JP5432978B2 - 高効率のルテニウム回収装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ルテニウム回収装置に関し、より詳細には、塩素電解生成槽から発生した塩素ガスが浸出槽でルテニウムと反応してルテニウムまたはルテニウム含有物を浸出させ、これを捕集槽で回収できる装置に関する。
ルテニウム金属は、粉末やスポンジ形態でルテニウム及びモリブデン合金の製造に用いられて電子レンジの電極に用いられ、一部はルテニウム酸化物として抵抗ペーストに用いられる。ルテニウムペーストは、二酸化ルテニウム形態を含み、バリスタ、半導体チップ抵抗器及びPDP用黒色ペーストに用いられている。
ルテニウム化合物は、主に三塩化ルテニウムが用いられており、これは、燃料電池用と不溶性電極用とに分けられる。燃料電池用に用いられる三塩化ルテニウムは、ルテニウムが約40%含有された炭素ルテニウム電極製造に用いられる。ルテニウムは、石油化学触媒に応用されて各種石油化合物の製造及び原油精製の際にオクタン価を高めるために用いられる。主に用いられる石油化学改質触媒は、Ru/C及びRu/Al23触媒である。この触媒にはルテニウムが約1%内外に含有されている。ルテニウムは韓国の電子及び石油化学産業の発達に伴い、耐化学性、耐熱性の触媒特性を保有して需要が増加しており、電気接点材料、超高温熱電材料、超高強度材料、太陽電池触媒材料などに用いられているが、不安定な供給及び絶対的な海外依存のため高い価格が形成されており、また供給者中心の価格形成が大きい問題として台頭している。
伝統的なルテニウムの回収技術としては、INCO社の高温密閉型システムがあり、HCl/Cl2の繰り返し浸出(INCO process)と化学反応を用いてハロゲン化合物(300℃−F2反応、600℃−Cl2反応)を製造し、化学的に活性化して分離する工程がある。
また、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)を用いる方法と、過ヨード酸カリウム(KIO4)を用いる方法及び硫酸雰囲気下で過マンガン酸カリウム(KMnO4)を用いる方法がある。次亜塩素酸ソーダを用いる方法は、アルカリ過剰状態のNaClO溶液でルテニウムが酸化されてNa2RuO4になる。アルカリが加えられていない場合、Na2RuO4は、酸化されて2NaRuO4になり、四酸化ルテニウムであるRuO4になる。この方法は、高濃度の次亜塩素酸ソーダ溶液を用いて反応を行わなければならない点と、反応器で直接RuO4を生成する際に中性溶液で生成されるため、このためにシステムに塩素を継続して供給しなければならないという短所がある。また、繰り返される冷却、アルカリ供給及び繰り返される飽和段階を経なければならないため、長い時間がかかり、塩素ガスを使用しなければならないため、設備の腐食問題が生じえる。過ヨード酸カリウムを用いる方法は、中性や酸性条件下で過ヨード酸カリウムに酸化させてRuO4を製造する方法である。この方法の短所は、金属ルテニウムを過ヨード酸カリウムに沈殿させることができないことである。硫酸雰囲気下で過マンガン酸カリウムを用いる方法は、ルテニウムを蒸留させる間、不十分な酸性雰囲気になると、二酸化マンガンの沈殿が形成される可能性が高いため、不純物の問題が生じえる。
このようにルテニウムは稀少な白金族であり価格が高いため、商業的価値を有してはいるが、難溶性白金族金属の一つであって、工程が複雑で、塩素ガスによる腐食の問題のため浸出が難しい。
