JP5434911B2 - 構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置 - Google Patents

構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置 Download PDF

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Description

本発明は、回折や干渉などの光学現象を用いた光制御機能を有する構造体、この構造体の形成方法、及び、その構造体を形成するためのレーザ光照射装置に関し、特に、レーザ光の照射により内部に形成された周期構造が構造色を発現する構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置に関する。
近年、リサイクル性や環境適性の観点から、顔料物質を用いる化学的発色が受け入れられなくなりつつある。微細周期構造形成により光の回折・干渉などの現象を用いて発色する構造色が、それに替わる技術として重要となる。
ところが、物質表面に形成された二次元周期構造は、発色を弱める原因となる傷つきや汚れへの耐性が無い。
これら傷つきや汚れへの耐性を持たせるためには、微細周期構造を物質内部に形成する必要がある。
また、物質内部に三次元微細周期構造を形成することで、発色効率の向上や発色選択性を付与することができる。
この三次元微細周期構造を形成する方法として、次の技術が提案されている。
例えば、屈折率周期構造を含む複数の層を周期的に積層した3次元フォトニック結晶であって、長方格子,所定の媒質により成る孔,柱状構造などにより形成された複数の層を順に周期的に積層したものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ところが、この提案技術は、蒸着やエッチング処理により形成するため、工程が複雑であるうえに時間がかかっていた。
そこで、レーザ照射により三次元微細周期構造を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
この提案技術によれば、工程を簡易にでき、加工時間を短くできる。
しかしながら、上述した特許文献2、3に記載の技術においては、次のような問題があった。
たとえば、特許文献2に記載の技術の対象物は、光レジスト材料(光硬化樹脂)であり、特許文献3に記載の技術の対象物は、多光子露光が可能な感光性材料(光熱屈折率変化を生じるガラス)であった。このため、感光性を有しない材料に用いることができなかった。
また、レーザ装置に超短パルス(フェムト秒)レーザを用いているので、照射光学系の調整が難しいうえに、レーザ装置が高価であるなど問題があった。
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、感光性を有しない材料であっても、基材内部に周期構造を形成可能とするとともに、より低廉なレーザ装置でその周期構造を形成可能とする構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置の提供を目的とする。
特開2007−148365号公報 特開2003−84158号公報 特開2004−126312号公報
この目的を達成するため、本発明の構造体は、微小な空洞部が、光回折を起こすように基材の内部に三次元的に周期配列して形成された構成としてある。
また、本発明の構造体形成方法は、基材に光を照射して、微小な空洞部を基材の内部に三次元的に周期配列して形成する方法としてある。
また、本発明のレーザ光照射装置は、基材に光を照射するレーザ光照射装置であって、基材の内部に、光回折を起こす周期配列で空洞部を形成するように、照射パルス数及び/又はレーザ出力を調整する機能を有するレーザ発振器を備えた構成としてある。
本発明の構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置によれば、基材の内部に周期構造が形成されるため、発色を弱める原因となる、傷つきや汚れへの耐性を持つことができる。
また、周期構造の形成が光の照射によってなされるため、大気圧下で行うことができる。しかも、前処理や後処理を行うことなく、その周期構造を形成できる。
さらに、基材が透過性を示す光を照射して周期構造を形成するため、基材が感光性を有していなくてもよい。
また、レーザ装置の機能として、照射パルス数やレーザ出力の調整ができればよいことから、低廉で照射光学系の調整が簡易であるレーザ装置を用いて構造体を作製できる。
さらに、三次元的な周期配列で多数の空洞部が形成されるため、奥行き方向の周期を増やすことで、発色効率を向上させることができる。
