JP5444632B2 - 核酸増幅方法およびそれに用いる容器 - Google Patents
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Description
本発明はまた、コンタミネーションの原因となる廃棄物を減らすことが可能な反応容器に関するものである。
また、本発明は、核酸増幅方法に関するものである。より詳しくは、自動化が容易であり、さらにコンタミネーションの原因となる廃棄物を減らすことが可能な核酸増幅方法に関するものである。
例えば、医学分野では、特定臓器で発現または機能するタンパク質の核酸分子レベルでの解析や、神経、脳あるいは免疫系での情報伝達におけるタンパク質の発現制御の研究などにおいて重要であるのみならず、遺伝的疾患の変異遺伝子の検出、癌の診断、ウイルス関連遺伝子の検出など遺伝子診断においても極めて重要である。特に、遺伝子診断などでは核酸増幅反応が確定診断として用いられるため誤りが許されず、また患者から採取できる検体の量が限られているため失敗が許されず、さらに迅速性も要求されるために、迅速性を保ちながら高い精度を有していなければならない。
PCRは、一般に、二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離する反応(以下、「変性反応」と表記する)、解離して生じた一本鎖DNAとプライマーとのアニーリング反応(以下、「アニーリング反応」と表記する)、アニーリングした一本鎖DNAを鋳型とするプライマーの伸長反応(以下、「伸長反応」と表記する)を繰り返すことにより行なう。具体的には、従来、PCR反応液を個々のマイクロチューブに入れて、昇温または冷却を繰り返すことで、上記各反応に必要な反応温度に調整する方法が主に用いられてきた。しかし、PCRを行なうためには、この温度の調整の繰り返しや、微量のサンプルを扱うことなどにより、煩雑な作業や多大な時間を要し、上記温度の調整の繰り返しを行なうために、約2〜3時間を要する。そこで、近年、より簡便かつ短時間のうちにPCRを行なうための技術が提案されている(特許文献1〜6)。
PCRは、一般に、二本鎖DNAを一本鎖DNAに解離する反応(以下、「変性反応」と表記する)、解離して生じた一本鎖DNAとプライマーとのアニーリング反応(以下、「アニーリング反応」と表記する)、アニーリングした一本鎖DNAを鋳型とするプライマーの伸長反応(以下、「伸長反応」と表記する)を繰り返すことにより、任意のDNA断片を指数関数的に増幅させる方法である。この1サイクルにより、1本の二本鎖DNAが2本の二本鎖DNAに増幅される。したがって、このサイクルをn回繰り返せば、理論上、増幅の対象となるDNA断片が2のn乗倍に増幅される。増幅されたDNA断片は大量に存在するため、電気泳動など従来公知の方法により容易に検出できる。このように、PCRによれば、従来では検出不可能であった、極めて微量(1分子でも可)の核酸をも検出することが可能である(非特許文献1)。
特許文献1および2には、核酸増幅容器としてキャピラリチューブを用いて、PCRに必要な温度サイクルを行なう手段と、サンプルチューブに含まれるPCR反応液の蛍光を検出する手段とを備えた装置が開示されている。核酸増幅容器としては、キャピラリーサンプルチューブが用いられている。キャピラリーサンプルチューブは、PCR反応液の貯留部位が極めて細く形成されているため、温度調整の時間を短縮することができる。また、当該装置では、キャピラリーサンプルチューブなどに含まれるPCR反応液の蛍光を検出する手段も備えている。つまり、当該装置では、核酸の増幅に応じて発する蛍光が変化するPCR試料を用いれば、リアルタイムにPCRの結果を確認することができ、反応後にサンプルチューブの蓋を開けることによる核酸増幅反応液の飛散を防ぎ、コンタミネーションの危険を低減させることができる。
また、核酸増幅装置が、核酸増幅容器へ蓋を装着する作業を自動的に行なうための手段を備えていれば、蓋の装着という煩雑な作業を省略することができる。
しかしながら、上記従来の構成では、装置が大型化、複雑化するという問題を有する。また、上記従来の構成では、核酸増幅反応のための溶液を核酸増幅容器に充填する際に、上記検体中に含まれる核酸が飛散し、他の患者などに由来する検体のコンタミネーションが起こるという問題をも有する。
すなわち、本発明は以下のような構成からなる。
少なくとも、高分子材料からなり前記核酸の増幅反応を行なうための反応部と、該反応部と同一の材料からなり前記試料を受け入れるための導入部とを有し、
前記反応部は、
少なくとも2つの角を有する形状の底面と、該底面を構成する直線または曲線をそれぞれ一辺とする平面状または曲面状の側面とを有し、
前記反応部の容積に対する表面積の比は4mm−1以上であり、該容積は0.1ml以下であり、
前記導入部は、
前記反応部と流動性連通を有し、
前記導入部の容積に対する表面積の比は4mm−1未満であり、該容積は前記反応部の容積より大きいことを特徴とする容器。
2A.核酸の増幅反応を行なうための反応部と試料を受け入れるための導入部とが一体的に形成されてなることを特徴とする1Aの容器。
