JP5441033B2 - 回路遮断器の端子構造 - Google Patents
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例えば特許文献1及び特許文献2のように、母線側に、回路遮断器の端子と接続する母線を選択的に切替える切替装置を設けたものがある。
回路遮断器における端子装置により母線を選択的に接続する場合や、前記端子装置と母線を接続した後であっても、複数の回路遮断器に対して、どの回路遮断器がどの母線を選択して接続しているのかを回路遮断器の前面側から直接的に把握しやすく、
さらに、接続状態を切替える際に工具を不要として作業性の向上が望め、
回路遮断器に選択的に印加される電圧が端子装置の位置に応じて明確に把握できて、
作業をする者にとって接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくい選択式端子装置を有した回路遮断器の端子構造を提供することを目的とする。
回路遮断器の器体を、
電路を入切する第一の操作部が設けられた前面と、
分電盤への取付面となる前記前面に対向する背面と、
該前面と該背面とに相隣り合う側面とを有して略箱体形状に形成するとともに、
該器体の側面の表面には分電盤の母線から電気を受電もしくは給電する端子を内包した複数の端子部と、
前記器体の前面には前記端子部のうち少なくとも一つの端子部の位置を変更する第二の操作部と、を備え、
前記第二の操作部によって端子部の位置を変更される端子部を選択端子部としたときに、
該選択端子部は、
回路遮断器に接続可能な母線の中から特定の母線を選択して接続できるよう、
回路遮断器の並設方向を幅方向としたときに、
前記母線との接続位置が前記幅方向において、一方の側面寄りと、他方の側面寄りの2箇所に設けられて、それぞれの接続位置の間で連続的に移動可能とされ、
前記選択端子部は、
前面側から臨んだときに、該第二の操作部を移動させる方向とは反対方向に端子部を移動させる移動方向反転手段を介して移動されるよう形成して回路遮断器の端子構造を構成するとよい。
器体の前面側から端子部の位置を移動させる場合、第二の操作部と選択端子部とが互いに連動するため作業者は選択端子部の位置を的確に把握しやすい。
端子部の各々の接続位置において端子部が母線と接続されることにより回路遮断器に供給される電圧値を表示する電圧表示部を設け、
前記選択端子部の接続位置における電圧表示部が前面側に表示されて前面側から視認可能となる一方、
端子部が位置しない側における電圧表示部は前記第二の操作部によって隠蔽されて前面側から視認できなくなるよう形成されることを特徴として構成してもよい。
母線と接続する端子部の器体に対する接続位置と、供給電圧の表示を行う電圧表示部の位置とを前記器体の幅方向において、一方の側面寄りと、他方の側面寄りで合わせることができ、作業をする者にとって、より接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくく、配線確認作業性が高い回路遮断器の端子構造を提供することができる。また、前面側から回路遮断器の電源側端子部を臨んだ場合に、接続する母線の違いを、器体の前面に設けられた電圧表示の違い、即ち端子位置の違いとして目視確認することができ、端子装置と母線とを選択的に接続する場合や、端子装置と母線を接続した後であっても、複数の回路遮断器に対して、どの回路遮断器がどの母線を選択して接続されているのかが直接的に把握しやすい。器体の端子部における前面側の、第二の操作部に隠蔽されない略全面を電圧表示部として用いることができるため、視認性がよく、作業をする者にとって接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくく、配線確認作業性が高い回路遮断器の端子構造を提供することができる。
前記第二の操作部の端子部側及び前記端子部の第二の操作部側に各々設けたラックと、
これらラックの間に、器体に枢支されたピニオンを配置することにより構成したことを特徴として構成してもよい。
