以下に、図面および実施例を参照して、この発明を好適に実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、本実施形態に記載されている構成部品の機能、材質、形状、その相対配置などは、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下、本発明の第1の実施例について図を用いて説明する。本実施形態では、画像形成装置の例として、4個のプロセスカートリッジ(カートリッジ)が着脱可能な画像形成装置について説明する。しかし、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定されるものである。
(画像形成装置の概略構成)
図2、図3を用いて、画像形成装置Mの概略構成について説明する。図2は画像形成装置Mの断面概略図である。また、図3はプロセスカートリッジ100の断面図である。
画像形成装置Mは、電子写真方式(電子写真プロセス)を用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置Mはプロセスカートリッジ方式を採用している。すなわち、画像形成装置Mの装置本体170にプロセスカートリッジ100が取り外し可能に装着される。
ここで、画像形成装置Mに関して、前ドア11を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置Mを正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。
また、画像形成装置Mを正面から見て上側を上面、下側を下面とする。図2は画像形成装置Mを非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置Mの非駆動側、紙面右側が画像形成装置Mの正面、紙面奥側が画像形成装置Mの駆動側となる。
また、プロセスカートリッジ100の駆動側とは、感光体としての感光ドラム104の軸線方向(回転軸線方向)について、感光ドラム104が装置本体170から回転駆動力が伝達される側である。プロセスカートリッジ100の駆動側とは、現像剤担持体としての現像ローラ106の軸線方向(回転軸線方向)について、現像ローラ106が装置本体170から回転駆動力が伝達される側である。
装置本体170には第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)が略水平方向に配置されている。
第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、それぞれ同様の構成を有しており、現像剤としてのトナーの色が各々異なるものである。第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)には装置本体170の駆動出力部から回転駆動力が伝達される。
また、第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)には装置本体170からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される。
図3に示すように、本実施例の第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、感光ドラム104と、この感光ドラム104に作用するプロセス手段としての帯電手段を備えたドラムユニット108を有する。ここで、ドラムユニット108は感光ドラム104の表面からトナーを除去するクリーニング手段を有していてもよい。
また、第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)は、感光ドラム104上の静電潜像を現像する現像ローラ(現像手段、現像部材)106を備えた現像ユニット109を有する。現像ユニット109は現像枠体125を有し、ドラムユニット108に対して移動可能に支持されている。
第1のプロセスカートリッジ100Yは、現像枠体125内にイエロー(Y)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にイエロー色のトナー像が形成される。
第2のプロセスカートリッジ100Mは、現像枠体125内にマゼンタ(M)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にマゼンタ色のトナー像が形成される。
第3のプロセスカートリッジ100Cは、現像枠体125内にシアン(C)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にシアン色のトナー像が形成される。
第4のプロセスカートリッジ100Kは、現像枠体125内にブラック(K)のトナーを収容しており、感光ドラム104の表面にブラック色のトナー像が形成される。
第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニット14が設けられている。このレーザスキャナユニット14は、画像情報に対応してレーザ光Uを出力する。そして、レーザ光Uは、プロセスカートリッジ100の露光窓110を通過して感光ドラム104の表面を走査露光する。
第1~第4のプロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の下方には、転写部材としての中間転写ユニット12が配置される。この中間転写ユニット12は、可撓性を有する転写ベルト12a、駆動ローラ12e、ターンローラ12c、テンションローラ12bを有する。転写ベルト12aは、駆動ローラ12e、ターンローラ12c、テンションローラ12bの間に掛け渡されている。
第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の感光ドラム104は、転写ベルト12aの上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12aの内側には、一次転写ローラ12dが配置されている。一次転写ローラ12dに所定の電圧が印可されることにより、感光ドラム104から転写ベルト12aにトナー像が転写される。
二次転写ローラ6は転写ベルト12aに当接する。転写ベルト12aと二次転写ローラ6の間に、二次転写部が形成される。二次転写ローラ6と駆動ローラ12eの間に、転写ベルト12aが挟まれる。記録媒体Sが二次転写部にある状態で、二次転写ローラ6に所定の電圧が印可されることにより、転写ベルト12aから記録媒体Sにトナー像が転写される。
