JP5442585B2 - 電動機のステータ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電動機のステータ及びその製造方法に関するものであり、特に樹脂でフレームを構成する電動機におけるステータコアの構造及びその製造方法に係るものである。
小型・中型モータ等の電動機においては、ステータコアと巻線との絶縁に、樹脂部材が用いられることが多い。これらの電動機では、多くの場合、樹脂部材を所要形状に成形したインシュレータが、ステータコアのティースに軸の両方向から挿入される。ティース間のスロットに巻線が装着され、インシュレータによりステータコアと巻線とが絶縁される。
従来の一般的な電動機では、ステータコアの軸の両方向から挿入されたインシュレータの先端部に、インシュレータ同士の衝突を防止するため、対向するインシュレータの先端部の間に隙間が設けられている(ステータコアの軸方向長さよりも、両側から挿入されるインシュレータの長さの合計の方を小さくする)。そのため、隙間部分では、ステータコアと巻線との間の絶縁が形成されていない。
そこで、隙間部分をなくすため、インシュレータの先端部に薄肉部を形成し、ステータコアの軸の両方向から挿入されたインシュレータの先端部が互いに重なり合うように構成することで、インシュレータ同士の衝突を防止し、かつ、絶縁を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ステータコアに段差を設け、段差を用いてインシュレータを重ね合わせることで、インシュレータ同士の衝突を防止し、インシュレータの外周面に段差が現れないようにした構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この場合、巻線の乱れが発生しにくく、絶縁の確保が容易である。
特開2009−240135号公報(第6頁−第8頁、図3−図6) 特開2004−208387号公報(第4頁、図2)
上記特許文献1の方法では、樹脂部材を薄く成形する技術の制約から、樹脂部材として用いることができる厚さの下限値には限界があり、先端部が重なり合わないようにする場合よりも樹脂部材の肉厚を大きく(厚く)しなければならない。インシュレータの肉厚が大きくなると、スロットの断面積が小さくなり、その結果、巻線のターン数が少なくなり、電動機のモータ特性の低下を招くという問題がある。
上記特許文献2の方法では、ステータコアに段差を設けているので、ステータコアに段差を設けない場合に比べてステータコアの断面積が小さくなって磁気回路の抵抗が大きくなり、電動機のモータ特性の低下を招くという問題がある。
また、ステータコアを囲うようにインシュレータをステータコアと一体に成形する方法が考えられるが、この場合、インシュレータとステータコアとを一体に成形するための高価な金型及びステータコアを金型にインサートするための設備が必要となり、さらに、成形工程の生産性が悪い(サイクルタイムが長くなる)等のために、コストアップを招くという問題がある。
また、巻線が配設された後のステータコアを樹脂モールドすると同時に、インシュレータの先端部間の隙間に樹脂を充填させる方法も考えられるが、巻線を配設した後の樹脂が流れる隙間が小さい場合には樹脂の流れの圧力損失が大きくなり、インシュレータの先端部間の隙間に樹脂を充填できない場合がある。この場合、巻線のターン数を減らしてモータ特性を犠牲にし、樹脂が流れる隙間を大きくして樹脂の流れの圧力損失を小さくすることが必要になるという問題がある。
本発明は、樹脂でフレームを構成する電動機のステータコア及びその製造方法において、電動機のモータ特性を低下させず、かつ、ステータコアと巻線との絶縁に対する信頼性を向上させることを目的とする。
本発明に係る電動機のステータは、コアバックと上記コアバックの内周中央から突出したティースとを有するコアを複数個中心軸の周りに円筒状に配置し上記ティース間にスロットが形成されたステータコアと、
上記スロットに装着された巻線と、
上記複数個のコアそれぞれに上記中心軸の両方向から挿入され、上記コアと上記巻線とを絶縁する一対のインシュレータとを備え、
上記コアは、薄板状の磁性部材からなりコアバック部と上記コアバック部の内周中央から突出したティース部とを有するコアシートを複数枚積層してなり、