3A.反応部の側面における平面状または曲面状の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であることを特徴とする1Aまたは2Aの容器。
4A.反応部の底面の形状が三角形であることを特徴とする1Aから3Aのいずれかの容器。
5A.反応部の底面の形状が四角形であることを特徴とする1Aから3Aのいずれかの容器。
6A.反応部の底面の形状が長方形であり、該長方形を構成する辺において、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上であることを特徴とする5Aの容器。
7A.高分子材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする1A〜6Aのいずれかの容器。
8A.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれた1種の樹脂又は2種以上のポリマーアロイまたは2種以上のポリマーブレンドであることを特徴とする7Aの容器。
9A.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする7Aの容器。
10A.核酸の増幅反応を行なうための反応部の少なくとも一部が、光学的に透明であることを特徴とする1A〜9Aのいずれかの容器。
11A.さらに複数の容器が連結されてなることを特徴とする1A〜10Aのいずれかの容器。
12A.複数の容器の連結が、試料を受け入れるための導入部を連結することによってなることを特徴とする11Aの容器。
1B’.ピペットチップの少なくとも吸入吐出口部位を収納できる収納部を含むことを特徴とする1Aの容器。
2B’.化学反応が、核酸増幅反応であることを特徴とする1B’の容器。
3B’.前記反応部の容積が、0.1ml以下であることを特徴とする1B’または2B’の容器。
4B’.前記反応部の容積に対する表面積の比が、4mm−1以上であることを特徴とする3B’の容器。
5B’.前記反応部の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であることを特徴とする1B’〜4B’のいずれかの容器。
6B’.前記反応部の底面の形状が三角形であることを特徴とする1B’〜5B’のいずれかの容器。
7B’.前記反応部の底面の形状が四角形であることを特徴とする1B’〜5B’のいずれかの容器。
8B’.前記反応部の底面の形状が長方形であり、該長方形を構成する辺において、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上であることを特徴とする7B’の容器。
9B’.容器が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする1B’〜8B’のいずれかの容器。
10B’.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれた1種の樹脂又は2種以上のポリマーアロイ又は2種以上のポリマーブレンドであることを特徴とする9B’の容器。
11B’.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする9B’の容器。
12B’.化学反応を行なうための反応部の少なくとも一部が、光学的に透明であることを特徴とする1B’〜11B’のいずれかの容器。
13B’.さらに複数の容器が連結されてなることを特徴とする1B’〜12B’のいずれかの容器。
14B’.複数の容器の連結が、収納部を連結することによってなることを特徴とする13B’の容器。
15B’.ピペットチップがフィルター付きピペットチップであることを特徴とする1B’〜14B’のいずれかの容器。
16B’.フィルターが疎水性フィルターであることを特徴とする15B’の容器。
13A.試料中の核酸を増幅するための方法であって、容器として、
少なくとも、高分子材料からなり前記核酸の増幅反応を行なうための反応部と、該反応部と同一の材料からなり前記試料を受け入れるための導入部とを有し、
前記反応部は、
少なくとも2つの角を有する形状の底面と、該底面を構成する直線または曲線をそれぞれ一辺とする平面状または曲面状の側面とを有し、
前記反応部の容積に対する表面積の比は4mm−1以上であり、該容積は0.1ml以下であり、
前記導入部は、
前記反応部と流動性連通を有し、
前記導入部の容積に対する表面積の比は4mm−1未満であり、該容積は前記反応部の容積より大きい容器を使用することを特徴とする核酸増幅方法。
1C’.少なくとも下記(a)および(b)の工程を含むことを特徴とする13Aの核酸増幅方法。
(a)着脱可能なチップに、核酸増幅反応のための溶液を保持させる
(b)前記溶液を保持したチップを核酸増幅容器に装着する
2C’.(a)の工程において、着脱可能なチップへの溶液の保持が、該チップを介して溶液を吸引および吐出することが可能な分注機構を用いて、該チップに該溶液を吸引することにより行なわれることを特徴とする1C’の核酸増幅方法。
3C’.(b)の工程において、溶液を保持したチップの核酸増幅容器への装着が、該チップを分注機構から取り外すことなく行なわれることを特徴とする2C’の核酸増幅方法。
