JP2019080429A - 回転電機、回転電機の製造方法、固定子 - Google Patents

回転電機、回転電機の製造方法、固定子 Download PDF

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Abstract

【課題】ボビンの強度を維持しつつ鉄心の変形を抑制することができる。【解決手段】回転電機は、鉄心を覆うボビンにコイルが巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子を備える、鉄心の長手方向両端部において、鉄心とボビンが対向する面に円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、回転電機、回転電機の製造方法、および固定子に関する。
近年、電動パワーステアリングなどに用いられるモータでは、コイルの太線化がトレンドとなっている。太線化によってコイルの抵抗値を低減できる効果がある一方、分割鉄心を用いた集中巻きコイルでは巻線時の張力による鉄心の変形が生じ易くなる。鉄心の変形による主な問題点は以下の二つである。一つ目は、巻線後の複数の鉄心を円環状に並べて固定子とし、これをハウジングに圧入あるいは焼きばめする際に、鉄心の変形によって固定子外周面の真円度が低くなり、圧入や焼きばめが困難となることである。二つ目は、圧入や焼きばめを行った後の固定子の内径の真円度が低くなり、固定子と回転子の間の磁界に歪みが生じることである。この磁界の歪みはコギングトルク発生の要因となる。特に電動パワーステアリング用モータの場合、ハンドリングをアシストするモータのコギングトルクは、運転者の操舵感を悪化させるものであり、コギング低減の要求は年々高まっている。
特許文献1には、ロータと、磁性鋼板を積層一体化して作製された円環状のステータコア、および該ステータコアの各ティースに巻装された集中巻コイルを有し、上記ロータを囲繞するように配設されるステータと、を備え、胴部、および該胴部の上面の長さ方向の両端に突設された一対のガイド部を有するボビンが、該胴部の長さ方向を上記ティースの径方向に一致させて、該胴部の底面を該ティースの軸方向両端面に沿わせて配置され、上記集中巻コイルが、導体線を、上記ティースの軸方向両端の上記胴部と上記一対のガイド部とにより形成される凹空間内を通って、該ティースのまわりを所定回巻回させて構成されていることを特徴とする回転電機が開示されている。
特開2012−239347号公報
特許文献1に記載されている発明では、ボビンの強度を維持しながら鉄心の変形を抑制することができない。
本発明の第1の態様による回転電機は、鉄心を覆うボビンにコイルが巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子を備える回転電機であって、前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝を備える。
本発明の第2の態様による回転電機の製造方法は、鉄心を覆うボビンにコイルが巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子を備え、前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝を備える回転電機の製造方法であって、前記集中巻きコイルを、前記長手方向両端部の前記非貫通溝に挿入された第1の1対の治具により前記鉄心を長手方向に圧縮しながら巻線することを含む。
本発明の第3の態様による固定子は、コイルが巻き回されたボビンに覆われる鉄心を備える固定子であって、前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記固定子の内周側から前記固定子の外側に向かって延伸する非貫通溝を備える。
本発明によれば、ボビンの強度を維持しつつ鉄心の変形を抑制することができる。
固定子1の外観を示す図 コイル4が巻き回された後の状態にある鉄心2を示す図 コイル4が巻き回される前の状態にある鉄心2とボビン3を分割して示す図 コイル4の巻線による鉄心2の一般的な第1の変形を示す図 コイル4の巻線による鉄心2の一般的な第2の変形を示す図 ボビン3の詳細な形状を説明する図 コイル4を巻線された状態の鉄心2の4面図および斜視図 鉄心2へのコイル4の巻線方法を示す図 非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さを示す図 コイル4による締め付け力が作用する主な箇所を示す図 変形例1におけるボビン3の形状を示す図 変形例2におけるボビン3の形状を示す図 変形例3におけるボビン3の形状を示す図 第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さを説明する図 第2の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図 第3の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図 第4の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図 第5の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図 第6の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図
