JP5438854B2 - 被検対象物の分析方法および分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被検対象物の分析方法および分析装置に関し、特に、測定試料に含まれる含硫化合物、特にシステインおよびシスチンなどのようなチオール基、またはジスルフィド結合を持つ物質の分析方法に関する。本発明は、輸液製剤や生体試料のように糖、電解質、アミノ酸等の多成分からなり、粘ちょう性のある測定試料における高感度及び高精度の分析に適する。
輸液製剤等の有効成分の一つであるシステインは、他のアミノ酸などと比較して安定性が悪く、保管中にシスチン等に変化し含量が減少することが知られている。そのため、製剤中のシステイン、シスチン等を正確に定量することは、品質管理上重要な意味を持つ。
L−システインの従来の規格分析法としては、L−システインと4,4’−ジチオジピリジン(4−PDS)とを反応させ、反応生成物である4−チオピリドンに由来する極大吸収波長324nmにおける吸光度を測定する、紫外可視吸光度測定法(4−PDS法)が挙げられる。しかし、4−PDS法は、長時間の分析操作を要し、操作が煩雑であり、非効率的な試験方法である。
L−シスチンの従来の規格分析法としては、アミノ酸分析法であり、アミノ基に対して選択的に反応するような誘導体化試薬を用いたポストカラム誘導体化法が挙げられる。ポストカラム誘導体化法は、陽イオン交換クロマトグラフィーによりアミノ酸を分離した後、誘導体化試薬(ニンヒドリン)を送液し、アミノ酸と反応させ、可視吸光度検出器により分析する方法である。ポストカラム誘導体化法では、1試料あたりの分析時間が約134分と長時間であり、非効率的な分析法である。
また、上述した従来の分析法では、L−システインとL−シスチンとを同時に分析できない。
一方、含硫アミノ酸、ペプチド、蛋白は生体系の生理活性において重要な役割を果たしていることが知られている。チオール基(−SH)は、アルコールなどの水酸基(−OH)よりも活性が高く、pHの変化や酵素により、容易にジスルフィド結合(−S−S−)を介して自身が二量体に成ったり、他のチオール基を持つ分子と結合する。
生体系は巧みにチオール基の反応性を利用して、生合成や代謝を行ないながら生命を維持している。
還元型(−SH)と酸化型(−S−S−)のアミノ酸は、システイン−シスチン、ホモシステイン−ホモシスチン、グルタチオン−グルタチオンジスルフィド、またビタミンB1で知られるチアミンのチオール型−チアミンジスルフィドなど数多く知られている(非特許文献1および2参照)。
生体試料等、複雑な組成を有するサンプルでは、チオール基に選択的に反応する蛍光誘導体化試薬を用いて前処理を行い、液体クロマトグラフィーで分離した後、蛍光検出する方法か、カーボン電極を使用した電気化学検出器で直接チオール基を検出する方法が一般的である。
誘導体化法(プレカラム誘導体化法)は、誘導体化反応時にサンプルを中性〜弱アルカリ性に調整する必要があるが、この条件では、チオール基同士がジスルフィド結合を形成しやすく、多数のサンプルを正確に処理するのは非常に困難である。
カーボン電極を使用した電気化学検出器は、後述するように安定性が悪く、精度良く測定を行うことは非常に困難である。
−S−S−結合の有用性は、例を挙げれば切がない。たとえば、にんにくの有効成分として知られているアリシンはジスルファチドであるが、アリシンとチオール型チアミンの結合により生成されるアリチアミン類は、脂溶性が適度にあがるので腸管吸収が向上する。健康食品や医薬品においても、有効成分の体内吸収をさせる手法として価値がある。体内において、これらの化合物は、酵素により還元される。いわいるプロドラッグ的な利用法である。また、植物においても、有効成分の生合成による産生(有効成分ができるのは、実は、各種回路→代謝経路の途中)において、これらチオール類は重要な役目を担っていることが分かってきた。近年、興味深い報告がされている。低分子のチオール類は、極めて香の閾値が高く、良い香を決定付けるのに重要である。たとえば、珈琲の香として有名なフランチオールやグレープフルーツの香として重要なメルカプトヘキサノールなどは、ppb〜pptオーダーでよい香を決定する。ワインでは、メルカプトヘキサノールなどが含まれる製品が付加価値が高く、その生産管理をすることが重要に成ってきた。ブドウ中では、メルカプトヘキサノールはシステインと−S−S−結合した前駆体の状態で産生される。収獲前にこれらを測定することにより、最も良い時期が決定できるわけである(非特許文献3参照)。
現状でのこれらの測定法は、−S−S−結合を切断する酵素を固定化した反応カラムにブドウ果汁を流し、有機溶媒でメルカプトヘキサノールを回収した後、窒素気流等で濃縮してGC/MSに供するという極めて前処理に手のかかる操作と高価な分析装置を必要とする。
電気化学検出器は、紫外可視、示差屈折率、蛍光検出器に次いでよく用いられており、選択性が高く、又高感度であることを特徴とする検出器である。そのため、夾雑物質を多量に含み、更に目的成分が極微量であるような、生化学分野や環境分野などへの適用が進みつつある。この電気化学検出器の主な利点は、(1)液体クロマトグラフィーで汎用的に使われている紫外可視吸光検出器よりも4桁以上の感度が要求される微量成分の分析が可能、(2)反応原理から電気化学的に酸化又は還元物質しか反応しないため選択性が高い、ことに尽きる。
多くの化合物は、作用電極表面上に不活性膜を形成する反応生成物を形成し、このため検出器の応答が時間と共に変化する。その中でもフェノールは非常に悪い膜生成物質として知られ、作用電極に炭素電極(グラファイトやグラッシーカーボンなど)を使用した電気化学検出器では、僅か数時間の操作においても応答は連続的に低下する。その場合、セルを分解し、作用電極表面を研磨し、新しくしなければならない。そして、再度組み立てなおして、微量成分を分析し始めるまで平衡化させるのに数時間を要する。応答が連続的に変わったり、老練なメンテナンスが必要であったりすることは、通常のユーザーにとって煩雑で非常に費用がかかる等の理由から各種の長所があるにも拘わらず、その利用は限られている。
また、グラッシーカーボン電極では、高い印加電圧をかけることができないため、反応電位の高いジスルフィド結合は安定して検出することが困難である。
一方、作用電極に、ボロンをドープすることで導電性を付与した導電性ダイヤモンドを使用するダイヤモンド電極も広く提案されてきている。導電性ダイヤモンド電極は、水溶液中における電位窓が広く、即ち、水の電気分解が起こらない電位領域が広く、高い印加電圧をかけて安定した反応を行うことができる。さらに、電位窓の広さは電極表面における水素発生、酸素発生に対する過電位により決まるわけであるが、これらの反応は、一般に電極表面に弱く吸着した反応中間体を経由する多段階多電子移動反応である。導電性ダイヤモンド表面にはそのような中間体が吸着するサイトが無視できる程度しか存在せず、それゆえバックグラウンド電流値が小さく、ノイズレベルの低い高感度分析が可能となる。
導電性ダイヤモンド電極は、各種の検出に使用されている。
本発明者らの一部は、液体クロマトグラフイーの検出器フローセルに導電性ダイヤモンド電極を使用し、難反応性物質に高電位を印加することで検出可能にしている(特許文献1)。この方法は、さらにクーロメトリックなセルとの組み合わせで、電気化学的に活性な夾雑・痕跡物質の除去や、別物質への変換を行い、分離の向上を図っている。
また、藤島ら(特許文献2)はダイヤモンド電極が過酸化水素に特異的に感応する性質を利用し、酵素反応による物質の濃度検出に応用している。
さらに、長岡ら(特許文献3)は、フロー型のアミノ酸分析装置に、鏡面化処理を施し、酸素終端処理された導電性ダイヤモンド電極を使用した検出部を設けている。酸素終端化処理は、酸素飽和雰囲気下のプラズマにより行っているが、この方法は、電極を設置し、システムを組んだ状態で移動相を流しながら行うことができず、検出の開始以前にオフラインでやっておく必要がある。そのため、多検体、連続繰り返し分析を行う場合にはどうしても電極表面状態に変化が起こり、安定した分析は不可能である。
