JP5438399B2 - 空間利用情報生成装置および方法 - Google Patents

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この発明は、所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリアを分割して定められるメッシュにその利用実態に基づいた特徴を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する空間利用情報生成装置および方法に関するものである。
従来より、建物内のレイアウト情報を利用するアプリケーション(以下、レイアウト利用アプリケーションと記述)として、特許文献1や特許文献2に示されているような技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、スーパマーケットやデパートなどの大型小売店舗での買い物に使用するショッピングカートが示されており、このショッピングカートには購入したい商品が売られている場所までの経路を案内するナビゲータが設けられている。このナビゲータには、そのメモリに店舗における各売場コーナの配置や通路を示すレイアウト情報が格納されており、顧客が購入したい商品の情報を入力すると、ディスプレイ上に店舗のレイアウト情報と合わせて、その商品が売られている場所までの経路が矢印で表示される。この場合、ショッピングカートの位置は、GPSや店内に設けられたセンサによって検出される。
また、特許文献2には、病院内での患者や看護婦などの人物の位置を検出する病院内人物位置検出システムが示されている。このシステムでは、ナースセンタ等に設置されたパーソナルコンピュータ(パソコン)の画面上に、病院内の地図がレイアウト情報として表示され、このレイアウト情報と合わせて、患者や看護婦などの病院内にいる人の位置が表示される。これにより、パソコンの画面を見ながら、人の誘導を行ったり、立ち入りが禁止されている領域への人の侵入を監視することが可能となる。この場合、患者や看護婦などの病院内にいる人の位置は、その人が所持しているICタグから送られてくる電波に基づいて検出される。また、ICタグから送信されるID番号からICタグを所持している人を特定することができる。
建物内のレイアウト情報は、オフィス内の人の在室場所や利用頻度の高い領域の把握など、様々な利用方法が考えられる。
特開2006−264461号公報 特開2005−278791号公報 特開平11−304221号公報 特開2007−107871号公報
しかしながら、上述したレイアウト利用アプリケーションで利用されている従来のレイアウト情報は、実際の建物の設計図や建物内の什器等の配置を示す比較的厳密な情報とされ、その作成に手間と時間がかかっていた。また、建物内のレイアウトは建物の運用開始後に不定期に変更されることがあるため、変更時には更新が必要となる。この場合、例えば、什器のサイズや位置を計測するなどして、変更に応じてそのレイアウト情報を作成しなおさなければならず、労力と時間を必要とする。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、レイアウト情報の作成に費やすユーザの労力と時間を低減することができる空間利用情報生成装置および方法を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリアに存在している移動体の位置情報をその移動体を特定する識別情報とその移動体の滞在時間を求めるための情報とを合わせて検出する位置情報検出手段と、位置情報検出手段によって検出された移動体の情報を蓄積する情報蓄積手段と、情報蓄積手段によって蓄積された移動体の情報を統計的な手法によって処理することにより、対象エリアを分割して定められるメッシュの利用実態に基づいた特徴を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する空間利用情報生成手段とを備え、空間利用情報生成手段は、メッシュ内での移動体の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として通行領域とそれ以外の領域を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成することを特徴とする。
この発明によれば、対象エリアに存在している移動体の位置情報がその移動体を特定する識別情報とその移動体の滞在時間を求めるための情報と合わせて検出され、この検出された移動体の情報が蓄積される。そして、この蓄積された移動体の情報が統計的な手法によって処理されることにより、対象エリアを分割して定められるメッシュの利用実態に基づいた特徴が決定される。この場合、メッシュ内での移動体の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として、通行領域とそれ以外の領域が決定される。そして、その決定された特徴とメッシュとを関連付けた情報が空間利用情報として生成される。
本発明では、例えば、対象エリアをオフィスとし、移動体を人とした場合、オフィス内の人の位置情報がその人を特定する識別情報とその人の滞在時間を求めるための情報と合わせて検出され、この検出された情報が蓄積される。そして、メッシュ内での人の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として通行領域とそれ以外の領域が決定され、その決定された特徴とメッシュとを関連付けた情報が空間利用情報として生成される。
本発明によって生成される空間利用情報は、レイアウト利用アプリケーションで利用するレイアウト情報の代替えとして使用することができる。例えば、店舗内において、その利用実態から生成した空間利用情報により、人が主に通行する領域が分かれば、比較的厳密な通路の境界を示すレイアウト情報がなくても、その大雑把な通行領域を通路とみなして買い物客の誘導に利用することができる。このように、什器や通路などの厳密な境界線や位置情報を必要としないレイアウト利用アプリケーションでは、空間利用情報をレイアウト情報の代替えとして使用できるケースが多い。
