JP5438615B2 - ポリグリコール酸を含有する油捕集材料 - Google Patents
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Description
(2)さらに吸油性粒子またはワックスを含有する前記の油捕集材料。
(3)PGAを含有する繊維状物集合体を有する前記の油捕集材料。
(4)繊維状物集合体が、不織布である前記の油捕集材料。
(5)繊維状物集合体が、マットまたは繊維成形体である前記の油捕集材料。
(6)繊維状物集合体が、紐またはロープである前記の油捕集材料。
(7)繊維状物集合体が、繊維融着塊状物である前記の油捕集材料。
(8)繊維状物集合体が、棒状繊維成形体である前記の油捕集材料。
(9)繊維状物集合体が、その表面の一部に溶断切断面が形成されてなる前記の油捕集材料。
(10)繊維状物集合体が、繊維束またはリボン状物束である前記の油捕集材料。
(11)PGAを含有する成形物を有する前記の油捕集材料。
(12)PGAを含有する成形物が、発泡体である前記の油捕集材料。
(13)さらに形状保持材を有する前記の油捕集材料。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAは、−(O・CH2・CO)−で表わされるグリコール酸繰り返し単位のみからなるグリコール酸のホモポリマー(グリコール酸の2分子間環状エステルであるグリコリドの開環重合物を含む)に加えて、上記グリコール酸繰り返し単位を70モル%以上含むPGA共重合体を含むものである。
開環重合によってPGAを形成するグリコリドは、ヒドロキシカルボン酸の1種であるグリコール酸の2分子間環状エステルである。グリコリドの製造方法は、特に限定されないが、一般的には、グリコール酸オリゴマーを熱解重合することにより得ることができる。グリコール酸オリゴマーの解重合法として、例えば、溶融解重合法、固相解重合法、溶液解重合法などを採用することができ、また、クロロ酢酸塩の環状縮合物として得られるグリコリドも用いることができる。なお、所望により、グリコリドとしては、グリコリド量の20質量%を限度として、グリコール酸を含有するものを使用することができる。
グリコリドとの共重合成分として使用することができる他の環状モノマーとしては、ラクチドなど他のヒドロキシカルボン酸の2分子間環状エステルの外、ラクトン類(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、ピバロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等)、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサンなどの環状モノマーを使用することができる。好ましい他の環状モノマーは、他のヒドロキシカルボン酸の2分子間環状エステルであり、ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、L−乳酸、D−乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカプロン酸、α−ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、及びこれらのアルキル置換体などを挙げることができる。特に好ましい他の環状モノマーは、乳酸の2分子間環状エステルであるラクチドであり、L体、D体、ラセミ体、これらの混合物のいずれであってもよい。
グリコリドの開環重合または開環共重合(以下、総称して、「開環(共)重合」ということがある。)は、好ましくは、少量の触媒の存在下に行われる。触媒は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化錫(例えば、二塩化錫、四塩化錫など)や有機カルボン酸錫(例えば、2−エチルヘキサン酸錫などのオクタン酸錫)などの錫系化合物;アルコキシチタネートなどのチタン系化合物;アルコキシアルミニウムなどのアルミニウム系化合物;ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウム系化合物;ハロゲン化アンチモン、酸化アンチモンなどのアンチモン系化合物;などがある。触媒の使用量は、環状エステルに対して、質量比で、好ましくは1〜1,000ppm、より好ましくは3〜300ppm程度である。
これらの重合方法によって得られたPGAの重量平均分子量(Mw)は、25,000〜800,000の範囲内であり、好ましくは50,000〜700,000、より好ましくは80,000〜600,000、更に好ましくは120,000〜500,000、特に好ましくは150,000〜400,000の範囲内にあるものを選択する。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAは、PGAの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布(Mw/Mn)を1.5〜4.0の範囲内にすることによって、早期に分解を受けやすい低分子量領域の重合体成分(低分子量物)の量を低減させて、分解速度を制御することができる。