中間転写ユニット12の下方には、給送ユニット4が配置される。この給送ユニット4は、記録媒体Sが積載される給紙トレイ4a、給紙ローラ4bを有する。
図2における装置本体170内の左上方には、定着装置7と、排紙装置8が配置される。装置本体170の上面には排紙トレイ13が配置される。
定着装置7により記録媒体Sにトナー像が定着された後、記録媒体Sは排紙トレイ13へ排出される。
(画像形成動作)
記録媒体Sにカラー画像を形成する場合の画像形成動作について説明する。
第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の感光ドラム104が所定の速度で回転駆動される(図3矢印A方向)。転写ベルト12aも感光ドラム104の速度に対応した速度で回転駆動される(図2矢印C方向)。
一方、レーザスキャナユニット14も駆動される。レーザスキャナユニット14の駆動に同期して、帯電ローラ105が感光ドラム104の表面を所定の極性、電位に一様に帯電する。レーザスキャナユニット14は第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)の感光ドラム104の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Uで走査露光する。
これにより、感光ドラム104の表面に画像信号に応じた静電潜像が形成される。つまり、感光ドラム104は、静電潜像を担持する像担持体としての機能を有する。現像ローラ106は、感光ドラム104に現像剤を供給するように構成されている。静電潜像は、所定の速度で回転駆動される現像ローラ106により現像される。
第1~第4の各プロセスカートリッジ100(100Y、100M、100C、100K)から転写ベルト12aにイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色のトナー像が転写される。
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで二次転写ローラ6と転写ベルト12aとの当接部である二次転写部に導入される。転写ベルト12a上の4色のトナー像が記録媒体Sに転写される。
(プロセスカートリッジ着脱構成概略)
プロセスカートリッジを支持するカートリッジトレイ(以下トレイと称する)171について、図4~図6を用いて説明する。図4は前ドア11が開いた状態でトレイ171が装置本体170の内側に位置する画像形成装置Mの断面図である。図5は前ドア11が開いた状態でトレイ171が装置本体170の外側に位置し、トレイ内部にプロセスカートリッジ100が収納された状態の画像形成装置Mの断面図である。図6は前ドア11が開いた状態でトレイ171が装置本体170の外側に位置し、トレイからプロセスカートリッジ100が取り外された状態の画像形成装置Mの断面図である。
図4および図5に示すように、トレイ171は、装置本体170に対して、矢印X1方向(押し込み方向)および矢印X2方向(引き出し方向)に移動可能である。すなわち、トレイ171は装置本体170に対して引き出しおよび押し込み可能に設けられ、装置本体170が水平面上に設置された状態において、トレイ171は略水平方向に移動可能に構成されている。ここで、トレイ171が装置本体170の外側に位置する状態(図5の状態)を外側位置と称す。また、前ドア11が開いた状態でトレイ171が装置本体170の内側に位置し、感光ドラム104と転写ベルト12aが離れた状態(図4の状態)を内側位置と称す。
また、トレイ171は、外側位置で、図6で示すようにプロセスカートリッジ100を取り外し可能に装着可能な装着部171aを有する。そして、プロセスカートリッジ100は、装着部171aに配置された状態で、トレイ171の移動とともに装置本体170の内側に移動する。このとき、転写ベルト12aと感光ドラム104との間に隙間を空けた状態で移動する。本実施形態において、中間転写ユニット12は、前ドア11を閉じることで不図示のリンク機構によって、矢印Z1方向(上方向)に上昇し、画像形成時の位置(感光ドラム104と中間転写ベルト12aが接触する位置)まで移動する。また、前ドア11を開くことで、中間転写ユニット12は矢印Z2方向(下方向)に下降し、感光ドラム104と中間転写ベルト12aは離間する。よって、感光ドラム104が転写ベルト12aと接触することなく、トレイ171はプロセスカートリッジ100を装置本体170の内側に移動させることができる。
以上のように、トレイ171によって、複数のプロセスカートリッジ100をまとめて装置本体170の内側で画像形成が可能な位置に移動させることができ、また、まとめて装置本体170の外側に引き出すことができる。
(プロセスカートリッジの全体構成)
プロセスカートリッジの構成について図7~図10を用いて説明する。
本実施形態において、第1から第4のプロセスカートリッジ(100Y、100M、100C、100K)は、トナーの色やトナーの充填量を除き、実質的に同じ構成を有する。したがって、以下の説明においては、第1から第4のプロセスカートリッジ(100Y、100M、100C、100K)のうちの一つのプロセスカートリッジ100について説明する。
図7は、ドラムユニット(第1ユニット)108の分解斜視図である。図8は、現像ユニット(第2ユニット)109の分解斜視図である。図9はプロセスカートリッジ100を感光ドラム104の軸方向の一端側である駆動側からみた組立斜視図である。図10はプロセスカートリッジ100を駆動側から見た斜視図である。
プロセスカートリッジ100は、感光ドラム104と、感光ドラム104に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段は感光ドラム104を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ105、感光ドラム104に形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ106等がある。そして、プロセスカートリッジ100は、ドラムユニット108と現像ユニット109とに分かれている。