上記ステータコアと巻線とインシュレータとともにモールド樹脂で一体成形して上記ステータコアの外周に形成したフレームを備えた電動機のステータにおいて、
上記複数個のコアそれぞれに挿入された一対のインシュレータの先端部が対向し、上記先端部の間に隙間が形成され、
上記コアに、上記隙間に向かって外周から内周へ貫通する貫通孔が形成され、
上記隙間に上記貫通孔を通って上記一体成形時のモールド樹脂が充填されているものである。
また、本発明に係る電動機のステータの製造方法は、コアバックと上記コアバックの内周中央から突出したティースとを有するコアを複数個中心軸の周りに円筒状に配置し上記ティース間にスロットが形成されたステータコアと、
上記スロットに装着された巻線と、
上記複数個のコアそれぞれに上記中心軸の両方向から挿入され、上記コアと上記巻線とを絶縁する一対のインシュレータとを備え、
上記コアは、薄板状の磁性部材からなりコアバック部と上記コアバック部の内周中央から突出したティース部とを有するコアシートを複数枚積層してなり、
上記複数個のコアそれぞれに挿入された一対のインシュレータの先端部が対向し、上記先端部の間に隙間が形成され、
上記ステータコアと巻線とインシュレータとともに金型でモールド樹脂による一体成形をして上記ステータコアの外周にフレームを形成する電動機のステータの製造方法において、
上記コアに、上記隙間に向かって外周から内周へ貫通する貫通孔を形成し、
上記一体成形時に、上記貫通孔から上記隙間に上記モールド樹脂を充填するものである。
本発明に係る電動機のステータ及びその製造方法によれば、隙間に貫通孔を通って一体成形時に、モールド樹脂を充填するものであるので、ステータコアの外周部から、貫通孔を通って、インシュレータの先端部間の隙間に樹脂を充填することができ、スロットに装着する巻線のターン数を減少させないようにしてモータ特性を低下させないようにし、かつ、絶縁に対する信頼性を向上させることができる。
本発明に係る電動機のステータの実施の形態1を示す斜視図(a)及び断面図(b)である。 実施の形態1のコアを示す平面図(a)及びA−A断面図(b)である。 図2に示したコアに軸の両方向からインシュレータが挿入された状態を示す断面図である。 図2(a)、(b)に示したコアの各コアシートを示す平面図(a)〜(c)及びコアシートを積層・固着した状態のコアの平面図(d)である。 丸型のステータコアにおいてインシュレータの先端部に隙間が形成されている部分での軸に垂直な断面図である。 丸型のステータコアにおいてインシュレータの先端部に隙間が形成されている部分での軸に垂直な断面図である。 実施の形態1において用いられる一体成形金型の概略構造を示す断面図である。 キャビティ内での樹脂の流れを示す断面図である。 従来の貫通孔がない場合のモールド樹脂の流れを示す断面図である。 実施の形態2のコアシートを示す平面図(a)〜(c)及びコアシートを積層・固着した状態のコアの平面図(d)である。 実施の形態2の他の例のコアシートを示す平面図である。 実施の形態3のコアシートの平面図である。 図12に示したコアシートを積層して形成されたコアの平面図(a)及び断面図(b),(c)である。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る電動機のステータの実施の形態1を示す斜視図(a)及び断面図(b)であり、図1(b)は、図1(a)のステータの軸方向4中央における軸と垂直な断面図である。図1に示したように、本実施の形態1の電動機のステータは、ステータ10の外周にモールド樹脂で一体成形された略直方体のフレーム1を有し、フレーム1の上端面の中央部には、ロータを挿入するロータ挿入口3が形成され、フレーム1の側面部にはコネクタ端子2が配置されている。コア5それぞれは、コアバック5bから突出したティース5aを有する。ステータコア10は、複数個のコア5を中心軸の周りに円筒状に配置してなりティース5a間にスロット9が形成される。スロット9には、巻線7が搭載されている。巻線7は、マグネットワイヤーを必要なターン数だけティース5aに巻きつけて形成される。コネクタ端子2には巻線7の端末が結線されている。図1(b)のモールド樹脂8は、後述のように、図1(b)には現れていないインシュレータの先端部間にフレーム1を一体成形した際のモールド樹脂が充填されたものである。コア5に沿ったモールド樹脂8の下部には、図に表れていないインシュレータがある。インシュレータは、軸方向4の両方向からコア5それぞれに挿入され、ティース5a及びコアバック5bと巻線7とを絶縁する。また、図示はしないが、本実施の形態1の電動機のステータは、巻線7を結線するための部材やロータを支持するための軸受け等、必要な部材を有している。
