JP5439440B2 - インフレータ式緊急ブレーキ - Google Patents

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本発明は、エアーシリンダの空圧室への空気の供給に伴うウェッジカムを形成したカムシャフトの軸動によって前記ウェッジカムのカム作用によりブレーキアームの基端部を拡開揺動させてブレーキ動作を行うウェッジカム式ブレーキのインフレータ式緊急ブレーキに関する。
従来、ブレーキを搭載する車両、特に鉄道車両用のディスクブレーキでは、一対のブレーキアームの基端部を拡開してそれらの開放端部に設けられたパッドアッセンブリをブレーキロータ(ディスクロータ)の両側から挟圧してブレーキ動作を行う梃子式のキャリパブレーキが知られている。例えば下記特許文献1により提案されたブレーキシリンダに記載された梃子式のキャリパブレーキがある。図示は省略するが、この梃子式のキャリパブレーキにおいて、ブレーキアームの基端部を拡開するために、これらブレーキアームの基端部間に、軸方向に相対移動するシリンダ本体とピストンが配設され、圧力室内への空気圧供給によって、ピストンを軸動させてブレーキアームを拡開・揺動させてブレーキ動作を行うように構成されている。
しかしながら、このような鉄道用エア−ディスクブレーキでは、圧縮空気が作動源であることから、ブレーキ動作の初動においてブレーキの作用力が立ち上がるまでに要する時間が長くなるため、ブレーキ作動信号を受けてからブレーキ力が作用するまでの時間(空走時間)が長くなってしまう問題が生じ、停止するまでの制動距離が延びてしまう課題があった。そのようなことから、下記特許文献2に開示された車両の二重事故防止装置のように、加速度を検知して火薬を爆発させることで、後続車による追突時の前方への車両に対する二重事故を防止するために緊急パーキングブレーキを動作させるように構成したものも提案された。
特開2008−164159号公報(公報要約書参照) 特開平9−175353号公報(公報要約書参照)
前記特許文献2に開示された車両の二重事故防止装置は、必ずしもエアー圧により作動するものではないが、図5に示すように、自動車が停止中等に追突されたとき、パーキングブレーキが自動的に掛かるようにして、前方の車両に対する二重事故の発生を防止することを目的として、ブレーキケーブル108に連係したパーキングレバー101を引くことによりパーキングブレーキが作動するように構成された車両において、車両が追突されたときに、その加速度をGセンサ126にて検出し、Gセンサ126の出力信号で火薬122を爆発させ、その容量拡大で動作するシリンダ119内のピストン120で、ピストンロッド124、リンク118およびアーム116を介してパーキングレバー101を引く方向に移動させる(2点鎖線101’)ように構成したものである。
このように構成したことによって、緊急を要する場合にブレーキ動作に作動遅れをなくすことが可能となったものの、Gセンサ126の出力信号で火薬122を爆発させてブレーキ動作を行わしめるのは、複雑な中間部材を介在させて構成されたものである。すなわち、火薬122が設置されるのは、パーキングブレーキにおけるブレーキレバー101の基部103に端部が軸支されたアーム116の端部に、さらにリンク118等を介して設置されたシリンダ119の内部であり、火薬122の爆発力が直接にブレーキケーブル108には伝達されないので、火薬122の爆発力の分散や時間的遅れが発生したり、介在部品が多くて故障の機会も多くなるのは避けられないものであった。
そこで本発明では、前記従来の空気圧を作動源としてブレーキ動作を行う特にウェッジカム式ブレーキの緊急ブレーキにおける諸課題を解決して、簡素な構造にて空気圧による作動遅れを解消して、爆発力がカムシャフトの作動方向に直接的かつ円滑に作用し、迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にしたインフレータ式緊急ブレーキを提供することを目的とする。
このため本発明が採用した課題解決手段は、
エアーシリンダの空圧室への空気の供給に伴うウェッジカムを形成したカムシャフトの軸動によって前記ウェッジカムのカム作用によりブレーキアームの基端部を拡開揺動させてブレーキ動作を行うウェッジカム式ブレーキであって、前記空圧室に点火用電源に接続されたインフレータを設置し、緊急停止指令信号を受けた際に前記点火用電源により前記インフレータを爆発させて前記空圧室内のピストンにより前記カムシャフトをブレーキ動作方向に移動させて緊急ブレーキを動作し、その後空圧室からインフレータで発生したガスを抜き、通常の作動用空気圧により制動を行なうことを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキである。
