JP2006242612A - 生体サンプル判別用プレート - Google Patents

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一芳 森
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Abstract

【課題】 流路に充填された緩衝剤中で生体サンプルを移動させた際の輸送反応の検出 時に、短時間で正確かつ高感度な検出結果が得られ、取り扱いも容易で且つ小型で軽量 、安価な生体サンプル判別用プレートを提供する。
【解決手段】 濃縮部30に示すようにサンプル定量部27から流路13にかけて徐々 に細くなっている。すなわち、流路断面積がサンプル定量部27から流路13に向かっ て減少する構成となっている。この濃縮部30においてDNAサンプルは移動しながら 濃縮されていく。
【選択図】 図6

Description

本発明は、DNAやタンパクその他の生体サンプルを緩衝剤中で移動させ、その輸送反応を検出して生体サンプルを判別する生体サンプル判別用プレートに関する。
一般的な生体サンプルを考えた場合、大きくはDNA、RNAおよびタンパク質が存在している。そして、近年、分子生物学の急速な進展によって、様々な疾患において遺伝子の関与がかなり正確に理解されるようになり、遺伝子をターゲットにした医療に注目が集まるようになってきている。
DNAに関しては、現在SNPs(single nucleotide polymorphismsの略で「1塩基多型」と一般に訳されており、遺伝子における1暗号(1塩基)の違いの総称である。)が注目されている。その理由としては、SNPsの分類により、多くの疾患に対する罹患率や各個人の薬剤に対する効果や副作用をあらかじめ予測でき、さらには、地球上に親子兄弟といえども全く同じSNPsを持つ人間は絶対に存在しないことから個人の完全な特定ができると考えられているからである。
現在SNPsを調べる方法としては、DNAの塩基配列を端から直接読んでいくシーケンシング(塩基配列の決定方法)が最も一般的に用いられている。そして、前記シーケンシングを行う方法としては、いくつかの報告があるが、もっとも一般的に行われているのは、ジデオキシシーケンス法(Sanger法)である。なお、シーケンシングは、このSanger法を含め何れの方法においても、分離能の高い変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動か、キャピラリー電気泳動によって1塩基の長さの違いを分離・識別する技術が基になって成り立っている。そして、このようなシーケンシングによるSNPsの解析は、ターゲットとする遺伝子を単離した後、増幅・精製し、遺伝子の塩基配列決定法(装置)を用いて、目的遺伝子の塩基配列を読むことによって行なうものであるため、実験に膨大な作業量と時間、さらには多大のランニングコストを要し、また、その際に使用する塩基配列決定のための自動化装置は、非常に高価で、大きなスペースを占有し、高価な試薬を大量に必要とするという問題を有している。
こうした問題点は、アフィニティキャピラリー電気泳動によってDNAを分離する方法を用いればほぼ解決できる。アフィニティキャピラリー電気泳動は、分子間親和力、とくに生態系における特異的親和力(DNAとそれを相補するDNA、DNAとそのDNAから転写されたRNA、酵素と基質、抗原と抗体の親和力等)を利用して分離に特異性を持たせるものであり、具体的には、キャピラリー内の泳動溶液に、相互作用する二成分のうちの一方を添加しておき、他方の成分を電気泳動させると、試料混合物中で相互作用する分子種だけが移動速度に変化を生じることに着目して分析を行うものである(例えば、特許文献1参照)。
一方、タンパク質は、細胞、組織、生体液中に存在し、生体活動の調節、細胞へのエネルギー供給、重要な物質の合成、生物構造体の維持、さらには細胞間でのコミュニケーションや細胞内情報伝達に関与している。現在では、タンパク質が様々な環境や、相互作用する他のタンパク質の存在、タンパク質が受けた修飾の程度や種類に応じて、複数の機能を有することが明らかになってきている。
タンパク質は、20種類のアミノ酸が遺伝子の指示(配列情報)により順番につながることでつくられており、その種類は数千万種と言われるが、その遺伝子の配列がわかれば、どのアミノ酸がどういう順番でつながってできているかの情報を得ることができる。生物の遺伝子(ゲノム)から作られるタンパク質の一そろいのセットは、プロテオームと呼ばれるが、ヒトゲノムの塩基配列解読が終わった今、プロテオームの解析が盛んに進められている。