コア5は、薄板状の強磁性材料(珪素鋼板)をプレスで打ち抜き加工したコアシート5cを複数枚積み重ねて積層し、抜きカシメなどの方法を用いて固着することで形成される。コアシート5cの一部は、後述のように、コアバック5bの内周から外周側に向けて形成され板厚の方向に貫通する第1の溝と、コアバック5bの外周から内周側に向けて形成され板厚の方向に貫通する第2の溝とを形成し、両方の溝の先端部を内周と外周との間で重ね合わせてなる図1(b)に示したような貫通孔6を有する。
本実施の形態1の例では、ステータコア10の外経はφ35mm、内径はφ20mm、コア5の高さは35mm、インシュレータの肉厚は0.5mm、珪素鋼板の板厚は0.35mmである。
なお、本発明のステータコア10は、図1に示したようなコア5に分断された分割コアの構造に限るものではなく、円状に一体となった一体コアでも、コアバック部5bの一部が薄肉部で連結されたコアでも、コアバック部5bが抜きカシメの凸凹を嵌め合わせた自由に回転できる関節構造によって連結されているコアでも、その他の構造のコアでも構わない。
図2は、本実施の形態1のコアを示す平面図(a)及びA−A断面図(b)である。図2(b)に示したように、コア5の軸方向4の中央のコアシートB5c2には、コアバック部5b2の内周から外周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第1の溝6aが形成され、コアシートC5c3には、コアバック部5b3の外周から内周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第2の溝6bが形成され、両方の溝6a,6bの先端部が外周と内周の間で重なり合って両方の溝6a,6bが連結され、図2(a)に示した外周から内周へ貫通する貫通孔6が形成されている。コアシートB5c2及びコアシートC5c3の左右両側(図2(b))には溝6a,6bが形成されていないコアシートA5c1が積層されている。
図3は、図2に示したコア5に軸方向4の両方向からインシュレータ11が挿入され状態を示す断面図である。図3に示したように、軸方向4の両方向から挿入されたインシュレータ11同士の衝突による破損を防止するため、インシュレータ11の挿入部の長さ(2個の合計)はコア5の軸方向4の高さよりも小さく設定されており、そのためコア5に挿入されたインシュレータ11の先端部の間には隙間11aが生じている。
図4は、図2(a)、(b)に示したコアの各コアシートを示す平面図(a)〜(c)及びコアシートを積層・固着した状態のコアの平面図(d)である。図4(b)に示したように、コアシートB5c2には、コアバック部5b2の内周から外周側に向かって幅0.7mmの板厚の方向に貫通した第1の溝6aが、コアバック部5b2の溝形成位置における幅の1/2よりも0.7mm長い長さで形成される。また、図4(c)に示したように、コアシートC5c3にはコアバック部5b3の外周から内周に向かって幅0.7mmの板厚の方向に貫通する第2の溝6bが、コアバック部5b3の溝形成位置における幅の1/2よりも0.7mm長い長さで形成され、両方の溝6a,6bが外周と内周との間で重なって連結されるようにしている。図4(a)はコアバック部5b1に貫通孔6を持たないコアシートA5c1である。所要枚数のコアシートB5c2及びコアシートC5c3(図では2枚ずつ)を重ね、その両側に所要枚数のコアシートA5c1(図では16枚)を重ね固着する。図示していないが、本実施の形態1では各コアシート5cの固着には抜きカシメを用いている。各コアシート5cの固着は、抜きカシメに限らず、接着や溶接などの方法でもよい。
