JP5434577B2 - 変位センサ装置及び転がり軸受装置 - Google Patents

変位センサ装置及び転がり軸受装置 Download PDF

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Description

本発明は、回転体等を検出対象物として、その変位を検出する変位センサ装置及びこれを用いた転がり軸受装置に関する。
金属製対象物の変位を検出する変位センサ装置においては、積層鋼板の鉄心にコイルを巻いたセンサが使用されてきた。このような変位センサ装置では、対象物の変位を、インダクタンスの変化として捉えることができる。しかし、このようなセンサの構成は、体積・重量が大きく、構成部品数も多いので、材料コストが高く、組立工数も多い。
一方、フレキシブルプリント基板と呼ばれる柔軟で薄い基板の平面上に、渦巻状のコイルを構成し、インダクタとしたものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。このような平面コイルの構造は、積層鋼板にコイルを巻く構造に比べて、軽量・コンパクト化に大きく寄与するものと期待される。
一方、近年、自動車の分野においては、走行の際の運転制御を行うために、車輪に作用する荷重の情報が必要とされている。かかる情報を得るため、車輪用の転がり軸受装置(ハブユニット)に変位センサ装置が設けられる(例えば、特許文献3参照。)。この変位センサ装置として、上述の平面コイルを使用したものを採用する場合、その薄さを生かして内外輪間の隙間に配置することが可能である。すなわち、このような変位センサ装置は、例えば固定輪である外輪に取り付けられ、車輪と共に回転する内軸の変位を検出する。
フレキシブルプリント基板は薄くて柔らかいので、これを所定形状に保持するための骨格となる支持部(ハウジング)が必要である。通常、コイルは、周方向へ90度間隔で4組配置され、それぞれが内軸に近接して対向する。コイルの位置は検出の精度に影響するため、コイルのある基板部分を沿わせるための4箇所の平面と、それらの間の平面とを含む、多角形の内周形状となっているリング状の支持部が使用される。
また、フレキシブルプリント基板には、コイルと電気的に接続される電子部品も実装可能である。このような電子部品は、コイルの設けられていない箇所の、フレキシブルプリント基板の内面上に実装される。こうして、コイル及び必要な電子部品による電子回路を搭載したフレシキブルプリント基板を支持部によって保持した、薄く、コンパクトな変位センサ装置を作製することができる。
特表2006−509189号公報(図1) 特開2005−303106号公報(段落[0005]) 特開2007−127253号公報
上記のような変位センサ装置において、電子部品は、コイルの設けられていない箇所の、フレキシブルプリント基板の内面上に実装される。しかしながら、電子部品と検出対象物としての回転体との間に十分な径方向隙間がないので、回転体との接触によって電子部品が損傷を受ける場合がある。一方、フレキシブルプリント基板と回転体との径方向隙間を一様に大きくすると、コイルと回転体との距離も大きくなるので、感度が悪くなり、変位検出の機能が損なわれる。
かかる従来の問題点に鑑み、本発明は、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止する変位センサ装置及びこれを用いた転がり軸受装置を提供することを目的とする。
(1)本発明は、検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、前記検出対象物のまわりを取り囲むフレキシブルプリント基板と、前記フレキシブルプリント基板に設けられ、導電部を渦巻状に形成して成り、渦巻面が前記検出対象物と対向するコイルと、前記フレキシブルプリント基板上に実装され、前記コイルと電気的に接続された電子部品と、前記コイルを内方に向けて露出させ、かつ、前記電子部品を外方に向けた状態で、前記フレキシブルプリント基板を沿わせて支持する全体としてリング状若しくは枠状の支持部とを備え、前記フレキシブルプリント基板は前記支持部の外周側に装着されるベルト状の回路基板部を有し、当該回路基板部が前記支持部の外周側に装着された状態で前記コイルが前記支持部を介して前記内方に向けて露出する状態となるものである。
上記のように構成された変位センサ装置では、支持部に沿って支持されたフレキシブルプリント基板において、コイルは、内方に向けて露出させた状態にあるので、検出対象物に近接して対向させることが容易である。電子部品は逆に、外方に向けられた状態にあるので、検出対象物との接触を避けるには好適な配置である。
一方、フレキシブルプリント基板の回路基板部は、支持部の内周側ではなく外周側にあるので装着が容易である。また、装着のために支持部の外周面に加工を施すことは、内周面に加工を施すことよりも容易である。さらに、回路基板部と検出対象物との間に支持部があるので、回路基板部に検出対象物が接触することを防止し、また、グリース・金属摩耗粉等による回路基板部の汚損を防止することができる。
)また、上記(1)の変位センサ装置において、フレキシブルプリント基板は、回路基板部の長手方向と直交する方向に細片状に突出して形成され、コイルが設けられた複数のコイル基板部を有し、各コイル基板部を支持部の内周側に折り返すことによりコイルを内方に向けて露出させる構成であってもよい。
この場合、回路基板部は外周側にあっても、コイル基板部は内周側への折り返しによって検出対象物に近接して対向させることができる。
)また、上記(1)の変位センサ装置において、コイルが配置される箇所の支持部には内外貫通の窓が形成されていることにより、当該窓を通じて、コイルを内方へ向けて露出させている構成であってもよい。