前記端子部の移動に必要な前記器体の幅方向の動きの軌跡を、第二の操作部においても前記器体の幅方向にスライド移動させることにより作り出すことができ、前記端子部及び第二の操作部の移動方向を、ピニオンの働きにより互いに反対方向とすることができる。即ち、作業者は、第二の操作部を幅方向にスライド移動させることにより、端子部が位置しない側における電圧表示部を前記第二の操作部自体によって隠蔽することができ、前面側から視認できなくなるため、接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくく、配線確認作業性が高い回路遮断器の端子構造を提供することができる。
前記移動方向反転手段は、
前記第二の操作部が、前記器体の前面寄りに枢支されて前記器体の幅方向に回動可能に設けたレバーにより構成されて、
該レバーの枢支部から器体の背面側に延出した延出部の端部に、前記端子部に係合作用する作用部を設けて構成されたことを特徴として構成してもよい。
回路遮断器に選択的に印加される電圧が端子装置の位置に応じて明確に把握できて、
作業をする者にとって接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくい選択式端子装置を有した回路遮断器の端子構造を提供することができる。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る回路遮断器について、図1乃至図8を用いてその構成を説明する。
第1の実施形態に係る回路遮断器1は、単相3線式の商用電路に用いられるものである。該回路遮断器は、図1及び図2に示すように、回路遮断器1を併設する方向を幅方向としたときに、該幅方向に分割するケース101a及び101bを重ね合わせて構成される略箱体形状の器体を有する。
そして、該器体には、
回路遮断器1に電源を供給するための各極の導体と接続される電源側端子部102A、102Bと、
回路遮断器1の負荷側に電源を供給するための各極の導体と接続される負荷側端子部103A、103Bとが設けられ、
これら電源側端子部102A、102Bと負荷側端子部103A、103Bとの間を電気的に接続する各極の主導体に介在し、電源側と負荷側を電気的に入切接続する固定接点と、
該固定接点と各々接離自在に対向する可動接点を固着した可動接触子と、
これら可動接触子を開閉駆動する開閉機構と、
該開閉機構とリンクにより接続され器体の外部から開閉機構を操作して、電路を入切操作する第一の操作部となるハンドル104とが配設されている。
前記電源側端子部102A、102Bは、
器体の操作部が設けられた面を前面aとし、分電盤への取付面となる前記前面aに対向する面を背面bとし、該前面aと該背面bとに相隣り合う面を側面cとしたときに、器体の長手方向における側面cの一端に、ケース101a、101bの間に挟み込まれるように設けられている。
器体の電源側には、前記固定されて配設される端子部102A並びに移動可能に設けられる端子部102Bのそれぞれの位置に対応するよう、分電盤内に予め3本の母線L1、L2、Nの接続部が配置されており、前記固定端子部102Aは、母線L2と接続され、前記選択端子部102Bは、一方の位置の場合は母線L1と接続され、他方の位置の場合は母線Nと接続される。選択端子部102Bが母線L1と接続される場合には、回路遮断器1には200Vの電圧が印加され、選択端子部102Bが母線Nと接続される場合には、回路遮断器1には100Vの電圧が印加される。
前記器体の前面側には、前記選択端子部102Bの器体の幅方向に往復移動させるための第二の操作部105が設けられている。該第二の操作部105は、器体の幅方向における長さの略半分の大きさに形成された長四角形状のベースと、該ベースの前面側に設けられた把持部105aと、ベースの背面側に設けられた複数の歯を設けたラック105bとを備えている。ラック105bは、ベースに形成した長形状のリブ105b1の端部に、該リブ105b1よりも幅広状に形成されており、第二の操作部105を器体に設けられた開口部101b3嵌め込み取付けた際に、幅方向に移動させるためのガイド部として働くとともに、前面側への抜止めとして働く。
該電圧表示部107は、器体の幅方向に対して、略中央から一方の側面寄りには第一の供給電圧である100Vの文字が表示され、略中央から他方の側面寄りには第二の供給電圧である200Vの文字が表示される。