本実施形態の構造体の構造を模式的に表した断面図である。 構造体を上方(図1のA方向)から見たときの構造体表面の透過顕微観察像である。 構造体を上方(図1のA方向)から見たときの奥行き5μmにおける構造体内部の透過顕微観察像である。 構造体の断面を拡大して示したSEM観察像である。 ブラッグの法則を説明するための周期構造(あるいは回折面)の配列図である。 レーザ光照射装置の構成を示す概略斜視図である。 ビームスプリッタにおける5光束への分割の様子を示す模式図である。 基材に照射される光の干渉領域(三次元周期的な光強度分布)を示す模式図である。 基材である延伸PETシートの透過スペクトルを示すグラフである。
以下、本発明に係る構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[構造体]
まず、本発明の構造体の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本実施形態の構造体の構造を模式的に表した断面図である。図2は、構造体を上面(図1のA方向)から見たときの透過顕微観察像である。図3は、構造体を上面から見たときの奥行き約5μmにおける透過顕微観察像である。図4は、構造体の断面を拡大して見たときのSEM観察像である。
図1〜図4に示すように、構造体10の基材11の内部には、微小な空洞部12が多数形成してある。
一つの空洞部12は、球形又はカプセル型に近似した形状をなし、直径は長いもので1μm程度となっている。
この空洞部12は、構造体10のうち光が照射された部分に形成される。
その照射範囲内(同一の面内)では、図1〜図4に示すように、空洞部12が複数形成される。
それら複数の空洞部12は、光の照射範囲内で、面方向と奥行き方向のそれぞれにほぼ等間隔で形成される。つまり、複数の空洞部12は、三次元的な周期配列で形成される。
また、奥行き方向におけるある深さに形成された複数の空洞部12のそれぞれと、次の深さに形成された複数の空洞部12のそれぞれとは、光の照射範囲の直上(図1のA方向)から見たときに、重ならない位置に形成される。
ここで、三次元周期構造は、面内の二次元周期構造とその二次元周期構造形成面が奥行き方向に周期的に配列した多層構造と考えられる(図5参照)。二次元周期構造形成面(回折面という)では回折現象が起こり、光の入射角度や観察する角度によって異なる色で発色する。ここで、奥行きの異なる位置に存在するそれぞれの回折面でも回折現象が起きている。このとき、各面からの回折光の位相が揃わないと発色は弱くなるが、位相が揃うと発色は強くなる。つまり、多層構造に由来する干渉現象が起きる。具体的には、下記のブラッグ反射式(式1)に則った波長の光で発色が強くなる。
mλ=2D(n−sinθ)1/2 ・・・(式1)
この式1において、mは回折次数、λは波長、Dは回折面の間隔、nは物質の屈折率、θは試料面の法線角度を0°とする観察角度を表す。
微小な空洞部12が三次元に周期配列した構造は、光照射時の三次元周期的強度分布に一致するように形成される。その三次元周期強度分布は、5光束干渉によって生成される。このとき、光束の交差角度によって、周期的強度分布の面方向と奥行き方向の周期が異なる。
つまり、5光束干渉時の交差角を異ならせることで、周期の異なる三次元周期構造を形成することができる。これにより、三次元周期構造によって起こる回折現象と干渉現象が成立する光の波長を異ならせること、つまりは発色を制御することができる。
なお、本発明でいう「構造色を発現する規則的配列」とは、格子周期が可視光波長(約400nm〜700nm)に近いときのことであり、およそ2.0μm以下のことである。このとき、可視光が強く回折するので、構造色が観察される。
また、図2及び図3の透過顕微観察像や図4の断面SEM観察像は、構造体10としてPET延伸シートを用いたものである。ただし、構造体10は、これに限るものではなく、光の照射により内部に空洞部12が形成される物質であればよい。
(基材)
基材11とは、構造体10のベースとなる部材をいう。
基材11には、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ナイロン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂などの高分子化合物、BK7、石英などの光学ガラスやソーダガラスなどを材料として用いることができる。特には、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステル化合物等を好適な材料として用いることもできる。また、基材11には、例えば、複数種類を混練した高分子化合物や共重合させた高分子化合物、適切な添加剤を加えた高分子化合物を用いることができる。
なお、基材11は、上述の材料に限るものではなく、従来公知の任意好適な材料を用いることができる。ただし、光の照射により空洞部12が形成されることを要する。
[レーザ光照射装置]
次に、レーザ光照射装置について、図6を参照して説明する。
同図は、該レーザ光照射装置の構成を示す概略斜視図である。
