JP5444921B2 - 吐出ノズル、吐出装置及び気泡の除去方法 - Google Patents

吐出ノズル、吐出装置及び気泡の除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、吐出ノズル、吐出装置及び気泡の除去方法に関する。
例えば、特許文献1には、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じた溝を基板上に形成しておき、この溝にノズルを沿わせるように基板とノズルとを相対的に移動させて、前記ノズルからの有機EL材料を前記溝内に流し込んで塗布する過程を備えたことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法が開示されている。
特開2002−75640号公報
特許文献1に記載の方法では、吐出ノズルが有機EL材料(インクの一例)を連続して吐出している最中に、種々の原因で吐出ノズル内に気泡が溜まってしまう場合があった。吐出ノズルに気泡が溜まると、吐出ノズルから吐出される有機EL材料の吐出量が意図せずに変化してしまう(つまり、有機EL材料の吐出量が不安定になる)ことがある。なお、吐出ノズルに気泡が溜まってしまうという現象は、インクを吐出ノズルから連続して吐出する場合に一般的に言えることである。
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吐出ノズルに気泊が溜まることを防止又は軽減することが可能な、吐出ノズル、吐出装置及び気泡の除去方法を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る吐出ノズルは、
液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、
前記ノズル部に設けられた連通孔を介して、該ノズル部と連通している気泡溜め部と、
前記ノズル部に密接して配置され、前記ノズル部内に向けて超音波を出力して前記ノズル部内の気泡を、前記連通孔を介して前記気泡溜め部へ導く音響流を前記ノズル部内の前記液体中に発生させ、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、
前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、
を備える。
さらに好ましくは、前記吐出ノズルは、前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段を備える。
好ましくは、前記気泡排出手段は、
前記気泡溜め部に連通するチューブと、
前記チューブに接続されているバルブと、
を備える。
本発明の第2の観点に係る吐出装置は、
液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、
前記ノズル部に設けられた連通孔を介して、該ノズル部と連通している気泡溜め部と、
前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、
前記ノズル部内に向けて超音波を出力して前記ノズル部内の気泡を、前記連通孔を介して前記気泡溜め部へ導く音響流を前記液体中に発生させ、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、
前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、
を備える。
さらに好ましくは、前記吐出装置は、
前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段を備える。
特に好ましくは、前記吐出装置において、前記気泡排出手段は、
前記気泡溜め部に連通するチューブと、
前記チューブに接続されているバルブと、
を備える。
また、前記超音波トランスデューサは、前記ノズル部と密接して配置されていてもよい。
本発明の第の観点に係る吐出装置における気泡の除去方法は
前記吐出装置は、液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、前記ノズル部内に向けて超音波を出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、前記ノズル部と連通している気泡溜め部と、を備え、
前記超音波トランスデューサは前記ノズル部と密接した状態で前記ノズル部内に向けて超音波パルスを出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成し、
前記制御手段は前記電気信号を処理することによって前記ノズル部内の気泡の状態の検出を行い、前記検出の結果に応答して前記超音波トランスデューサにより出力される超音波の強度及びパルス持続時間を制御し、前記液体中に音響流を発生させることによって前記ノズル部内の気泡を前記気泡溜め部へ導く、
ことを特徴とする。
本発明の第の観点に係る吐出装置における気泡の除去方法は
前記吐出装置は、液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、前記ノズル部内に向けて超音波を出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、前記ノズル部と連通している気泡溜め部と、前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段と、を備え、
