JP5441148B2 - レジストの積層構造体およびレジストパターンの形成方法 - Google Patents

レジストの積層構造体およびレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

この発明は、基板上に米国Microchem社製のネガ型レジストSU−8などの波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストを付し、該レジストを任意のパターン形状に露光したのち現像してパターン化し、めっき雌型やマイクロ流路として使用するための、レジストの積層構造体およびレジストパターンの形成方法に関するものである。
波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有する感光基をエポキシ樹脂などの前記波長帯の光に対して高透過性を有する樹脂に含有させた、米国Microchem社製のネガ型レジストSU−8などのレジストは、たとえば非特許文献1に示されているように、レジストパターンの線幅に対するレジストパターン高さの比率、すなわちアスペクト比=(レジストパターン高さ)/(レジストパターン線幅)を非常に大きく取れ、かつ、レジストパターン側壁をほぼ垂直にできる。
そのため、前記のレジストパターンを被めっき基板上に形成すれば、良好な微細めっき雌型として使用することができ、該めっき雌型にニッケルなどの金属をめっきすれば、微細で複雑な形状のマイクロ金属部品を容易に製作することができる。
また、前記のレジストパターンをマイクロ流路として使用すれば、マイクロミキサ、マイクロリアクターなどのマイクロ流体機器を高精度に製作することができる。
ところで、前記のレジストパターンを形成するには、該レジストをパターン形状に露光したのち現像することが必要であり、該レジストの感光波長帯が波長200〜410nmの近紫外光〜短波長可視光であることから、当然のことながらこの波長帯の光を用いて露光することが必要である。
該レジストを露光するには、一般に必要なパターンを有する原図基板であるレチクルやマスクを用意して投影露光、密着露光、近接露光などを行なう。
しかし、めっきにより製作するマイクロ金属部品や該レジストをそのまま構造体として利用するマイクロ流体機器は、一般に汎用集積回路素子に比べると必要個数が少なく、逆に様々なバリエーションや顧客のニーズに合わせたカスタマイズ化が要求されることが多い。すなわち、汎用集積回路素子に比べると、多品種少量生産となる。
そのため、めっきの雌型やマイクロ流体機器用のパターンを投影露光、密着露光、近接露光で転写するのに必要な原図基板であるレチクルやマスクの価格が製品価格を大きく左右してしまう。
特許文献1、2や非特許文献2、3などに開示されている液晶パネルをレチクルの代替として、液晶パネル上に表示したパターンを投影レンズなどの投影光学系を介して投影露光する液晶マトリックス投影露光法は、高価なレチクルを用意することなく任意のパターンを簡便に投影露光できる方法である。
特願2001−65738、液晶マトリックス投影露光装置 特願2001−295060、液晶マトリックス投影露光装置および液晶マトリックス投影露光方法 渡辺洋之、堀内敏行:第54回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2007春)、814頁 堀内敏行、大谷綾香:第54回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2007春)、50頁 深澤裕年、堀内敏行:第55回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2008春)、722頁
しかし、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光は、一般には液晶材料を透過せず、わずかに透過しても明部と暗部との明暗比すなわちコントラストが取れないという問題があった。
図3は、非特許文献2、3に開示されている液晶マトリックス投影露光に用いられた、米国Kopin社製STN液晶パネルCyber Display 320 Monoについて、全セルを明に設定したときと、全セルを暗に設定したときの分光透過率を日本分光株式会社製のV−630型紫外可視分光光度計により測定した結果である。
図3より明らかなように、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に対しては、液晶パネルを明に指定しても光はほとんど透過しない。
このため、前記のめっきの雌型やマイクロ流路を形成するのに都合のよいSU−8などのレジストを感光させることができず、また、露光光線のほとんどが液晶パネルに吸収されるという不都合を生じた。
