以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報表示装置、情報表示方法、情報表示プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1にかかるナビゲーション装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、実施の形態1にかかるナビゲーション装置100は、現在位置情報取得部101、ルート情報取得部102、記憶部103、生成部104、映像取得部105、表示部106によって構成される。
現在位置情報取得部101は、自車の現在位置に関する情報を取得する。自車の現在位置に関する情報には、緯度経度情報のほか、自車の速度、走行方向などの情報を含んでいてもよい。自車の現在位置に関する情報は、たとえば後述するGPSユニット617や各種センサ618によって取得することができる。
ルート情報取得部102は、設定された目的地までのルート情報を取得する。ルート情報は、あらかじめ登録されていてもよく、通信手段によって受信することによって取得してもよく、操作者(運転車または同乗者)の入力によって取得するようにしてもよい。その際、操作者からは目的地に関する情報のみが入力され、自車の現在位置と入力された目的地とに基づいてルートを探索し、決定されたルートをルート情報として取得するようにしてもよい。
記憶部103は、いわゆる道路情報(地図情報)、具体的には、たとえば道路の形状を含むリンク情報と、交差点を示すノード情報と、を記憶する。地図情報には、さらに信号機、標識情報や建物の情報(たとえば建物の形状や高さ)などを含んでいてもよい。リンク情報には、道路の幅情報や傾斜などに関する情報を含んでいてもよい。記憶部103はナビゲーション装置100に備えられていてもよく、また、通信によりアクセス可能な外部のサーバが記憶部103の機能を実現してもよい。
生成部104は、現在位置情報取得部101によって取得された現在位置に関する情報と、ルート情報取得部102によって取得されたルート情報と、記憶部103に記憶されたリンク情報のみと、またはノード情報およびリンク情報と、に基づいて、ルートに沿って連続した帯状のルート表示画像であって路面から所定の高さに表示されるような上空ルート案内表示画像を生成する。上空ルート案内表示画像の具体的な生成方法については後述する。
映像取得部105は、移動体(自車)のルート上の映像(特には前方映像。ただし前方映像には限らない)を撮影する撮像部110から当該映像を取得する。撮像部110は、ナビゲーション装置100が備えていてもよい。表示部106は、表示画面を制御して、映像取得部105によって取得された映像上に、生成部104によって生成された上空ルート案内表示画像を重ねて表示する。
つぎに、ナビゲーション装置100によるナビゲーション処理の手順について説明する。図2は、ナビゲーション装置によるナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置100は、まず、現在位置情報取得部101によって、自車の現在位置に関する情報を取得する(ステップS201)とともに、ルート情報取得部102によって、目的地までのルート情報を取得する(ステップS202)。
そして、ナビゲーション装置100は、記憶部103に記憶されている道路情報(ノード情報・リンク情報)を取得する(ステップS203)。つぎに、ナビゲーション装置100は、現在位置情報とルート情報とリンク情報とに基づいて(現在地の前方近傍にノード(交差点)がない場合)、または、現在位置情報とルート情報と、ノード情報・リンク情報とに基づいて(現在地の前方近傍にノード(交差点)がある場合)、上空ルート案内表示画像を生成する(ステップS204)。
さらに、ナビゲーション装置100は、自車の進行方向の前方映像を取得する(ステップS205)。そして、ナビゲーション装置100は、生成された上空ルート案内表示画像を前方映像に重ねて表示する(ステップS206)。
つぎに、ナビゲーション装置100は、自車の走行によって現在位置が変更になるのを待って(ステップS207:No)、現在位置が変更になった場合(ステップS207:Yes)は、目的地に到着したか否か判断する(ステップS208)。ここで、未だ目的地に到着していない場合(ステップS208:No)は、ステップS201へ戻って、ステップS201〜S207の各ステップの処理を繰り返しおこなう。ステップS208において、目的地に到着した場合(ステップS208:Yes)は、一連の処理を終了する。
これによって、自車が目的地に到着するまで、上空ルート案内表示画像が前方映像に重ねて表示され続ける。操作者は、走行しながら、表示画面に前方映像とともに表示された上空ルート案内表示画像を見ることで、目的地までのルートを認識することができる。
