JP5440236B2 - 現像装置の磁極調整機構及び現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、現像剤としてトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いる場合、現像装置は、現像剤担持体の内部に磁極を有しており、磁性体であるキャリアを含む現像剤は、磁極の発生する磁力により現像剤担持体表面に引き付けられながら、回転する現像剤担持体上を搬送される。現像剤担持体は、像担持体とわずかな隙間を設けて対向して配置されている。そして像担持体の表面に形成された潜像に現像担持体上で穂立ちしながら搬送されている現像剤が接触することにより、現像剤中のトナーが像担持体に電気的に付着しトナー像を形成する。
このような現像装置においては、現像剤担持体上に現像剤の穂立ち(一般に磁気ブラシと言う)を生じさせるように現像領域に対向する位置に磁極(現像主磁極)を形成している。そして磁極は、現像剤担持体内に固定して保持されている。
しかし、現像剤担持体の磁極角度は、画質や感光体への付着フィルミング等に大きな影響を与えるため、1°単位の最適値を維持することが重要である。
しかし、前記真値に対する磁極角度は、全ての現像剤担持体において同一であるが、現像装置に設けた目盛の磁極角度は、現像剤担持体毎に異なってしまう。
また、現像装置の交換ではなく、現像装置内の部品を交換した場合にも、現像剤担持体の磁極位置や角度の調整が必要な場合が生じる。このように、現像剤担持体の磁極位置や角度を調整しなければならない場合が多々発生するが、その場合には、前述のような特別な磁極調整冶具が必要となり、さらに、現像装置毎にレビジョン管理が必要となる。また、現像装置に設けた磁極角度を示す目盛を基準に再調整を実施する場合には、イレギュラーな調整により、異なった調整値になってしまう場合が発生してしまう。
本発明の第1の解決手段は、内部に磁極を有し、該磁極の磁力によりトナーとキャリアからなる2成分現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を複数本具備した現像装置に備えられ、各現像剤担持体の磁極角度を各々調整することが可能な現像装置の磁極調整機構において、複数本の前記現像剤担持体の磁極角度を各々調整する磁極調整部材を有し、各磁極調整部材によって調整した異なる磁極角度を同時に維持する固定部材を有することを特徴とする(請求項1)。
本発明の第2の解決手段は、第1の解決手段の現像装置の磁極調整機構において、前記磁極調整部材側に可動部を保護する保護部材を設け、前記保護部材中に前記固定部材を有することを特徴とする(請求項2)。
本発明の第3の解決手段は、第2の解決手段の現像装置の磁極調整機構において、複数本の前記現像剤担持体の磁極を固定する前記保護部材に具備する複数の固定部材を、組み合わせて取り付けることができることを特徴とする(請求項3)。
本発明の第5の解決手段は、像担持体上に静電潜像を形成し、該像担持体上の静電潜像を現像装置で現像して可視像を形成する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項4に記載の現像装置を備えたことを特徴とする(請求項5)。
図2は本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。この画像形成装置は、光導電性を有する感光層を表面に設けたドラム状の像担持体(感光体)30と、この像担持体30の周囲に配設された帯電装置40、図示しない光書込み装置からの書込み光Lの露光部、現像装置1、転写装置50、クリーニング装置60等を備えている。
また、転写媒体70が中間転写体の場合には、中間転写体に転写されたトナー像は、図示しない2次転写部で記録紙に2次転写され、トナー像を転写した記録紙は定着装置(図示しない)に搬送され、定着装置でトナー像が定着された後、排紙部(図示しない)に排紙される。
一方、トナー像転写後の像担持体30は、クリーニング装置60で表面に残留したトナー等を清掃され、次の画像形成の待機状態となる。
現像装置1は、画像形成装置内のフレーム等に固定配置されており、像担持体シャフトを介して像担持体30との位置関係が保たれている。
この現像装置1には、複数本の現像剤担持体(一般的に現像ロールと呼ぶ)2,3,4が配置されており、各現像剤担持体2,3,4は、回転可能な現像スリーブと、該現像スリーブの内部に固定配置された複数の磁極(複数の磁石、または複数の磁極が着磁されたマグネットロール)とで構成されている。