また、レイアウト設計時に意図した利用用途に基づいて滞在時間を推定し、これに応じて照明点灯時間を決定するという照明制御のレイアウト利用アプリケーションが知られている。この制御では、「雑誌閲覧領域」と「ロッカー領域」のように設計時に意図した利用用途が異なっていても、それらの用途から推定される各領域の滞在時間が近ければ、同様の照明点灯時間が設定される。このように、空調や照明などの設備制御におけるレイアウト利用アプリケーションでは、対象エリア内の移動体の動きに応じて特徴づけられる要素(立ち入りの有無や滞在時間など)によって制御動作を決定する場合が多い。これらは、移動体の位置情報に基づき、その利用実態に応じて特徴づけられる領域を決定する空間利用情報が使用できるケースが多く、また、レイアウト設計時点での推定ではなく利用実態を反映するという点において、空間利用情報の利用が実用的なケースである。そして、空間利用情報は、移動体の位置情報等に基づいてパソコン等を用いて自動生成できるので、計測や図面作成など、従来、レイアウト情報生成に費やしていたユーザの時間や労力を低減できる。
以上のように、移動体の位置情報から空間利用情報を生成してレイアウト情報の代替えとすることで、従来、レイアウト情報の生成にユーザが費やしている時間及び労力を低減しながら、多くのレイアウト利用アプリケーションを実用レベルで運用できる。
また、本発明によって生成される空間利用情報は、対象エリアをオフィスとすることが特に有効であると考えられる。大空間化が進んでいるオフィスでは、什器や簡易的な間仕切りなどによって執務、会議、通路などのように用途に応じた領域の分割が行われている。オフィス内空間はホテルや住宅などと比較すると利用される用途の種類が限定的であるとともに、これに対応して実際の利用用途が制限されている。例えば、執務エリアは主に執務滞在に利用され、飲食や睡眠など他の目的で利用しないとみなしても構わない。同時に、オフィス内空間は什器の配置などによる緩い領域分割が存在する。例えば、執務机周辺を仕切りなしに通路とするレイアウトも多く、通路と執務領域との境界はあいまいである。このような場合は特に、レイアウト情報そのものよりも、人の位置情報や滞在時間などから推定する空間利用情報が有効である。
なお、本発明は以下のようなものにも適用可能である。空間を複数の制御単位空間に分割して制御単位空間毎に空気調和装置や照明装置などの設備制御を行なう技術があり、人が不在の制御単位空間に対して省エネルギー制御を行なったり(特許文献3)、個人の嗜好にあった快適制御を実現する(特許文献4)方法が提案されている。このような設備制御に空間利用情報を用いると、その領域にいる人の利用実態に応じた設備制御が可能となる。例えば、空間利用情報において通行領域にいる人を通行者、執務領域にいる人を滞在者と推定し、制御単位空間内に人がいても、通行者に対しては不要な設備制御を抑制することでエネルギー消費を低減することが可能となる。この場合、空間利用情報生成に用いる位置検出手段を利用して、人が通行領域にいるのか、執務領域にいるのかを知ることが可能であり、滞在者や通行者を推定しての設備制御のために新たに位置検出手段を追加する必要がない。換言すれば、滞在者や通行者を推定しての設備制御で使用する位置検出手段を用いて空間利用情報を生成することができるので、空間利用情報を生成するための位置検出手段を追加する必要がなく、簡単にレイアウト情報を空間利用情報に置き換えることができる。
本発明によれば、所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリアに存在している移動体の位置情報をその移動体を特定する識別情報とその移動体の滞在時間を求めるための情報とを合わせて検出するようにし、対象エリアを分割して定められるメッシュ内での移動体の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として通行領域とそれ以外の領域を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成するようにしたので、この空間利用情報をレイアウト情報の代替えとして利用することにより、レイアウト情報の作成に費やすユーザの労力と時間を低減することができるようになる。
本発明に係る空間利用情報生成装置の実施の形態を説明する前の参考例1の構成を示すブロック図である。 参考例1の空間利用情報生成装置の対象エリアイメージ図と位置情報検出手段を示す図である。 参考例1の空間利用情報生成装置で用いるメッシュ情報を示す図である。 参考例1の空間利用情報生成装置における空間利用情報の生成処理動作を示すフローチャートである。 参考例1の空間利用情報生成装置に蓄積される空間利用データを例示する図である。 図4に示したフローチャートにおけるステップS706での処理を示すフローチャートである。 図6に示したフローチャートにおけるステップS301での判定結果を例示する図である。 図6に示したフローチャートにおけるステップS302での判定結果(空間利用情報)を例示する図である。 参考例1の空間利用情報生成装置によって生成された空間利用情報のイメージ図である。 参考例2の空間利用情報の領域決定の処理動作を示すフローチャートである。 参考例2の空間利用情報生成装置によって生成された空間利用情報の一部分を抜粋して示すイメージ図である。 図11に示した空間利用情報のイメージ図の抜粋元を点線で囲んで示すオフィスのレイアウト図である。 データ蓄積動作の開始および終了を人がマニュアルで指示する場合(参考 例3)のフローチャートである。 実施の形態1の空間利用情報生成装置における空間利用情報の生成処理動作を示すフローチャートである。 実施の形態1の空間利用情報生成装置に蓄積される空間利用データを例示する図である。 図14に示したフローチャートにおけるステップS404での処理を示すフローチャートである。 実施の形態1の対象エリアイメージ図とメッシュ情報を示す図である。 図16に示したフローチャートにおけるステップS501での判定結果を例示する図である。 