JP5444249B2 - α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの製造方法 - Google Patents

α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの製造方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に援用される2007年12月26日出願の米国仮特許出願第61/008,654号明細書の優先権を主張するものである。
報告されたポリ乳酸(PLA)合成のほとんどは、鏡像異性的に純粋な乳酸(LA)を原材料として使用している。LAの合成用の原材料は再生可能であるので、当該生分解性ポリマーの商業的な生産は確実な地歩をゆっくりと獲得しつつある(非特許文献1)。
それを医療分野で使用する場合、高価格が設定されることもある。しかし(機械的特性がPLAの特性にかなり似ている)ポリスチレンまたは(ボトル用の)ポリエチレンテレフタレートなどの化石燃料由来ポリマーと有利に競合するなら、その生産コストを下げなければならない。
PLAの合成反応は、均一触媒の存在下でのラクチド(LD)の開環重合である(特許文献1)。反応条件は現在よく知られており、製品品質を上げるために、またこの工程でのエネルギー消費を減らすために得られるものはおそらくほとんどない。
対照的に、重要な中間体、環状ジエステルLDのLAからの古典的な製造方法は困難を伴う。
古典的な方法における幾つかの工程は本質的に、以下の説明から明らかであるように、溶液水または縮合反応水を除去することを意図される(低圧下での)一段階蒸発である:
a.− Ca(OH)(またはCaCO)の存在下での、選び抜かれた細菌による選び抜かれた炭水化物の発酵は、乳酸カルシウム(CaLac)の溶液中の細菌の懸濁液の生成をもたらす。
b.− 細菌は、遠心分離または濾過によって分離され、廃棄される(特許文献2)。
c.− 濾液は、石膏(硫酸カルシウム二水和物)の沈澱及び約10重量%の溶液としての乳酸(LA)の遊離をもたらす、硫酸と反応する(特許文献3)。
d.− 当該溶液は、蒸留によって85〜88重量%LAに濃縮される。
e.− 濃縮されたLA溶液は、均一触媒の存在下に、より多くの水が分離される、減圧蒸留塔でプレ重合を受ける。
f.− プレポリマーの分子量は約1000であるにすぎないので、その機械的特性は工業的使用に好適ではない。
g.− プレポリマーは次に、減圧下で、選び抜かれた触媒の存在下にバックバイティング(back−biting)によって解重合され、気相で反応器を出たLDは液体として凝縮するかまたは蒸留塔に直接供給されて(LA、その軽いオリゴマーの幾らか、水、LDの望ましくないエナンチオマーなどと混ざり合った)液体粗LDを生成する(特許文献4)。
h.− 粗LDは、水での液−液抽出、引き続き水溶液からの結晶化によってさらに精製される(特許文献5)。
i.− 遠心分離は、精製されたLDのケーキを生じるが、不純物レベルは依然として余りにも高いので、最後の操作が必要とされる:
j.− 重力流によって不純物を除去するための結露を伴う(with sweating)溶融結晶化。
99.9%までの純度のエナンチオマーL−LDを例えば製造することが可能であるように、全てのこれらの操作はよく知られている。しかしこの長連鎖操作の幾つかの収率はどちらかといえば適度であり、その結果大きい再循環流れが必要とされ、その結果様々な設備機器は大きなエネルギー必要量と共に大きくなる傾向がある。
大きな研究開発努力が古典的なLD製造方法、すなわち、乳酸が原材料と考えられる方法の改善に費やされてきた(非特許文献2)。例えば、液−液抽出法は、LA濃縮のための水蒸発よりエネルギー要求の少ない方法を提供する可能性があるが、微量の溶剤の完全な排除が依然として問題である。乳酸エチルの電気透析などの、より進歩した分離技法は前途有望である。
古典的な方法では、大量の廃棄物(硫酸カルシウム二水和物、すなわち石膏)が生成される。
グリコール酸(GA)などの、他のα−ヒドロキシ酸も同様に、同じ方法によって、かつ、同じ欠点を伴って、対応する環状ジエステルに、それ故にポリ酸(例えば、ポリグリコール酸、PGAにつながるグリコリド)に二量化され得る。
