに、バルブピストン30のハウジング10に対する後退位置を規定するためのものであり、プランジャ41とバルブピストン30に対して前進後退可能に組付けられていて、バルブピストン30に形成された径方向のキー部材挿通孔30gに挿通されている。キー部材80の前後方向の肉厚寸法は、キー部材挿通孔30gの前後方向寸法よりも小さくされていて、キー部材80はバルブピストン30に対して所定量だけ前後方向に移動可能である。
このキー部材80は、バルブピストン30から径外方に突出した両端部の後端面にて後方シェル12に当接可能であり、ハウジング10に対するバルブピストン30の後方への移動限界位置(後退位置)は、図2に示すように、キー部材挿通孔30gの前方壁がキー部材80の前端面に当接しかつキー部材80の両端部の後端面が後方シェル12に当接した位置である。
また、キー部材80は、その中央部にて、プランジャ41の中央部に形成された環状溝の前後両端面に当接可能であって、プランジャ41がバルブピストン30に組付けられた後に、バルブピストン30に組付けられている。バルブピストン30に対するプランジャ41の後方への移動限界位置は、環状溝の前端面がキー部材80の前端面に当接しかつキー部材80の後端面がキー部材挿通孔30gの後方壁に当接した位置である。また、バルブピストン30に対するプランジャ41の前方への移動限界位置は、環状溝の後端面がキー部材80の後端面に当接しかつキー部材80の前端面がキー部材挿通孔30gの前方壁に当接した位置である。
フィルタ91,92は、バルブピストン30のフィルタ収納孔30f内にて入力ロッド42間に装着されていて、これらのフィルタ91,92にはバルブピストン30の摺動部を外周から保護するブーツ93に形成された通気孔93aを通して大気(空気)が流入可能である。ブーツ93は、前端部にてハウジング10における後方シェル12の後端筒部に嵌合固定され、後端部にて入力ロッド42の中間部外周に嵌合固定されている。
上記のように構成したこの実施形態の負圧式倍力装置においては、ブレーキ操作時、入力部材40のバルブピストン30に対する前方移動に伴って、変圧室R2が負圧室R1との連通を遮断されて大気に連通し、変圧室R2に流入する空気によってバルブピストン30が前方に移動する。このとき、反力部材60からの反力は、バルブピストン30と入力部材40のプランジャ41に伝達される。なお、上記したブレーキ操作後のブレーキ解除時には、入力部材40のバルブピストン30に対する後方移動に伴って、変圧室R2が大気との連通を遮断されて負圧室R1に連通し、変圧室R2が負圧とされることによりスプリング31によってバルブピストン30が後方に移動する。これにより、各部材が図2に示した原位置に復帰し、次のブレーキ動作に備えることになる。
ところで、この実施形態の負圧式倍力装置においては、図2〜図5に示したように、負圧室R1にてバルブピストン30の前端部に組付けられている板状のリテーナ(カバー部材)32が、バルブピストン30の前端部に当接(係合)するとともにスプリング31の後端部と係合する環状プレート部32aを備えるとともに、この環状プレート部32aに一体的に設けられた被覆部(膨出部)32bを備えている。なお、環状プレート部32aは、外周形状が楕円形状や、外周の一部がストレート形状であってもよく、必ずしも円環状(外周形状が真円形状)に形成する必要はない。
被覆部32bは、周方向にて所定の間隔(等間隔)で4個設けられていて、バルブピストン30の中心軸線Loに対して所定の半径で円弧状に形成されたスリット32cの径方向内側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、バルブピストン30の連通孔30h(すなわち、負圧通路)の前端開口を覆うことが可能である。
また、被覆部32bは、環状プレート部32aとの間に、径外方にのみ開口し負圧室R1とバルブピストン30の連通孔30h(負圧通路)とを連通させる連通路P1(図2、図4および図5参照)を形成しており、図2に示した仮想線の滴下線Laが垂直線となるように当該負圧式倍力装置が傾斜した状態で使用される際に(具体的には、バルブピストン30の中心軸線Loが仰角を53度程度(当該負圧式倍力装置が車両に搭載されて使用される状態での最大傾斜角度)としたとき)において、ピストン102の後端部102a下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置(下方位置)に配置されたときでも、その上(リテーナ32の前面)に滴下したブレーキ液を前記連通路P1外に導く山形の形状に形成されている。このため、リテーナ(カバー部材)32をバルブピストン30に対して回転規制する等して位置決め固定する必要がなくて、リテーナ(カバー部材)32のバルブピストン30に対する組付性を改善することが可能である。なお、当該負圧式倍力装置が車両に搭載される際の傾斜角度は、図1に示したブレーキマスタシリンダ100のMAX線およびMIN線が略水平となる角度(17度程度)である。
