JP5442378B2 - 回転圧縮機 - Google Patents

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本発明は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動させる回転圧縮要素を備えて成る回転圧縮機に関するものである。
従来より、この種回転圧縮機は、密閉容器内に電動要素とこの電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を収納して成る。回転圧縮要素は、シリンダと、回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンと、シリンダの開口面を閉塞すると共に、回転軸の軸受けを有する支持部材と、支持部材のシリンダが位置する側と反対側に設けられた吐出消音室から構成されている。また、吐出消音室とシリンダ内の高圧室側とはシリンダに形成された吐出ポートと、支持部材に形成された連通孔を介して連通されており、吐出消音室内には連通孔を開閉可能に閉塞する吐出弁が設けられている。
また、電動要素は、密閉容器内面に固定される固定子と、この固定子の内側に回転可能に設けられた回転子から構成され、固定子は回転子に回転磁界を与えるための固定子巻線を備えている。
そして、駆動要素が駆動されると、吸込通路を介してシリンダの低圧室側に低温低圧の冷媒ガスが吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮される。当該ローラとベーンの動作によりシリンダ内の冷媒ガスが圧縮されて、所定の圧力に到達すると、係る冷媒ガスの圧力により吐出弁が押し上げられて、吐出ポート及び連通孔を介してシリンダの高圧室側と吐出消音室とが連通される。これにより、シリンダ内で圧縮され、高温高圧となった冷媒ガスは、シリンダの高圧室側より吐出ポート及び連通孔を経て吐出消音室に吐出される。吐出消音室に吐出された高温高圧の冷媒ガスは、密閉容器内に吐出された後、当該密閉容器内を経て、外部に吐出される構成とされていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−254270号公報
このような回転圧縮機では、電動要素の回転子の回転により発生する電動要素の静トルクが周期的に変動するため、従来、回転圧縮要素における冷媒ガス圧縮過程で、最もトルクが必要となる吐出弁が開く直前に電動要素の静トルクが最大となるように位置あわせして電動要素と回転圧縮要素を密閉容器内に取り付けることで、効率の向上を図ろうとしていたが、十分ではなかった。
本発明は、従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、電動要素の効率を改善して、回転圧縮機の性能の向上を図ることを目的とする。
請求項1の発明の回転圧縮機は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成るものであって、電動要素は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなる回転子と、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなる固定子を備え、当該電動要素の静トルクが最大となる位置を、回転圧縮要素の負荷トルクが最大となる位置から電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたことを特徴とする。
請求項2の発明の回転圧縮機は、密閉容器内に電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成るものであって、電動要素を構成する固定子、及び、回転軸に取り付けられて固定子内で回転する回転子と、回転圧縮要素を構成するシリンダと、回転軸の軸受けを備えてシリンダの開口を閉塞する支持部材と、この支持部材に形成されてシリンダ内の圧縮室と連通する吐出口を開閉する吐出弁とを備え、回転子は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなると共に、固定子は、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなり、電動要素の静トルクが最大となる位置を、吐出弁が開く直前の位置から電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたことを特徴とする。