以下の説明において、ドラムユニット108、および、現像ユニット109の長手方向Yとは、感光ドラム104の回転軸線aと平行な方向である(図9)。長手方向Yは、現像ローラ106の回転軸線と平行な方向でもある。また、長手方向Yは、プロセスカートリッジ100の長手方向でもある。また、長手方向Yは、後述するカバー部材220、320の長手方向でもある。
(ドラムユニットの構成)
図7、図9に示すように、ドラムユニット108は、感光ドラム104、帯電ローラ105、ドラム枠体115を有する。
帯電ローラ105は、駆動側帯電ローラ軸受け120aと非駆動側帯電ローラ軸受け121aによって回転可能に支持され、加圧バネ120b、121bによって感光ドラム104に対して付勢される。帯電ローラ105は、感光ドラム104によって回転されるように、ドラム枠体115に支持されている。
感光ドラム104は、プロセスカートリッジ100の長手方向両端に設けられた駆動側カートリッジカバー部材116、非動側カートリッジカバー部材117により回転自在に支持されている。駆動側カートリッジカバー部材116、非動側カートリッジカバー部材117、ドラム枠体115は、感光ドラム104、帯電ローラ105を支持する第1枠体ということができる。さらに、本実施形態において、ドラムユニット108の第1枠体は、現像ユニット109を支持するように構成されている。
図9に示すように、感光ドラム104の長手方向(回転軸線aの方向と同じ)の一端側には、感光ドラム104に駆動力を伝達するためのカップリング部材143が設けられている。カップリング部材143は、装置本体170のドラム駆動出力部としての本体側ドラム駆動カップリング180(図5および図6)と係合し、装置本体170の駆動モータ(不図示)の駆動力が感光ドラム104に伝達され矢印A方向(図3)に回転される。また、感光ドラム104は長手方向他端側にドラムフランジ142を有する。
(現像ユニットの構成)
現像ユニット109は、図3、図8に示すように、現像ローラ106、トナー搬送ローラ107、現像ブレード130、現像枠体125を有する。
現像枠体125は下枠体125aと蓋部材125bによって形成される。下枠体125aと蓋部材125bは超音波溶着等で結合されている。現像枠体125は、現像ローラ106に供給するトナーを収納するトナー収納部129を有する。また、現像枠体125は駆動側軸受126、非駆動側軸受127を介して、現像ローラ106、トナー搬送ローラ107を支持する。現像ローラ106周面のトナーの層厚を規制する現像ブレード130を保持する。現像枠体125、駆動側軸受126、非駆動側軸受127は、現像ローラ106、トナー搬送ローラ107、現像ブレード130を支持する第2枠体と呼ぶことができる。
現像ブレード130は厚さ0.1mm程度のシート状金属である弾性部材130bを、L字断面を有する金属材料である支持部材130aに溶接等で取り付けたものである。現像ブレード130は長手方向一端側と他端側の二箇所を、固定ビス130cにて現像枠体125に取り付けられる。
現像ローラ106は金属材料の芯金106cとゴム部106dを含む。現像ローラ106は現像枠体125の長手方向両端に取り付けられた駆動側軸受126と非駆動側軸受127によって、回転可能に支持されている。
現像ユニット109の長手方向の一端側(駆動側)には、現像ユニット109に駆動力を伝達するための現像駆動入力ギア132が設けられている。現像駆動入力ギア132には、装置本体170の本体側現像駆動カップリング185(図5および図6)から駆動を受ける現像入力カップリング部132aが設けられ、装置本体170の駆動モータ(不図示)の駆動力が現像ユニット109に入力される。
現像ユニット109に入力された駆動力は、現像ローラギア131に伝達されることで、現像ローラ106を図3の矢印D方向に回転させることが可能である。現像ユニット109の長手方向一端側(駆動側)には、現像駆動入力ギア132を支持およびカバーする現像カバー部材128が設けられている。
尚、現像ローラ106の外径は感光ドラム104の外径より小さく設定されている。本実施例の感光ドラム104の外径はΦ18~Φ22の範囲で設定されており、現像ローラ106の外径はΦ8~Φ14の範囲で設定されている。この外径に設定することにより効率的な配置が可能となる。
(ドラムユニットと現像ユニットの組立)
図9を用いて、ドラムユニット108と現像ユニット109の組み付けについて説明する。ドラムユニット108と現像ユニット109は、プロセスカートリッジ100の長手方向両端に設けられた駆動側カートリッジカバー部材116と非動側カートリッジカバー部材117によって結合される。
プロセスカートリッジ100の長手方向一端側に設けられた駆動側カートリッジカバー部材116には、現像ユニット109を支持するための、現像ユニット支持穴116aが設けられている。同様に、プロセスカートリッジ100の長手方向他端側に設けられた非駆動側カートリッジカバー部材117には、現像ユニット109を支持するための、現像ユニット支持穴117aが設けられている。現像ユニット支持穴116aと現像ユニット支持穴116aにより、現像ユニット109は揺動(移動)可能に支持される。
さらに、駆動側カートリッジカバー部材116と非動側カートリッジカバー部材117には、感光ドラム104を支持するためのドラム支持穴116b、117bがそれぞれ設けられている。ドラム支持穴116b、117bにより、感光ドラム104は回転可能に支持される。
長手方向一端側では駆動側カートリッジカバー部材116の現像ユニット支持穴116aに現像カバー部材128の円筒部128bの外径部を嵌合させる。長手方向他端側では非動側カートリッジカバー部材117の現像ユニット支持穴117aに、非駆動側軸受127の円筒部(不図示)の外径部を嵌合させる。さらに、感光ドラム104の長手方向一端側では、駆動側カートリッジカバー部材116のドラム支持穴116bに感光ドラム104の端部を嵌合させる。感光ドラム104の長手方向他端側では、ドラム支持部117bをドラムフランジ142に嵌合させる。
そして、駆動側カートリッジカバー部材116と非動側カートリッジカバー部材117は、不図示のビスや接着剤等により、ドラムユニット108のドラム枠体115に固定される。これにより、現像ユニット109は、ドラムユニット108(感光ドラム104)に対して、駆動側カートリッジカバー部材116と非動側カートリッジカバー部材117によって回転可能に支持される。
以上の工程によってドラムユニット108と現像ユニット109が組立てられ、プロセスカートリッジ100として一体的に形成された状態を図10に示す。