また、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に対しては、液晶パネルを明に指定したときと暗に指定したときとの間の透過率の差も小さく、明暗のコントラストが十分とれないので、長時間露光光線を照射して露光してもレジストパターンを形成することはできない。
そのため、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に感光する、前記のアスペクト比を大きく取れ、レジストパターン側壁をほぼ垂直にできるという良好なめっき雌型形成特性やマイクロ流路形成特性を有するレジストに対しては、多品種少量生産に優れた特性を有する液晶マトリックス露光を適用できなかった。
請求項1に示す本発明のレジストの積層構造体は、下地基板上に波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光の範囲に主たる感光波長帯を有し、有機現像液を用いて現像されるネガ型で膜厚が50μm以上の下層レジストを付し、該下層レジスト上にアルカリ現像液に溶解する金属膜を堆積し、該アルカリ現像液に溶解する金属膜上に、波長420nm〜530nmの青色可視光に感光し、アルカリ現像液を用いて現像される上層レジストを付したことを特徴とする。
また、請求項2に示す本発明のレジストパターンの形成方法は、下地基板上に波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光の範囲に主たる感光波長帯を有する下層レジストを付し、該下層レジスト上にアルカリに溶解する金属膜を堆積し、該アルカリに溶解する金属膜上に波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する上層レジストを付したレジストの積層構造体を用い、前記波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する上層レジストを、液晶パネルを原図基板の代わりに用いて露光する第1の露光工程と、該第1の露光工程後にアルカリ現像液によって該上層レジストを現像しつつ該アルカリ現像液によって該上層レジストが溶解除去された部分の前記金属膜も該アルカリ現像液に溶かし、該上層レジストと該金属膜の重層パターンを形成する第1の現像工程と、該第1の現像工程で溶け残った前記上層レジストと金属膜の重層パターンを遮光パターンとして波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光を含む光によって前記下層レジストを露光する第2の露光工程と、該第2の露光工程後にアルカリ現像液によって前記上層レジストと金属膜の重層パターンを除去する第2の現像工程と、有機現像液によって前記下層レジストを現像する第3の現像工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、液晶パネルをレチクルの代替として、液晶パネル上に表示したパターンを投影レンズなどの投影光学系を介して投影露光する、液晶マトリックス投影露光法や、液晶パネルをマスクの代替として、被露光物に密着または近接させて露光する方法を利用して、レチクルやマスクなどの原図基板を用いずに、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストのめっき雌型パターンやマイクロ流路パターンを高精度、高アスペクト比で簡便に形成することができる。
液晶パネルの液晶セルは、一般に波長420nm〜530nmの青色可視光に対しては5〜20%程度の透過率を有するが、波長420nm以下の光はほとんど通さないことから、従来は、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストや紫外線硬化樹脂などには、液晶マトリックス投影露光法や、液晶パネルをマスクの代替として、被露光物に密着または近接させて露光する方法が使えなかった。
しかし、本発明によれば、液晶パネルの表示パターンによりまず波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する上層レジストを露光し、それを波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストに転写するため、液晶マトリックス投影露光法や、液晶パネルをマスクの代替として、被露光物に密着または近接させて露光する方法が活用できる。
液晶マトリックス投影露光法や液晶パネルをマスクの代替として、被露光物に密着または近接させて露光する方法を活用できれば、レチクルやマスクなどの原図基板を用いずに任意のパターンを簡便に転写することができるため、多品種少量生産のめっき雌型やマイクロ流体機器のマイクロ流路を短納期で安価に製作することができる。
そして、該めっき雌型にニッケルなどの金属をめっきすれば、微細で複雑な形状のマイクロ金属部品を容易に短納期で安価に製作することができる。