請求項3の発明の回転圧縮機は、請求項1又は請求項2の発明において電動要素は直流モータであることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、密閉容器内に電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成る回転圧縮機において、電動要素は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなる回転子と、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなる固定子を備え、当該電動要素の静トルクが最大となる位置を、回転圧縮要素の負荷トルクが最大となる位置から電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたので電動要素の回転数を低下させること無く、入力を低減することが可能となる。
請求項2の発明によれば、密閉容器内に電動要素と、この電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成る回転圧縮機において、電動要素を構成する固定子、及び、回転軸に取り付けられて固定子内で回転する回転子と、回転圧縮要素を構成するシリンダと、回転軸の軸受けを備えてシリンダの開口を閉塞する支持部材と、この支持部材に形成されてシリンダ内の圧縮室と連通する吐出口を開閉する吐出弁とを備え、回転子は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなると共に、固定子は、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなり、電動要素の静トルクが最大となる位置を、吐出弁が開く直前の位置から電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたので電動要素の回転数を低下させること無く、入力を低減することが可能となる。
また、請求項3の発明のように、誘導電動機に比して慣性力を期待できない、電動要素が回転子に永久磁石を備えた直流モータに上記請求項1又は請求項2の発明を適用することで、上記各発明がより効果的となる。
本発明を適用した一実施例の回転圧縮機の縦断側面図である。 図1の回転圧縮機の電動要素及び回転圧縮要素の配置を示す図である。 各回転角における電動要素の静トルクと回転圧縮要素の負荷トルクの変化を示す図である。 本発明を適用した回転圧縮機と従来の回転圧縮機とを運転した場合の能力を示す図である。 従来の回転圧縮機の電動要素及び回転圧縮要素の配置を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明を適用した一実施例の回転圧縮機の縦断側面図、図2は本発明の電動要素の固定子と回転圧縮要素の位置関係を示す図である。図1に示す本実施例の回転圧縮機10は、鋼板から成る縦型円筒状の密閉容器12の内部空間の上側に駆動要素としての電動要素14を収納し、その下側に電動要素14の回転軸16により駆動される回転圧縮要素32を収納して成る内部高圧型のロータリコンプレッサである。
密閉容器12は、電動要素14及び回転圧縮要素32を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bから成り、密閉容器12内の底部にはオイル溜まりが構成されている。このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。更に、エンドキャップ12Bには冷媒吐出管96が取り付けられ、この冷媒吐出管96の一端は電動要素14上側の密閉容器12内の上部空間と連通している。また、密閉容器12(容器本体12A)の底部には取付用台座11が設けられている。
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に溶接固定された固定子22と、この固定子22の内側に回転軸16を中心にして回転自在に支持され、内部に永久磁石を備えた回転子24にて構成される直流モータである。本実施例では、係る電動要素14として、DCブラシレスモータを用いるものとして説明する。
上記固定子22は、複数の薄板電磁鋼板を積層して構成された固定子鉄心26と、回転子24に回転磁界を与えるための固定子巻線28とから構成されている。この場合、固定子鉄心26には24個のスロット部が形成され、これらスロット内に相対向する位置に挿入された固定子巻線28を同一の相として、三相の固定子巻線28が挿入され、固定子22の磁極を形成している。
また、前記回転子24は、固定子22と同様に電磁鋼板を積層して成る回転子鉄心30から構成され、この回転子鉄心30には、4極の磁極に対応してスロット31が穿設されており、各スロット31内には永久磁石MGがそれぞれ挿入される(図2)。そして、回転子24の回転子鉄心30の軸方向の端面(上下端面)に、非磁性体から成る図示しない端面部材を被せた後、バランスウエイト15A、15Bを取り付け、バランスウエイト15Aの上側にオイル分離板17を配置した状態でリベット18にて固定することで、これらが一体化されている。尚、永久磁石MGはスロット31に挿入された後、着磁されるものである。