従って、本発明者によって特許出願されたルテニウム回収装置の場合、塩素電解生成槽で電気化学反応を用いて塩素ガスを発生させることにより、必要な時にのみ塩素ガスを用いることができるようにして、塩素ガス使用のための別途の塩素保管及び供給装置を備える必要がないためコストを低減することができ、工程が簡単であり、安全性を高めることができる(韓国特許出願10−2010−0049870)。しかし、前記ルテニウム回収装置の場合、図1から分かるように、溶解槽内に位置したオゾン発生器から発生したオゾンの供給ノズル及び捕集槽内の四酸化ルテニウム捕集ノズルの部分において、ルテニウム含有析出物によってノズルが詰まり、長時間連続作業が難しく、ルテニウム回収率が80〜85%程度と低いという問題点がある。これは、オゾン発生器から供給されたオゾンが浸出槽内のルテニウムの酸化状態を高く維持して四酸化ルテニウムに揮発させることには効果的であるが、残留オゾンの酸化力が捕集槽で三塩化ルテニウムへの還元を妨害して、捕集槽ノズルから二酸化ルテニウムのような高い酸化値のルテニウム化合物に析出され、ノズルを塞ぐ現象が生じるためである。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためのものであって、塩素電解生成槽で電気化学反応を用いて塩素ガスを発生させることにより、必要な時にのみ塩素ガスを用いることができ、pH調節器及びオゾン発生器を備えないため装置が簡単であり、装置のガス供給及び流れ方式を改善してルテニウム回収効率を極大化した、工程が簡単で、安全性が高い高効率のルテニウム回収装置を提供することを目的とする。
また、本発明による高効率のルテニウム回収装置は、塩素ガスを再循環して用いることができる密閉型システム(closed system)であって、塩素ガス利用効率を極大化することを目的とする。
本発明による高効率のルテニウム回収装置は、塩素電解生成槽と、前記塩素電解生成槽の後段にルテニウムまたはルテニウム含有物を浸出させる浸出槽と、前記浸出槽に連結された冷却器と、冷却器の後段にルテニウム酸化物を捕集する捕集槽と、前記浸出槽に残留する塩素ガスを塩素電解生成槽に送るための塩素再循環ラインと、を含み、前記浸出槽の前段にガス供給機及び塩素電解生成槽に連結された酸化性アルカリ溶液保管槽をさらに含むシステムからなる。
前記塩素電解生成槽は、陰極室、陰イオン交換膜及び陽極室を備え、前記陰極室及び陽極室は、黒鉛、イリジウムまたはルテニウム酸化物コーティングチタン電極を含む。前記陰イオン交換膜は、分離膜であって、陰極室と陽極室の二つの電極間の反応の相互影響を防止できるものであれば何れも使用可能である。
塩素電解生成槽は、塩酸溶液を含み、これを電極により電流または電圧を印加することにより、電気分解反応を行って塩素ガスを生成する。前記電気分解反応により塩素ガスを生成する工程は、塩素ガスを従来塩素ガスの供給のために外部に貯蔵タンクを別途に備え、継続して供給することによるガス漏れ防止のための設備や連続して塩素ガスを供給できる装置をさらに設けなければならない負担を解消することができる。
前記電気分解反応により得られた塩素ガスは、浸出槽に安定して供給することができ、浸出槽における未反応の微量の塩素ガスは、塩素再循環ラインを介して塩素電解生成槽の陰極室に再循環される。再循環された塩素ガスは、陰極室で塩化イオンに還元された後、陰イオン交換膜を介して陽極室に移動し、塩素生成反応に再利用されるようにすることで、塩素利用効率を極大化することができる。
前記電気分解による塩素ガスの供給は、外部で塩素ガスの供給による漏れに対する危険を完全に遮断することができ、設備の腐食に対する負担がないため、ルテニウム回収において重要な要素である。
前記塩素電解生成槽から生成された塩素ガスは、連結された管を介して浸出槽に流入される。この場合、前記塩素ガスは、浸出槽の代わりに塩素電解生成槽に連結された酸化性アルカリ溶液保管槽に流入されるように装置して、予め貯蔵されたNaOH、KOHなどのようなアルカリを溶解したアルカリ溶液と反応させてpH10〜14の酸化性アルカリ溶液を製造して貯蔵し、必要な時にこれを浸出槽に供給して用いることも可能である。
