第1の発明は、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置と、前記水素生成装置で生成された前記燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池と、前記水素生成装置に前記原料ガスが供給され始めてから前記水素生成装置で生成された前記燃料ガスが前記燃料電池に供給されるまでは前記水素生成装置から排出されるガスを燃焼させ前記燃料ガスが前記燃料電池に供給され始めてからは前記燃料電池で消費されなかった前記燃料ガスを燃焼させて前記触媒を加熱する燃焼器と、前記水素生成装置に水を供給する改質水供給手段と、前記水素生成装置において前記燃料電池に供給可能な状態の前記燃料ガスを生成できるようになるまで前記水素生成装置から排出されるガスを前記燃料電池に供給することなく前記燃焼器に供給するための燃料バイパス手段と、前記燃焼器での燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段と、前記水素生成装置に前記原料ガスのみを供給して前記水素生成装置から排出される前記原料ガスを前記燃料バイパス手段を通じて前記燃焼器に供給して、前記燃焼器で燃焼を開始させた後で所定条件を満た
せば前記改質水供給手段を動作させる制御部と、前記改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間において、前記燃焼器の安定な燃焼状態が維持されていれば前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下していることによる異常が発生したと判断する判断手段と、を備える燃料電池システムである。
上記構成によると、水素生成装置に原料ガスのみを供給して、水素生成装置から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じて燃焼器に供給して、燃焼器で燃焼を開始させた後で、改質水供給手段を動作させて改質水供給手段が水素生成装置への水の供給を開始すると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となるが、その過渡的に不安定となった燃焼状態を燃焼状態検知手段で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また、水素生成装置に原料ガスのみを供給して、水素生成装置から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じて燃焼器に供給して、燃焼器で燃焼を開始させた後で、改質水供給手段を動作させたが、何らかの異常により改質水供給手段から水素生成装置に水の供給ができない場合には、改質水供給手段を動作させた後も、安定した燃焼状態を維持するので、この安定した燃焼状態を燃焼状態検知手段で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な燃焼状態検知手段を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
第2の発明は、第1の発明における前記燃焼状態検知手段として、前記燃焼器から排出される燃焼排ガス中の所定ガスのガス濃度を検知するガス濃度検知器を用いたものである。
水素生成装置への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の特定のガスの濃度が変化する。したがって、燃焼排ガス中の燃焼状態が不安定になると濃度が変化する特定のガスの濃度を検知して所定条件を満たすか否かを判定することにより、水素生成用の水供給の異常を判断できる。
また、燃焼状態の安定・不安定を検知する燃焼状態検知手段として、燃焼で一時的に発生する一酸化炭素、燃焼器に過剰供給され燃焼されずに排出される酸素、燃焼器で燃焼されずに排出された原料ガスに含まれるメタンやプロパンなどの炭化水素系ガスの濃度を検知するガス濃度検知器を用いると、燃焼状態の安定・不安定に応じて変化するガス濃度の検知値により、判断手段で水供給が異常であるか否かを判断することができ、有用である。
第3の発明は、第2の発明における前記所定ガスを、一酸化炭素にしたものである。
水素生成装置への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が増加する。したがって、燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度が所定濃度以上であれば、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されて、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が増加したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度が所定濃度未満であれば、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給が異常であると判断できる。
第4の発明は、第2の発明における前記所定ガスを、原料ガスに含まれるメタンまたはプロパンの炭化水素系ガスにしたものである。
水素生成装置への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、原料ガスの一部が未燃のまま排出されるので、燃焼排ガス中のメタンまたはプロパンの炭化水素系ガスが増加する。したがって、燃焼排ガス中のメタンまたはプロパンの炭化水素系ガスの濃度が所定濃度以上であれば、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されて、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中のメタンまたはプロパンの炭化水素系ガスの濃度が増加したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、燃焼排ガス中のメタンまたはプロパンの炭化水素系ガスの濃度が所定濃度未満であれば、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給が異常であると判断できる。
第5の発明は、第3または第4の発明における前記判断手段が、前記改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間における前記ガス濃度の最大値が所定濃度値より小さい場合は、前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下していることによる異常が発生したと判断するものである。
燃焼状態検知手段として、燃焼器から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素、または、メタンまたはプロパンの炭化水素系ガスの濃度を検知するガス濃度検知器を用いた場合は、判断手段に、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間におけるガス濃度の最大値が所定濃度値より小さい場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常であると判断させ、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間におけるガス濃度の最大値が所定濃度値以上である場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が正常であると判断させることができる。
第6の発明は、第2の発明における前記所定ガスを、酸素にしたものである。
水素生成装置への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されるため、原料ガスの燃焼に必要な酸素が不足し、過渡的に酸素濃度が低下する。したがって、燃焼排ガス中の酸素濃度が所定濃度以下まで低下すれば、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されて、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の酸素濃度が低下したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、燃焼排ガス中の酸素濃度が所定濃度を超えていれば、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給量が低下することによる異常が発生したと判断できる。
第7の発明は、第6の発明における前記判断手段が、前記改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間における前記ガス濃度の最小値が所定濃度値より大きい場合は、前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下することによる異常が発生したと判断するものである。
燃焼状態検知手段として、燃焼器から排出される燃焼排ガス中の酸素の濃度を検知するガス濃度検知器を用いた場合は、判断手段に、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間におけるガス濃度の最小値が所定濃度値より大きい場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常であると判断させ、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間におけるガス濃度の最小値が所定濃度値以下である場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が正常であると判断させることができる。
第8の発明は、第1の発明における前記燃焼状態検知手段として、前記燃焼器での火炎
を検知して電流を出力する火炎検知器を用い、前記判断手段が、前記改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間における前記火炎検知器の出力電流の最小値が所定値より大きい場合は、前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下することによる異常が発生したと判断するものである。