なお、ナビゲーション装置100は、各構成部が一体となって1つの装置として構成されていてもよいし、各構成部を単独の装置とし、複数の装置によってナビゲーション装置100の機能を実現してもよい。
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300の機能的構成について説明する。図3は、実施の形態2にかかるナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。図3において、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300は、現在位置情報取得部301、ルート情報取得部302、記憶部303、生成部304、投影部305によって構成される。
ここで、現在位置情報取得部301、ルート情報取得部302、記憶部303は、実施の形態1における現在位置情報取得部101、ルート情報取得部102、記憶部103と同一の構成であるので、その説明は省略する。
生成部304は、現在位置情報取得部301によって取得された現在位置に関する情報と、ルート情報取得部302によって取得されたルート情報と、記憶部303に記憶された道路情報(すなわちリンク情報のみと、またはノード情報およびリンク情報)と、に基づいて、前記ルートに沿って連続した帯状のルート表示画像であって路面から所定の高さに表示されるような上空ルート案内表示画像を生成する。なお、生成部304は、実施の形態1の生成部104とは、上空ルート案内表示画像の具体的な生成方法が異なる。上空ルート案内表示画像の具体的な生成方法については後述する。
実施の形態2にかかるナビゲーション装置300と、実施の形態1にかかるナビゲーション装置100との相違点は、実施の形態1にかかるナビゲーション装置100が、映像取得部105および表示部106を備えているのに対し、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300は、映像取得部105、表示部106を備えておらず、その代わりに、投影部305を備えている点である。
投影部305は、生成部304によって生成された上空ルート案内表示画像を対応する自車のウインドウに投影する。すなわち、車内からルートに対応する道路が見えるウインドウ(通常はフロントウインドウ)に投影する。これによって、ウインドウから見える実風景に上空ルート案内表示画像が重なって見えるようになる。
つぎに、ナビゲーション装置300によるナビゲーション処理の手順について説明する。図4は、ナビゲーション装置によるナビゲーション処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、まず、現在位置情報取得部301によって、自車の現在位置に関する情報を取得する(ステップS401)とともに、ルート情報取得部302によって、目的地までのルート情報を取得する(ステップS402)。さらに、ナビゲーション装置300は、記憶部303に記憶されている道路情報(ノード情報・リンク情報)を取得する(ステップS403)。
そして、ナビゲーション装置300は、現在位置情報と道路情報(ルート情報とリンク情報)とに基づいて(現在地の前方近傍にノード(交差点)がない場合)、または、現在位置情報とルート情報と、ノード情報・リンク情報とに基づいて(現在地の前方近傍にノード(交差点)がある場合)、上空ルート案内表示画像を生成し(ステップS404)。そして、生成された上空ルート案内表示画像を自車のウインドウに投影する(ステップS405)。
つぎに、ナビゲーション装置300は、自車の走行によって現在位置が変更になるのを待って(ステップS406:No)、現在位置が変更になった場合(ステップS406:Yes)は、目的地に到着したか否か判断する(ステップS407)。ここで、未だ目的地に到着していない場合(ステップS407:No)は、ステップS401へ戻って、ステップS401〜S406の各ステップの処理を繰り返しおこなう。ステップS407において、目的地に到着した場合(ステップS407:Yes)は、一連の処理を終了する。
これによって、自車が目的地に到着するまで、上空ルート案内表示画像が自車のフロントウインドウに投影され続ける。操作者は、走行しながら、フロントウインドウを通して前方の実風景を見るとともに投影された上空ルート案内表示画像を見ることで、目的地までのルートを認識することができる。
なお、ナビゲーション装置300は、各構成部が一体となって1つの装置として構成されていてもよいし、各構成部を単独の装置とし、複数の装置によってナビゲーション装置300の機能を実現してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる情報表示装置500の機能的構成について説明する。実施の形態1および2では、たとえば自動車などの移動体に搭載されるナビゲーション装置であったのに対し、実施の形態3では、移動体に搭載されるものに限定されない。
