JP5439294B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
図8に示すように、パララックスバリア方式で用いられるマスクには、分割画像が表示される画像面(上述した導光板にドット加工を施す例では、ドット加工面に相当)から一定の距離をおいて、スリット(開口部)と遮光部を交互かつ一定の繰り返しピッチで配置したものが用いられる。ここではA、B、Cの3つの視点が設定されており、それらの視点ごとの画像A、B、Cを、視点A、B、Cのそれぞれから見える領域A、B、Cに表示する。なお、表示画像は、マスクからの距離に比べて視点からの距離を充分大きくとることができるので、「各領域の幅」≒「スリット幅」となり、この例の3視点の場合、「遮光部幅」/「スリット幅」=(視点数−1)=2の関係が成り立つ。
すなわち、本発明の請求項1に係る表示装置は、板状の導光板と、該導光板の端部から光を入射させる光源と、前記導光板の表面側に配置したパララックスバリア方式のマスクと、を備え、前記導光板と前記マスクとを互いの平行を保ちつつ相対的に移動可能とすることにより、表示画像中の対象物が立体的に認識される表示装置であって、前記導光板に設けられて、その端部から入射した前記光源からの光を表面側に反射させる反射面を有するドット状の反射部と、前記導光板と前記マスクとの間に設けられて、前記導光板と前記マスクとを互いに離間又は接近させる方向に付勢する付勢手段と、前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定となるように規制する規制手段と、を有し、前記反射部は、前記導光板の前記マスクと対向する面とは反対側の面に形成された断面V字状の切欠きからなり、該切欠きを構成する2つの面のうち、前記反射面となる前記光源から近い方の面の前記導光板の表面に対する傾斜角度が40度以上60度以下であり、前記光源から遠い方の面の前記導光板の表面に対する傾斜角度が100度以下であることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る表示装置は、請求項1に記載の表示装置において、前記付勢手段が、前記導光板と前記マスクとの間に介在されて、前記導光板と前記マスクとを互いに離間させる方向に付勢する圧縮バネであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る表示装置は、請求項2に記載の表示装置において、前記規制手段が、前記導光板の表面側に立設した2本以上の頭付き軸部材の頭部によって、前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定以下となるように規制することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る表示装置は、請求項1に記載の表示装置において、前記付勢手段が、前記導光板と前記マスクとを接続し、前記導光板と前記マスクとを互いに接近させる方向に付勢する引っ張りバネであることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る表示装置は、請求項4に記載の表示装置において、前記規制手段が、前記導光板と前記マスクとの少なとも一方に設けられたストッパーによって、前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定以上となるように規制することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る表示装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置において、前記マスクが、前記導光板とは異なる透明板又は透明フィルムに印刷された遮光部の間に複数のスリットが所定の間隔をおいて互いに平行に配置されることにより構成されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る表示装置は、請求項6に記載の表示装置において、前記透明板又は透明フィルムを平行リンク機構を構成するように回動可能に支持する複数のリンクと、前記リンクを回動させるための駆動手段とからなる機構により、前記導光板と前記マスクとを相対的に移動可能とすることを特徴とする。
以下、この発明の第一実施形態における表示装置を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の表示装置1を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿う断面図である。図3は、本発明の表示装置を構成する導光板に形成された反射面の拡大図である。
光源4としては、LED、LD(レーザーダイオード)などを用いることができ、例えば導光板3の一辺の端面3aに沿って配列された複数のLEDで構成することができる。なお、光源4としては、白、赤、緑、青などの色光を発するものを任意に選択することができる。