図16に示したフローチャートにおけるステップS502での計算結果を例示する図である。 図16に示したフローチャートにおけるステップS503〜S506の処理によって得られる判定結果(空間利用情報)を例示する図である。 実施の形態1の空間利用情報生成装置によって生成された空間利用情報のイメージ図である。 実施の形態2の空間利用情報生成装置における領域決定の処理動作を示すフローチャートである。 図22に示したフローチャートにおけるステップS602での計算結果を例示する図である。 ID番号毎の利用メッシュ番号の時系列情報の一例を示す図である。 メッシュ番号毎に立ち入ったID総数を時系列で示した情報の一例を示す図である。 参考例6の空間利用情報生成装置における空間利用情報の生成処理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、本発明に係る空間利用情報生成装置の実施の形態を説明する前に、参考例から説明する。
参考例1:領域決定指針:メッシュ利用による立ち入り領域/非立ち入り領域の決定、空間利用データ:位置情報、空間利用データ蓄積条件:蓄積期間指定〕
図1は参考例1の空間利用情報生成装置1の構成を示すブロック図である。位置情報検出部2、データ蓄積処理部3、領域決定部4、情報記憶部5とからなる。
位置情報検出部2はICタグとICタグリーダの組合せによって構成され、対象エリア内の移動体の位置情報を検出する。位置情報の検出はユーザが定めた位置情報検出条件によって、移動体の位置情報の検出を繰り返し実行する。位置情報検出条件は、一定のサンプリング周期で同時に検出するものとする。ただし、位置情報検出条件はこれに限らず、例えば、移動体のID順に連続的に検出するものでも良い。
データ蓄積処理部3は、位置情報検出部2で検出された移動体の位置情報等を取得して空間利用データを生成し、蓄積する。ここで、空間利用データとは、空間利用情報における領域の決定に必要となる位置情報を含むデータセットであり、そのデータセットを構成するデータ種類は後述する領域決定指針と合わせて予めユーザによって定められる。そして、空間利用データはユーザが予め定めた空間利用データ蓄積条件に基づいて蓄積される。空間利用データ蓄積条件には、蓄積期間を限定したり、蓄積するデータの数を限定するといったものがある。
領域決定部4は、データ蓄積処理部2によって蓄積された空間利用データを利用して、対象エリア内に複数の領域とその領域の特徴とを決定し、その領域と特徴とを関連付けた情報を空間利用情報として生成する。そして、情報記憶部5は領域決定部4が生成した空間利用情報を記憶する。ここで、位置情報検出部2が位置情報検出手段を構成し、データ蓄積処理部3と領域決定部4が空間利用情報生成手段を構成している。
図2はこの参考例1の空間利用情報生成装置1において、空間利用情報が生成される対象エリア6と位置情報検出手段を図示している。ここで、対象エリア6はオフィスとし、移動体はオフィスにいる人であるとする。この例において、オフィスに入室する人はICタグTGを携帯する。ICタグリーダ7は、ICタグTGから送られてくる電波を受信し、そのICタグTGが位置しているオフィスにおける位置情報(x,y)を求め、その位置情報(x,y)をデータ蓄積処理部3へ送る。この例において、オフィスにおける位置情報(x,y)は、このオフィスの角部Oを原点(0,0)とし、横方向をx軸、縦方向をy軸として表している。
図2には、一例として、ICタグTGを携帯している人として、H1とH2の2人を示している。この場合、H1が携帯しているタグTGをTG1、タグTG1に書き込まれているID番号をID1とする。また、H2が携帯しているタグTGをTG2、タグTG2に書き込まれているID番号をID2とする。
なお、図2では、説明を簡単とするために、ICタグリーダ7を1台とし、オフィスの全領域をICタグリーダ7の検出範囲としているが、オフィスにいる人の任意の位置が検出できればよいのであって、例えば、検出範囲や検出精度等を考慮して、複数のICタグリーダ7をオフィス内に配置しても構わない。
図4は参考例1の空間利用情報生成装置1の動作を示すフローチャートである。ここでは、位置情報検出条件はサンプリング周期2分、空間利用データ蓄積条件には空間利用データの蓄積期間が指定され、データ蓄積動作開始時刻ts、データ蓄積動作終了時刻teが設定されている。また、空間利用データを構成するデータとして位置情報が指定されている。
参考例1において、位置情報検出部2は、検出した位置情報に加え、空間利用データ蓄積条件の判定に用いる位置情報の検出時刻も合わせてデータ蓄積処理部3に送信する。さらに、この例では、空間利用情報の生成処理フラグFaを設けている。Fa=0は空間利用情報未生成、Fa=1は空間利用情報生成完了を示し、動作開始時には初期化処理としてFa=0が設定される。
位置情報検出部2によって人の位置情報が検出されると(ステップS701)、位置情報に対応する位置情報検出時刻がデータ蓄積動作開始時刻ts(この例では 2009年4月1日/12:00)に到達しているかどうかをチェックする空間利用データ蓄積状態判定Aが実行される(ステップS702)。位置情報検出時刻がデータ蓄積動作開始時刻tsに到達していなければ(ステップS702のNO)、次の位置情報検出が実行され(ステップS701)、ステップS702がNOの間は位置情報検出が繰り返し実行されることとなる。
位置情報検出時刻がデータ蓄積動作開始時刻tsに到達していれば(ステップS702のYES)、位置情報検出時刻がデータ蓄積動作終了時刻te(この例では2009年4月8日/12:00)を超えていないかどうかをチェックする空間利用データ蓄積状態判定Bが実行される(ステップS703)。データ蓄積動作終了時刻teを越えていなければ(ステップS703のYES)、データ蓄積処理部3によって位置情報が空間利用データとして蓄積され(ステップS704)、その後、ステップS701に戻って位置情報検出が繰り返される。つまり、位置情報検出時刻が空間利用データの蓄積期間内であれば、位置情報を検出され、空間利用データとして蓄積されるという動作が繰り返される。