4C’.チップがフィルターを内蔵してなり、該フィルターは、該チップにおいて溶液を保持する部分と、分注機構に装着される際に該分注機構に接する部分との間に位置することを特徴とする1C’から3C’のいずれかの核酸増幅方法。
5C’.フィルターが疎水性フィルターであることを特徴とする4C’の核酸増幅方法。
6C’.チップと核酸増幅容器が、装着により互いに密着することを特徴とする1C’から5C’のいずれかの核酸増幅方法。
7C’.さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする1C’から6C’のいずれかの核酸増幅方法。
(c)前記チップを分注機構から取り外す
(d)前記チップに保持した溶液を核酸増幅容器の底部に移動させる
8C’.(d)の工程において、溶液の移動が、チップを装着した核酸増幅容器を遠心することにより行なわれることを特徴とする7C’の核酸増幅方法。
9C’.(d)の工程において、溶液の移動が、チップに保持された溶液に空気圧を与えることにより行なわれることを特徴とする7C’の核酸増幅方法。
10.(c)の工程において、チップの取り外しが、分注機構から空気を吐出しながら行なわれることを特徴とする7C’から9C’のいずれかの核酸増幅方法。
11.さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする1C’から6C’のいずれかの核酸増幅方法。
(c)前記チップに保持された溶液に空気圧を与え、核酸増幅反応のための溶液を該核酸増幅容器の底部に移動させる
(d)前記チップを分注機構から取り外す
14A.核酸の増幅反応を行なうための反応部と試料を受け入れるための導入部とが一体的に形成されてなることを特徴とする13Aの核酸増幅方法。
15A.反応部の側面における平面状または曲面状の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であることを特徴とする13Aまたは14Aの核酸増幅方法。
16A.反応部の底面の形状が三角形であることを特徴とする13Aから15Aのいずれかの核酸増幅方法。
17A.反応部の底面の形状が四角形であることを特徴とする13Aから15Aのいずれかの核酸増幅方法。
18A.反応部の底面の形状が長方形であり、該長方形を構成する辺において、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上であることを特徴とする17Aの核酸増幅方法。
19A.高分子材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする13A〜18Aのいずれかの核酸増幅方法。
20A.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれた1種の樹脂又は2種以上のポリマーアロイ又は2種以上のポリマーブレンドであることを特徴とする19Aの核酸増幅方法。
21A.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする19Aの核酸増幅方法。
22A.核酸の増幅反応を行なうための反応部の少なくとも一部が、光学的に透明であることを特徴とする13A〜21Aのいずれかの核酸増幅方法。
23A.試料が蛍光体または発光体を含有することを特徴とする13Aから22Aのいずれかの核酸増幅方法。
24A.さらに試料から発せられる光を検出することを特徴とする13Aから23Aのいずれかの核酸増幅方法。
25A.試料から発せられる光の検出が核酸増幅反応と同時に行なわれることを特徴とする24Aの核酸増幅方法。
26A.試料から発せられる光の検出が核酸増幅反応の後に行なわれることを特徴とする24Aの核酸増幅方法。
1B.ピペットチップの少なくとも吸入吐出口部位を収納できる収納部と、化学反応を行なう反応部を含むことを特徴とする容器。
2B.化学反応が、核酸増幅反応であることを特徴とする請求項32に記載の容器。
3B.前記反応部の容積が、0.1ml以下であることを特徴とする1Bまたは2Bの容器。
4B.前記反応部の容積に対する表面積の比が、4mm−1以上であることを特徴とする3Bの容器。
5B.前記反応部の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であることを特徴とする1B〜4Bのいずれかの容器。
6B.前記反応部の底面の形状が三角形であることを特徴とする1B〜5Bのいずれかの容器。
7B.前記反応部の底面の形状が四角形であることを特徴とする1B〜5Bのいずれかの容器。
8B.前記反応部の底面の形状が長方形であり、該長方形を構成する辺において、長辺の長さが短辺の長さの2倍以上であることを特徴とする7Bの容器。
9B.容器が熱可塑性樹脂からなることを特徴とする1B〜8Bのいずれかの容器。
10B.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、メタクリル樹脂、ABS樹脂及びポリ塩化ビニルからなる群より選ばれた1種の樹脂又は2種以上のポリマーアロイ又は2種以上のポリマーブレンドであることを特徴とする9Bの容器。