また、この実施形態の負圧式倍力装置においては、リテーナ(カバー部材)32が、一枚の金属プレートから形成されている(具体的には、環状に打ち抜いた金属プレートに、周方向にて等間隔に円弧状のスリットを4個形成した後に、各スリットの径方向内側にある部分を所定量軸方向に山形で膨出変形させることで形成されている)ため、安価に製作することが可能である。なお、被覆部32bの膨出変形量は、環状プレート部32aと被覆部32b間に形成される連通路P1の流路断面積を考慮して設定されていて、バルブピストン30の連通孔30h(負圧通路)を通過するとともにリテーナ(カバー部材)32の連通路P1を通過する空気が、連通路P1にて絞られないように設定されている。
上記した実施形態においては、バルブピストン30の前端部に組付けられる板状のリテーナ(カバー部材)32が、図2〜図5に示した形状に形成されるようにして実施したが、図6〜図8に示した他の実施形態のリテーナ(カバー部材)132のように、リテーナ(カバー部材)132が、負圧室R1にてバルブピストン30の前端部に当接(係合)するとともにスプリング31の後端部と係合する環状プレート部132aを備えるとともに、この環状プレート部132aに一体的に設けられた被覆部(膨出部)132bを備える形状として実施することも可能である。
図6〜図8に示したリテーナ(カバー部材)132の被覆部132bは、周方向にて所定の間隔(等間隔)で4個設けられていて、バルブピストン30の中心軸線Loに対して所定の半径で円弧状に形成されたスリット132cの径方向外側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、バルブピストン30の連通孔30h(すなわち、負圧通路)の前端開口を覆うことが可能である。
また、被覆部132bは、環状プレート部132aとの間に、径内方にのみ開口し負圧室R1とバルブピストン30の連通孔30h(負圧通路)とを連通させる連通路P2(図7および図8参照)を形成しており、上記した実施形態と同様に、バルブピストン30の中心軸線Loが仰角を53度程度としたときにおいて、ピストン102の後端部102a下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置(下方位置)に配置されたときでも、その上に滴下したブレーキ液を前記連通路P2外に導く山形の形状に形成されている。このため、リテーナ(カバー部材)132をバルブピストン30に対して回転規制する等して位置決め固定する必要がなくて、リテーナ(カバー部材)132のバルブピストン30に対する組付性を改善することが可能である。
また、上記した各実施形態においては、リテーナ(カバー部材)32,132の各連通路P1,P2が、バルブピストン30の中心軸線Loに対して所定の半径で円弧状に形成された各スリット32c,132cと、各スリット32c,132cの径方向内側または外側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されている山形の被覆部(膨出部)32b,132bによって構成されていて、後方に向けては軸方向に向けて開口し、前方に向けては径外方または径内方に向けて開口しているが、かかる構成は適宜変更が可能であり、上記した各実施形態に限定されるものではない。
また、上記した各実施形態においては、板状のリテーナ(カバー部材)32,132が、負圧室R1にてバルブピストン30の前端部に組付けられているが、図9に示したように、板状のリテーナ(カバー部材)232は、負圧室R1にて可動隔壁220のプレート221に組付けられることもある。図9のリテーナ(カバー部材)232は、可動隔壁220のプレート221に当接(係合)するとともにバルブピストン230を後方に付勢するスプリング231の後端部と係合する環状プレート部232aを備えるとともに、この環状プレート部232aに一体的に設けられた被覆部(膨出部)232bを備えている。なお、被覆部(膨出部)232bの構成は、図1〜図5に示したリテーナ(カバー部材)32における被覆部(膨出部)32bの構成と実質的に同じであるため、その説明は省略する。また、上記したリテーナ(カバー部材)232等以外の構成は、図1および図2に示した構成と実質的に同じであるため、その説明は省略する。この実施形態では、リテーナ(カバー部材)232を可動隔壁220のプレート221に対して回転規制する等して位置決め固定する必要がなくて、リテーナ(カバー部材)232の可動隔壁220に対する組付性を改善することが可能である。
なお、上記した各実施形態においては、シングル型の負圧式倍力装置に本発明を実施したが、本発明はタンデム型やトリプル型の負圧式倍力装置にも同様に実施可能であることは勿論のこと、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更して実施することが可能である。
10…ハウジング、20…可動隔壁、30…バルブピストン、30h…連通孔(負圧通路)、32…リテーナ(カバー部材)、32a…環状プレート部、32b…被覆部(膨出部)、32c…スリット、P1…連通路、40…入力部材、50…出力部材、60…反力部材、70…制御弁、80…キー部材、100…ブレーキマスタシリンダ、101…シリンダ本体、102…ピストン、102a…ピストンの後端部、Ro…圧力室、R1…負圧室、R2…変圧室