一方、回転圧縮要素32は、シリンダ38と、このシリンダ38内に設けられ、回転軸16に形成された偏心部42に嵌合されてシリンダ38で偏心回転するローラ46と、このローラ46に当接してシリンダ38内を低圧室側と高圧室側に区画するベーン50(図2)と、シリンダ38の上面の開口部を閉塞すると共に、回転軸16の軸受部54Aを有する上部支持部材54と、シリンダ38の下面の開口部を閉塞すると共に、回転軸16の軸受部56Aを有する下部支持部材56にて構成される。
前記シリンダ38には、当該シリンダ38内部の低圧室側とそれぞれ連通する吸込通路58が形成されており、当該吸込通路58には後述する冷媒導入管92が連通接続されている。また、シリンダ38の上部支持部材54側(即ち、シリンダ38の上縁)には、シリンダ38内の高圧室側と連通する図示しない吐出ポートが形成されている。
また、上部支持部材54のシリンダ38が位置する側とは反対側の面(上面)は、略椀状のカップ部材63により覆われており、その内側には吐出消音室62が設けられている。即ち、吐出消音室62は、上部支持部材54の上面をカップ部材63にて覆うことにより構成されている。この吐出消音室62の底面となる上部支持部材54には、シリンダ38の上縁に形成された前記吐出ポートに対応する位置に上部支持部材54を軸心方向(上下方向)に貫通する連通孔55が形成されており、この連通孔55の上端開口(吐出口)は吐出弁66により開閉可能に閉塞されている。
この吐出弁66は縦長形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、吐出弁66の一端が連通孔55の上端開口に当接して密閉すると共に、他側は連通孔55と所定の間隔を存し、上部支持部材54に形成された図示しない取付孔にカシメピンにより固着される。吐出弁66の上側には吐出弁抑え板としてのバッカーバルブ67が配置され、前記吐出弁66と同様にカシメピンによって上部支持部材54に取り付けられている。
そして、シリンダ38内で圧縮され、所定の圧力に達した高圧室側の冷媒ガスの一部が、連通孔55を閉じている吐出弁66を押し上げて連通孔55の上端開口を開く。これにより、連通孔55を介して吐出ポートと吐出消音室62とが連通されて、シリンダ38内の高温高圧の冷媒ガスが吐出消音室62内に吐出されることとなる。このとき、吐出弁66は上述したように他側が上部支持部材54に固着されているので連通孔55に当接している一側が反り曲がり、吐出弁66の開き量を規制しているバッカーバルブ67に当接する。そして、冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁66がバッカーバルブ67から離れ、連通孔55の上端開口を閉塞する。
前記密閉容器12の容器本体12Aの側面には、シリンダ38の吸込通路58に対応する位置に、スリーブ91が溶接固定されている。そして、スリーブ91内にはシリンダ38に冷媒ガスを導入するための前述した冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端はシリンダ38の吸込通路58と連通する。この冷媒導入管92の他端はアキュムレータ98内にて開口している。
上記アキュムレータ98は吸込冷媒の気液分離を行うタンクであり、密閉容器12の容器本体12Aの上部側面にブラケット97を介して取り付けられている。そして、アキュムレータ98には冷媒導入管92が底部から挿入され、当該アキュムレータ98内の上方に他端が開口している。
また、吐出消音室62と密閉容器12内とは、カップ部材63を貫通する図示しない吐出孔にて連通されており、この孔から吐出消音室62内の冷媒ガスが密閉容器12内に(具体的には、当該カップ部材63の上方に位置する電動要素14に向かって)吐出されることとなる。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示しない配線を介して電動要素14の固定子巻線28に直流電流を通電すると、回転子24のスロット31内に埋め込まれた永久磁石MGから生じる磁界との反発・吸引作用により、回転子24は固定子巻線28に印加される電圧と負荷とがバランスする速度で回転する。回転子24の回転によって、回転軸6が回転し、この回転軸16と一体に設けられた偏心部42に嵌合されたローラ46がシリンダ38内を偏心回転する。
これにより、アキュムレータ98内で液と分離された、気体の冷媒(冷媒ガス)のみが当該アキュムレータ98内に開口した冷媒吐出管92内に入る。冷媒導入管92に入った低圧の冷媒ガスは吸込通路58を経て、回転圧縮要素32のシリンダ38の低圧室側に吸入される。
シリンダ38の低圧室側に吸入された冷媒ガスは、ローラ46と図示しないベーンの動作により圧縮される。そして、シリンダ38内の冷媒ガスが所定の高圧に達すると、係る冷媒ガスの高圧によりシリンダ38の上側に位置する吐出弁66が押し上げられて、連通孔55の上端開口が開放される。これにより、連通孔55を介して吐出ポートと吐出消音室62とが連通され、シリンダ38の高圧室側の高温高圧の冷媒ガスが、吐出ポートから連通孔55を経て吐出消音室62内に吐出される。この吐出消音室62内に吐出された冷媒ガスは、カップ部材63に形成された図示しない吐出孔から密閉容器12内に吐出される。