11B.熱可塑性樹脂が、ポリプロピレンであることを特徴とする9Bの容器。
12B.化学反応を行なうための反応部の少なくとも一部が、光学的に透明であることを特徴とする1B〜11Bのいずれかの容器。
13B.さらに複数の容器が連結されてなることを特徴とする1B〜12Bのいずれかの容器。
14B.複数の容器の連結が、収納部を連結することによってなることを特徴とする13Bの容器。
15B.ピペットチップがフィルター付きピペットチップであることを特徴とする1B〜14Bのいずれかの容器。
16B.フィルターが疎水性フィルターであることを特徴とする15Bの容器。
1C.少なくとも下記(a)および(b)の工程を含むことを特徴とする核酸増幅方法。
(a)着脱可能なチップに、核酸増幅反応のための溶液を保持させる
(b)前記溶液を保持したチップを核酸増幅容器に装着する
2C.(a)の工程において、着脱可能なチップへの溶液の保持が、該チップを介して溶液を吸引および吐出することが可能な分注機構を用いて、該チップに該溶液を吸引することにより行なわれることを特徴とする1Cの核酸増幅方法。
3C.(b)の工程において、溶液を保持したチップの核酸増幅容器への装着が、該チップを分注機構から取り外すことなく行なわれることを特徴とする2Cの核酸増幅方法。
4C.チップがフィルターを内蔵してなり、該フィルターは、該チップにおいて溶液を保持する部分と、分注機構に装着される際に該分注機構に接する部分との間に位置することを特徴とする1Cから3Cのいずれかの核酸増幅方法。
5C.フィルターが疎水性フィルターであることを特徴とする4Cの核酸増幅方法。
6C.チップと核酸増幅容器が、装着により互いに密着することを特徴とする1Cから5Cのいずれかの核酸増幅方法。
7C.さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする1Cから6Cのいずれかの核酸増幅方法。
(c)前記チップを分注機構から取り外す
(d)前記チップに保持した溶液を核酸増幅容器の底部に移動させる
8C.(d)の工程において、溶液の移動が、チップを装着した核酸増幅容器を遠心することにより行なわれることを特徴とする7Cの核酸増幅方法。
9C.(d)の工程において、溶液の移動が、チップに保持された溶液に空気圧を与えることにより行なわれることを特徴とする7Cの核酸増幅方法。
10C.(c)の工程において、チップの取り外しが、分注機構から空気を吐出しながら行なわれることを特徴とする7Cから9Cのいずれかの核酸増幅方法。
11C.さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする1Cから6Cのいずれかの核酸増幅方法。
(c)前記チップに保持された溶液に空気圧を与え、核酸増幅反応のための溶液を該核酸増幅容器の底部に移動させる
(d)前記チップを分注機構から取り外す
さらに、本発明の反応容器(核酸増幅容器)・核酸増幅方法を用いれば、特に、これまでの反応容器(核酸増幅容器)・核酸増幅方法とは異なり、コンタミネーションの原因となる物質の、廃棄物からの飛散または漏出を減らすことができるため、例えば、遺伝子検査のように、患者から採取できる検体の量が限られているため失敗が許されず、さらに感染性の検体を取り扱う可能性がある場合にも、効果的に使用することができる。
(A)
本発明において、増幅の対象となる核酸としては、標的核酸配列すなわち解析の対象となる核酸配列を含む染色体又はその断片に相補的な配列を有する核酸、増幅した核酸またはその断片に相補的な配列を有する核酸、などが挙げられる。
本発明の反応容器を、バイオテクノロジーにおける様々な分野で応用されている化学反応である核酸増幅反応に適用する場合、増幅の対象となる核酸としては、標的核酸配列すなわち解析の対象となる核酸配列を含む染色体又はその断片に相補的な配列を有する核酸、増幅した核酸またはその断片に相補的な配列を有する核酸、などが挙げられる。
したがって、本発明において、核酸増幅方法とは、前述のような、核酸の増幅に応じて発する蛍光が変化するPCR試料を用い、さらに核酸増幅装置がキャピラリチューブなどに含まれるPCR反応液の蛍光を検出する手段を備えていることによって、核酸の増幅と同時に、あるいは核酸の増幅後に連続して、増幅した核酸を検出する方法をも包含する。
酸が飛散し、他の患者などに由来する検体のコンタミネーションが起こる可能性を極めて低くすることができる。
化学反応後の反応液の飛散を防ぐ観点から、フィルターは、ピペットチップにおいて溶液を保持する部分と、上記分注機構に装着される際に分注機構に接する部分との間に位置することが好ましい。また、フィルターは疎水性フィルターであることが好ましく、飛沫だけでなく、エアゾールの通過をも阻止し得る疎水性フィルターであることがより好ましい。このようなフィルターはとしては、従来公知の方法にて作製することが可能であるが、例えば、ポリエチレン製の基材からなる、フィルター孔の大きさが平均約20ミクロンのフィルターを用いれば、エアゾールの通過によるコンタミネーションを好適に防止し得る。
切断した場合の切り口の大きさが該底面からの距離によらず一定)とした場合の反応容器の外観を示す。
