以下、この発明を実施するための形態(以下、単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
図1は実施の形態1に係る画像形成装置の外観の状態を示し、図2はその画像形成装置の内部の構成を示している。
画像形成装置は、装置本体としての筐体1を有し、その筐体1の内部におけるほぼ中央位置にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色の現像剤(トナー)像をそれぞれ形成する4つの作像ユニット2Y,2M,2C,2Kが、所要の間隔(例えば同じ間隔)で直列状に並べた状態で配置されている。
筐体1は、複数の骨格部材、板材、外装材等の構成部材で構成されており、その外観が箱形状に似た形状(箱状)で形成されている。筐体1は、その上面部に画像が形成された記録媒体を収容する排出部11が形成されており、またその一側面部に開閉可能な外側扉12が設けられている。
4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)はいずれも感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、ドラム清掃装置24等をそれぞれ備えている。また、4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)はいずれも感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23及びドラム清掃装置24を一体にした着脱ユニットとして構成されており、後述するように筐体1(の装着部)に対して着脱自在に装着して使用できるように構成されている。
筐体1内部の作像ユニット2(Y,M,C,K)の下方側の位置には、帯電された感光体ドラム21の表面に各色成分の画像信号に対応した光L(LY,LM,LC,LK)を照射して静電潜像を形成する露光装置25が配置されている。露光装置25は、例えば、筐体の内部に、半導体レーザ等の光源と、その光源から画像信号に応じて発せられる光をポリゴンミラー、レンズ等の光学部品を通して感光体ドラム21の表面に走査して露光する光走査機器とを配置して構成されている。露光装置25の筐体には、光Lを各感光体ドラム21にむけてそれぞれ出射する出光窓が設けられている。また、露光装置25には、図示しない画像処理装置(画像入力装置を含む)から画像信号が送信される。
各作像ユニット2(Y,M,C,K)では、画像形成の要求を受けると、図示しない駆動装置からの動力が伝えられて回転する感光体ドラム21の表面を帯電ロール22により所要の電位に帯電した後、その帯電された感光体ドラム21の表面に露光装置25から各色成分の画像信号に対応した光L(LY,LM,LC,LK)を照射して各色成分の静電潜像を形成する。続いて、各感光体ドラム21の表面に形成された各色成分の静電潜像は、対応する現像装置23(Y,M,C,K)において前記4色(Y,M,C,K)のいずれかの色の現像剤で現像されることにより当該4色のトナー像としてそれぞれ形成される。
現像装置23は、収容する色の現像剤(例えば二成分現像剤)を攪拌搬送部材で攪拌して摩擦帯電させた後に現像ロール26に保持させ、その現像ロール26により現像剤を感光体ドラム21と対向する現像領域を通過させるように搬送する。現像ロール26には、図示しない給電装置から現像電圧が印加される。また、現像装置23(Y,M,C,K)には、筐体10内部の上部の位置に着脱自在に装着されるカートリッジ式の現像剤収納容器48(Y,M,C,K)にそれぞれ収容されている前記4色の現像剤が、図示しない補給搬送装置を通して個別に補給されるようになっている。
また、筐体1内部の作像ユニット2(Y,M,C,K)の上方側の位置には、各作像ユニット20で形成されるトナー像を一次転写した後に記録媒体としての記録紙Pに二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置3が配置されている。中間転写装置3は、トナー像を静電的作用により保持し得る無端状の中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31の内側に配置され、各作像ユニット2(Y,M,C,K)の各トナー像を中間転写ベルト31の外周面に一次転写させる一次転写ロール32と、中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像を記録紙Pに二次転写する二次転写ロール33とを備えている。中間転写装置3は、後述するように筐体1(の装着部)に対して着脱自在に装着されている。