これらの不利な条件にもかかわらず、PLA(及びPGA)は、十分に商品生産物になる可能性がある。したがって、空ボトルなどの大量の廃棄物の廃棄処分またはリサイクルの問題に取り組まなければならない。ある可能性は、約300℃で加熱することによって解重合させ、LD蒸気を生成し、それを凝縮させることである。この方法は非常に簡単であるが、かかる高温でのラセミ化は生成物の鏡像異性的な純度を低下させる。この最後の困難を回避するために、CaOまたはMgO粉末をPLAに混ぜ込み、より低温での熱分解によって解重合させることができる(非特許文献3)。
MgO粒子のサイズが減少するとき170,000の分子量のPLAの解重合温度(及びラセミ化の程度)が通常低下するという観察は特に本発明に関係がある(非特許文献3の図2及び3)。前記参考文献においてMgO重量がPLAの重量の(Mgとして)5%であるという事実もまた注目に値する。
先行技術において興味深い別のポイントは、水酸化マグネシウム(Mg(OH))がはるかにより高い温度(約400℃)でのみ脱水するであろうことである。
先行技術において興味深いさらに別のポイントは、LAの線状二量体、すなわちラクトイル乳酸(LacOLacA)がLAより強酸であることである(非特許文献4)。
発酵による乳酸マグネシウム(MgLac)の生産がCaLacのそれと同じように容易であることは長く知られている(特許文献6)。さらに、MgLacの溶解度はCaLacのそれより幾分大きいので、乳酸塩が結晶化によって分離されることになっている場合には前者が有利である可能性がある。
LA原材料、すなわち乳酸カルシウムまたはマグネシウムから、直接LDに直行することが可能である場合には、残留する微量の抽出溶剤の問題も、微量の解重合触媒の問題も全くなく、PLAの生産コストは多分低下するであろう。
先の特許出願(特許文献7)において、本出願人は、有機生成物が温和な条件下に前操作で脱水されるように、無水乳酸カルシウム及び無水硫酸などの、無水反応剤をLD生成反応器に持ち込むことによってこれらの目的を達成し得る方法を開示した。
米国特許第5,319,107号明細書 米国特許第5,766,439号明細書 米国特許出願公開第2005/0281913号明細書 米国特許第5,357,035号明細書 米国特許出願公開第2006/0014975号明細書 米国特許第3,429,777号明細書 米国仮特許出願第60/874,475号明細書
Drumrightら、「Polylactic Acid Technology」、2000、Adv.Mater.、12(2000)、1841−1846ページ Rathin Datta、「Technological and economic potential of poly(lactic acid) and lactic acid derivatives」、1995、FEMS Microbiology Reviews、v.16、221−231ページ Toru Motoyama、「Effects of MgO catalyst on depolymerization of poly−L−lactic acid to L,L−lactide」、2007、Polymer Degradation and Stability、v.92、1350−1358ページ Bezzi,S.、「I produtti di anidrificazione dell’acido lattico come tipo delle trasformazioni degli esteri ciclici in poliesteri lineari」、1937、Mem.reale acad.Italia、Classe sci.fis.、mat.e nat.、v.8、127−213ページ
前記プロセスで得られた廃棄物が工業的に使用されてもよいが、廃棄物なしのプロセスがさらにより魅力的であろう。かかる廃棄物のより少ないプロセスが本発明の目的である。
本発明は、α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの合成方法であって、
− 対応するα−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩が前記α−ヒドロキシ酸及び水と混合される工程と;
− 対応するα−ヒドロキシ酸の線状二量体のアルカリ土類金属塩の水和物が沈澱するように、混合物が蒸発−結晶化によって処理される工程と;
− 水和塩が脱水されて対応する無水塩を生じる工程と;
− 無水塩が(好ましくは水蒸気または不活性キャリアの存在下に)熱分解されて、対応するα−ヒドロキシ酸の環状ジエステルを放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す工程と
を含む、方法に関する。