―第1の実施の形態―
以下、図1から図10を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第1の実施の形態を説明する。
(固定子の概要)
図1は、本発明にかかる固定子1の外観を示す図である。ただし固定子1の特徴は細部であるため図1ではその特徴部分は図示されていない。電動モータ100は、固定子1と不図示の回転子とを備える。固定子1は円環の形状を有し、不図示の回転子はこの円環状の固定子1の内側に配される。固定子1は複数の鉄心2を備え、それぞれの鉄心2にコイル4が集中的に巻かれる。換言すると、電動モータ100は巻線の形態として集中巻きを採用している。コイル4が巻かれた鉄心2は、図1に示すように円環を構成するように配置される。この円環には幅があり内周よりも外周の方が長いので、鉄心2も内周よりも外周が長い。詳しくは後述する。コイル4に通電されると磁界が生じ、不図示の回転子が回転する。
図2はコイル4が巻き回された後の状態にある鉄心2を示す図、図3はコイル4が巻き回される前の状態にある鉄心2とボビン3を分割して示す図である。以下では、図2に示す矢印Hの方向を高さ方向または長手方向、矢印Dの方向を奥行き方向、矢印Wの方向を幅方向と呼ぶ。なおここではH、D、Wは方向を表すにすぎず、寸法を表すものではないことを明確にするために一方の矢印を用いている。矢印Dで示す奥行き方向は、固定子1が形成する円環における内周側と外周側とを結ぶ方向である。なお以下では、「固定子1が形成する円環における内周側」を単に「内周側」と呼び、「固定子1が形成する円環における外周側」を単に「外周側」と呼ぶ。図2および図3において、図示左側が内周側であり図示右側が外周側である。なお図2において、各ボビン3にコイル4を巻き始める入力線および出力線は図示しないが、適切な位置に配置されている。
鉄心2は鉄系の金属で構成される。鉄心2は、鉄心2の断面形状に打ち抜かれた薄い鋼板を高さ方向に複数枚重ねて製造される。以降、各図に示される鉄心2を構成する鋼板の枚数や厚さは正確に図示したものではなく、図に示す枚数や厚さの鋼板でない場合であっても発明の本質は変わらない。鉄心2の内周側は窪んだ凹形状を有し、鉄心2の外周側は張り出した凸形状を有する。これらの凹形状および凸形状は、前述のとおり固定子1の円環状の外形に沿うものである。鉄心2は、コイル4との電気的な絶縁のために、樹脂など絶縁性の材料で成形されたボビン3で覆われる。ボビン3は図3に示すように鉄心2の長手方向の両端から挿入され、ボビン3の挿入後にコイル4が巻き回される。なおコイル4の主な素材は、銅やアルミなどである。
鉄心2へのコイル4の巻回は、たとえば鉄心2とボビン3を組み合わせたものを巻線機に固定し、電線の片方の端部をボビン3あるいはその周囲の治具に固定した状態において、鉄心2とボビン3を回転させてボビン3にコイル4を巻きつける方法をとることができる。また、電線の繰出し口であるノズルを、電線を繰出しながらボビン3の周囲を旋回させることによってコイル4を巻回してもよい。鉄心2へのコイル4の巻回の詳細、特に鉄心2の固定について後に詳しく説明する。
(巻線張力による鉄心2の変形)
図4および図5は、コイル4の巻線による鉄心2の一般的な変形を示す図である。図4は第1の変形を示す図であり、図5は第2の変形を示す図である。図4に示す第1の変形では、鉄心2の内周側が長手方向に縮み外周側が長手方向に伸びて、鉄心2は符号5で示す矢印の方向に曲がっている。この状態は、鉄心2の外周側の端面が山なりの形状を有するとも表現される。
前述のように、鉄心2は鋼板を打ち抜いた部品を長手方向に積層して形成しており、各鋼板の間には微小な隙間が存在する。この微小な隙間が、コイル4の巻線によって生じる鉄心2を締め付ける向きの力によって狭くなることによって鉄心2に曲がりが生じる。図4に示すように鉄心2の内周側の張り出し部分の厚みをt1、外周側の張り出し部分の厚みをt2とすると、固定子の電気的な性質によりt1よりもt2が大きい。そのためコイル4は、内周側においては、鉄心2の内周側端面に非常に近い位置まで巻線されるのに対し、外周側においては鉄心2の外周面の端面からコイル4の巻線位置までの距離が大きくなる。そのため鉄心2を締め付ける力が鉄心2の内周側に偏って働く。これにより、鉄心2を構成する鋼板間の隙間は、鉄心2の内周側においてより減少しやすく、図4に示すような曲がりが生じる。
図5に示す一般的な第2の変形では、鉄心2の長手方向端部に近い個所の鋼板が、コイル4の巻線される向きに向かってずれた形状となる。この変形は、コイル巻線時の張力により、鉄心2の長手方向端部に符号6で示す方向の力がかかり、この力によって鋼板の位置がずれてしまうために発生する。図4および図5に示した変形はいずれも、近年のコイル太線化のトレンドにより巻線張力が増大したことに伴って顕著化している。また、コギングトルク低減の要求の高まりから、看過できないものとなってきている。そのため本発明では以下のように鉄心2の変形を防止する。
(特徴の概要)