また、前記インフレータを前記エアーシリンダの空圧室に臨設させたことを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキである。
また、前記インフレータを前記エアーシリンダに対して軸方向の他端側に対向配置した補助シリンダにおける補助ピストンを収容した補助空圧室に臨設させるとともに、補助ピストンの軸動によりカムシャフトをブレーキ動作方向に移動させることを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキである。
また、前記カムシャフトの先端部と補助ピストンとの間に、補助空圧室へのインフレータによる爆発圧の導入の際にのみ、前記カムシャフトがブレーキ動作方向に連動・牽引される連動部を形成したことを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキである。
また、前記インフレータが、各別に動作する形態にて複数個設置されたことを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキである。
本発明によれば、請求項1の構成要件である、エアーシリンダの空圧室への空気の供給に伴うウェッジカムを形成したカムシャフトの軸動によって前記ウェッジカムのカム作用によりブレーキアームの基端部を拡開揺動させてブレーキ動作を行うウェッジカム式ブレーキにおいて、緊急停止指令信号を受けた際に爆発して前記カムシャフトをブレーキ動作方向に移動させるインフレータを設置したことにより、簡素な構造にて空気圧による作動遅れを解消して、爆発力がカムシャフトの作動方向に直接的かつ円滑に作用し、迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にするので、従来のもののような複雑な部品を介在させたことによる効率ロスや損傷の機会も少なく、ブレーキ力の発生を瞬時に行えて空走時間も殆どなく、安全性の向上が図れる。
また、請求項2の構成要件である、前記インフレータを前記エアーシリンダの空圧室に臨設させた場合は、通常のサービスブレーキであるエアーシリンダの空圧室にインフレータを追加して設置するだけで、サービスブレーキにおけるエアーシリンダの空圧室への空気の供給による通常のブレーキ動作を行いつつ、万一の緊急時には、サービスブレーキにおけるエアーシリンダをそのまま活用してインフレータによる爆発力を利用して迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にする。さらに、請求項3の構成要件である、前記インフレータを前記エアーシリンダに対して軸方向の他端側に対向配置した補助シリンダにおける補助ピストンを収容した補助空圧室に臨設させるとともに、補助ピストンの軸動によりカムシャフトをブレーキ動作方向に移動させる場合は、サービスブレーキ側の構造改変を伴うことなく、エアーシリンダに対して軸方向の他端側に、後付けでインフレータを配設した補助シリンダを対向配置するだけで、インフレータの爆発力に応じて、後付けの簡素な構造にて空気圧による作動遅れを解消して、爆発力がカムシャフトの作動方向に直接的かつ円滑に作用し、迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にする。
さらにまた、請求項4の構成要件である、前記カムシャフトの先端部と補助ピストンとの間に、補助空圧室へのインフレータによる爆発圧の導入の際にのみ、前記カムシャフトがブレーキ動作方向に連動・牽引される連動部を形成した場合は、通常のサービスブレーキ動作時には、カムシャフトの軸動がインフレータが配設された補助ピストン側に影響を及ぼすことがなく、緊急時のインフレータの爆発による補助ピストン側の爆発力が有効にカムシャフト側を迅速に連動牽引・軸動させて瞬時にブレーキ動作を行うことができる。また、請求項5の構成要件である、前記インフレータが、各別に動作する形態にて複数個設置された場合は、一般的に現場でのリセットが不可能なインフレータであっても、地震の際の連続した余震等に対応して、複数のインフレータが設置されていることによって、余震等に対応して数次の更なる緊急ブレーキ動作が可能となる。
本発明のインフレータ式緊急ブレーキの第1実施例の要部概略平断面図である。 本発明のインフレータ式緊急ブレーキ(後述の第2実施例のもの)を備えた梃子式ディスクブレーキの全体斜視図である。 本発明のインフレータ式緊急ブレーキのブレーキ力の変化図である。 本発明のインフレータ式緊急ブレーキの第2実施例の要部概略平断面図である。 従来の車両の二重事故防止装置の説明図である。