発明の実施するための最良の形態
図1は、本発明のレジストの積層構造体およびレジストパターンの形成方法の説明図である。
下地基板1としては、目的に応じて、銅箔付きプラスチック基板、シリコンウエハなど様々な基板が使用されるが、図1では、銅箔付きプラスチック基板の表面に金を薄くスパッタした下地基板1を例示してあり、1aがプラスチック基板、1bが銅箔、1cが金の薄膜である。
工程(a)においては、前記の下地基板1上に、波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストや紫外線硬化樹脂などの下層レジスト4を付す。
該下地基板1上に下層レジスト4を付す方法は、下地基板1上に溶剤に溶かした下層レジスト4を滴下して下地基板1を回転させるスピンコート法、下地基板1上に溶剤に溶かした下層レジスト4を滴下してブレードで塗布するブレードコート法、溶剤に溶かした下層レジスト4中に下地基板1を浸漬したのち引き上げる浸漬法、溶剤に溶かした下層レジスト4を下地基板1に噴霧する方法、下層レジスト4のシートやテープを下地基板1にはり付ける方法など任意の方法でよい。
該下地基板1上に下層レジスト4を付したのち、必要に応じてベークを行い、下層レジスト4を固化させる。
次に、該下層レジスト4上にアルミニウム、マグネシウム、シリコンなど、アルカリに溶解する金属膜5をスパッタ、真空蒸着などの方法により堆積する。
そして、該アルカリに溶解する金属膜5の上に、波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する液晶マトリックス露光用の上層レジスト6を付する。
上層レジスト6を付す方法も、下層レジスト4を付す方法と同様の任意の方法でよい。
また、上層レジスト6を付したのち、必要に応じてベークを行い、した上層レジスト6を固化させる。
この、該下地基板1上に下層レジスト4を付し、その上にアルカリに溶解する金属膜5を堆積し、さらにその上に液晶マトリックス露光用の上層レジスト6を付した構造が、本発明のレジストの積層構造体の特徴である。
次に、工程(b)において、液晶パネル7にめっき雌型やマイクロ流路などとして必要な所望のパターン8を表示し、波長が420nm〜530nmの青色可視光を含む露光光線9を照射して、投影光学系10を介して該液晶パネル7上のパターン8に対応する明暗像を前記の上層レジスト6上に作り、該上層レジスト6を前記の液晶パネル7上のパターン8に対応するパターン形状に露光する。
露光光線9は、液晶パネル7を透過し、液晶マトリックス露光用の上層レジスト6を感光させることができる波長420nm〜530nmの青色可視光を含む任意の露光光線とし、水銀ランプを光源として波長436nmのg線スペクトルを中心に照射したり、メタルハライドランプを光源として波長420nm〜530nmの青色可視光を含む連続波長の光を照射したり、波長473nmの固体青色レーザの光を当てたりすればよく、420nm〜530nmの青色可視光のうちの特定の波長の光でもよく、逆に多少波長420nm〜530nmの青色可視光以外の波長の光が混ざっていてもよい。
なお、投影光学系10は、液晶パネル7上に表示しためっき雌型やマイクロ流路として必要な所望のパターン8に対応する明暗像を前記の上層レジスト6上に作れる光学系であれば、構成は任意でよく、図示したような単体の投影レンズのほか、無限遠焦点の対物レンズと結像レンズからなる投影光学系、ミラーを用いた投影光学系などを使用することができる。
また、液晶パネル7上の一部のパターンのみを投影露光できる投影光学系であり、液晶パネル7と下地基板1とを相対的に走査または間欠的に移動して液晶パネル7上の所望の露光フィールドを露光する投影光学系10であってもよい。
液晶パネル7上のパターン8を維持したまま、下地基板1をステップアンドレピートして沢山のパターン8を露光してもよく、ステップアンドレピートしながらパターン8を任意に変更して様々なパターン8を露光してもよい。
なお、液晶パネル7を液晶マトリックス露光用の上層レジスト6のすぐ上に重ねて近接露光または密着露光で露光を行う場合にも本発明は適用できる。
図中に示した11が上層レジスト6の感光部であり、前記の液晶パネル7上のパターン8に対応するパターン形状に感光することを示している。
上層レジスト6の下にはアルカリに溶解する金属膜5が存在するため、上層レジスト6を如何様に露光してもアルカリに溶解する金属膜5の裏側の下層レジスト4は保護されて本露光工程においては一切感光しない。
次に、工程(c)において、工程(b)で液晶パネル7上のパターン8を露光した上層レジスト6を現像液12に浸して現像する。
このとき、上層レジスト6がポジ型であるとすれば、感光部が現像液12に溶けるため、図示したような上層レジスト6のパターン13が得られる。