Claims (3)

  1. 内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力をブレーキマスタシリンダのピストンに出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記バルブピストン内に配設されて前記入力部材の移動に応じて前記変圧室を前記負圧室或いは大気に連通させる制御弁と、前記バルブピストンに形成されていて前記負圧室に常時連通可能な負圧通路と、前記負圧室にて前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁に組付けられていて前記負圧通路の前端開口を覆うとともに同前端開口と前記負圧室を連通させる連通路を有する板状のカバー部材を備えていて、
    前記ハウジングの前方部分に前記ブレーキマスタシリンダが同軸的に組付けられて、同ブレーキマスタシリンダにおけるシリンダ本体から後方に突出する前記ピストンの後端部が前記負圧室内に突入している負圧式倍力装置において、
    前記カバー部材が、前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁と係合する環状プレート部を備えるとともに、この環状プレート部に一体的に設けられて前記ピストンの後端部下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置に配置されたときでも前記連通路を形成するとともにその上に滴下したブレーキ液を前記連通路外に導く形状に形成された被覆部を備えていて、
    前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して所定の半径で円弧状に形成されたスリットの径方向内側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、前記負圧通路の前端開口を覆うことが可能であり、かつ、前記環状プレート部との間に、径外方にのみ開口し前記負圧室と前記負圧通路とを連通させる連通路を形成していることを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 内部に圧力室を形成するハウジングと、このハウジング内に前進後退可能に組付けられて前記圧力室を前方の負圧室と後方の変圧室とに区画する可動隔壁と、前記ハウジングに前進後退可能に組付けられて前記ハウジング内に収容されている前端部にて前記可動隔壁に結合されたバルブピストンと、このバルブピストン内にて同バルブピストンに対し前進後退可能に設置されかつ外部からの操作力を受ける入力部材と、前記バルブピストンの前端部に組付けられて前記バルブピストンの推進力をブレーキマスタシリンダのピストンに出力する出力部材と、前記バルブピストン内にて前記入力部材と前記出力部材間に介装されて前記出力部材に作用する力の反力を前記バルブピストンと前記入力部材に分けて伝達する反力部材とを備えるとともに、前記バルブピストン内に配設されて前記入力部材の移動に応じて前記変圧室を前記負圧室或いは大気に連通させる制御弁と、前記バルブピストンに形成されていて前記負圧室に常時連通可能な負圧通路と、前記負圧室にて前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁に組付けられていて前記負圧通路の前端開口を覆うとともに同前端開口と前記負圧室を連通させる連通路を有する板状のカバー部材を備えていて、
    前記ハウジングの前方部分に前記ブレーキマスタシリンダが同軸的に組付けられて、同ブレーキマスタシリンダにおけるシリンダ本体から後方に突出する前記ピストンの後端部が前記負圧室内に突入している負圧式倍力装置において、
    前記カバー部材が、前記バルブピストンの前端部または前記可動隔壁と係合する環状プレート部を備えるとともに、この環状プレート部に一体的に設けられて前記ピストンの後端部下端からブレーキ液が滴下する可能性のある位置に配置されたときでも前記連通路を形成するとともにその上に滴下したブレーキ液を前記連通路外に導く形状に形成された被覆部を備えていて、
    前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して所定の半径で円弧状に形成されたスリットの径方向外側にある部分を所定量前方に向けて軸方向に膨出変形させることで形成されており、前記負圧通路の前端開口を覆うことが可能であり、かつ、前記環状プレート部との間に、径内方にのみ開口し前記負圧室と前記負圧通路とを連通させる連通路を形成していることを特徴とする負圧式倍力装置。
  3. 請求項1または2に記載の負圧式倍力装置において、前記被覆部は、前記バルブピストンの中心軸線に対して周方向にて所定の間隔で複数個設けられていることを特徴とする負圧式倍力装置。
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