中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31に回転力を伝える駆動ロール34、中間転写ベルト31に張力を付与する張力付与ロール35、中間転写ベルト31を挟んで二次転写ロール33と対向して配置されるバックアップロール36等の支持ロールに掛け回されており、矢印で示す方向に回転する。一次転写ロール32は、各作像ユニット2(Y,M,C,K)の感光体ドラム21(Y,M,C,K)と中間転写ベルト31を挟んで対向して配置されており、また図示しない給電装置から所要の一次転写電圧が印加される。二次転写ロール33は、図示しない給電装置から所要の二次転写電圧が印加される。図2中の符号37は、中間転写ベルト31に付着残留するトナー等の付着物を除去するベルト清掃装置である。
中間転写装置3では、画像形成時において、作像ユニット2(Y,M,C,K)でそれぞれ形成される各色のトナー像が一次転写ロール32により中間転写ベルト31の外周面に位置合わせされた状態で順次一次転写される。中間転写ベルト31は、一次転写されたトナー像を二次転写ロール33が対向する二次転写位置まで搬送する。このとき作像ユニット2(Y,M,C,K)では、一次転写後の感光体ドラム21の表面がドラム清掃装置24により清掃される。
また、筐体1内部の露光装置25の下方の位置には、記録紙Pが収容された給紙装置40が配置されている。給紙装置40は、筐体10に対して引出し自在に取り付けられ、所望のサイズ、種類等の記録紙Pを積載した状態で収容する用紙収容体41と、用紙収容体41から記録紙Pを1枚ずつ送り出す送出装置42を備えている。給紙装置40では、画像形成時になると、所要の記録紙Pを用紙収容体41から送出装置42により1枚ずつ送り出す。
給紙装置40から送り出された記録紙Pは、用紙搬送ロール対43、搬送ガイド等で構成される搬送路Rt1を通して中間転写装置3における二次転写位置に向け、所要のタイミングで搬送されて送り込まれる。二次転写位置では、中間転写ベルト31に一次転写されたトナー像が記録紙Pに二次転写される。このとき中間転写装置3では、二次転写後の中間転写ベルト31の表面がベルト清掃装置37により清掃される。
さらに、筐体1内部の二次転写ロール33の上方の位置には、定着装置45が配置されている。定着装置45は、筐体の内部に、所要の方向に回転駆動するとともに表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱して保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体46と、この加熱回転体46の回転軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動して回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体47等を設置して構成されている。
前記二次転写位置でトナー像が転写された記録紙Pは、定着装置45の加熱回転体46と加圧回転体47の間に送り込まれて加熱及び加圧されることにより、そのトナー像が記録紙Pに定着される。定着後の記録紙Pは、用紙搬送ロール対44、搬送ガイド等で構成される搬送路Rt2を通して筐体1の外部に搬出され、最終的に排出部11に排出されて収容される。
この画像形成装置では、作像ユニット2(Y,M,C,K)の全部又は一部を選択して作動させることによりY、M、C及びKの4色の現像剤の全部又は一部を組み合わせて構成されるカラー画像を形成することができる。この他にも、例えばブラック等の1色の現像剤で構成される単色画像を形成することもできる。
次に、この画像形成装置は、4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)と中間転写装置3が筐体1に対して着脱自在に装着されるようになっており、そのため筐体1には、図3から図6に示すように4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)と中間転写装置3を着脱自在にそれぞれ装着する装着部5(Y,M,C,K)及び装着部50が設けられている。
画像形成装置では、作像ユニット2及び中間転写装置3をはじめ現像剤収納容器48等の一部の部品が着脱自在な装着構造を採用している関係から、図1に示すように筐体1の外側扉12を開放すると、現像剤収納容器48(Y,M,C,K)の一端部が外部に露出することに加え、作像ユニット2(Y,M,C,K)及び中間転写装置3の着脱作業を行うときに通過させる開口部13を開閉する内側扉14が外部に露出するように形成されている。内側扉14は、開閉操作レバー14aを操作することにより、その下部に配置したヒンジ14bを中心に揺動して開閉動する。