本発明にかかる固定子1の特徴は、鉄心2の長手方向の両側から鉄心2を圧縮させる力を掛けた状態でコイル4を巻線して形成したことである。この効果は次の2つである。第一の効果は、鉄心2を長手方向に圧縮することにより、巻線前の段階において鉄心2の鋼板間の隙間が低減されることから、コイル4の締め付け力による鉄心2の変形量が小さくなることである。したがって、鉄心2の内周側と外周側の長手方向の長さの圧縮量の差が小さくなり、図4に示したような変形を抑制することができることである。第2の効果は、鉄心2を圧縮する力は、鉄心2の鋼板同士をより密接に接触しあう向きに働くため、鋼板間の摩擦力が大きくなることである。鋼板間の摩擦力が大きくなることにより、鉄心2の長手方向端部において鉄心2の鋼板を鉄心2の幅方向にずらす力(図5の矢印6)に抗する力が大きくなり、鉄心2の変形を抑制することができる。
(ボビン3の形状)
図6はボビン3の詳細な形状を説明する図、図7はコイル4を巻線された状態の鉄心2の4面図および斜視図である。図7の正面図31および斜視図34に示すように、ボビン3は2つの非貫通溝11を備える。この非貫通溝11は、ボビン3の内周側の端面を起点として外周側へ向かって延伸する。図7における符号32は正面図31における符号36で示す位置の断面図、符号35は左側面図、符号33は上面図である。なお図7には背面図を描いていないが、背面、すなわち外周側には非貫通溝11は設けられない。ただし外周側の非貫通溝11に対応する位置には段差部81が設けられる。段差部81は、図4に示したように鉄心2の外周側の張り出し部の厚みt2が比較的厚く、ボビン3が鉄心2の外周側の張り出し部の一部しか覆わないことから形成される。段差部81は、鉄心2の外周側の長手方向の上下端に設けられ、段差部81を把持することで鉄心2の外周側を圧縮することができる。上面図33に示すように、非貫通溝11の幅t11は、ボビン3においてコイル4が巻きつけられる幅t30よりも狭い。
図6は鉄心2に一体化する前のボビン3の形状を示しており、ボビン3に非貫通溝11が設けられ鉄心2には溝が形成されていないことがわかる。すなわちボビン3の鉄心2と対向する面にのみ、内周側の端面を起点として外周側へ向かって延伸する非貫通溝11が設けられる。この非貫通溝11は、鉄心2を長手方向から把握可能なようにボビン3の長手方向の上下それぞれに設けられる。
図8は、鉄心2へのコイル4の巻線方法を示す図、換言すると固定子1の製造方法を示す図である。図8に示すように、鉄心2は内周側および外周側を長手方向に圧縮された状態でコイル4が巻き回される。鉄心2の外周側の長手方向端部の両面は、ボビン3に覆われずに露出している段差部81なので、この段差部81を外周側加圧治具12によって挟み込んで長手方向に圧縮する。鉄心2の内周側の長手方向両端部は、モータの磁気的損失を最小限に抑えるために鉄心2の内周面とボビン3の内周面の奥行き方向の位置を一致させており、そのままでは治具を用いることができない。本実施の形態におけるボビン3は前述のとおり非貫通溝11を有するので、この非貫通溝11に内周側加圧治具13を挿入して鉄心2の内周側を長手方向に圧縮する。
このように、鉄心2の長手方向の両端部において、内周側と外周側の両方に圧縮する力を均等に掛けることができ、鉄心2の鋼板間の隙間を均等に押しつぶすことができるようになる。また鉄心2を圧縮する力は、巻線後に外周側加圧治具12および内周側加圧治具13を取り除いた際に、曲がりやずれが最少となるような大きさ、配分となるように調整可能である。さらにこのとき、鉄心2の外周面に巻線機に鉄心2を取り付ける外周側拘束治具17によって姿勢を拘束し、内周側は内周側拘束治具18を押し当てるなどして姿勢を拘束しながら巻線を行う。外周側拘束治具17および内周側拘束治具18は、接触する鉄心2の表面に沿うように加工されている。具体的には、外周側拘束治具17は外周側に膨らむ鉄心2に沿うように凹みを有し、内周側拘束治具18は凹みを有する鉄心2に沿うように鉄心2の側へ膨らみを有する。非貫通溝11は、内周側加圧治具13を挿入するために設けられるので、非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さがあまりにも短いとその目的を達成することができないが、以下のように最大の長さが規定される。
(非貫通溝の最大延伸長さ)
図9は、非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さを示す図である。非貫通溝11の長さをL1とし、コイル4の径方向位置を規制し鉄心2の長手方向に伸びるボビン3の壁面の厚さをL2とし、コイル4の線径をdとする。このとき非貫通溝11の延伸長さL1は、以下の数式1の関係を満たす。
L1< L2+d/2 ・・・(数式1)
このように非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さL1は、L2+d/2を超えない範囲で、内周側加圧治具13を挿入できる長さに設定される。この関係を満たす場合は、図9に示すように非貫通溝11の最深部82は、最も内周側に寄ったコイル4の中心よりも内周側にある。換言すると、最も内周側に寄ったコイル4の中心から図示鉛直下向きには非貫通溝11による空洞が存在せず、十分な力に耐えることができる。以下に詳述する。