図5は、実施の形態3にかかる情報表示装置の機能的構成を示すブロック図である。図5において、実施の形態3にかかる情報表示装置500は、現在位置情報取得部501、ルート情報取得部502、記憶部503、生成部504、前方映像取得部505、表示部506、撮像部510によって構成される。
現在位置情報取得部501は、自装置の現在位置に関する情報を取得する。自装置の現在位置に関する情報には、緯度経度情報のほか、自装置(特に表示画面)が向いている方向、自装置の地上からの高さ、自装置(を携帯している操作者)の移動速度などの情報を含んでいてもよい。自装置の現在位置に関する情報は、たとえば後述するGPSユニット617や各種センサ618によって取得することができる。
ルート情報取得部502は、設定された目的地までのルート情報を取得する。ルート情報は、あらかじめ登録されていてもよく、通信手段によって受信することによって取得してもよく、自装置の操作者の入力によって取得するようにしてもよい。その際、操作者からは目的地に関する情報のみが入力され、自装置の現在位置と入力された目的地とに基づいてルートを探索し、決定されたルートをルート情報として取得するようにしてもよい。
記憶部503は、いわゆる道路情報(地図情報)、具体的には、たとえば道路の形状および幅情報を含むリンク情報と、交差点を示すノード情報と、を記憶する。地図情報には、さらに信号機、標識情報や建物の情報(たとえば建物の形状や高さ)などを含んでいてもよい。リンク情報には、道路の傾斜などに関する情報を含んでいてもよい。記憶部503は情報表示装置500に備えられていてもよく、また、通信によりアクセス可能な外部のサーバが記憶部503の機能を実現してもよい。
生成部504は、現在位置情報取得部501によって取得された現在位置に関する情報と、ルート情報取得部502によって取得されたルート情報と、記憶部503に記憶された道路情報(リンク情報のみと、またはノード情報およびリンク情報)と、に基づいて、ルートに沿って連続した帯状のルート表示画像であって路面から所定の高さに表示されるような上空ルート案内表示画像を生成する。上空ルート案内表示画像の具体的な生成方法については後述する。
映像取得部505は、自装置のルート上の映像(特に前方画像。ただし前方画像には限らない)を撮影する撮像部510から当該映像を取得する。撮像部510は、情報表示装置500が備えている構成としたが、情報表示装置500と有線または無線によって接続され、撮影された映像を情報表示装置500が取得できればよい。表示部506は、表示画面を制御して、映像取得部505によって取得された映像上に、生成部504によって生成された上空ルート案内表示画像を重ねて表示する。
なお、情報表示装置500は、各構成部が一体となって1つの装置として構成されていてもよいし、各構成部を単独の装置とし、複数の装置によって情報表示装置500の機能を実現してもよい。
情報表示装置500による情報表示処理の手順は、図2に示した、実施の形態1にかかるナビゲーション装置によるナビゲーション処理の手順と同様であるので、その説明は省略する。情報表示装置500は、たとえば携帯型情報端末装置(より具体的には、たとえば携帯電話機、PDA、モバイルパソコンなど)であってもよい。また、情報表示装置500を、移動体に搭載することによって実施の形態1にかかるナビゲーション装置100とすることもできる。
つぎに、上述した実施の形態1にかかるナビゲーション装置100、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300、実施の形態3にかかる情報表示装置500の実施例について説明する。以下の実施例では、実施の形態1にかかるナビゲーション装置100の例、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300の例、実施の形態3にかかる情報表示装置500を車両に搭載されたナビゲーション装置に適用した例について説明する。
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図6は、ナビゲーション装置100、ナビゲーション装置300および情報表示装置500(以下単に「ナビゲーション装置」とする)のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6において、ナビゲーション装置は、CPU601、ROM602、RAM(メモリ)603、磁気ディスクドライブ604、磁気ディスク605、光ディスクドライブ606、光ディスク607、音声I/F(インターフェース)608、マイク609、スピーカ610、入力デバイス611、映像I/F612、カメラ613、ディスプレイ614、プロジェクタ615、通信I/F616、GPSユニット617、各種センサ618を備えている。また、各構成部601〜618はバス620によってそれぞれ接続されている。