図3は、その内側扉14を開けた際に、装着部5、50に作像ユニット2及び中間転写装置3がそれぞれ装着されているときの状態を示している。また、図4は、内側扉14を開けた状態において、作像ユニット2及び中間転写装置3を取り外したときの装着部5、50の状態(装着スペース)を示している。図1、図3等における符号15は筐体1の一部を構成する仕切り板であり、その一部に上記開口部13が形成されているとともに内側扉14が取り付けられている。
作像ユニット2のための装着部5(Y,M,C,K)は、図5に示すように各作像ユニット2(Y,M,C,K)を支持する支持板51を備えている。この実施の形態における支持板51は、各作像ユニット2(Y,M,C,K)をそれぞれ専用に支持する4つの支持板51(Y,M,C,K)を、その各作像ユニット2の配置状態に対応させて上下方向(矢印Yに沿う方向)の高さが順次異なる階段状に並べた状態に配置した構成になっている。作像ユニット2Y,2M,2C,2Kは、この順番で高い位置の支持板51Yから次第に低い位置の支持板51M,51C,51Kに装着される。図5では、作像ユニット2Yを装着している状態を示しているため、その作像ユニット2Yを支持する支持板51Yが当該作像ユニット2Yに隠れて見えず図中に現われていない。また、図5では、便宜上、作像ユニット2Yの隣りの位置に装着する作像ユニット2Mの現像装置23Mのみを切り離して装着した状態を示している。
また、装着部5は、図5に示すように、作像ユニット2の取り付け方向A1の下流側となる装置奥側に鉛直方向(矢印Y方向)に沿った状態で設置される筐体1の仕切板16に、各作像ユニット2(Y,M,C,K)の装置奥側となる端部に配置された後述する被保持部としてのベアリング(軸受部材)をそれぞれ保持するV字形状の保持溝61(Y,M,C,K)が形成された保持板62を取り付けている。保持溝61は、装着した際の作像ユニット2どうしの間隔と等しい間隔で配置されるように形成されている。また保持溝61は、装着部5の支持板51上に装着された状態にあるときの作像ユニット2の被保持部を保持すべき高さを維持する位置に設定される。また、仕切板16には、保持板61の各保持溝62に嵌め入れられる各作像ユニット2の被保持部としてのベアリング(27)をそれぞれ各保持溝62にむけて押し付ける板ばね等で構成される押付け部材53が4つ取り付けられている。
また、装着部5は、図6に示すように、閉じた状態では筐体1の一部としても機能する内側扉14の本体板部17に対し、作像ユニット2の取り付け方向A1の上流側(取り外し方向A2の下流側)となる装置手前側の端部に配置された後述する被保持部としてのベアリング(軸受部材)をそれぞれ保持するV字形状の保持溝63(Y,M,C,K)が形成された保持板64を取り付けている。保持溝63は、装着した際の作像ユニット2どうしの間隔と等しい間隔で配置されるように形成されている。保持板64の本体板部17への取り付け等については後述する。図6において符号59は、内側扉14を閉じたときに、中間転写装置3におけるバックアップロール36の一端部(軸受部)が嵌め入れられる保持孔である。
さらに、装着部5の各支持板51(Y,M,C,K)には、図5に示すように、その上面から上方に突出する案内ピン54が設けられている。案内ピン54は、複数本(例えば3本)で構成されるものであり、作像ユニット2の着脱の際に移動する方向(両矢印Aで示す方向)に沿って一列に並べた状態で配置される。作像ユニット2の着脱の際における移動方向Aは、その感光体ドラム21の軸方向にほぼ沿うものである。この実施の形態では3本の案内ピン54を、作像ユニット2の取り付け方向(A1)手前側(開口部13に近い側)から1本目の案内ピン54aと2本目の案内ピン54Bの間隔が、2本目の案内ピン54bと3本目の案内ピン54cとの間隔よりも狭くなる条件で配置している。
一方、装着部5(Y,M,C,K)に装着する作像ユニット2(Y,M,C,K)は、図7、図8等に示すように、感光体ドラム21の軸21aを回転自在に支持する円環状のベアリング(軸受部材)27を、作像ユニットの取り付け方向A1の下流側(装置奥側)となる端部20aとその引き出し方向A2の下流側(装置手前側)となる端部20bから外部にそれぞれ突出した状態で取り付けている。ベアリング27は、その外周面(最外周面)部分27aが円筒の外周面として形成されている。また、その外周面部分27aの外側端部(角部)27bは、その外周面部分27aを保持板62,64の保持溝61、保持溝63に誘導して保持させるようにするために傾斜面として形成されている。