本発明の反応容器はこれらの化学反応に用いることもできる。
本発明は、簡易な操作で確実に核酸増幅反応液の飛散を防ぐことができ、自動化が容易であり、簡易な構造の核酸増幅装置でコンタミネーションを予防することが可能な核酸増幅方法を提供することを目的の一つとする。したがって、本発明において、核酸増幅方法とは、前述のような、核酸の増幅に応じて発する蛍光が変化するPCR試料を用い、さらに核酸増幅装置がキャピラリチューブなどに含まれるPCR反応液の蛍光を検出する手段を備えていることによって、核酸の増幅と同時に、あるいは核酸の増幅後に連続して、増幅した核酸を検出する方法をも包含する。
図4は実施例1−3で用いた核酸増幅容器の一例を示している。図4(A)は核酸増幅容器を側面から見た図、図4(B)は核酸増幅容器を導入部の上方より見た図、図4(C)は核酸増幅容器を反応部の底から見た図である。反応部の内部の形状は四角柱をしており、その四角柱の底面の形状は正方形である。この内部の四角柱の長さをL、底面の正方形の一辺の長さをaとする。また反応部の外側の形状も四角柱の形状をなし、その外側の四角柱の底面の形状も正方形である。この外側の四角柱の底面の一辺の長さをbとする。これらにより容積(V)、表面積(S)、容積に対する表面積の比(S/V)、肉厚を求めることができる。例えば、L=20.00mm、a=1.00mm、b=1.8mmであれば、下記のように算出される。
容積(V)=a×a×L=20.00mm3
表面積(S)=a×a+a×L×4=81.00mm2
容積に対する表面積の比(S/V)=S/V=81.00/20.00=4.05mm−1
肉厚=(b−a)/2=(1.8−1.00)/2=0.40mm
(温度データの測定)
PCR反応容器には、上記実施の形態で説明した核酸増幅容器(以下、「本発明の核酸増幅容器」と表記する)と、比較のため、従来品であるガラス製キャピラリー(ロシュ・ダイアグノスティクス社製、品番11909339001)を用いた。なお、本発明の核酸増幅容器については、容器16を用いた。
記録した温度変化のデータを、温度測定記録装置専用の解析ソフトウェア(東亜電波工業株式会社製、JULILOG2)を用いて解析した。その結果を図5に示す。図5は本実施例におけるPCRサイクル中の温度変化を示す図であり、(A)は本発明の核酸増幅容器内の溶液温度の測定結果を示し、(B)はガラス製キャピラリー内の溶液温度の測定結果を示し、(C)は核酸増幅装置の熱媒(空気)温度の測定結果を示す。
検出〕
(CYP2C19遺伝子を検出するプライマーの合成)
まず、正鎖プライマー及び逆鎖プライマーを合成した。
PCRに供するサンプルとして、ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法によって得たDNA溶液(以下、「サンプル」と表記する)を用いた。
PCR反応後、それぞれの反応容器からPCR反応液5μlを回収した。次に、回収したPCR反応液を、3%アガロースゲルによる電気泳動に供した。電気泳動では、100Vの電圧を印加して、60分間行なった。その結果を図6に示す。図6は本実施例における電気泳動の結果を示す図であり、レーン1〜4は本発明の核酸増幅容器を用いたPCRの結果を示し、レーン5〜8はガラス製キャピラリーを用いたPCRの結果を示す。また、レーン1及び5は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が100ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン2及び6は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が10ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン3及び7は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が1ngとしたPCR反応液を用いた結果を示す。また、レーン4及び8は比較のためサンプルの代わりに水を混合したPCR反応液を用いた結果を示す。
◎ : ガラス製キャピラリーより非常に良好
○ : ガラス製キャピラリーより良好
△ : ガラス製キャピラリーと同等の性能
× : ガラス製キャピラリーより不良
容器には、上記実施の形態で説明した核酸増幅容器(以下、「本発明の核酸増幅容器」と表記する)と、比較のため、従来品であるガラス製キャピラリー(ロシュ・ダイアグノスティクス社製、品番11909339001)を用いた。なお、本発明の核酸増幅容器については、容器16を用いた。