この場合、フレキシブルプリント基板を単に支持部の外周側の所定位置に装着すれば、窓を通じてコイルを内方へ向けて露出させることができる。
)また、上記()の変位センサ装置において、窓にコイルを臨ませる箇所でのフレキシブルプリント基板の外側に沿わせるように平板が取り付けられていてもよい。
この場合、コイルが設けられた基板部分を平板の平面に沿わせることで、検出の精度を安定させることができる。
)また、上記()又は()の変位センサ装置において、支持部の外周側の複数箇所に平面部が形成され、当該平面部に電子部品が配置されるようにしてもよい。
この場合、電子部品は、平面部上で、曲げずに支持されるので、半田のはがれを防止することができる。
)また、上記()〜()のいずれかの変位センサ装置において、支持部はリング状であり、その軸方向両端に鍔状部が設けられていてもよい。
この場合、フレキシブルプリント基板を鍔状部で位置決めすることができ、基板の装着が容易である。
)また、上記(1)の変位センサ装置において、フレキシブルプリント基板は展開するとベルト状であり、その一端から長手方向へ電子回路の引出し部が形成されている、という構成であってもよい。
この場合、引出し部も含めて基板全体が一方向に長い単純な形状となるので、基板材料から効率よく作製することができる。すなわち、歩留まりが良い。
)一方、本発明の転がり軸受装置は、上記(1)〜()のいずれかに記載の変位センサ装置を固定輪側に取り付けて、検出対象物としての回転体の変位を検出するものとすることができる。
このような転がり軸受装置における変位センサ装置は、検出対象物である回転体の変位を検出する機能を確保しつつ、回転体と電子部品との接触を防止することができる。
本発明の変位センサ装置によれば、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止することができる。このような変位センサ装置は、回転体を検出対象物としてその変位を検出する転がり軸受装置の一部とすることができる。
本発明の変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。 LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。 コイルの巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。 (a)は基板形センサの展開図、(b)は基板形センサを円筒状に丸めた状態を示す斜視図である。 丸めた状態のフレキシブルプリント基板を円筒状の支持部の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。 (a)は、支持部の図示を省略して、フレキシブルプリント基板の内側に回転体が挿通されている状態の基板形センサを示す斜視図であり、(b)は、これを回転体の軸方向から見た図である。 基板形センサのコイルに信号処理回路を接続した変位センサ装置の回路構成の一例を示す回路図である。 転がり軸受装置の一種であるハブユニットの断面図である。 第1実施形態に係る変位センサ装置における、フレキシブルプリント基板の展開図及び、フレキシブルプリント基板に搭載されるコイルその他のセンサ回路要素の回路図との対応関係を示す図である。 第1実施形態に係る変位センサ装置における支持部の斜視図、及び、支持部に装着されたフレキシブルプリント基板が、どのような形態となっているかを示す斜視図である。 フレキシブルプリント基板を支持部に装着することにより完成した状態の第1実施形態に係る変位センサ装置を示す斜視図である。 第2実施形態に係る変位センサ装置における、フレキシブルプリント基板の展開図である。 第2実施形態に係る変位センサ装置における、支持部及びフレキシブルプリント基板の斜視図である。 フレキシブルプリント基板を支持部に装着することにより完成した状態の第2実施形態に係る変位センサ装置を示す斜視図である。 第3実施形態に係る変位センサ装置における支持部を示す図であり、(a)は側面図、(b)は、(a)におけるB−B線断面図である。 第3実施形態に係る変位センサ装置における、フレキシブルプリント基板の両面図である。 第3実施形態に係る変位センサ装置において、フレキシブルプリント基板を支持部に装着した状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図、(c)は内周側からコイルの周辺を見た図である。 第4実施形態に係る変位センサ装置における、フレキシブルプリント基板の両面図である。 第4実施形態に係る変位センサ装置において、支持部にフレキシブルプリント基板を装着した状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるD−D線断面図である。 フレキシブルプリント基板を、基板材料から切り取る(打ち抜く)要領を示す図である。 第4実施形態の変位センサ装置における支持部を、スピンドル装置の先端に取り付ける部材と共用化した例であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が(a)におけるC−C線断面図である。
《原理》
図1は、本発明の変位センサ装置に使用する平面コイルの原理を説明する図である。この平面コイル1は、(a)に示すように、フレキシブルプリント基板(FPC)2上に、導電部を渦巻状に形成して成るコイル3を設けたものである。このような平面コイル1は、例えばポリイミド製の基板に銅やアルミニウム等の金属箔が貼着されたフレキシブルプリント基板からエッチングを行って、渦巻のパターンを残すことにより製作することができる。なお、コイル3の渦巻中心の端部は、例えばスルーホールで裏面へ導出することができる。コイル3は、渦巻のターン数(渦を巻いている回数)、コイルの断面積、コイルの長さ等に依存するインダクタンスLを有するが、ターン数は2乗で関与するため、最も支配的な要素である。従って、ターン数を確保することによって、所望のインダクタンスを得ることが可能である。