前記反応によりpH10以上の酸化性アルカリ溶液を生成することができ、これは浸出槽で直接生成するかまたは酸化性アルカリ溶液保管槽に保管して、浸出槽に投入できるようにする。この場合、初期アルカリ溶液のpHが高いほど、塩素ガスとの反応後に生成された酸化性アルカリ溶液のpHを10以上に維持しながら生成された酸化剤であるOCl-の濃度を高めることができる。
前記初期アルカリ溶液のpHは12以上であること好ましく、pH13以上であることがより好ましい。
前記電解生成された塩素を供給し、反応して生成された酸化性アルカリ溶液のpHは10〜14でることが好ましく、pH11〜13であることがより好ましい。
前記pH10〜14に調節された酸化性アルカリ溶液で満たされた浸出槽に、ルテニウム含有物を装入して浸出反応を起こす。この際、前記pHが10未満であると、ルテニウムの浸出反応が円滑に行われず、14を超過すると、過量のアルカリを消費するため、経済性が低下する。
pHが10〜14のpH領域でルテニウム浸出のための主な酸化剤であるOCl-が存在し、前記pH範囲の中で塩素酸化剤(OCl-)がルテニウムと反応してRuO 4 2-イオン形態で溶液中に存在するとともに浸出される。
浸出槽では、ルテニウムを塩素酸化剤とルテニウムとの間の反応により浸出させる溶解段階と、これを揮発して捕集槽に送るための揮発段階とを経る。
下記[式1]は、水容液から前記pH範囲内で塩素ガスと水が反応してHOClが解離された状態である塩素酸化剤(OCl-)が生成される反応を示すものであり、下記[式2]は、生成された塩素酸化剤とルテニウムとの反応を示すものである。下記[式2]中、ルテニウム浸出反応の△GO値は、−74.765kcalであって、自発反応が生じることによってルテニウム酸化物の浸出が可能となる。
前記浸出槽における塩素酸化剤とルテニウムとの反応によりルテニウムを浸出させる溶解段階での温度は20〜90℃を維持することが好ましく、より好ましくは、40〜90℃であることが好適である。前記温度範囲から外れると、ルテニウム浸出が円滑に行われないため、このような温度維持のための恒温槽を備えることが好ましい。
[式1]Cl2+H2O→2H++Cl-+OCl-
[式2]Ru+3OCl-+H2O→RuO4 2-+2H++3Cl-
前記溶解段階で、ルテニウムは、浸出槽にRuO4 2-の形態に溶解され、溶解されたルテニウムを捕集槽に移動させるために揮発させる揮発段階を経る。
前記揮発段階は、ルテニウムの状態をRuO4 2-からRuO4 2-を経てRuO4の気体状態に変化させるものであって、これを自然に捕集槽に移動させることにより、最終生成物である三塩化ルテニウムを捕集することができる。
前記揮発段階は、浸出槽の前段に備えらたガス供給機から供給されるキャリアガスをノズルを介して投入することにより行い、本発明では、従来技術のオゾン発生器によるオゾンの使用、ノズル位置及び形態の問題によって浸出槽のオゾン供給ノズル及び捕集槽の揮発ルテニウム供給ノズルが詰まる問題を解決することにより、継続して工程運転が可能であり、ルテニウム損失を除去して回収率を90%以上に高めることができ、オゾンによる装置の腐食に対する問題を解決するため、安全性が高い。
ここで、キャリアガスは、窒素、アルゴン、酸素及び空気などを用いてもよく、経済性を考慮した場合、空気であることが好ましく、キャリアガスの種類は大気中で安定した種類であれば特に制限されない。
本発明におけるキャリアガスの供給ノズル形態は、浸出槽では、キャリアガス供給ノズルの端部が浸出槽溶液に接触しない上端に位置し、ノズル孔がパイプ状に製造された形態のものが好ましい。また、捕集槽に設けられたノズルは、揮発された四酸化ルテニウムを含むキャリアガスが通過するものであって、ノズルの端部が捕集溶液中に位置するようにする。これは、四酸化ルテニウムが捕集槽で三塩化ルテニウムに完全に還元されることができるようにする重要な要素である。このために、捕集槽でのノズルの形態は、多孔性の構造を有することは好ましくなく、ノズル孔の内径がキャリアガス供給ラインの内径と同一であるかより大きいパイプ状にして、キャリアガスの供給速度を低下させないことが好ましい。