国際公開第01/67089号パンフレット 特開2003−121410号公報 特開2005−69692号公報
Biomed.Chromatogr.,3,166−172(1989) Cancer Res., 61,4365−4370(2001) 富永隆俊:きいろの香、フレグランスジャーナル社
本発明は、測定試料に含まれる被検対象物のための効率のよい分析方法およびそのための分析装置を提供することを課題とする。好ましくは、本発明は測定試料に含まれるシステイン、シスチンといった複数の含硫化合物を短時間で同時に分析することができる方法を提供することを課題とする。さらに好ましくは、輸液製剤、生体試料のような糖、電解質、アミノ酸等の多成分からなり、粘ちょう性のあるサンプルにおけるシステイン、シスチンなどの含硫化合物を精度良く短時間で分析することができる方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、本発明を完成した。本発明は以下の事項を包含する。
[1]測定試料に含まれる被検対象物の分析方法であって、
測定試料を移動相とともに以下の流路P1に流す工程(1)、
測定試料を含まない移動相を以下の流路P2および流路P3に流す工程(2)、ならびに、
工程(1)および工程(2)によって分析カラムから出た上記被検対象物のクロマトグラムを、ダイヤモンド電極を作用電極として有する電気化学検出器によって取得する工程(3)、を有し
(但し、流路P1は、前処理カラムを順方向に通り、次いで分析カラムを経て検出器へ至る流路であり、流路P2は、前処理カラムを通らずに、分析カラムを経て検出器へ至る流路であり、流路P3は、前処理カラムを逆方向に通り、分析カラムを経ず、検出器も経ずに排出される流路である。)、
工程(1)において上記被検対象物が前処理カラムを通過した後に工程(1)を終了して工程(2)を開始する、前記分析方法。
[2]測定試料に含まれる被検対象物より大幅に長い通過時間を要する夾雑物質は分析カラムを経由しない[1]の分析方法。
[3]被検対象物が含硫化合物である[1]または[2]の分析方法。
[4]含硫化合物がチオール基またはジスルフィド結合をもつ化合物である[3]の分析方法。
[5]含硫化合物が含硫アミノ酸である[3]の分析方法。
[6]含硫化合物がN−アセチルシステインである[3]の分析方法。
[7]含硫化合物がホモシステインまたはグルタチオンである[3]の分析方法。
[8]被検対象物が2種以上の含硫化合物である上記[1]または[2]の分析方法。
[9]2種以上の含硫化合物がシステインおよびシスチンである[8]の分析方法。
[10]被検対象物が2種以上のアミノ酸である上記[1]または[2]の分析方法。
[11]移動相が、水、電解質を含む[1]〜[10]のいずれかの分析方法。
[12]移動相が、水、電解質およびイオンペア化合物を含み、pHが1〜3である[1]〜[10]のいずれかの分析方法。
[13]イオンペア化合物がアルキルスルホン酸塩およびアルキル硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である[12]の分析方法。
[14]分析カラムが、逆相カラム、順相カラム、またはイオン交換カラムのいずれかである[1]〜[13]のいずれかの分析方法。
[15]分析カラムが、逆相カラムである[14]の分析方法。
[16]ダイヤモンド電極が導電性ダイヤモンド電極である、上記[1]〜[15]のいずれかの分析方法。
[17]導電性ダイヤモンド電極が、酸化電解研磨された電極である、[16]の分析方法。
[18]導電性ダイヤモンド電極が、移動相を流した状態で酸化電解研磨された電極である、[16]の分析方法。
[19]測定試料が輸液製剤、透析剤、醗酵液、生体試料のいずれかである[1]〜[18]のいずれかの分析方法。
[20]工程(3)の終了後、工程(1)、(2)および(3)を開始し、連続繰り返し分析を行う[1]の分析方法。
[21][1]〜[20]のいずれかの分析方法を用いることを特徴とする測定試料に含まれる2種以上の含硫化合物の同時検出方法。
[22]測定試料に含まれる被検対象物の分析装置であって、
流路の方向を可逆的に切り換えることができる流路切換装置と、
移動相を測定試料とともに流路切換装置へ流す試料導入用流路と、
移動相を単独で流路切換装置へ流す移動相導入用流路と、
流路切換装置から出て前処理カラムを経て再び流路切換装置に戻る流路と、
流路切換装置から出て分析カラムを経て被検対象物のクロマトグラムを取得することができるダイヤモンド電極を作用電極として有する電気化学検出器へ至る流路と、
流路切換装置から出て前処理カラムも分析カラムも経ずに当該装置外へ至る排出路と、を有し、
流路切換装置は、下記(A)及び(B)の状態に相互に切り換えることができるように構成されている、被検対象物の分析装置。
(A)試料導入用流路から、前処理カラムを順方向に通り、次いで分析カラムを経て検出器へ至る流路P1を構成する状態、
(B)試料導入用流路から、前処理カラムを通らずに、分析カラムを経て検出器へ至る流路P2、および、移動相導入用流路から、前処理カラムを逆方向に通り、排出路へ至る流路P3を構成する状態。
[23]被検対象物が含硫化合物である[22]の装置。
[24]含硫化合物がチオール基またはジスルフィド結合をもつ化合物である[23]の装置。
[25]含硫化合物が含硫アミノ酸である[23]の装置。
[26]含硫化合物がN−アセチルシステインである[23]の装置。
[27]含硫化合物がホモシステインまたはグルタチオンである[23]の装置。
[28]被検対象物が2種以上の含硫化合物である[22]の装置。
[29]2種以上の含硫化合物がシステインおよびシスチンである[28]の装置。
[30]被検対象物が2種以上のアミノ酸である[22]の装置。
[31]分析カラムが、逆相カラム、順相カラム、またはイオン交換カラムのいずれかである[22]〜[30]のいずれかの装置。
[32]分析カラムが、逆相カラムである[31]の装置。
[33]ダイヤモンド電極が導電性ダイヤモンド電極である、[22]〜[32]のいずれかの装置。
[34]導電性ダイヤモンド電極が、酸化電解研磨された電極である、[33]の装置。
[35]導電性ダイヤモンド電極が、移動相を流した状態で酸化電解研磨された電極である、[33]の装置。
[36]測定試料が輸液製剤、透析剤、醗酵液、生体試料のいずれかである[22]〜[36]のいずれかの装置。
本発明によれば、選択性が高く、ノイズレベルの低いダイヤモンド電極型電気化学検出器とカラムスイッチング法を用いることで、精度の高い、安定した測定が可能になる。すなわち、試料溶液に含まれる可能性があって測定時間を長くする原因となっていた夾雑物質は工程(1)において前処理カラムの入口付近に留まり、工程(2)において移動相を逆方向に流すことでこの夾雑物質が分析カラムを経由することなく、素早く除去されることができるので、直ちに次回の測定を開始することができ、結果として、測定時間の大幅な短縮が見込まれる。また、それゆえに、多検体の連続分析が可能となる。
本発明の一局面では、イオンペア化合物を使用した逆相クロマトグラフィーを用いて、輸液製剤や透析剤のような多成分を含む粘ちょう性の試料から、好適な被検対象である複数の含硫化合物、特にシステイン、シスチンを短時間にて明瞭に分離し、精度良く分析することができる。なお、本発明では分離方法は、イオンペア化合物を用いた逆相分析に限定されず、通常の逆相、順相、および、イオン交換法での使用も可能であり、分離メカニズムには依存しない。
本発明の一局面では、試料及び標準液の調製液、移動相等すべて酸性条件下で実施し、簡単な操作であることにより、酸化、および、新たなジスルフィド結合の形成による影響も受けにくく、安定的に複数の含硫化合物成分を短時間にて明瞭に分離し、精度良く分析することができる。
本発明の一局面では、オンライン再生化を用いることにより、堅牢性が高く、安定的に複数の含硫化合物成分を短時間にて明瞭に分離し、精度良くかつ同時に分析することができる。
本発明によれば、申請用の医薬品の規格試験法あるいは品質試験法としての分析方法が提供されることが見込まれる。