CPU601は、ナビゲーション装置の全体の制御を司る。ROM602は、ブートプログラム、通信プログラム、データ表示プログラム、データ解析プログラムなどの各種プログラムを記録している。RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。
磁気ディスクドライブ604は、CPU601の制御に従って磁気ディスク605に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク605は、磁気ディスクドライブ604の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク605としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ606は、CPU601の制御に従って光ディスク607に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク607は、光ディスクドライブ606の制御に従ってデータが読み出される着脱自在な記録媒体であり、たとえば、ブルーレイディスク、DVD、CDなどを含む。光ディスク607は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク607のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
磁気ディスク605または光ディスク607に記録される情報の一例として、経路探索・経路誘導などに用いる地図データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)を表す背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、ディスプレイ614の表示画面において2次元または3次元に描画される。ナビゲーション装置が経路誘導中の場合は、地図データと後述するGPSユニット617によって取得された自車の現在地点とが重ねて表示されることとなる。
音声I/F608は、音声入力用のマイク609および音声出力用のスピーカ610に接続される。マイク609に受音された音声は、音声I/F608内でA/D変換される。また、スピーカ610からは音声が出力される。なお、マイク609から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク605あるいは光ディスク607に記録可能である。
入力デバイス611は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。さらに、入力デバイス611は、デジタルカメラや携帯電話端末などの他の情報処理端末を接続し、データの入出力をおこなうことができる。
映像I/F612は、映像入力用のカメラ613、映像出力用のディスプレイ614および映像出力用のプロジェクタ615と接続される。映像I/F612は、具体的には、たとえば、ディスプレイ614およびプロジェクタ615全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ614、プロジェクタ615を表示制御する制御ICなどによって構成される。
カメラ613は、車両内外の映像を撮像し、画像データとして出力する。カメラ613で撮像された画像は、画像データとして磁気ディスク605あるいは光ディスク607に記録可能である。
ディスプレイ614には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ614は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ614によって、実施の形態1の表示部106、実施の形態3の表示部506が制御する表示画面の機能を実現することができる。
プロジェクタ615には、ディスプレイ614と同様に、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。プロジェクタ614は、たとえばCRTや液晶をもちいて、フロントウインドウに各種データを投影する。プロジェクタ614は、たとえば、車内の天井や座席上部などに設置する。プロジェクタ615によって、実施の形態2の投影部305の機能を実現することができる。
通信I/F616は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置とCPU601とのインターフェースとして機能する。通信I/F616は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU601とのインターフェースとしても機能する。通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。