非貫通溝11の奥行き方向の最大の延伸長さを上述したように決定した理由を説明する。まず、非貫通溝11がボビン3を貫通していないことは、ボビン3の強度を確保し、かつボビン3の高さを必要以上に高くせずコイル4の周長や抵抗値を増大させないために必須である。仮にボビン3に設けられた溝が奥行き方向に貫通している場合は、貫通している溝の部分は空洞なので構造的に脆弱であり、コイル4の締め付け力により、長手方向から押す力や、幅方向に圧縮する向き力に耐えられず、ボビン3が割れる可能性がある。鉄心2を構成する鋼板は、主に樹脂で製作されるボビン3と比較して十分に強度が高く、内周側と外周側の端部のみを圧縮しても鋼板の強度に問題はない。そのため、貫通しない溝であれば貫通溝を開ける場合のような、コイル巻きつけ面下部の空洞は限定的にしか存在せず、非貫通溝11を設けることによる強度低下は極めて限定的である。
図10はコイル4による締め付け力が作用する主な箇所を示す図である。ボビン3の強度についてさらに詳述すると、ボビン3に作用する力はコイル4による締め付け力が支配的である。すなわち、コイル4の締め付け力の影響の大きな箇所に非貫通溝11による空洞がなければ、より強度の心配の少ない構造となる。ボビン3に対して、コイル4の締め付け力が強く働く箇所は、ボビン3の最も内周側に巻かれるコイル4がボビン3と接触する箇所と、ボビン3の最も外周側に巻かれるコイル4がボビン3と接触する箇所に挟まれる領域、すなわち図10において符号83のハッチングで示す領域である。図9において示したように、非貫通溝11の最深部82は、最も内周側に寄ったコイル4の中心よりも内周側にあるので、非貫通溝11は図10の符号83のハッチングで示す領域とは重複しない。そのためボビン3はコイル4による締め付け力に耐えることができる。
なおコイル4を巻線する際の製造上の都合により、ボビン3の長手方向端部の形状が、図7に示すように、内周側が高く外周側が低くなる傾斜を有する場合は、傾斜によって厚くなった部分に非貫通溝11を設けることになる。この場合は、デッドスペースの有効な活用ともなる利点も有する。
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)回転電機である電動モータ100は、鉄心2を覆うボビン3にコイル4が巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子1を備える。電動モータ100は、鉄心2の長手方向両端部において、鉄心2とボビン3が対向する面に円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝11を備える。そのため固定子1を製造する際に、非貫通溝11に内周側加圧治具13を挿入して鉄心2を長手方向に圧縮しながらボビン3にコイル4を巻線することができる。鉄心2をあらかじめ長手方向に圧縮するので、鉄心2を構成する薄い鋼板同士の隙間があらかじめ圧縮され、コイル4をボビン3に巻線することによる鋼板同士の隙間の変化が抑制される。したがって、従来であれば鋼板同士の隙間が圧縮されて余分となったコイル4の周長がコイル4が幅方向に膨らむ要因となったが、本実施の形態では余分となるコイル4が短くコイル4の幅方向への膨らみが抑制され、鉄心2の変形も抑制される。またボビン3には内周側加圧治具13が挿入可能なように加工が施されるが、加工の影響を低減するために奥行き方向に貫通しない非貫通溝11に留まる。そのため上述した電動モータ100は、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
(2)非貫通溝11はボビン3に形成される。そのため鉄心2は加工せずに形状を変化させず、発生させる磁界を従前どおりとすることができる。換言すると、本発明を適用しても磁界への悪影響を生じさせない。
(3)非貫通溝11の延伸長さは、コイル4の径方向位置を規制し鉄心2の長手方向に伸びるボビン3の壁面の厚さL2と,コイル4の線径dの半分、すなわちd/2とを合わせた長さよりも短い。そのため図10にハッチングで示すコイル4による締め付け力が作用する主な箇所は、中空である溝が存在しない中実となっており、ボビン3の強度低下を軽微にとどめることができる。
(4)鉄心2を覆うボビン3にコイル4が巻き回されて形成される複数の集中巻きコイル4が円環を構成するように配される固定子1を備え、鉄心2の長手方向両端部において、鉄心2とボビン3が対向する面に円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝11を備える電動モータ100の製造方法は、以下の工程を含む。すなわち、集中巻きコイルを、長手方向両端部の非貫通溝11に挿入された第1の1対の治具、すなわち内周側加圧治具13により鉄心2を長手方向に圧縮しながら巻線することを含む。そのためコイル4をボビン3に巻線することによる鋼板同士の隙間の変化を抑制し、鉄心2の変形を抑制する。また非貫通溝11は奥行き方向に貫通しない。そのためこの製造方法によれば、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制した電動モータ100を製造することができる。
(5)電動モータ100の製造方法は、集中巻きコイルはさらに、鉄心2の円環の外周側への変形を拘束する外周側拘束治具17、および鉄心2の円環の内周側への変形を拘束する内周側拘束治具18により鉄心2を拘束しながら巻線することを含む。そのため鉄心2の変形をさらに抑制することができ、コギングトルクの増大を抑制することができる。