前記超音波トランスデューサは前記ノズル部と密接した状態で前記ノズル部内に向けて超音波パルスを出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成し、
前記制御手段は前記電気信号を処理することによって前記ノズル部内の気泡の状態の検出を行い、前記検出結果に応答して前記超音波トランスデューサにより出力される超音波の強度及びパルス持続時間を制御し、前記液体中に音響流を発生させることによって前記気泡を前記気泡溜め部へ導き、かつ、前記検出の結果に応答して前記気泡排出手段を制御する。
特に好ましくは、前記気泡の除去方法は、
前記気泡排出手段は、
前記気泡溜め部に連通するチューブと、
前記チューブに接続されているバルブと、
を備え、
前記制御手段は前記検出の結果に応答して前記バルブを開閉する。
また、前記気泡の除去方法において、
前記液体は対象物に塗布されるためのインクであり、
前記制御手段は、前記ノズル部から吐出された前記インクが前記対象物に塗布される間は常に前記バルブを閉じた状態に保ち、前記インクが前記対象物に塗布されていない間にのみ前記バルブの開閉を行う、
としてもよい。
好ましくは、前記バルブの開閉は、前記吐出装置から前記インクが吐出されている間に行われる。
本発明の吐出ノズル、吐出装置及び気泡の除去方法によれば、吐出ノズルに気泡が溜まることを防止し、又は軽減することができる。
本発明の第1実施形態に係る吐出ノズルの構成図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出ノズルの構成図である。 図2Aに示した吐出ノズルの、A−A’線断面図である。 本発明の第3実施形態に係る吐出装置の構成図である。 図3に示した吐出装置の動作及び気泡の検出方法を説明するための模式図である。 図3に示した吐出装置の動作及び気泡の検出方法を説明するための模式図である。 本発明の第4実施形態に係る吐出装置の構成図である。 本発明の第5実施形態に係る気泡の除去方法を説明するための、塗布装置の装置構成図である。 本発明の第5実施形態に係る気泡の除去方法を説明するための模式図である。 本発明の第5実施形態に係る気泡の除去方法において、塗布装置が2つのノズルを備える場合の気泡の除去方法を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出ノズルの一の変形例を示す内部構成図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出ノズルの他の変形例を示す内部構成図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出ノズルに用いられるプレートの一の変形例を示す上面図である。 図9Aに示したプレートをシリンダに組み付けた状態を表す上面図である。 本発明の第2実施形態に係る吐出ノズルに用いられるプレートの他の変形例を示す上面図である。 図10Aに示したプレートをシリンダに組み付けた状態を表す上面図である。
以下、本発明の実施形態に係る吐出ノズル、吐出装置、気泡の検出方法及び気泡の除去方法について、図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず本発明の第1実施形態に係る吐出ノズル1について、図1を参照しながら説明する。吐出ノズル1は、ノズル部100と、超音波トランスデューサ200と、制御手段600とを備える。超音波トランスデューサ200は、制御手段600に接続されている。制御手段600は、超音波トランスデューサ200の両極に交流パルス電圧を印加する。また、制御手段600は、超音波トランスデューサ200が生成した電気信号を処理する。
ノズル部100は、シリンダ100aと、プレート100bと、プレート保持部材100cと、を備える。シリンダ100aは、例えば外径約20mmの円筒である。シリンダ100aは、例えば金属で形成されている。
プレート100bは例えば直径約20mmの円板である。プレート100bは、その中央部に円形の吐出口を有する。吐出口の直径は、例えば10〜20μmである。プレート100bは、プレート保持部材100cによって支持され、シリンダ100aの下端部に密接している。
超音波トランスデューサ200は、図1に示すように、シリンダ100aの下部の外周面に密接して配置されている。超音波トランスデューサ200は、制御手段600により制御され、ノズル部100内に向けて超音波パルスUpを出力する。
超音波トランスデューサ200は、電気信号を超音波に変換し、又は超音波を電気信号に変換する装置である。変換は、例えばPZT(ジルコン酸鉛とチタン酸鉛との固溶体)等の圧電材料からなる圧電素子によって行われる。圧電素子は、両極に電圧が印加されると、機械的歪みを生ずる性質を有する。圧電素子の両極に交流電圧が印加されると、圧電素子は印加された交流電圧の周波数に対応した周波数で振動し、音波を発生する。圧電素子の両極に、所望の周波数を有する交流電圧を印加することで、所望の周波数を有する超音波を発生させることができる。超音波の発生効率は、圧電素子の厚みや圧電定数に応じて定まる固有の周波数において最大となる。