この残渣は次に、α−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩が細菌の存在下に砂糖(好ましくは、果物、植物、乳製品に由来する天然砂糖)の発酵によって生産されるプロセスに使用されてもよい。すなわち、それは、かかる発酵プロセスが塩基性pHを必要とし、アルカリ土類金属水酸化物が一般に反応媒体に加えられるためである。
本発明による方法のα−ヒドロキシ酸はそれ故に、乳酸、グリコール酸、グルタル酸、マンデル酸、リンゴ酸、クエン酸または酒石酸のような発酵によって得ることができる任意のかかる酸であってもよく、最初の2つが好ましい。本発明は、乳酸で良好な結果を生じる。
アルカリ土類金属に関しては、それはMg、Ca、Zn、Al及びFeの中から好ましくは選択され、最初の2つが好ましい。
α−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩は一般に、水和形態で商業的に入手可能である。例えば、乳酸Mg二水和物は、商業名PURAMEX(登録商標)MGで入手可能である。
本発明の方法に使用できるα−ヒドロキシ酸もまた商業的に入手可能であり;例えば、80%乳酸水溶液は、商業名PURAC FCC80で入手可能である。
市販のα−ヒドロキシ酸を使用する代わりに、本発明の実施形態によれば、前記α−ヒドロキシ酸は、水の存在下での前記α−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩の熱分解によって得られる。本発明の方法が上記のような発酵プロセスと組み合わせられる、好ましい実施形態では、最終反応媒体(それ故にα−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩を含有する)の半分が水の存在下に熱分解にかけられて対応するα−ヒドロキシ酸(一般に蒸気形態での)とアルカリ土類金属水酸化物とを生じる。
それ故に、本発明はまた、唯一の主反応剤が対応するα−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩の水溶液である、α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの合成方法に関する。
この方法において、溶液は好ましくは先ず蒸発によって濃縮される。次に好ましくは、対応するα−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩の水和物が沈澱するように、前記濃縮溶液の約半分が冷却される。
水和塩は次に好ましくは母液から分離され、さらに脱水されて対応する無水塩を生じる。
得られた無水塩は、水蒸気の存在下に温和な温度(典型的には、250℃以下)で好ましくは熱分解され、α−ヒドロキシ酸を蒸気として放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す。
α−ヒドロキシ酸蒸気は、対応するα−ヒドロキシ酸の線状二量体のアルカリ土類金属塩の水和物が沈澱するように、濃縮溶液の残りの半分に吸収し、蒸発−結晶化によって処理することができる。この水和塩は次にその母液から分離され、対応する無水塩を生じるためにさらに脱水されてもよい。
この塩は次に、好ましくは水蒸気または不活性キャリアの存在下に、温和な温度(350℃以下)で有利に熱分解され、対応するα−ヒドロキシ酸の環状ジエステルを蒸気として放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す。
このアルカリ土類金属水酸化物は次に、発酵槽にまたはα−ヒドロキシ酸中和反応器に再循環されてもよい。
この実施形態では、α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの蒸気は選択的に脱昇華され(desublimated)(凝縮され)、結露によりその場精製され、不純物は蒸発によって主として除去される。
それらの揮発度が余りにも低いジエステルについては、この分離工程は、液−固抽出工程、引き続く溶液からの結晶化によって置き換えられてもよい。
この好ましい実施形態は下に例示され、例としての具体的な事例である。
LDの生産用の原材料は、例えば、水酸化マグネシウム、適合細菌及び前記細菌用の栄養物の存在下に砂糖の発酵によって生産される、乳酸マグネシウム溶液である。発酵槽を出るブロス中の細菌は、例えば遠心分離によって分離され、生じた液体は濃縮されて乳酸マグネシウムの濃縮溶液を生じる。この溶液は、さらなる処理のために2つの等しい流れに分けられる。