(6)固定子1は、コイル4が巻き回されたボビン3に覆われる鉄心2を備える。固定子1は、鉄心2の長手方向両端部において、鉄心2とボビン3が対向する面に固定子の外周側から固定子の内側に向かって延伸する非貫通溝11を備える。そのため固定子1は、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
(第1の実施の形態の変形例1)
図11は、変形例1におけるボビン3の形状を示す図である。上述した第1の実施の形態では、非貫通溝11は一端に1つのみ設けられたが、一端に複数の非貫通溝が設けられてもよい。図11に示すボビン3は、第1非貫通溝11Aおよび第2非貫通溝11Bを備える。図11では記載を省略しているが、長手方向の対称な位置にも同様の非貫通溝が設けられる。第1非貫通溝11Aおよび第2非貫通溝11Bは、ボビン3の幅方向の中心線を対象軸として線対称な位置に設けられる。第1非貫通溝11Aおよび第2非貫通溝11Bの長さ、すなわち奥行き方向の延伸長さは、第1の実施の形態と同様である。
本変形例によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。すなわち、本変形例では第1非貫通溝11Aおよび第2非貫通溝11Bが幅方向に並んで設けられるので、鉄心2を安定して把持することができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
図12は、変形例2におけるボビン3の形状を示す図である。上述した第1の実施の形態では、非貫通溝11は幅方向の中央に設けられ幅方向の端部と連通しなかったが、幅方向の両端を結ぶように連通してもよい。図12に示すボビン3は、第3非貫通溝11Cを備える。図12では記載を省略しているが、長手方向の対称な位置にも同様の非貫通溝が設けられる。第3非貫通溝11Cは、ボビン3の幅方向に一様な形状を有し、奥行き方向に段差を形成する。第3非貫通溝11Cにおける奥行き方向の延伸長さは、第1の実施の形態と同様である。
本変形例によれば、第1の実施の形態における作用効果に加えて、次の作用効果を奏する。すなわち、本変形例では第3非貫通溝11Cがボビン3の幅方向一杯に存在するので、鉄心2をより安定して把持することができる。
(第1の実施の形態の変形例3)
図13は、変形例3におけるボビン3の形状を示す図である。上述した第1の実施の形態では、非貫通溝11の長手方向は端部まで達しなかったが、長手方向の端部まで達してもよい。図13に示す第4非貫通溝11Dは、長手方向がボビン3の端部まで達している。図13では記載を省略しているが、長手方向の対称な位置にも同様の非貫通溝が設けられる。ただし第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さは、ボビン3を奥行き方向に貫通しない長さであり、第1の実施の形態における非貫通溝11よりも短い。以下に詳述する。
図14は、第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さを説明する図である。図14は第1の実施の形態における図9に追記した図であり、第4非貫通溝11Dを破線で示している。すなわち図14におけるボビン3、コイル4、寸法L1、寸法L2は図9と同一である。第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さL3は、第4非貫通溝11Dがボビン3を奥行き方向に貫通しないように、寸法L2未満である。寸法L2とは前述のとおり、コイル4の径方向位置を規制し鉄心2の長手方向に伸びるボビン3の壁面の厚さである。第1の実施の形態において説明したように、第1の実施の形態における非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さL1はL2とコイル4の線径dの半分とを合わせた長さ未満である。すなわち、設定可能な非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さL1の最大長さをL1MAX、設定可能な第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さL4の最大長さをL3MAXとおくと、これらとL2は以下の数式2の関係を有する。
L1MAX>L2>L3MAX ・・・(数式2)
なお仮に第4非貫通溝11Dの奥行き方向の延伸長さL3をL2と等しくする場合、すなわち第4非貫通溝11Dがボビン3を奥行き方向に貫通する場合は、以下の問題が生じる。すなわちボビン3が幅方向に分割され、幅方向の強度が著しく低下する。
(第1の実施の形態の変形例4)
第1の実施の形態における図9では、非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さL1をボビン3の内周側の壁部の厚みL2を超えるように図示した。しかし非貫通溝11の奥行き方向の延伸長さL1は、ボビン3の内周側の壁部の厚みL2未満であってもよい。
(第1の実施の形態の変形例5)