(b)は、平面コイル1を、変位の検出対象物4と近接対向させた状態を示す斜視図である。検出対象物4は金属製(例えば鉄系金属)であり、導電性を有する。コイル3のインダクタンスは、この検出対象物4によって影響を受ける。また、交流信号に対して、コイル3のパターンと検出対象物4との間に、パターン面積や相互間の距離に依存したキャパシタンスが現れる。従って、このような平面コイル1は、等価的に、(c)に示すような並列のLC回路となる。ここで、インダクタンスLやキャパシタンスCの値は、検出対象物4と平面コイル1とのギャップによって変化する。
上記ギャップが増大すると、交流信号に対するインダクタンスL及びキャパシタンスCが共に低下し、逆に、ギャップが減少すると、インダクタンスL及びキャパシタンスCが共に上昇する。従って、ギャップの変化により、LC回路の自己共振周波数f(=1/(2π(L・C)1/2))が変化する。
図2は、LC回路の周波数特性の一例を示すグラフである。周波数特性は、例えば自己共振周波数f1でピークとなる実線の曲線であるが、自己共振周波数が低下してf2になると、周波数特性は破線の曲線となる。この結果、LC回路に一定の発振周波数f0を供給している場合において、LC回路の出力(振幅)は、V1からV2に変化する。このようにして、ギャップの変化を出力の変化として検出することができる。
図3は、コイル3の巻き方の他の例(実用的な例)を示す斜視図である。この例では、フレキシブルプリント基板2の表裏両面に、コイル3が設けられ、スルーホールの導電路5を介して互いに接続されている。なお、図を見易くするために2つのコイル3を互いに上下に引き離して表しているが、実際には、薄いフレキシブルプリント基板2を挟んで背中合わせになっている。なお、フレキシブルプリント基板2を複数枚重ねて、導電体のパターンを設ける層を複層化することも可能である。
2つのコイル3は、同じ方向(例えば上方)から見ると互いに逆の渦巻であるが、電流という視点から見ると、同じ方向に巻いている。すなわち、仮に、上のコイル3の外側の巻端から電流が流れ込むとすると、電流は右巻きに渦の中心へ向かい、下のコイル3に抜けると、今度は、右巻きに渦の外側へ向かい、下のコイル3の外側の巻端に達する。従って、電流は常に右巻きに流れており、右巻きのターン数が累積される。電流が逆に流れるときは、電流は常に左巻きに流れ、左巻きのターン数が累積される。このようにして、厚さ方向には極めて薄い平面コイル1でありながら、コイル3は全体として多くのターン数を確保することができる。従って、所望のインダクタンスを容易に得ることができる。
《原理的構成》
次に、上記のような平面コイル1を複数個使用した基板形センサの原理的構成について説明する。
図4の(a)は、基板形センサ10の展開図である。この基板形センサ10においては、フレキシブルプリント基板2上に、4個のコイル3(総称符号)が2段に、合計8個設けられている。なお、図ではコイル3を簡略化して同心円のように描いているが、実際は、図1や図3に示したような渦巻である(以下、同様。)。
ここで、各コイル個別の符号は、後述の回転体の軸方向をY方向とした場合に、Y方向に直交し、かつ、互いに直交するX方向・Z方向に対応し、数字はY軸上の組番号、+、−はX,Z方向の組を表している。すなわち、変位を検出するためのコイルの組み合わせは、以下のようになる。
X方向変位:(X1+,X1−)、(X2+,X2−)
Z方向変位:(Z1+,Z1−)、(Z2+,Z2−)
各コイル3における2つの巻端(図示せず。)は、フレキシブルプリント基板2の表裏両面の導電路6を経て、端子電極部2aに導出されている。
このような基板形センサ10を円筒状に丸めると、(b)に示すようになり、コイルX1+及びX1−、並びに、X2+及びX2−は、それぞれ、X方向に2個1組の存在となる。また、コイルZ1+及びZ1−、並びに、Z2+及びZ2−は、それぞれ、Z方向に2個1組の存在となる。また、上段側及び下段側の各4個のコイルは、周方向の位相90度ごとに配置されている。
図5は、丸めた状態のフレキシブルプリント基板2を支持し、かつ、その円筒形状を維持すべく、円筒状の支持部11の内周面上に取り付ける状態を示す斜視図である。支持部11は、樹脂製であってもよいが、ここでは金属製とする。金属製の場合、機械的強度を容易に確保することができるので、樹脂製に比べて薄肉の支持部とすることができる。このことは、コンパクト化に寄与する。なお、支持部が金属製であっても、高周波信号(100kHz〜500kHz)でLC回路を駆動することにより、変位検出に影響がないことが確認された。
支持部11の内周面に固定されたフレキシブルプリント基板2の内側には、径方向の微小な隙間を確保して、検出対象物としての回転体12が挿入される。この回転体12とは例えば自動車の車軸である。その場合、支持部11は転がり軸受装置の固定輪に取り付けられ、回転輪に回転体(車軸)12が取り付けられている。そして、上記の隙間は、転がり軸受装置によって維持される。
図6の(a)は、支持部11の図示を省略して、フレキシブルプリント基板2の内側に回転体12が挿通されている状態の基板形センサ10を示す斜視図である。(b)は、これを回転体12の軸方向から見た図である。フレキシブルプリント基板2と回転体12の表面との間には径方向へのギャップがあり、このギャップの変化によって、前述のインダクタンスL,キャパシタンスCが変化する。従って、車輪に荷重が作用した際に発生する車軸の径方向の変位を、前述の出力の変化として検出することができる。