また、各作像ユニット2の底部を構成する底面材20cには、作像ユニット2の移動方向Aに沿って直線状に延びる案内溝55が形成されている。案内溝55は、底面材20cから下方にむけて突出する状態で形成された一対の板材(所要の間隔をあけて対向する板材)によって囲まれる間の空間として形成される。溝55の幅は、例えば案内ピン54の外観寸法(溝の幅に相当する部分の寸法)よりも1〜2mm程度広い寸法に設定される。案内溝55は、作像ユニット2を着脱する際に、装着部5の支持板51における案内ピン54が入り込み、その案内ピン54に案内される。また、案内溝55は、案内ピン54を誘い込むように溝の幅を広げた形状にした導入部55aを設けている。図6等において符号20dは、作像ユニット2の着脱作業の際に操作者が把持する取っ手部を示す。
案内溝55には、作像ユニット2が取り付け方向A1に移動して装着部5の支持板51に支持されてベアリング27が保持板62,64の保持溝61及び保持溝63にそれぞれ保持された段階で、案内溝55が3つの案内ピン54の規制から解除されて作像ユニット2の移動方向Aとほぼ直交する方向に変位自在となるように溝の壁面を切り欠いて移動空間部を確保した複数(例えば3つ)の切り欠き部56が設けられている。切り欠き部56は、3つの案内ピン54と同じ間隔をあけた位置関係で形成されている。
さらに、各作像ユニット2には、図8に示すように、現像装置23における現像ロール26の軸28(の一端部)が、その作像ユニットの取り付け方向A1の下流側となる端部から外部に突出した状態で取り付けられている。軸28は、所要の外径で形成された円柱形の本体部の先端部が丸みを帯びた先細り形状で形成されている。図8等において符号29は現像ロール26の軸28に固定された被駆動ギアであり、この被駆動ギア29もその下流側となる端部から一部が突出した状態になっている。図8等において符号201は、感光体ドラム21の軸21aを図示しない回転駆動装置の駆動軸に取り付けられた連結具(カップリング)と連結させるための連結具である。また、符号23dは現像剤収容容器48から補給される現像剤を受ける入れる受け口であり、符号23eは作像ユニット2の着脱動作に伴って移動させられて受け口23dを開閉するための開閉蓋である。
そして、この画像形成装置では、各作像ユニット2(Y,M,C,K)の装置奥側及び装置手前側の各端部20a,20bから突出した状態のベアリング27をそれぞれ支持する複数の保持溝61(Y,M,C,K),63(Y,M,C,K)が形成された2つの保持板62,64として、図9に示すように、その保持溝61,63が互いに等しい形状で形成された一対の保持板を使用している。保持溝63については、開口部のごとき全体のうち特にその下部に存在するV字状の形状部分が当該溝になる。また、図9においては、便宜上保持板64を保持板62よりも等倍で縮小した寸法で図示している。
この一対の保持板である保持板62,64は、電気亜鉛めっき鋼板等の金属材料で構成される長い板状の金属素材を、保持溝61,63等の精度が要求される加工部分を同じ金型により打ち抜いてせん断加工したものである。これにより、保持板62,64は、保持溝61,63が同じ金型で打ち抜くせん断加工により互いに等しい形状(本例ではV字状の形状)で形成された加工精度の良好な金属板として得られる。
また、保持溝61、63は、装着したときに要求される作像ユニット2どうしの間隔(図16に示すL1,L2,L3)と等しい間隔L1,L2,L3で配置されるようお互いに形成されているが、同じ金型で打ち抜くせん断加工により形成されるので、その間隔L1が互いに精度良く揃い等しいものになる。さらに、この実施の形態における保持溝61、63は、その寸法も同じ条件のもとでお互いに形成されるが、この寸法についても同じ金型によるせん断加工により形成されるので、互いにほぼ一致したものとなる。このため、本実施の形態における保持板62,64は、その保持溝61、63が互いに共通した構成のものとして製作されることになる。図9において保持板62,64における各保持溝の間隔L1,L2,L3が実際に等しい寸法で描かれていない事情は、前述した縮小図示によるものである。
図9において符号65は、作像ユニット2を装着したときに当該ユニットにおける現像ロール26の軸28(の周面)が駆動時に接触して位置決めされる接触辺部65aを有する切り欠き溝である。また、符号66は開口部、符号67a,67b,67cは開口孔を示す。この保持板62,64における各切り欠き溝65、開口部66及び開口孔67a,67b,67cについても、同じ金型で打ち抜くせん断加工により加工することで互いに等しい形状で形成することもできる。