水素生成装置への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給されるため、火炎が燃焼器から浮いた状態になり、火炎検知器の出力電流が低下する。逆に、水素生成装置への水の供給がないため、過渡的な大量の原料ガス供給がない場合は、火炎は燃焼器に安定して形成され、火炎検知器の出力電流も安定する。したがって、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間における火炎検知器の出力電流の最小値が所定値より大きい場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常であると判断することができ、逆に、改質水供給手段を動作させてから所定時間経過するまでの間における火炎検知器の出力電流の最小値が所定値以下である場合は、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が正常であると判断することができる。
また、燃焼状態の安定・不安定を検知する燃焼状態検知手段として、燃焼器での火炎を検知する火炎検知器を用いると、水供給開始に伴う過渡的な大量の原料ガス供給があるときには火炎が燃焼器から浮いた状態になり火炎検知器の出力電流が低下し、過渡的な大量の原料ガス供給がないときには火炎は燃焼器に安定して形成され火炎検知器の出力電流も安定するため、燃焼状態の安定・不安定に応じて変化する検知値である火炎検知器の出力信号により判断手段で水供給が異常であるか否かを判断することができ、有用である。
第9の発明は、第1から第8の発明において、前記判断手段が前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下することによる異常が発生したと判断した場合に、前記水素生成装置を停止するものであり、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常である場合に、その異常を検知して水素生成装置(と水素生成装置の動作に関連する周辺機器)を停止するので、燃料電池システムの利用者が、燃料電池システムの異常停止に気付いて、サービス会社に連絡して、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応をとることができ、燃料電池の発電ができないにも関わらず原料を無駄に燃焼させたり、水素生成装置とその周辺機器を動作させる電力を無駄にしたり、触媒等の材料を異常劣化させたりすることを防止できる。
第10の発明は、第1から第9の発明に加えて、前記燃料電池システムの運転状態を表示する表示器を備え、前記判断手段が前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下することによる異常が発生したと判断した場合に、前記表示器に前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給が異常であることを表わす表示を行なうものであり、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常であることを、表示器の表示により、燃料電池システムの利用者またはサービスマンが知ることができ、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応を無駄なく迅速に行うことができる。
第11の発明は、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置と、前記水素生成装置で生成された前記燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池と、前記水素生成装置に前記原料ガスが供給され始めてから前記水素生成装置で生成された前記燃料ガスが前記燃料電池に供給されるまでは前記水素生成装置から排出されるガスを燃焼させ前記燃料ガスが前記燃料電池に供給され始めてからは前記燃料電池で消費されなかった前記燃料ガスを燃焼させて前記触媒を加熱する燃焼器と、前記水素生成装置に水を供給する改質水供給手段と、前記水素生成装置において前記燃料電池に供給可能な状態の前記燃料ガスを生成できるようになるまで前記水素生成装置から排出されるガスを前記燃料電池に供給することなく前記燃焼器に供給するための燃料バイパス手段と、前記燃焼器での燃焼状態を検知する燃焼状態検知手段とを備えた燃料電池システム
の運転方法であって、前記水素生成装置に前記原料ガスのみを供給して前記水素生成装置から排出される前記原料ガスを前記燃料バイパス手段を通じて前記燃焼器に供給して燃焼させる原料ガス燃焼工程と、前記原料ガス燃焼工程における前記原料ガスの供給と前記水素生成装置から排出されるガスの前記燃焼器での燃焼を続けながら前記改質水供給手段による前記水素生成装置への水供給動作を開始する水供給開始工程と、前記改質水供給手段による前記水供給動作の開始から所定時間経過するまでの間において、前記燃焼器の安定な燃焼状態が維持されていれば前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下していることによる異常が発生したと判断する判断工程を有する燃料電池システムの運転方法である。
本運転方法によると、原料ガス燃焼工程から水供給開始工程に工程が移行することにより、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となるが、次工程の判断工程において、その過渡的に不安定となった燃焼状態を燃焼状態検知手段で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値を基に「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また、水供給開始工程において改質水供給の水供給動作を開始したときに何らかの異常により水素生成装置への水供給ができない場合には、水供給動作の開始の後に大量の原料ガスが燃焼器に供給されることはないため、燃焼状態も安定であるが、次工程の判断工程において、この安定した燃焼状態を燃焼状態検知手段で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な燃焼状態検知手段を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
第12の発明は、第11の発明に加えて、前記燃料電池システムの運転状態を表示する表示器をさらに備える前記燃料電池システムの運転方法であって、前記判断工程において前記改質水供給手段から前記水素生成装置への水供給量が低下していることによる異常が発生したことを判断したときには、前記異常を表わす表示を行なう表示工程をさらに備えるものであり、改質水供給手段から水素生成装置への水供給が異常であることを、表示器の表示により、燃料電池システムの利用者またはサービスマンが知ることができ、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応を無駄なく迅速に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。また、先に説明した実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態における燃料電池システムは、触媒を用いて都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系の原料ガスを水蒸気改質して水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された燃料ガスと空気が供給されて発電を行なう燃料電池2と、水素生成装置1に含まれる触媒を加熱するバーナ3と、水素生成装置1に供給する原料ガスを通流させる原料ガス供給流路4と、水素生成装置1に供給する水を通流させる改質水供給流路5と、水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ6と、水素生成装置1で生成された燃料ガスを燃料電池2に供給する燃料ガス供給流路
7と、燃料電池2での発電に使用しなかった燃料ガスを排出する燃料ガス排出流路8と、燃料ガス供給流路7の途中から分岐して燃料ガス排出流路8に合流するバイパス流路9と、各々の流路7,8,9を通流する燃料ガスの供給・遮断を行なう電磁弁10,11,12と、バーナ3に燃焼用空気を供給する燃焼ファン13と、バーナ3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度を検知する一酸化炭素濃度検知器14と、燃焼排ガスを系外に排出する燃焼排ガス流路15と、水素生成装置1の一連の運転を制御する制御部16と、一酸化炭素濃度検知器14の濃度により水供給が異常であるか否かを判断する判断手段17と、燃料電池システムの運転状態を表示する表示器18を備える。
なお、本実施の形態における構成部材としてのバーナ3、改質水ポンプ6は、各々、燃焼器、改質水供給手段の具体的な実施の一例であり、本実施の形態における構成部材としての一酸化炭素濃度検知器14は、燃焼状態検知手段としてのガス濃度検知器の具体的な実施の一例である。
また、本実施の形態における構成部材としての燃料ガス供給流路7と、燃料ガス排出流路8と、バイパス流路9と、電磁弁10,11,12は、燃料バイパス手段の具体的な実施の一例である。
本実施の形態における燃料電池システムは、触媒を用いて、原料ガス供給流路4から供給される都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系の原料ガスと、改質水供給流路5から供給される水とから、水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成され燃料ガス供給流路7から供給された燃料ガスと、空気供給手段(図示せず)から供給された空気に含まれる酸素とを用いて発電を行なう燃料電池2と、燃焼ファン13により燃焼用空気が供給され、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させ、燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加熱するバーナ(燃焼器)3と、改質水供給流路5に設けられ水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料電池2での発電に使用しなかった燃料ガスを排出してバーナ(燃焼器)3に供給する燃料ガス排出流路8と、燃料ガス供給流路7の途中から分岐して燃料ガス排出流路8に合流するバイパス流路9と、燃料ガス供給流路7におけるバイパス流路9への分岐点より燃料電池2側の燃料ガス供給流路7に設けられた電磁弁10と、燃料ガス排出流路8におけるバイパス流路9との合流点より燃料電池2側の燃料ガス排出流路8に設けられた電磁弁11と、バイパス流路8に設けられた電磁弁12)と、バーナ(燃焼器)3の燃焼排ガスを系外に排出する燃焼排ガス流路15に設けられバーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度を検知することによりバーナ(燃焼器)3での燃焼状態を検知する一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14と、制御部16と、燃料電池システムの運転状態を表示する表示器18とを備える。