例えば、オフィスにH1とH2の2人が存在し、H1の位置情報(x1,y1)とH2の位置情報(x2,y2)が検出され、位置情報検出時刻が空間利用データの蓄積期間内であれば、これらの位置情報がデータ蓄積処理部3によって空間利用データとして蓄積される。
空間利用データ蓄積状態判定Bにおいて、位置情報検出時刻がデータ蓄積動作終了時刻teを越えると(ステップS703のNO)、生成処理フラグFaがチェックされる(ステップS705)。Fa=0、つまり、空間利用情報が未生成であれば(ステップS705のYES)、蓄積された空間利用データを用いて領域とその特徴が決定されて空間利用情報が生成され、Fa=1が設定される(ステップS706)。生成された空間利用情報は情報記憶部5に記憶され(ステップS707)、空間利用情報生成装置1の動作が完了する。
図4のステップS706における領域を決定する動作について説明する。図6はこの動作を説明するフローチャートである。蓄積された空間利用データを利用して空間利用情報の領域を決定する動作であり、領域決定部4において実行される。領域決定部4には、領域を決定するために領域決定指針が予め設定されている。この領域決定指針は、主に、領域の最小単位を決める単位区分決定ルールと、領域の特徴を空間利用データからどのように決定するかという特徴決定ルールを含んでいる。
この例では、単位区分決定ルールとして「対象エリアの全領域をメッシュ状に分割し、各メッシュを領域の単位区分とする」というルールを用いる。図3に、参考例1で用いるメッシュ情報を示す。ここでは、オフィスを平面視した全領域を7×8=56個のメッシュM1〜M56に分割し、このメッシュM1〜M56にメッシュ番号として#1〜#56を付している。また、特徴決定ルールとして、「立ち入りのあったメッシュを立ち入り領域とし、それ以外を非立ち入り領域とする」というルールを用いる。
図5には、領域の決定動作開始時にデータ蓄積処理部3によって蓄積されている空間利用データの例を示す。この参考例1では空間利用データは位置情報のみである(データ番号は説明を簡単にするために図示している)。
領域の決定が指示されると(ステップS706)、領域決定部4は、空間利用データとして蓄積されている位置情報(x,y)(図5)のそれぞれについて、メッシュ情報(図3)を参照し、その位置情報(x,y)に対応するメッシュ番号を判定する(ステップS301)。図7にこの場合の判定結果を例示する。
そして、この判定結果と領域決定指針に基づき、立ち入りのあった(位置情報が検出された)メッシュを立ち入り領域、それ以外を非立ち入り領域と決定する(ステップS302)。図8にこの結果を例示する。このように、領域決定部4はメッシュとその利用実態に基づいた特徴を関連付けた空間利用情報を生成し、生成処理フラグFa=1を設定する(ステップS706の完了処理)。この後、生成された空間利用情報は情報記憶部5に記憶される(ステップS707)。
図9に参考例1の空間利用情報生成装置1によって生成された空間利用情報のイメージ図を示す。同図において、斜線で示したメッシュは非立ち入り領域を示し、その他のメッシュは立ち入り領域を示す。そして、例えば、立ち入り領域に人が入った場合のみ、その領域に対応する照明設備を点灯し、非立ち入り領域は照明設備を常時消灯して必要な場合には人が手元のスイッチでオンとするような省エネをねらいとしたレイアウト利用の照明制御アプリケーションが実現できる。
参考例2:領域決定指針:幾何学形状を利用した立ち入り領域/非立ち入り領域の決定〕
上述した参考例1では、立ち入り領域/非立ち入り領域の単位区分決定ルールとしてメッシュを用いる形態について説明したが、参考例2では位置情報(x,y)に基づいた幾何学的な形状を単位区分とする。その他の空間利用情報生成装置の動作は参考例1と同様とし、参考例2との差異部分である図4のステップS706における領域を決定する動作について説明する。
図10は蓄積された空間利用データを利用して空間利用情報の領域を決定する動作のフローチャートである。領域決定部4において実行される動作であり、参考例1における図6のフローチャートに代わるものである。
この例では、領域決定指針の単位区分決定ルールとして、「位置情報(x,y)に対し、xが(x−30)cm以上(x+30)cm以下、かつ、yが(y−30)cm以上(y+30)cm以下、を領域の単位区分とする」というルールを用いる。また、特徴決定ルールとしては、「立ち入りのあった領域を立ち入り領域とし、それ以外を非立ち入り領域とする 」というルールを用いる。
領域決定部4は、この領域決定指針に従い、空間利用データとして蓄積されている全ての位置情報(x,y)に対して、xが(x−30cm)以上(x+30)cm以下、yが(y−30cm)以上(y+30)cm以下を立ち入り領域とし、それ以外を非立ち入り領域と決定する。
この領域決定指針によって生成される空間利用情報のイメージ図を図11に示す。なお、このイメージ図は、オフィスのレイアウトの一部分(図12で点線で囲んだ部分)を抜粋して示したものである。このイメージ図で示されるように、空間利用データとして蓄積されている位置情報(x,y)のそれぞれについて、その位置情報(x,y)を中心とする60cm角の領域が立ち入り領域とされ、これによってオフィス内に立ち入り領域/非立ち入り領域が決定される。
この参考例2によって生成された空間利用情報についても、参考例1と同様に、照明制御などのレイアウト利用アプリケーションに応用することができる。なお、メモリ節約やレイアウト利用アプリケーションでの領域判定効率向上のために、単位区分の重なり部分を合成するなどの方法もある。
参考例3:空間利用データ蓄積条件:データ蓄積開始終了のマニュアル指示〕
上述した参考例1,2では、領域決定のための空間利用データ蓄積条件として、データ蓄積動作開始時刻tsとデータ蓄積動作終了時刻teを設定することによってデータ蓄積期間を定めるようにしたが、データ蓄積動作の開始および終了をユーザがマニュアルで指示するようにしてもよい。