コアシートA5c1、コアシートB5c2、コアシートC5c3の積層枚数はこの例に限ったものではなく、コア5の高さや貫通孔6が必要とする断面積によって選択することができる。貫通孔6を大きくしたければ、コアシートB5c2、コアシートC5c3の枚数を増やす、または、コアシートB5c2、コアシートC5c3に形成されている溝6aの幅を大きくすればよい。
このようにして設けられた貫通孔6の内周側の位置は、貫通孔6が隙間11aと連通するように、インシュレータ11の先端部に形成されている隙間11aの位置とほぼ一致するようにしている。
コアシートA5c1、コアシートB5c2、コアシートC5c3を用いて形成された各コア5のティース5aに巻線を施した後、所要数のコア5(本実施の形態1の場合、9個のコア5)が円筒状になるよう並べた状態で、各コア5間を溶接等の接合方法により接合して一体にし、丸型のステータコア10とする(図1参照)。
図5は、丸型のステータコアにおいてインシュレータ(図示せず)の先端部に隙間が形成されている部分での軸に垂直な断面図である。また、図6は、丸型のステータコアにおいてインシュレータ(図示せず)の先端部に隙間が形成されていない部分での軸に垂直な断面図である。図5に示したように、コアバック5bの外周から内周側に向かって第2溝6bが形成されている。図5に示されている実線の第2の溝6bは内周から外周側に向かって形成された点線で示す第1の溝6aに連結されて、内周から外周へ貫通する貫通孔6が形成されている。図6に示したように、インシュレータ11の先端部に隙間が形成されていない部分では、貫通孔6は形成されていない。
巻線7が施された丸型のステータコア10には、必要に応じて結線処理がなされる。
この結線処理の段階では、インシュレータ11の先端部の間には隙間11aが生じた状態であるで、ステータコア10と巻線7の間には絶縁が確保されていない状態である。
次に、結線処理が施された丸型のステータコア10は、フレームモールド用の一体成形金型内に投入され、モールド樹脂で丸型のステータコア10の外周部にフレーム1が形成される(図1参照)。
図7は、本実施の形態1で用いられる一体成形金型の概略構造を示す断面図である。成形工程では、まず、下型13と上型12が開放された状態で、下型13にステータコア10がセットされる(本実施の形態の1の場合には2個のステータコア10が金型にセットされる)。次に、上型12が下降し、下型13に合わせられ、ステータコア10の周囲に樹脂を充填する空間であるキャビティ14が形成される。次に、モールド樹脂が金型内に注入される。モールド樹脂は注入口15通って、流路16に流れ込み、2個のステータの方向へ分岐した後、ゲートを通って、キャビティ14に充填され、固化して図1に示したフレーム1が形成される。
図8は、キャビティ14内での樹脂の流れを示す断面図で、樹脂の流れを矢印で示している。なお、図8において、巻線、ティースは省略し、また、貫通孔6は実際には段差があるが簡略化して直線状の貫通孔6としている。ゲートからキャビティ14内に流れ込んだモールド樹脂はステータコア10の外周部を充填しながら下端部へ流れ込むのと同時にステータコア10の上端部にも充填される。このとき、ステータコア10の外周部に流れ込んだモールド樹脂は、各コアの軸方向の中間部に設けられた外周部から内周部へと貫通する貫通孔6にも流れ込み、貫通孔6を通って、内周部にあるインシュレータ11先端部間の隙間11aにも樹脂が充填され、固化する。
図9は、従来の貫通孔6がない場合のモールド樹脂の流れを示す断面図である。巻線7を施した後にもスロット内に残された空間が大きい場合には、モールド樹脂が流れ込む際の圧力損失が小さいため、破線で示したように、ステータコア10の上端部や下端部を通って、スロット内にもモールド樹脂が侵入しインシュレータ11の先端部の間の隙間11aにも樹脂が充填される。