そして、密閉容器12内に吐出された高温高圧の冷媒ガスは、その後、電動要素14の隙間を通って、密閉容器12の上側に移動し、エンドキャップ12Bに形成された冷媒吐出管96から外部に吐出される。
ところで、このようなロータリコンプレッサ10では、電動要素14の回転子24の回転により発生する電動要素14の静トルクが周期的に変動する。具体的に説明すると、回転子24に永久磁石MGを備えた直流モータからなる電動要素14では、回転子24の永久磁石MGによる磁石と固定子巻線28による回転磁界とが吸引反発して発生するトルク(磁石トルク)と、固定子巻線28による回転磁界に回転子24の突極部が(鉄が)吸引されて発生するトルク(リラクタンストルク)の双方を利用できる。
上記磁石トルクは永久磁石MGと回転磁界との吸引反発力で決定されるため、回転位置によって変動すること無くほぼ一定であるが、リラクタンストルクは回転子24の突極の位置で変化する。このため、本実施例のように、4極の磁極を構成する4個の永久磁石MGを挿入してなる回転子24と、三相の固定子巻線28を巻回してなる固定子22を電動要素14として用いた場合には、電動要素14の静トルクは図3に細線Bで示すように1回転内で12個のピークT2が発生することとなる。
図5は、従来のロータリコンプレッサにおける電動要素の固定子と回転圧縮要素の位置を示す図である。尚、図5において、前記図1及び図2と同一の図番が付されているものは、図1及び図2と同様、或いは、類似の効果、若しくは、作用を奏するものである。図5に示す配置は、電動要素14の静トルクが最大となる位置と、回転圧縮要素32の負荷トルクが最大となる位置とが一致するように、固定子122の三相の固定子巻線128を配置して密閉容器12に取り付けたものである。この図5に示す従来の配置は、本発明のロータリコンプレッサ10と電動要素14の固定子122の位置が相違するだけで、その他の構成部品、構造等は全て本発明のロータリコンプレッサ10と同一である。
これに対して、本発明では、電動要素14の静トルクが最大となる位置を、回転圧縮要素32の負荷トルクが最大となる位置から電動要素14の回転方向にずらすものとする。具体的に、図2に示す本発明のロータリコンプレッサ10では、図5に示す従来の位置から、電動要素14の固定子22を電動要素14の回転方向(図2に示す矢印の方向)に5°以上20°以下の範囲(本実施例では、固定子鉄心26に形成された複数のスロットの1スロット分となる約15°)ずらして配置することにより、電動要素14の静トルクが最大となる位置を、回転圧縮要素32の負荷トルクが最大となる吐出弁66が開く直前の位置から電動要素14の回転方向にずらしている。
図3は、図2の配置とした場合の電動要素14の静トルクと回転圧縮要素32の負荷トルクの変動を示す図である。図3において、横軸は回転圧縮要素32のロータ46の回転角度、縦軸はトルクを示している。図3の太線Aで示すように、回転圧縮要素32の負荷トルクは回転角度が約210°で最大T1となる。尚、このとき、シリンダ38内において、高圧室側の冷媒ガスの圧力が最も高い、吐出弁66が開く直前の状態となる。
また、図3の細線Bは本実施例の電動要素14の静トルクの変動を示している。本実施例では、前述したように、4極の磁極を構成する4個の永久磁石MGを挿入してなる回転子24と、三相の固定子巻線28を巻回してなる固定子22を電動要素14として用いているので、電動要素14の静トルクは図3に細線Bで示すように1回転内で12個のピークT2が発生する。
図5に示す従来の配置では、回転圧縮要素32の負荷トルクのピークT1と、電動要素14の静トルクのピークT2とが一致していたが、本実施例では、図3に示すように、この電動要素14の静トルクのピークT2が回転圧縮要素32の負荷トルクのピークT1から約15°回転方向にずれている。
ここで、図2に示す本発明の配置のロータリコンプレッサ(図4に示す本考案圧縮機に相当)10と図5に示す従来のロータリコンプレッサ(図4に示す従来圧縮機に相当)とで、運転周波数を幾つか変更して入力と電流とを比較した結果を図4に示す。図4に示す比較試験運転において、両ロータリコンプレッサは、電動要素の固定子22の位置が相違するだけで、その他の構成部品、構造等全て同一のものを使用して性能の比較実験を行った。この場合、冷媒吐出管96から吐出される冷媒ガスの圧力(高圧圧力)は、15.78kg/cm2G、冷媒導入管92から回転圧縮要素32のシリンダ38内に吸い込まれる冷媒ガスの圧力(低圧圧力)は4.81kg/cm2G、シリンダ38内に吸い込まれる冷媒ガスの温度は35.0℃である。
図4に示すように何れの周波数の場合にも、本発明を適用した場合の方が、従来の配置のものより、入力及び電流が低くなることが明らかである。従来のように、電動要素の静トルクが最大となる位置(図3に示すT2)を、回転圧縮要素の負荷トルクが最大となる位置(図3に示すT1)と一致させると、最大負荷トルクT1に達した時点ですぐに電動要素14のトルクが落ちていってしまうため、より入力が増えてしまうものと考えられる。