上層レジスト6として、ノボラック樹脂をベースとし、ナフトキノンジアジドなどの感光基を加えたポジ型レジストなどのアルカリ現像液を用いるレジストを使用し、現像液12として、標準的に用いられているテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)2.38%の水溶液を主成分とするアルカリ現像液を用いれば、該アルカリ現像液はpHが14の強アルカリなので、上層レジスト6の下に付したアルカリに溶解する金属膜5は上層レジスト6のパターン13に覆われて保護された部分だけがアルカリに溶解する金属膜のパターン14として残り、上層レジスト6が溶解した部分のアルカリに溶解する金属膜5は一緒に溶解除去される。
TMAHの水溶液を主成分とするアルカリ現像液は、前記の2.38%の水溶液が標準的であるが、3%の現像液も市販されており、濃度は現像できる範囲で任意でよい。
また、アルカリ現像液を用いるレジストは、露光によってできた酸をアルカリによって中和して塩として水に溶解させる原理なので、アルカリ現像液は必ずしもTMAHを主成分とするアルカリでなくてもよく、水酸化ナトリウムなど別の物質を主成分とするアルカリでもよい。
なお、図では、上層レジスト6を現像するため、下地基板1ごと現像液12に浸漬する方法を示したが、上層レジスト6上に現像液12を滴下または流下させたのち所定の時間滞留させるパドル現像や、上層レジスト6上にノズルから現像液12を流下し続ける現像など、任意の現像方法で現像すればよいことは明らかである。
また、露光後、現像の前に必要に応じてポストエクスポージャーベーク(PEB)を行ってもよいことは言うまでもない。
上層レジスト6はネガ型のレジストでもよく、その場合は、液晶パネル7上のパターン8に対応する感光部11の部分が、現像後、アルカリに溶解する金属膜のパターン14の上に残る。
次に、工程(d)であるが、図は、現像後、上層レジスト6のパターン13をリンス、乾燥させた状態を示しており、前記の下地基板1上に付した下層レジスト4の上には、所望のパターン形状をしたアルカリに溶解する金属膜のパターン14と上層レジスト6のパターン13とが積層された重層パターンが形成されているので、そこに、下層レジスト4を感光させることができる波長が200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光を含む露光光線15を均等に照射する。
露光光線15は、前記の200〜410nmの間の任意の波長を主成分として有する任意の光源を用いて照射すればよく、波長405nmの水銀のh線、波長365nmの水銀のi線などを含む紫外線ランプまたは短波長可視光ランプ、前記の200〜410nmの波長帯の間の任意の特定波長の光を出すレーザ光源などが使用でき、200〜410nm以外の波長成分、たとえば、波長420nm〜530nmの青色可視光などが混ざっていてもよい。
また、照射方法も任意であり、上層レジスト6のパターン13を形成した範囲を一括して露光してもよく、部分的な範囲の露光と下地基板1および/または露光光源のステップアンドレピートを繰り返してもよく、露光光源と下地基板1とを相対的に走査することにより露光光線15を照射してもよい。
露光光線15を照射すると、下層レジスト4は、上層レジスト6のパターン13の下のアルカリに溶解する金属膜のパターン14で遮光保護された部分以外の部分が露光され、上層レジスト6のパターン13やアルカリに溶解する金属膜5のパターン14と逆のパターン部が感光部となる。
照射する露光光線15は、200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光であり、その波長は上層レジスト6を感光させる波長420nm〜530nmの青色可視光の波長より短いため、該波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光の持つエネルギは、波長420nm〜530nmの青色可視光の持つエネルギより高い。
そのため、露光光線15を照射すると、工程(b)において未露光であった上層レジスト6のパターン13も同時に露光される。
そこで、次に、工程(e)において、工程(c)と同様に、上層レジスト6のパターン13を現像液12に浸して現像する。
このとき、工程(d)で感光した上層レジスト6のパターン13が現像液12に溶け、現像液12がTMAH2.38%の水溶液を主成分とするpHが14の強アルカリであることから、上層レジスト6のパターン13下に残っていたアルカリに溶解する金属膜5のパターン14は一緒に溶解除去される。
工程(e)においても、TMAHの水溶液を主成分とする現像液12の濃度は現像できる範囲で任意でよい。
また、アルカリ現像液を用いるレジストは、露光によってできた酸をアルカリによって中和して塩として水に溶解させる原理なので、アルカリ現像液は必ずしもTMAHを主成分とするアルカリ現像液でなくてもよい。