該ピニオン106は、軸106aの周囲に複数の歯を設けて形成されている。該歯は、前記第二の操作部105に設けられたラック105b、並びに前記選択端子部102Bに設けられたラック102B1と噛み合うように、記第二の操作部105に設けられたラック105bと前記選択端子部102Bに設けられたラック102B1との間に位置するよう配設される。前記ピニオン106は、回路遮断器の器体の前面寄りに、該器体の一部を凹ませて形成した軸受部101dに軸106aが枢支されて配設される。
図7のように、第二の操作部105と選択端子部102bとの間にピニオン106が配置され、それぞれのラック105b、102B1と、器体により軸106aを回動自在に枢支されたピニオンの歯が噛み合う。
例として、図8(a)、(b)は、固定端子部102Aには母線L2が接続され、選択端子部102Bには母線Nと接続される場合を示し、図8(b)は、固定端子部102Aには母線L2が接続され、選択端子部102Bには母線L1と接続される場合を示す。
他方の位置において回路遮断器に供給される電圧は前記第二の操作部105の背面側に位置して隠蔽されるよう構成したから、器体の前面側から端子部を臨んだ場合に、接続する母線の違いを、器体の前面に設けられた電圧表示の違い、即ち端子位置の違いとして目視確認することができ、端子装置と母線とを選択的に接続する場合や、端子装置と母線を接続した後であっても、どの回路遮断器がどの母線を選択して接続されているのかが直接的に把握しやすい。器体の端子部における前面側の、第二の操作部に隠蔽されない略全面を電圧表示部として用いることができるため、視認性がよく、作業をする者にとって接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくく、配線確認作業性が高い回路遮断器の端子構造を提供することができる。
次に、第2の実施形態に係る回路遮断器の端子構造について図9を用いて説明する。
第1の実施形態との違いは、第1の実施形態においては、第二の操作部をスライド移動させることでラックとピニオンの噛み合わせにより第二の操作部はピニオンを介して間接的に選択端子部を移動させる形態であったが、
第2の実施形態においては、第二の操作部を器体に回動自在に枢支させたレバーにより構成し、該レバーの端部を直接選択端子部に作用させて選択端子部を移動させる形態とした点である(レバー式という)。
前記レバー205を器体の幅方向に回動させると、その動きに連動して選択端子部102Bは、器体の幅方向に移動する。選択端子部102Bの移動は器体の幅方向に直線的で、レバーの回転軌跡は円弧上であるが、前記軸受部102B4により、見かけ上、前記作用部205bと選択端子部102Bの軸受部102B4との間の長さが伸縮して、回転的な動きを直線的な動きとしている。
次に、他の形態に係る回路遮断器の端子構造について図10を用いて説明する。
第1、第2の実施形態との違いは、これら実施形態が、第二の操作部と選択端子部とを別対として構成している形態であったが、
本形態においては、第二の操作部と選択端子部とを一体として構成し、第二の操作部を回転させることにより選択端子部を移動させるよう構成している点である(回転式という)。
さらに、接続状態を切替える際に工具を不要として作業性の向上が望め、
回路遮断器に選択的に印加される電圧が端子装置の位置に応じて明確に把握できて、
作業をする者にとって接続母線や供給電圧の誤認を生じさせにくい選択式端子装置を有した回路遮断器の端子構造を提供することができる。
次に、移動方向反転手段の他の形態に係る回路遮断器の端子構造について図10を用いて説明する。
第1の実施形態との違いは、移動方向反転手段をラック/ピニオンに代えて,本形態においては、移動方向反転手段を,薄板状の弾性部材を用いて構成し,該弾性部材を第二の操作部並びに選択端子部に固定し,第二の操作部の操作に応じて,選択端子部が押されたり引かれたりして,その位置を違えるように構成した点である(ベルト式という)。
次に、移動方向反転手段の他の形態に係る回路遮断器の端子構造について図11を用いて説明する。
前述の例1の形態との違いは、前記レバー205に代えて,リンクを用いて構成した点である(リンク式という)。