この乳酸マグネシウム溶液の半分は、水和物(例えば乳酸マグネシウム三水和物)を沈澱させるために冷却結晶化にかけられる。この水和塩は大気圧で脱水され、乳酸マグネシウム無水和物(Anhydrate)をもたらす。後者は、温和な温度(250℃より下)で水蒸気の存在下に熱分解され、LA蒸気を放出し、Mg(OH)の固体残渣を残す。
前工程で生成したLA蒸気は、乳酸マグネシウム溶液の残りの半分に凝縮させられる。この混合物の制御された蒸発−結晶化は、ラクトイル乳酸イオンの溶液中の形成を、及び水和したラクトイル乳酸マグネシウム結晶の沈澱をもたらす。この水和塩は大気圧で脱水され、ラクトリル乳酸マグネシウム無水和物をもたらす。後者は、好ましくは水蒸気または不活性キャリアの存在下に、及び幾分より高い温度(しかしラセミ化を回避するために350℃より下)で熱分解され、LD蒸気を放出し、Mg(OH)の固体残渣を残す。いかなる入手可能な商業的供給源の純乳酸もまた、言うまでもなく、発酵によって生産された乳酸マグネシウムを全て使用して、ラクトイル乳酸マグネシウムを製造するために使用することができよう。
本発明の方法の具体的な実施形態を示す。
本発明の方法の具体的な実施形態は、添付の図面を参照することによりこれより説明される。
最初の2つの工程は古典的である:
A.− Mg(OH)の存在下での選び抜かれた炭水化物の発酵(図面の上方左隅の発酵槽F)は、乳酸マグネシウム(MgLac)の溶液中の細菌の懸濁液の生成をもたらす。
B.− 細菌は遠心分離(デカンター−遠心分離機DC)または濾過によって分離され、廃棄される。
次の工程は、米国特許第5,766,439号明細書に開示されているものに似ている:
C.− 濾液(または遠心分離液)、乳酸マグネシウムの溶液は、水の蒸発(エバポレーターE)によって濃縮される。
第1カラムにおいて、この濃縮溶液の半分が、次の2つの工程で、米国特許第5,766,439号明細書に開示されているようにさらに処理される:
D.− 冷却結晶化(装置CC)は、乳酸マグネシウムの水和物(結晶化温度が十分に低い場合には三水和物)の分離をもたらす。
E.− 遠心分離(フィルター−遠心分離機FC)によるこれらの結晶の分離;より多くのMgLac三水和物(MgLac TH)の分離のための母液のさらなる処理及びブリード液の分離。
次の工程は、本発明の要点を具体化する:
F.− 無水MgLacを得るための大気圧で及び150℃より下の温度での三水和物のゆっくりした脱水(乾燥オーブンDH1)(CaLacの類似の事例については、Yukoho Sakataら、「Characterization of dehydration and hydration behaviour of calcium lactate pentahydrate and its anhydrate」、Colloids and Surfaces B:Biointerfaces、46(2005)、135−141ページを参照されたい)。
G.− LA蒸気の生成のために十分に高い、かつ、残留Mg(OH)の分解を防ぐのに十分に低い温度(250℃未満)での無水MgLacの水蒸気の存在下での熱分解(反応器PyR1)。十分な純度の市販の乳酸が入手可能である場合、それが、ここに記載されるように製造されたものの代わりに次工程のために使用されてもよい。
並行して、
H.− エバポレーターEで生成した濃縮MgLac溶液の残りの半分への生成したLA蒸気の吸収、引き続き縮合反応及び水和ラクトイル乳酸マグネシウム(MgLacOLac・nHO)の結晶化(エバポレーター−晶析装置ECで)。
I.− 遠心分離(フィルター−遠心分離機FC)による結晶の分離;より多くの水和MgLacOLacの分離のための母液2のさらなる処理及びブリード液の分離。
J.− 無水ラクトイル乳酸マグネシウム(MgLacOLac)を得るための大気圧での水和ラクトイル乳酸マグネシウムの脱水(乾燥オーブンDH)。
K.− LD蒸気の生成のために十分に高い、かつ、残留Mg(OH)の分解を防ぐのに十分に低い温度(350℃より下)での無水MgLacOLacの、好ましくは水蒸気または不活性キャリアの存在下での熱分解(反応器PyR)。これは、5%(8.3%)に近いMg対ラクテートの比での、及びMgにとって可能な究極の程度の分散での、PLAの熱分解(Toru Motoyama、2007)に似ている。
最後の3つの工程は、米国仮特許出願第60/874,475号明細書(その内容は本出願へ参照により援用される)から借用される:
L.− 厳密な温度制御下に、熱交換器の垂直管上への円筒形固体層としてのLDの選択的脱昇華
M.− 不純な粘性溶液が生成するが、溶融晶析装置で起こるものとは対照的に、不純物が重力によってではなく選択的な昇華によって排出されるように「結露」を誘導するためのこの層の再加熱。
N.− 最後の工程は、溶融結晶化におけるもの、すなわち、層の完全な溶融による精製結晶の排出に似ている。
本方法の両アーム中の固体残渣はMg(OH)である。これは、2つのフィルター−遠心分離機FC及びFCの母液から分離された過剰の細菌及び不純物のほかに、本方法が固体廃棄物を全く残さないように、発酵槽に再循環される。
主熱エネルギー需要は、エバポレーターE向けである。乳酸マグネシウム溶液における穏やかな沸点上昇を考えると、エネルギーのコストを限定する(しかし投資コストを増加させる)、多重効用エバポレーターを使用することが可能であろう。
伝統的に実施されるような減圧蒸留によるよりもむしろ、多重効用蒸発によるかまたは脱水による、温和な条件下での水の大部分の排除が経済的に推奨に値することは当業者に明らかであろう。さらに、熱分解中に、(PyR中で)LAまたは(PyR中で)LDが生成するや否や、これらの粘稠な液体(LA及びLDの融点は、それぞれ、42℃及び98℃である)が各反応器中に広く行き渡っている水酸化マグネシウム粉末の大きな塊を生成する機会はほとんどないように、それらは気化させられる。
発酵によって生産されていないGAからのグリコリド(GD)の本方法による合成(第1工程において、GA溶液を反応性水酸化マグネシウムと反応させ、グリコール酸マグネシウムを得、本明細書で上記の工程Bからの本発明記載の残りをまねる)は可能であることもまた当業者に明らかであろう。
マンデリドなどの、揮発性がより低い環状ジエステルが本明細書で上記の方法の変形によってそれでもやはり製造できることもまた当業者に明らかであろう。本当に、一方でヒドロキシ酸の、他方で環状ジエステルの対応する無水和物の蒸留及び脱昇華による分離が経済的に実用的でない場合には、それぞれ、ヒドロキシ酸及びジエステルの融点に近い温度で、トルエンなどの、好適な溶剤でそれらを抽出する(固−液抽出)ことが依然として可能であるかもしれない。これに、溶液からの結晶化、遠心分離による分離、及びケーキの乾燥が続くであろう。
本発明の別の具体的な実施形態は、以下の実施例によって詳細に記載される。
実施例1:ラクトイル乳酸マグネシウムの製造及び熱分解
乳酸マグネシウム二水和物(PURAMEX(登録商標)MG)を4時間の間ずっと185℃で大気圧にて脱水した。20.2gの生じた無水和物を22.5gの80%乳酸(PURAC FCC80)と十分に混合した(乳鉢)。均一な、かなり流動性の混合物を110℃で2.5時間反応するに任せ、それは完全な固化をもたらした。
20.82gの当該固体をBUECHI Glass Oven B−585のボイラーに導入し、大気圧下に100℃(1時間)、120℃(1時間)、160℃(40分)に、次に6mbar下に160℃で(1時間)加熱した。凝縮物の2つの留分を、ボイラーと一線になった2つの別個の容器に集め、ボイラーに最も近い容器中のそれは1.51gの透明な油状液体(F1)であり、それをRMNによって分析し、一方最後の容器に集められたもの(4.37g)は本質的に水であると見なされ、分析しなかった。
凝縮物収集容器をきれいなもので置き換え、ボイラーの設定点を170℃から280℃にゆっくり上げながら、6mbar下の蒸留を2.7時間続けた。
2.19gの固体(F2)を集め、RMNによって分析した。
ボイラー中の白色固体残渣は合計10.09gに達した(10.73gの減量がそれ故に起こった)。
収集した分析結果(重量%)は次の通りであった:
F1:3%LD、7%乳酸(LA)の二量体、90%LA
F2:88%LD、5%LA二量体、7%LA
これらの分析結果は、次の通り解釈することができよう:
a.− ラクトイル乳酸マグネシウム二水和物は、持ち込まれた無水和物及び水と乳酸との反応によって160℃以下で大気圧下に製造された。
b.− 160℃で圧力を6mbarに下げると、遊離水の蒸留をもたらした。
c.− 減圧下に温度を280℃まで段々と上げると、水和したラクトイル乳酸マグネシウムの脱水をならびに水酸化マグネシウム及びラクチドへのその分解をもたらし、前者はボイラー中に残り、後者は主としてF2に凝縮した。

Claims (13)

  1. α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの合成方法であって、