以下、本発明のインフレータ式緊急ブレーキを実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。本発明のインフレータ式緊急ブレーキは、図1に示すように、エアーシリンダ2の空圧室9への空気の供給に伴うウェッジカム10を形成したカムシャフト11の軸動によって前記ウェッジカム11のカム作用によりブレーキアーム(図2の符号4)の基端部を拡開揺動させてブレーキ動作を行うウェッジカム式ブレーキにおいて、緊急停止指令信号を受けた際に爆発して前記カムシャフト11をブレーキ動作方向に移動させるインフレータ21を設置したことにより、簡素な構造にて空気圧による作動遅れを解消して、爆発力がカムシャフト11の作動方向に直接的かつ円滑に作用し、迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にするので、従来のもののような複雑な部品を介在させたことによる効率ロスや損傷の機会も少なく、ブレーキ力の発生を瞬時に行えて空走時間も殆どなく、安全性の向上が図れる。
以下、本発明のインフレータ式緊急ブレーキの第1実施例について説明する。図2に示すように、適宜のサポートを介してボディ1が車体静止部に固定され、該ボディ1の下部両側に一対のブレーキアーム4、4の中間部がブレーキアーム軸5、5によって揺動自在に軸支される。ブレーキアーム4、4の各開放端にはブレーキホルダを介してパッドアッセンブリ6、6が装着される。そして、ブレーキアーム4、4の各基端部には、後述する図1に示すような、リンク式倍力装置のローラアーム13に球面ブッシュ14により連結・支持された出力軸を構成するリンクロッド15の外側端が球面ブッシュ16により支持される。
図1に示すように、エアーをエアー供給口7から導入してエアーピストン(主ピストン)8をチャンバスプリング(図示省略、図1でエアーピストン8をブレーキ非作動の右方向へ復帰させる付勢力を生じさせるスプリング。エアーピストン8のウェッジカム10側の背面に介設される)の復元力に抗してブレーキ動作側の軸方向他方側(図面左側)に作動させるエアーシリンダ2が、カムシャフト11の一方側(図面右側)に配設される。カムシャフト11の軸方向他方側への移動に伴い、カムシャフト11に取り付けられて形成されたウェッジカム10の傾斜面に乗り上げるカムローラ12、12が配設される。
カムローラ12、12は、例えば、リンク式倍力装置を構成する、ストラット19の両端部に他端部がそれぞれベアリング18、18によって軸支された一対のローラアーム13、13の一端部にそれぞれ軸支されている。ウェッジカム10の傾斜面へのカムローラ12、12の乗上げによって、ローラアーム13、13は拡開方向に揺動して、ローラアーム13、13の略中間部に球面ブッシュ14により連結・支持されたリンクロッド15、15を梃子の原理によって倍力して外方(図面上下方向)へ軸動させる。これによって、図2に示したブレーキアーム4、4の各基端部を球面ブッシュ16、16を介して拡開方向に揺動させて、ブレーキアーム4、4、の開放端部に配設されたパッドアッセンブリ6、6を図示省略のブレーキロータに挟圧させてブレーキ動作が行われる。
本発明の緊急ブレーキの第1実施例における最も特徴的な構造として、空気圧すなわちエアー圧が供給されて通常のサービスブレーキとして機能する前記エアーシリンダ2の空圧室2に、緊急停止指令信号を受けた際に爆発して主ピストンすなわちエアーピストン8をして前述のカムシャフト11をブレーキ動作方向に移動させるインフレータ21を設置したものである。図1の例では、サービスブレーキのエアー供給口7の両側にインフレータ21、21’を振分け設置している。無論、1個の設置でも3個等の設置でもよい。これらのインフレータ21は点火用電源に接続されており、自動車等において多用されているエアーバッグの爆薬を起動させるGセンサ等を利用して、地震等の緊急ブレーキを必要とする所定の加速度を検出した緊急停止指令信号を受けて点火スイッチS1が閉じられる。これにより、インフレータ21が爆発する。
インフレータ21が爆発することによって、通常のサービスブレーキ時にエアーが供給される空圧室9にあって爆発的な加圧がなされ、迅速かつ瞬時にエアーピストン8をしてカムシャフト11をブレーキ動作方向に移動させる。次いで、ウェッジカム10の傾斜面を介してリンク式倍力装置を構成するローラアーム13、13を拡開させ、リンクロッド15、15を介してブレーキアーム4、4の各基端部を拡開方向に揺動させて、ブレーキアーム4、4、の開放端部に配設されたパッドアッセンブリ6、6をブレーキロータに挟圧させてブレーキ動作が行われる。インフレータ21の爆発力、ウェッジカム10の傾斜面そしてリンク式倍力装置を構成するローラアーム13、さらには梃子式ブレーキアーム4の各倍力機構を通じて、瞬時に強力なブレーキ力が作用して空走距離も少なく効果的に安全にブレーキ動作が行われる。