なお、駆動側カートリッジカバー部材116の現像ユニット支持穴116aの中心と、非動側カートリッジカバー部材117の現像ユニット支持穴117aの中心とを結んだ軸線を揺動軸Kと称する。ここで、一端側の現像カバー部材128の円筒部128bは現像入力カップリング132aと同軸である。すなわち現像ユニット109は、この揺動軸Kにおいて装置本体170より駆動力を伝達される構成である。
現像ユニット109は、現像ローラ106が感光ドラム104に当接する当接位置と、現像ローラ106が感光ドラム104から離間する離間位置と、に移動可能に構成されている。本実施形態においては、揺動軸Kを中心として、現像ユニット109はドラムユニット108に対して回転可能に連結されている。
(離間当接機構の説明)
ドラムユニット108の感光ドラム104に対して、現像ユニット109の現像ローラ106が、離間および当接を行う構成について図11、図12、図13を用いて説明する。
図11は駆動側の離間当接機構を示すプロセスカートリッジ100の組立斜視図である。図12は後述する規制部材151Rの組み付け後のプロセスカートリッジ100を駆動側から見た、プロセスカートリッジ100の側面図である。図13は非駆動側の離間当接機構を示すプロセスカートリッジ100の組立斜視図である。
プロセスカートリッジ100は駆動側と非駆動側に離間当接機構を有する。離間当接機構については駆動側、非駆動側は実質的に同一機能を有している。以下の説明において、被駆動側と駆動側で各部材の符号を共通にし、駆動側については各部材の符号にRを付し、非駆動側については各部材の符号にLを付して説明する。被駆動側と駆動側で共通の部品を用いる際には、LおよびRの文字を省略することもある。
駆動側の離間当接機構は規制部材(保持部材)151R、移動部材152R、引張バネ(付勢部材)153を有する。現像カバー部材128には規制部材151Rを支持する支持部(軸部)128c、移動部材151Rを支持する支持部(軸部)128kが設けられている。現像カバー部材128は、現像ユニット109の第2枠体の一部であるということができる。
規制部材151Rは穴である被支持部151Raと支持部128cが嵌合し、支持部128cを中心に回転可能である。移動部材152Rは長丸穴である被支持部152Raと支持部128kと嵌合し、支持部128kを中心に回転可能かつ長丸穴の長手方向に移動可能である。
規制部材151Rは、現像ユニット109の第2枠体に対して移動可能なように、現像ユニット109によって支持されている。したがって、現像ユニット109が当接位置から離間位置の間で移動する際に、規制部材151Rは、現像ユニット109と共に移動する。特に、現像ユニット109が離間位置に向けて移動する際、規制部材151Rは、現像ユニット109と共に感光ドラム104から離れる方向に移動可能に構成されている。
離間当接機構は規制部材151Rを、支持部128cを中心に図12中矢印B1方向に回転するよう付勢し、且つ移動部材152Rを矢印Z1方向に付勢する引張バネ153を備えている。引張バネ153はコイルバネであり弾性部材である。引張バネ153は規制部材151Rに設けられたバネ掛け部151Rgと、移動部材152Rに設けられたバネ掛け部152Rsに係合し、組付けられる。
引張バネ153は、規制部材151Rのバネ掛け部151Rgに図12の矢印F2方向へ力を加えることで、規制部材151Rを矢印B1方向に回転する付勢力を与えている。引張バネ153により、規制部材151Rは、解除位置から保持位置に向けて付勢される。
引張バネ153は移動部材152Rのバネ掛け部152Rsに矢印F1方向へ力を加えることで、移動部材152Rを矢印Z1方向に移動する付勢力を与えている。引張バネ153により、移動部材152Rは、動作位置から待機位置に向けて付勢される。
次に非駆動側の離間当接機構について説明する。図13に示すように、非駆動側の離間当接機構は規制部材(保持部材)151L、移動部材152L、引張バネ153を有する。非駆動側軸受127には規制部材151Lを支持する支持部(軸部)127b、移動部材151Lを支持する支持部(軸部)127eが設けられている。規制部材151Lは被支持部151Laと支持部127bが嵌合し、支持部127bを中心に回転可能である。移動部材152Lは長丸穴である被支持部152Laと支持部127eとが嵌合し、支持部127eを中心に回転可能かつ長丸穴方向に移動可能である。
規制部材151Lは、現像ユニット109の第2枠体に対して移動可能なように、現像ユニット109によって支持されている。したがって、現像ユニット109が当接位置から離間位置の間で移動する際に、規制部材151Lは、現像ユニット109と共に移動する。特に、現像ユニット109が離間位置に向けて移動する際、規制部材151Lは、現像ユニット109と共に感光ドラム104から離れる方向に移動可能に構成されている。
引張バネ153は規制部材151Lに設けられたバネ掛け部151Lgと、移動部材152Lに設けられたバネ掛け部152Lsに係合し、組付けられる。尚、非駆動側の引張バネの153の機能は駆動側と同様のため、説明を省略する。
(プロセスカートリッジの離間状態と当接状態の説明)
プロセスカートリッジ100の離間状態と当接状態について図12、図14、図15を用いて説明する。図14では感光ドラム104とドラム枠体115と駆動側カートリッジカバー部材116と現像カバー部材128と規制部材151Rと移動部材152Rのみ表示する。
図14(a)は現像ユニット109が感光ドラム104に対して離間した状態を表す。図14(b)は、移動部材がZ2方向へ移動した時の状態を表す。図14(c)は現像ユニット109が感光ドラム104に対して当接した状態を表す。図15は一部の部材を省略したプロセスカートリッジ100の側面図である。図15は、駆動側カートリッジカバー部材116、現像カバー部材128、規制部材151R、引張バネ153などが省略されている。
規制部材151Rと規制部材151Lは、現像ユニット109を離間位置に保持する保持位置と、現像ユニット109の離間位置から当接位置への移動が許容される解除位置と、に移動可能である。移動部材152R、移動部材152Lは、現像ユニット109の第2枠体に対して、待機位置と、動作位置とに移動可能に構成されている。
以下、離間当接機構の動作について説明するが、駆動側と非駆動側の離間当接機構は同じ構成のため駆動側を用いて説明する。