GPSユニット617は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点(ナビゲーション装置の現在地点)を示す情報を算出する。GPSユニット617の出力情報は、後述する各種センサの出力値とともに、CPU601による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
各種センサ618は、たとえば、ジャイロセンサや加速度センサ、車速センサなどであり、車両の移動状態を検出する。各種センサ618からの出力信号は、CPU601による現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定に用いられる。
また、実施の形態1にかかるナビゲーション装置100の構成のうち、現在位置情報取得部101は、GPSユニット617、各種センサ618、CPU601(ROM602、RAM603、磁気ディスク605、光ディスク607などに記憶されたプログラムをCPU601が実行すること)によって、ルート情報取得部102および記憶部103はCPU601、磁気ディスクドライブ604および磁気ディスク605、または、光ディスクドライブ606および光ディスク607によって、生成部104は、CPU601によって、映像取得部105は、CPU601、映像I/F612、カメラ613、または、通信I/F616によって、表示部106は、CPU601、映像I/F612、ディスプレイ614によって、撮像部110は、カメラ613および通信I/F616によって、それぞれの機能を実現する。
また、実施の形態2にかかるナビゲーション装置300の構成のうち、現在位置情報取得部301は、GPSユニット617、各種センサ618、CPU601(ROM602、RAM603、磁気ディスク605、光ディスク607などに記憶されたプログラムをCPU601が実行すること)によって、ルート情報取得部302および記憶部303はCPU601、磁気ディスクドライブ604および磁気ディスク605、または、光ディスクドライブ606および光ディスク607によって、生成部304は、CPU601によって、投影部305は、CPU601、映像I/F612、プロジェクタ615によって、それぞれの機能を実現する。
また、実施の形態3にかかる情報表示装置500の構成のうち、現在位置情報取得部501は、GPSユニット617、各種センサ618、CPU601(ROM602、RAM603、磁気ディスク605、光ディスク607などに記憶されたプログラムをCPU601が実行すること)によって、ルート情報取得部502および記憶部503はCPU601、磁気ディスクドライブ604および磁気ディスク605、または、光ディスクドライブ606および光ディスク607によって、生成部504は、CPU601によって、映像取得部505は、CPU601、映像I/F612、カメラ613、または、通信I/F616によって、表示部506は、CPU601、映像I/F612、ディスプレイ614によって、撮像部510は、カメラ613および通信I/F616によって、それぞれの機能を実現する。
つぎに、ナビゲーション装置の生成部(生成部104、304、504)による上空ルート案内表示画像の生成手順について詳細に説明する。図7は、ナビゲーション装置の生成部の機能的構成を示すブロック図である。また、図8は、ナビゲーション装置の生成部の処理の手順を示すフローチャートである。
図7において、生成部は、配置処理部(配置部)701と、移動処理部(移動部)702と、設定処理部(設定部)703と、レンダリング処理部(レンダリング部)704と、調整部705から構成される。図8のフローチャートにおいて、配置処理部701は、リンク情報のみに基づいて、またはノード情報およびリンク情報に基づいて、三次元計算用の空間において平面的な道路に対応する帯状オブジェクトを配置する(ステップS801)。その際、ルート情報に基づいて、ルートに該当するリンク情報だけを抽出し、ルート以外の部分を削除する(ステップS802)。
移動処理部702は、配置処理部701によって配置された帯状オブジェクトを、三次元計算用の空間において平面と直交する高さ方向へ所定量(所定の高さ)だけ移動させる(ステップS803)。設定処理部703は、移動処理部702によって移動された帯状オブジェクトに対して、三次元計算用の視点位置、視点方向および視点高さを撮像部の位置、方向および高さ、または操作者(運転者または同乗者)の視点位置、視点方向および視点高さに設定する(ステップS804)。レンダリング処理部704は、設定処理部703によって設定された視点位置、視点方向および視点高さから見た帯状オブジェクトを上空ルート案内表示画像としてレンダリングする(ステップS805)。
調整部705は、路面(地上)からの所定量(所定の高さ)を調整可能であり、移動処理部702は、ステップS803において、三次元計算用の空間において調整部705によって調整された高さだけ平面と直交する高さ方向へ移動する。調整部705は、ルート情報(たとえば、道路の傾斜、交差点(ノード)の有無、信号機の有無など)に応じて調整してもよい。また、操作者からの入力によって操作者の所望の高さに調整するようにしてもよい。