第1の実施の形態では、図7の上面図33に示したように非貫通溝11の幅t11はボビン3においてコイル4が巻きつけられる幅t30よりも狭いとした。しかし非貫通溝11の幅t11は、ボビン3においてコイル4が巻きつけられる幅t30よりも広くてもよい。
(第1の実施の形態の変形例6)
第1の実施の形態では、非貫通溝11の形状は、奥行き方向に向かって一様であるものとして図示したが、奥行き方向の位置によりその形状が変形してもよい。たとえば非貫通溝11がテーパ状であってもよい。
(第1の実施の形態の変形例7)
図9では、ボビン3のコイル4が巻き付けられる箇所、すなわち壁部を除くボビン3の長手方向端部は、外周側ほど低くなる傾斜を有する構造として説明した。しかしボビン3の長手方向端部は傾斜がなくフラットでもよい。またボビン3の長手方向端部の形状が、さらに異なる形状であってもよい。すなわち本発明はボビン3の長手方向の端面の形状に制約されない。
(第1の実施の形態の変形例8)
上述した第1の実施の形態では、図8に示すように鉄心2の外周側と内周側の両方を長手方向に圧縮した。しかし圧縮するのは内周側だけでもよい。換言すると、外周側加圧治具12を用いた鉄心2の外周側の長手方向の圧縮を行わなくてもよい。
(第1の実施の形態の変形例9)
上述した第1の実施の形態では、図8に示すように外周側拘束治具17および内周側拘束治具18を用いて鉄心2の姿勢を拘束した状態でボビン3にコイル4を巻線した。しかしボビン3にコイル4を巻線する際に外周側拘束治具17および内周側拘束治具18を用いて鉄心2の姿勢を拘束しなくてもよい。換言すると、ボビン3にコイル4を巻線する際には、鉄心2を長手方向に圧縮することは必須であるが、鉄心2の外周側および内周側への変形を拘束することは必須ではない。
―第2の実施の形態―
以下、図15を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態では、非貫通溝を鉄心2に設ける点で第1の実施の形態と異なる。
図15は、第2の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図である。第2の実施の形態では鉄心2に非貫通溝21が設けられる。前述のように、鉄心2は薄い鋼板を積層して形成されるため、第2の実施の形態では鋼板のうちの所定の枚数について、積層後に非貫通溝21となる箇所の板を切り落とした鋼板を積層する。非貫通溝21の奥行き方向の延伸長さは、第1の実施の形態における非貫通溝11と同様である。
第2の実施の形態では、図15に示すように非貫通溝21に内周側加圧治具13を挿入して内周側を長手方向に圧縮し、段差部81を外周側加圧治具12によって挟み込んで長手方向に圧縮する。そしてこの状態でボビン3にコイル4が巻き回される。なお図15では外周側拘束治具17および内周側拘束治具18の図示を省略しているが、第1の実施の形態と同様にこれらも用いて固定子1を製造してもよい。
上述した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(7)非貫通溝21は鉄心2に形成される。そのため設計などの都合により、ボビン3に非貫通溝を設けることが困難である場合であっても、鉄心2に非貫通溝21を設けることでボビン3にコイル4を巻線する際に鉄心2を長手方向に圧縮できる。これによりボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
―第3の実施の形態―
以下、図16を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態では、非貫通溝11をボビン3に設け、さらに非貫通溝21を鉄心2の両方に設ける点で第1および第2の実施の形態と異なる。
図16は、第3の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図である。第3の実施の形態ではボビン3に非貫通溝11が設けられ、これと連通するように鉄心2に非貫通溝21が設けられる。鉄心2への非貫通溝21の形成方法は第2の実施の形態と同様である。非貫通溝21の奥行き方向の延伸長さの上限は第1の実施の形態における非貫通溝11との上限と同様である。本実施の形態では、非貫通溝11と非貫通溝21の奥行き方向の延伸長さは、同一であることが好ましいが異なっていてもよい。本実施の形態における固定子1の製造方法は第1の実施の形態と同様であり、非貫通溝11だけでなく非貫通溝21も利用して内周側加圧治具13により鉄心2の内周側を長手方向に圧縮する点が第1の実施の形態と異なる。
上述した第3の実施の形態によれば、設計などの都合により、ボビン3および鉄心2のそれぞれだけでは、内周側加圧治具13を挿入するための高さが確保された非貫通溝を設けることができない場合でも以下の効果が得られる。すなわち、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
―第4の実施の形態―
以下、図17を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第4の実施の形態を説明する。第4の実施の形態では、鉄心2を内周側から外周側に向かって貫く貫通溝22を設ける点が、第1の実施の形態と異なる。