レーザ光照射装置20は、構造体10(基材11)に空洞部12を形成するための装置であって、同図に示すように、レーザ発振器21と、ビームスプリッタ22と、コリメータ素子23と、光束選択素子24と、集光素子25とを備えている。
ここで、レーザ発振器21は、レーザ光を出力する装置であって、例えば、YAGレーザ、YVOレーザ、YLFレーザなどのナノ秒レーザ又はピコ秒レーザを用いることができる。これらパルスレーザは、数Hz〜数十MHzの繰り返し周波数を有するが、この繰り返し周期の間蓄えられたエネルギーを数ps〜数十nsという極めて短い時間幅で放出する。そのため、少ない入力エネルギーから高いピークパワーを効率的に得ることができる。なお、照射光学系の調整が難しいうえに、装置が高価という問題点があるが、Ti:サファイアレーザなどのフェムト秒レーザを用いることもできる。また、レーザ光照射にあたって空洞部が形成されるのに好適な時間幅だけ照射することができることから、特には、ナノ秒パルスレーザが望ましい。
このレーザ発振器21は、照射パルス数を調整する機能を有している。また、レーザ発振器21は、レーザの出力を調整することで、エネルギー密度(フルエンス:1パルスの照射面積あたりのエネルギー)をコントロールすることもできる。
なお、エネルギー密度のコントロールは、レーザ発振器21におけるレーザ出力の調整の他、例えば、レーザ出力が同じで照射ビーム径を変化させることによっても実現できる。
また、被照射材内部への周期構造の形成のためには、照射する光が材料内部へ進入する必要がある。照射光が極表面で吸収されないよう、被照射材において適度な透過率を有する波長の光を用いることが望ましい。
ビームスプリッタ22は、表面に微細な凹部又は凸部が周期的に刻まれているために回折を起こす、透過型の光学素子であって、レーザ光を複数の光束に分割する。
特に、ビームスプリッタ22は、図6及び図7に示すように、レーザ光を、少なくとも、中心光束(0次光)が1光束と、周辺光束(1次光)が4光束の計5光束以上に分割する。
コリメータ素子23は、例えば、焦点距離が200mmの合成石英平凸レンズを用いることができ、この場合はビームスプリッタ22から200mmの位置に置かれる。そして、コリメータ素子23は、ビームスプリッタ22で分割された複数の光束を通す。
光束選択素子24は、コリメータ素子23を通過した光束が焦点を結ぶ位置に置かれ、複数の光束のうち干渉に不必要な光束を遮り、必要な光束のみを通過させるマスクを用いることができる。この必要な光束は、中心光束(0次光)と周辺光束(1次光)の5光束である。
集光素子25は、例えば、焦点距離が100mmの合成石英平凸レンズを用いることができ、光束選択素子24を通過した5光束を集光し、それら5光束を交差させ干渉させる。この干渉した領域は、図8に示すように高強度域の分布となり、この領域で基材11に光照射する。
また、その干渉領域では、三次元的な周期強度分布を有する光が基材11に照射される。これは、中心光束(0次光)と周辺光束(1次光)の5光束干渉で照射することにより実現される。
このとき、中心の光束(0次光)の強度と周囲の光束(1次光)の強度とを近づけておくことが重要である。ただし、等しくする必要はない。これは、例えば0次光の強度が強すぎると単光束のレーザ照射に等しくなり、また、1次光の強度が強すぎると4光束の干渉に等しくなり、必要とする3次元的な周期強度分布が発生できないからである。
なお、ビームスプリッタに透過型回折格子を用いた場合、各光束の強度の配分は、透過型回折格子の微細パターンと用いるレーザ波長の組み合わせによって異なる。このようにして、各光束の強度を調節することができる。ただし、ビームスプリッタとして用いられるのは、透過型回折格子に限らない。
また、コリメータ素子23や集光素子25としては、凸レンズの他、フレネルレンズやGRIN(Graded-Index)レンズなどの光学素子を用いることができる。
また、基材11の内部に周期構造を形成するためには、照射する光が材料内部へ進入する必要がある。照射光が極表面で吸収されないよう、基材11において適度な透過率を有する波長の光を用いる。
ここで、波長に対して基材11が透過性の性質を有しているか否かは、次のように判断される。
特定の波長に対して、その基材11における光の透過率が70%以上を「透過性」、透過率が10%以上70%未満を「半透過性」、透過率が10%未満を「不透過性」とする。
ある波長に対して基材11が透過性を示す場合、光は基材内部まで進入する。一方、不透過性を示す場合、光は基材11の表面近傍にしか進入しない。
具体的には、図9に示すように、基材11がPETシートの場合、この基材11が透過性を示す波長領域に含まれる光として、およそ330nm以上の波長の光(例えば、YAGレーザ第3高調波:355nm)を照射して空洞部12を形成する。
[構造体の形成方法]
次に、本実施形態の構造体の形成方法について説明する。
三次元的な周期的強度分布を有した光を照射することで、基材11の内部に空洞部12を形成する。
その光は、基材11が透過性を示す波長領域に含まれる波長の光である。