図7は、基板形センサ10のコイル3に信号処理回路17を接続した変位センサ装置20の回路構成の一例を示す回路図である。このような信号処理回路17は、フレキシブルプリント基板2に実装することが可能である。
各コイルは前述のように等価的にはLC回路であり、発振回路13から抵抗14を介して所定の発振周波数f0の交流信号が供給される。LC回路の出力はインピーダンス変換を行うバッファ回路(電圧フォロワ回路)15を経て、差動増幅回路16に入力される。
差動増幅回路16は、対を成す2つのLC回路からの信号電圧の差をとることで信号の線形化を行い、かつ、増幅を行う。線形化によって、回転体12の径方向への変位を正確に検出することができる。すなわち、軸方向に直交する方向にコイルを2個1組で設け、出力の差をとることで、回転体12の径方向への変位を正確に検出することができる。差動増幅後の信号は、X方向の2出力(X1,X2)と、Z方向の2出力(Z1,Z2)として出力される。これらの4出力に基づいて、ECU(図示せず。)は車輪に作用する荷重を求める。また、同じ方向の2出力に基づいて、モーメント荷重を求めることができる。
以上の変位センサ装置20によれば、コイル3のインダクタンスを、フレキシブルプリント基板2上に形成された渦巻のターン数によって確保することができるので、コイルの厚さ寸法の増大を抑制することができる。
また、コイル3の導電部と回転体12との間にキャパシタンスが現れるので、別途、回路部品としてのコンデンサを用意することなく、LC回路を構成することができる。
また、1つの基板に必要数のコイル3を設けることができ、それによって、僅か1枚のフレキシブルプリント基板2に必要な機能を集約し、検出対象物の変位を非接触で検出することができる。
《第1実施形態》
次に、転がり軸受装置の固定輪と回転輪との間に取り付けられる第1実施形態に係る変位センサ装置について説明する。
図8は、転がり軸受装置の一種であるハブユニットの断面図である。このハブユニット100は車両に取り付けられるものであり、取り付けた状態では、図8における右側が車両のアウター側(車両の外側)であり、左側が車両のインナー側(車両の内側)である。図8において、ハブユニット100の中心軸Cに沿った方向をY方向とし、これに直交する紙面に垂直な方向をX方向とし、Y方向及びX方向の双方に直交する鉛直方向をZ方向とする。従って、このハブユニット100が自動車に取り付けられた状態においてX方向は車輪の前後水平方向となり、Y方向は車輪の左右水平方向(軸方向)となり、Z方向は上下方向となる。
このハブユニット100は、主たる構造部分として、外輪101、内軸102、内輪部材103、ナット104、及び、転動体105を備えている。外輪101は、筒状部101aと、この筒状部101aの一部の外周面から径方向外方へ伸びたフランジ部101bとを有している。このフランジ部101bは、車体側の固定部材(図示せず。)に固定され、これによってハブユニット100が車体に固定される。内軸102は、外輪101内に挿通される主軸部102aと、車両アウター側にあって径方向外方へ延びるフランジ部102bとを有している。このフランジ部102bが、車輪のホイールやブレーキディスクの取付部となる。なお、円柱状の主軸部102aは、前述の回転体12(図5,図6)に相当する部分である。
内軸102の車両インナー側には、筒状の内輪部材103が外嵌され、さらに、内軸102の端部に形成された雄ねじ部102dにナット104が螺着されることにより、内輪部材103が内軸102に固定されている。転動体105は、周方向に複数個配置された玉からなる複列の構成となっている。各列の玉は保持器(図示せず。)によって周方向に所定間隔で保持されている。
このハブユニット100において、外輪101は、車体側の固定部材に固定される固定輪である。また、内軸102と内輪部材103とは、外輪101に転動体105を介して回転自在に支持された回転輪である。外輪101、内軸102及び内輪部材103は、互いに同軸(中心軸C)に配置されている。
このように構成されたハブユニット100においては、外輪101の内周面上に取り付けられた変位センサ装置20により、検出対象物である内軸102(主軸部102a)の変位を非接触で検出することができる。この場合、固定輪たる外輪101と、回転輪たる内軸102の主軸部102aとの間の狭い径方向隙間に、変位センサ装置20を設けることができる。
図9〜11は、第1実施形態に係る変位センサ装置20を示す図であり、図9はフレキシブルプリント基板22の展開図及び、フレキシブルプリント基板22に搭載されるコイルその他のセンサ回路要素の回路図との対応関係を示す図である。図10は、支持部21の斜視図、及び、支持部21に装着されたフレキシブルプリント基板22が、どのような形態となっているかを示す斜視図、図11は、フレキシブルプリント基板22を支持部21に装着することにより完成した状態の変位センサ装置20を示す斜視図である。
まず、図9において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3等のセンサ回路要素を含む横長・長方形の基板本体22aと、この基板本体22aから上下にそれぞれ延伸して形成された合計13片の止め代部22bと、中央上部から上方へ延伸して形成された引出し部22cとを一体に有するものである。
基板本体22aは、複数種類の領域a1〜a4を有している。4つの領域a1にはそれぞれ図4の要領で一対のコイル3が設けられ、全体で8個のコイル3(X1+,Z1+,X1−,Z1−,X2+,Z2+,X2−,Z2−)が設けられている。これらのコイル3は、図の表面側(紙面側)に設けられている。一方、斜線を付した裏面側の3つの領域a2には、対応する回路図に示す電子部品(抵抗14,バッファ回路15,差動増幅器16)が実装され、回路接続用の導電路が形成されている。また、斜線を付した裏面側の6つの領域a3にも、補助的に、電子部品の実装が可能である。