制御部16は、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で触媒の温度が所定温度に達するなどの所定条件を満たせば改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知する検知値(バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値)が所定条件(200ppm以上)を満たすか満たさないかで、改質水ポ
ンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であるか否かを判断(燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値が、200ppm以上になることがあれば正常、200ppm未満の状態を維持していれば異常と判断)する判断手段17を有する。そして、制御部16は、判断手段17により、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断した場合は、表示器18に、水供給が異常であることを表わす表示をさせ、水素生成装置1と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給を停止する。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システムについて、以下、その動作を説明する。
水素生成装置1には、原料ガス供給流路4を通じて、原料ガスとして、予め脱硫触媒等で付臭成分を除去した都市ガスが供給される。また、改質水ポンプ(改質水供給手段)6により改質水供給流路5を通じて水が、水素生成装置1に供給される。そして、水素生成装置1では、供給された原料ガスと水とを触媒上で反応させることにより、水素を主成分とする燃料ガスを生成する。
一方、燃料電池2は、水素生成装置1で生成され燃料ガス供給流路7から供給された燃料ガスと、空気供給手段(図示せず)から供給された空気に含まれる酸素とを電気化学的に反応させることにより発電を行なう。燃料電池2での発電に使用しなかった(発電で消費されなかった)燃料ガスは、燃料ガス排出流路8から排出されてバーナ(燃焼器)3に供給される。
そして、バーナ(燃焼器)3は、燃料ガス排出流路8から供給された燃料ガスを、燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させて、水素生成装置1内の触媒を高温に保持する。バーナ(燃焼器)3の燃焼排ガスは、燃焼排ガス流路15を通じて系外に排出される。
しかしながら、水素生成装置1の起動時には、触媒の温度が十分に昇温されていないため、触媒としての機能を十分に果たすことができず、水素生成装置1から排出される燃料ガスには、高濃度の一酸化炭素濃度が含まれる。
高濃度の一酸化炭素濃度は、燃料電池2の触媒性能を低下させるため、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水の供給を、水素生成装置1への原料ガスの供給より遅らせ、しばらくの間は、電磁弁10,11を閉状態、電磁弁12を開状態にして、バイパス流路9を開通させて、水素生成装置1から排出されるガスを、燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給する。
バーナ(燃焼器)3は、燃料ガス排出流路8から供給されたガスを燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させて、水素生成装置1内の触媒を加熱し、水素生成装置1内の触媒の温度が所定温度まで上昇すると、改質水ポンプ(改質水供給手段)6が水素生成装置1への水の供給を開始する。なお、水素生成装置1に水の供給を開始した時に、熱で蒸発した水(水蒸気)により過渡的に大量の原料ガスが燃焼器に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となります。
やがて、水素生成装置1により生成される燃料ガス中の一酸化炭素が、燃料電池2の触媒性能を低下させない濃度まで十分低下すると、遮断弁10,11を開、遮断弁12を閉とすることにより、バイパス流路9を閉鎖し、燃料ガスを燃料ガス供給流路7を通じて燃
料電池2に供給する。
また、燃焼排ガス流路15に配された一酸化炭素濃度検知器14は、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度を監視しており、制御部16の判断手段17は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器14が検知する燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値が、200ppm未満の状態を維持していれば異常と判断して、表示器18に、水供給が異常であることを表わす表示をさせ、水素生成装置1と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給を停止する。
また、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過してから、一酸化炭素濃度検知器14が検知する燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値が、所定値を超えた場合は、制御部16は、燃焼状態が不安定であると判断して、システム運転が異常であると判断し、表示器18に燃焼状態が不安定であることを表わす表示を行わせる。なお、燃焼状態が不安定であることを表わす表示は、「燃焼異常」のような文字列でもいいし、アルファベットと数字を組み合わせた、いわゆるエラーコードでも構わない。
次に図2に示すフローチャートを用いて、本実施の形態の燃料電池システムの水供給の異常判断動作について説明する。
水素生成装置1から燃料電池2に燃料ガスを供給するための運転(燃料電池2で発電するための運転)を開始すると、最初に、原料ガス燃焼工程(水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して燃焼させる工程)を始める。
原料ガス燃焼工程では、まず、原料ガス供給流路4を通じて原料ガスのみを水素生成装置1に供給する(S101)。このとき、電磁弁10,11は閉状態、電磁弁12は開状態になっているので、水素生成装置1に供給された原料ガスは、水素生成装置1から、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通ってバーナ(燃焼器)3に供給される。
バーナ(燃焼器)3には、燃焼ファン13により燃焼用の空気も供給され、図示していない点火器を作動させることにより、着火・燃焼を開始する(S102)。バーナ(燃焼器)3の燃焼により水素生成装置1の触媒が加熱され、水素生成装置1に水を供給してもいい温度まで上昇したかどうかを水素生成装置1の触媒周辺部等の必要箇所に設けられた温度検知器(図示せず)の検知温度を基に判断し(S103)、水素生成装置1に水を供給してもいい温度まで上昇するのを待つ。
そして、水素生成装置1に水を供給してもいい温度状態になると、原料ガス燃焼工程を終了して、水供給開始工程(原料ガス燃焼工程における原料ガスの供給と水素生成装置から排出されるガスのバーナ(燃焼器)3での燃焼を続けながら改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する工程)に移る。
水供給開始工程では、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する(S104)。水供給開始工程が済むと、判断工程(改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水供給動作の開始から所定時間経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知する一酸化炭素濃度の検知値が所定条件を満たすか満たさないかで、水供給が異常であるか否かを判断する工程)に移る。
判断工程では、ます、一酸化炭素濃度検知器14が検知した、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度値である200ppm以上であるか否かを判断手段17が判断する(S105)。
制御部16が改質水ポンプ(改質水供給手段)6に水供給動作を行わせてから所定時間(本実施の形態では、30秒間)経過するまでの間に、一酸化炭素濃度検知器14が検知した、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度値である200ppm以上になれば、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給が正常であると判断手段17が判断し、S105をYes側に分岐して次のS108のステップに進み、水素生成装置1により生成される燃料ガス中の一酸化炭素が、燃料電池2の触媒性能を低下させない濃度まで十分低下すると、遮断弁10,11を開、遮断弁12を閉とすることにより、バイパス流路9を閉鎖し、燃料ガスを燃料ガス供給流路7を通じて燃料電池2に供給し、燃料電池2は、水素生成装置1で生成され燃料ガス供給流路7から供給された燃料ガスと、空気供給手段(図示せず)から供給された空気に含まれる酸素とを電気化学的に反応させることにより発電を行なう。
もし、制御部16が改質水ポンプ(改質水供給手段)6に水供給動作を行わせてから所定時間(本実施の形態では、30秒間)経過するまでの間に、一酸化炭素濃度検知器14が検知した、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度値である200ppm以上にならなければ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給に異常があると判断手段17が判断し、S106をYes側に分岐して次のS107のステップに進み、表示器18に水供給が異常であることを表わす表示を行わせ(S107)、水素生成装置1と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給を停止する(S109)。なお、これら一連の動作は、制御部16により制御・運転されている。
なお、本実施の形態では、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給に異常があるか否かを判断する時の、水供給開始からの所定時間を、30秒間としているが、厳密に30秒間である必要はなく、改質水供給開始時の触媒温度から、水供給が無い状態で水素生成装置1の触媒劣化が発生しない温度までの昇温時間より短い時間の範囲で、適切に設定することができる。