また、図6及び図8に示すように、光束選択素子24を通過した5光束を集光素子25で集光し、それら5光束を交差させ干渉させた領域で、基材11に光照射する。
その干渉領域では、レーザ光照射装置20の光学系において中心の光束を加えた5光束が干渉しているため、三次元的な周期強度分布を有する光を照射できる。これにより、基材11の内部に周期配列で空洞部12を形成できる。
このとき、空洞部12を形成するには基材11に対して十分に高い照射エネルギー密度でもって照射する必要がある。照射エネルギー密度が低い場合、光は単に透過するのみで空洞部12は形成されない。また、照射エネルギー密度は高すぎても好ましくない。照射エネルギー密度が高すぎる場合、形成される周期構造が崩れたり基材11に焦げが発生したりしてしまう。なお、基材11によって、空洞部12の形成に要する照射エネルギー密度は異なる。また、透過性を示す波長領域に含まれる光であっても、用いる波長が異なると、その透過率の差異に応じて、空洞部12の形成に要する照射エネルギー密度が異なる。
ここで、基材11にPETを用いたときを例にして説明する。
不透過性を示す波長266nmの光を用いる通常の加工での照射エネルギー密度は20mJ/cmである。透過性を示す波長355nmの光を用いたときに、同じ照射エネルギー密度20mJ/cmで照射しても空洞部12は形成されない。空洞部12を形成するには、照射エネルギー密度は300mJ/cm以上1000mJ/cm以下が必要である。空洞部12をより良好に形成するには、特には、500mJ/cm以上850mJ/cm以下が好適である。
このように、基材11がPETで透過性を示す波長355nmの光を照射する場合、通常の不透過性を示す波長266nmの光を用いるときのおよそ15〜50倍の照射エネルギー密度でもって照射すると空洞部12を形成できることが発明者の実験でわかった。
[構造体形成の実施例]
次に、構造体形成の実施例について説明する。
Q−スイッチパルスYAGレーザ第3高調波(波長355nm)の光束を、ビームスプリッタ22を通過させることで、複数の光束に分割した。このとき、0次光の強度を1とすると、1次光の強度は3.6であった。
各々の光束をコリメータ素子23に通過させ、焦点を結ぶ位置においた光束選択素子24により干渉に不必要な光束を遮り、必要な光束のみ(5光束)を通過させた。通過した光束を集光素子25を用いて集光し、光束を交差させ干渉させた。このとき、0次光と1次光の交差角は12.6°であった。干渉した領域で2軸延伸したPETシート(透過率82.3%@355nm)に照射する。
パルスYAGレーザの仕様は、パルス幅5ns、繰り返し周波数10Hzであった。
照射エネルギー密度が500mJ/cmでパルス1発を照射した結果、延伸PETシート内部に微小な空洞部12が三次元周期配列した構造が観察された。このとき観察された構造は、面方向の周期は約1.5μm、奥行き方向の周期は約3.7μmであった。
以上説明したように、本実施形態の構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置によれば、三次元的な周期的強度分布を有した光を照射することで、基材11の内部に三次元的周期配列で空洞部12を形成することができる。
この空洞部12は、基材11の内部に形成されるため、発色を弱める原因となる、傷つきや汚れへの耐性を有することができる。
また、周期構造の形成が光の照射によってなされるため、大気圧下で行うことができる。しかも、前処理や後処理を行うことなく、その周期構造を形成できる。
さらに、基材11が透過性を示す光を照射して周期構造を形成するため、基材11が感光性を有していなくてもよい。
また、レーザ光照射装置20の機能として、照射パルス数やレーザ出力の調整ができればよいことから、低廉で照射光学系の調整が簡易であるレーザ光照射装置20を用いて構造体を作製できる。
さらに、三次元的な周期配列で多数の空洞部12が形成されるため、奥行き方向の周期を増やすことで、発色効率を向上させることができる。
以上、本発明の構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る構造体、構造体形成方法及びレーザ光照射装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、基材の具体例として延伸PETシートを挙げたが、基材は延伸PETシートに限るものではなく、様々な材質や形状で形成された基材を採用することができる。
本発明は、基材内部に周期構造を有する構造体に関する発明であるため、その周期構造を形成可能な材料で形成された製品などに利用可能である。
10 構造体
11 基材
12 空洞部
20 レーザ光照射装置
21 レーザ発振器
22 ビームスプリッタ

Claims (17)

  1. 球形又はカプセル型の微小な空洞部が、基材の内部において、当該基材の面方向と奥行き方向のそれぞれにほぼ等間隔で複数形成され、