これに対して、本発明のように、電動要素の静トルクが最大となる位置T2と、回転圧縮要素の負荷トルクが最大となる位置T1とが一致する位置から、電動要素の静トルクが最大となる位置T2が電動要素14の回転方向、即ち、進行方向にずれるように、固定子22の三相の固定子巻線28を配置して密閉容器12に取り付けることで、電動要素14の静トルクが上昇していく過程で回転圧縮要素32の負荷トルクが最大となる。このため、従来のように回転圧縮要素32の負荷最大トルクの位置T1と電動要素14の静トルクのピークT2とを一致させた場合よりも、ローラ46を回転方向に引張る力をより効果的に与えることができ、その結果、入力が低減されたものと考えられる。
以上詳述した本発明のように、電動要素14の静トルクが最大となる位置を、回転圧縮要素31の負荷トルクが最大となる位置、即ち、本実施例では、吐出弁66が開く直前の位置から電動要素14の回転方向に15°ずらしたことで、回転圧縮要素32の負荷最大トルクの位置と電動要素14の静トルクのピークとを一致させた場合よりも、ローラ46を回転方向に引張る力をより効果的に与えることができるようになり、ロータリコンプレッサ10の入力を低減することが可能となる。これにより、ロータリコンプレッサ10の性能の向上を図ることができるようになる。
特に、本実施例のように、回転子24に永久磁石MGを備えた直流モータを電動要素14として用いた場合、誘導電動機のような慣性力を得られないため、入力を効果的に低減することが困難であったが、本発明を適用することで、このような直流モータを用いた場合においても、電動要素14の効率を向上させることが可能となり、入力の低減を図ることができるようになる。
尚、本実施例では、電動要素14の静トルクが最大となる位置を、吐出弁66が開く直前の位置から電動要素14の回転方向に前述したように15°(1スロット分)ずらすものとしたが、電動要素14の回転方向にずらす角度は、実施例の角度に限定されるものではない。
10 ロータリコンプレッサ
11 取付用台座
12 密閉容器
12A 容器本体
12B エンドキャップ
12D 取付孔
14 電動要素
15A バランスウエイト(回転子鉄心の上側)
15B バランスウエイト(回転子鉄心の下側)
16 回転軸
17 オイル分離板
18 リベット
20 ターミナル
22 固定子
24 回転子
26 固定子鉄心
28 固定子巻線
30 回転子鉄心
31 スロット
32 回転圧縮要素
38 シリンダ
42 偏心部
46 ローラ
54 上部支持部材
55 連通孔
56 下部支持部材
58 吸込通路
62 吐出消音室
63 カップ部材
66 吐出弁
67 バッカーバルブ
91 スリーブ
92 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
97 ブラケット
98 アキュムレータ
MG 永久磁石

Claims (3)

  1. 密閉容器内に電動要素と、該電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成る回転圧縮機において、
    前記電動要素は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなる回転子と、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなる固定子を備え、
    当該電動要素の静トルクが最大となる位置を、前記回転圧縮要素の負荷トルクが最大となる位置から前記電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたことを特徴とする回転圧縮機。
  2. 密閉容器内に電動要素と、該電動要素の回転軸にて駆動される回転圧縮要素を備えて成る回転圧縮機において、
    前記電動要素を構成する固定子、及び、前記回転軸に取り付けられて前記固定子内で回転する回転子と、
    前記回転圧縮要素を構成するシリンダと、
    前記回転軸の軸受けを備えて前記シリンダの開口を閉塞する支持部材と、
    該支持部材に形成されて前記シリンダ内の圧縮室と連通する吐出口を開閉する吐出弁とを備え、
    前記回転子は、4極の磁極を構成する永久磁石を挿入してなると共に、
    前記固定子は、24個のスロット部の相対向する位置に同一の相として三相の固定子巻線を巻回してなり、
    前記電動要素の静トルクが最大となる位置を、前記吐出弁が開く直前の位置から前記電動要素の回転方向に5°以上20°以下の範囲でずらしたことを特徴とする回転圧縮機。
  3. 前記電動要素は、直流モータであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転圧縮機。
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