また、保持板62,64のうち保持板62は、せん断加工した板状の金属素材における本体部62aの上端部62b及び下端部62cを同じ方向に曲げ加工した上下の折曲部62b,62cを形成している。折曲部62b,62cの折り曲げ方向は、せん断加工における打ち抜き方向とは反対の方向にしている。打ち抜き方向は、加工時における金型の通過方向である。このような方向に折り曲げていることにより、その各折曲部の存在により保持板全体の強度が増大され、それに伴い保持溝61の強度も確保される。他方の保持板64はこのような折曲部62b,62cを形成していない平板状のものであるが、要請により同じ曲げ方向の折曲部を形成したものにしてもよい。
さらに、保持板62,64は、せん断加工によりせん断した保持溝61、63等の加工部分に存在する加工バリ(71)を残存させた状態で使用されている(図17参照)。加工バリは、加工部分の端部における金型の通過方向(打ち抜き方向)の下流側に突出した状態で存在する。保持板62,64のうち加工バリが突出して存在する面側が、金型の通過方向の下流側に該当することになる。このような加工部分の加工バリを残存させた保持板62,64は、その加工バリを研磨等の手段で除去処理して使用する場合に比べて、その保持溝61、63等の加工部分における寸法精度が除去処理により低下してしまうことがなく、加工したときの寸法精度がそのまま保たれる。ちなみに、このような加工バリは、例えば肉眼観察や触診等により存在を確認することができる。
この他、保持板62,64は、その厚さD1がそれらを取り付ける仕切り板16及び内側扉14の本体板部17の厚さD2,D3よりも厚い部材(D1>D2。D1>D3)として構成されている(図17参照)。本実施の形態では、保持板62,64と仕切り板16及び本体部17とが同じ金属材料のものである場合、例えば仕切り板16及び本体部17の厚さD2,D3がいずれも「1.0mm」であるのに対し、保持板62,64の厚さD1を「1.2mm」としている。これにより、保持板62,64は、その剛性が仕切り板16及び本体板部17の剛性より高いものになり、例えば仕切り板16及び本体板部17の歪み等の影響を受けにくくなる。
このような保持板62,64は、前述したように筐体1の一部を構成する仕切り板16やその一部として使用される内側扉14の本体板部17の所要の位置に対し、図10及び図11に示すような状態で取り付けて固定されている。
保持板62は、装置奥側に配置して使用するものであり、図10に示すように、その折曲部62b,62cの先端部を、装着部5の装置奥側に配置される仕切り板16の内壁面の取り付け位置に押し当てた状態で取り付けられる。また、保持板64は、装置手前側に配置して使用するものであり、図11に示すように、内側扉14の本体板部17の装置手前側の壁面の取り付け位置に押し当てた状態で取り付けられる。保持板64は、内側扉14の開閉動作により状態が変位するが、内側扉14を閉じた状態にすることにより、装置奥側の保持板62と対向した状態で配置されて保持機能等を発揮することになる。
図10において符号18は仕切り板16に形成される感光体ドラム21のベアリング27や連結具201を通すための開口孔、符号19は仕切り板16に形成される各種の部品との接続等を行うための開口加工部である。図11において符号18は感光体ドラム21の装置手前側の端部におけるベアリング27を通すための開口孔である。保持板64は、図12に示すように、複数の開口孔18等が形成された本体板部17に対し、図中に点線で例示するように保持溝61が開口孔18の内部に存在する位置関係となる状態で取り付けられる。
また、保持板62,64のうち装置奥側に配置する保持板62は、その折曲部62b,62cの各先端部を仕切り板16の取付該当箇所に接触させてレーザ溶接等の溶接をした状態で固定されている。その溶接に際しては、保持板62を図示しない冶具により仕切り板16に所要の圧力で押し当てた状態を維持しながら溶接が行われる。ちなみに、他方の保持板64は、内側扉14の本体板部17にネジ等の固定手段で固定している。
溶接する箇所は、保持板62を歪ませることなく正常な状態で固定する要求を満たすことができる限りにおいて任意に選定することができるが、取り付ける相手側の仕切り板16における歪み等の影響を受けにくくして保持板62自体が本来のもつ形状を維持できる観点からすると可能な限り少ない数の箇所がよい。本実施の形態では、その溶接する箇所を保持板62の折曲部のうちの3箇所としている。また、溶接する3箇所については、図10に点線の丸で例示するように、保持板62の上折曲部62bにおけるほぼ中央位置となる1箇所(WP1)と、保持板62の下折曲部62cにおけるほぼ両端部の位置となる2箇所(WP2,WP3)にしている。
以下、作像ユニット2(Y,M,C,K)をその装着部5に装着するときの動作や装着したときの状態について説明する。