しかしながら、モータ特性を低下させないようにするためにはスロット内にターン数が多い巻線7を装着することが必要になり、そのためスロット内に残された空間が狭くなり、その空間に樹脂が流れ込むときの圧力損失が大きくなり、インシュレータ11の先端部の間の隙間11aに完全にモールド樹脂を充填することが困難になり、絶縁に対する信頼性が低下する。しかし、本実施の形態1では、巻線7を施した後、スロット内に残された空間の大小に拘わらず、コア5の外周から内周へ貫通する貫通孔6を通って、モールド樹脂がインシュレータ11の先端部の間の隙間11aに確実に充填されるため、ターン数が多い巻線7をスロット内に装着してスロット内に残された空間が狭くなった場合でも、コア5と巻線7との絶縁に対する信頼性を確実に確保することができる。
また、貫通孔6はコアバック5bの肉厚(内周側と外周側の間の肉厚)の厚い部分に形成することによって、貫通孔6のために磁路断面積が多少減少しても、モータ特性が劣化することはほとんどない。
モールド樹脂としては、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよいし、熱可塑性樹脂を用いてもよいが、より低い成形圧力で樹脂を流動・充填することが可能な熱硬化性樹脂を用いることが望ましい。
実施の形態2.
図10は、本実施の形態2のコアシートを示す平面図(a)〜(c)及びコアシートを積層・固着した状態のコアの平面図(d)である。本実施の形態2では、図10に示したように、コアシ−トD5c4、コアシートE5c5に形成された両方の溝6a,6bが重なり合う先端部分の形状は丸型形状としている。
各コアシート5cの積層構成は実施の形態1と同様であり、コアシートA5c1を必要枚数積み重ねた上に、コアシートD5c4を必要枚数積み重ね、さらにその上にコアシートE5c5を必要枚数積み重ね、最後にコアシートA5c1を必要枚数積み重ねながら、抜きカシメによって固着することで図10(d)のコア5が形成される。このように形成することで、図3と同様、インシュレータ11の先端部間の隙間11aに相当する位置のコアバック5b2、コアバック5b3に、外周から内周へ貫通する貫通孔6を形成することができる。
例えば、溝6a,6bの幅を0.7mm、コアシ−トD5c4、コアシートE5c5それぞれを2枚とし、その板厚が0.35mmとした場合、(溝6a,6bの高さ0.7mm)×(溝6a,6bの幅0.7mm)=0.49mmが貫通孔6の断面積である。溝6a,6bが重なり合う先端部分の形状を溝6a,6bの幅0.7mmを超える直径を有する丸型形状とした場合、溝6a,6b長さを、上記実施の形態1のように溝6a、6bの幅が一定の場合の溝6a、6bの長さより短くしても、上下に丸型形状が重なり合う面積を貫通孔6の断面積(0.49mm)とすることができる。
本実施の形態2によれば、溝6a、6bが重なり合う先端部分の形状を溝6a,6bの幅0.7mmを超える直径を有する丸型形状し、溝6a、6b長さを短くすることによって、コアシ−トD5c4、コアシートE5c5の強度を大きくすることができる。
また、溝6a、6bの長さを上記実施の形態1と同じ長さとすれば、丸型形状部分の上下に重なる面積を貫通孔6の断面積以上とすることができ、モールド樹脂の流れの圧力損失を小さくすることができ、インシュレータ11の先端部間の隙間により確実に充填することができる。
また、溝6a,6bの先端を丸型形状に形成するので、コアシート5cをプレス加工で製造する際に、丸型形状を先に打ち抜き加工することで、溝6a,6bを打ち抜く際にプレス金型のパンチが欠損するのを抑制することができる。
図11は、本実施の形態2の他の例を示す平面図である。図11に示したように、溝6a,6bを斜めに形成することも可能である。コアシート5cの積層方法は、コアシートA5c1、コアシートF5c6、コアシートG5c7を上記実施の形態1と同様の手順で積層し、固着する。コアシートA5c1、コアシートF5c6、コアシートG5c7を積層し固着した後、樹脂モールド工程までの製造工程は上記実施の形態1と同様であり、溝6a,6bの形態以外は、ステータの構成も上記実施の形態1と同じである。
この他の例の場合、モールド樹脂の流路となる貫通孔6の全長は図4及び図10のように斜めにしない場合よりも若干長くなるが、コアバック部5b2及びコアバック部5b3における幅が大きい部分に溝6a,6bの先端部を配置することができ、それによって磁路の幅を、上記実施の形態1の場合及び図10の場合より大きくすることができ、貫通孔6の形成によるモータ特性の劣化を小さくすることができる。
実施の形態3.