そして、このようなタンパク質の機能解析研究としては、同定やキャラクタリゼーションのみならず、生化学アッセイやタンパク質間相互作用研究、タンパク質ネットワーク、または細胞内外のシグナリング解明なども行っていく必要がある。このタンパク質機能の研究には、多方面の技術が使用され、酵素アッセイ、酵母 two−hybrid アッセイ、クロマトグラフィーによる精製、情報ツールとデータベース等があるが、特に、電気泳動によるたんぱく質の判別は重要な手法である。そして、電気泳動のように、キャピラリー内のサンプル、分析物、緩衝材、及び試薬等の液体を移動させた際に得られる輸送反応を検出して、該サンプルの分析、判別、判定等を行う場合の前記液体の輸送及び方向付けに関しては、さまざまな報告がある(例えば、特許文献2〜特許文献5)。
特開平7−311198号公報 特表2000−513813号公報 特表2001−523341号公報 特表2000−514928号公報 特開2003−28883号公報
上述したように生体サンプルの分析においては、キャピラリー電気泳動装置を利用した方法が広く使われている。実際に輸送反応を行なう部分であるキャピラリーは、外形300ミクロン、内径100ミクロン程度のガラス管が使用される例が多く、折れにくくするために表面はポリイミド等でコーティングされている。
そして、内部試料を検出する場合は、試料自体もしくは試料に修飾した物質の蛍光や吸光度により行なうためコーティングを焼いたり薬品で溶かすなどして一部剥ぎ取る。
しかしながら、この時、コーティングを剥いだ部分は折れやすくなり取り扱いに十分注意する必要がある。折れた場合はなお危険である。
またキャピラリー内への試料注入は、加圧や吸引、落差法などが用いられるが、時間で制御するためキャピラリー内に存在する緩衝剤の粘度により注入量が異なるという問題がある。
以上のような問題を解決するため最近では、キャピラリーとなる流路を形成した樹脂などのプレートがある。特許文献4、特許文献5に記載の方法では、複数のキャビラリーチャンネルを交差させ、且つ少なくとも3つ電極を設けて、該少なくとも3つ設けられた電極のうちの2つの電極に印加して、前記交差部を通して前記試料を移動させているが、この方法では、流路が交差していることから、試料を電気泳動させる際に試料が薄まる可能性があることから、検出感度が低下するという問題がある。
キャピラリーによる電気泳動においても、試料が注入された時キャピラリー内の緩衝液と拡散し、濃度が落ち検出感度が低下するという問題点がある。
また試料の初期濃度が低い場合は、感度が低下により検出自体が困難となる場合もある。
本発明は、流路に充填された緩衝剤中で生体サンプルを移動させた際の輸送反応の検出時に、短時間で正確かつ高感度な検出結果が得られ、取り扱いも容易で且つ小型で軽量、安価な生体サンプル判別用プレートを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の生体サンプル判別用プレートは、生体サンプルを緩衝剤中で移動させた際に得られる輸送反応を検出して該生体サンプルの判別を行う生体サンプル判別用プレートにおいて、生体サンプルが流れる第1の流路と、緩衝剤が流れる第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との合流部分に一定体積の生体サンプルを保持するサンプル定量部と、を設け、前記サンプル定量部と前記第2の流路との接続部分における流路のうち前記サンプル定量部から前記第2の流路へ前記生体サンプルが流れる流路、の流路断面積が前記サンプル定量部からの距離に比例して減少することを特徴とする。
これにより、生体サンプル判別用プレートにおいて低濃度の生体サンプルを濃縮させながら輸送反応を行なうことができる。したがって、従来検出不可能であった濃度のサンプルでも本発明による生体サンプル判別プレートを使用することにより検出可能となる。
さらに、前記サンプル定量部が複数の部分からなり、前記生体サンプルが前記複数の部分から前記流入流路へ流れることを特徴とする。
これにより、複数の部分に保持された生体サンプルを濃縮させながら輸送反応を行うことができる。
さらに、前記第2の流路が複数の流路からなることを特徴とする。これにより、緩衝剤が流れる複数の流路に生体サンプルを流して濃縮させながら輸送反応を行うことができる。
(実施例1)
以下、図1〜図7を用いて、本実施例1における生体サンプル判別用プレートについて説明する。
本発明は、生体サンプルを緩衝剤中で移動させて、生物学的、酵素的、免疫学的、及び化学的反応を行い生体サンプルを容易かつ安価に精度よく短時間で判別することを実現するものである。