導光板3の厚さは、例えば0.3mm〜10mmとすることができる。また、導光板3の四隅には、後述するマスク板10を取り付けるためのネジ穴9が形成されている。
なお、本発明において、透明であるとは、導光板の裏面3cに形成された反射部6(後述)からの反射光が視認できる程度の光透過性をもつことをいう。
図3に示す例では、反射部6は、反射面6aを斜辺とする三角形となる断面を有する。反射部6の形状は断面V字状ということもできる。反射面6aは、反射部6を構成する2つの面のうち光源4に近い方の面である。
反射部6の平面視形状は、特に限定されないが、矩形、三角形、五角形などの多角形、円形、楕円形などであってよい。
このため、反射面6aの傾斜角度αは、40度以上60度以下が好ましく、45度以上55度以下がさらに好ましい。傾斜角度αを前記範囲とすることによって、光の反射効率を高くするとともに、反射光を表面1bに対し垂直またはそれに近い角度で出射させ、反射部6の視認性を高めることができる。
反射部6を構成する2つの面のうち光源4から遠い方の面6bの傾斜角度(図3に示す角度β)は、100度以下とすると、平面視したときの反射部6の面積を小さくできるため好ましい。
また、本実施形態の表示面5は、導光板3の裏面3cと略一致しているが、例えば、反射部6が、導光板3内に形成された空間であった場合には、表示面5は、導光板3の表面3bと裏面3cとの間に位置することになる。
表示画像はこの反射光から構成されるため、マスク11を使用するにもかかわらず、非常に明るい画像が得られる。また、前記反射光により表示が構成されるため、バックライト等の照明が不要であり、薄型化が可能である。
マスク板10は、導光板3と同様に、透明な材料であればよく、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂等などの合成樹脂からなる板や、ガラス板などが用いられ、その中でも透明性、加工の容易さなどの点からアクリル板が好ましい。
マスク板10の厚さは、例えば0.1mm〜10mmとすることができる。また、マスク板10の四隅には、マスク板10を導光板3に取り付ける際に用いる頭付き軸部材21用の取付孔13が形成されている。
上述したように導光板3には、ネジ穴9が形成されており、平面視が前記導光板3と略同形のマスク板10には、前記ネジ穴9に対応して取付孔13が形成されている。マスク板10は、先端部に前記ネジ穴9に対応したネジ溝が形成された頭付き軸部材21を用いて、導光板3に取り付けられる。
図1に示すように、頭付き軸部材21は、頭部21a(規制手段)、胴部21b、及びネジ部21cより構成されている。頭付き軸部材21の胴部21bの外径は、取付孔13の内径よりも僅かに小さく形成されており、これによって、マスク板10は頭付き軸部材21の長手方向に摺動可能となっている。取付孔13の内面にすべり軸受などを組み込むことによって、胴部21bとの摩擦を低減することが好ましい。また、頭付き軸部材21の頭部21a(規制手段)によって、マスク板10と導光板3との距離は一定以下になるように規制される。
図4のx軸は、導光板3の表示面5に対応し、z軸は導光板3の表示面5からの距離に対応している。また、符号Mはマスク(遮光部)を示すものであり、該マスクMにはスリットS(開口部)が設けられている。符号Dは表示面5を構成する反射部である。点線は、光源から光が入射した際に、反射部で反射した光が、反射部Dから両眼に達する光を示すものである。
右眼R用の反射部D1から右眼Rに達する光と、左眼L用の反射部D2から左眼Lに達する光との交差点Cは、x軸(導光板3の裏面3c)から離れた位置にあるため、両眼の視差により反射光は立体的な画像として認識される。
図5は、マスクMとx軸(導光板3の表示面5)との距離dを変化させた様子を示す図である。図5において、前記距離は、d0からd1に変化している。図5より、マスクMと反射ドットとの距離を変化させることによって、反射部D1から反射する光と、反射部D2から反射する光との交差点Cが、マスクMの移動方向に沿う方向に移動することがわかる。その変化量はdの変化量と比例する。例えば、dが2倍(d1=2×d0)となれば、zも2倍となる。
本発明の表示装置1の特徴は、この原理に基づき、マスク11の導光板3に対する位置を可変とすることを可能にした機構(可変機構)を有することである。
また、マスク板10を押圧した状態から、マスク板10を開放すると、立体的な表示画像として視認された表示画像が、観察者に対して近づくような効果が生じる。
図6は、本発明の第二実施形態に係る表示装置1bを示すものである。
なお、以下の説明において、図1に示す表示装置1と共通の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。また、図6は、表示装置1bの側面図であるが、図2の第一実施形態の断面図が、マスク11のスリット11aの長手方向に沿う方向から見た断面図である(ゆえにスリット11aが複数確認できる)のに対して、図6は、マスク11のスリットの長手方向に直交する方向から見た側面図である。