メインのインフレータ21が最初の点火によって動作して役目を終えた後、線路の安全点検等によって車両が走行した後に、再度、余震等に起因して緊急停止指令信号を受けた場合等に、現場でのインフレータ21のリセットが不可能なときでも、補助の第2インフレータ21’を設置しておけば、そのような余震への対応が可能となる。第2インフレータ21’は最初のメインのインフレータ21の起動とは独立させておく(各別に動作する形態)。例えば、単なるオン・オフスイッチの介在により、使用したいインフレータの点火配線をオンにしておけばよい。かくして、本実施例では、通常のサービスブレーキであるエアーシリンダ2の空圧室9にインフレータ21を追加して設置するだけで、サービスブレーキにおけるエアーシリンダ2の空圧室9への空気の供給による通常のブレーキ動作を行いつつ、万一の緊急時には、サービスブレーキに先立って、サービスブレーキにおけるエアーシリンダ2をそのまま活用してインフレータ21による爆発力を利用して迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にする。
図3は本発明のインフレータ式緊急ブレーキのブレーキ力の変化図である。前述したように、空圧室9へのエアー圧の供給による通常のサービスブレーキ動作時には、運転手等の操作者によるブレーキ動作によって、時刻T1からエアー供給口7を介して空圧室9にエアー圧が供給され始めるが、供給経路の長さや種々の抵抗で実際に圧力が上昇し、エアーブレーキ力が発生するのは時刻T3以降となる。時刻T4に到ってエアー圧とエアーブレーキ力が所定値に到達して適度のサービスブレーキ動作がなされる。本発明では、時刻T1の早い段階にて、地震等の緊急ブレーキを必要とする所定の加速度を検出した緊急停止指令信号(図3では緊急ブレーキ信号がオン)を受けて点火スイッチS1が閉じられると、時刻T2までにインフレータ21の爆発力による緊急ブレーキアシスト力を瞬時に立ち上げることができる。この緊急ブレーキアシスト力は、時刻T3における運転手等の操作者による通常のサービスブレーキの動作時まで続き、サービスブレーキのブレーキ力の立上げに伴い、減少するように構成されるとよい。
そのためには、詳細は省略するが、時刻T3における運転手等の操作者による通常のサービスブレーキの動作に応じて、空圧室9からのインフレータ21により発生したガス抜きが可能なように、外気解放通路設計により緊急ブレーキの保持時間、緊急ブレーキ圧の解除のコントロールを行うことが推奨される。この外気解放通路は、通常のサービスブレーキの動作時には機能せず、インフレータ起動時のみに解放されるように構成するのを好適とする。本実施例では、時刻T3からの緊急ブレーキ圧のガス抜き開放がサービスブレーキのエアー供給口7からも行えるので、格別の外気開放通路設計を施さなくても済むが、時刻T3から適宜に制御される外気開放通路を空圧室9に設置することを妨げない。
図4は本発明のインフレータ式緊急ブレーキの第2実施例の要部概略平断面図である。本実施例では、インフレータ21を、サービスブレーキ側であるエアーシリンダ2に対して軸方向の他端側に対向配置した補助シリンダ3における補助ピストン17を収容した補助空圧室23に臨設させるとともに、補助ピストン17の軸動によりカムシャフト11をブレーキ動作方向に移動させるように構成したものである。このように構成したことにより、サービスブレーキ側の構造改変を伴うことなく、エアーシリンダ2に対して軸方向の他端側に、後付けでインフレータ21を配設した補助シリンダ3を対向配置するだけで、インフレータ21の爆発力に応じて、後付けの簡素な構造にて空気圧による作動遅れを解消して、爆発力がカムシャフト11の作動方向に直接的かつ円滑に作用し、迅速で効率的な緊急ブレーキ動作を可能にする。補助シリンダ3における補助ピストン17の背面にはインフレータ21の爆発力に対向する方向に付勢する補助スプリング23が配設され、補助ピストン17の復元機能を行わしめる。インフレータ21の起動方法および設置数等については、前記第1実施例のものと同様であるので、説明は省略する。なお、時刻T3からの緊急ブレーキ圧のガス抜き開放制御のための通路設計として、時刻T3にて制御が開始される外気開放通路24を設けたものを例示した。例えば、開放時間が漸減するパルス制御等により外気に開放されるガス抜きがなされるような外気開放通路24を設置する等。