なお、本実施例1では、説明を具体的にするために、生体サンプルがDNAサンプルで、緩衝剤が分離用DNAコンジュゲート及びDNA結合制御剤を含むものであるとし、本生体サンプル判別用プレートが、流路中に充填させた分離用DNAコンジュゲート中に、定量されたDNAサンプルを添加して電気泳動させ、流路中の蛍光度あるいは吸光度を検出して、DNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するものとする。
まず、図1〜図5を用いて、本実施例1における生体サンプル判別用プレートの構成について説明する。
図1は、本実施例1における生体サンプル判別用プレートの流路形成面からみた図である。図2は、本実施例1における生体サンプル判別用プレートの試料注入面からみた図である。
本実施例1における生体サンプル判別用プレート1の外形は8センチ四方の正方形で4角のうち3角はRが設けられ、残りの1角は他3角と形状を異なるように形成し、更に穴3および4を設けて外形を非対称にして流路パターン(以下、「パターン」という)の場所を特定できるようにしている。材料はアクリル系の樹脂を使用し、外形は40mm四方で厚みは2mmである。流路形成面には溝が形成されさらに厚さ50μmのアクリル製フィルムを溶着することで密閉流路が形成されている。
生体サンプル判別用プレート1への試料の注入は、ピペッター等によりDNA注入口7、緩衝剤注入口8から行なう。電圧印加部9および電圧印加部10は電気泳動を行なわせる電圧を印加する部分である。
図3は、図1に示す生体サンプル判別用プレート1に形成されたパターン2の詳細形状を示す図である。ここで、パターン2は、生体サンプルの判別に用いる微小な幅と深さを持つ溝によって形成された微細な流路からなる。この生体サンプル判別用プレート1には、図3に示すパターン2が8個放射方向に形成されており、同時に8検体のDNA判別が可能である。
本実施例1における流路の深さは50μmで、幅は100〜300μmからなる。
ただし、サンプル注入部11、緩衝剤注入部12、サンプルチャンバー部17、サンプル保持部20、バッファ部21およびオーバーフロー部24は深さ1.5mmであり、サンプル注入口7と緩衝剤注入口8は試料注入面から各試料が注入できるように貫通している。更に、負電極部9と正電極部10も試料注入面から電圧が印加できるように貫通している。
次に、図3に示すパターンについて説明する。
正電極部10は正電極の挿入部であり、負電極部9は負電極の挿入部である。これらは流路13、流路22およびサンプル定量部15を介して接続されており、さらには、各電極部ともに流路25により緩衝剤注入部12ともそれぞれ接続されている。また緩衝剤注入部12から充填された緩衝剤が正電極部10および負電極部9で一定量を超えた場合、オーバーフローにより余分な量を排出するようにオーバーフロー部24が設けられている。
サンプル保持部20は、流路18と流路19によりサンプルチャンバー部17と接続されているが、流路18は細く、流路19は流路18に比べ太い。本実施例1では、流路18の幅が100μmに対し、流路19の幅は200μmである。
バッファ部21は、流路14、流路18、流路19によりサンプルチャンバー部17、サンプル保持部20とそれぞれ接続されている。
サンプル定量部15は流路13と流路22との合流部分に設けられており、DNAサンプルを定量する。
サンプル定量部15に定量化されたDNAサンプルが、負電極部9と正電極部10間に電圧を印加することにより緩衝剤で満たされた流路13中を移動することになる。
サンプル定量部15と流路13との関係であるが、サンプル定量部15から流路13にかけて徐々に細くなっており、電気泳動した場合DNAサンプルが濃縮される構造になっている。
そして流路13中へ濃縮されたDNAサンプルが供給され緩衝剤との結合力の差により正常型DNAと変異型DNAの泳動速度に差が生じ高感度なSNPsの判別が行なえる。
電圧の印加方法については、試料注入面に導電性のフィルムを貼り付け、負電極部9に対して正電極部10に正電圧を印加する方法や、アクリルやPETなどのフィルムを試料注入面に貼り付けて先端が鋭利な針状電極により突き破り挿入して電圧を印加する方法などがある。
それでは、以下、前述したDNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するまでの具体的操作および動作の一例を図3を利用して説明する。
まず、検体となるDNAサンプルを準備する。
本来DNAは2本鎖の螺旋構造をしたものであるが、本実施例1においては、判別したいSNPs部位を含む約60塩基長の1本鎖DNAを準備する。