図13にデータ蓄積動作の開始および終了をユーザがマニュアルで指示する場合のフローチャートを示す。このフローチャートは参考例1における図4に変わるものであり、空間利用データ蓄積条件に関わる動作以外は参考例1と同様とする。
この参考例3においては、空間利用データ蓄積動作の開始、および、終了はユーザによって任意のタイミングで指示される。このユーザの指示は、空間利用データ蓄積指示フラグFmの値に反映されることとする。Fm=1は蓄積動作ON、Fm=0は蓄積動作OFFを示し、ユーザが空間利用データ蓄積開始を指示するとFm=1が設定され、ユーザが空間利用データ蓄積終了を指示するとFm=0が設定される。
なお、Fmの値変更の動作は任意のタイミングで発生するユーザの指示によるため、図13のフローチャートには記述していない。さらに、この例では、空間利用データ蓄積指示フラグFmの値が変更された場合、変更前のFmの値が変更前空間利用データ蓄積指示フラグFm’として保持される。空間利用データ蓄積指示フラグFm、および、変更前空間利用データ蓄積指示フラグFm’はともに空間利用情報生成装置の動作開始時に0に初期化される。
位置情報検出部2によって位置情報が検出されると(ステップS701’)、空間利用データ蓄積指示フラグFmの値をチェックする空間利用データ蓄積状態判定A’が実行される(ステップS702’)。Fmが1であれば、つまり、ユーザにより空間利用データの蓄積開始が指示されていれば(ステップS702’のYES)、データ蓄積処理部3によって位置情報が空間利用データとして蓄積され(ステップS704’)、その後、ステップS701’に戻って位置情報検出が繰り返される。
ステップS702’において、Fmが0であれば、つまり、ユーザにより空間利用データの蓄積開始が指示されていない場合か、もしくは、空間利用データの蓄積終了が指示されている場合は(ステップS702’のNO)、変更前空間利用データ蓄積指示フラグFm’の値をチェックする空間利用データ蓄積状態判定B’が実行される(ステップS703’)。ここで、Fm’が0ならば(ステップS703’のNO)、空間利用データ蓄積指示フラグも変更前空間利用データ蓄積指示フラグもともに0であるので、ユーザによる空間利用データ蓄積開始指示が一度も行われていないこととなる。この場合は、ステップS701’に戻って位置情報検出が繰り返される。
ステップS703’において、Fm’が1ならば(ステップS703’のYES)、つまり、ユーザが空間利用データ蓄積の開始を指示した後に終了を指示して、空間利用データの蓄積が完了しているならば、空間利用情報の生成処理フラグFaのチェック(ステップS705’)が実行される。ここでFa=0、つまり、空間利用情報が未生成であれば(ステップS705’のYES)、蓄積された空間利用データを利用して領域とその特徴が決定されて空間利用情報が生成され、Fa=1が設定される(ステップS706’)。そして、生成された空間利用情報が情報記憶部5に記憶されて(ステップS707’)、空間利用情報生成装置1の動作が完了する。
マニュアルでデータ蓄積の開始終了指示を行うようにすると、ユーザ自身がデータ蓄積量などから蓄積動作を完了して良いかどうかの判断を行ったり、蓄積動作を行いたくない状況が発生した場合に蓄積動作を強制的に終了できるほか、ユーザが任意のタイミングで、能動的に領域を教示するといったことが可能となる。例えば、通行領域を教示する通行領域教示者を決定し、通行領域教示者のID番号を登録し、この登録されたID番号の位置情報(x,y)だけを空間利用データとして蓄積させるようにする。そして、マニュアルでデータ蓄積動作を開始した後、通行領域教示者はオフィス内で通行領域としたい領域を通行する。そして、オフィス内で通行領域としたい領域を通行した後にマニュアルでデータ蓄積動作の終了を指示する。このようにすることで、通行領域を示す位置情報のみを効率的に蓄積することができ、これに基づいて通行領域が定められた空間利用情報を生成できる。
実施の形態1:領域決定指針:平均滞在時間を用いたメッシュ利用による滞在領域/通行領域/非立ち入り領域の決定、空間利用データ:位置情報,位置情報検出時刻,位置情報検出対象のID、空間利用データ蓄積条件:データ蓄積数指定〕
参考例1では、空間利用データを位置情報(x,y)のみとしたが、実施の形態1では、空間利用データの構成データを位置情報(x,y)と、これに対応する検出時刻(滞在時間を求めるための情報)、および、検出対象のIDとする。この形態では決定する領域を細分化することができる。
この実施の形態1では、空間利用データ蓄積条件としてデータ蓄積数Nmaxを定め、Nmax=1000とする。また、対象エリアをオフィス、移動体を人とし、位置情報検出条件をサンプリング周期Ts=5分とする。図14に実施の形態1の空間利用情報生成装置1の動作のフローチャートを示す。
位置情報検出部2が位置情報検出条件に従い、オフィスに存在している人の位置情報(x,y)を検出すると(ステップS401)、データ蓄積処理部3は、検出された位置情報と、これに対応する検出時刻及びID番号を対とした空間利用データを蓄積する(ステップS402)。
例えば、対象エリア内に移動体H1とH2が存在し、H1の位置情報(x1,y1)とH2の位置情報(x2,y2)が時刻t1において検出された場合、位置情報(x1,y1)とその検出時刻であるt1とその検出対象であるH1のID番号ID1が、また、位置情報(x2,y2)とその検出時刻であるt1とその検出対象であるH2のID番号ID2が、それぞれ空間利用データとしてデータ蓄積処理部3によって蓄積される。
データ蓄積処理部3は、空間利用データの蓄積数がNmaxとなるまで、位置情報検出と空間利用データの蓄積を繰り返す(ステップS401、ステップS402、ステップS403のNOの繰り返し)。これにより、図15に示すように、位置情報(x,y)とこれに対応する検出時刻とID番号との対が空間利用データとして蓄積される。
データ蓄積処理部3によって蓄積される空間利用データの蓄積数がNmax(Nmax=1000)となると(ステップS403のYES)、領域決定部4によって、蓄積されているNmax個の空間利用データから領域とその特徴とを関連付けた空間利用情報が生成される(ステップS404)。そして、その空間利用情報が情報記憶部5に記憶され(ステップS405)、空間利用情報生成装置1の動作が完了する。