なお、工程(e)においても、上層レジスト6を現像するため、下地基板1ごと現像液12に浸漬する方法を示したが、上層レジスト6上に現像液12を滴下または流下させたのち所定の時間滞留させるパドル現像や、上層レジスト6上にノズルから現像液12を流下し続ける現像など、任意の現像方法で現像すればよいことは明らかである。
上層レジスト6のパターン13とその下に残っていたアルカリに溶解する金属膜5のパターン14を溶解除去すると、感光部16を有する下層レジスト4が下地基板1上に露出される。
感光部16を有する下層レジスト4が付いた下地基板1を現像液12から取り出したのちは、リンスして乾燥させ、必要に応じて、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行う。
次に、工程(f)において、感光部16を有する下層レジスト4を1−メトキシ−2−プロピルアセテートや、エチルラクテート、ジアセトンアルコールなどの有機現像液17によって現像する。
下層レジスト4を非特許文献1などに開示された米国Microchem社製のSU−8などのエポキシ樹脂、γ−ブチロラクトン、ポリプロピルカーボネイト、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF)からなるネガ型レジストとしておけば、露光光線15に対して感光しなかった部分が上記の有機現像液17に溶け、感光部16が図示のように残って下層レジスト4のパターン18が得られるが、下層レジスト4がポジ型のレジストでもよいことは明らかであり、その場合には、露光光線15に対して感光した部分が上記の有機現像液17に溶ける。
なお、現像後、下層レジスト4のパターン18が形成された下地基板1を有機現像液17から取り出して2−プロパノール(イソプロピルアルコール)などによってリンスし、乾燥させる。
なお、工程(f)においても、下層レジスト4を現像するため、下地基板1ごと有機現像液17に浸漬する方法を示したが、下層レジスト4上に有機現像液17を滴下または流下させたのち所定の時間滞留させるパドル現像や、下層レジスト4上にノズルから有機現像液17を流下し続ける現像など、任意の現像方法で現像すればよい。
下層レジスト4のパターン18が形成された下地基板1を有機現像液17から取り出してリンスし、乾燥したのち、ポストベークを行って、下層レジスト4のパターン18を強固に固めてもよい。
下地基板1を銅箔付きプラスチック基板またはシリコン基板とし、工程(a)として、下層レジスト4として米国Microchem社製のネガ型レジストSU−8を約50μm厚さにスピンコートし、95℃で15minプリベークしてからその上にアルカリに溶解する金属膜5としてアルミ箔を厚さ約0.15μmに真空蒸着し、さらにその上に東京応化工業(株)社製のポジ型レジストTHMR−iP3300を厚さ約1μmにスピンコートした、本発明のレジストの積層構造体を作成した。
上層レジスト6に相当するポジ型レジストTHMR−iP3300は、塗布後、93℃で2minプリベークしてから使用した。
次に、工程(b)として、非特許文献2に開示された液晶マトリックス投影露光装置を用い、液晶パネル7上に外径約400μm、軸径120μm、歯数9のインボリュート歯車パターンを表示して該ポジ型レジストTHMR−iP3300を投影露光した。
光源には、住田光学ガラス(株)社製のメタルハライドランプLS−M180を用い、連続波長の光であるが、フィルターを入れて露光光線9の中心波長を450nmとして照射した。
縮小投影レンズには、(株)ミュートロン社製のテレセントリックレンズMGTL014を用い、1/7縮小投影を行った。
露光後、該めっき雌型形成用下地基板1を113℃で2minポストエクスポージャベーク(PEB)してから、工程(c)として、ポジ型レジストTHMR−iP3300の現像液であるTMAH2.38%の水溶液を主成分とする東京応化工業(株)社製のアルカリ現像液NMD−W中に10min浸漬して現像した。
この結果、約50μm厚さのネガ型レジストSU−8上に、上層レジスト6のパターン13に相当する前記歯車形状の厚さ約1μmポジ型レジストTHMR−iP3300のパターンと、アルカリに溶解する金属膜のパターン14に相当する厚さ約0.15μmのアルミニウム膜のパターンからなる重層パターンが形成された。
次に、工程(d)として、ほぼ波長290〜420nmの連続波長の光線を発し、波長365nmの成分が多い、住田光学ガラス(株)社製の特殊UV光源LS−140UVを用いて前記のネガ型レジストSU−8上に前記重層パターンが形成された下地基板1を露光した。
その結果、該重層パターンが存在しない部分のネガ型レジストSU−8が感光した。