本発明の一局面によれば、透析剤などに含まれる2種の含硫アミノ酸、特にシステイン、シスチンの両成分を短時間にて明瞭に分離し、精度良くかつ同時に分析することができる。
本発明の一局面では、移動相を流しながら導電性ダイヤモンド電極の酸化電解研磨処理を行うことにより、システムを組替えることなく、安定した測定をすることができる。
表1に、システイン、シスチン分析における本発明と既存分析法の性能をまとめた。
Figure 0005438854
図1は流路P1を模式的に示す。 図2は流路P2および流路P3を模式的に示す。 図3は標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例1) 図4は酸化電解研磨なしでのシステインのクロマトグラムを示す。(実施例1) 図5は酸化電解研磨ありでのシステインのクロマトグラムを示す。(実施例1) 図6は輸液製剤の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例1) 図7は標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例2) 図8は輸液製剤の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例2) 図9は標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例3) 図10は標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムを示す(実施例4) 図11はマウス血漿サンプルのクロマトグラムを示す。(実施例4) 図12はマウス血漿に標準溶液を添加したサンプルのクロマトグラムを示す。(実施例4) 図13は図10の拡大図を示す。(実施例4) 図14は図12の拡大図を示す。(実施例4) 図15はラット血漿サンプルを連続測定したクロマトグラムを示す。(実施例5) 図16は標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例1) 図17は赤ワインの分析によって得られたクロマトグラムを示す。(実施例7) 図18は3−メルカプト−1−ヘキサノールのクロマトグラムを示す。(実施例8) 図19はフランチオールのクロマトグラムを示す。(実施例9) 図20はHILICモードでのクロマトグラムを示す。(実施例10)
以下、本発明による、測定試料に含まれる被検対象物の分析方法を単に本発明の方法と記載することもある。以下、被検対象物が「システインおよびシスチン」である場合を中心に説明するが、本発明では、被検対象物は特に限定されない。
本発明の測定試料は被検対象物を分析すべき試料であれば特に限定はなく、具体的には、輸液製剤、透析剤、醗酵液、生体試料(血漿・組織)などが挙げられる。被検対象物の分析は、被検対象物が存在しない場合にその不存在を確認することも含む。よって、測定試料に被検対象物が含まれることを要さない。好ましくは、被検対象物は2種以上のアミノ酸である。本発明におけるアミノ酸とは、天然型アミノ酸のみならず、非天然アミノ酸、アミノ酸誘導体、アミノ酸類をも含み、含硫アミノ酸が好ましい。例えば、ホモシステイン、スルホシステイン、N−アセチルシステイン(例えば、N−アセチル−L−システイン)などを含む。2種以上の含硫アミノ酸は好ましくはシステインおよびシスチンである。システイン(cysteine)はアミノ酸の一種であり、側鎖にチオール基を持つ。シスチン(cystine)はアミノ酸の一種であり、2分子のシステインが、チオール基(−SH)の酸化によって生成するジスルフィド(−S−S−)結合を介してつながった構造をもつ。
本発明では、被検対象物は含硫化合物であってもよい。含硫化合物は化学構造中にイオウ原子を有する化合物であり、例えば、チオール基、ジスルフィド結合、スルフィド結合、スルホキシド結合、スルホン結合、スルフィン酸、スルホン酸、硫酸などの含硫官能基を有する化合物が挙げられ、チオール基またはジスルフィド結合を有する化合物が好ましい。含硫化合物は、好ましくは含硫アミノ酸である。上述したシステインやシスチンは含硫アミノ酸の具体例であり、含硫アミノ酸の具体例としては、他に、メチオニン、N−アセチルシステイン(例えば、N−アセチル−L−システイン)、システインスルフィン酸、ホモシステインスルフィン酸、ホモシステイン、ホモシスチン等が挙げられる。含硫アミノ酸ではない含硫化合物としては、含硫ペプチドであるグルタチオン(還元型グルタチオンおよび酸化型グルタチオンを含む)、その他の3−メルカプト−1−ヘキサノール、フランチオール等が想定される。
含硫化合物としては、システイン、シスチン、N−アセチルシステイン、ホモシステイン、グルタチオンが好ましい。
含硫化合物は、1種のみを被検対象としてもよいし、2種以上を被検対象としてもよい。後述のように、本発明の分析方法は複数物質の同時分析が可能であるので、2種以上の含硫化合物を被検対象とする態様が好ましい。
測定試料に含まれる被検対象物、特に2種以上の含硫化合物(特にシステインおよびシスチン)の分析方法は、測定試料中の被検対象物の状態を見出すことを広く包含する概念であり、分析は定性分析であってもよいし定量分析であってもよい。また、本発明の方法は、医薬品の規格試験法、工場における品質管理試験法として用いてもよい。本発明の方法は、測定試料に被検対象物が含まれるか含まれないかを見出す方法、すなわち検出方法であってもよい。本発明の方法は測定試料中のシステインおよびシスチンの少なくとも一つの濃度の測定方法であってもよい。
本発明の一態様によれば、システインおよびシスチンに適した前処理カラムにおいて、システインおよびシスチンよりも大幅に長い通過時間を要する夾雑物質を含む測定試料において効果が大である。すなわち、該夾雑物質は、工程(1)において前処理カラムの入口付近に留まり、工程(2)において移動相を逆方向に流すことにより分析カラムを経由することなく、素早く除去される。そのような夾雑物質としては、電気化学的に活性なアミノ酸であるチロジン、トリプトファン、ヒスチジン、メチオニンなどが挙げられる。
なお、試料中に含まれる糖(ブドウ糖等)及び電解質(塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸亜鉛等)の夾雑物質については本発明の方法では検出されない。
本発明の方法では、液体クロマトグラフィーの手法を適宜援用することができる。例えば、水および電解質を含む移動相を使用した逆相カラム液体クロマトグラフィーを採用することができる。以下、逆相カラムを用いた態様について説明するが、本発明がこれに限定されないことはいうまでもない。
移動相は一般的な酸性移動相を用いてもよい。本発明では、移動相のpHは好ましくは1〜3である。移動相のpHが前記範囲内である場合には、短時間に、精度良く、安定性良く、堅牢に分析できるという利点がある。移動相に含まれる電解質としては、特に限定はなく、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが例示される。
好適な移動相の例は、以下のA成分およびB成分の混合物である。
ここで、A成分は10〜100mMのリン酸二水素ナトリウムおよび1〜10mMのオクタンスルホン酸ナトリウムからなるリン酸緩衝液(pH1〜3)であり、B成分はアセトニトリルである。A成分とB成分の重量比(A/B)は、好ましくは90.0/10.0〜99.0/1.0である。
本発明者らの知見によれば、移動相にイオンペア化合物を含有せしめることによってシステインおよびシスチンの分析精度が向上する。ODSカラムなどを用いる逆相系での分析において、酸性物質や塩基性物質などイオン性の物質は移動相の条件によって、解離状態となり、十分にカラムに保持することができなくなる。このような場合に、目的成分と逆の電荷を有するイオン性物質を移動相に添加することで、化合物を保持させる手法をイオンペアクロマトグラフィーといい、添加するイオン性物質をイオンペア化合物という。目的成分とイオンペア化合物は、移動相中でイオン対を形成することで、電荷の影響が軽減されて固定相に保持されやすくなる。加えて、固定相にイオンペア化合物が保持されることで、疑似的なイオン交換作用を持ち、目的成分が固定相に保持される効果も期待される。酸性移動相を用いた場合、アミノ酸のアミノ基がイオン化しているので、酸性のイオンペア化合物、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等を用いる。イオンペア化合物は、好適には、アルキルスルホン酸塩およびアルキル硫酸塩からなる群から選ばれる。