本形態では、前記レバー205における作用部205bと選択端子部102Bの軸受部102B4の関係を,第二の操作部にも用いてリンク306を形成している。
また、第二の操作部における軸受部105cは、器体に設けられる溝部101bに嵌合して、該溝部101hは、第二の操作部105の器体の幅方向における移動のガイド部となる。
仮に、選択端子部自体を操作することにより便宜的に選択端子部の位置を変更でき、より操作性が増す構成であることを付記しておく。
いずれの場合においても、選択端子部の位置により回路遮断器に接続する母線の種類や供給する電圧を回路遮断器の前面側から一目瞭然に識別することができる。
このように、個々の回路遮断器に対して、接続する母線の種類や供給する電圧の大きさが識別しやすいことに加え、複数の回路遮断器を併設配置した場合においても、どの回路遮断器がどの母線を選択して接続しているのか、どの回路遮断器にいくらの電圧が供給されているのかが直接的に把握しやすい。
101a ケース
101b ケース
101b3 開口部
101c 溝部
101d 軸受部
101e 柱状部材受部
101f 突部
101g 軸受部
101h 溝部
101i 孔部
102 電源側端子部
102A 固定端子部
102A1 導体
102B 選択端子部
102B1 ラック
102B2 リブ
102B3 刃受
102B5 軸受部
103 負荷側端子部
104 ハンドル
105 操作部
105a 把持部
105b ラック
105b1 リブ
105c 軸受部
106 ピニオン
106a 軸
107 電圧表示部
108 凸部
201d 軸部
205 レバー
205a レバーの軸受部
205b 作用部
205c 電圧表示部
205d 電圧表示部
205e レバーの把持部
305 第二の操作部と一体化した選択端子部
305a 柱状部材
305b 把持部
306a 軸部
306b 軸部
306c 軸部
Claims (4)
- 回路遮断器の器体を、
電路を入切する第一の操作部が設けられた前面と、
分電盤への取付面となる前記前面に対向する背面と、
該前面と該背面とに相隣り合う側面とを有して略箱体形状に形成するとともに、
該器体の側面の表面には分電盤の母線から電気を受電もしくは給電する端子を内包した複数の端子部と、
前記器体の前面には前記端子部のうち少なくとも一つの端子部の位置を変更する第二の操作部と、を備え、
前記第二の操作部によって端子部の位置を変更される端子部を選択端子部としたときに、
該選択端子部は、
回路遮断器に接続可能な母線の中から特定の母線を選択して接続できるよう、
回路遮断器の並設方向を幅方向としたときに、
前記母線との接続位置が前記幅方向において、一方の側面寄りと、他方の側面寄りの2箇所に設けられて、それぞれの接続位置の間で連続的に移動可能とされ、
前記選択端子部は、
前面側から臨んだときに、
該第二の操作部を移動させる方向とは反対方向に端子部を移動させる移動方向反転手段を介して移動されることを特徴とする回路遮断器の端子構造。
- 前記器体の前面側には、
端子部の各々の接続位置において端子部が母線と接続されることにより回路遮断器に供給される電圧値を表示する電圧表示部を設け、
前記選択端子部の接続位置における電圧表示部が前面側に表示されて前面側から視認可能となる一方、
端子部が位置しない側における電圧表示部は前記第二の操作部によって隠蔽されて前面側から視認できなくなるよう形成した請求項1記載の回路遮断器の端子構造。
- 前記移動方向反転手段は、
前記第二の操作部の端子部側及び前記端子部の第二の操作部側に各々設けたラックと、
これらラックの間に設けたピニオンにより構成されたことを特徴とする請求項2記載の回路遮断器の端子構造。
- 前記移動方向反転手段は、
前記第二の操作部が、前記器体の前面寄りに枢支されて前記器体の幅方向に回動可能に設けたレバーにより構成されて、
該レバーの枢支部から器体の背面側に延出した延出部の端部に、前記端子部に係合作用する作用部を設けて構成されたことを特徴とする請求項2記載の回路遮断器の端子構造。
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