まず、現像ユニット109が離間位置に位置する状態について説明する。図14(a)に示すように、規制部材151Rが保持位置にあることにより、現像ユニット109は、離間位置に保持される。この状態において、規制部材151Rの当接部151Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cと接触する。また、非駆動側に設けられた現像加圧ばね(不図示)の作用によって現像ユニット109は感光ドラム104に向けて押圧されている。このとき規制部材151Rの当接部151Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cに向けて押圧された状態となっている。このため、駆動側カートリッジカバー部材116が、規制部材151Rを介して(挟んで)、現像カバー部材128を位置決めしている。
つまり、規制部材151Rが保持位置にある状態とは、ドラムユニット108が、規制部材151Rを介して現像ユニット109を位置決めし、保持した状態である。このとき、現像ユニット109は離間位置(第1位置)に位置し、感光ドラム104と現像ローラ106は隙間P1離れた状態である(図12、図14(a)の状態)。一方、移動部材152Rは待機位置に位置されている。
この状態から、移動部材152Rの被押込み部152ReをZ2方向へ押込む。これにより、移動部材152Rは、待機位置から動作位置に移動する。移動部材152Rの突出部152Rhは現像枠体125より突出した突出位置へ移動する(図14(b)の状態)。
移動部材152Rが動作位置にある状態で、移動部材152Rの第二力受け部152Rnを矢印X2方向へ押圧すると、移動部材152Rは支持部128kを中心に矢印BB方向へ回転する。移動部材152Rの規制部材押圧面152Rrが規制部材151Rの被規制部151Reを押圧することで、規制部材151Rを図12中矢印B2方向へ回転させ、規制部材151Rが保持位置から解除位置に移動される。つまり、動作位置にある移動部材152Rが、動作方向に移動することで、規制部材152Rが保持位置から解除位置に移動する。動作方向は、移動部材152Rが待機位置から動作位置に移動する際の移動方向と交差する方向である。
規制部材151Rが矢印B2方向に回転し、解除位置に移動されると、当接面151Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cから離れ、現像ユニット109が離間位置から揺動軸Kを中心に矢印V2方向に回転可能になる。つまり、離間位置からV2方向に現像ユニット109が回転し、現像ユニット109が当接位置(第二位置)に移動する。このとき、現像ローラ106が感光ドラム104と当接する(図14(c)の状態)。
次に現像ユニット109が当接位置から離間位置に移動する動作について説明する。現像ユニット109が当接位置にある状態で移動部材152Rの第一力受け部152Rkが矢印X1方向へ押圧されると、移動部材152Rは矢印BA方向に回転し軸受押圧面152Rqが駆動側軸受126被押圧面126cと当接する。これにより、現像ユニット109が揺動軸Kを中心に矢印V1方向に回転し、離間位置に移動する(図15の状態)。つまり、動作位置にある移動部材152Rが、動作方向と反対方向に移動することで、規制部材152Rが解除位置か保持位置に移動する。
プロセスカートリッジ100を装置本体170に装着した状態では、装置本体170によって、移動部材152Rが動作位置に移動される。また、装置本体170により、移動部材152Rが動作方向、および動作方向と反対方向に移動される。
尚、本実施例の離間当接機構は移動部材152Rが矢印Z2方向に押し込まれないと、移動部材152Rは矢印X2方向に移動できない。図14(a)に示すように、現像カバー部材128はリブ(枠体規制部)128gを有し、移動部材152Rは面152Rgを有している。リブ128gにより、移動部材152Rが動作方向に移動することが規制される。具体的には、移動部材152Rが矢印Z2方向に押し込まれる前の状態(移動部材152Rが待機位置にある状態)では、リブ128gと面152Rgが対向している。したがって、この状態で移動部材152Rが矢印X2方向に移動しようとしても、面152Rgがリブ128gに干渉し、移動部材152Rが矢印X2方向に移動することができない。したがって、移動部材152Rは規制部材151Rを保持位置から解除位置に移動させることができない。
一方、リブ128gと面152Rgが対向しない位置まで移動部材152Rが矢印Z2方向に押し込まれ、動作位置に至ると、移動部材152Rが矢印X2方向に移動することができる。したがって、移動部材152Rは、規制部材151Rを保持位置から解除位置に移動させることができる。
(カバー部材の説明)
本実施例において、プロセスカートリッジ100には、カバー部材(ドラムカバー)220が取り外し可能に装着される。カバー部材220が取り付けられたプロセスカートリッジ100を、カートリッジユニットと呼ぶ。プロセスカートリッジ100は、プロセスカートリッジ100からカバー部材220が取り外された状態で、装置本体170に着脱される。なお、プロセスカートリッジ100にカバー部材220が取り付けられた状態で、プロセスカートリッジ100を装置本体170へ装着することが制限されてもよい。
カバー部材220について図1、図3、図10、図16、図17、図18、図19を用いて説明する。図1は、図18中N-Nにおけるプロセスカートリッジ100の断面図である。図16は、駆動側から見たプロセスカートリッジ100とカバー部材220の分解斜視図である。図17は、非駆動側から見たプロセスカートリッジ100とカバー部材220の分解斜視図である。 図18は、プロセスカートリッジ100にカバー部材220が組み付けられた状態の斜視図である。図19は、長手方向と直交しドラムユニット側から見た駆動側の断面図である。
図1、図3、図10に示すように、感光ドラム104の一部は、プロセスカートリッジ100の外部に露出されている。カバー部材220は、プロセスカートリッジ100の外部に露出された感光ドラム104の露出部を覆うように、プロセスカートリッジ100に取り付けられている。