一方、圧電素子が音波を受けて振動すると、圧電素子の両極には振動の強度(変位)に対応した電位差が生ずる。この電位差を検出することで、音波を検出することができる。検出感度は、圧電素子の厚みや圧電定数に応じて定まる固有の周波数において最大となる。このような性質によって、超音波トランスデューサ200は、自らが出力した超音波の反射波を、高い効率で電気信号へと変換することができる。
吐出ノズル1の動作について説明する。シリンダ100aは、液体供給手段500(図示せず)に接続されている。シリンダ100aは、液体供給手段500によって供給された液体をプレート100bに導く。該液体は、プレート100bに形成されている吐出口から連続して吐出され、液柱を形成する。正常動作時においては、液体はほぼ一定の流量とほぼ一定の液柱形状を維持している。
液体の供給経路に存在していた気体、又は液体に溶存していた気体が吐出ノズル1内において気泡を形成することがある。気泡は液体の流れによってプレート100b方向へ移動し、プレート100bの付近に滞留する。この気泡が吐出口を塞ぐと、液体の吐出が阻害される結果、吐出される液体の流量や液柱の形状が乱れるおそれがある。また、吐出ノズル1内の気泡が大きくなると、この気泡が圧縮されることによって圧力損失が生じる。この結果、やはり吐出される液体の流量や液柱の形状が乱れるおそれがある。
ここで、吐出ノズル1には、超音波トランスデューサ200がシリンダ100aと密接して備えられている。制御手段600は、超音波トランスデューサ200の両極に、所定の周波数を有する交流パルス電圧を印加する。超音波トランスデューサ200は、所定の周波数を有する超音波パルスUpをノズル部100内に向けて出力する。超音波パルスUpは、シリンダ100aの内部へ到達する。シリンダ100a内に気泡が存在しない場合、超音波パルスUpの一部は、シリンダ100aと液体との界面で反射される。反射された超音波(以下、反射波と呼称する)は、超音波トランスデューサ200の圧電素子を振動させ、超音波トランスデューサ200の両極間に電位差を発生させる。この電位差は、制御手段600により検出される。
超音波は、互いに異なる音響インピーダンスを有する二つの物質の界面において反射される。この際の反射係数は、これら二つの物質間の音響インピーダンスの差に依存する。物質1の音響インピーダンスをZ、物質2の音響インピーダンスをZとするとき、物質1と物質2との界面における反射係数Rは、下記の式で表される。
R=(Z−Z)/(Z+Z
上記の式は、二つの物質間の音響インピーダンスの差が大きいほど、その界面における反射率が高くなることを示している。
音響インピーダンスは、媒質の密度ρと、音速cとの積である。常温の液体の音響インピーダンスは、一般に0.7〜2×10の範囲である。固体である金属の音響インピーダンスは、例えば鉄の場合、常温で46.4×10である。吐出ノズル1内に気泡が存在しない場合、超音波トランスデューサ200から出力された超音波パルスは、シリンダ100aと液体との界面において反射される。この場合、シリンダ100aと液体との音響インピーダンスは比較的近いため、反射率は低く、生じる反射波は弱い。反射波が弱いために、この反射波によって起きる圧電素子の振動も小さい。すなわち、吐出ノズル1内に気泡が存在しない場合、超音波トランスデューサ200の両極間に生ずる電位差は小さい。
これに対し、気体は液体や固体に比べて密度が極めて小さいため、その音響インピーダンスも液体や固体に比べて極めて小さい。例えば、常温の空気の音響インピーダンスは428である。このため、吐出ノズル1内に気泡が存在する場合、超音波トランスデューサ200から出力された超音波は、液体と気泡との界面において高い反射率で反射され、強い反射波を与える。反射波が強いため、この反射波によって起きる圧電素子の振動も大きい。すなわち、吐出ノズル1内に気泡が存在する場合に超音波トランスデューサ200の両極間に生ずる電位差は、気泡が存在しない場合に比べて大きい。この電位差は気泡の数や気泡の大きさ、すなわち気泡の総量が増加するほど大きくなる。したがって、この電位差の変化を制御手段600により検出することで、吐出ノズル1内の気泡の数や気泡の大きさに対応する気泡の状態を検出することができる。そして、吐出量に影響を与えない程度の許容される気泡の量に対応する上記電位差の閾値を設定して、この閾値を越えて、許容量を越える気泡が存在することが検出された場合に、例えば吐出ノズル1のメンテナンスを行うことにより、気泡が吐出口を閉塞する可能性を小さくすることができる。このようにして、吐出ノズル1から吐出される液体の流量や液柱の形状が乱れるのを未然に防ぐことができる。
なお、吐出ノズル1は、吐出される液体中に含まれる異物を除去するためのフィルタを備えていてもよい。液体中に含まれる異物を除去することで、異物が吐出口を塞ぐことを未然に防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る吐出ノズル2について、図2A及び図2Bを参照しながら説明する。吐出ノズル2は、気泡溜め部300を備えている。シリンダ100aの内部と、気泡溜め部300とは、三つの連通孔330により連通されている。気泡溜め部300の上部には、チューブ310が、気泡溜め部300内と連通して備えられている。チューブ310には、バルブ320が接続されている。バルブ320は、制御手段600に接続されている。制御手段600は、バルブ320の開閉を制御する。