残る6つの領域a4は、電子部品が実装されず、導電路のみが形成される。従って、領域a4での折り曲げが可能である。コイル3の2つの巻端は、スルーホール(図示せず。)を通って裏面側に導出されている。引出し部22cには外部回路との接続のための導電路が集約されている。なお、裏面側の表面の、少なくとも導電路の部分には、絶縁コーティングが施される。
一方、止め代部22bは、フレキシブルプリント基板22を支持部21(図10)に固定するにあたっての、ねじやリベット等の止め具23(図10)による固定の用に供する部位である。各止め代部22bには、丸孔hが形成されている。
次に、図10において、支持部21は、内周は多角形(本例では8角形)で、外周は円筒となる全体としてはリング状の物体(リング体)である。この支持部21は、前述の支持部11と同様に金属製で、具体的には、温度特性を合わせる観点から、外輪101(図8)と同じ鉄系材料が好ましい。支持部21には、周方向へ規則的にポケットが形成されている。本例では、内外貫通の大きいポケット21aが周方向に90度ごとに、8角形の1辺の範囲内で形成されている。また、内外貫通の一対の小さなポケット21bが、周方向に90度ごとに、8角形の1辺の範囲内で形成されている。一対の小さなポケット21bの間に残る平面部21cは、コイル3の取り付け面となる。支持部21の軸方向の両端面には、止め具23の取り付け孔21dが形成されている。
フレキシブルプリント基板22の基板本体22aは、前述の領域a4(図9)を折り曲げ箇所として、開いた多角形状に折り曲げられ、支持部21の内周側に装着される。また、止め代部22b及び引出し部22cは、外側へ折り曲げられる。折り曲げられた止め代部22bの孔h(図9)には止め具23が通され、取り付け孔21dに固定される。こうして、図11に示すように、フレキシブルプリント基板22が支持部21に固定される。電子部品E1,E2は、フレキシブルプリント基板22の外側にあって、外方へ少し突出しているが、それぞれ、ポケット21a,21bへ収容されることにより、フレキシブルプリント基板22を内方へ膨らませることなく装着することができる。
上記のように構成された変位センサ装置20では、支持部21に沿って支持されたフレキシブルプリント基板22において、コイル3は、内方に向けて露出させた状態にある。従って、コイル3を、検出対象物(図8の主軸部102a)に近接して対向させることが容易である。電子部品E1,E2は逆に、外方に向けられた状態にあるので、検出対象物との接触を避けるには好適な配置である。従って、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止することができる。また、コイル3が設けられた基板部分は平面部21cに張り付くように取り付けられる。これにより、コイル3による検出の精度を安定させることができる。
また、電子部品E1,E2による外方への突出部位はポケット21a,21bに収容されるので、フレキシブルプリント基板22を、内方へ膨らませることなく装着することができる。しかも、ポケット21a,21bを多数形成することにより支持部21の体積が大幅に減少し(例えば約半減)、支持部21の軽量化に寄与する。また、ポケット21a,21bに収容されることで電子部品E1,E2を保護することができるので、支持部21が保護機能も発揮する。すなわち、保護用の部材を別途設けなくても、支持部21によって電子部品を保護することができる。
なお、ポケット21a,21bの配置は、電子部品を収容するか否かにかかわらず、回点対称な配置を基本形とする。これにより、支持部21の熱膨張及び、コイル3の磁場を、径方向の対向部間で均一にすることができる。
なお、上記実施形態ではポケット21a,21bは貫通孔であるが、これらのポケット21a,21bは、必ずしも内外貫通していなくてもよく、外方に底のある内方からの凹みであってもよい。但し、内外貫通して抜けている方が、支持部21の軽量化には、より好適である。
《第2実施形態》
次に、第2実施形態に係る変位センサ装置について説明する。なお、例えば転がり軸受装置に取り付けられる変位センサ装置である点は、第1実施形態と同様である。
図12〜14は、第2実施形態に係る変位センサ装置20を示す図であり、図12はフレキシブルプリント基板22の展開図、図13は、支持部21及びフレキシブルプリント基板22の斜視図、図14は、フレキシブルプリント基板22を支持部21に装着することにより完成した状態の変位センサ装置20を示す斜視図である。なお、図12において、フレキシブルプリント基板22に搭載する電子回路は第1実施形態と同様であるので、回路図は省略している。
第1実施形態との主な違いは、フレキシブルプリント基板22を支持部21の外周側に装着する点と、フレキシブルプリント基板22の一部を外周側から内周側へ折り返す点である。まず、図12において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3以外のセンサ回路要素を含むベルト状の回路基板部22eと、この回路基板部22eの4箇所から紙面の下方へそれぞれ細片状に延伸して形成された合計4片のコイル基板部22dと、長手方向の一端部(図の右端)から少し幅を狭くして延伸するように形成された引出し部22cとを一体に有するものである。各コイル基板部22dの表面側(紙面側)には、コイル3が設けられている。コイル3と同じ表面側における、斜線を付した4つの領域a2には、電子部品が実装される。すなわち、第1実施形態とは異なり、フレキシブルプリント基板22の展開状態では、コイル3と電子部品とは、互いに同一の面に設けられる。