また、本実施の形態では、一酸化炭素濃度の所定濃度値を200ppmとしているが、厳密に200ppmである必要はなく、燃料電池システムとして許容される一酸化炭素排出濃度以下の濃度値の範囲で、適切に設定することができる。また、上述のように予め設定しても構わないし、上述の起動動作のステップS103において排出された一酸化炭素濃度を基準にして制御部16で設定しても構わない。
ステップS104において、改質水供給を開始すると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じてバーナ3に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が増加する。
本実施の形態における燃料電池システムの構成および運転方法をとると、不安定となった燃焼状態を表わす検知値である一酸化炭素濃度が所定濃度値(例えば、200ppm)以上発生した場合には、判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また一方、ステップS104において改質水供給を開始したときに、何らかの異常により水供給ができないときには、水供給開始の後に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じて、バーナ3に供給されることはないため燃焼状態も安定であり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度も増加しない。
この安定した燃焼状態での一酸化炭素濃度が所定濃度値(例えば、200ppm)未満である場合には、判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。そのため、従来の燃料電池システムのように、水流量センサ等の高価なセンサを使用することなく、水素生成用の水供給の異常を判断するができるため、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
また、さらに本実施の形態における燃料電池システムの構成および運転方法をとると、判断手段17は水供給が異常であると判断し、表示器18に水供給が異常であることを表わす表示をすることができる。そのため「水供給が異常」である場合において、使用者やメンテナンス者に対して、「水供給が異常」であることを報知することができる。
なお、本実施の形態における燃料電池システムでは、燃焼状態検知手段としてのガス濃度検知器として一酸化炭素濃度検知器14を用いたが、燃焼排ガス中の他のガス成分である酸素の濃度を検知する酸素濃度検知器を、図1の一酸化炭素濃度検知器14と同等の箇所に設置しても構わない。
酸素濃度検知器の場合は、ステップS104において改質水供給を開始すると蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じて、バーナ3に供給されるため、原料ガスの燃焼に必要な酸素が不足し、過渡的に酸素濃度が低下する。そのため、図2のステップS105を「酸素濃度≦所定濃度値(例えば、2%)」と変更することにより、不安定となった燃焼状態を表わす検知値である酸素濃度が所定濃度値(例えば、2%)以下まで低下したときには判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また一方、ステップS104において改質水供給を開始したときに何らかの異常により水供給ができないときには、水供給開始の後に大量の原料ガスが燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じてバーナ3に供給されることはないため、燃焼状態も安定であり、燃焼排ガス中の酸素も低下しない。この安定した燃焼状態での酸素濃度が所定濃度値(例えば、2%)以上であるときには、判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。すなわち、燃焼状態検知手段としてのガス濃度検知器として一酸化炭素濃度検知器の代わりに検知する酸素濃度検知器を用いても同等の効果を得ることができる。
また、酸素濃度の所定濃度値である「2%」も一酸化炭素濃度検知器14のときと同様に、この限りではなく、燃料電池システムとして許容される一酸化炭素排出濃度以下の燃焼を実現できる範囲での空気過剰率で運転したときの濃度値の範囲で適切に設定することができる。また、上述のように予め設定しても構わないし、上述の起動動作のステップS103において排出された酸素濃度を基準にして制御部16で設定しても構わない。
なお、本実施の形態における燃料電池システムでは、燃焼状態検知手段としてのガス濃度検知器として、一酸化炭素濃度検知器14を用いたが、原料ガスに含まれる炭化水素系ガス、例えば、都市ガスを原料ガスとしたときのメタンや、LPガスを原料ガスにしたときのプロパンやブタン、の濃度を検知する可燃ガス濃度検知器を、図1の一酸化炭素濃度検知器14と同等の箇所に設置しても構わない。
可燃ガス濃度検知器の場合は、ステップS104において改質水供給を開始すると蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じて、バーナ3に供給されるため、過渡的に燃焼が不安定になり原料ガスの一部が未燃のまま排出される。
そのため、図2のステップS105を「可燃ガス濃度≧所定濃度値(例えば、3000ppm)」と変更することにより、不安定となった燃焼状態を表わす検知値である可燃ガス濃度が所定濃度値(例えば、3000ppm)以上まで上昇した場合には、判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また一方、ステップS104において改質水供給を開始したときに、何らかの異常により水供給ができないときには、水供給開始の後に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じて、バーナ3に供給されることはないため燃焼状態も安定であり、燃焼排ガス中の未燃の原料ガスは非常に少ない状態を維持する。
この安定した燃焼状態での可燃ガス濃度が所定濃度値(例えば、3000ppm)未満であるときには、判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。すなわち、燃焼状態検知手段としてのガス濃度検知器として一酸化炭素濃度検知器14の代わりに検知する可燃ガス濃度検知器を用いても同等の効果を得ることができる。
また、可燃ガス濃度の所定濃度値である「3000ppm」も、一酸化炭素濃度検知器14のときと同様にこの限りではなく、燃料電池システムとして許容される可燃ガス排出濃度以下の範囲で、適切に設定することができる。また、上述のように予め設定しても構わないし、上述の起動動作のステップS103において排出された可燃ガス濃度を基準にして制御部16で設定しても構わない。
なお原料ガスは「付臭成分を除去した都市ガス」としたが、この限りではなく、プロパンなど他の炭化水素ガスを用いても構わない。
以上のように本実施の形態の燃料電池システムは、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池2と、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼させ燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加熱するバーナ(燃焼器)3と、水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料ガス排出流路8と、バイパス流路9と、電磁弁10,11,12)と、バーナ(燃焼器)3での燃焼状態を検知する一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14と、制御部16とを備え、制御部16は、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で所定条件を満たせば改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知する検知値が所定条件を満たすか満たさないかで、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であるか否かを判断する判断手段17を有する燃料電池システムである。
上記構成によると、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して、水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させて改質水ポンプ(改質水供給手段)6が水素生成装置1への水の供給を開始すると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となるが、その過渡的に不安定となった燃焼状態を一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して、水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させたが、何らかの異常により改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1に水の供給ができない場合には、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させた後も、安定した燃焼状態を維持するので、この安定した燃焼状態を一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
以上のように本実施の形態の燃料電池システムの運転方法は、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池2と、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼させ燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加熱するバーナ(燃焼器)3と、水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料ガス排出流路8と、バイパス流路9と、電磁弁10,11,12)と、バーナ(燃焼器)3での燃焼状態を検知する一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14とを備えた燃料電池システムの運転方法であって、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して燃焼させる原料ガス燃焼工程(図2のS101とS102)と、原料ガス燃焼工程における原料ガスの供給と水素生成装置1から排出されるガスのバーナ(燃焼器)3での燃焼を続けながら改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する水供給開始工程(図2のS104)と、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水供給動作の開始から所定時間(30秒)経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知する検知値が所定条件を満たすか満たさないかで、水供給が異常であるか否かを判断する判断工程(図2のS105とS106)を有する燃料電池システムの運転方法である。