分子量分布が大きすぎると、分解速度がPGAの重量平均分子量に依存しなくなりやすい。分子量分布が小さすぎると、結果的に長期間に亘り、油捕集材料としての性能を持続することが困難となる。分子量分布は、好ましくは1.6〜3.7、より好ましくは1.7〜3.5である。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAの融点(Tm)は、197〜245℃であり、共重合成分の種類及び含有割合によって調整することができる。好ましくは200〜243℃、より好ましくは、205〜238℃、特に好ましくは210〜235℃である。PGAの単独重合体の融点は、通常220℃程度である。融点が低すぎると、繊維や成形物として油捕集材料に用いた場合の機械的強度が不十分であったり、成形加工を行う場合の温度管理が難しくなる。融点が高すぎると、加工性が不足したり、繊維や成形物の柔軟性が不足したりすることがある。融点が高すぎると、紡糸温度や成形温度が高くなるので、PGAやその他の添加成分の熱分解や酸化が生じることがある。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAの溶融結晶化温度(TC2)は、130〜195℃である。好ましくは133〜193℃、より好ましくは135〜190℃、特に好ましくは138〜185℃である。PGAの溶融結晶化温度(TC2)は、示差走査熱量測定機(DSC)を使用して、PGAを室温から255℃まで、10℃/分で昇温し、次いで、5℃/分の速度で室温まで降温するときに、降温過程に現れる発熱ピークを意味する。溶融結晶化温度(TC2)が高すぎると、本発明の油捕集材料が有する繊維状物や成形物の製造工程において、結晶化が早く始まってしまい、PGA製品の結晶性や機械的強度の制御が行えなくなる。溶融結晶化温度(TC2)が低すぎると、粗大なPGAの結晶が形成され、機械的強度が低下することがある。溶融結晶化温度(TC2)の調整は、PGAの分子量、重合成分の種類や量を適宜選択することにより、行うことができる。固体状態のPGAを、その融点Tm+38℃以上、好ましくはTm+38℃からTm+100℃までの温度範囲内で溶融混練する工程により熱履歴を与えることによって、溶融結晶化温度(TC2)を制御することもできる。
PGAの末端カルボキシル基濃度を、好ましくは0.1〜300eq/106g、より好ましくは1〜250eq/106g、更に好ましくは6〜200eq/106g、特に好ましくは12〜75eq/106g、とすることによって、得られるPGAの分解性を最適な程度に調整することができる。PGAの分子中には、カルボキシル基及び水酸基が存在している。このうち分子末端にあるカルボキシル基の濃度、すなわち、末端カルボキシル基濃度が小さすぎると加水分解性が低すぎるため、分解速度が低下する。末端カルボキシル基濃度が大きすぎると、加水分解が早く進行するため、長期間に亘って、機械的強度を発揮することができず、また、PGAの初期強度が低いため、機械的強度の低下が速くなる。末端カルボキシル基濃度を調整するには、例えば、PGAを重合するときに、触媒または分子量調節剤の種類や添加量を変更するなどの方法によればよい。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAの残留グリコリド量を、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下、特に好ましくは0.12質量%以下に抑制することによって、得られる油捕集材料を形成するための加工中にPGAの分子量が低下することを抑制し、耐水性を向上させることができる。この目的のためには、例えば、PGAを重合するときに、重合の終期(好ましくはモノマーの反応率として50%以上において)に、重合温度を、系が固相となるように、200℃未満、より好ましくは140〜195℃、更に好ましくは160〜190℃となるように調節することが好ましく、また生成したPGAを残留グリコリドの気相への脱離除去工程に付すことも好ましい。残留グリコリド量が多すぎると、油捕集材料を形成するための加工中にPGAの分子量が低下し、長期間に亘って、性能を発揮することができない。
本発明の油捕集材料に含有されるPGAの1%熱重量減少開始温度を好ましくは210℃以上、より好ましくは213℃以上、特に好ましくは215℃以上とすることによって、PGAから油捕集材を形成するための加工中にPGAの分子量が低下することが抑制される。1%熱重量減少開始温度の上限としては、通常235℃、好ましくは230℃である。1%熱重量減少開始温度は、PGAの耐熱性の指標として使用されるものであり、PGAを流速10ml/分の窒素気流下、50℃から2℃/分の昇温速度で加熱したとき、50℃でのPGAの重量(初期重量)からの重量減少率が1%になる温度である。PGAの1%熱重量減少開始温度が低すぎると、油捕集材料を形成するための加工中にPGAの分子量が低下し、長期間に亘って、性能を発揮することができない。1%熱重量減少開始温度を210℃以上とするためには、PGAを重合するときに、触媒失活剤、核剤、可塑剤、酸化防止剤などの添加剤の添加量をできるだけ少なくするなどの方法によればよい。