まず、作像ユニット2の装着部5への装着に際しては、図3等に示すように筐体1の内側扉14を開けて、作像ユニット2の装着部5(Y,M,C,K)をその開口部13を通して外部に露出させた状態にする。次いで、作像ユニット2を、その取り付け方向A1の下流側となる端部20aを先頭にした状態で持ち、開口部13を通した後に装着すべき装着部5の所定の支持板51(Y,M,C,K)上を矢印A1の方向(取り付け方向)に移動させるように押し込む。
この際、作像ユニット2は、その底面材20cにある案内溝59に対して支持板51上の3本の案内ピン54a〜54cがこの順番で入り込むことにより(図7参照)、案内溝59が移動方向Aに沿って一列に並ぶ3本の案内ピン54a〜54cに規制されつつ誘導されるので、作像ユニット2の全体が支持板52上を感光体ドラム21の軸方向に沿うように移動する。このとき作像ユニット2は、その底面板20cが支持板51に接触した状態になり、また案内溝58が3本の案内ピン54により進行方向が規制された状態になり、この結果、移動するときの姿勢(体勢)がほぼ一定した状態に保たれる。
続いて、支持板51上を取り付け方向A1に移動させられた作像ユニット2は、図13や図14に示すように、最終的に、感光体ドラム21の円環状のベアリング27が、その傾斜面27bをきっかけに保持板62の保持溝61に乗り上げた後にその外周面部分27aをV字状の保持溝61における対向する傾斜辺部の間に侵入し、これによって保持溝61に2点(2つの傾斜辺部の各一地点)で接した状態で保持される。
また、保持溝61に保持されるときのベアリング27は、その上端部において押付け部材53により下方の方向(重力方向)にむけて所要の圧力で押圧される。さらに、現像ロール26の被駆動ギア29が軸受け板59の軸受孔59aに取り付けられる図示しない駆動ギアと噛み合う。この他、感光体ドラム21の連結具201が仕切り板16における開口孔18を通して回転駆動装置側の連結具と連結した状態になる。
このとき、作像ユニット2は、そのユニットの装置奥側の端部20aが保持板64に突き当たることによって取り付け方向A1への移動が停止させられる。その停止した位置が装着部5における作像ユニット2の装着位置となる。また、このときの作像ユニット2は、ベアリング27が保持板62の保持溝61に乗り上げた状態で保持されることで少し上方(矢印Y方向)に持ち上げられた状態となり、この結果、その底面材20cが支持板51から離れた状態になる(図14)。
またこのとき、現像ロール26の軸28の周面(軸本体部)は、保持板62における切り欠き溝65の接触辺部65aとは離れた状態におかれる。この状態にあるときの作像ユニット2は、装着部5に対する正常な位置決めが完了していないことになる。さらにこのとき、図7に示すように、作像ユニット2は、その案内溝55における3つの切り欠き部56に3本の案内ピン54a〜54cが対峙した状態になる。これにより、作像ユニット2は、保持板62の保持溝61に保持されているベアリング27を中心にして移動方向Aとほぼ直交する方向(矢印B1,B2で示す方向)に回転し得る状態になる。
一方、作像ユニット2が装着部5の装着位置まで押し込まれて上記した各状態になって停止した後に、内側扉14を閉じる。
これにより、内側扉14の本体板部17に固定された保持板64の保持溝63が作像ユニット2の引出し方向A2の下流側の端部20bにおけるベアリング27に接近し、最終的に、図15に示すように、そのベアリング27が保持板64の保持溝63に差し入れられて、V字状の保持溝63に保持される。このとき内側扉14が閉じられた状態になるが、その内側扉14の内面側にある保持板64は、仕切り板16に取り付けられた保持体62と対向した状態になる(図17参照)。
以上の操作により、4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)が装着部5に装着された状態となる。なお、内側扉14を閉じた後に外側扉12を閉じる。これにより、画像形成装置は稼動可能な状態に移行することできる。
この装着部5に装着された4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、図16や図17に示すように、その各感光体ドラム21(Y,M,C,K)における装置奥側及び装置手前側に位置する2つのベアリング27が、前述したように構成される一対の保持板62,64における各保持溝61(Y,M,C,K),63(Y,M,C,K)にそれぞれ保持されることで、その作像ユニット2(Y,M,C,K)が所要の間隔(L1,L2,L3)で位置決めされることになる。