図2Aに示すように、気泡溜め部300の上部の外周面には、第二の超音波トランスデューサ220が密接して配置されている。シリンダ100aの外周面には、第一の超音波トランスデューサ210が、三つの連通孔330のうちの一つと対向する位置に密接して配置されている。第一の超音波トランスデューサ210と、第二の超音波トランスデューサ220とは、制御手段600に接続されている。
制御手段600は、第一の超音波トランスデューサ210の両極と、第二の超音波トランスデューサ220の両極とに交流パルス電圧を印加する。また、制御手段600は、第一の超音波トランスデューサ210及び第二の超音波トランスデューサ220が生成した電気信号をそれぞれ処理する。
本実施形態においては、第一の超音波トランスデューサ210は、気泡溜め部300の内部に配置されている。第一の超音波トランスデューサ210の機能及び動作は、第1実施形態に係る吐出ノズル1に備えられた超音波トランスデューサ200と同様である。
吐出ノズル2の動作について説明する。吐出ノズル2内に入り込んだ気泡は、液体の流れによって、プレート100b付近へと運ばれ、そこで滞留する。制御手段600は、第一の超音波トランスデューサ210を制御してシリンダ100a内の気泡の状態を検出する。シリンダ100a内に許容量を超える気泡が存在することを検出すると、制御手段600は、例えば、バルブ320を開く。バルブ320が開かれると、気泡溜め部300内の圧力は低下する。この結果、シリンダ100aの内部から、連通孔330を通じて気泡溜め部300内へと向かう液体の流れが生じる。この流れにより、プレート100bの付近に滞留している気泡は、気泡溜め部300へと押し出される。このようにして、気泡が吐出口を閉塞する可能性を小さくすることができる。
気泡溜め部300へと押し出された気泡は、気泡溜め部300の上部に滞留する。ここで、吐出ノズル2は、気泡溜め部300の外周上部に密接して配置された第二の超音波トランスデューサ220を備えている。制御手段600は、第二の超音波トランスデューサ220を制御して気泡溜め部300内の気泡の状態を検出する。気泡溜め部300内に許容量を超える気泡が存在していることを検出すると、制御手段600は、必要に応じてバルブ320を開く。バルブ320が開かれると、気泡溜め部300の上部に滞留している気泡は、チューブ310を通じて吐出ノズル2の外部へと排出される。このようにして、吐出ノズル2内の気泡を除去することができる。
さらに、本実施形態においては、バルブ320を開く代わりに、第一の超音波トランスデューサ210を用いて、プレート100b付近の気泡を気泡溜め部300へと導くこともできる。この場合、プレート100b付近に許容量を超える気泡が存在していることを検出すると、制御手段600は、第一の超音波トランスデューサ210の両極に交流電圧を印加して、超音波を連続的に出力させる。このとき、液体中には音響流が生じる。第一の超音波トランスデューサ210は、図2Bに示したように、三つの連通孔330のうちの一つと対向する位置に配置されている。気泡は音響流によって押し出され、連通孔330を通じて気泡溜め部300へと導かれる。この方法では、バルブ320を開ける必要がないため、吐出ノズル2の内部の圧力が低下せず、吐出量の変動が小さいという利点がある。もしくは、音響流を発生させるとともにバルブ320を開けば、プレート100b付近に滞留している気泡を、さらに効率よく気泡溜め部300へと導くこともできる。
本実施形態においては、バルブ320は制御手段600により開閉されるものとしたが、別途バルブの開閉手段を設けてもよく、また、手動で開閉されるものとしてもよい。またこのとき、チューブ310内を減圧するためのポンプを設けてもよい。チューブ310内を減圧することで、気泡溜め部300の上部に滞留している気泡は、速やかに吐出ノズル2の外部へと排出される。
本実施形態においては、第一の超音波トランスデューサ210は気泡溜め部300内に配置されるものとしたが、例えば、気泡溜め部300の下部の外周面に密接して配置されていてもよい。
本実施形態においては、第一の超音波トランスデューサ210は一つ配置されているが、第一の超音波トランスデューサ210は複数配置されていてもよい。この場合、各トランスデューサ210は、各連通孔330と対向する位置に配置されていることが好ましい。
また、プレート100bの、シリンダ100aと密接する側の面には、例えば図9A及び図9B、又は図10A及び図10Bに示すように、液体供給手段500によって供給される液体に対する撥液性を付与するための撥液処理が施されていてもよい。この場合、吐出口を取り囲む領域には撥液処理が施されておらず、かつ、シリンダ100aに組み付けられた際に連通孔330と近接する領域には、撥液処理が施されていることが好ましい。撥液処理が施された領域は、液体供給手段500によって供給される液体に対する親和性が低い。すなわち、吐出ノズル2内に入り込んだ気泡は、撥液処理が施された領域に相対的に付着しやすい。吐出口を取り囲む領域に撥液処理を施さず、その周囲に撥液処理を施すことによって、プレート100b表面に付着した気泡が、吐出口に近づくのを防ぐことができる。また、連通孔330と近接する領域に撥液処理を施すことによって、吐出ノズル2内の気泡が、連通孔330を通じて気泡溜め部300へと移動することが容易になる。さらに、連通孔330の内壁や、気泡溜め部300の内壁に、同様の撥液処理が施されていてもよい。