本発明のPGAを含有する油捕集材料には、PGAに加えて、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤、水素イオン濃度調節剤、補強繊維などの充填材その他の、通常配合される添加剤を必要に応じて配合することができる。特に、油捕集材料の親油性を高めるために、吸油性粒子やワックスを配合することが好ましく、これらは、PGA100質量部に対して、通常0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜7質量部、特に好ましくは1〜5質量部配合することができる。
本発明において、油捕集材料とは、海洋、河川、湖沼、道路、道路側溝等における流出油、工場内の油や汚水洩れ、または、レストラン等各種の調理施設や下水等での廃油などの油を吸着するなどして捕集する各種部材に利用できる材料を意味する。油捕集材料は、油捕集材、油吸着材、吸油材または油捕集器などといわれることもある。本発明の油捕集材料は、単独で、または他の部材と積層、結合、若しくは、併用して、油を吸着することなどによって捕集するものである。いわゆるオイルフェンスのように、単に、油の流動を規制する部材は、本発明の油捕集材ではない。
本発明の油捕集材料は、PGAを含有する繊維状物集合体を有する油捕集材料として、広く使用される。
本発明の油捕集材料は、PGAを含有する成形物を有する形態の油捕集材料としても使用される。
本発明の油捕集材料が吸着捕集することができる油の量は、原料となるPGAの性質、油捕集材料の形態、吸着捕集する油の種類、及び、吸着捕集する時間などによって異なり、当業者が、所望により広い範囲で調整することができる、例えば、油捕集材料が不織布である場合は、目付量を調整することにより、該PGAの不織布100質量部当たり、50〜2,500質量部の油を吸着捕集することができる。
油を捕集したPGAを含有する油捕集材料は、吸着捕集した油を除去し、または除去しないで、廃棄処理される。
PGAの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析装置を用いて、以下の条件で行った。
PGAの融点(Tm)及び溶融結晶化温度(TC2)の測定は、株式会社島津製作所製示差走査熱量測定機(DSC)を使用し、PGA試料約10mgを正確に秤量し、室温から255℃まで、10℃/分で昇温し、次いで、5℃/分の速度で室温まで降温するときの、昇温過程に現れる吸熱ピーク(融点)と降温過程に現れる発熱ピーク(溶融結晶化温度)を検出することにより行った。
PGAの末端カルボキシル基濃度の測定は、PGA約300mgを、150℃で約3分間加熱してジメチルスルホキシド10mlに完全に溶解させ、室温まで冷却した後、指示薬(0.1質量%のブロモチモールブルー/アルコール溶液)を2滴加えた後、0.02規定の水酸化ナトリウム/ベンジルアルコール溶液を加えていき、目視で溶液の色が黄色から緑色に変わった点を終点とした。その時の滴下量よりPGA1トン(106g)あたりの当量として末端カルボキシル基濃度を算出した。
PGAの残留グリコリド量の測定は、PGA約100mgに、内部標準物質4−クロロベンゾフェノンを0.2g/lの濃度で含むジメチルスルホキシド2gを加え、150℃で約5分間加熱して溶解させ、室温まで冷却した後、ろ過を行う。その溶液を1μl採取し、ガスクロマトグラフィ(GC)装置に注入して測定を行った。この測定により得られた数値より、PGA中に含まれる質量%として、グリコリド量を算出した。GC分析条件は以下のとおりである。
カラム:「TC−17」(0.25mmφ×30m)
カラム温度:150℃で5分保持後、20℃/分で270℃まで昇温して、270℃で3分間保持。
気化室温度:180℃
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)、温度:300℃。
PGAの1%熱重量減少開始温度の測定は、メトラー社製熱重量測定装置TG50を用い、流速10ml/分で窒素を流し、この窒素雰囲気下、PGAを50℃から2℃/分の昇温速度で加熱して、重量減少率を測定した。50℃におけるPGAの重量(W50)に対し、該重量が1%減少したときの温度を正確に読み取り、その温度をPGAの1%熱重量減少開始温度とする。
不織布の目付は、JIS−L−1096に準じて測定した
油捕集材料の土壌中での分解性は、油を吸着捕集させた油捕集材料を、25℃に温度を保った土壌中に埋設し、3か月後に掘り出して、不織布の状態を目視で観察した。
〔グリコリドの合成〕
ジャケット付き撹拌槽に、濃度70質量%のグリコール酸水溶液を仕込み、缶内液を200℃まで加熱昇温し、水を系外に留出させながら縮合反応を行った。次いで、缶内圧を段階的に減圧しながら、生成水、未反応原料などの低沸点物質を留去し、グリコール酸オリゴマーを得た。
ジャケット構造を有し、密閉可能な容積56lの容器内に、上記グリコリド22.5kg、二塩化錫2水和物0.68g(30ppm)、及び水1.49gを加え、全プロトン濃度を0.13モル%に調整した。容器を密閉し、撹拌しながらジャケットにスチームを循環させ、100℃になるまで加熱して、内容物を溶融し、均一な液体とした。内容物の温度を100℃に保持したまま、内径24mmの金属(SUS304)製管からなる装置に移した。170℃熱媒体油を循環させ、7時間保持して重合を行った。ジャケットに循環させている熱媒体油を冷却することにより、重合装置を冷却した後、生成PGAの塊状物を取り出した。収率は、ほぼ100%であった。塊状物を、粉砕機により粉砕した。得られたPGAの重量平均分子量(Mw)は、200,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.9、融点(Tm)が221℃、溶融結晶化温度TC2が185℃、末端カルボキシル基濃度は37eq/106g、残留グリコリド量は0.07質量%、1%熱重量減少開始温度は217℃であった。