図16、図17に示すようにカバー部材220は、駆動側端部に駆動側係合部220a、220bを有し、非駆動側端部に非駆動側係合部220c、220dを有している。駆動側係合部220a、220bは駆動側カートリッジカバー部材116の被係合部116dと係合する。また、非駆動側係合部220cは、非駆動側カートリッジカバー部材117の被係合部117cと係合し、非駆動側係合部220dは駆動側カートリッジカバー部材117の被係合部117dとそれぞれ係合する。その結果、プロセスカートリッジ100にカバー部材220が組み付けられる(図18の状態)。
カバー部材220は感光ドラム104の露出部を保護するドラム保護部220eと長手両端に前述した離間当接機構(規制部材151R、151L、移動部材152R、152L)を保護する離間保護部220f、220gを有する。具体的には、カバー220は、駆動側に配置された離間保護部220f、非駆動側に配置された離間保護部220gを有する。離間保護部220f、220gは同じ構成のため、駆動側に配置された離間保護部220fについて説明し、離間保護部220Rについては詳細な説明を省略する。
図1、図16、図19に示すように、離間保護部220fは、第一面(移動規制部)220fa、第二面220fb、第三面220fc、第四面220fd、第五面220feを有する。カバー部材220は、第一面220fa、第二面220fb、第三面220fc、第四面220fd、第五面220feによって形成される凹部を備え、凹部に移動部材152R,規制部材151Rの一部が収納されている。
本実施例において、カバー部材220がプロセスカートリッジ100に取り付けられた状態で、第一面220faは、移動部材152Rが待機位置から動作位置に移動することを規制する。上述のように、移動部材152Rは動作位置から動作方向に移動することで、規制部材151Rを保持位置から解除位置に移動する。したがって、移動部材152Rが動作位置に移動することを規制することで、運搬時の振動や衝撃などにより、規制部材151Rが解除位置に移動されることを防ぐことができる。
第一面220faは、移動部材152Rに対向し、移動部材152Rの移動方向Z2方向に交差する方向(好ましくは直交する方向)に延びている。
また、カバー部材220がプロセスカートリッジ100に取り付けられた状態で、第一面220faは、待機位置にある移動部材152Rから離れた位置にあり、移動部材152Rと第一面220faの間には隙間Qが形成されている。その結果、カバー部材220が衝撃や振動を受けた際、カバー部材220から移動部材152Rに衝撃や振動が直接伝わることを防止できる。移動部材152Rが待機位置から動作位置に向けて移動すると、移動部材が動作位置に至る前に、移動部材152Rと第一面220faが当接して、移動部材152Rの移動が規制される。
図14(a)に示したように、待機位置にある移動部材152Rの面152Rgと、現像カバー部材128のリブ128gとは幅Hにわたって対向している。Z2方向における第一面220faの位置は、幅Hより隙間Qが小さくなるように設定される。移動部材152Rは隙間Qの大きさを超えて移動することが制限される。したがって、プロセスカートリッジ100にカバー部材220が取り付けられ、かつ移動部材152Rが第一面220faに当接した状態では、移動部材152Rの動作方向について、面152Rgとリブ128gが対向している。この状態では、移動部材152Rが動作方向に移動することが、リブ128gによって規制され、移動部材152Rが規制部材151Rを保持位置から解除位置に移動することが規制される。
以上のように、カバー部材220がプロセスカートリッジ100に取り付けられた状態で、移動部材152Rは、面152Rgが現像カバー部材128のリブ128gと対向する位置に保たれる。
カバー部材220がプロセスカートリッジ100に組み付けられた状態で、移動部材152RはZ2方向に移動すると、移動部材152Rが第一面220faと干渉し、移動部材152Rの移動が制限される。具体的には、移動部材152Rは、移動部材152Rの突出部152Rhとカバー部材220の第一面220faの隙間Q以上に移動できない。よって、移動部材152Rの突出部152Rhは現像枠体125より突出した突出位置へ移動することもできない。したがって、移動部材152RをX2方向に押圧しても現像ユニット109は当接位置に移動することがない。
一方、カバー部材220がプロセスカートリッジ100から取り外されると、移動部材152Rは動作位置まで移動することができる。前述したように移動部材152Rは、Z2方向に移動して移動部材152Rの面152Rgと現像カバー部材128のリブ128gが対向しなくなると規制部材151Rを解除位置に移動させることが可能になる。
第三面220fcは、第二面220fbと対向する。第三面220fcと第二面220fbは、長手方向と交差する方向(好ましくは直交する方向)について、第一面220faの一端部と他端部とに配置される。
第三面(離間規制部)220fcは、離間位置に位置された現像ユニット109が、現像ローラ106が感光ドラム103から離れる方向に移動した際に、現像ユニット109と当接し、現像ユニット109の移動を規制するように構成されている。
図1に示すように、規制部材151Rによって離間位置に位置された現像ユニット109が、揺動軸Kを中心にV1方向(現像ローラ106が感光ドラム104から離れる方向)に移動すると、現像カバー部材128の下端128hが軌跡L上を移動する。第三面220fcは軌跡Lに重なるように配置されている。第三面220fcは、運搬中等に加わった衝撃や振動で現像ユニット109が離間位置よりもさらにV1方向に回転しようとしたときに現像カバー部材128の下端128hと干渉する。これにより現像ユニット109が過剰に離間して、現像ユニット109とドラムユニット108の部品同士がぶつかることを防ぐことができる。
カバー部材220は、感光ドラム104の回転軸線方向について、移動部材152Rの一端側に配置された第四面(一端壁)220fdと、移動部材152Rの他端側に配置された第五面(他端壁)220feとを備える。
第五面220feは第四面220fdに対向する。長手方向について、第四面220fdは離間当接機構および第一面220faの内側に位置し、第五面220feは離間当接機構および第一面220faの外側に位置する(図19)。第四面220fdと第五面220feの高さは、移動部材152Rの第一力受け部152Rk、第二力受け部152Rn、さらに規制部材151Rの被規制部151ReよりもZ1方向に高くなるように設定される。したがって、感光ドラム104の回転軸線方向に見て、第四面220fdと第五面220feは、移動部材152Rの少なくとも一部と重なる。第四面220fdと第五面220feは、ユーザーが誤って移動部材152Rまたは規制部材151Rを操作してしまい、現像ユニット109が当接位置に移動してしまうことを防いでいる。