さらに、吐出ノズル2には、図8Aに示すように、シリンダ100aの内部と、気泡溜め部300とを連通させるための第二の連通孔340が一以上形成されていてもよい(なお、理解を容易にするため、図8Aにおいては第一の超音波トランスデューサ210、第二の超音波トランスデューサ220及び制御手段600は省略されている)。このとき、第二の連通孔340は、第二の連通孔340とプレート100bとの間の距離が、連通孔330とプレート100bとの間の距離よりも大きくなる位置に形成される。気泡溜め部300内の液体は、シリンダ100a内の液体の流れによって、シリンダ100a内へと引き寄せられる。この結果、吐出ノズル2内には、シリンダ100a内から連通孔330を通じて気泡溜め部300内へ向かい、第二の連通孔340からシリンダ100a内へと戻る循環流が生じる。プレート100b付近に滞留している気泡はこの循環流によって気泡溜め部300内へと導かれる。この結果、吐出ノズル2内の気泡が、連通孔330を通じて気泡溜め部300へと移動することが容易になる。また、第二の連通孔340は、図8Bに示すように、気泡溜め部300側からシリンダ100aの内部に向け、プレート100b方向へと向かう傾斜をつけて形成されていてもよい(なお、理解を容易にするため、図8Bにおいては第一の超音波トランスデューサ210、第二の超音波トランスデューサ220及び制御手段600は省略されている)。気泡溜め部300側の開口部がシリンダ100a側の開口部よりも高い位置に形成されていることにより、気泡溜め部300内に入り込んだ気泡が、シリンダ100aの内部へと戻ることを防ぐことができる。
また、吐出ノズル2は、吐出ノズル1と同様、吐出される液体中に含まれる異物を除去するためのフィルタを備えていてもよい。液体中に含まれる異物を除去することで、異物が吐出口を塞ぐことを未然に防ぐことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る吐出装置400及び気泡の検出方法について、図面を参照しながら説明する。吐出装置400は、図3に示すように、液体供給手段500と、制御手段600と、流量検出部610と、リニア駆動部710と、吐出ヘッド720と、超音波トランスデューサ200とを備えている。吐出ヘッド720は、ノズル部100を備えている。ノズル部100の構造は、第1実施形態において述べたものと同様である。
液体供給手段500は、加圧部510と、液体タンク520と、を備える。加圧部510は、液体タンク520内の液体を加圧し、液体を吐出ヘッド720へと供給する。
制御手段600は、加圧部510と、流量検出部610と、リニア駆動部710と、超音波トランスデューサ200とに接続されている。制御手段600は、加圧部510と、リニア駆動部710と、超音波トランスデューサ200とを制御する。また、制御手段600は、流量検出部610が生成した信号と、超音波トランスデューサ200が生成した信号とを処理する。
リニア駆動部710は、制御手段600により制御されて、吐出ヘッド720を所定の直線に沿って動かす。
超音波トランスデューサ200は、図4A及び図4Bに示すように、支持部材250に固定されている(図3においては、支持部材250は省略されている)。吐出ヘッド720が基準位置Hpに移動すると、図4Bに示すように、シリンダ100aの側壁と、超音波トランスデューサ200とが密接する。超音波トランスデューサ200の、シリンダ100aの側壁と密接する面には、弾性体240が配置されている。弾性体240は、例えば、シリコンゴム等で構成されている。弾性体240は、超音波トランスデューサ200とシリンダ100aとを密着させ、超音波の伝播効率を高める役割を有する。
吐出装置400の動作について説明する。加圧部510は、制御手段600により制御されて、液体タンク520内の液体を加圧する。加圧された液体は、流量検出部610を経由して、吐出ヘッド720へと供給される。液体は、吐出ヘッド720に備えられたノズル部100の吐出口から吐出される。
流量検出部610は、液体の流量を検出して、検出結果を制御手段600に送る。制御手段600は、この検出結果に応答して、液体の流量が所定の範囲となるよう、加圧部510を制御する。このようにして、所定の流量の液体が吐出ヘッド720から連続して吐出される。
吐出ヘッド720はリニア駆動部710によって動かされ、直線上を移動することができる。吐出ヘッド720が基準位置Hpに移動した際、図4Bに示すように、超音波トランスデューサ200と、シリンダ100aの側壁とが密接する。この時、超音波トランスデューサ200はシリンダ100aに向けて超音波パルスUpを出力する。超音波パルスUpの反射波は、超音波トランスデューサ200の両極間に電位差を生じさせる。制御手段600は、この電位差を検出する。
先に述べたように、気泡と液体との界面は、固体と液体との界面よりも強い反射波を与える。このため、超音波トランスデューサ200の両極間の電位差の変化を検出することで、シリンダ100a内の気泡の状態を検出することができる。
許容量を超える気泡が存在することが検出されなかった場合、制御手段600はそれまでの処理を継続するよう各被制御部に指示を出す。一方、許容量を超える気泡が存在することが検出された場合、制御手段600は、例えば加圧部510に、液体の加圧を中止するよう指示を出す。また、制御手段600は、リニア駆動部710に、吐出ヘッド720を所定の位置、例えば基準位置Hpにおいて静止させるよう指示を出す。この結果、気泡が吐出口を閉塞することを未然に防ぐことができる。また、吐出される液体の流量が変動したり、液柱の形状が乱れたりすることを防ぐことができる。さらに、吐出ヘッド720が所定の位置において静止するため、ノズル部100のメンテナンスを容易に行うことができる。