本運転方法によると、原料ガス燃焼工程から水供給開始工程に工程が移行することにより、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となるが、次工程の判断工程において、その過渡的に不安定となった燃焼状態を一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値を基に(判断手段17が)「水供給は異常ではない」と判断するこ
とができる。
また、水供給開始工程において改質水ポンプ(改質水供給手段)6の水供給動作を開始したときに何らかの異常により水素生成装置1への水供給ができない場合には、水供給動作の開始の後に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されることはないため、燃焼状態も安定であるが、次工程の判断工程において、この安定した燃焼状態を一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態で用いた一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14は、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の所定ガスのガス濃度を検知するガス濃度検知器であるが、水素生成装置1への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素等の特定のガスの濃度が変化する。したがって、燃焼排ガス中の燃焼状態が不安定になると濃度が変化する一酸化炭素等の特定のガスの濃度を検知して所定条件を満たすか否かを判定することにより、水素生成用の水供給の異常を判断できる。なお、一酸化炭素濃度検知器14の代わりに、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の酸素濃度を検知する酸素濃度検知器を用いた場合や、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の、原料ガスに含まれる可燃性の炭化水素系ガス濃度を検知する可燃ガス濃度検知器を用いた場合でも、ガスの濃度を検知して所定条件を満たすか否かを判定することにより、水素生成用の水供給の異常を判断できる。
また、本実施の形態で用いた一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14は、一酸化炭素の濃度を検知するものであり、本実施の形態では、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における一酸化炭素濃度の最大値が所定濃度値(200ppm)より小さい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、一酸化炭素濃度が所定濃度値(200ppm)以上にならなかった場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断するものであり、水素生成装置1への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されるため、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が増加する。
したがって、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値の最大値が所定濃度値(200ppm)以上であれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値が所定濃度値(200ppm)以上になれば)、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されて、燃焼状態が過渡的に不安定となり、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が増加したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値の最大値が所定濃度値(200ppm)未満であれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の一酸化炭素の濃度の検知値が所定濃度値(200ppm)以上にならなければ)、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給が異常であると判断できる。
そのため、判断手段17に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知した燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度の最大値が所定濃度値(200ppm)より小さい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知した燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度値(200ppm)以上にならない場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知した燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度の最大値が所定濃度値(200ppm)以上である場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知した燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が所定濃度値(200ppm)以上になる場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が正常であると判断させることができる。
また、本実施の形態では、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断した場合に、水素生成装置1を停止するものであり、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常である場合に、その異常を検知して水素生成装置1(と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給)を停止するので、燃料電池システムの利用者が、燃料電池システムの異常停止に気付いて、サービス会社に連絡して、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応をとることができ、燃料電池2の発電ができないにも関わらず原料を無駄に燃焼させたり、水素生成装置1とその周辺機器(改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13)を動作させる電力を無駄にしたり、触媒等の材料を異常劣化させたりすることを防止できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池システムの運転状態を表示する表示器18を備え、判断手段17が改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給の異常を判断した場合に、表示器18に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であることを表わす表示を行なうものであり、また、本実施の形態の燃料電池システムの運転方法は、判断工程(図2のS105とS106)において水供給の異常を判断したときには、表示器18に水供給が異常であることを表わす表示を行なう表示工程(図2のS107)をさらに備えるものであるので、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であることを、表示器18の表示により、燃料電池システムの利用者またはサービスマンが知ることができ、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応を無駄なく迅速に行うことができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムにおいて、一酸化炭素濃度検知器14の代わりに、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の酸素濃度を検知する酸素濃度検知器を用いた場合は、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における酸素濃度の最小値が所定濃度値(2%)より大きい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、酸素濃度が所定濃度値(2%)以下にならなかった場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断するものであり、水素生成装置1への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されるため、原料ガスの燃焼に必要な酸素が不足し、過渡的に酸素濃度が低下する。
したがって、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の酸素濃度の検知値の最小値が所定濃度値(2%)以下であれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の酸素濃度の検知値が所定濃度値(2%)以下になれば)、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されて、原料ガスの燃焼に必要な酸素が不足し、燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度が低下したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の酸素濃度の検知値の最小値が所定濃度値(2%)を超えていれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の酸素濃度の検知値が所定濃度値(2%)以下にならなければ)、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給が異常であると判断できる。