以上説明したように、カバー部材220に離間保護部220fを設け、離間保護部220fの一部に第一面220faを配置した。これにより、運搬時の衝撃や振動、あるいはユーザー操作で移動部材152Rが現像枠体125よりも突出することがない。よって、移動部材152Rによって現像ユニット109を離間位置から当接位置に移動することができないため、カバー部材220を取り付けた状態では感光ドラム104と現像ローラ106が当接することを抑制することができる。したがって、感光ドラム104と現像ローラ106が意図せずに当接することによる画像弊害を引き起こすことを抑制することができる。
尚、第一面220faの延びる方向は、移動部材152Rの移動方向Z2方向と直交する方向であったが、移動部材152Rの移動を制限できるのであれば、第一面220faが伸びる方向は、移動方向Z2方向に対して直交していなくてもよい。
規制部材151R,151Lは、引張バネ153により、プロセスカートリッジ100からカバー部材220が取り外された状態で、保持位置にある状態を保つことができるように構成されている。移動部材152R、152Lは、引張バネ153により、プロセスカートリッジ100からカバー部材220が取り外された状態で、待機位置にある状態を保つことができるように構成されている。この状態で、プロセスカートリッジ100は装置本体170に装着される。プロセスカートリッジ100が装置本体170に装着された状態では、規制部材151R、151Lの保持位置と解除位置への移動は、装置本体170によって行われる。
本発明の第2の実施例に係るプロセスカートリッジ200、カバー部材320について、図20、図21を用いて説明する。
本実施例において、プロセスカートリッジ200には、カバー部材(ドラムカバー)320が取り外し可能に装着される。カバー部材320が取り付けられたプロセスカートリッジ200を、カートリッジユニットと呼ぶ。プロセスカートリッジ200は、プロセスカートリッジ200からカバー部材320が取り外された状態で、装置本体170に着脱される。なお、プロセスカートリッジ200にカバー部材320が取り付けられた状態で、プロセスカートリッジ200を装置本体170へ装着することが制限されてもよい。
本実施例のプロセスカートリッジ200は実施例1のプロセスカートリッジ100と同様の構成を有しているが、離間当接機構の構成が異なる。したがって、実施例1と同一機能および構成を有する部材には同一の符号を付け、詳細な説明は省略する。
図20(a)は、第2の実施例に係るプロセスカートリッジ200の離間状態を示す断面図である。図20(b)は、第2の実施例に係るプロセスカートリッジ200の当接状態を示す断面図である。図21は、第2の実施例に係るプロセスカートリッジ200にカバー部材320を取り付けた状態を示す断面図である。
実施例2における現像ユニット109の離間位置と当接位置について説明する。第1の実施例のプロセスカートリッジ100の離間当接機構と第2の実施例のプロセスカートリッジ200の離間当接機構の大きな違いは、移動部材152に相当する部品がないことである。
現像ユニット109が離間位置にある状態について説明する。実施例1の規制部材151Rと同様に、本実施例では、規制部材251Rが現像ユニット109を離間位置に位置させる。つまり、ドラムユニット108が、規制部材251Rを介して現像ユニット109の位置決めし、保持している(図20(a))。
規制部材(保持部材)251Rは、現像ユニット109の第2枠体に対して移動可能なように、現像ユニット109によって支持されている。したがって、現像ユニット109が当接位置から離間位置の間で移動する際に、規制部材251Rは、現像ユニット109と共に移動する。特に、現像ユニット109が離間位置に向けて移動する際、規制部材251Rは、現像ユニット109と共に感光ドラム104から離れる方向に移動可能に構成されている。なお、規制部材251Rに加えて、現像ユニット109の非被駆動側に規制部材251と同様の規制部材が配置されていてもよい。
規制部材251Rは、現像カバー部材228(実施例1における現像カバー部材128に相当)の支持部(軸部)228kに支持されている。規制部材251Rは、現像ユニット109を離間位置に保持する保持位置と、現像ユニット109の離間位置から当接位置への移動が許容される解除位置と、に移動可能である。具体的には、規制部材251Rは、支持部228kを中心に、B1方向、B2方向に回動可能に構成されている。現像カバー部材228は現像ユニット109の第2枠体の一部ということができる。
現像ユニット109を離間位置に保持するために、規制部材251Rの当接面251Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cに当接する。これにより、現像ユニット109が揺動軸Kを中心に、V2方向に回動することが規制される。そして、現像ローラ106は感光ドラム104から離れた位置に位置される。
現像ユニット109が離間位置から当接位置に移動する動作について説明する。規制部材251Rの力受け部252Reを矢印X2方向に押圧すると、規制部材251Rは矢印B2方向に回転する。プロセスカートリッジ200が装置本体170に装着された状態では、この動作は装置本体170によって行われる。規制部材251Rが矢印B2方向に回転し、保持位置から解除位置に移動すると、当接面251Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cから離れ、現像ユニット109が離間位置から揺動軸Kを中心に矢印V2方向に回転可能になる。離間位置にある現像ユニット109が、V2方向に回転し、現像ローラ106が感光ドラム104と当接する。
規制部材251Rは、引張バネ(付勢部材)253によって図20中矢印B1方向(解除位置から保持位置に向かう方向)に付勢されている。しかし、規制部材251Rの規制面251Rhが駆動側カートリッジカバー116の被当接部116cに当接することで、規制部材251Rは保持位置に向かう移動が規制され、現像ユニット109は当接位置に維持される。