また、この露光時に前記の歯車形状をした厚さ約1μmポジ型レジストTHMR−iP3300のパターンも露光されるため、該露光ののち、工程(e)として、ポジ型レジストTHMR−iP3300の現像液であるTMAH2.38%の水溶液を主成分とする東京応化工業(株)社製のアルカリ現像液NMD−W中に再び10min浸漬すると、前記の厚さ約1μmポジ型レジストTHMR−iP3300のパターンおよび該パターンに保護されていた厚さ約0.15μmのアルミニウム膜のパターンは溶解除去された。
次に、露光により厚さ約0.15μmのアルミニウム膜のパターンが存在しなかった部分が感光したSU−8に90℃で10minのポストエクスポージャベークを加えた。
そして、工程(f)として、1−メトキシ−2−プロピルアセテートを主成分とする化薬マイクロケム(株)社製の有機現像液SU−8−Developer中に10min浸漬して現像した。
その結果、図2の電子顕微鏡写真に示すように、厚さ約50μmのネガ型レジストSU−8からなるめっき雌型パターンを、銅箔付きプラスチック基板またはシリコン基板からなる下地基板1上に垂直側壁、かつ、高精度で形成できた。
産業上の利用の可能性
前記のネガ型レジストSU−8は透過性が高く、投影露光の条件を整えれば、アスペクト比が8以上の1:1ラインアンドスペースパターンが形成できることや、膜厚400μmもの厚さでも1:1ラインアンドスペースパターンを形成できることが非特許文献1に開示されている。
本発明によれば、液晶パネルをレチクルやマスクなどの原図基板に代えて用いるマトリックス投影露光により波長420nm〜530nmの青色可視光を用いて形成した任意パターンを基に、前記のネガ型レジストSU−8などの波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光に主たる感光波長帯を有するレジストや紫外線硬化樹脂などの厚くて垂直側壁で高精度なめっき雌型パターンやマイクロ流路パターンを形成できる。
パターンを作るのにレチクルやマスクなどの原図基板を持ちないため、多品種少量生産のめっき雌型やマイクロ流路を安価に短納期で簡便に製作することができる。
本発明のレジストの積層構造体およびレジストパターンの形成方法の説明図 本発明により形成しためっき雌型パターンの電子顕微鏡写真 液晶パネルの分光透過率の測定結果
符号の説明
1:下地基板
4:下層レジスト
5:アルカリに溶解する金属膜
6:上層レジスト
7:液晶パネル7
8:露光ビームのスポットの像
9:波長が420nm〜530nmの青色可視光を含む露光光線
10:投影光学系
11:上層レジスト6の感光部
12:現像液
13:上層レジスト6のパターン
14:アルカリに溶解する金属膜5のパターン
15:波長が200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光を含む露光光線
16:下層レジスト4の感光部
17:有機現像液
18:下層レジスト4のパターン

Claims (2)

  1. 下地基板上に波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光の範囲に主たる感光波長帯を有し、有機現像液を用いて現像されるネガ型で膜厚が50μm以上の下層レジストを付し、該下層レジスト上にアルカリ現像液に溶解する金属膜を堆積し、該アルカリ現像液に溶解する金属膜上に、波長420nm〜530nmの青色可視光に感光し、前記アルカリ現像液を用いて現像される上層レジストを付したことを特徴とするレジストの積層構造体。
  2. 下地基板上に波長200〜410nmの遠紫外光〜短波長可視光の範囲に主たる感光波長帯を有する下層レジストを付し、該下層レジスト上にアルカリに溶解する金属膜を堆積し、該アルカリに溶解する金属膜上に波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する上層レジストを付したレジストの積層構造体を用い、前記波長420nm〜530nmの青色可視光に感光する上層レジストを、液晶パネルを原図基板の代わりに用いて露光する第1の感光工程と、該第1の感光工程後にアルカリ現像液によって該上層レジストを現像しつつ該アルカリ現像液によって該上層レジストが溶解除去された部分の前記金属膜も該アルカリ現像液に溶かし、該上層レジストと該金属膜の重層パターンを形成する第1の現像工程と、該第1の現像工程で溶け残った前記上層レジストと金属膜の重層パターンを遮光パターンとして波長200〜410nmの遠紫外線〜短波長可視光を含む光によって前記下層レジストを露光する第2の露光工程と、該第2の露光工程後にアルカリ現像液によって前記上層レジストと金属膜の重層パターンを除去する第2の現像工程と、有機現像液によって前記下層レジストを現像する第3の現像工程を有することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
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