そのため、判断手段17に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における酸素濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の酸素濃度の最小値が所定濃度値(2%)を超えている場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14が検知した燃焼排ガス中の酸素濃度が所定濃度値(2%)以下にならない場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における酸素濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の酸素濃度の最小値が所定濃度値(2%)以下である場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、酸素濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の酸素濃度が所定濃度値(2%)以下になる場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が正常であると判断させることができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムにおいて、一酸化炭素濃度検知器14の代わりに、バーナ(燃焼器)3から排出される燃焼排ガス中の、原料ガスに含まれる可燃性の炭化水素系ガス濃度を検知する可燃ガス濃度検知器を用いた場合は、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における可燃ガス濃度の最大値が所定濃度値(3000ppm)より小さい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、可燃ガス濃度が所定濃度値(3000ppm)以上にならなかった場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断するものであり、水素生成装置1への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されるため、過渡的に燃焼が不安定になり原料ガスの一部が未燃のまま排出される。
したがって、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の可燃ガス濃度の検知値の最大値が所定濃度値(3000ppm)以上であれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の可燃ガス濃度の検知値が所定濃度値(3000ppm)以上になれば)、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されて、過渡的に燃焼が不安定になり原料ガスの一部が未燃のまま排出され、燃焼排ガス中の可燃ガス濃度が増加したと推測できるので、水供給が正常と判断でき、逆に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間の燃焼排ガス中の可燃ガス濃度の検知値の最大値が所定濃度値(3000ppm)未満であれば(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に燃焼排ガス中の可燃ガス濃度が所定濃度値(3000ppm)以上
にならなければ)、燃焼が安定状態を維持しているので、水供給が異常であると判断できる。
そのため、判断手段17に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における可燃ガス濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の可燃ガス濃度の最大値が所定濃度値(3000ppm)より小さい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に可燃ガス濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の可燃ガス濃度が所定濃度値(3000ppm)以上にならない場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における可燃ガス濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の可燃ガス濃度の最大値が所定濃度値(3000ppm)以上である場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間に、可燃ガス濃度検知器が検知した燃焼排ガス中の可燃ガス濃度が所定濃度値(3000ppm)以上になる場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が正常であると判断させることができる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施の形態における燃料電池システムは、図1に示す実施の形態1の燃料電池システムにおいて、燃焼状態検知手段として、一酸化炭素濃度検知器(燃焼状態検知手段)14の代わりに、バーナ(燃焼器)3の火炎を検知し、検知した火炎に応じて出力電流値が変わる火炎電流を出力する火炎検知器としてのフレームロッド19を備えたものであり、その他の構成は、図1に示す実施の形態1の燃料電池システムと同様である。
フレームロッド19は、バーナ(燃焼器)3で燃焼が継続しているときには火炎状態を監視しており、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過してから、フレームロッド19の出力電流値がバーナ(燃焼器)3の火炎がなくなったと判断できる値まで低下すると、制御部16はバーナ(燃焼器)3の火炎が消失したと判断して、システム運転が異常であると判断し、表示器18に、バーナでの火炎消失による異常を表わす表示を行う。なお、バーナでの火炎消失による異常を表わす表示は、「失火異常」のような文字列でもいいし、アルファベットと数字を組み合わせた、いわゆるエラーコードでも構わない。
なお、本実施の形態における構成部材としてのフレームロッド19は、燃焼状態検知手段としての火炎検知器の具体的な実施の一例である。
本実施の形態における燃料電池システムは、触媒を用いて、原料ガス供給流路4から供給される都市ガスやプロパンガスなどの炭化水素系の原料ガスと、改質水供給流路5から供給される水とから、水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成され燃料ガス供給流路7から供給された燃料ガスと、空気供給手段(図示せず)から供給された空気に含まれる酸素とを用いて発電を行なう燃料電池2と、燃焼ファン13により燃焼用空気が供給され、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させ、燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼ファン13により供給された燃焼用空気を用いて燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加
熱するバーナ(燃焼器)3と、改質水供給流路5に設けられ水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料電池2での発電に使用しなかった燃料ガスを排出してバーナ(燃焼器)3に供給する燃料ガス排出流路8と、燃料ガス供給流路7の途中から分岐して燃料ガス排出流路8に合流するバイパス流路9と、燃料ガス供給流路7におけるバイパス流路9への分岐点より燃料電池2側の燃料ガス供給流路7に設けられた電磁弁10と、燃料ガス排出流路8におけるバイパス流路9との合流点より燃料電池2側の燃料ガス排出流路8に設けられた電磁弁11と、バイパス流路8に設けられた電磁弁12)と、バーナ(燃焼器)3の燃焼排ガスを系外に排出する燃焼排ガス流路15と、バーナ(燃焼器)3の火炎を検知し、検知した火炎に応じて出力電流値が変わる火炎電流を出力する火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19と、制御部16と、燃料電池システムの運転状態を表示する表示器18とを備える。
制御部16は、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で触媒の温度が所定温度に達するなどの所定条件を満たせば改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間経過するまでの間における火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19が検知する検知値(検知したバーナ(燃焼器)3の火炎に応じて出力する火炎電流値)が所定条件(1μA以下)を満たすか満たさないかで、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であるか否かを判断(火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19がバーナ(燃焼器)3の火炎を検知して出力する火炎電流値が、1μA以下になることがあれば正常、1μAを超える状態を維持していれば異常と判断)する判断手段17を有する。そして、制御部16は、判断手段17により、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断した場合は、表示器18に、水供給が異常であることを表わす表示をさせ、水素生成装置1と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給を停止する。
以上のように構成された本実施の形態の燃料電池システムについて、図4に示すフローチャートを用いて、以下、その動作を説明する。
水素生成装置1から燃料電池2に燃料ガスを供給するための運転(燃料電池2で発電するための運転)を開始すると、最初に、原料ガス燃焼工程(水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して燃焼させる工程)を始める。
原料ガス燃焼工程では、まず、原料ガス供給流路4を通じて原料ガスのみを水素生成装置1に供給する(S201)。このとき、電磁弁10,11は閉状態、電磁弁12は開状態になっているので、水素生成装置1に供給された原料ガスは、水素生成装置1から、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通ってバーナ(燃焼器)3に供給される。