次に現像ユニット109が当接位置から離間位置に移動する動作について説明する。現像ユニット109が当接位置にある状態で、現像カバー部材228の力受け部228kを矢印X1方向へ押圧すると、現像ユニット109は矢印V1方向に回転する。プロセスカートリッジ200が装置本体170に装着された状態では、この動作は装置本体170によって行われる。規制部材251Rは規制面251Rhが駆動側カートリッジカバー116の被当接部116cが離れ、引張バネ253の付勢力によって矢印B1方向に回転する。そして、当接面251Rcが被当接部116cに対向する位置に移動する。つまり、規制部材251Rが、解除位置から保持位置に移動する。この状態で、力受け部228kに作用する力がなくなると、現像ユニット109は矢印V2方向に回転し、当接面251Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cに当接する。その結果、現像ユニット109は離間位置に位置する。
このようなプロセスカートリッジ200において、カバー部材320は、感光ドラム104と現像ローラ106が意図せず当接することを防ぐことができる。
カバー部材320には、カバー部材320がプロセスカートリッジ200に取り付けられた状態で、規制部材251Rが保持位置から解除位置に移動することを規制する第二面(解除規制部)320fbが設けられている。
カバー部材320がプロセスカートリッジ200に装着され、かつ規制部材251Rが保持位置にある状態で、第二面320fbは規制部材251Rから離れており、第二面320fbは規制部材251Rの間に隙間が形成されている。その結果、カバー部材320が衝撃や振動を受けた際、カバー部材320から規制部材251Rに衝撃や振動が直接伝わることを防止できる。
規制部材251Rが保持位置から解除位置に向けて移動したときに、規制部材251Rが解除位置に至る前に、第二面320fbと規制部材251Rが当接することで、規制部材251Rが保持位置から解除位置に移動することが規制される。規制部材251Rが保持位置から解除位置に移動するとき、規制部材251Rの一部である被規制部251Reは、回転軌跡Jに沿って移動する。第二面320fbは、回転軌跡J上にあるように設けられる。これにより、第二面320fbは、運搬時の衝撃などで規制部材251Rが単独で矢印B2方向に回転しようとしたときに被規制部251Reと干渉し、規制部材251Rが解除位置に移動することを防いでいる。
以上説明したように、カバー部材320の離間保護部320fの一部である第二面320fbを規制部材251Rの被規制部251Reの回転軌跡J上にあるように設けた。これにより、物流時の衝撃やユーザー操作で規制部材251Rの当接面251Rcが駆動側カートリッジカバー部材116の被当接部116cから離れ、現像ユニット109が離間位置から当接位置に移動することを防いでいる。つまり、カバー部材320をプロセスカートリッジ200に取り付けた状態で、感光ドラム104と現像ローラ106が当接することを抑制できる。よって、感光ドラム104と現像ローラ106が意図せず当接することによる画像弊害を引き起こすことを抑制できる。
また、カバー部材320の第一面320aは、第二面320fbと交差する方向に延びており、規制部材251Rを覆うことで、規制部材251Rが操作されることを防止している。
さらに、実施例1で説明したカバー部材220の第三面220fc~第五面220feは第2実施例のカバー部材320にも適用できる。
カバー部材320は、第一面320fa、第二面320fb、第三面320fc、第四面320fd、第五面320feによって形成される凹部を備え、凹部に規制部材251Rの一部が収納されている。
第三面(離間規制部)220fcは、離間位置に位置された現像ユニット109が、現像ローラ106が感光ドラム103から離れる方向に移動した際に、現像ユニット109と当接し、現像ユニット109の移動を規制するように構成されている。
図21に示すように、規制部材251Rによって離間位置に位置された現像ユニット109が、揺動軸Kを中心にV1方向(現像ローラ106が感光ドラム104から離れる方向)に移動すると、現像カバー部材228の下端228hが軌跡L’上を移動する。第三面320fc(実施例1の第三面220fcに相当)は軌跡Lに重なるように配置されている。第三面320fcは、運搬中等に加わった衝撃で現像ユニット109が離間位置よりもさらにV1方向に回転しようとしたときに現像カバー部材228の下端228hと干渉する。これにより現像ユニット109が過剰に離間して、現像ユニット109とドラムユニット108の部品同士がぶつかることを防ぐことができる。
カバー部材320は、感光ドラム104の回転軸線方向について、規制部材251Rの一端側に配置された第四面(一端壁)320fdと、規制部材251Rの他端側に配置された第五面(他端壁)320feとを備える。図21においては、第五面320feの上端が、点線で描かれている。図21において、第四面320fdの上端と、第五面320feの上端とを区別するために、両者の位置はずらして描かれている。しかし、第四面320fdの上端と、第五面320feの上端は同じ高さでもよく、どちらか一方がどちらか他方よりも高くてもよい。
第五面320feは第四面320fdに対向する。長手方向について、第四面320fdは離間当接機構および第一面320faの内側に位置し、第五面320feは、実施例1における第五面220feと同じく、離間当接機構および第一面320faの外側に位置する。第四面320fdと第五面320feの高さは、規制部材251Rの被規制部251ReよりもZ1方向に高くなるように設定される。したがって、感光ドラム104の回転軸線方向に見て、第四面320fdと第五面320feは、規制部材251Rの少なくとも一部と重なる。第四面320fdと第五面320feは、ユーザーが誤って移動部材152Rまたは規制部材151Rを操作してしまい、現像ユニット109が当接位置に移動してしまうことを防いでいる。
規制部材251Rは、引張バネ253により、プロセスカートリッジ200からカバー部材320が取り外された状態で、保持位置にある状態を保つことができるように構成されている。この状態で、プロセスカートリッジ200は装置本体170に装着される。プロセスカートリッジ200が装置本体170に装着された状態では、規制部材251Rの保持位置と解除位置への移動は、装置本体170によって行われる。
以上説明したように、本発明によれば、感光ドラム104に現像ローラ106が当接することを抑制することができる。