さらに好適には、前記カムシャフト11の先端部(エアーシリンダ2とは反対側)と補助ピストン17との間に、補助空圧室23へのインフレータ21による爆発圧の導入の際にのみ、前記カムシャフト11がブレーキ動作方向に連動・牽引される連動部11A、20Aを形成した。つまり、連動部11A、20Aについては、例えば、サービスブレーキ側であるカムシャフト11の先端側(ブレーキ動作方向側)に径大部を設けてこれを先端連動部11Aとし、エアーシリンダ2に対して軸方向の他端側に対向配置した補助シリンダ3における補助ピストン17から軸方向に延設した筒状のスリーブ部材20の先端側に、径小部を設けてこれを先端連動部20Aとしたものである。これらは互いを引き合う方向には移動を規制されるストッパ形態の機能を有し、互いが近づく方向の相対移動を許容するように係止・嵌合される。このように構成されていることによって、通常のサービスブレーキ動作時には、カムシャフト11の軸動がインフレータ21が配設された補助ピストン17側に影響を及ぼすことがなく、緊急時のインフレータ21の爆発による補助ピストン17側の爆発力が有効にカムシャフト11側を迅速に牽引・軸動させて瞬時にブレーキ動作を行うことができる。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、傾斜面角度(円錐状、曲線傾斜面等)を含むウェッジカムの形状、およびそのカムシャフトへの形成形態、ウェッジカムとブレーキアーム基端部との関連構成(カムシャフトの両側に配置した実施例のような一対のリンク式倍力装置を介してリンクロッドを介在させたものや、リンク式倍力装置を介さずに、ウェッジカムがカムローラを軸支したリンクロッドを拡開させたり、さらには、ウェッジカムが直接にブレーキアーム基端部を拡開させるように構成することもできる。)、リンク式倍力装置における倍力比率、エアーシリンダの形状、エアー供給口のエアーシリンダへの設置形態、インフレータの形状、形式、起爆形態、数およびそのエアーシリンダへの設置形態、補助シリンダの形状、およびそれに収容される補助ピストンの形状、形式、補助シリンダへのインフレータの設置形態、エアーシリンダおよび補助シリンダにおけるインフレータにより発生したガス抜きのための外気解放通路の設計形態、補助ピストンからのスリーブ部材の延設形態、カムシャフトおよびスリーブ部材における先端連動部の形状、形式等については適宜選定できる。また、実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
本発明のインフレータ式緊急ブレーキは、好適には鉄道車両のキャリパ型エアーディスクブレーキに適用されるが、自動車等の車両や産業用ディスクブレーキ等への適用も可能である。
2 エアーシリンダ
7 エアー供給口
8 エアーピストン(主ピストン)
9 空圧室
10 ウェッジカム
11 カムシャフト
12 カムローラ
13 ローラアーム
14 球面ブッシュ
15 リンクロッド
18 ベアリング
19 ストラット
21 インフレータ
21’ 第2インフレータ
S1 点火スイッチ

Claims (5)

  1. エアーシリンダの空圧室への空気の供給に伴うウェッジカムを形成したカムシャフトの軸動によって前記ウェッジカムのカム作用によりブレーキアームの基端部を拡開揺動させてブレーキ動作を行うウェッジカム式ブレーキであって、前記空圧室に点火用電源に接続されたインフレータを設置し、緊急停止指令信号を受けた際に前記点火用電源により前記インフレータを爆発させて前記空圧室内のピストンにより前記カムシャフトをブレーキ動作方向に移動させて緊急ブレーキを動作し、その後空圧室からインフレータで発生したガスを抜き、通常の作動用空気圧により制動を行なうことを特徴とするインフレータ式緊急ブレーキ。
  2. 前記インフレータを前記エアーシリンダの空圧室に臨設させたことを特徴とする請求項1に記載のインフレータ式緊急ブレーキ。
  3. 前記インフレータを前記エアーシリンダに対して軸方向の他端側に対向配置した補助シリンダにおける補助ピストンを収容した補助空圧室に臨設させるとともに、補助ピストンの軸動によりカムシャフトをブレーキ動作方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載のインフレータ式緊急ブレーキ。
  4. 前記カムシャフトの先端部と補助ピストンとの間に、補助空圧室へのインフレータによる爆発圧の導入の際にのみ、前記カムシャフトがブレーキ動作方向に連動・牽引される連動部を形成したことを特徴とする請求項3に記載のインフレータ式緊急ブレーキ。
  5. 前記インフレータが、各別に動作する形態にて複数個設置されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインフレータ式緊急ブレーキ。
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