アルキルスルホン酸塩のアルキル部分の炭素数は好ましくは5〜12であり、より好ましくは5〜8である。アルキルスルホン酸塩における「塩」は好ましくはアルカリ金属塩であり、中でも、ナトリウム塩が好ましい。アルキルスルホン酸塩のより具体的な例としては、オクタンスルホン酸ナトリウム、ペンタンスルホン酸ナトリウム、ヘキサンスルホン酸ナトリウム、ヘプタンスルホン酸ナトリウム、ドデカンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
アルキル硫酸塩のアルキル部分の炭素数は好ましくは5〜12であり、より好ましくは5〜8である。アルキル硫酸塩における「塩」は好ましくはアルカリ金属塩であり、中でも、ナトリウム塩が好ましい。アルキル硫酸塩のより具体的な例としては、ドデシル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
図1は流路P1を模式的に示す。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけではない。本発明の工程(1)では、流路P1に移動相と測定試料とを流す。流路P1は、前処理カラム1を順方向に通り、次いで分析カラム2を経て検出器3へ至る流路である。前処理カラム1は、複数の含硫化合物(システインおよびシスチンなど)が4〜15分程度で通過することができるものから選ぶことができる。例えば、逆相カラムの市販品として、イナートシルODS−3(ジーエルサイエンス社製)、Develosil ODS−UG(野村化学社製)、YMC−PackODSシリーズ(ワイエムシイ社製)、CAPCELL PAK C18(資生堂社製)、ZORBAX Eclipse XDB(Agilent社製)などが挙げられる。
本発明の分析装置において流路P1を構成する場合には、流路の方向を可逆的に切り換えることができる流路切換装置6を用いて、試料導入用流路をこの流路切換装置6に結合し、次いで、流路切換装置6から出て前処理カラム1を経て再び流路切換装置6に戻る流路へと導き、さらに、流路切換装置6から出て分析カラム2を経て被検対象物のクロマトグラムを取得することができる検出器3へ至るように配管および流路切換装置6を配置すればよい。ここで、流路切換装置6は典型的には1つ以上のバルブであり、試料導入用流路には、一般には、移動相の供給源(タンク等)51と移動相の流れを駆動するための送液装置(ポンプ等)41と測定試料を投入すべきインジェクタ7とが設けられている。
前処理カラム1は液体クロマトグラフィーにおける固定相として作用する。移動相は通常は分析カラム2を一方向に流す。本発明では、工程(1)で使用する流路P1において移動相を前処理カラム1に流すときの分析カラム内における流通方向を「順方向」と定義して、その反対の方向を「逆方向」と定義する。説明の便宜上、前処理カラム1の入口11および出口12を次のように定義する。すなわち、流通方向が「順方向」である場合には、液体は、前処理カラム1の「入口」11から該カラム1に入り、前処理カラムの「出口」12から出る。したがって、流通方向が「逆方向」である場合には、移動相は、前処理カラム1の「出口」12から該カラムに入り、前処理カラムの「入口」11から出る。
本発明では、測定試料を移動相とともに前処理カラム1を通過させることによって、好ましくは少なくとも一部の夾雑物質を除去した後に、被検対象物を含む溶液は分析カラム2に到達する。分析カラム2もまた液体クロマトグラフィーにおける固定相として作用し、例えば、システインおよびシスチンを分離することができる。被検対象物(システインやシスチンなどの含硫化合物)が分離可能であれば、分析カラム2の材質や形状などは特に限定されず、前処理カラム1と同じ種類のカラムを用いてもよい。
本発明は、逆相クロマトグラフィーに限定されない。例えば、順相クロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーでも分析は可能である。
順相クロマトグラフィーの好適な移動相の例は、以下のA成分およびB成分の混合物である。ここで、A成分は10〜100mMの酢酸、および、酢酸ナトリウム
(pH3〜5)からなり、B成分はアセトニトリルである。A成分とB成分の容量比(A/B)は、好ましくは40.0/60.0〜5.0/95.0である。使用する順相カラムとしては、水系移動相が使用できるHILIC(Hydrophilic Interaction Chromatography)カラムが好ましく使用される。HILICカラムの市販品として、ZIC−HILIC(野村化学社製)などが挙げられる。
イオン交換クロマトグラフィーの好適な移動相の例は、0.1から0.3Mのクエン酸ナトリウム緩衝液である。イオン交換カラムの市販品としては、昭和電工社製のShodex CXpakなどが挙げられる。
検出器3は被検対象物の存在に基くクロマトグラムの信号を受けて必要に応じて演算を行って、チャート等の表示手段(図示せず)に情報を伝達する装置である。検出器3の種類は、作用電極としてダイヤモンド電極を有する電気化学検出器である。電気化学検出器は作用電極と参照電極とを有し、所定の電圧、好ましくは1200〜2000mVの電圧を作用電極に印加したときの、作用電極表面の酸化反応による電流変化を検出する装置である。好ましくは、作用電極は、導電性ダイヤモンド電極である。参照電極は一般的な銀/塩化銀電極などを用いることができる。
導電性ダイヤモンド電極は、3族や5族の不純物が添加されて半導体や金属のような導電性を呈するダイヤモンドからなる電極である。導電性ダイヤモンド電極はCVD法などによって製造できることが公知であり、特許文献2などの公知文献を適宜参酌して得ることができる。導電性ダイヤモンド電極を用いると、高感度で、短時間に、精度良く、日差変動もなく安定に、堅牢に、同時分析できるという利点がある。電極の処理はオンライン再生化を用いることが好ましく、その場合、システムの堅牢性が高まり、分析精度が向上する。さらに、堅牢性を高めるためには、電極上の酸素終端と水素終端の比率が徐々に変化しないよう電極表面を高度に酸素終端にしておくと良い結果が得られる。酸素終端を作る方法は、当該技術分野の自体公知の方法を特に制限することなく採用することができる。例えば、Akira Fujishima et. al. 編:Diamond Chemistry, 218 (2005) Elsevierに記載の、1.高温化で酸素ガスを流す、2.硫酸-硝酸の混液中でボイルする、3.酸素プラズマの照射、4.酸化剤での処理、5.酸化電解研磨、が好ましく採用される。中でも、分析システムの構成を崩さず、分析状態と同様に移動相を送液しながらオンラインで実行することのできる、酸化電解研磨法が本発明については、再現性が高く有用である。
移動相と測定試料の送液手段は特に限定なく、一般的なポンプ41などを用いて移動相の供給源51から移動相を送ることができる。図1の態様では、測定試料はインジェクタ7において流路P1に投入される。時間あたりの流量は、カラムの能力などに応じて適宜設定すればよく、好ましくは0.2〜1.0mL/minである。
本発明では、工程(1)において複数の含硫化合物(システインおよびシスチンなど)が前処理カラム1を通過した後に工程(1)を終了して工程(2)を開始する。複数の含硫化合物が前処理カラム1を通過するのに要する時間は移動相、流速、固定相の組合わせで概ね決まるので、予め所要時間を測定しておいてもよいし、前処理カラム1の出口12の近傍などに検出手段(図示せず)を設けてモニターしてもよい。工程(2)では流路P2および流路P3を用いる。