図17は、第4の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図である。第4の実施の形態では鉄心2に貫通溝22が設けられる。鉄心2への貫通溝22の形成は、第2の実施の形態における切り落としの形状を変化させることで対応可能である。本実施の形態における固定子1の製造方法は第2の実施の形態と同様であり、非貫通溝21の代わりに貫通溝22に内周側加圧治具13を挿入する点が第2の実施の形態と異なる。本実施の形態では、第2の実施の形態において用いることができる全ての内周側加圧治具13を用いることができる。さらに本実施の形態では、貫通溝22が鉄心2の内周側から外周側まで貫通しているので、外周側加圧治具12と内周側加圧治具13を一体部品とすることや、内周側加圧治具13の端部を外周側で把持することによって、貫通溝22を内周側から外周側にかけて一様に圧縮することもできる。
なおボビン3は樹脂などによって形成されるため、強度確保の観点からボビン3に貫通溝を設けることは困難である。鉄心2は積層される鋼板によって形成されるので貫通溝22を設けても強度を確保することができる。ただし、鉄心2を構成する鋼板を鋼板に設けられた凹凸、いわゆるダボによって締結する場合は、貫通溝22によって分断された鋼板は、分断されたそれぞれの側が鉄心2として締結される必要があり、貫通溝22がない場合に比べて必要なダボの数は増加する。
上述した第4の実施の形態によれば、たとえば鉄心2が非常に小型であり、非貫通溝だけでは十分な加圧面積を確保できない場合でも次の作用効果が得られる。すなわち、鉄心2に貫通溝22を設けることで、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
―第5の実施の形態―
以下、図18を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第5の実施の形態を説明する。第5の実施の形態では、ボビン3の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝11に加え、ボビン3の外周側から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝23を備える点が第1の実施の形態と異なる。
図18は、第5の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図である。本実施の形態では、ボビン3の奥行き方向の外周側の端面の位置は、鉄心2の外周側の端面の位置と等しい。換言すると第5の実施の形態におけるボビン3の奥行き方向の幅は、第1の実施の形態と比べて拡張されている。またボビン3は、外周側端面から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝23を有する。
第5の実施の形態では、図18に示すように非貫通溝21に内周側加圧治具13を挿入して内周側を長手方向に圧縮し、外周側非貫通溝23に外周側加圧治具12Aを挿入して内周側を長手方向に圧縮する。なお外周側加圧治具12Aは、内周側加圧治具13と同様に溝へ挿入可能な段部を備える。そしてこの状態でボビン3にコイル4を巻き回す。なお図18では外周側拘束治具17および内周側拘束治具18の図示を省略しているが、第1の実施の形態と同様にこれらも用いて固定子1を製造してもよい。
本実施の形態では、ボビン3が鉄心2の端部の内周側から外周側にかけて広く分布する。そのため、コイル4による締め付け力が、ボビン3を伝わってより一様に鉄心2に作用して鉄心2の変形を抑制する効果が高まる。また、外周側加圧治具12Aおよび内周側加圧治具13を取り外し後には、鉄心2は圧縮から解放されて、ばねのように伸びようとする。そのため鉄心2の長手方向の長さは一定量長くなるが、本実施の形態では外周側の端部までボビン3によって覆われているので、内周側と外周側の高さの変化量の差が小さくなる。
上述した第5の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(8)電動モータ100は、鉄心2の長手方向端部において、鉄心2とボビン3が対向する面に円環の外周側から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝23を備える。そのためボビン3が鉄心2の端部の内周側から外周側にかけて広く分布する場合でも、ボビン3の強度を維持しつつ、鉄心2の変形に起因するコギングトルクの増大を抑制することができる。
(9)電動モータ100の固定子1を構成する集中巻きコイルは、鉄心2の長手方向端部において、鉄心2とボビン3が対向する面に円環の外周側から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝23を備える。そしてボビン3にコイル4を巻線する際には、非貫通溝11に内周側加圧治具13を挿入して圧縮するだけでなく、長手方向両端部の外周側非貫通溝23に挿入された第2の1対の治具、すなわち外周側加圧治具12により、さらに鉄心2を長手方向に圧縮しながら巻線する。
―第6の実施の形態―
以下、図19を参照して、本発明にかかる回転電機用の固定子、およびこれを用いた回転電機の第6の実施の形態を説明する。第6の実施の形態では、ボビン3および鉄心2に非貫通溝を設けない点で第1の実施の形態と異なる。