本実施形態においては、超音波トランスデューサ200は支持部材250に固定されているが、超音波トランスデューサ200はノズル部100に組み付けられていてもよい。この場合、超音波トランスデューサ200は吐出ヘッド720と共に移動する。このようにすることで、吐出ヘッド720が基準位置Hpにない間も、シリンダ100a内の気泡の状態を検出することができる。また、シリンダ100aと超音波トランスデューサ200とが一体になっているため、ノイズが少なく、高い検出感度が得られる。また、複数の超音波トランスデューサが支持部材250に固定され、ノズル部100内の複数箇所の気泡の状態を検出できるよう構成されていてもよい。あるいは複数の超音波トランスデューサのうち、一部はノズル部100に組み付けられ、その他は支持部材250に固定されていてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る吐出装置450及び気泡の除去方法について、図面を参照しながら説明する。吐出装置450と、吐出装置400との違いは、図5に示すように、吐出ヘッド720に代わり、吐出ヘッド730を備えている点である。
吐出ヘッド730は、本発明の第2実施形態に係る吐出ノズル2を備えている。先に述べたように、吐出ノズル2は、シリンダ100aの内部と連通している気泡溜め部300を備えている。このため、吐出ノズル2の吐出口は気泡によって塞がれにくい。また、吐出ノズル2は、気泡排除手段であるチューブ310とバルブ320とを備えている。このため、吐出ノズル2においては、気泡が圧縮されることにより生じる圧力損失も生じにくい。したがって、吐出装置450は液体を長時間にわたって所定の流量で連続して吐出することができる。
さらに、本実施形態においては、第2実施形態に係る吐出ノズル2と同様、バルブ320を開く代わりに、第一の超音波トランスデューサ210を用いて、プレート100b付近の気泡を気泡溜め部300へと導くこともできる。この方法では、バルブ320を開ける必要がないため、吐出ノズル2の内部の圧力が低下せず、吐出量の変動が小さいという利点がある。もしくは、音響流を発生させるとともにバルブ320を開けば、プレート100b付近に滞留している気泡を、さらに効率よく気泡溜め部300へと導くこともできる。
本実施形態においては、第一の超音波トランスデューサ210は一つ配置されているが、第一の超音波トランスデューサ210は複数配置されていてもよい。この場合、各トランスデューサ210は、各連通孔330と対向する位置に配置されていることが好ましい。
本実施形態においては、第一の超音波トランスデューサ210は気泡溜め部300内に配置されるものとしたが、例えば、気泡溜め部300の下部の外周面に密接して配置されていてもよい。この場合も、第一の超音波トランスデューサ210は、連通孔330と対向する位置に配置されていることが好ましい。
また、各超音波トランスデューサは、吐出ノズル2に組み付けられる代わりに、図4A及び図4Bにおいて示したように、吐出ヘッド730が基準位置Hpにあるときにシリンダ100aと密接する位置に配置されていてもよい。この場合、各超音波トランスデューサの、シリンダ100aと密接する面には、弾性体が配置されていることが好ましい。
本実施形態においては、バルブ320は制御手段600により開閉されるものとしたが、別途バルブの開閉手段を設けてもよく、また、手動で開閉されるものとしてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る気泡の除去方法について、図面を参照しながら説明する。図6に示すように、塗布装置700は、加圧部510と、液体タンク520と、流量検知部610と、制御手段600と、リニア駆動部710と、吐出ヘッド730と、ステージ680と、を備える。液体タンクの中には、対象物に塗布されるべきインクが蓄えられている。
リニア駆動部710は、制御手段600に制御されて、吐出ヘッド730を所定の直線に沿って動かす。例えば、図7Aに示すように、吐出ヘッド730は矢印Aの方向に沿って、基準位置Hpと、折り返し点Tpとを結ぶ直線上を往復する。
ステージ680の上面には、塗布の対象物である基板670が置かれている。ステージ680は、制御部640に制御されて、基板670を所定の直線に沿って動かす。例えば、図7Aに示すように、基板670は矢印Bの方向に沿って動かされる。図7Aにおいては、矢印Aと、矢印Bとは直交している。
まず、塗布装置700を用いた塗布方法について説明する。塗布装置700において、液体タンク520内には、基板670に塗布されるべきインクが蓄えられている。有機EL表示装置の製造においては、インクは、例えばポリパラフェニレンビニレン系やポリフルオレン系等の共役二重結合ポリマーを含む発光材料である。これらの発光材料は、適宜水系溶媒あるいはテトラリン、テトラメチルベンゼン、メシチレン、キシレン等の有機溶媒に溶解(又は分散)した溶液(分散液)の状態で用いられる。
インクは加圧部510によって加圧され、吐出ヘッド730から連続して吐出される。吐出されたインクは、液柱Lcを形成する。塗布装置700が正常に作動している場合、液柱Lcは所定の流量と、所定の形状とを維持している。液柱Lcと基板670とが接触することで、インクが基板670の各列に塗布される。