図2は流路P2および流路P3を模式的に示す。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけではない。本発明の工程(2)では、流路P2および流路P3に測定試料を含まない移動相を流す。流路P2の方向は図2において黒色の矢印で示されている。流路P2は、前処理カラム1を通らずに、分析カラム2を経て検出器3へ至る流路である。分析カラム2および検出器3は流路P1において使用するものと同じである。流路P2に移動相を流すことによって、工程(1)において分析カラム2あるいはそれ以前の管路に留まっていた被検対象の複数の含硫化合物(システインおよびシスチンなど)を分析カラム2においてクロマトグラフィー処理に供して分析作業を続行することができる。工程(2)において流路P2に測定試料を流さないことで、分析カラム2への夾雑物質の進入がないので分析精度の低下が起こり難い。
流路P3の方向は図2において白色の矢印で示されている。流路P3は、前処理カラム1を逆方向に通り、分析カラム2を経ず、検出器3も経ずに排出される流路である。前処理カラム1は流路P1で用いるものと同じである。工程(1)において前処理カラム1に留まる夾雑物質のうち、保持時間の長いものは前処理カラム1の入口11の近傍に留まっている。こういった保持時間の長い夾雑物質を除去するために従来は長時間にわたって移動相を前処理カラム1に流しつづける必要があったところ、本発明によれば、流路P3を流れる移動相は前処理カラム1の出口12から入口11へと流れるので、入口11の近傍に留まっていた夾雑物質を比較的に短時間で除去することができる。したがって、短時間にて次の測定試料に対する測定を開始することができ、測定の迅速化が図られる。さらに本発明の好ましい態様は、第1の分析において工程(3)の終了後、直ちに第2の分析において工程(1)、(2)および(3)を開始し、これを連続して繰り返し分析を行うことである。
本発明の分析装置において流路P2を構成する場合には、流路切換装置6を切り換えることによって、試料導入用流路からの流れを直ちに分析カラム2を経て検出器3へ至る流路へと導くようにすればよい。このように流路切換装置6により流れの方向を定めたときに、同時に、流路P3が構成されることが重要である。この場合、流路P3は、移動相導入用流路から流路切換装置6に入る流れを、前処理カラム1の出口側12に導き、該前処理カラムを逆方向に通過させ、再び流路切換装置6に入れ、その後、排出路へ向うように流路が定められる。
工程(1)および工程(2)で流す移動相は好ましくは全て同種類とする。その場合、操作が簡便になることに加えて、移動相の種類の変化に起因するカラム1、2内での物質の保持挙動が変化するおそれが低減する。図面では、移動相の供給源51、52を便宜上2つ示しているが、同一の供給源から移動相を流路P1〜P3に供給してもよい。工程(1)および工程(2)における、流路P1〜P3の切り替えは、図示するように、流路切換装置(バルブ等)6および配管を組合わせることによって容易に実現することができる。
流路P2及びP3を構成した場合、被検対象物は、分析カラム2での分離後にダイヤモンド電極型電気化学検出器に導かれ、物質固有の電気化学活性により選択的に検出される。通過時間が被検対象物とほぼ同様の夾雑物質も分析カラム2に導かれるが、ダイヤモンド電極型電気化学検出器に活性を示さないため検出されない。一方、被検対象物より大幅に長い通過時間を要する夾雑物質は前処理カラム1から逆方向に流れて排出される。従って、本構成を採用することによって、夾雑物質の影響を無くした電気化学活性を持つ複数の含硫化合物を同時に検出することが可能となる。
本発明は、選択性が高く、ノイズレベルの低いダイヤモンド電極型電気化学検出器とカラムスイッチング法を用いることで、複数化合物を短時間で、精度の高い、安定した測定法が可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳しく説明するが、これらの例は本発明を何ら限定するものではない。
(移動相)
50mmol/Lリン酸二水素ナトリウム及び5mmol/Lオクタンスルホン酸ナトリウム溶液に、リン酸を所定量加えることにより、酸性(pH2.2)の緩衝液を調製した。この緩衝液97.5重量部に対し、アセトニトリルを2.5重量部加えることによって移動相を得た。
(標準溶液)
デシケータ(減圧、五酸化リン)で3時間乾燥した定量用L−システインを移動相に溶かした。別に、105℃で3時間乾燥した定量用L−シスチンを少量の1mol/L塩酸試液に溶かして水を加えて所定量にする。次に、このL−システイン溶液及びL−シスチン溶液をそれぞれ所定量はかり取り、移動相を加え混合および希釈して、標準溶液を得た。
(分析条件)
この実施例では図1および2に模式的に表現される分析システムを構築して分析を実施した。詳細な条件は以下のとおりである。
分析カラム:イナートシル ODS−3(ジーエルサイエンス社製)
150mm×3.0mmI.D.dp=3μm
前処理カラム:イナートシル ODS−3(ジーエルサイエンス社製)
33mm×3.0mmI.D.dp=3μm
カラム温度:40℃
検知器:電気化学検出器、導電性ダイヤモンド電極 1600mV
参照電極、Ag/AgCl
流量:0.4mL/min
注入量:10μL
(ダイヤモンド電極の酸化電解研磨)
移動相条件:アセトニトリル/0.1%リン酸=50/50
流速:0.4mL/min
印加電圧:5000mV
処理時間:24時間放置
ダイヤモンド電極の酸化電解研磨は、実際の測定に使用するシステムを構築した状態で移動相を流し、上記条件で行った。本条件はシステインに有効であった一例であり、各種の化合物においては強酸性条件において移動相を測定条件とほぼ同等な速度で流し、2000mV以上の高電圧で6時間以上放置処理し、酸化電解研磨を完了することが好ましい。
(標準溶液の分析)
上述の標準溶液を用い、図1および図2に模式的に示される測定系において検出器3の作用電極の印加電圧を1600mVに設定し、その電流変化を検出した。このとき、図1および図2において点線で囲われた領域、すなわち、前処理カラム1と分析カラム2とバルブ6とを含む領域を40℃にて一定に保った。この操作の結果、L−システイン及びL−シスチンの同時分析が可能であることが確認できた。図3はこの標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムである。
ダイヤモンド電極の酸化電解研磨処理を行わない場合、初期の分析から10時間経過するとシステインピーク面積値が約66%に減ってしまっていたが、酸化電解研磨処理を行った場合は、96%の面積値とほぼはじめの状態の面積値を維持していた。
図4は酸化電解研磨処理を行わずに、5時間後、10時間後に同じ分析を行って得られたクロマトグラムであり、表2はその面積値である。
Figure 0005438854
図5は、酸化電解研磨処理を行った後に、5時間後、10時間後に同じ分析を行って得られたクロマトグラムであり、表3はその面積値である。
Figure 0005438854
移動相を流しながらの酸化電解研磨処理が、本システムに十分有効であることが確認された。
(輸液製剤の分析)
輸液製剤(糖・電解質・アミノ酸液「ツインパル(登録商標)」味の素社製)を、上述の移動相で希釈して試料溶液を得た。この試料溶液を、標準溶液と同様にして分析を試みたところ、L−システイン及びL−シスチンの特異的な分析が可能であることが確認できた。図6はこの輸液製剤の分析によって得られたクロマトグラムである。
この輸液製剤の組成は、表4(I層(糖・電解質液))および表5(II層(アミノ酸液))のとおりである。分析の際には、II層またはI層とII層とを混合した試料を用いた。図6には、II層を試料としたときのクロマトグラムを示す。
本輸液製剤の場合、500mL容量(I層:350mL、II層:150mL)と1000mL容量(I層:700mL、II層:300mL)と2容量あり、試料としては2容量用いた。
Figure 0005438854
Figure 0005438854