前記キャリアガスの供給速度は、装置の規模に応じて異なり、通常、浸出槽の溶液1Lを基準に、200〜5,000ml/minの範囲が好ましく、供給される電解生成された塩素の供給速度が速いほど、速くなければならない。
前記揮発段階におけるpHは1〜10であることが好ましく、温度は20〜90℃が好ましい。前記pH及び温度範囲から外れると、ルテニウム酸化物が容易に揮発されず、揮発されるルテニウム酸化物の不純物が多量存在して高純度の三塩化ルテニウムを捕集することに困難がある。
前記揮発段階を経たルテニウム酸化物は、浸出槽に連結された冷却器を通過する。冷却器を通過することにより、ルテニウム酸化物のように揮発されたNa+のような塩イオンが除去され、高純度の三塩化ルテニウムを捕集槽に捕集することができる。捕集槽の温度は、30℃以下であり、好ましくは5〜15℃を維持することが好ましい。
前記冷却器は、冷却コンデンサを用いて分類精製する機能をし、不純物が水気とともに捕集槽に移動されないようにする。
本発明の高効率のルテニウム回収装置は、密閉型システムであって、塩素ガスを再循環してリサイクルすることができるため、塩素ガスの利用率を極大化することができ、光を遮断して高純度の三塩化ルテニウムを得ることができるシステムである。
次に、前記の高効率のルテニウム回収装置を用いたルテニウム回収方法について説明する。
前記ルテニウム回収方法は、塩素電解生成槽に電流または電圧を印加して塩素を電解生成する段階と、前記生成された塩素を浸出槽に投入してルテニウムまたはルテニウム含有物を浸出させる溶解段階と、前記浸出されたルテニウムを四酸化ルテニウムに揮発させる揮発段階と、前記揮発されたルテニウム酸化物を冷却器で精製する段階と、前記精製されたルテニウム酸化物を捕集槽で捕集する捕集段階と、を含む。
前記生成された塩素は、必要に応じて酸化性アルカリ保管槽のアルカリ溶液と反応してpH10以上の酸化性アルカリ溶液を生成し、これを浸出槽に供給する段階をさらに含む。
前記浸出槽は、前段にガス供給機を備え、ノズルを介してキャリアガスを供給する。この際、前記キャリアガスは、窒素、酸素、アルゴン及び空気を含む。
前記溶解段階は、残留する塩素ガスを塩素再循環ラインを介して塩素電解生成槽に送ることを含み、溶解段階は、pH10〜14、20〜90℃で行われることを特徴とする。
前記揮発段階は、溶解段階を経てルテニウム溶解生成物を捕集槽にキャリアガスを供給して揮発させる段階であって、pH1〜10、20〜90℃で行われることを特徴とする。前記揮発段階におけるpH調節は、浸出段階が完了した後、塩素電解生成槽で生成した塩素ガスを浸出槽に供給して浸出槽の酸化性雰囲気を維持しながら反応(1)から生成される水素イオンによるpH低下を用いて果たす。浸出溶液のpHが10以下に低下されると、キャリアガスによって捕集槽への四酸化ルテニウムの揮発が本格化し始める。四酸化ルテニウムの揮発速度は、塩素ガスの供給速度が速いほど、反応(1)によるpH低下速度が速くなるため、塩素電解生成槽に印加する電流値を高めることが効果的である。
前記捕集段階は、四酸化ルテニウムに揮発されたルテニウムを捕集槽で還元させて三塩化ルテニウムに製造する段階であって、塩化イオンと還元剤が混合された溶液で四酸化ルテニウムを供給するとともに、5〜30℃、好ましくは5〜15℃で三塩化ルテニウムに捕集が行われることを特徴とする。