次に、図13において支持部21は、全体としては概ねリング状の物体(リング体)であるが、詳細には、内周が略円筒である筒体部21tの外周は、多角形と円弧とを組み合わせたような断面形状となっている。すなわち当該筒体部21tは、周方向に90度ごとに設けられる4箇所の平面部21eと、平面部21eに対して45度ずれて、かつ、同様に90度ごとに設けられる平面部21fと、これらの平面部21e,21fの残りの部分としての8箇所の円筒面部21gとによって構成されている。また、筒体部21tの軸方向両端には、鍔状部21h,21iが形成されている。一方の鍔状部21hには、平面部21eに対応する周方向に90度ごとの位置で切り欠くスリット21jが形成されている。また、各スリット21jに対応する周方向位置の内周側に、浅い溝21kが形成されている。
フレキシブルプリント基板22は、領域a2が平面部21eの真上にくるように、支持部21の筒体部21tに巻き付けられ、引出し部22cを除いて、支持部21に接着される。このとき、4箇所のコイル基板部22dをスリット21jに通すことで周方向へのフレキシブルプリント基板22の位置決めとなり、また、一対の鍔状部21h,22iの存在は、軸方向への位置決めに寄与する。従って、装着が容易である。また、8箇所の円筒面部21gの存在によって、フレキシブルプリント基板22の曲げが容易となり、曲げ易くするための工夫(例えば折り曲げ部分を薄くして曲げ易くする。)は特に不要である。
スリット21jに通されたコイル基板部22dは内周側に折り返され、溝21k上に接着される。こうして、図14に示すようにフレキシブルプリント基板22が支持部21に装着される。スリット21jから側面に露出しているフレキシブルプリント基板22や、コイル基板部22dの内周面には、樹脂モールドが施される。これにより、コイル基板部22dをグリース・金属摩耗粉等から保護することができる。
上記第2実施形態の変位センサ装置20では、フレキシブルプリント基板22の回路基板部22eが支持部21の内周側ではなく外周側にあるので装着が容易である。また、装着のために支持部21の外周面に加工を施すことは、内周面に加工を施すことよりも容易である。かかる容易さによって、製造が容易となり、コスト低減にも寄与する。
一方、電子部品Eは逆に、外方に向けられた状態にあるので、検出対象物(図8の主軸部102a)との接触を避けるには好適な配置である。従って、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止することができる。
また、回路基板部22eと検出対象物との間に支持部21があるので、回路基板部22eに検出対象物が接触することを確実に防止し、グリース・金属摩耗粉等による回路基板部22eの汚損を防止することができる。さらに、鍔状部21h,21iは同様に汚損防止に寄与する他、電子部品の保護にも寄与する。
一方、回路基板部22eは外周側にあっても、コイル基板部22dは内周側への折り返しによって検出対象物に近接して対向させることができる。折り返されたコイル基板部22dは、樹脂モールドによってグリース・金属摩耗粉等による直接の汚損を防止することができる。
また、電子部品Eが、平面部21e(図13)上で、曲げずに支持されることによって、半田のはがれを防止することができる。
《第3実施形態》
次に、第3実施形態に係る変位センサ装置について説明する。なお、例えば転がり軸受装置に取り付けられる変位センサ装置である点は、第1実施形態と同様である。
図15〜17は、第3実施形態に係る変位センサ装置20を示す図である。まず、図15は支持部21を示す図であり、(a)は側面図、(b)は、(a)におけるB−B線断面図である。
支持部21は、全体としては概ねリング状の物体(リング体)であるが、詳細には、内周が略円筒である筒体部21tの外周は、(b)に示すように多角形(ここでは8角形)の断面形状となる。すなわち当該筒体部21tは、周方向に90度ごとに設けられる4箇所のコイル装着部21mと、このコイル装着部21mとは45度ずれて、かつ、同様に90度ごとに設けられる平面部21nとによって構成されている。各コイル装着部21mの中央には内外貫通の窓21pが形成され、この窓21pの周方向両側には平面部21qがあり、取り付け孔21rが形成されている。また、筒体部21tの軸方向両端には、鍔状部21sが形成されている。
次に、図16の(a)、(b)は、フレキシブルプリント基板22の両面図である。なお、フレキシブルプリント基板22に搭載される電子回路は第1実施形態と同様であるので、回路図は省略している。
図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3及びセンサ回路要素を含むベルト状の回路基板部22fと、長手方向の一端部(図の左端)から少し幅を狭くして延伸するように形成された引出し部22cとを一体に有するものである。また、コイル3が設けられている面を表面側とすると、コイル3の裏面側には平板24(例えば薄い金属板)が接着されている。平板24の2箇所に設けられた貫通孔24aは、フレキシブルプリント基板22の孔22gと同じ位置にある。裏面側における、斜線を付した3つの領域a2には、電子部品(図示せず。)が実装される。
図17は、フレキシブルプリント基板22を支持部21に装着した状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図(但し、フレキシブルプリント基板22の断面のハッチングは省略している。)、(c)は内周側からコイル3の周辺を見た図である。