抽出方法や1本鎖化については本発明とは直接関係がないので詳細な説明は省略する。
次に、緩衝剤としてDNAコンジュゲートを準備する。
DNAコンジュゲートとは、6〜12塩基長1本鎖DNAの5’末端に高分子のリニアポリマーが共有結合したものである。さらにDNAは、正常型に対しては相補であるが変異型に対しては相補ではない配列であり、正常型DNAに対しての結合力が強く、変異型DNAに対しての結合力が弱い特性がある。また、電気泳動した場合、5’末端に結合したリニアポリマーがおもりとなり泳動速度がかなり遅いという特性もある。
以後に記述する「DNAコンジュゲート」とは、電解質の役目もするpH緩衝剤およびMgCl?などのDNA結合力制御剤を含んだ物性とする。
試料の準備が終わったところで、DNAコンジュゲートおよびDNAサンプルをプレート1内へ注入する。DNAコンジュゲートはピペッター等により定量を緩衝剤注入口8より緩衝剤注入部12へ分注する。DNAサンプルも同様に定量をサンプル注入口7よりサンプル注入部11へ分注する。
分注量としては、パターンのスケールにより異なるが本実施例1においては、DNAコンジュゲートは18マイクロリットル、DNAサンプルは2マイクロリットルとする。
次に、モータ等に生体サンプル判別用プレート1を固定し、プレートの重心である穴3を軸に回転させる。この時、分注されたDNAコンジュゲートとDNAサンプルは、遠心力により外周方向へと移動する。
緩衝剤注入部12内のDNAコンジュゲートは流路25による正電極部12と負電極部13へ等分され正電極部12へ移動したDNAコンジュゲートはさらに流路13を通りサンプル定量部15まで移動する。負電極部9へ移動したDNAコンジュゲートも同様に流路22を通りサンプル定量部15まで移動する。回転開始から2分後のサンプル定量部15周辺の状態を図4に示す。
DNAコンジュゲート31は、図示していないが正電極部10および負電極部9の7割程度まで充填されており、流路13および流路22を満たしている。
この時、DNAサンプルはサンプルチャンバー部17とサンプル保持部20およびそれらをつなぐ流路中に存在している。この時サンプル保持部20内は、DNAサンプルが遠心力により注ぎ込まれ、更には空気抜き用の流路や穴がないため大気圧より高い状態で保たれている。
そして、回転を急停止する(例えば、2秒で4000rpmより停止まで)。
続いて、図5に示すようにサンプル保持部20内にあったDNAサンプルが遠心力がなくなることによりサンプル保持部20内が大気圧になるまで流路19方向へ逆流し、一部サンプルチャンバー部17へ、その他はサンプル定量部15まで到達する。
その時、サンプル定量部15においてDNAサンプルとDNAコンジュゲートが接触する。このとき、チャンバー部21へ移動するDNAサンプルも多少存在する。
次に、生体サンプル判別用プレート1を中速にて数秒間もう一度回転させる。そして停止させるが減速を緩やかにすることが重要である。停止後の状態を図6に示す。
サンプル定量部15に一定量のDNAサンプルを残し、周辺の余分なDNAサンプルが再度サンプル保持部20やサンプルチャンバー部17へ戻る。しかしながら停止しても回転速度と停止減速が緩やかなためサンプル定量部15へ再逆流することはない。
サンプル定量部15に残存したDNAサンプルは他のDNAサンプルに対して電気的にも絶縁された状態である。
以上の動作で、サンプル定量部15に残存したサンプルDNAがSNPsの判別を行なう最終試料となる。
次に、電気泳動を行なう。電気泳動は、正電極部10に正電極、負電極部9に負電極を挿入し、数百Vの電圧を印加する。すると、流路13、流路22さらにはサンプル定量部15において電界が発生し、サンプル定量部15に一定量残存したDNAサンプルは、流路13中を正電極側(図6中、A方向)へ泳動する。
この時、図6中の濃縮部30に示すようにサンプル定量部27から流路13にかけて徐々に細くなっている。すなわち、流路断面積がサンプル定量部27から流路13に向かって減少する構成となっている。この濃縮部30においてDNAサンプルは移動しながら濃縮されていくのである。
濃縮されていく状態を図7の(1)〜(3)に示す。
図7は電気泳動開始初期の状態で、(1)は電圧印加10秒後、(2)は20秒後、(3)は30秒後のDNAサンプル28の状態である。徐々にDNAサンプル28が流路13へ移動する様子がわかる。ある体積の部分からDNAサンプルのみが狭い流路へ移動するため濃縮される現象が起きる。つまり検出が困難なほどの低濃度のDNAサンプルであっても流路13へ達したときは、濃縮され検出が容易になる。