上記の方法で製造したPGAを、スクリュー径20mmの汎用小型押出機を用いてメルトブロー不織布を作製した。メルトブローダイの構成は、ノズル数126本(150mm幅)、ノズル径0.3mmである。ホッパー内を窒素ガスパージし、ノズル温度は255℃にて熱風下にて紡糸を行い、ギアポンプにて吐出量とベルトコンベアの速度を調整することにより積層量を制御し、目付132g/m2のPGAの不織布を調製した。
上記により調製したPGAの不織布から、縦10cm×横10cm(厚み約5mm)の試料を切り出し、その質量(w1)(g)を正確に測定した。捕集する油として、幅220mm×奥行275mm×高さ45mmのステンレス製バットに、日清製油株式会社製日清サラダ油とラードを1:1の比率で混ぜたものを2l入れ、25℃に保った(深さ約35mm)。PGAの不織布を、油の上に静かに浮かべ、10分間放置することにより行った。その後、直ちに試料を取り出し、呼び寸法が16mmのステンレス製ふるいの上に5分間放置し、再度質量(w2)(g)を測定した。(w2−w1)/w1×100の計算から油捕集材料の100質量部当たりの油吸着量(質量部)を求めた。PGAの不織布100質量部当たりの油吸着量は、690質量部だった。
PGAの不織布に代えて、重量平均分子量(Mw)180,000、分子量分布(Mw/Mn)2.0であるL−ポリ乳酸(以下、単に「PLA」という。)の不織布(目付141g/m2)を使用したことを除いて、実施例1と同様の試験を行った。
PGAの不織布に代えて、ポリプロピレンの不織布(目付113g/m2)を用いたことを除いて、実施例1と同様の試験を行った。
ポリプロピレンの不織布100質量部当たりの油吸着量は、695質量部だった。
次いで、油を捕集したポリプロピレンの不織布を、25℃に温度を保った土壌中に埋設して、3か月後に掘り出して、不織布の状態を目視で観察したところ、不織布は元の形状が完全に保持されていた。
縦2m及び横2mの正方形に切り出した実施例1で使用したPGAの不織布(目付132g/m2)を、水面に重油を浮かせた縦5m及び横5mの試験水槽に浮かべ、1昼夜放置して油を吸着捕集した。その後、頂点の1箇所を、ピンチで摘んで持ち上げ、呼び寸法が16mmのステンレス製ふるいの上に移動して5分間放置し、総質量を測定し、計算により、PGAの不織布(油捕集材料)の100質量部当たりの油吸着量(質量部)を求めたところ、油吸着量は、870質量部だった。
実施例2で使用したPGAの不織布(目付132g/m2)に代えて、比較例1で使用したPLAの不織布(目付141g/m2)を用いたことを除いて、実施例2と同様の試験を行った。頂点の1箇所を、ピンチで摘んで持ち上げようとしたところ、PLAの不織布(油捕集材料)が破れてしまった。正方形の4頂点及び4辺をピンチで摘んで持ち上げ、呼び寸法が16mmのステンレス製ふるいの上に移動して5分間放置し、総質量を測定し、計算により、PLAの不織布(油捕集材料)の100質量部当たりの油吸着量(質量部)を求めたところ、油吸着量は、910質量部だった。
実施例1において、油を吸着捕集したPGAの不織布を、90℃に加熱した濃度1.2質量%のNaOH水溶液に、20分間浸漬したところ、PGAの不織布に吸着捕集されていた油が、油層として分離してきた。洗浄とろ過を3回ずつ繰り返した後に、油層を分離して質量を測定したところ、吸着捕集されていた油の94%が回収されたことが分かった。
Claims (4)
- (a)−(O・CH2・CO)−で表わされるグリコール酸繰り返し単位を70モル%以上有し、(b)重量平均分子量(Mw)が25,000〜800,000、(c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布が1.5〜4.0、(d)融点(Tm)が197〜245℃、(e)溶融結晶化温度(TC2)が130〜195℃、(f)末端カルボキシル基濃度が、0.1〜300eq/10 6 g、(g)残留グリコリド量が0.2質量%以下、及び(h)1%熱重量減少開始温度が210℃以上であるポリグリコール酸を含有する不織布を有する油捕集材料であって、該不織布の目付が、4〜200g/m 2 である油捕集材料。
- 前記(a)〜(h)を備えるポリグリコール酸が、グリコリド70〜100質量%及び他の環状モノマー30〜0質量%を開環重合して得られるポリグリコール酸である請求項1に記載の油捕集材料。
- さらに吸油性粒子またはワックスを含有する請求項1または2に記載の油捕集材料。
- さらに形状保持材を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の油捕集材料。
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