図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3が窓21pに来るように、また、領域a2が平面部21n(図15)の真上にくるように、支持部21の筒体部21tに巻き付けられる(但し、引出し部22cを除く。)。このとき、一対の鍔状部21sの存在は、フレキシブルプリント基板22の、軸方向への位置決めに寄与するので、装着が容易である。そして、ねじやリベット等の止め具25を平板21の貫通孔24a(図16)から挿入して支持部21の取り付け孔21rに固定する。
こうして、図17に示すように支持部21の筒体部21tの外周に沿ってフレキシブルプリント基板22を、取り付けることができる。フレキシブルプリント基板22の外周側にある領域a2(3箇所)は外方へ露出しており、電子部品が実装される領域となっている。電子部品は、変位センサ装置20の軸方向には鍔状部21sで保護される。また、電子部品の表面は必要により樹脂モールド又はコンフォーマルコーティングが施され、保護される。
図17の(c)に示すように、コイル3は窓21pから内方へ露出している。また、支持部21の径方向に互いに対向するコイル3同士の距離は、支持部21の内径(直径)と同じである。
上記第3実施形態の変位センサ装置20では、フレキシブルプリント基板22の回路基板部22eが支持部21の内周側ではなく外周側にあるので装着が容易である。また、装着のために支持部21の外周面に加工を施すことは、内周面に加工を施すことよりも容易である。一方、領域a2に実装される電子部品は逆に、外方に向けられた状態にあるので、検出対象物(図8の主軸部102a)との接触を避けるには好適な配置である。従って、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止することができる。
また、回路基板部22eと検出対象物との間に支持部21があるので、回路基板部22fに検出対象物が接触することを確実に防止し、グリース・金属摩耗粉等による回路基板部22fの汚損を防止することができる。一方、回路基板部22fは外周側にあっても、コイル3は、窓21pを通じて内方へ露出しているので、検出対象物に近接して対向させることができる。また、コイル3が設けられた基板部分を平板24に沿わせることで、コイル3の支持剛性を確保し、検出の精度を安定させることができる。
また、電子部品が、支持部21の平面部21n(図15)上で、曲げずに支持されることによって、半田のはがれを防止することができる。
また、上記第3実施形態に係る変位センサ装置は、第2実施形態と比較すると、コイルの部分を折り返す、という作業が不要であり、単に装着すればコイルは内方に露出するので、さらに製造容易となり、コスト低減にも寄与する。
また、窓を設けるコイル装着部21mは径方向の厚さが平面部21qにのみ必要で中央には必要が無いので、薄くすることができる。しかも、このような支持部21は、第1実施形態のような(図10)軸方向端面から止め具23を固定する孔21dを必要としない。従って、第3実施形態の構成は、支持部21全体の薄肉化にも寄与する。
《第4実施形態》
次に、第4実施形態に係る変位センサ装置について説明する。この変位センサ装置は、例えばスピンドル装置に取り付けられる点で、既述の各実施形態とは異なる。
図18〜20は、第4実施形態に係る変位センサ装置20を示す図である。まず、図18の(a)、(b)は、フレキシブルプリント基板22の両面図である。なお、フレキシブルプリント基板22に搭載される電子回路は第1実施形態と同様であるので、回路図は省略している。
図において、フレキシブルプリント基板22は、コイル3及びセンサ回路要素を含むベルト状の回路基板部22fと、長手方向の一端部(図の左端)から少し幅を狭くして延伸するように形成された引出し部22cとを一体に有するものである。また、コイル3が設けられている面を表面側とすると、電子部品(図示せず。)は(b)に示す裏面側の斜線の領域a2に実装される。(a)に示す点線の箇所で折り曲げる(谷折りする。)ことにより、コイル3を内方に向けて、四角形の回路基板部22fを構成することができる。なお、折り曲げる部分を他の部分より薄くすることにより、剛性差を設けると、容易に折り曲げることができる。薄くするには、例えば、他の部分が4層であれば、折り曲げ部分を2層にすることにより層数を減らすか、又は、他の部分が25μmであれば折り曲げ部分をその半分の12.5μmに薄くすればよい。
図19は、支持部21にフレキシブルプリント基板22を装着した状態を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は正面図、(d)は(b)におけるD−D線断面図である。
支持部21は、全体としては概ねリング状の物体(リング体)であるが、詳細には、一対の端面部21uと、これらを軸方向に繋ぐ4本の支柱部21vとによって構成されている。端面部21uは、外周が円形で、内周が四角形の四隅を丸めたような形状となっている。支柱部21vは、端面部21uの周方向に90度間隔で配置されている。支柱部21vの内面(内方へ向いている面)は平面である。周方向における支柱部21vの間の空間は、フレキシブルプリント基板22やそこに実装された電子部品を受け入れるポケット空間でもある。
フレキシブルプリント基板22は、(d)に示すように、回路基板部22f(図18)を四角形に折り曲げた状態で支柱部21vの表面に接着される(接着層26)。引出し部22cは、四角形の隅から外方へ延び出ている。コイル3は、周方向において支柱部21vと同じ意位置にあり、径方向に互いに対向している。フレキシブルプリント基板22の外周側にある領域a2は外方へ露出しており、(a)に示すように、電子部品Eが実装される領域となっている。一対の端面部21uは、フレシキブルプリント基板22の装着溝を構成するとともに、電子部品Eを保護する機能も有している。