ここで、作像ユニット2(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)は、保持板62における各保持溝61(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)と、保持板64における各保持溝63(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)で決定されることになる。そして、このときの作像ユニット2(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)は、その装置手前側の間隔(L1F,L2F,L3F)と装置奥側の間隔(L1R,L2R,L3R)とがほぼ一致し、相違しない状態で得られる。
これにより、4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)ひいてはその各感光体ドラム21(Y,M,C,K)は、高い平行度を保った状態で配置されることになる。この結果、各作像ユニット2(Y,M,C,K)においてひいてはその各感光体ドラム21上で形成される各色成分(4色)のトナー像は、各一次転写位置で中間転写ベルト31に装置手前側及び装置奥側の双方において所望通りの間隔(L1,L2,L3)をあけて一次転写されるようになり、各色成分のトナー像が位置的にずれることなく中間転写ベルト31上に多重転写される。したがって、最終的に得られる特にカラー画像は、色ずれのない良質な画質で形成されるようになる。
なお、この作像作像ユニット2は、画像形成装置による画像形成のための動作等が開始され、現像ロール26の被駆動ギア29と噛み合って動力を伝達する駆動ギア等が回転すると、その駆動ギアと噛み合う被駆動ギア29の軸28の周面が保持板62の切り欠き溝65の接触辺部65aに接触した状態となる。
つまり、図13に例示するように駆動ギアが矢印Cの方向に回転駆動することにより生じる力が被駆動ギア28に加わることにより、被駆動ギア28が当該力の向く方向に押された状態となり、この結果、作像ユニット2が、保持板62の保持溝61に保持されているベアリング27を中心にして矢印B1で示す方向に回転するのである。作像ユニット2は、このような状態になることで、装着部5に対して正式に位置決めされた状態になるようになっている。
また、保持板62,64として加工バリ71を残存させたものを使用している。そして、保持板62,64は、図17に示すように、その各保持板に残存する加工バリ71がいずれも装置手前側(作像ユニット2の取り付け移動方向A1の上流側)に飛び出した状態で取り付けている。しかし、保持板62は、装置奥側に配置される仕切板16に取り付けられるので、装置操作者が保持板62における加工バリ71に触れるおそれがない。また、保持板64は、内側扉14の内部に存在することになるので、装置操作者が保持板64における加工バリ71に触れるおそれがない。
[他の実施の形態]
前記した画像形成装置は、例えば、図18や図19に模式的に示すように、保持板62,64として、各作像ユニット2(Y,M,C,K)における各感光体ドラム21の2つのベアリング27をそれぞれ保持する保持溝61,63を形成することに加え、中間転写装置3における二次転写位置のバックアップロール36の軸受を保持する保持孔69をそれぞれ形成した形態のものを使用することもできる。
保持板62,64に形成される各保持孔69は、保持溝61,63のように同じ金型を用いてせん断加工することにより形成される。このため、その各保持孔69は、等しい形状で形成されるとともに、保持溝61K,63K(のベアリング27が接触する一方の接点61b,63b)に対して(二次転写位置に最も近い位置に配置される)作像ユニット2Kとバックアップロール36の間隔L4と等しい間隔で形成される。保持孔69は、バックアップロール36の軸受が嵌め入れられて固定されることが可能な形状のものであればよい。
この保持孔69をも形成した保持板62,64を配置した装着部5に装着された4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)は、前記した実施の形態の場合と同様に、図18等に示すように、その各感光体ドラム21(Y,M,C,K)における装置奥側及び装置手前側に位置する2つのベアリング27が、前述したように構成される一対の保持板62,64における各保持溝61(Y,M,C,K),63(Y,M,C,K)にそれぞれ保持されることで、その作像ユニット2(Y,M,C,K)が所要の間隔(L1,L2,L3)で位置決めされることになる。また、装着部50に装着される中間転写装置3における二次転写位置のバックアップロール36は、その装置奥側及び装置手前側に位置する2つの軸受36a,36bが一対の保持板62,64における各保持孔69に嵌め入れられるようにして保持されてブラック色の作像ユニット2Kとバックアップロール36が所要の間隔(L4)で位置決めされることになる。