図11は実施例4−7で用いた反応容器の一例を示している。図11(AI)は反応容器を側面から見た図、図11(AII)は反応容器にピペットチップを収納したところを側面から見た図、図11(B)は反応容器を収納部の上方より見た図、図11(C)は反応容器を反応部の底から見た図である。収納部の開口部の形状は、実施例4−7でフィルター付きピペットチップとして用いたLTSエアゾール耐性チップ(レイニン・インスツルメント社製、品番RT−L10F)の形状に合わせ、開口部の内径c=5.6mmとした。また、反応部の内部の形状は四角柱をしており、その四角柱の底面の形状は正方形である。この内部の四角柱において、反応容器にピペットチップが収納され、溶液が充填された場合に、反応の前後あるいは反応中に、当該ピペットチップに溶液が接触しないような、最高位の液面位置から上記底面までの長さをLとする。また、内部の四角柱において、底面の正方形の一辺の長さをaとする。また反応部の外側の形状も四角柱の形状をなし、その外側の四角柱の底面の形状も正方形である。この外側の四角柱の底面の一辺の長さをbとする。これらにより、溶液をピペットチップに接触しない状態で充填可能な最大の溶液量、すなわち容積(V)、表面積(S)、容積に対する表面積の比(S/V)、肉厚を求めることができる。例えば、L=20.00mm、a=1.00mm、b=1.8mmであれば、下記のように算出される。
容積(V)=a×a×L=20.00mm3
表面積(S)=a×a+a×L×4=81.00mm2
容積に対する表面積の比(S/V)=S/V=81.00/20.00=4.05mm−1
肉厚=(b−a)/2=(1.8−1.00)/2=0.40mm
なお、液面とピペットチップ間の距離は、前述のように接触しなければいいので特に限定はしないが、1mm以上であればよく、好ましくは2mm以上であり、特に好ましくは3mm以上である。液面とピペットチップ間の距離の上限については、ピペットチップに溶液が接触しなければいいので、特に上限を設ける必要はなく、下限の説明だけで十分である。
(温度データの測定)
反応容器には、上記実施の形態で説明した反応容器(以下、「本発明の反応容器」と表記する)と、比較のため、従来品であるガラス製キャピラリー(ロシュ・ダイアグノスティクス社製、品番11909339001)を用いた。なお、本発明の反応容器については、容器16を用いた。
記録した温度変化のデータを、温度測定記録装置専用の解析ソフトウェア(東亜電波工業株式会社製、JULILOG2)を用いて解析した。その結果を図12に示す。図12は本実施例における当該サイクル中の温度変化を示す図であり、(A)は本発明の反応容器内の溶液温度の測定結果を示し、(B)はガラス製キャピラリー内の溶液温度の測定結果を示し、(C)は核酸増幅装置の熱媒(空気)温度の測定結果を示す。
検出〕
(CYP2C19遺伝子を検出するプライマーの合成)
まず、正鎖プライマー及び逆鎖プライマーを合成した。
PCRに供するサンプルとして、ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法によって得たDNA溶液(以下、「サンプル」と表記する)を用いた。
PCR反応後、それぞれの反応容器からPCR反応液5μlを回収した。次に、回収したPCR反応液を、3%アガロースゲルによる電気泳動に供した。電気泳動では、100Vの電圧を印加して、60分間行なった。その結果を図13に示す。図13は本実施例における電気泳動の結果を示す図であり、レーン1〜4は本発明の核酸増幅容器を用いたPCRの結果を示し、レーン5〜8はガラス製キャピラリーを用いたPCRの結果を示す。また、レーン1及び5は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が100ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン2及び6は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が10ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン3及び7は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が1ngとしたPCR反応液を用いた結果を示す。また、レーン4及び8は比較のためサンプルの代わりに水を混合したPCR反応液を用いた結果を示す。
◎ : ガラス製キャピラリーより非常に良好
○ : ガラス製キャピラリーより良好
△ : ガラス製キャピラリーと同等の性能
× : ガラス製キャピラリーより不良
容器には、上記実施の形態で説明した反応容器(以下、「本発明の反応容器」と表記する)と、比較のため、従来品であるガラス製キャピラリー(ロシュ・ダイアグノスティクス社製、品番11909339001)を用いた。なお、本発明の反応容器については、容器16を用いた。
本発明における化学反応の一例として、CYP2C19遺伝子を対象とするPCRにおいて、核酸増幅反応が十分に行われた場合に、核酸増幅反応中または核酸増幅反応後に、増幅核酸断片がピペットチップに内蔵されたフィルターを通過して容器外に放出され、コンタミネーションの原因となる可能性があるかを検討した。
(CYP2C19遺伝子を検出するプライマーの合成)
実施例5に記載のプライマーを使用した。
PCRに供するサンプルとして、ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法によって得たDNA溶液を用いた。ヒト白血球として、4種類の個体から得たものを用い、DNA溶液を4種類調製した(以下、「サンプルA」、「サンプルB」、「サンプルC」、「サンプルD」と表記する)。