図1においては、感光体(図示せず)と対向する現像装置1の側面にA現像ロール2、B現像ロール3、C現像ロール4の3本を配置している。各現像ロール2,3,4は、回転可能な現像スリーブと、該現像スリーブの内部に固定配置された複数の磁極(複数の磁石、または複数の磁極が着磁されたマグネットロール)とで構成されているが、磁極の図示は省略している。
この磁極角度の調整は、工場での製造・組立時において、例えば磁極位置や角度を測定する磁極調整治具を用い、この磁極調整治具を感光体の軸(シャフト)と現像ロールの間に配置し、現像ロール1本1本に対し、真の磁極角度0°の値を求め、その後、各現像ロールの磁極角度を調整値の真値に変更する。ここで、各々の磁極調整部材5,6,7を挟み込むような切り込みの入った固定部材で磁極のずれが発生しないように挟み込む。また、この固定部材は、上記の保護カバー8に設けられている。
可動部の保護カバー8には現像ロールの本数に相当するプレート状の固定部材(以下、プレートと記す)をロール毎に取り付けることができる。そこで本実施例では、3本の現像ロール2,3,4を用い、かつ3つのプレート9,10,11を可動部の保護カバー8に取り付けた場合を例に挙げて説明する。
例えば、Aプレート9は磁極角度+3°、Bプレート10は磁極角度−6°、Cプレート11は磁極角度+4°のように選択することが可能であり、このプレートが固定された保護カバー8を取り付けられる限り、最初の調整値となる形状を維持することができる。
また、現像ロール以外の部品の交換や保守清掃等により、現像ロールの磁極位置を変えてしまった場合には、磁極調整部材5,6,7をプレート9,10,11に挟み込んだ後に、ネジで保護カバー8に固定する。例えば、磁極調整部材5の場合には、Aプレート9に磁極調整部材5を挟み込んだ後、Aプレート9に空いた穴からネジ14−1,15−1によって保護カバー8に固定させる。
現像装置側には、目盛を読むための基準の目印17が設けられており、各磁極調整部材5,6,7側には、1°毎に刻んだ目盛18が設けられており、目印17に目盛18を合わせる事により、磁極角度を合わせることができる。
例えば、事前に磁極調整治具等で測定した磁極角度の真値0°が、磁極調整部材の目盛18上の+2°とすると、A現像ロール2の磁極角度の調整値が+3°の場合には、目盛18上は、+5°に合わせる。同様に、B現像ロール3を−1°、C現像ロール4を+4°に合わせる。ここで、Aプレート9を+5°用、Bプレート10を−1°用、Cプレート11を+4°用として、可動部の保護カバー8に取り付ける。
つまり、このプレートの組み合わせは、現像装置毎に異なるものとなるが、真値を基準にすると、同じ磁極角度になる。
本実施例の場合は、A現像ロール2の磁極角度が+3°、B現像ロール3の磁極角度が−3°、C現像ロール4の磁極角度が+7°に相当し、感光体に対する磁力のかかり方は、どの現像ロールも同じとなる。
図5には、本実施例の組み合わせA,B,Cの現像ロールの3本の場合をまず説明するが、ロール数が3本より多い場合についても記述しており、本数が増えた場合でも実施可能である。
ここでは、本実施例における現像装置の種類分けの内訳を説明する。例えば、現像装置1の場合は、A現像ロール2の磁極角度の調整値は真値に対して+3°であるが、真値と図4の磁極調整部材の目盛18が0°に一致するため、図5に示すように+3°のAプレート9を選択する。
次に、現像装置2の場合、真値の0°は、+2°のため、磁極調整部材5の目盛は、+5°に合わせるが、Aプレート9は+5°を固定するものを保護カバー8に取り付ける。結果的に、現像装置2は、現像装置1と異なる磁極であるが、実際の磁極最大角についての調整は、同じ値の真値に対する+3°となる。
さらに、現像装置3、4、・・・N−1、Nの現像装置では、図4の調整目盛は異なるが、真値に対しては、同様の角度となる。
なぜなら、現像装置にとって、現像ロールの磁極は、印刷品質上極めて重要であり、かつ各ロールの役割が異なるために、真値からの磁極位置はどの現像装置も同じである必要がある。
例えば、感光体に対してカウンタ回転のC現像ロール4は、フィルミングや感光体付着物への影響が大きい。一方、ベタ画質のエッジ部への影響が大きく数度ずれただけでも変化してしまう。また、感光体30と同じ方向に回転するA現像ロール2、B現像ロール3は、印刷の均一性はもとより、かぶり、キャリアスティック等、複数に効果があり、磁極角調整は極めて重要となる。
ここで、感光体に対してカウンタ回転とは、感光体30表面と現像ロールとが互い接する面において、異なる回転方向であることを指す。