ここで、作像ユニット2(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)は、前述したように保持板62における各保持溝61の間隔(L1,L2,L3)と、保持板64における各保持溝63の間隔(L1,L2,L3)で決定されることになる。そして、このときの作像ユニット2(Y,M,C,K)の間隔(L1,L2,L3)は、その装置手前側の間隔(L1F,L2F,L3F)と装置奥側の間隔(L1R,L2R,L3R)とがほぼ一致し、相違しない状態で得られる。また、ブラック色の作像ユニット2Kとバックアップロール36との間隔(L4)は、保持板62における保持溝61K(接点61c)と保持孔69の間隔(L4)と、保持板64における保持溝63K(接点63c)と保持孔69の間隔(L4)で決定されることになる。そして、このときの作像ユニット2Kとバックアップロール36の間隔(L4)は、その装置手前側の間隔(L4F)と装置奥側の間隔(L4R)とがほぼ一致し、相違しない状態で得られる。
これにより、4つの作像ユニット2(Y,M,C,K)ひいてはその各感光体ドラム21(Y,M,C,K)は、高い平行度を保った状態で配置されることになることに加え、二次転写位置のバックアップロール36とも高い平行度を保った状態で配置されることになる。この結果、各作像ユニット2(Y,M,C,K)においてひいてはその各感光体ドラム21上で形成される各色成分(4色)のトナー像は、各一次転写位置で中間転写ベルト31に装置手前側及び装置奥側の双方において所望通りの間隔(L1,L2,L3)をあけて一次転写されるようになり、各色成分のトナー像が位置的にずれることなく中間転写ベルト31上に多重転写される。また、この中間転写ベルト31に転写されたトナー像は、バックアップロール36が設置される二次転写位置と所望通りの間隔(L4)を経て記録紙Pに二次転写されるようになり、トナー像が記録紙Pに対して位置ずれすることなく転写されるようになる。したがって、最終的に得られる特にカラー画像は、色ずれのない良質な画質で形成されるようになるとともに記録紙Pに対しても正確な位置に形成されるようになる。
また、前記した画像形成装置においては、保持板62,64における保持溝61、63又は保持孔69に保持させる作像ユニット2等の被保持部として、感光体ドラム21の軸受部材であるベアリングやバックアップロール36の軸受に代えて、例えば、ユニット2の両端部の側面に突出して形成される円柱状等の位置決め突起部を適用することもできる。つまり、作像ユニット2の被保持部は、保持溝61,63又は保持孔69に保持されて位置決めのための基準位置となり、対向した位置に存在するものであれば、特に制約されるものではない。一方の保持溝61,63等についても、V字状の形状のものでなくとも構わない。
また、前記した画像形成装置における作像ユニット2に搭載する部品は、前記した感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23及びドラム清掃装置24の組み合わせに限らず、他の組み合わせや単品のものであっても構わない。また、作像ユニット2に搭載する部品は、装着したときに所要の間隔で配置されることが要求されるものであれば、感光体ドラム21等の回転体でなくとも、回転しない部品(例えばコロナ放電方式の帯電装置、露光装置など)だけであってもよい。作像ユニット2等の作像過程部品の数は、4つに限らず、他の複数のものであってもよい。また、保持板62,64の保持溝61,63等の保持部に保持する作像ユニット2等の作像過程部品は、その感光体ドラム21等の回転体の軸方向にそって移動させることで着脱自在に装着するものに限らず、その軸方向と交差する方向にそって移動させることで着脱自在に装着するものであってもよい。また、作像ユニット2等の作像過程部品は、着脱自在に装着されない形式のものであっても構わない。
さらに、保持板62,64は、筐体1の仕切板や支持板に取り付けて固定されるものでなくとも、加工時の寸法精度を維持でき、歪み等の生じ難いものにできるのであれば、その仕切板や支持板そのものであってもよい。
この他、本発明が適用される画像形成装置は、カラー画像を形成することが可能な画像形成装置とする場合、中間転写装置3を使用しない方式(いわゆる記録紙Pを各作像ユニット2における各一次転写位置を通過させるように搬送してトナー像を記録紙に直接に転写させる直接転写形式)を採用するものであってもよい。また、本発明が適用される画像形成装置としては、例えば、プリンタ、コピー機、ファクシミリ等の画像形成装置をはじめ、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能(画像入出力送受信機能)等に代表される各機能を複合させた画像形成装置が挙げられる。