いた。PCRの温度条件は、94℃で2分間静置した後、94℃で0秒、65℃で0秒を50サイクル行なった。
RapidCycler2による増幅反応の終了後、上記フィルターの上部に置いた水の全量を採取し、それぞれサンプルとして、PCRを行なった。PCR反応液は、全量を50μlとして、正鎖プライマー 10pmol、逆鎖プライマー 10pmol、KOD plus DNAポリメラーゼ(東洋紡社製、品番KOD−201)、KOD plus DNAポリメラーゼに添付の×10緩衝液 5μl、2mM dNTP 5μl、25mM MgCl2 2μlおよび各サンプルを混合し、残部は水とした。
PCR反応後、それぞれの反応容器からPCR反応液5μlを回収した。次に、回収したPCR反応液を、3%アガロースゲルによる電気泳動に供した。電気泳動では、100Vの電圧を印加して、60分間行なった。その結果を図14に示す。図14は本実施例における電気泳動の結果を示す図であり、レーン1、3、5、7はRapidCycler2を用いた増幅、すなわちガラス製キャピラリーの内部で増幅したPCRの結果を示し、レーン2、4、6、8はGeneAmp9700を用いた増幅、すなわちRapidCycler2を用いた増幅の際にフィルターの上部に置いた水をサンプルとしたPCRの結果を示す。また、レーン1および2はサンプルAを用いたPCRの結果を示し、レーン3および4はサンプルBを用いたPCRの結果を示し、レーン5および6はサンプルCを用いたPCRの結果を示し、レーン7および8はサンプルDを用いたPCRの結果を示す。
検出〕
(CYP2C19遺伝子を検出するプライマーの合成)
まず、正鎖プライマー及び逆鎖プライマーを合成した。
PCRに供するサンプルとして、ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法によって得たDNA溶液(以下、「サンプル」と表記する)を用いた。
装着物を3000rpmで5秒間遠心することで、PCR反応液をガラス製キャピラリーの底に移動させた。
PCR反応後、それぞれの反応容器からPCR反応液5μlを回収した。次に、回収したPCR反応液を、3%アガロースゲルによる電気泳動に供した。電気泳動では、100Vの電圧を印加して、60分間行なった。その結果を図16に示す。図16は本実施例における電気泳動の結果を示す図であり、レーン1〜4は本発明の核酸増幅方法の結果を示し、レーン5〜8はガラス製キャピラリーに添付のキャップを用いたPCRの結果を示す。また、レーン1及び5は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が100ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン2及び6は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が10ngとしたPCR反応液を用いた結果を示し、レーン3及び7は、調製したPCR反応液25μl当たりのDNAの溶解量が1ngとしたPCR反応液を用いた結果を示す。また、レーン4及び8は比較のためサンプルの代わりに水を混合したPCR反応液を用いた結果を示す。
CYP2C19遺伝子を対象とするPCRを例として、本発明において核酸増幅反応が十分に行われた場合に、核酸増幅反応中または核酸増幅反応後に、増幅核酸断片がチップに内蔵されたフィルターを通過して容器外に放出され、コンタミネーションの原因となる可能性があるかを検討した。
(CYP2C19遺伝子を検出するプライマーの合成)
実施例8に記載のプライマーを使用した。
PCRに供するサンプルとして、ヒト白血球からフェノール・クロロフォルム法によって得たDNA溶液を用いた。ヒト白血球として、2種類の個体から得たものを用い、DNA溶液を4種類調製した(以下、「サンプルA」、「サンプルB」、「サンプルC」、「サンプルD」と表記する)。
RapidCycler2による増幅反応の終了後、上記フィルターの上部に置いた水の全量を採取し、それぞれサンプルとして、PCRを行なった。PCR反応液は、全量を50μlとして、正鎖プライマー 10pmol、逆鎖プライマー 10pmol、KOD plus DNAポリメラーゼ(東洋紡社製、品番KOD−201)、KOD plus DNAポリメラーゼに添付の×10緩衝液 5μl、2mM dNTP 5μl、25mM MgCl2 2μlおよび各サンプルを混合し、残部は水とした。
PCR反応後、それぞれの反応容器からPCR反応液5μlを回収した。次に、回収したPCR反応液を、3%アガロースゲルによる電気泳動に供した。電気泳動では、100Vの電圧を印加して、60分間行なった。その結果を図17に示す。図17は本実施例における電気泳動の結果を示す図であり、レーン1、3、5、7はRapidCycler2を用いた増幅、すなわちガラス製キャピラリーの内部で増幅したPCRの結果を示し、レーン2、4、6、8はGeneAmp9700を用いた増幅、すなわちRapidCycler2を用いた増幅の際にフィルターの上部に置いた水をサンプルとしたPCRの結果を示す。また、レーン1および2はサンプルAを用いたPCRの結果を示し、レーン3および4はサンプルBを用いたPCRの結果を示し、レーン5および6はサンプルCを用いたPCRの結果を示し、レーン7および8はサンプルDを用いたPCRの結果を示す。