なお、カウンタ回転させる現像ロールは、図2(感光体の回転方向が半時計方向で用紙または中間転写体下部に感光体が設けられる構成)の場合、上流側となるC現像ロール4(または中間のB現像ロール3)とする。これは、中間転写体に沿って複数の画像形成部を配置してタンデム型のカラー画像形成装置を構成する場合も同様である。
その理由として、フィルミング防止の現像ロールは感光体30との摺擦による画質低下の影響があるため、最下流以外、即ち、感光体30の回転方向に対して、より上流側とすることが好ましい。これにより、カウンタ回転の現像ロールより下流側の現像ロールにより均一化される。
現像装置1は使用するに従って、トナーの飛散により汚れが発生し、汚れの清掃のために各部品を取り外す場合が生じる。この場合、磁極を調整する磁極調整部材も例外ではなく、取り外し交換する必要がある。仮に、取り外したロールの磁極角度が取り外し前の磁極角度と異なった場合、複数本の現像ロール(本実施例においてはA、B,Cロール)中の取り外したロールのみ磁極調整部材がプレートと合致しなくなるため、プレートの取り付いた保護カバー8を取り外し前と同じように取り付けられなくなる。このため、イレギュラーに調整されてしまった場合でも、保護カバー8が取り付けられなくなるため、調整値が、最適に合わせた出荷時の値から外れていることが判り、調整し直すことができる。
本実施例の特徴は、図3に示すように複数枚(図では3枚)のプレート9,10,11を入れ替え可能な構成を取り、現像ロール2(Aロール)に対して1磁極、現像ロール3(Bロール)に対して1磁極、現像ロール4(Cロール)に対して1磁極と、現像ロール数だけ磁極を固定できることを特徴とする。各プレートは、図5に示す組み合わせで固定することができ、保護カバー8を現像装置本体(現像ケース等)に留めるネジとは逆方向からアクセスする構成でネジ12−1,12−2,12−3、13−1,13−2,13−3により固定される。
また、保護カバー8に関しては、図1に示すように固定ピン16を設けて位置合わせを行い、保護カバー8を固定する構成とし、保護カバー8を取り外し・嵌め込み可能とすれば、保護カバー8を取り外した場合にも、再度保護カバー8を取り付ける際に固定ピン16により容易に位置合わせを行うことが出来、保護カバー8を取り外し前と同様の位置に合わせることができる。
2,3,4:現像ロール(現像剤担持体)
5,6,7:磁極調整部材
8:保護カバー(保護部材)
9,10,11:プレート(固定部材)
12−1,12−2,12−3:ネジ
13−1,13−2,13−3:ネジ
14−1,14−2,14−3:ネジ
15−1,15−2,15−3:ネジ
16:固定ピン
17:目印
18:目盛
19,20,21:切れ込み
30:感光体(像担持体)
40:帯電装置
50:転写装置
60:クリーニング装置
70:転写媒体
Claims (5)
- 内部に磁極を有し、該磁極の磁力によりトナーとキャリアからなる2成分現像剤を担持し搬送する現像剤担持体を複数本具備した現像装置に備えられ、各現像剤担持体の磁極角度を各々調整することが可能な現像装置の磁極調整機構において、
複数本の前記現像剤担持体の磁極角度を各々調整する磁極調整部材を有し、各磁極調整部材によって調整した異なる磁極角度を同時に維持する固定部材を有することを特徴とする現像装置の磁極調整機構。 - 請求項1に記載の現像装置の磁極調整機構において、
前記磁極調整部材側に可動部を保護する保護部材を設け、前記保護部材中に前記固定部材を有することを特徴とする現像装置の磁極調整機構。 - 請求項2に記載の現像装置の磁極調整機構において、
複数本の前記現像剤担持体の磁極を固定する前記保護部材に具備する複数の固定部材を、組み合わせて取り付けることができることを特徴とする現像装置の磁極調整機構。 - 現像剤担持体を複数本具備した現像装置において、
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の現像装置の磁極調整機構を備えたことを特徴とする現像装置。 - 像担持体上に静電潜像を形成し、該像担持体上の静電潜像を現像装置で現像して可視像を形成する画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項4に記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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