    これら複数の空洞部が、光回折を起こすように、三次元的に周期配列して形成され、
    前記複数の空洞部による前記基材の面方向と奥行き方向との周期配列が、構造色を発現する規則的配列を有し、
    前記奥行き方向におけるある深さに形成された複数の空洞部のそれぞれと、次の深さに形成された複数の空洞部のそれぞれとは、当該基材を直上から見たときに重ならない位置にある
    ことを特徴とする構造体。
  2. 前記基材が、ポリエステル化合物である
    ことを特徴とする請求項1記載の構造体。
  3. 前記空洞部の周期配列が、光照射により形成された
    ことを特徴と請求項1又は2記載の構造体。
  4. 前記光が、前記基材が透過性を示す波長領域に含まれる光である
    ことを特徴とする請求項3記載の構造体。
  5. 三次元的な周期的強度分布を発生させるように、前記光が照射された
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の構造体。
  6. 前記光が、ナノ秒パルスレーザ光である
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の構造体。
  7. 0次光と四つの1次光とを含む五つの光束を交差させて干渉させた光を基材に照射して、
    前記基材の内部に、球形又はカプセル型の微小な空洞部を、三次元的な周期配列で複数形成し、
    これら複数の空洞部を、当該基材の面方向と奥行き方向のそれぞれにほぼ等間隔で形成し、前記奥行き方向におけるある深さに形成された複数の空洞部のそれぞれと、次の深さに形成された複数の空洞部のそれぞれとは、当該基材を直上から見たときに重ならない位置にあり、前記基材の面方向と奥行き方向の周期配列が、光回折を起こして構造色を発現する規則的配列を有する周期配列で形成する
    ことを特徴とする構造体形成方法。
  8. 前記基材が、ポリエステル化合物である
    ことを特徴とする請求項7記載の構造体形成方法。
  9. 前記光が、前記基材が透過性を示す波長領域に含まれる光である
    ことを特徴とする請求項7又は8記載の構造体形成方法。
  10. 三次元的な周期的強度分布を発生させるように、前記光を照射する
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の構造体形成方法。
  11. 前記光が、ナノ秒パルスレーザ光である
    ことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の構造体形成方法。
  12. 基材に光を照射するレーザ光照射装置であって、
    前記基材の内部に、球形又はカプセル型の微小な空洞部を、三次元的な周期配列で複数形成し、これら複数の空洞部を、当該基材の面方向と奥行き方向のそれぞれにほぼ等間隔で形成し、前記奥行き方向におけるある深さに形成された複数の空洞部のそれぞれと、次の深さに形成された複数の空洞部のそれぞれとは、当該基材を直上から見たときに重ならない位置にあり、前記基材の面方向と奥行き方向の周期配列が、光回折を起こして構造色を発現する規則的配列を有するように、照射パルス数及び/又はレーザ出力を調整する機能を有するレーザ発振器と、
    このレーザ発振器からの光を0次光と四つの1次光とを含む五つの光束に分割するビームスプリッタと、
    前記五つの光束を集光し、前記五つの光束が交差し干渉した領域で前記基材に光照射する集光素子とを備えた
    ことを特徴とするレーザ光照射装置。
  13. 前記光が、ナノ秒パルスレーザ光である
    ことを特徴とする請求項12記載のレーザ光照射装置。
  14. 前記集光素子は、前記五つの光束を集光し、前記五つの光束が交差し干渉した領域で、三次元的な周期的強度分布を有する光を発生させて、前記基材に照射する
    ことを特徴とする請求項12又は13記載のレーザ光照射装置。
  15. 前記ビームスプリッタで分割された光束を通すコリメータ素子と、
    前記コリメータ素子を通過した光束が焦点を結ぶ位置に置かれ、前記複数の光束のうち干渉に不必要な光束を遮り、必要な光束のみを通過させる光束選択素子とを備えた
    ことを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載のレーザ光照射装置。
  16. 前記ビームスプリッタは、前記各光束の強度を調節する透過型回折格子である
    ことを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載のレーザ光照射装置。
  17. 前記透過型回折格子の微細パターンと前記光の波長との組み合わせによって、各光束の強度を調節する
    ことを特徴とする請求項16記載のレーザ光照射装置。
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