本発明分析法では真度及び併行精度も良好であり、L−システイン;回収率:101%、相対標準偏差:0.9%、L−シスチン;回収率:100%、相対標準偏差:0.7%(すべて、n=9で実施)であった。
特に、本実施例にあたっては、図1、2で示した、カラムスイッチング法が重要な役割を果たしている。ダイヤモンド電極を使用した電気化学検出器は選択性の高い装置ではあるが、システイン、シスチン以外にも、メチオニン、チロシン、ヒスチジン、フェニルアラニンなどのアミノ酸も検出される。これらのアミノ酸は、輸液製剤や生体試料中にも多く含まれる成分である。カラムスイッチング法を使用しない場合、これらのアミノ酸は45分から280分の間で溶出される(図16)。このため、1サンプルあたりの分析時間が非常に長くなってしまい、事実上、実サンプルの測定には使用できないことになる。
(標準溶液)
80℃で3時間乾燥した定量用N−アセチル−L−システインを移動相に溶かした。次に、このN−アセチル−L−システイン溶液を所定量はかり取り、移動相を加えて希釈して、標準溶液を得た。なお、移動相は実施例1と同様のものとした。
(分析条件)
この実施例では図1および2に模式的に表現される分析システムを構築して分析を実施した。詳細な条件は実施例1の場合と同じである。
(標準溶液の分析)
上述の標準溶液を用い、図1および図2に模式的に示される測定系において実施例1の場合と同様の操作を行なった結果、N−アセチル−L−システインの同時分析が可能であることが確認できた。図7はこの標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムである。
(輸液製剤の分析)
輸液製剤(アミノ酸・電解質液「市販のビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液」)を、上述の移動相で希釈して試料溶液を得た。この試料溶液を、標準溶液と同様にして分析を試みたところ、N−アセチル−L−システインの特異的な分析が可能であることが確認できた。図8はこの輸液製剤の分析によって得られたクロマトグラムである。
この輸液製剤の組成は、表6(上室液(アミノ酸・電解質液))および表7(下室液(ビタミンB1・糖・電解質液))のとおりである。分析の際には、上室液または上室液と下室液とを混合した試料を用いた。図8には、上室液を試料としたときのクロマトグラムを示す。
本輸液製剤の場合、500mL容量(上室液:150mL、下室液:350mL)と1000mL容量(上室液:300mL、下室液:700mL)と2容量あり、試料としては2容量用いた。
Figure 0005438854
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(標準溶液)
デシケータ(減圧、五酸化リン)で3時間乾燥したL−システインスルフィン酸、L−ホモシステインスルフィン酸、DL−ホモシステイン及び還元型グルタチオンを移動相に溶かし混合溶液とした。同様に乾燥したL−ホモシスチンを少量の1mol/L塩酸試液に溶かして水を加えて所定量とし、L−ホモシスチン溶液とする。次に、この混合溶液及びL−ホモシスチン溶液をそれぞれ所定量はかり取り、移動相を加え混合および希釈して、含硫アミノ酸・含硫化合物の標準溶液を得た。なお、移動相は実施例1と同様のものとした。
(分析条件)
この実施例では図1および2に模式的に表現される分析システムを構築して分析を実施した。詳細な条件は実施例1の場合と同じである。
(標準溶液の分析)
上述の標準溶液を用い、図1および図2に模式的に示される測定系において実施例1の場合と同様の操作を行なった結果、含硫アミノ酸・含硫化合物の標準溶液の同時分析が可能であることが確認できた。図9はこの標準溶液の分析によって得られたクロマトグラムである。
本法は、L−システイン等のアミノ酸の分解物の検索に有効な方法と考えられる。なお、図9でリテンションタイム2.1分のピークはL−システインスルフィン酸に由来し、2.5分のピークはL−ホモシステインスルフィン酸に由来する。
(標準溶液)
システイン、シスチン、還元型グルタチオン、ホモシステインを所定量はかり取り、希塩酸を用いて溶解した。その後、水を加えて順次希釈し、6μmol/Lのシステイン、15μmol/Lのシスチン、3μmol/Lの還元型グルタチオンおよび6μmol/Lのホモシステインを含有する標準溶液を得た。
(血漿サンプルの調製)
マウス、ラット、イヌおよびヒト等の血漿に対し、トリクロロ酢酸溶液を添加し、遠心分離により、タンパク成分を除去した。遠心上清を水で希釈し、血漿サンプルを得た。
(分析条件)
この実施例では図1および2に模式的に表現される分析システムを構築して分析を実施した。詳細な条件は以下のとおりである。
分析カラム:イナートシル ODS−3(ジーエルサイエンス社製)
100mm×3.0mmI.D.dp=3μm
前処理カラム:イナートシル ODS−3(ジーエルサイエンス社製)
10mm×3.0mmI.D.dp=5μm
カラム温度:50℃
移動相:1−ヘプタンスルホン酸ナトリウム(20mM)およびリン酸(25mM)を含有する緩衝液98.5重量部と、1.5重量部のアセトニトリルとの混合液
検知器:電気化学検出器、導電性ダイヤモンド電極 1600mV
参照電極、Ag/AgCl
流量:0.8mL/min
注入量:10μL
カラムスイッチング時間 2.1 min
検出 :ECD 20.0分 1600mV
20.1分 4000mV
21.0分 1600mV
被検対象物が検出され分析が終了した20.1分後に、電極表面に堆積してしまう汚れを高電圧を印加することで落とし、電気化学的に再生した。
(標準溶液の分析)
上述の標準溶液を用い、図1および図2に模式的に示される測定系において検出器3の作用電極の印加電圧を1600mVに設定し、その電流変化を検出した。このとき、図1および図2において点線で囲われた領域、すなわち、前処理カラム1と分析カラム2とバルブ6とを含む領域を50℃にて一定に保った。この操作の結果、システイン、シスチン、還元型グルタチオン、ホモシステインの同時分析が可能であることが確認できた。
図10は標準溶液で、システイン6μmol/L、還元型グルタチオン 3μmol/L、ホモシステイン 6μmol/L、シスチン 15μmol/Lを分析したクロマトグラムであり、図13は図10のホモシステイン溶出部分を拡大した図である。
(血漿サンプルの分析)
上述の前処理を施した血漿サンプルを、標準溶液と同様にして分析を試みたところ、血漿中のシステイン、シスチン、還元型グルタチオン、ホモシステインの特異的な分析が可能であることが確認できた。図11はマウス血漿サンプルの分析によって得られたクロマトグラムである。
(血漿添加サンプルの分析)
図12は血漿(図11)に標準溶液6μmol/L、還元型グルタチオン 3μmol/L、ホモシステイン 6μmol/L、シスチン 15μmol/Lを添加し、分析した結果である。図14は図12のホモシステイン溶出部分を拡大した図である。
図10は標準溶液分析より、添加したシステイン、還元型グルタチオン、ホモシステイン、シスチンのみが検出されている。図11では血漿中に含まれている成分として、システイン、還元型グルタチオン、シスチンが検出されている。
血漿中ではホモシステインが検出されていないため、図12において、血漿中に添加したホモシステインの濃度は図10と同濃度の6μmol/Lとなる。図12で得られたホモシステインのピークと図10のホモシステインのピークはほぼ同一であり、かつ、図13と図14から、ピークの高さとノイズが同程度であることが確認された。以上の結果から、マトリクスに夾雑物質を含む血漿中の分析においても、標準溶液分析と同様の感度が得られることがわかった。
実際の血漿等の生体試料においては様々な夾雑物質が含まれており、その中には電気化学的な活性を示すものが存在する。しかし、先行文献においては夾雑物質が含まれていない標準品分析のデータしか提示されていないのが現状である。
電気化学的な選択性とカラムスイッチング等の分離手法を組み合わせた選択性の調整が、本システムを複雑なマトリクスを含む材料に適用する際には不可欠である。事実医薬品や食品分析における検出限界はバックグラウンドの3σと定義づけされており、ダイヤモンド電極電気化学検出器が優れた検出能を有していても、夾雑物質と分離できる選択性の調整が達成できない限り、感度は上がらない。
