JP5432826B2 - コート材 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性エラストマー(A)がプロピレン系エラストマーを主成分とするコート材で、特に示差走査熱量分析(DSC)で融点が観測されないプロピレン系エラストマーを含有する水性樹脂と融点が100℃未満のプロピレン系エラストマーを含有する水性樹脂との2種類の水系樹脂を混合してなるコート材に関するものであり、難接着プラスチックであるポリプロピレン、とりわけ各種エンジニアプラスチックとの密着性に優れたコート材に関するものである。
エンジニアプラスチックは、優れた耐熱性、耐油性、成型性、剛性、強靭性などの特徴を有しているため電動工具、一般工業部品、機械部品、電子部品、自動車内外装部品、エンジンルーム内部品、自動車電装部品などの種々の機能部品として広く利用されている。しかしながら、これらエンジニアプラスチックはその性状から、塗装や接着が非常に剛直であってかつ結晶性の高いものが多く、汎用のコート材ではこのものへの塗装や接着を行うのが非常に困難である。
このため、エンジニアプラスチックに塗装や接着を行う際は、その表面をクロム酸、火炎、コロナ放電、プラズマ、溶剤等で活性化することにより表面への付着性を改良するといったことが行われてきた。例えば、ナイロン基材への塗装には、塩素化変性プロピレン系ランダム共重合体と安定剤と有機溶媒を含む樹脂組成物(特許文献1)といったものも提案されてきた。しかしながら、これらは塩素を含有し、かつトルエンやキシレンなどの有機溶剤を含んでおり、安全性や、環境汚染等の問題が懸念されている。
また、ポリオレフィン系樹脂は一般に生産性がよく各種成形性にも優れ、しかも軽量で防錆、かつ耐衝撃性がある等といった多くの利点があるため、自動車や船舶等の内装や外装、及び家電や家具、雑貨、建築の材料等として広範囲に使用されている。このようなポリオレフィン系の樹脂成形物は一般に、ポリウレタン系樹脂やポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂等に代表される極性を有する合成樹脂とは異なり、非極性であってかつ結晶性であるため、汎用の樹脂組成物ではこのものへの塗装や接着を行うのが非常に困難である。
このため、ポリオレフィン系樹脂成形物に塗装や接着を行う際は、その表面をクロム酸、火炎、コロナ放電、プラズマ、溶剤等で活性化することにより表面への付着性を改良するといったことが行われてきた。例えば、自動車用バンパーではその表面をトリクロロエタン等のハロゲン系有機溶剤でエッチング処理することにより塗膜との密着性を高めたり、又はコロナ放電処理やプラズマ処理、もしくはオゾン処理等の前処理をした後において、目的の塗装や接着を行うといったことがなされてきた。また、プライマーで成形品等の基材表面を処理する方法がとられており、例えばポリオレフィンにマレイン酸を導入した組成物(特許文献2)、塩素化変性ポリオレフィンを主成分とした組成物を水に分散させたもの(特許文献3)、オレフィン重合体を水に分散させたもの(特許文献4)等が提案されている。
特開2003−321588号公報 特公昭62−21027号公報 特開平1−256556号公報 WO2007−77843号公報
本発明の課題は、上記問題点を改良したもので、塩素や有機溶媒を含有せず、難接着プラスチックであるポリプロピレン、とりわけ各種エンジニアプラスチックからなる各種樹脂の成形品に、優れた密着を発現するプロピレン系エラストマーを主成分とするコート材を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究および検討を重ねてきた結果、示差走査熱量分析(DSC)で融点が観測されないプロピレン系エラストマーを含有する水性樹脂と融点が100℃未満のプロピレン系エラストマーを含有する水性樹脂との2種類の水系樹脂を混合してなるコート材が、上記目標達成のために極めて有効である事を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、以下[1] 〜[10]である。
[1] 熱可塑性エラストマー(A)が、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)、及びα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)、及び/又はウレタン樹脂(C)で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)を含んでなり、前記(a−1)が下記(i)〜(iii)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−1)を含む熱可塑性エラストマー(A1)含有水系樹脂と、下記(i)、(ii)、(iv)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−2)を含む熱可塑性エラストマー(A2)含有水系樹脂の2種類の水系樹脂を混合してなることを特徴とするコート材。
(i)プロピレンとプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンの少なくとも一種の共重合体で、プロピレンを53mol%以上含有し、炭素数4〜20のα−オレフィンが1〜47mol%、エチレン含有量が0〜25mol%であるプロピレン系重合体。
(ii)ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量が50,000以上800,000以下である。
(iii)示差走査熱量分析(DSC)で融点が観測されない。
(iv)示差走査熱量分析(DSC)で測定された融点が100℃未満。
[2] 前記熱可塑性エラストマー(A1)を含む水系樹脂が更に、アイソタクチックポリプロピレン(a−4)を含有することを特徴とする[1]に記載のコート材。
[3] 前記熱可塑性エラストマー(A1)を含む水系樹脂の固形分が、前記(a−1)、(a−2)、(a−3)の総合計が70〜99重量%、アイソタクチックポリプロピレン(a−4)が1〜30重量%であることを特徴とする[2]に記載のコート材。
[4] 前記(a−2)のα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)が、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1つの活性水素基である[1]に記載のコート材。
[5] [1]記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体からなる樹脂(B)の水系樹脂および/またはウレタン樹脂