バーナ(燃焼器)3には、燃焼ファン13により燃焼用の空気も供給され、図示していない点火器を作動させることにより、着火・燃焼を開始する(S202)。バーナ(燃焼器)3の燃焼により水素生成装置1の触媒が加熱され、水素生成装置1に水を供給してもいい温度まで上昇したかどうかを水素生成装置1の触媒周辺部等の必要箇所に設けられた
温度検知器(図示せず)の検知温度を基に判断し(S203)、水素生成装置1に水を供給してもいい温度まで上昇するのを待つ。
そして、水素生成装置1に水を供給してもいい温度状態になると、原料ガス燃焼工程を終了して、水供給開始工程(原料ガス燃焼工程における原料ガスの供給と水素生成装置から排出されるガスのバーナ(燃焼器)3での燃焼を続けながら改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する工程)に移る。
水供給開始工程では、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する(S204)。水供給開始工程が済むと、判断工程(改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水供給動作の開始から所定時間経過するまでの間における火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19の出力する火炎電流値が所定条件を満たすか満たさないかで、水供給が異常であるか否かを判断する工程)に移る。
判断工程では、火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19の炎電流値が、所定値である1μA以下であるか否かを判断手段17が判断する(S205)。
制御部16が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6に水供給動作を行わせてから所定時間(本実施の形態では、30秒間)経過するまでの間に、火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19の炎電流値が、所定値である1μA以下になれば、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給が正常であると判断手段17が判断し、S205をYes側に分岐して次のS208のステップに進み、水素生成装置1により生成される燃料ガス中の一酸化炭素が、燃料電池2の触媒性能を低下させない濃度まで十分低下すると、遮断弁10,11を開、遮断弁12を閉とすることにより、バイパス流路9を閉鎖し、燃料ガスを燃料ガス供給流路7を通じて燃料電池2に供給し、燃料電池2は、水素生成装置1で生成され燃料ガス供給流路7から供給された燃料ガスと、空気供給手段(図示せず)から供給された空気に含まれる酸素とを電気化学的に反応させることにより発電を行なう。
もし、制御部16が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6に水供給動作を行わせてから所定時間(本実施の形態では、30秒間)経過するまでの間に、火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19の火炎電流値が、所定値である1μA以下になれなければ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給に異常があると判断手段17が判断し、S206をYes側に分岐して次のS207のステップに進み、表示器18に水供給が異常であることを表わす表示を行わせ(S207)、水素生成装置1と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給を停止する(S209)。なお、これら一連の動作は、制御部16により制御・運転されている。
なお、本実施の形態では、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給に異常があるか否かを判断する時の、水供給開始からの所定時間を、30秒間としているが、厳密に30秒間である必要はなく、改質水供給開始時の触媒温度から、水供給が無い状態で水素生成装置1の触媒劣化が発生しない温度までの昇温時間より短い時間の範囲で、適切に設定することができる。
また、本実施の形態では、火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19の火炎電流値の所定値を1μAとしているが、厳密に1μAである必要はなく、バーナ(燃焼器)3での安定燃焼時におけるフレームロッド19の出力値より小さい範囲で適切に設定することができる。また、上述のように予め設定しても構わないし、上述の起動動
作のステップS203において検知したフレームロッド19の火炎電流値を基準にして制御部16で設定しても構わない。なお一般的なガス給湯器では、都市ガスを安定燃焼させた場合の出力としては10μA程度であることが知られている。
ステップS204において、改質水供給を開始すると蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じてバーナ(燃焼器)3に供給されるため、火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になり、フレームロッド19の火炎電流値としての出力信号が低下する。
本実施の形態における燃料電池システムの構成および運転方法をとると、不安定となった燃焼状態を表わす検知値である出力信号が所定値(例えば、1μA)以下に低下したときには、判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。また一方、ステップS204において、改質水供給を開始したときに何らかの異常により水供給ができないときには、水供給開始の後に大量の原料ガスが、燃料ガス供給流路7、バイパス流路9、燃料ガス排出流路8を通じてバーナ(燃焼器)3に供給されることはないため、燃焼状態も安定であり、フレームロッド19の火炎電流値としての出力信号の低下も発生しない。この安定した燃焼状態でのフレームロッド19の火炎電流値としての出力信号が所定値(例えば、1μA)以上であるときには、判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。そのため、従来の燃料電池システムのように水流量センサ等の高価なセンサを使用することなく水素生成用の水供給の異常を判断するができるため、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
また、さらに本実施の形態における燃料電池システムの構成および運転方法をとると、判断手段17は水供給が異常であると判断し、表示器18に、水供給が異常であることを表わす表示をすることができる。そのため「水供給が異常」である場合において、使用者やメンテナンス者に対して「水供給が異常」であることを報知することができる。
以上のように本実施の形態の燃料電池システムは、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池2と、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼させ燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加熱するバーナ(燃焼器)3と、水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料ガス排出流路8と、バイパス流路9と、電磁弁10,11,12)と、バーナ(燃焼器)3の火炎を検知(燃焼状態を検知)し検知した火炎に応じて出力電流値が変わる火炎電流を出力する火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19と、制御部16とを備え、制御部16は、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で所定条件を満たせば改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させ、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間経過するまでの間における火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19が検知する検知値(検知したバーナ(燃焼器)3の火炎に応じて出力する火炎電流値)が所定条件(1μA以下)を満たすか満たさないかで、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であるか否かを判断(火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19がバーナ(燃焼器)3の火炎を検知して出力する火炎電流値が、1μA以下になることがあれば正常、1μAを超える状態を維持していれば異常と判断)する判断手段
17を有する燃料電池システムである。
上記構成によると、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して、水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させて改質水ポンプ(改質水供給手段)6が水素生成装置1への水の供給を開始すると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給され、過渡的に火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になり、火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になった時にフレームロッド19の火炎電流値としての出力信号が低下するが、その過渡的に火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になる燃焼状態を火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値(火炎電流値)を基に判断手段17が「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して、水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して、バーナ(燃焼器)3で燃焼を開始させた後で、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させたが、何らかの異常により改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1に水の供給ができない場合には、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させた後も、安定した燃焼状態を維持するので、この安定した燃焼状態を火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値(火炎電流値)を基に判断手段17が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