このように、複雑なマトリクスサンプルであり夾雑物質が含まれている血漿ブランクサンプルにおいても、標準溶液分析と同じ感度が得られたことは、電気化学的選択性とカラムスイッチング手法を組み合わせた本システムによって初めて達成されるものである。
本法について、ラット血漿を用いて、定量性を確認した結果、直線性、同時再現性、日間再現性、安定性(オートサンプラー4℃)、正確度等良好な結果が得られた。定量範囲は、システイン、ホモシステイン:6〜120μM、還元型グルタチオン:3〜60μM、シスチン:15〜300μMであった。
(標準溶液を添加した血漿試料の調製)
ラット血漿100μLに水20μL、10%トリクロロ酢酸80μLを添加して、タンパクを変性させる。遠心分離をした上清100μLに対し、システイン・シスチン混合試料10μL、精製水890μLを加え攪拌したサンプルを血漿試料とした。
この血漿試料を用いて連続分析を行った。
(分析条件)
図1および図2に模式的に示される測定系において検出器3の作用電極の印加電圧を1600mVに設定し、その電流変化を検出した。
詳細な条件は実施例1の場合と同じである。なお、分析サイクルは 1分析あたり20分とした。
(血漿添加サンプルの連続測定)
図15は、1000回の連続分析の中で、初期、500回、1000回目のクロマトグラムである。
初期、500回、1000回のクロマトグラムにおいて、システイン、シスチンのピーク強度は変わらず、ベースラインも安定している。
表8は、1000回の連続分析のうち、21〜29回目、481〜489回目、961〜969回目それぞれ連続する9回分析における保持時間と面積値の変動率(CV%)を示すものである。システイン、シスチンとも保持時間の変動率は1%以下、面積値のCV値は最大でも約3.9%と良好な結果が得られた。
Figure 0005438854
Figure 0005438854
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表9、10に1000回連続分析を行った中の、7時間後(20回め)、160時間後(480回め)、320時間後(960回め)のピーク面積値をピックアップし、その減少率を示した。320時間後でもその減少率は5%以下とわずかであり、システムの安定性が確認された。
以上より、非常に多くの夾雑物質を含む複雑なマトリクスである血漿サンプルを試料として、短時間で、精度の高い定量分析が可能であることが示された。
これには、カラムスイッチング法を用いて夾雑物質を効率よく除去し、分析時間の短縮化と電極の劣化を防いだこと、導電性ダイヤモンド電極を使用したため、カーボンでは電極に負荷のかかるアルキルスルホン酸塩を十分な濃度で使用でき、かつ、高い印加電圧をかけて電極表面を酸化電解研磨する洗浄ができること、さらに注入ごとに洗浄ができることなどが大きく寄与していると考えられ、夾雑物質の影響を受けず、安定した分析を可能とするものである。
一方、データ安定性の比較対照として、グラッシーカーボン電極を使用した標準溶液の分析を行った。グラッシーカーボン電極は、高い印加電圧をかけることができないため、反応電位の高いシスチンは検出することができずにシステインのみ行っている。
(分析条件)
分析カラム:Inertsil ODS−3(ジーエルサイエンス社製)3μm 3.0x150mm
移動相:100mM リン酸緩衝液−5mMオクタンスルホン酸ナトリウム (pH2.2)/メタノール=95/5
流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
検出:電気化学検出器 グラッシーカーボン電極
印加電圧:500mV
(グラッシーカーボン電極を使用する標準溶液の分析)
3種類の濃度に標準溶液を調整し、日が経過した場合の面積値変化を見たものが表11〜13である。
グラッシーカーボン電極を用いたシステイン分析では、時間の経過に伴い面積値が変化し、96時間ですでに20%以上面積値が減少したことから、安定性に欠けることが確認された。
このことから、先の、ダイヤモンド電極で構築した分析システムが、試料に夾雑物質を多く含む過酷な条件にもかかわらず、いかに安定したものであるかが際立つ結果となった。
Figure 0005438854
Figure 0005438854
Figure 0005438854
(発酵液である赤ワイン分析)
発酵液の分析例として、赤ワイン、および、その強制酸化品の分析を本発明のシステムで行った。
図1および図2に模式的に示される測定系において検出器3の作用電極の印加電圧を1600mVに設定し、その電流変化を検出した。詳細な条件は実施例4の場合と同じである。
(酸化条件・サンプル前処理条件)
赤ワインをスクリューバイアルに1/3量程度入れ、フタをした後、超音波を30分間かけた。その後、未処理の赤ワイン、および、酸化処理した赤ワインを10%トリクロロ酢酸で除タンパクし、その遠心上清を希釈して本発明のシステムで測定を行った。
(分析結果)
図17に結果を示す。本発明のシステムを用いることで、多くの成分を含む発酵液を短時間で再現性良く測定することが可能となった。2種のクロマトグラムを比較したところ約10分までのシグナルについては、同等の分離・強度が得られている。一方、10〜11分、および、14〜15分のシグナルについてはピーク強度が大きく変動している。これらの化合物は、サンプルの酸化状態を示すシグナルであり、本発明のシステムを用いることで、精度良く短時間に分析が可能である。
(標準溶液の分析)
チオール基をその構造に持ち、グレープフルーツの香として知られている3−メルカプト−1−ヘキサノールを、強制的に酸化し、本発明のシステムでその酸化体の分析を行った。
分析カラム:Inertsil ODS−3(ジーエルサイエンス社製)3μM 2.1x150mm
移動相:50mMリン酸緩衝液(pH2.8)/アセトニトリル=50/50
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
検出:電気化学検出器 導電性ダイヤモンド電極
印加電圧:1600mV
(3−メルカプト−1−ヘキサノールの酸化条件)
3−メルカプト−1−ヘキサノール10μLに水−ジメチルホルムアミド混合溶液(1:1)を添加し、30分超音波処理後、室温で12時間静置した。これを水で6倍希釈し、3−メルカプト−1−ヘキサノールの酸化試料として分析に用いた。
(分析結果)
図18は、3−メルカプト−1−ヘキサノールの酸化試料の分析によって得られたクロマトグラムである。
3−メルカプト−1−ヘキサノールを酸化させた場合、5分に3−メルカプト−1−ヘキサノール、10.5分に3−メルカプト−1−ヘキサノール二量体と考えられる2本のピークが検出された。
チオール基を持つ化合物の1量体と2量体の同時分析が可能であることが確認された。
(標準溶液の分析)
チオール基をその構造に持ち、珈琲の香として知られているフランチオールを、システインと合わせて強制的に酸化し、本発明のシステムでその酸化体の分析を行った。
(分析条件)
分析カラム:Inertsil ODS−3(ジーエルサイエンス社製)3μM 2.1x150mm
移動相:50mMリン酸緩衝液(pH2.8)/アセトニトリル=50/50
流速:0.2mL/min
カラム温度:40℃
検出:電気化学検出器 導電性ダイヤモンド電極
印加電圧:1600mV
(フランチオールとシステインの酸化条件)
システイン10mg/mL(水:ジメチルホルムアミド=1:1で溶解)とフランチオール10μLを混合し、30分超音波処理後、室温で12時間静置したものを、フランチオール-システイン混合酸化試料として分析に用いた。
システイン10mg/mL(水:ジメチルホルムアミド=1:1で溶解)を上記と同様に酸化させ、ジメチルホルムアミドで10倍希釈後、システインの酸化試料として分析に用いた。
フランチオール10μLは、上記と同様に酸化させて分析に用いた。
(分析結果)
図19は、前記したフランチオール−システイン混合酸化試料、フランチオール、システインの分析によって得られたクロマトグラムである。