101 図2および図4においては「導入部」、図9および図11においては「収納部」
102 図2および図4においては「反応部」、図9および図11においては「反応部」
103 図2および図4においては「反応部底面」、図9および図11においては「反応部底面」
200 図11において「ピペットチップ」
201 図11において「フィルター」
Claims (13)
- 核酸の増幅に応じて発する蛍光が変化するPCR試料を用い、該試料中の核酸を増幅し、かつ、増幅反応液の蛍光を検出するための容器であって、
少なくとも、(A)高分子材料からなり前記核酸の増幅反応を行なうための反応部と、(B)該反応部と同一の材料からなり前記試料を受け入れるための導入部と、(C)ピペットチップの吸入吐出口部位を嵌合する形態で収納できる収納部とを有し、該(A)(B)および(C)が一体的に形成されており、
前記反応部は、
底面の形状が正方形であり、
前記反応部の容積に対する表面積の比は4mm−1以上であり、該容積は0.1ml以下であり、
前記反応部の側面における平面状または曲面状の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であり、
前記導入部は、
前記反応部と流動性連通を有し、
前記導入部の容積に対する表面積の比は4mm−1未満であり、該容積は前記反応部の容積より大きいことを特徴とする容器。 - 高分子材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
- ピペットチップがフィルター付きピペットチップであることを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
- フィルターが疎水性フィルターであることを特徴とする請求項3に記載の容器。
- 核酸の増幅に応じて発する蛍光が変化するPCR試料を用い、該試料中の核酸を増幅し、かつ、増幅反応液の蛍光を検出するための方法であって、容器として、
少なくとも、(A)高分子材料からなり前記核酸の増幅反応を行なうための反応部と、(B)該反応部と同一の材料からなり前記試料を受け入れるための導入部と、(C)ピペットチップの吸入吐出口部位を嵌合する形態で収納できる収納部とを有し、該(A)(B)および(C)が一体的に形成されており、
前記反応部は、
底面の形状が正方形であり、
前記反応部の容積に対する表面積の比は4mm−1以上であり、該容積は0.1ml以下であり、
前記反応部の側面における平面状または曲面状の側面の部分の肉厚が0.5mm以下であり、
前記導入部は、
前記反応部と流動性連通を有し、
前記導入部の容積に対する表面積の比は4mm−1未満であり、該容積は前記反応部の容積より大きい容器を使用することを特徴とする核酸増幅方法。 - 少なくとも下記(a)および(b)の工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の核酸増幅方法。
(a)着脱可能なチップに、核酸増幅反応のための溶液を保持させる
(b)前記溶液を保持したチップを核酸増幅容器に装着する - (a)の工程において、着脱可能なチップへの溶液の保持が、該チップを介して溶液を吸引および吐出することが可能な分注機構を用いて、該チップに該溶液を吸引することにより行なわれることを特徴とする請求項6に記載の核酸増幅方法。
- (b)の工程において、溶液を保持したチップの核酸増幅容器への装着が、該チップを分注機構から取り外すことなく行なわれることを特徴とする請求項7に記載の核酸増幅方法。
- チップがフィルターを内蔵してなり、該フィルターは、該チップにおいて溶液を保持する部分と、分注機構に装着される際に該分注機構に接する部分との間に位置することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の核酸増幅方法。
- さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の核酸増幅方法。
(c)前記チップを分注機構から取り外す
(d)前記チップに保持した溶液を核酸増幅容器の底部に移動させる - さらに、下記(c)および(d)の工程を含むことを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の核酸増幅方法。
(c)前記チップに保持された溶液に空気圧を与え、核酸増幅反応のための溶液を該核酸増幅容器の底部に移動させる
(d)前記チップを分注機構から取り外す - 試料が蛍光体または発光体を含有することを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載の核酸増幅方法。
- さらに試料から発せられる光を検出することを特徴とする請求項5から12のいずれかに記載の核酸増幅方法。
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