図12は、本実施の形態3のコアシートの平面図である。図13は、図12に示したコアシートを積層して形成されたコアの平面図(a)及びB−B断面図(b),(c)であり、図13(c)は、図13(b)のコアに軸方向の両側から、インシュレータを挿入した状態を示す。
図12に示したように、本実施の形態3では、コアシートA5c1と、コアバック部5b2の外周から内周まで板厚の方向に貫通する溝6が形成されたコアシートH5c8とを用いる。コアシートH5c8は中央部と両端部に分断されるため、コアシートH5c8の固着にはそれぞれの部位に抜きカシメ穴5cdが必要になるが、コアシート5cの形状がコアシートA5c1とコアシートH5c8の2種類で構成できるため、プレス金型の構造が簡単になり、安価なプレス金型で製造することができる。
図13(b)に示したように、コア5は、まず、コアシートA5c1を積層(図では17枚)した後、その上にコアシートH5c8を積層し(図では3枚積層)、さらに、その上にコアシートA5c1を積層(図では18枚)し、抜きカシメにより、固着することで形成される。
図13(c)に示したように、本実施の形態3の場合も、コア5は、インシュレータ11の先端部の間の隙間11aに相当する部分には、コアバック5bの外周から内周へ貫通する貫通孔6を有するので、モールド樹脂がインシュレータ11の先端部間の隙間11aに確実に充填され、ターン数が多い巻線7をスロット内に装着してスロット内に残された空間が狭くなった場合でも、コア5と巻線7との絶縁に対する信頼性を確実に確保することができる。コアシート5cの積層・固着後、樹脂モールド工程までの製造工程は実施の形態1と同様であり、溝6の形態以外は、ステータの構成も上記実施の形態1と同じである。
本発明に係る電動機のステータは、サーボモータ等のような高出力な特性を有するモータを得るのに有効に利用することができる。
1 フレーム、2 コネクタ端子、3 ロータ挿入口、4軸方向、5 コア、
5a ティース、5b コアバック、5b1,5b2,5b3 コアバック部、
5c コアシート、5c1 コアシートA、5c2 コアシートB、
5c3 コアシートC、5c4 コアシートD、5c5 コアシートE、
5c6 コアシートF、5c7 コアシートG、5c8 コアシートH、
5cd 抜きカシメ穴、6 貫通孔、6a 溝、7 巻線、8 モールド樹脂、
9 スロット、8 モールド樹脂、9 スロット、10 ステータコア、
11a 隙間、12 上型、13 下型、14 キャビティ、15注入口、16 流路。

Claims (8)

  1. コアバックと上記コアバックの内周中央から突出したティースとを有するコアを複数個中心軸の周りに円筒状に配置し上記ティース間にスロットが形成されたステータコアと、
    上記スロットに装着された巻線と、
    上記複数個のコアそれぞれに上記中心軸の両方向から挿入され、上記コアと上記巻線とを絶縁する一対のインシュレータとを備え、
    上記コアは、薄板状の磁性部材からなりコアバック部と上記コアバック部の内周中央から突出したティース部とを有するコアシートを複数枚積層してなり、
    上記ステータコアと巻線とインシュレータとともにモールド樹脂で一体成形して上記ステータコアの外周に形成したフレームを備えた電動機のステータにおいて、
    上記複数個のコアそれぞれに挿入された一対のインシュレータの先端部が対向し、上記先端部の間に隙間が形成され、
    上記コアに、上記隙間に向かって外周から内周へ貫通する貫通孔が形成され、
    上記隙間に上記貫通孔を通って上記一体成形時のモールド樹脂が充填されていることを特徴とする電動機のステータ。