塩素電解生成槽の塩素ガス生成のための塩化イオン供給源としては、pH1以下の塩酸溶液が好ましく、捕集槽で四酸化ルテニウムを三塩化ルテニウムに還元する還元剤としては、金属不純物の汚染を防止するためのアルコールのような有機化合物であって、エタノール、メタノール、イソプロパノールなどを用いることができる。
本発明は、電気化学反応により生成された塩素ガスを用いることにより、外部に塩素ガス供給のための装置、ガス供給装置のガス漏れ防止のための設備及び塩素ガスの連続した供給のための貯蔵装置をさらに設けなければならない負担を解消することができるためコスト低減及び工程の単純化の利点があり、浸出槽における未反応の塩素ガスは塩素再循環ラインを介して塩素電解生成槽に再循環されるようにして塩素ガス発生に再利用することにより、塩素利用効率を極大化することができる。
特に、本発明は、オゾン供給と別途のpH調節装置なしに、電解生成された塩素だけで浸出槽での酸化性雰囲気を維持するとともにpHを低めることで四酸化ルテニウムを揮発して生成し、装置が単純になるとともにエネルギー消費を低減することができるため、非常に経済的である。
また、本発明は、オゾンを使用せずに空気を含むキャリアガスを用いることにより、オゾンによる装置の腐食性問題を解決し、安全性を高めることができ、ノズルの詰まり現象を除去して継続して工程運転が可能である。
さらに、ノズルの詰まりを解消して、これによるルテニウム損失を除去することができるため、ルテニウムの回収率を90%以上向上させることにより、経済性を一層高めることができる。
従来ルテニウム回収装置を示すものである。 本発明による高効率のルテニウム回収装置を示すものである。 実施例1〜3の時間経過による捕集槽内のルテニウムの捕集率を示すものである。
以下、本発明を実施例を参照して詳細に説明する。
但し、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容は下記実施例によって限定されない。
図2は、本発明による高効率のルテニウム回収装置を図示した一例である。図2に図示したように、本発明によるルテニウム回収装置は、陽極室、陰極室及び分離膜が備えらた塩素電解生成槽10と、前記塩素電解生成槽10の後段にルテニウムまたはルテニウム含有物を浸出させる浸出槽20と、前記浸出槽20に連結された冷却器30と、冷却器30の後段にルテニウム酸化物を捕集する捕集槽40と、前記浸出槽20に残留する塩素ガスを塩素電解生成槽10に送るための塩素再循環ライン51と、を含み、前記浸出槽20の前段に塩素電解生成槽10に連結された酸化性アルカリ溶液保管槽11及びガス供給機12をさらに含むシステムからなる。
前記ガス供給機12は、図2に示されたように、キャリアガス供給ライン47及びノズル45を介してキャリアガスを浸出槽20に供給するものであって、浸出槽20に設けられたノズル45は、浸出槽内部の溶液に接触しないように上端に位置する。また、捕集槽40に設けられたノズル46は、揮発された四酸化ルテニウムを含むキャリアガスが通過するものであって、ノズルの端部が捕集溶液中に位置することを特徴とする。
前記塩素電解生成槽10は、陽極室及び陰極室それぞれに電極が設けられ、その間に分離膜が備えらる。前記電極は、電気化学的反応に安定した非溶解性導電物質で構成され、その種類には、チタン及び黒鉛などがあり、好ましくは塩素酸化剤に安定した黒鉛、イリジウムまたはルテニウムコーティングチタン電極で構成されることが好ましい。分離膜は、二つの電極反応の相互影響を排除するために備えられ、陰イオン交換膜を用いることが好ましい。このように構成された塩素電解生成槽は、アクリル、ガラスなどの塩素の酸化作用において耐食性を有する材質であれば何れも好ましい。
前記塩素電解生成槽10は、電気化学反応によって電気分解されて塩素ガスを生成するためのものであって、電解液として塩酸溶液を用いる。塩素電解生成槽から生成された塩素ガスは後段に設けられたルテニウム浸出槽に流入される。