また、マスク板10bと表示装置2bとの間には、圧縮バネ22(付勢手段)が配置されており、これによって、マスク板10bは、上方に付勢される。
例えば、このような機構を有する表示装置1bを、例えば自動ドアに設置することによって、注意喚起を促す画像に観察者に近づいたり遠ざかったりする動きを与えることができるため、観察者に対してより明りょうに注意喚起を促すことができる。
図7は、本発明の表示装置の第三実施形態1cを示すものであり、図7(a)は、マスク板10cと導光板3cが離れた状態を、図7(b)は、マスク板10cと導光板3cが接近した状態を示す。
なお、以下の説明において、図1に示す表示装置1と共通の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、導光板3cとマスク板10cとは、引っ張りバネ17によって接続されている。これにより、導光板3cとマスク板10cとは、互いに接近するように付勢される。また、マスク板10cには、通常時のマスク11と導光板3cとの距離を一定に保つためのストッパー18が設けられている。
この状態から、押圧板15を下方向に押圧することによって、マスク11と導光板3cの表示面5は図7(a)に示すように離間する。導光板3cとマスク11との間の距離は、押圧板15によって一定以下となるように規制される。このように、マスク11と表示面5との距離が遠ざかることによって、導光板3cに表示される立体的な画像として視認される表示画像は、観察者に対して遠ざかるような効果を奏する。
例えば認識された表示画像が平面や線、あるいは点であっても、それらが導光板と異なる空間上の位置に結像して見える場合、立体的に認識されると定義する。
これはステレオグラムにおける一般的な認識とも一致するものである。
Claims (7)
- 板状の導光板と、該導光板の端部から光を入射させる光源と、前記導光板の表面側に配置したパララックスバリア方式のマスクと、を備え、前記導光板と前記マスクとを互いの平行を保ちつつ相対的に移動可能とすることにより、表示画像中の対象物が立体的に認識される表示装置であって、
前記導光板に設けられて、その端部から入射した前記光源からの光を表面側に反射させる反射面を有するドット状の反射部と、
前記導光板と前記マスクとの間に設けられて、前記導光板と前記マスクとを互いに離間又は接近させる方向に付勢する付勢手段と、
前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定となるように規制する規制手段と、を有し、
前記反射部は、前記導光板の前記マスクと対向する面とは反対側の面に形成された断面V字状の切欠きからなり、該切欠きを構成する2つの面のうち、前記反射面となる前記光源から近い方の面の前記導光板の表面に対する傾斜角度が40度以上60度以下であり、前記光源から遠い方の面の前記導光板の表面に対する傾斜角度が100度以下であることを特徴とする表示装置。 - 前記付勢手段は、前記導光板と前記マスクとの間に介在されて、前記導光板と前記マスクとを互いに離間させる方向に付勢する圧縮バネであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記規制手段は、前記導光板の表面側に立設した2本以上の頭付き軸部材の頭部によって、前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定以下となるように規制することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
- 前記付勢手段は、前記導光板と前記マスクとを接続し、前記導光板と前記マスクとを互いに接近させる方向に付勢する引っ張りバネであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記規制手段は、前記導光板と前記マスクとの少なとも一方に設けられたストッパーによって、前記導光板と前記マスクとの間の距離が一定以上となるように規制することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
- 前記マスクは、前記導光板とは異なる透明板又は透明フィルムに印刷された遮光部の間に複数のスリットが所定の間隔をおいて互いに平行に配置されることにより構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記透明板又は透明フィルムを平行リンク機構を構成するように回動可能に支持する複数のリンクと、前記リンクを回動させるための駆動手段とからなる機構により、前記導光板と前記マスクとを相対的に移動可能とすることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
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