図20は、図18に示すようなフレキシブルプリント基板22を、基板材料(フィルム)30から切り取る(打ち抜く)要領を示す図である。フレキシブルプリント基板22は図18に示すように、回路基板部22fから引出し部22cへ横長の単純な形状である。従って、例えば図9,図12に示すように引出し部22cが全体の長手方向と直交する方向へ延びている形状に比べて、基板材料30から効率よく作製することができる。すなわち、歩留まりが良い。なお、この点に関しては、第3実施形態のフレキシブルプリント基板(図16)も同様に歩留まりが良い。
図21は、上記第4実施形態の変位センサ装置20における支持部21を、スピンドル装置の先端に取り付ける部材と共用化した例であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が(a)におけるC−C線断面図である。この支持部21は、スピンドル装置の先端で高速回転する主軸27のまわりに装着される部材であり、円筒部21wと、フランジ部21yとを備えている。フランジ部21yは、ボルトによって、スピンドル装置本体に取り付けられる(図示せず。)。
円筒部21wの1箇所には孔21xが形成されており、引出し部22cは、この孔21xから周方向へ引き出される。(c)に示すように、円筒部21wにフレキシブルプリント基板22の四隅が当接した状態が取付の定位置であるようにすれば、装着時の位置決めが容易である。
上記のような第4実施形態の変位センサ装置20(図19,21)は、第1〜3実施形態と同様に、コイル3を内方に向けて露出させ、電子部品Eを外方に向けられた状態にあるので、検出対象物の変位を検出する機能を確保しつつ、検出対象物と電子部品との接触を防止することができる。
また、フレキシブルプリント基板22を四角形にして装着することで、八角形よりも簡素な形となる。さらに、電子部品を実装する平面を容易に確保することができる。
《その他》
なお、上記各実施形態における変位センサ装置20は、転がり軸受装置やスピンドル装置のみならず、検出対象となる物体(特に回転体)の変位を検出する装置として広く使用可能である。
また、このような変位センサ装置は、回転体以外の検出対象物にも適用可能である。例えば、軸方向へ移動する直動軸部材の径方向への微小な変位を検出する場合に、適用可能である。このような場合の支持部は、必ずしもリング状でなくてもよく、直動軸部材の外形状に合わせた枠状であってもよい。
また、上記各実施形態において、フレキシブルプリント基板22のコイル3は、2個1組で周方向へ4等配に設けられているが、これは出力の必要性に対応したもので、コイルの数や配置は、図示したものに限定されない。
2:フレキシブルプリント基板、3:コイル、4:検出対象物、11:支持部、12:回転体、20:変位センサ装置、21:支持部、21a、21b:ポケット、21c:平面部、21h、21i:鍔状部、21p:窓、21s:鍔状部、22:フレキシブルプリント基板、22d:コイル基板部、22e:回路基板部、22f:回路基板部、24:平板、100:ハブユニット(転がり軸受装置)、101:外輪(固定輪)、102a:主軸部(回転体)、E,E1,E2:電子部品

Claims (8)

  1. 検出対象物の変位を非接触で検出する変位センサ装置であって、
    前記検出対象物のまわりを取り囲むフレキシブルプリント基板と、
    前記フレキシブルプリント基板に設けられ、導電部を渦巻状に形成して成り、渦巻面が前記検出対象物と対向するコイルと、
    前記フレキシブルプリント基板上に実装され、前記コイルと電気的に接続された電子部品と、
    前記コイルを内方に向けて露出させ、かつ、前記電子部品を外方に向けた状態で、前記フレキシブルプリント基板を沿わせて支持する全体としてリング状若しくは枠状の支持部とを備え
    前記フレキシブルプリント基板は前記支持部の外周側に装着されるベルト状の回路基板部を有し、当該回路基板部が前記支持部の外周側に装着された状態で前記コイルが前記支持部を介して前記内方に向けて露出する状態となることを特徴とする変位センサ装置。
  2. 前記フレキシブルプリント基板は、前記回路基板部の長手方向と直交する方向に細片状に突出して形成され、前記コイルが設けられた複数のコイル基板部を有し、
    各コイル基板部を前記支持部の内周側に折り返すことにより前記コイルを内方に向けて露出させている請求項1記載の変位センサ装置。
  3. 前記コイルが配置される箇所の前記支持部には内外貫通の窓が形成されていることにより、当該窓を通じて、前記コイルを内方へ向けて露出させている請求項記載の変位センサ装置。
  4. 前記窓に前記コイルを臨ませる箇所での前記フレキシブルプリント基板の外側に沿わせるように平板が取り付けられている請求項記載の変位センサ装置。
  5. 前記支持部の外周側の複数箇所に平面部が形成され、当該平面部に前記電子部品が配置される請求項2又は3に記載の変位センサ装置。
  6. 前記支持部はリング状であり、その軸方向両端に鍔状部が設けられている請求項2〜5のいずれか1項に記載の変位センサ装置。
  7. 前記フレキシブルプリント基板は展開するとベルト状であり、その一端から長手方向へ電子回路の引出し部が形成されている請求項1記載の変位センサ装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の変位センサ装置を固定輪側に取り付けて、前記検出対象物としての回転体の変位を検出する転がり軸受装置
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