図9は、十字路の交差点の地図データ(ノード情報、リンク情報)を示す説明図であり、図10−1〜図11−2は、生成部の配置処理部701における配置処理の内容を示す説明図である。図9において、地図データは、交差点を示すノード900と、ノード900に対して4本の道路を示すリンク901〜904で構成されている。リンクには道路の形状や道幅などの情報があり、それらの情報に基づいて三次元計算用の空間に平面的な道路を配置したものを上からの視点で表したのが、図10−1である。
図10−1において、配置処理部701は、図9に示したリンク901を、道路の形状や道幅を考慮して三次元計算用の空間に平面的な道路として配置して、リンク1001とする。同様に、配置処理部701は、図9に示したリンク902〜904を三次元計算用の空間に平面的な道路として配置して、リンク(帯状画像)1002〜1004とする。
図10−1から、リンク1001が道幅の広い通りであり、リンク1002がリンク1001と比べて道幅の狭い道路であることがわかる。なお、配置処理部701は、リンクの道幅に関する情報を考慮しないで、全てのリンクを一定の道幅として配置させてもよい。図10−2は、図10−1において三次元計算用の空間に平面的な道路として配置したものを横からの視点(図10−1の下側から上側の視点)で表したものである。この時点では、各リンク1001〜1004の高さ(Z軸方向)は0である。なお、このときの基準となる高さ(すなわち、高さ0)は任意に設定することが可能であり、たとえば、地表面を基準とすることができる。
図10−1において、4本のリンク1001〜1004のうち、ルートに該当するリンクだけを抽出したのが、図11−1である。図11−1も、図10−1と同様に、三次元計算用の空間に平面的な道路を配置したものを上からの視点で表している。ルートが図9におけるリンク901からノード900まで到達し、ノード900を右折してリンク902へ至るものであるので、図11−1では、配置処理部701が図10−1におけるリンク1001および1002だけを抽出し、ルート以外のリンク(リンク1003および1004)を削除した状態を示している。
配置処理部701は、ルート以外のリンク(リンク1003および1004)を、最初から配置しないようにしてもよい(すなわち、三次元計算用の空間において、図10−1を省略して、最初から図11−1とするようにしてもよい)。
図11−2は、図10−2と同様に、図11−1において三次元計算用の空間に平面的な道路として配置したものを横からの視点(図11−1の下側から上側の視点)で表したものである。この時点でも、リンク1001、1002の高さ(Z軸方向)は0である。
図12−1、図12−2は、生成部の移動処理部702における移動処理の内容を示す説明図である。移動処理部702は、配置処理部701によって配置されたリンク1001および1002を所定の高さ(ここでは地上約20m)だけ、上側(Z軸方向)へ移動させる。これによって、三次元計算用の空間におけるオブジェクト(帯状オブジェクト)の配置は終了する。
図12−1は、図10−1、図11−1と同様に上からの視点で表しているため、図11−1と同様に見える(すなわち、Z軸方向の移動はわからない)。図12−2は、図10−2、図11−2と同様に横からの視点(図12−1の下側から上側の視点)で表したものであり、図11−2と比較すると、リンク1001および1002が、元の高さ(高さ0)よりZ軸方向へ20mだけ高くなっていることがわかる。
図13−1、図13−2は、生成部の設定処理部703における設定処理の内容を示す説明図である。設定処理部703は、移動処理部702によって移動された帯状画像に対して、三次元計算用の視点位置および高さを示すカメラ1301を自車に搭載された撮像部の位置および高さ、または運転者または同乗者の視点位置および高さに設定する。
図13−2は、図10−2、図11−2、図12−2と同様に横からの視点(図13−1の下側から上側の視点)で表したものであり、カメラ1301がリンク1001、1002よりもZ軸方向に対して低い位置(たとえば地上約1.5m)であって、リンク1001のほぼ真下にあることがわかる。これは、自車がリンク1001の道路上を走行中であるということを示している。また、カメラ1301が自車の所定の位置(たとえばバックミラーの裏側など)に搭載されているか、あるいは、自車に乗車した運転者または同乗者の視点位置を考慮していることを示している。