そして流路13中にはDNAコンジュゲートが充填されており、濃縮されたDNAサンプルはDNAコンジュゲートとの結合を繰り返しながら電気泳動する。この時、上述したようにDNAサンプル中の正常型DNAはDNAコンジュゲートとの結合力が強いため泳動速度が遅くなり、変異型DNAは結合力が弱いため正常型に比べ泳動速度は速くなる。つまりDNAサンプル中に正常型、変異型両方が存在した場合は、正常型のDNAと変異型のDNAが分離していくこととなり、SNPsの判別が行なえる。
DNAの検出は、蛍光標識(FITC)を修飾したDNAを470nmの光で励起し、520nm付近の光検出により行なった。DNAの検出は、260nmの吸光度により行なってもよい。
以上のように、本実施例1によれば、生体サンプル判別用プレート1上においてサンプル定量部15から泳動流路13にかけて濃縮部30をもうけた。そして回転動作のみによってサンプル定量部15にDNAサンプルを一定量保持し、正電極部12と負電極部13と流路13によって電気泳動できるような構成とした。さらには、電気泳動する流路14を円弧状としたことで、細胞や血液等から特定のDNAを取り出したDNAサンプルを本生体サンプル判別用プレートにおいて測定する際に、濃度の低いDNAサンプルであっても極めて高感度な検出結果を得ることが可能となる。
(実施例2)
以下、図8〜図11を用いて、本実施例2における生体サンプル判別用プレートについて説明する。
本発明は、生体サンプルを緩衝剤中で移動させて、生物学的、酵素的、免疫学的、及び化学的反応を行い生体サンプルを容易かつ安価に精度よく短時間で判別することを実現するものである。
なお、本実施例2でも、実施例1と同様の原理を用いてDNAサンプルのSNPs(一塩基多型)の有無を判別するものとする。
図8は、本実施例2における生体サンプル判別用プレートの流路形成面からみた図であり、本実施例2における生体サンプル判別用プレート41の構成について説明する。
本実施例2における生体サンプル判別用プレート41の外形は、30mm×50mmで厚さは2mmである。生体サンプルが流れる流路45、緩衝剤が流れる流路46が形成された面には更に厚さ50μmの透明フィルムが溶着されている。
バッファ部41〜44は全て貫通穴であり片面のみ上述したフィルムにより密閉されている。
流路45によりバッファ部43とバッファ部44が接続され、流路46によりバッファ部41とバッファ部42が接続されている。更に流路45と流路46は中点にて交差している。
本実施例における流路の深さは50μmで、幅は100〜300μmからなる。
交差した部分でサンプルを定量化するサンプル定量部47が形成されており、サンプル定量部47周辺の拡大図を図9に示す。
図9は、本実施例2における生体サンプル判別用プレートのサンプル定量部周辺の拡大図である。
50(a)、50(b)、50(c)が流路45と流路46との交点であり、流路46が交点付近で3つの流路に分かれているため3箇所存在する。
それでは、本実施例2における生体サンプル判別用プレート41においてSNPs分離実験の手順および動作を図10(1)〜(3)、図11を利用し具体的に説明する。
図10(1)〜(3)、図11は、本実施例2の生体サンプル判別用プレートにおいて電気泳動を開始した後のDNAサンプルの移動状態を示したサンプル定量部周辺の拡大図である。
実施例1と同様にDNAサンプル、DNAコンジュゲートを準備した後、DNAコンジュゲートをバッファ部42より流路45、46へ充填する。充填方法としては加圧などを用いるとよい。次にDNAサンプルをバッファ部44に注入し、バッファ部43およびバッファ部41へDNAコンジュゲートを注入する。以上で試料の充填は完了である。
この時のサンプル定量部47周辺の状態が図10(1)である。
流路全体へDNAコンジュゲート51が充填されているのがわかる。
次にバッファ部44に対してバッファ部43へ正電位を印加する。DNAは負に帯電しているため流路45中を正電位であるバッファ部43の方向(B方向)へ電気泳動する。
400Vで3分間電圧を印加した後のサンプル定量部47周辺の状態が図10(2)である。
そして一旦上述した電圧印加を停止し、改めてバッファ部42に対してバッファ部41、43、44に負電位を印加する。すると図10(3)に示すように流路45と流路46との交点付近のDNAサンプル53(a)、53(b)、53(c)が流路46をバッファ部42方向(C方向)へと電気泳動する。
更に電気泳動すると流路46が3本から1本へ収束する部分があり、そこでDNAサンプル53(a)、53(b)、53(c)が交わる。この時の状態が図11であり、図11中のDNAサンプル53の濃度は図10(3)中のDNAサンプル53(a)、53(b)、53(c)それぞれに比べはるかに高くなる。