前記浸出槽20は、恒温循環槽を用いて温度を一定に維持させ、溶解段階を経た四酸化ルテニウムを前段に備えられたガス供給機12からノズル45を介して供給されるキャリアガスによって捕集槽に移動されるようにする。
浸出槽20は、ルテニウムを含む浸出試料が投入され、前記塩素生成槽10から生成された塩素ガスと反応してルテニウムを浸出させる。
下記の本発明による実施例を参照すると、ルテニウム回収率を大幅に高めることができることが確認できる。
実施例1
塩素電解生成槽に用いられた溶液は、JUNSEI社(純正化学株式会社)の 35%塩酸を使用して製造し、陽極室には3molL-1の塩酸溶液250mLを、陰極室には35%塩酸溶液500mLを使用した。陽極室及び陰極室それぞれに設けられた黒鉛電極に電線を連結した後、2Aの電流を印加して塩素ガスを発生させた。発生された塩素ガスは浸出槽に装入された2molL-1のNaOH 水溶液200mlと反応させてOCl-濃度0.95molL-1の溶液を製造した後、水酸化ナトリウムを少量添加して溶液のpHを13.2に調節した。準備した溶液の温度を40℃に維持したまま400rpmで攪拌しながらルテニウム粉末1gを装入して溶解した。60分間溶解反応を維持した結果、100%溶解され、以降溶解槽の温度は80℃、窒素キャリアガス注入速度300ml/min、塩素注入のための印加電流2Aの条件下で揮発させた結果、210分経過の際99.95%のルテニウムが揮発された。捕集槽では6molL-1の塩酸に体積比20%のエチルアルコールを含む混合溶液250mlを捕集溶液として用い、溶液温度は10℃を維持した。捕集を行ってから210分経過の際、捕集率は93.8%に達し、二酸化ルテニウム析出または連結部品でのリーク(leak)損失の形態で揮発段階で発生した損失は6.2%であった。図3の(a)は、実施例1の時間経過による捕集溶液内のルテニウムの捕集率を示すものである。
実施例2
塩素電解生成槽に用いられた溶液は、JUNSEI社(純正化学株式会社)の35%塩酸を使用して製造し、陽極室には3molL-1の塩酸溶液250mLを、陰極室には35%塩酸溶液500mLを使用した。陽極室及び陰極室それぞれに設けられた黒鉛電極に電線を連結した後、2Aの電流を印加して塩素ガスを発生させた。発生された塩素ガスは浸出槽に装入された2molL-1のNaOH水溶液200mlと反応させてOCl-濃度0.95molL-1の溶液を製造した後、水酸化ナトリウムを少量添加して溶液のpHを13.2に調節した。準備した溶液の温度を40℃に維持したまま400rpmで攪拌しながらルテニウム粉末1gを装入して溶解した。60分間溶解反応を維持した結果、100%溶解され、以降溶解槽の温度は80℃、酸素キャリアガス注入速度300ml/min、塩素注入のための印加電流2Aの条件下で揮発させた結果、210分経過の際、99.94%のルテニウムが揮発された。捕集槽では6molL-1の塩酸に体積比20%のエタノールを含む混合溶液250mlを捕集溶液として使用し、溶液温度は10℃を維持した。捕集を行ってから210分経過の際、捕集率は91.87%に達し、二酸化ルテニウム析出または連結部品でのリーク(leak)損失の形態で揮発段階で発生した損失は8.13%であった。図3の(b)は実施例2の時間経過による捕集溶液内のルテニウムの捕集率を示すものである。
実施例3