図14は、生成部のレンダリング処理部704によってレンダリングされた状態を示す説明図である。図14は、図13−1、図13−2で示したカメラ1301からリンク1001、1002を見た状態をレンダリングした状態を示している。カメラ1301とリンク1001とは、高さが異なるため、リンク1001はカメラ1301からは下から見上げる状態となり、その状態を三次元計算用の空間に示すと、図14に示すように逆台形に近い形状となる。リンク1002も、カメラ1301が下から見上げる分だけ、幅を持った帯状画像となる。これにより、生成部による帯状画像(リンク)の生成(描画)は完了する。
図15〜24は、前方映像上に上空ルート案内表示画像を重ねて表示した状態を示す説明図である。図14において生成された帯状画像1001、1002が、前方映像上においてルート案内を示すことになる。ルートに沿って連続する帯状画像1001、1002によって構成されるルート案内は、路面よりも上方に表示されるため、前方映像と重ね合わせた場合であっても、操作者(運転者または同乗者)が、前方映像における前側にある障害物、たとえば前方を走行する自動車などが存在してもその帯状画像によって当該障害物が遮られることはなく、ユーザが前方映像を見誤ることがない。
図16は、生成部の移動処理部702における移動処理をおこなわなかった場合の帯状画像を前方映像と重ね合わせた状態を示している。図16に示すように、前方映像の路面に重なるように帯状画像が表示される。この場合に、図16に示すように、前方に障害物が存在しない場合は、ルート案内としては有効であると考えられるが、図17や図18に示すように前方に障害物(図17の場合は前方車両および左側の電柱、図18の場合は前方車両)が存在するために、帯状画像と当該障害物とが重なってしまい、かえってルート案内がわかりづらくなる。
特に、後述する図24に示すフロントウインドウに帯状画像を投影する場合に、運転者が確認すべき前方車両などをフロントガラスに投影された帯状画像が遮ってしまい、安全運転上、支障をきたす可能性もある。そこで、路面に重ねて表示するよりも上空に表示するほうがよい。
図19および図20は、生成部の調整部705によって移動処理部702の移動の高さを変えた場合の状態を示している。図19は、Z軸方向への移動を約4mとした場合であり、図20は、Z軸方向への移動を約20mとした場合である。図19では、ルート案内としては見やすいものの、運転者が確認しなければならない信号機や標識を遮ってしまう。そこで、それらの信号機や標識を遮らないように、Z方向の高さを調整する必要がある。なお、交通に関して確認しなければならない信号機や標識等を「交通に関する確認対象物」という。
調整の方法としては、地図情報(ノード、リンク情報、標識情報)に基づいて現在地ごとに変更するようにしてもよく、操作者から当該操作者の所望の高さの入力を受け付け、受け付けられた高さに基づいて変更するようにしてもよい。また、国、地域や自治体等の領域ごとに交通に関する確認対象物の高さの規定が異なる場合、調整部705は、自車の現在地点が存在する領域に応じて上記高さを変更してもよい。
また、帯状画像が前方映像を遮らない方法として、図21〜図23に示すように、帯状画像を線のみにて表現し、中を所定の色で塗りつぶすことなく、透過するようにしてもよい(図21)。また、帯状画像を連続的にではなく、断続的に(すなわち縞を構成するように)塗りつぶしてもよい(図22)。さらに、帯状画像の両端部分のみを断続的に塗りつぶし、中を所定の色で塗りつぶすことなく、透過するようにしてもよい(図23)。
このように帯状画像(上空ルート案内表示画像)の一部が透過しているように表示したり、ルートに沿って断続的な帯状のルート表示画像となるように表示したりすることで、前方映像の遮る部分を少なくすることができる。
また、図22または図23の帯状画像において、ルートの進行方向へ移動するようなアニメーションにより構成されるように表示するようにしてもよい。すなわち、塗りつぶす部分を定期的に変更させることによって、滑走路の点滅する誘導灯のように、帯状画像が進行方向へ流れているように見せるようにしてもよい。このように表示することによって、より確実なルート案内をすることができる。特に交差点で左折または右折する際に、このような帯状画像を表示することにより、より確実なルートの誘導をすることが可能となる。
図24は、実施の形態2にかかるナビゲーション装置における上空ルート案内表示画像の表示状態を示したものである。図24において、フロントウインドウ2401には、上空ルート案内表示画像(リンク1001、1002)が表示されている。
以上説明したように、本実施例によれば、ルートに沿った連続的なルート案内をおこなうことによって、より確実なルート案内を実現することができるとともに、連続したルート案内を実風景に重ねて表示することによって、前方の障害物を遮ることなく、運転者の前方視野を確保し、安全運転に寄与することができる。
なお、本実施の形態で説明したナビゲーション方法、情報表示方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこれらのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。