図7Aに示すように、吐出ヘッド730は基準位置Hpと折り返し点Tpとの間を、矢印Aの方向に沿って、所定の速度で往復している。一方、基板670は、ステージ680によって、矢印Bの方向に沿って断続的に動かされる(図7Aにおいては、ステージ680は省略されている)。詳しくは、吐出ヘッド730が基板670上にある間は、基板670は停止しており、吐出ヘッド730が基板670上にない間に、基板670は矢印Bの方向に沿って所定の距離だけ動かされる。これを繰り返すことで、図7Aに示すように、基板670の各列にインクが塗布される。なお、図7Aにおいてはヘッド部660を1個だけ有する構成としたが、これに限るものではなく、ヘッド部660を2個以上の複数個有して、複数列を同時に塗布するものであってもよい。図7Bはヘッド部660を2個有する場合の構成を示す。
ここで、塗布装置700には、吐出装置450と同様、吐出ノズル2が備えられている。このため、塗布装置700は、加圧されたインクを、所定の流量で連続して吐出することができる。液柱Lcの流量と形状は所定の値に維持され、基板670の表面には、常に均一な線が形成される。また、気泡が吐出口を閉塞する可能性が小さいため、トラブルやメンテナンスにより塗布が中断する頻度が小さく、生産性の向上が実現される。
塗布装置700においても、吐出装置450と同様、バルブ320を開くことによって、吐出ノズル2内の気泡を排出することができる。バルブ320が開かれるタイミングは限定されないが、吐出ヘッド730が基板670上にある間にバルブ320が開閉されると、インクに与えられている圧力が変動し、液柱Lcの流量や形状が乱れる場合がある。この結果、基板670の表面に形成される線の均一性が損なわれるおそれがある。このため、本実施形態においては、バルブ320は、吐出ヘッド730が基板670上にない間に開閉される。具体的には、例えば、吐出ヘッド730が図7Aに示す基準位置Hpにある場合や、折り返し点Tpにある場合に、バルブ320が開閉される。また、複数の基板670に対して塗布が行われる場合、基板670が入れ替えられる間に、バルブ320が開閉されることが好ましい。
バルブ320が開かれるとき、インクの吐出は停止されていてもよいが、バルブ320の開閉は、インクが吐出されている間に行われることが好ましい。インクが吐出されている間にバルブ320が開かれることで、吐出ノズル2内の気泡は、加圧部510がインクに与えている圧力によって押し出され、吐出ノズル2の外部へと速やかに排出される。また、シリンダ100a内から気泡溜め部300へとインクが押し出されることにより、シリンダ100内の気泡は気泡溜め部300内へと導かれる。このようにして、吐出口の閉塞が防がれる。また、気泡が圧縮されることにより生じる圧力損失を防ぐことができる。さらに、インクの加圧を中断することによる液柱の乱れを最小限に留めることができる。
吐出装置450と同様、塗布装置700は、チューブ310を介して気泡溜め部300の気泡を吸引するためのポンプを備えていてもよい。
また、吐出装置450と同様、塗布装置700においても、各超音波トランスデューサは、吐出ノズル2に組み付けられる代わりに、吐出ヘッド730が基準位置Hpにあるときに、シリンダ100aと密接する位置に配置されていてもよい。この場合、各超音波トランスデューサの、シリンダ100aと密接する面には、弾性体が配置されていることが好ましい。
その他、本発明の各実施形態及びその変形例に係る吐出ノズル、吐出装置、プレートは、いずれも塗布装置700に好適に用いることができる。
以上、本発明に係る吐出ノズル、吐出装置、気泡の検出方法及び気泡の除去方法の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明したが、本発明の技術的範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明に係る吐出ノズル、吐出装置、気泡の検出方法及び気泡の除去方法は、液体を連続して吐出するための装置又はこれに用いるプロセスに広く応用することができる。
1、2…吐出ノズル、100…ノズル部、100a…シリンダ、100b…プレート、100c…プレート保持部材、120…撥液領域、130…親液領域、200、210、220…超音波トランスデューサ、240…弾性体、250…支持部材、300…気泡溜め部、310…チューブ、320…バルブ、330…連通孔、340…第二の連通孔、400、450…吐出装置、500…液体供給手段、510…加圧部、520…液体タンク、600…制御手段、610…流量検出部、670…基板、680…ステージ、700…塗布装置、710…リニア駆動部、720、730…吐出ヘッド、Lc…液柱、Hp…基準位置、Tp…折り返し点、Up…超音波パルス

Claims (12)

  1. 液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、
    前記ノズル部に設けられた連通孔を介して、該ノズル部と連通している気泡溜め部と、
    前記ノズル部に密接して配置され、前記ノズル部内に向けて超音波を出力して前記ノズル部内の気泡を、前記連通孔を介して前記気泡溜め部へ導く音響流を前記ノズル部内の前記液体中に発生させ、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、