ステップS404での領域の決定動作のフローチャートを図16に示す。領域決定指針における単位区分決定ルールは参考例1と同様にメッシュを利用するものとする。図17に実施の形態1で利用する対象エリアとメッシュ情報を示す。
領域決定部4は、データ蓄積処理部3によって蓄積された空間利用データから、ID番号毎に位置情報(x,y)を時系列で取り出し、メッシュ情報(図17)を参照しながら、各位置情報(x,y)に対応するメッシュ番号を判定する(ステップS501)。図18にこの判定結果を例示する。なお、ここで判定されたメッシュ番号は、人の立ち入りのあったメッシュに対応している。
そして、この判定結果を利用して、立ち入りがあったメッシュを対象に、各メッシュに人が滞在した滞在時間を求める。ここでは、対象となるメッシュへの立ち入りが発生するごとに滞在時間を求める。例えば、図18において、メッシュ番号#35の立ち入りはID1が2回(9:35〜9:55、10:50〜11:10)、ID2が1回(10:45〜11:00)の計3回である。ここで、時刻T1から時刻T2まで任意のメッシュに人が立ち入った場合の滞在時間を(T2−T1)とすれば、立ち入り回数3回に対応する滞在時間は、それぞれ、(9:55−9:35)=20分、(11:10−10:50)=20分、(11:00−10:45)=15分である。
そして、このように求められたメッシュ毎の立ち入り回数分の滞在時間を用いて、各メッシュの平均滞在時間を計算する(ステップS502)。例えば、メッシュ番号#35に対して、上述した3回分の立ち入りに対応する滞在時間から平均滞在時間を計算すると、(20分+20分+15分)/3 ≒ 18分となる。図19に図18の判定結果を利用した計算結果を例示する。
そして、この計算結果から、立ち入りのあったメッシュ毎にその平均滞在時間をチェックし(ステップS503)、平均滞在時間が5分以上のメッシュを滞在領域とし(ステップS504)、平均滞在時間が5分未満のメッシュを通行領域とする(ステップS505)。また、平均滞在時間が計算されなかったメッシュ、すなわち立ち入りのなかったメッシュを全て非立ち入り領域とする(ステップS506)。図20にこの結果を例示する。領域決定部4は、このようにして、メッシュ番号とその利用実態の特徴(非立ち入り領域/滞在領域/通行領域)とを関連付けて決定する。
図21に実施の形態1によって生成された空間利用情報のイメージ図を示す。同図において、斜線で示したメッシュは非立ち入り領域を示し、網線で示したメッシュは滞在領域を示し、その他のメッシュは通行領域を示す。
実施の形態2:領域決定指針:平均滞在時間と立ち入ったID総数を用いたメッシュ利用による非立ち入り領域/通行領域/座席領域/本棚・ロッカー領域/会議卓領域の決定、空間利用データ:位置情報,検出時刻,ID〕
実施の形態1では、立ち入りのあったメッシュのうち平均滞在時間が5分以上のメッシュを滞在領域とし、それ以外のメッシュを通行領域としたが、この平均滞在時間の評価に加え、メッシュに立ち入ったIDの総数を評価することで、空間利用情報で決定する領域の特徴を細分化することも可能である。
図22のフローチャートは実施の形態2における領域決定部4の領域の決定動作を示す。このフローチャートは実施の形態1においては図16のフローチャートに代わるものであり、これ以外の動作については実施の形態1と同様であるとする。この実施の形態2の空間利用情報生成の動作では、蓄積された空間利用データからID番号毎に時系列で位置情報(x,y)を取り出し、メッシュ情報(図17)を参照して、各位置情報(x,y)に対応するメッシュ番号を判定する(ステップS601)。
そして、この判定結果により、立ち入りのあったメッシュに対し、実施の形態1と同様に平均滞在時間を求め、さらに、各メッシュに立ち入ったIDの総数を計算する(ステップS602)。図23にこの場合の計算結果を例示する。
そして、この計算結果から、ステップS603〜S609の処理に従い、平均滞在時間が10分以上でかつ利用ID総数が10以上のメッシュを会議卓領域とし(ステップS604)、平均滞在時間が5分以上であるメッシュを滞在領域とし(ステップS607)、平均滞在時間が1分以上であるメッシュを本棚・ロッカー領域とし(ステップS608)、平均滞在時間が1分未満であるメッシュを通行領域とする(ステップS609)。また、平均滞在時間が計算されなかったメッシュ、すなわち立ち入りのなかったメッシュを全て非立ち入り領域とする(ステップS610)。
参考例4:領域決定指針:滞在時間を用いたメッシュ利用による座席領域の決定、空間利用データ:位置情報,検出時刻,ID〕
実施の形態1では、平均滞在時間によって滞在領域と通行領域を定めるようにしたが、ID番号毎に位置したメッシュ番号の時系列情報から、ID番号毎に一番長く滞在していたメッシュを求め、各ID番号が割り当てられた人の座席のあるメッシュを決定することも可能である。
図24はID番号毎に位置したメッシュ番号を時系列で示した例である。この場合、ID1については滞在時間が最も長いメッシュ番号が#42であるので、#42のメッシュの位置をID1が割り当てられた人の座席のある位置であるとする。また、ID2については滞在時間が最も長いメッシュ番号が#33であるので、#33のメッシュの位置をID2が割り当てられた人の座席のある位置であるとする。
このようにして、ID番号毎にそのID番号が割り当てられた人の座席のあるメッシュを決定することにより、その人が自分の座席のあるメッシュに立ち入ったタイミングで、通常利用しているプリンタ電源をONにするなどのレイアウト利用アプリケーションが、空間利用情報を利用することによって実現できる。
参考例5:領域決定指針:立ち入ったID総数とその時系列変化のパターンを用いたメッシュ利用による通行領域/会議卓領域の決定、空間利用データ:位置情報,検出時刻,ID〕