    − 対応する前記α−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属塩を、前記α−ヒドロキシ酸及び水と混合する工程と;
    − 対応する前記α−ヒドロキシ酸の線状二量体のアルカリ土類金属の水和が沈澱するように、混合物を蒸発−結晶化によって処理する工程と;
    前記水和塩を脱水して対応する前記α−ヒドロキシ酸の、アルカリ土類金属の無水塩を生成する工程と;
    前記無水塩を熱分解して、対応する前記α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルを放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す工程と
    を含
    前記α−ヒドロキシ酸が、乳酸及びグリコール酸から選択される、方法。
  2. 前記α−ヒドロキシ酸の対応するアルカリ土類金属塩が発酵によって生産するように、アルカリ土類金属水酸化物を砂糖及び細菌を含む反応媒体に加える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記α−ヒドロキシ酸が、乳酸である、請求項1または2に記載の方法。
  4. アルカリ土類金属が、Mg、Ca、Zn、Al、及びFeから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 唯一の主反応剤がアルカリ土類金属塩の水溶液である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記溶液を蒸発によって濃縮する、請求項5に記載の方法。
  7. 対応する前記α−ヒドロキシ酸のアルカリ土類金属の水和が沈澱するように、濃した前記水溶液の半分を冷却する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記水和塩を母液から分離して、さらに脱水して対応する前記α−ヒドロキシ酸の、アルカリ土類金属の無水塩を生成する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記無水塩を水蒸気の存在下、温和な温度で熱分解し、前記α−ヒドロキシ酸を放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す、請求項8に記載の方法。
  10. − 前記α−ヒドロキシ酸が蒸気形態にあり、請求項7に記載の濃縮溶液の残りの半分に吸収され、そして対応する前記α−ヒドロキシ酸の線状二量体のアルカリ土類金属の水和が沈澱するように、蒸発−結晶化によって処理し;
    前記水和をその母液から分離して、さらに脱水して対応する前記α−ヒドロキシ酸の、アルカリ土類金属の無水塩を生成し;
    前記無水塩を温和な温度で熱分解して、対応する前記α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルを蒸気として放出し、アルカリ土類金属水酸化物を固体残渣として残す
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. アルカリ土類金属水酸化物が発酵槽にまたはα−ヒドロキシ酸中和反応器に再循環される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルの蒸気を凝縮し、結露によりその場で精製し、不純物を蒸発によって主として除去する、請求項10または11に記載の方法。
  13. − 前記α−ヒドロキシ酸が液体または固体形態にあり、蒸留または液体抽出によって固体残渣から分離して、続いて請求項7に記載の濃縮溶液の残りの半分と反応させ、そして対応する前記α−ヒドロキシ酸の線状二量体のアルカリ土類金属の水和が沈澱するように、蒸発−結晶化によって処理し;
    前記水和をその母液から分離して、さらに脱水して前記α−ヒドロキシ酸の、アルカリ土類金属の無水塩を生成し;
    前記無水塩を温和な温度で熱分解して、固体残渣としてのアルカリ土類金属水酸化物中に取り込まれた固体または液体として対応する前記α−ヒドロキシ酸の環状ジエステルを生じ;
    − 前記環状ジエステルを、液−固抽出工程によって固体残渣から、続いて、蒸留または結晶化によって溶液から分離する
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
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