塩素電解生成槽に用いられた溶液は、JUNSEI社(純正化学株式会社)の35%塩酸を使用して製造し、陽極室には3molL-1の塩酸溶液250mLを、陰極室には35%塩酸溶液500mLを使用した。陽極室及び陰極室それぞれに設けられた黒鉛電極に電線を連結した後、2Aの電流を印加して塩素ガスを発生させた。発生された塩素ガスは浸出槽に装入された2molL-1の NaOH水溶液200mlと反応させてOCl-濃度0.95molL-1の溶液を製造した後、水酸化ナトリウムを少量添加して溶液のpHを13.3に調節した。準備した溶液の温度を40℃に維持したまま400rpmで攪拌しながらルテニウム粉末1gを装入して溶解した。60分間溶解反応を維持した結果、100%溶解され、以降溶解槽の温度は80℃、空気キャリアガス注入速度304ml/min、塩素注入のための印加電流2Aの条件下で揮発させた結果、210分経過の際、99.94%のルテニウムが揮発された。捕集槽では6molL-1の塩酸に体積比20%のエチルアルコールを含む混合溶液250mlを捕集溶液として使用し、溶液温度は10℃を維持した。捕集を行ってから210分経過の際、捕集率は96.35%に達し、二酸化ルテニウム析出または連結部品でのリーク(leak)損失の形態で揮発段階で発生した損失は3.65%であった。図3の(C)は実施例3の時間経過による捕集溶液内のルテニウムの捕集率を示すものである。
以上のように本発明では、具体的な装置図のように特定事項と限定された実施例及び図面によって説明したが、これは、本発明をより全般的に理解するために提供されたものに過ぎず、本発明は前記の実施例により限定されるものでなく、本発明が属する分野において通常の知識を有した者であれば、このような記載から様々な修正及び変形が可能である。
従って、本発明の思想は、上記実施例に限って定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求範囲と均等または等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するものであると言える。
10 塩素電解生成槽
20 浸出槽
30 冷却器
40 捕集槽
11 酸化性アルカリ溶液保管槽
12 ガス供給機
13 3−wayバルブ
41 pH調節器
42 オゾン発生器
43、44 ルテニウム含有析出物生成によるノズルの詰まり現象発生
45、46 ノズル
47 キャリアガス供給ライン
51 塩素再循環ライン

Claims (6)

  1. 塩素電解生成槽と、
    前記塩素電解生成槽の後段にルテニウムまたはルテニウム含有物を浸出させる浸出槽と、
    前記浸出槽に連結された冷却器と、
    冷却器の後段にルテニウム酸化物を捕集する捕集槽と、
    前記浸出槽に残留する塩素ガスを塩素電解生成槽に送るための塩素再循環ラインと、を含み、
    前記浸出槽の前段に塩素電解生成槽に連結された酸化性アルカリ溶液保管槽及びガス供給機をさらに含むシステムからなる高効率のルテニウム回収装置。
  2. 前記ガス供給機は、キャリアガス供給ライン及びノズルを介してキャリアガスを浸出槽に供給するものであって、浸出槽に設けられたノズルは、浸出槽内部の溶液に接触しないようになっており、捕集槽に設けられたノズルは、捕集溶液中に位置することを特徴とする請求項1に記載の高効率のルテニウム回収装置。
  3. 前記キャリアガスは、窒素、酸素、アルゴン及び空気を含む請求項2に記載の高効率のルテニウム回収装置。
  4. 前記酸化性アルカリ溶液保管槽は、予め貯蔵されたアルカリ溶液と塩素電解生成槽から発生する塩素ガスとを反応させてpH10以上の酸化性アルカリ溶液を保管することを特徴とする請求項1に記載の高効率のルテニウム回収装置。
  5. 前記システムは、光を遮断することができる密閉型であることを特徴とする請求項1に記載の高効率のルテニウム回収装置。
  6. 前記塩素電解生成槽は、陰極室、陰イオン交換膜及び陽極室を備え、前記陰極室及び陽極室は、黒鉛、イリジウムまたはルテニウムコーティングチタン電極を含む請求項1に記載の高効率のルテニウム回収装置。
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