    前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、
    を備える、吐出ノズル。
  2. 前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段を備える、
    ことを特徴とする請求項に記載の吐出ノズル。
  3. 前記気泡排出手段は、
    前記気泡溜め部に連通するチューブと、
    前記チューブに接続されているバルブと、
    を備えることを特徴とする、請求項に記載の吐出ノズル。
  4. 液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、
    前記ノズル部に設けられた連通孔を介して、該ノズル部と連通している気泡溜め部と、
    前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、
    前記ノズル部内に向けて超音波を出力して前記ノズル部内の気泡を、前記連通孔を介して前記気泡溜め部へ導く音響流を前記液体中に発生させ、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、
    前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、
    を備えることを特徴とする吐出装置。
  5. 前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段を備える、
    ことを特徴とする請求項に記載の吐出装置。
  6. 前記気泡排出手段は、
    前記気泡溜め部に連通するチューブと、
    前記チューブに接続されているバルブと、
    を備えることを特徴とする、請求項に記載の吐出装置。
  7. 前記超音波トランスデューサは、前記ノズル部と密接して配置されている、
    ことを特徴とする、請求項乃至のいずれか一項に記載の吐出装置。
  8. 出装置における気泡の除去方法において、
    前記吐出装置は、液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、前記ノズル部内に向けて超音波を出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、前記ノズル部と連通している気泡溜め部と、を備え、
    前記超音波トランスデューサは前記ノズル部と密接した状態で前記ノズル部内に向けて超音波パルスを出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成し、
    前記制御手段は前記電気信号を処理することによって前記ノズル部内の気泡の状態の検出を行い、前記検出の結果に応答して前記超音波トランスデューサにより出力される超音波の強度及びパルス持続時間を制御し、前記液体中に音響流を発生させることによって前記ノズル部内の気泡を前記気泡溜め部へ導く、
    ことを特徴とする、気泡の除去方法。
  9. 出装置における気泡の除去方法において、
    前記吐出装置は、液体を吐出するための吐出口を有するノズル部と、前記液体を加圧することにより前記液体を前記ノズル部に供給する液体供給手段と、前記ノズル部内に向けて超音波を出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成する超音波トランスデューサと、前記超音波トランスデューサを制御して、前記ノズル部内の前記液体中の気泡の状態を検出する制御手段と、前記ノズル部と連通している気泡溜め部と、前記気泡溜め部から気泡を排出するための気泡排出手段と、を備え、
    前記超音波トランスデューサは前記ノズル部と密接した状態で前記ノズル部内に向けて超音波パルスを出力し、かつ、該超音波の反射波に対応する電気信号を生成し、
    前記制御手段は前記電気信号を処理することによって前記ノズル部内の気泡の状態の検出を行い、前記検出結果に応答して前記超音波トランスデューサにより出力される超音波の強度及びパルス持続時間を制御し、前記液体中に音響流を発生させることによって前記気泡を前記気泡溜め部へ導き、かつ、前記検出の結果に応答して前記気泡排出手段を制御する、
    ことを特徴とする、気泡の除去方法。
  10. 前記気泡排出手段は、
    前記気泡溜め部に連通するチューブと、
    前記チューブに接続されているバルブと、
    を備え、
    前記制御手段は前記検出の結果に応答して前記バルブを開閉する、
    ことを特徴とする、請求項に記載の気泡の除去方法。
  11. 前記液体は対象物に塗布されるためのインクであり、
    前記制御手段は、前記ノズル部から吐出された前記インクが前記対象物に塗布される間は常に前記バルブを閉じた状態に保ち、前記インクが前記対象物に塗布されていない間にのみ前記バルブの開閉を行う、
    ことを特徴とする、請求項10に記載の気泡の除去方法。
  12. 前記バルブの開閉は、前記吐出装置から前記インクが吐出されている間に行われる、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の気泡の除去方法。
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