以上のように本実施の形態の燃料電池システムの運転方法は、触媒を用いて原料ガスと水とから水素を主成分とする燃料ガスを生成する水素生成装置1と、水素生成装置1で生成された燃料ガスと空気を用いて発電を行なう燃料電池2と、水素生成装置1に原料ガスが供給され始めてから水素生成装置1で生成された燃料ガスが燃料電池2に供給されるまでは水素生成装置1から排出されるガスを燃焼させ燃料ガスが燃料電池2に供給され始めてからは燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃焼させて水素生成装置1内の触媒を加熱するバーナ(燃焼器)3と、水素生成装置1に水を供給する改質水ポンプ(改質水供給手段)6と、水素生成装置1において燃料電池2に供給可能な状態の燃料ガスを生成できるようになるまで水素生成装置1から排出されるガスを燃料電池2に供給することなくバーナ(燃焼器)3に供給するための燃料バイパス手段(燃料ガス供給流路7と、燃料ガス排出流路8と、バイパス流路9と、電磁弁10,11,12)と、バーナ(燃焼器)3の火炎を検知(燃焼状態を検知)し検知した火炎に応じて出力電流値が変わる火炎電流を出力する火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19とを備えた燃料電池システムの運転方法であって、水素生成装置1に原料ガスのみを供給して水素生成装置1から排出される原料ガスを燃料バイパス手段(バイパス流路9)を通じてバーナ(燃焼器)3に供給して燃焼させる原料ガス燃焼工程(図4のS201とS202)と、原料ガス燃焼工程における原料ガスの供給と水素生成装置1から排出されるガスのバーナ(燃焼器)3での燃焼を続けながら改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水素生成装置1への水供給動作を開始する水供給開始工程(図4のS204)と、改質水ポンプ(改質水供給手段)6による水供給動作の開始から所定時間(30秒)経過するまでの間における火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19が検知する検知値(検知したバーナ(燃焼器)3の火炎に応じて出力する火炎電流値)が所定条件(1μA以下)を満たすか満たさないかで、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供
給が異常であるか否かを判断(火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19がバーナ(燃焼器)3の火炎を検知して出力する火炎電流値が、1μA以下になることがあれば正常、1μAを超える状態を維持していれば異常と判断)する判断工程(図4のS205とS206)を有する燃料電池システムの運転方法である。
本運転方法によると、原料ガス燃焼工程から水供給開始工程に工程が移行することにより、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給され、燃焼状態も過渡的に不安定となるが、次工程の判断工程において、その過渡的に不安定となった燃焼状態を火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19で検知し、不安定となった燃焼状態を表わす検知値を基に(判断手段17が)「水供給は異常ではない」と判断することができる。
また、水供給開始工程において改質水ポンプ(改質水供給手段)6の水供給動作を開始したときに何らかの異常により水素生成装置1への水供給ができない場合には、水供給動作の開始の後に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されることはないため、燃焼状態も安定であるが、次工程の判断工程において、この安定した燃焼状態を火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19で検知し、安定である燃焼状態を表わす検知値を基に判断手段が「水供給は異常である」と判断することができる。
したがって、水流量センサ等の高価なセンサの代わりに、比較的安価な火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19を用いて、水素生成用の水供給の異常を判断することができるので、燃料電池システムの低コスト化を実現することができる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃焼状態検知手段として、バーナ(燃焼器)3の火炎を検知(燃焼状態を検知)し検知した火炎に応じて出力電流値が変わる火炎電流を出力するフレームロッド(火炎検知器)19を用い、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6の水供給動作を開始させてから所定時間(30秒)経過するまでの間における火炎検知器(燃焼状態検知手段)としてのフレームロッド19が検知する検知値(検知したバーナ(燃焼器)3の火炎に応じて出力する火炎電流値)の最小値が所定値(1μA)より大きい場合は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断するものである。
水素生成装置1への水の供給が開始されると、蒸発した水により過渡的に大量の原料ガスがバーナ(燃焼器)3に供給されるため、火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になり、フレームロッド(火炎検知器)19の出力電流が低下する。逆に、水素生成装置1への水の供給がないため、過渡的な大量の原料ガス供給がない場合は、火炎はバーナ(燃焼器)3に安定して形成され、フレームロッド(火炎検知器)19の出力電流も安定する。したがって、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間におけるフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流の最小値が所定値(1μA)より大きい場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間にフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流が所定値(1μA)以下にならなかった場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断することができ、逆に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間におけるフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流の最小値が所定値(1μA)以下である場合(改質水ポンプ(改質水供給手段)6を動作させてから所定時間(30秒)経過するまでの間にフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流が所定値(1μA)以下になった場合)は、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が正常であると判断することができる。
また、燃焼状態の安定・不安定を検知する燃焼状態検知手段として、バーナ(燃焼器)3での火炎を検知するフレームロッド(火炎検知器)19を用いると、水供給開始に伴う過渡的な大量の原料ガス供給があるときには火炎がバーナ(燃焼器)3から浮いた状態になりフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流が低下し、過渡的な大量の原料ガス供給がないときには火炎はバーナ(燃焼器)3に安定して形成されフレームロッド(火炎検知器)19の出力電流も安定するため、燃焼状態の安定・不安定に応じて変化する検知値であるフレームロッド(火炎検知器)19の出力信号により判断手段17で水供給が異常であるか否かを判断することができ、有用である。
また、本実施の形態では、判断手段17が、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であると判断した場合に、水素生成装置1を停止するものであり、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常である場合に、その異常を検知して水素生成装置1(と水素生成装置1の動作に関連する改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13等の周辺機器の運転を停止すると共に、例えば、原料ガス供給流路4を電磁弁(図示せず)で閉鎖して、水素生成装置1への原料ガスの供給)を停止するので、燃料電池システムの利用者が、燃料電池システムの異常停止に気付いて、サービス会社に連絡して、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応をとることができ、燃料電池2の発電ができないにも関わらず原料を無駄に燃焼させたり、水素生成装置1とその周辺機器(改質水ポンプ(改質水供給手段)6や燃焼ファン13)を動作させる電力を無駄にしたり、触媒等の材料を異常劣化させたりすることを防止できる。
また、本実施の形態の燃料電池システムは、燃料電池システムの運転状態を表示する表示器18を備え、判断手段17が改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給の異常を判断した場合に、表示器18に、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であることを表わす表示を行なうものであり、また、本実施の形態の燃料電池システムの運転方法は、判断工程(図4のS205とS206)において水供給の異常を判断したときには、表示器18に水供給が異常であることを表わす表示を行なう表示工程(図4のS207)をさらに備えるものであるので、改質水ポンプ(改質水供給手段)6から水素生成装置1への水供給が異常であることを、表示器18の表示により、燃料電池システムの利用者またはサービスマンが知ることができ、サービスマンによる点検、故障診断、部品交換、故障修理などの対応を無駄なく迅速に行うことができる。