フランチオールのみを酸化した場合、7.5分にフランチオール、24.5分にフランチオール二量体のピークが検出され、マススペクトルにより同定することができた。
フランチオールとシステインを混合し酸化した場合、システインピークと、フランチオールのみの酸化では見られなかったピークが数本出現し、システインを混合したことでフランチオールとシステインが反応し、酸化体が生成したと考えられた。ダイヤモンド電極を使用した電気化学検出器により、チオールのホモ2量体だけではなく、異なるチオール間で形成される酸化体の測定が可能であることが確認された。
イオンペアクロマトグラフィー以外の分離モードの事例として、HILICモードでの分析を実施した。システイン、シスチン、還元型グルタチオン、および、酸化型グルタチオンのクロマトグラムを図20に示す。
(分析条件)
分析カラム: ZIC−HILIC 4.6×250mm
移動相: アセトニトリル/50mM 酢酸+5mM 酢酸アンモニウム=70/30
カラムオーブン温度: 40℃設定
流速:1.0 ml/min
注入量:10 μl
検出:ECD 30 min 1600 mV
31 min 4000 mV
31 min 1600 mV
HILICモードの移動相とイオンペアクロマトグラフィーの移動相(実施例1、4)を比較した場合、緩衝液の種類、塩強度、イオンペア試薬の有無、および、有機溶媒濃度などが大きく異なっていることがわかる。このような異なる移動相条件においても、システイン、シスチン、還元型グルタチオン、および、酸化型グルタチオンは、ダイヤモンド電極付電気化学検出器により、全く支障なく検出されている(図20)。以上のことから、本分析システムにおいては、分離モードに依存することなく含硫アミノ酸、含硫化合物を分析することが可能と考えられる。
本出願は、日本で出願された特願2006−166556を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。
本発明がその好ましい態様を参照して提示又は記載される一方、本明細書中において、添付の請求の範囲で包含される発明の範囲を逸脱することなく、形態や詳細の様々な変更をなし得ることは当業者に理解されるであろう。本明細書中に示され又は参照されたすべての特許、特許公報及びその他の刊行物は、参照によりその全体が取り込まれる。
1 前処理カラム
11 入口
12 出口
2 分析カラム
3 検出器
41、42 ポンプ
51、52 移動相の供給源
6 バルブ
7 インジェクタ

Claims (13)

  1. 測定試料に含まれる被検対象物を液体クロマトグラフィーを用いて分析するための分析方法であって、前記測定試料は、シスチン、システインおよびグルタチオンを少なくとも含有するものであり、前記被検対象物は、少なくとも、シスチン、システインおよびグルタチオンであり、
    測定試料を移動相とともに以下の流路P1に流す試料導入工程(1)、
    測定試料を含まない移動相を以下の流路P2および流路P3に流す洗浄工程(2)、ならびに、
    試料導入工程(1)によって分析カラムから出た上記被検対象物のクロマトグラムを、導電性ダイヤモンド電極を作用電極として有する電気化学検出器によって取得する分析工程(3)、
    を有し
    (但し、流路P1は、前処理カラムを順方向に通り、次いで分析カラムを経て検出器へ至る流路であり、
    流路P2は、前処理カラムを通らずに、分析カラムを経て検出器へ至る流路であり、
    流路P3は、前処理カラムを逆方向に通り、分析カラムを経ず、検出器も経ずに排出される流路である。)、
    (i)前記試料導入工程(1)において上記被検対象物が前処理カラムを通過し、前記分析工程(3)におけるクロマトグラムの取得が完了した後に、該試料導入工程(1)および該分析工程(3)を終了して前記洗浄工程(2)を開始し、かつ、
    (ii)分析時に前記導電性ダイヤモンド電極の表面に形成された不活性膜を前記洗浄工程(2)で除去すべく、移動相を検出器に流しながら該導電性ダイヤモンド電極に4000mV以上の電圧を印加することによって、該電極を検出器に取り付けた状態のままで、該不活性膜を分析毎に移動相中で除去し、
    前記(i)、(ii)の操作を繰り返すことによって、分析時に前記導電性ダイヤモンド電極表面に形成された前記不活性膜を分析毎に移動相中で除去しながら、連続繰り返し分析を行うことを特徴とする
    前記分析方法。
  2. 測定試料に含まれる被検対象物より大幅に長い通過時間を要する夾雑物質は分析カラムを経由しない請求項1の分析方法。
  3. 移動相が、水、電解質を含む請求項1または2記載の分析方法。
  4. 移動相が、水、電解質およびイオンペア化合物を含み、pHが1〜3である請求項1〜のいずれか1項記載の分析方法。
  5. イオンペア化合物がアルキルスルホン酸塩およびアルキル硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項記載の分析方法。
  6. 分析カラムが、逆相カラム、順相カラム、またはイオン交換カラムのいずれかである請求項1〜のいずれか1項記載の分析方法。
  7. 分析カラムが、逆相カラムである請求項6記載の分析方法。
  8. 測定試料が輸液製剤、透析剤、醗酵液、生体試料のいずれかである請求項1〜のいずれか1項記載の分析方法。
  9. 請求項1〜のいずれか1項の分析方法を用いることを特徴とする測定試料に含まれるシスチン、システインおよびグルタチオンの同時検出方法。
  10. 測定試料に含まれる被検対象物を液体クロマトグラフィーを用いて分析するための分析装置であって、前記測定試料は、シスチン、システインおよびグルタチオンを少なくとも含有するものであり、前記被検対象物は、少なくとも、シスチン、システインおよびグルタチオンであり、
    流路の方向を可逆的に切り換えることができる流路切換装置と、
    移動相を測定試料とともに流路切換装置へ流す試料導入用流路と、
    移動相を単独で流路切換装置へ流す移動相導入用流路と、
    流路切換装置から出て前処理カラムを経て再び流路切換装置に戻る流路と、
    流路切換装置から出て分析カラムを経て被検対象物のクロマトグラムを取得することができる、導電性ダイヤモンド電極を作用電極として有する電気化学検出器へ至る流路と、
    流路切換装置から出て前処理カラムも分析カラムも経ずに当該装置外へ至る排出路と、を有し、
    流路切換装置は、下記(A)及び(B)の状態に相互に切り換えることができるように構成されており、かつ、下記(A)の状態において分析時に前記導電性ダイヤモンド電極の表面に形成される不活性膜を、下記(B)の状態において移動相中で除去すべく、流路切換装置を下記(B)の状態として移動相を検出器に流しながら、該導電性ダイヤモンド電極に4000mV以上の電圧を印加することによって、該電極を検出器に取り付けた状態のままで、該不活性膜を分析毎に移動相中で除去し得る構成となっており、
    該構成によって、該(A)及び該(B)の状態の切り換えを繰り返し、分析時に前記導電性ダイヤモンド電極表面に形成された前記不活性膜を、分析毎に移動相中で除去しながら、連続繰り返し分析を行うことが可能となっている、
    被検対象物の分析装置。
    (A)試料導入用流路から、前処理カラムを順方向に通り、次いで分析カラムを経て検出器へ至る流路P1を構成する状態、
    (B)試料導入用流路から、前処理カラムを通らずに、分析カラムを経て検出器へ至る流路P2、および、移動相導入用流路から、前処理カラムを逆方向に通り、排出路へ至る流路P3を構成する状態。
  11. 分析カラムが、逆相カラム、順相カラム、またはイオン交換カラムのいずれかである請
    求項10記載分析装置。
  12. 分析カラムが、逆相カラムである請求項11記載分析装置。
  13. 測定試料が輸液製剤、透析剤、醗酵液、生体試料のいずれかである請求項1012のいずれか1項記載分析装置。
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