図19は、第6の実施の形態における固定子1の製造方法を示す図である。本実施の形態では、鉄心2の外周側の長手方向端面を挟むように設置した外周側加圧治具12によって鉄心2を長手方向に圧縮しながら巻線を行う。なお本実施の形態では、鉄心2の外周側を圧縮する力が強い場合には、鉄心2の内周側に図4に示す符号5と逆向きに曲げる力が発生してしまうため、コイル4の締め付け力を加味した圧縮力の設定が必要となる。本実施の形態は、ボビン3や鉄心2の都合によって非貫通溝が設けられない場合や、巻線設備の都合によって鉄心2の内周側に加圧治具や加圧機構を設けられない場合に有効である。
上述した各実施の形態の中には、鉄心2を巻線機に取り付ける治具や、巻線中に鉄心2の内周側を抑える治具の説明および図示がないものがあるが、これらの治具の要否や形状、設置場所が適切に検討されればよい。また、内周側加圧治具13が内周側抑えを兼ねる構造であってもよい。
上述した各実施の形態および変形例では、ボビン3は、あらかじめ成形し、鉄心2の両端から挿入する方法を例に挙げたが、鉄心2をモールドするように成形してもよいし、分割されずに一体であってもよい。ボビン3の材質は、一例として樹脂を挙げたが、鉄心2とコイル4の間に必要なだけの電気的な絶縁を提供できればよく、材質は問わない。またボビン3の構造は、主にコイル4の巻き付け面となる箇所について記述したが、巻き付け面の周囲に、コイル4の位置ずれを防止するための土手や、巻回位置を規制するための構造物を設けてもよく、そのような場合でも本発明の本質は不変である。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1…固定子
2…鉄心
3…ボビン
4…コイル
11…非貫通溝
11B…第2非貫通溝
11C…第3非貫通溝
12…外周側加圧治具
13…内周側加圧治具
17…外周側拘束治具
18…内周側拘束治具
21…非貫通溝
22…貫通溝
23…外周側非貫通溝
81…段差部
100…電動モータ

Claims (10)

  1. 鉄心を覆うボビンにコイルが巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子を備える回転電機であって、
    前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝を備える回転電機。
  2. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記非貫通溝は前記ボビンに形成される回転電機。
  3. 請求項2に記載の回転電機において、
    前記非貫通溝は複数形成される回転電機。
  4. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記非貫通溝は前記鉄心に形成される回転電機。
  5. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記非貫通溝の前記延伸の長さは、前記コイルの径方向位置を規制し前記鉄心の長手方向に伸びる前記ボビンの壁面の厚さと,前記コイルの線径の半分とを合わせた長さよりも短い回転電機。
  6. 請求項1に記載の回転電機において、
    前記鉄心の長手方向端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の外周側から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝をさらに備える回転電機。
  7. 鉄心を覆うボビンにコイルが巻き回されて形成される複数の集中巻きコイルが円環を構成するように配される固定子を備え、前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の内周側から外周側に向かって延伸する非貫通溝を備える回転電機の製造方法であって、
    前記集中巻きコイルを、前記長手方向両端部の前記非貫通溝に挿入された第1の1対の治具により前記鉄心を長手方向に圧縮しながら巻線することを含む回転電機の製造方法。
  8. 請求項7に記載の回転電機の製造方法において、
    前記集中巻きコイルは、前記鉄心の長手方向端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記円環の外周側から内周側に向かって延伸する外周側非貫通溝をさらに備え、
    前記集中巻きコイルを、前記長手方向両端部の前記外周側非貫通溝に挿入された第2の1対の治具により、さらに前記鉄心を長手方向に圧縮しながら巻線することを含む回転電機の製造方法。
  9. 請求項7に記載の回転電機の製造方法において、
    前記集中巻きコイルはさらに、前記鉄心の前記円環の外周側への変形を拘束する外周拘束治具、および前記鉄心の前記円環の内周側への変形を拘束する内周拘束治具により前記鉄心を拘束しながら巻線することを含む回転電機の製造方法。
  10. コイルが巻き回されたボビンに覆われる鉄心を備える固定子であって、
    前記鉄心の長手方向両端部において、前記鉄心と前記ボビンが対向する面に前記固定子の内周側から前記固定子の外側に向かって延伸する非貫通溝を備える固定子。
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