実施の形態1では、ID番号毎に位置したメッシュ番号の時系列情報を利用して滞在領域/通行領域/非立ち入り領域を決定するようにしたが、メッシュ番号毎に立ち入ったID総数の時系列情報を利用することにより、通行領域/会議卓領域を決定することも可能である。なお、以下の説明では、実施の形態1と同様に対象エリアをオフィス、移動体を人とするが、対象エリアのレイアウト、及び、メッシュ情報は異なるものとしている。
図25にメッシュ番号毎に立ち入ったID総数を10分毎に時系列で示した情報の一例を示す。この場合、メッシュ番号毎に立ち入ったID総数とその時間的な変化のパターンを評価することにより、通行領域/会議卓領域を決定することができる。例えば、メッシュ番号#1については、同じ時間帯に複数の人が立ち入り、退出していることになるので、会議卓領域であると推定できる。メッシュ番号#2については、ID総数が不規則に変化し、休憩時間開始時(この形態では10:00、12:00とする)に多いので、通行領域であると推定できる。このように、空間利用データを用いた統計量などの時系列変化を領域決定指針における特徴決定ルールに反映することで領域を決定することもできる。
参考例6:空間利用情報の学習動作〕
上述した参考例1〜5,実施の形態1,2では、空間利用データ蓄積条件として、蓄積期間やデータ蓄積数を定めて空間利用データを蓄積し、空間利用データの蓄積が完了した後に、この蓄積された空間利用データから空間利用情報を生成している。よって、これを利用するアプリケーションは、空間利用情報が生成されるまでの間、例えば、仮運用のための空間利用情報をユーザが任意に作成するなどして利用することになる。
この時、空間利用データの蓄積完了までの期間が長いと、仮運用のために用意した空間利用情報が利用実態に合わないものであっても、これを長期間に渡って利用しなければならなくなる。しかし、蓄積完了までの期間が短くなるように空間利用データ蓄積条件を設定すると、データ数が少なかったり、短期間に集中した蓄積データであったり、ということが発生し、生成された空間利用情報と利用実態のずれが大きくなることがある。そして、利用実態を反映しない空間利用情報を利用すれば、レイアウト利用アプリケーションの目的としていた効果(例えば省エネ効果など)が得られにくくなる。
このような場合には、空間利用データ蓄積条件を比較的少ないデータ数や短い期間などに限定し、これによって蓄積された空間利用データを用いて空間利用情報を生成し(以下、このように生成された空間利用情報を限定空間利用情報と記述)、この限定空間利用情報によって空間利用情報の更新を繰り返す方法が有用である。空間利用情報が更新されるのとともに利用実態が反映されていく学習的なアプローチであり、学習と並行してこの空間利用情報を運用に利用することもできる。この場合、レイアウト利用アプリケーションは、空間利用情報の更新によって徐々に目的とする効果を得やすくなるので、仮運用用の空間利用情報を長期間利用する場合よりも実用的である。
図26に参考例6の空間利用情報生成動作のフローチャートを示す。参考例6における限定空間利用情報とは、上述した参考例1〜5,実施の形態1,2において空間利用データ蓄積条件を比較的狭い範囲に限定して生成した空間利用情報であり、その生成までの基本動作は参考例1〜5,実施の形態1,2と同様である。
この例では、図26のステップS401’〜S405’は、実施の形態1で説明した図14のS401〜S405に代わるものである。そして、これらの限定空間利用情報の生成に関わる動作に、空間利用情報の更新動作(ステップS406)と学習完了条件の判定動作(ステップS407)とを加えて、空間利用情報の生成を行うのが参考例6の特徴である。なお、ここで、学習完了条件とは、限定空間利用情報による空間利用情報の更新を完了する条件を示している。
参考例6における領域決定指針は参考例1と同様にメッシュを利用して立ち入り/非立ち入り領域を決定するものとし(図6)、学習完了条件を「対象エリア内のメッシュすべてに対し、立ち入り回数W(n)が0、または、50回以上のどちらかである」とする。ここで、nは対象エリア内の任意のメッシュ番号(1≦n≦K、Kはメッシュ番号の最大値)を示しており、W(n)はメッシュ番号nの立ち入り回数である。
また、この例では空間利用データ蓄積条件を「空間利用データ蓄積数Nmax=1」としているが、複数でももちろん構わない。しかし、領域決定指針において空間利用データの統計的な処理を行う場合(平均値を利用するなど)には、適当な数の空間利用データが蓄積されるような空間利用データ蓄積条件を採用する必要があるのは言うまでもない。
空間利用情報生成動作が開始されると、空間利用情報生成装置は、初期化処理として、すべてのメッシュを非立ち入り領域とし、W(n)=0(1≦n≦K)、つまり、すべてのメッシュの立ち入り回数を0に設定する。移動体の位置情報が検出されて(ステップS401’)、この位置情報が空間利用データとして蓄積されると(ステップS402’)、空間利用データの蓄積数が1となるため(ステップS403’のYES)、ステップS404’の限定空間利用情報の生成が行われる。
つまり、この形態では、位置情報が1個蓄積されると、この1個の位置情報を用いて限定空間利用情報が生成されるという逐次的な動作になる。そして、ステップS404’では、移動体が検出された位置情報に対応するメッシュ番号を立ち入り領域とする限定空間利用情報が生成される。ステップS406では、空間利用情報にこの限定空間利用情報を反映し、対応するメッシュ番号のW(n)を更新する。
例えば、限定空間利用情報において任意のメッシュ番号#q1が立ち入り領域とされていれば、空間利用情報のメッシュ番号#q1を立ち入り領域とし、対応する立ち入り回数W(q1)に1を加える。これ以降、同じメッシュ番号#q1を立ち入り領域とする限定空間利用情報で空間利用情報を更新すると、メッシュ番号#q1が立ち入り領域であることに変化はないが、立ち入り回数W(q1)は1を加算され、立ち入った回数の積算を示すことになる。