そして更に電気泳動することで流路46中の緩衝液と反応し正常型と変異型のDNAが
分離する。分離したDNAサンプルは検出部48に達した時に検出されることになる。
以上のように、本実施例2によれば、泳動するDNAサンプルは、定量部を複数個設けることで電気泳動中に濃縮されるので、検出を高感度で行うことができる。
本発明の生体サンプル判別用プレートは、DNAサンプル等の生体サンプルの判別を、安価で、且つ簡便に行えるようにするものとして有用である。
本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートのパターン形成面を示す図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートの試料注入面を示す図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートに形成されるパターンを示す図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートにDNAコンジュゲートとDNAサンプルを充填し、4000rpmにて回転中の各試料の状態を示した図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートにDNAコンジュゲートとDNAサンプルを充填し、4000rpmにて回転後、急停止したときの各試料の状態を示した図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートにDNAコンジュゲートとDNAサンプルを充填し、4000rpmにて回転停止後、再回転した直後の各試料の状態を示した図 本発明の実施例1にかかる生体サンプル判別用プレートに形成されたサンプル定量部にDNAサンプルが充填されて、該DNAサンプルが第1の流路に充填された分離用DNAコンジュゲート中を移動していく様子を示す図 本発明の実施例2にかかる生体サンプル判別用プレートの流路形成面からみた図 本発明の実施例2にかかる生体サンプル判別用プレートのサンプル定量部周辺の拡大図 本発明の実施例2の生体サンプル判別用プレートにおいて電気泳動を開始した後のDNAサンプルの移動状態を示したサンプル定量部周辺の拡大図 本発明の実施例2の生体サンプル判別用プレートにおいて電気泳動を開始した後のDNAサンプルの移動状態を示したサンプル定量部周辺の拡大図
符号の説明
1 生体サンプル判別用プレート
2 パターン
3 回転部固定用穴
4 位置決め穴
5 サンプル定量部
6 試料注入口
7 サンプル注入口
8 緩衝剤注入口
9 負電極部
10 正電極部
11 サンプル注入部
12 緩衝剤注入部
13 流路
15 サンプル定量部
17 サンプルチャンバー部
18 流路
19 流路
20 サンプル保持部
21 バッファ部
22 流路
24 オーバーフロー部
25 流路
27 サンプル定量部
28 DNAサンプル
30 濃縮部
31 円弧部分
40 プレート
41 バッファ部
42 バッファ部
43 バッファ部
44 バッファ部
45 流路
46 流路
47 定量部
48 検出部
50(a) 定量部
50(b) 定量部
50(c) 定量部
A 泳動方向
B 泳動方向
C 泳動方向

Claims (3)

  1. 生体サンプルを緩衝剤中で移動させた際に得られる輸送反応を検出して該生体サンプルの判別を行う生体サンプル判別用プレートにおいて、生体サンプルが流れる第1の流路と、緩衝剤が流れる第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との合流部分に一定体積の生体サンプルを保持するサンプル定量部と、を設け、前記サンプル定量部と前記第2の流路との接続部分における流路のうち前記サンプル定量部から前記第2の流路へ前記生体サンプルが流れる流入流路、の流路断面積が前記サンプル定量部からの距離に比例して減少する、ことを特徴とする生体サンプル判別用プレート。
  2. 前記サンプル定量部が複数の部分からなり、前記生体サンプルが前記複数の部分から前記流入流路へ流れる、ことを特徴とする請求項1記載の生体サンプル判別用プレート。
  3. 前記第2の流路が複数の流路からなる、ことを特徴とする請求項2記載の生体サンプル判別用プレート。
JP2005055545A 2004-11-26 2005-03-01 生体サンプル判別用プレート Withdrawn JP2006242612A (ja)

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