  2. 上記コアシートの一部のコアバック部にその内周から外周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第1の溝が形成され、上記コアシートの一部のコアバック部にその外周から内周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第2の溝が形成され、上記第1の溝の先端と上記第2の溝の先端とが上記内周と上記外周との間で重なり合うことにより、上記第1の溝と上記第2の溝とが連結されて上記貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機のステータ。
  3. 上記第1の溝の先端と上記第2の溝の先端とが重なり合う面積を、(上記第1の溝の幅×上記第1の溝の高さの合計)で表される面積及び(上記第2の溝の幅×上記第2の溝の高さの合計)で表される面積と同等以上の面積としたことを特徴とする請求項2に記載の電動機のステータ。
  4. 上記複数個のコアシートのコアバック部にその外周から内周まで延在し、板厚の方向に貫通する溝を形成され、上記貫通孔は、上記外周から内周まで板厚の方向に貫通する溝により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機のステータ。
  5. コアバックと上記コアバックの内周中央から突出したティースとを有するコアを複数個中心軸の周りに円筒状に配置し上記ティース間にスロットが形成されたステータコアと、
    上記スロットに装着された巻線と、
    上記複数個のコアそれぞれに上記中心軸の両方向から挿入され、上記コアと上記巻線とを絶縁する一対のインシュレータとを備え、
    上記コアは、薄板状の磁性部材からなりコアバック部と上記コアバック部の内周中央から突出したティース部とを有するコアシートを複数枚積層してなり、
    上記複数個のコアそれぞれに挿入された一対のインシュレータの先端部が対向し、上記先端部の間に隙間が形成され、
    上記ステータコアと巻線とインシュレータとともに金型でモールド樹脂による一体成形をして上記ステータコアの外周にフレームを形成する電動機のステータの製造方法において、
    上記コアに、上記隙間に向かって外周から内周へ貫通する貫通孔を形成し、
    上記一体成形時に、上記貫通孔から上記隙間に上記モールド樹脂を充填することを特徴とする電動機のステータの製造方法。
  6. 上記複数個コアシートの一部のコアバック部にその内周から外周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第1の溝を形成し、上記複数個のコアシートの残部のコアバック部にその外周から内周側に向けて延在し、板厚の方向に貫通する第2の溝を形成し、上記第1の溝の先端と上記第2の溝の先端とを上記内周と上記外周との間で重なり合わせることにより、上記第1の溝と上記第2の溝とを連結して上記貫通孔を形成することを特徴とする請求項5に記載の電動機のステータの製造方法。
  7. 上記第1の溝の先端と上記第2の溝の先端とが重なり合う面積を、(上記第1の溝の幅×上記第1の溝の高さの合計)で表される面積及び(上記第2の溝の幅×上記第2の溝の高さの合計)で表される面積と同等以上の面積としたことを特徴とする請求項6に記載の電動機のステータ製造方法。
  8. 上記複数個のコアシートのコアバック部にその外周から内周まで延在し、板厚の方向に貫通する溝を形成し、上記貫通孔を、上記外周から内周まで板厚の方向に貫通する溝により形成したことを特徴とする請求項5に記載の電動機のステータの製造方法。
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