そして、更新した空間利用情報を記憶した後(ステップS405’)、ステップS407において、すべてのメッシュ番号n(1≦n≦K)に対して、「W(n)=0、または、W(n)≧50のどちらかを満たすかどうか」がチェックされる。つまり、この条件が満たされた場合、対象エリアのすべてのメッシュは、非立ち入り領域(立ち入り回数0)であるか、50回以上移動体が立ち入った立ち入り領域であるか、のどちらかとなっている。この条件を満たさない場合は(ステップS407のNO)、再びステップS401’に戻って、限定空間利用情報の生成と空間利用情報の更新を行う。
図26に示した動作により、空間利用情報は、立ち入りのあった領域から逐次、初期値である非立ち入り領域から立ち入り領域に設定されることとなる。このような空間利用情報は、例えば、立ち入り領域と非立ち入り領域(あるいは立ち入り領域が多い空調ゾーンと非立ち入り領域が多い空調ゾーン)の温度設定値を変化させるような空調制御にも利用することができる。空間利用情報は、学習が進むに従って、より利用実態を反映し、ユーザの目的にかなう空間利用情報に近づいていくことになる。
参考例1〜6,実施の形態1,2で説明した空間利用情報生成装置1は、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。CPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って参考例1〜6,実施の形態1,2で説明した処理を実行する。
なお、上述した参考例1〜6,実施の形態1,2では、主にオフィスを対象エリアとしたが、対象エリアはオフィスに限られるものでないことは言うまでもない。また、本発明において、移動体とは移動可能な対象であればよく、人に限られるものではない。例えば、ノートパソコンや携帯電話などのように運搬可能なもの、あるいは、カートや車両、ロボットなどであってもよい。
さらに、本発明において、対象エリアに存在している人の位置情報を検出する位置検出手段としては、ICタグとICタグリーダとの組合せの他、RFID(Radio Frequency Identification)とのRFID用のリーダとを組み合わせた構成、カメラの画像処理などで制御対象空間に存在している人の現在位置を検出する構成などが考えられる。
本発明の空間利用情報生成装置および方法は、所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリア内にその利用実態によって特徴づけられる複数の領域を決定し、その決定した領域と特徴とを関連付けた情報を空間利用情報として生成する空間利用情報生成装置および方法として、移動体の誘導や設備制御など様々なレイアウト利用アプリケーションに利用することが可能である。
1…空間利用情報生成装置、2…位置情報検出部、3…データ蓄積処理部、4…領域決定部、5…情報記憶部、6…対象エリア、7…ICタグリーダ、H1,H2…人、TG(TG1,TG2)…ICタグ、ID1,ID2…ID番号、M1〜M56…メッシュ、#1〜#56…メッシュ番号。

Claims (6)

  1. 所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリアに存在している移動体の位置情報をその移動体を特定する識別情報とその移動体の滞在時間を求めるための情報とを合わせて検出する位置情報検出手段と、
    前記位置情報検出手段によって検出された移動体の情報を蓄積する情報蓄積手段と
    前記情報蓄積手段によって蓄積された移動体の情報を統計的な手法によって処理することにより、前記対象エリアを分割して定められるメッシュの利用実態に基づいた特徴を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する空間利用情報生成手段とを備え、
    前記空間利用情報生成手段は、
    前記メッシュ内での移動体の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として通行領域とそれ以外の領域を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する
    ことを特徴とする空間利用情報生成装置。
  2. 請求項1に記載された空間利用情報生成装置において、
    前記空間利用情報生成手段によって生成された空間利用情報は、前記対象エリアに対して設けられている設備の制御に用いられる
    ことを特徴とする空間利用情報生成装置。
  3. 請求項1又は2に記載された空間利用情報生成装置において、
    前記対象エリアがオフィスである
    ことを特徴とする空間利用情報生成装置。
  4. 所定のエリアを対象エリアとし、この対象エリアに存在している移動体の位置情報をその移動体を特定する識別情報とその移動体の滞在時間を求めるための情報とを合わせて検出する位置情報検出ステップと、
    前記位置情報検出ステップによって検出された移動体の情報を蓄積する情報蓄積ステップと
    前記情報蓄積ステップによって蓄積された移動体の情報を統計的な手法によって処理することにより、前記対象エリアを分割して定められるメッシュの利用実態に基づいた特徴を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する空間利用情報生成ステップとを備え、
    前記空間利用情報生成ステップは、
    前記メッシュ内での移動体の滞在時間に基づいて、そのメッシュの利用実態に基づいた特徴として通行領域とそれ以外の領域を決定し、その決定した特徴とメッシュとを関連付けた情報を空間利用情報として生成する
    ことを特徴とする空間利用情報生成方法
  5. 請求項4に記載された空間利用情報生成方法において、
    前記空間利用情報生成ステップによって生成された空間利用情報は、前記対象エリアに対して設けられている設備の制御に用いられる
    ことを特徴とする空間利用情報生成方法
  6. 請求項4又は5に記載された空間利用情報生成方法において、
    前記対象エリアがオフィスである
    ことを特徴とする空間利用情報生成方法。
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