(C)の水系樹脂と、石油系炭化水素樹脂(D)および/またはロジン系樹脂(E)および/またはテルペン系樹脂(F)の水系樹脂とを混合してなることを特徴とするコート材。
[6] [1]記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂の固形分100重量部に対して、前記樹脂(B)および/または前記樹脂(C)を1〜90重量部と、前記樹脂(D)および/または前記樹脂(E)および/または前記樹脂(F)を1〜95重量部となるように混合してなることを特徴とする[5]に記載のコート材。
[7] [1]記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂が、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)、及びα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)と重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
式(1)
で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むプロピレン系樹脂(a−5)及び/又は高級脂肪酸またはその塩の基(a−6)からなり、前記(a−2)がカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂である場合は、前記(a−5)より重量平均分子量が大きいことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載のコート材。
[8] 熱可塑性エラストマー(A)が前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、前記(a−5)及び/又は(a−6)が0.3〜100重量部である[7]に記載のコート材。
[9] [1]記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂が、更にアニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(H)を含む[7]又は[8]に記載のコート材。
[10] 熱可塑性エラストマー(A)が前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、前記(H)が0.3〜40重量部であること[9]に記載のコート材。
本発明のコート材は分離現象を起こすことなくそのまま使用することができ、スプレー塗装が可能であって、難接着プラスチック、とりわけポリプロピレン、各種エンジニアプラスチックの各種樹脂成形品への密着に優れるという、従来にない作用効果を有する。
本発明のコート材は、 以下の(A)〜(F)の樹脂を水に溶解または分散されたものを含むものである。
[熱可塑性エラストマー(A)]
本発明に用いられる熱可塑性エラストマー(A)は、下記(a−1)から(a−6)を含む。
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)としては、プロピレンとプロピレン以外の、例えば、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等の炭素数4〜20のα−オレフィンや、エチレンの少なくとも一種の共重合体が挙げられる。本発明は、前記(a−1)が下記(i)〜(iii)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−1)と、前記(a−1)が下記(i)、(iii)、(iv)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−2)に分けられる。尚、ここで(a−1−1)を含む熱可塑性エラストマー(A)を(A1)、(a−1−2)を含む熱可塑性エラストマー(A)を(A2)とする。
(i)プロピレンを53mol%以上含有し、炭素数4〜20のα−オレフィンが1〜47mol%、エチレン含有量が0〜25mol%のものが好ましい。特に、プロピレン成分、α−オレフィン成分、エチレン成分からなるものについては、プロピレン成分を53〜98モル%、α−オレフィン成分を1〜47モル%、エチレン成分を1〜25モル%の量含むプロピレン・α−オレフィン・エチレン共重合体が好ましく、プロピレン成分を57〜90モル%、α−オレフィン成分を3〜35モル%、エチレン成分を2〜20モル%の量含むものがさらに好ましく、プロピレン成分を60〜85モル%α−オレフィン成分を8〜30モル%、エチレン成分を5〜15モル%の量含むものがより好ましい。(ここで、プロピレンから誘導される単体構成、エチレンから誘導される構成単位およびα−オレフィン成分から誘導される構成単位の合計は100モル%である。)また、α−オレフィンの中でも、ブテン、1−オクテンが好ましい。
(ii)GPCにより測定した重量平均分子量は50,000以上800,000以下が好ましく、より好ましくは60,000以上600,000以下、さらに好ましくは70,000以上500,000以下で、分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下であり、メタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒系で製造することができるが、これに限定されるものではない。
(iii)示差走査熱量分析(DSC)で融点が観測されないものであり、融点が観測されないとは、−150〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。測定条件は、実施例記載のとおりである。
(iv)示差走査熱量分析(DSC)で測定された融点が100℃未満のものである。測定条件は、実施例記載のとおりである。
(i)のような量でプロピレン由来の構成単位、炭素数4〜20のα−オレフィン構成単位、必要に応じてエチレン由来の構成単位を含有するプロピレン・α−オレフィン・エチレン共重合体は、下記のアイソタクティックポリプロピレン(a−4)との相溶性が良好となり、得られるプロピレン系重合体組成物は、充分な透明性、柔軟性、耐熱性、耐傷付性を発揮する傾向がある。
X線回折で測定した結晶化度は上記(a−1−1)の場合通常0%であり、上記(a−1−2)の場合通常1%以上から50%以下である。
またプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体は単一のガラス転移温度を有し、かつ示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度Tgが、通常−10℃以下、好ましくは−15℃以下の範囲にあることが望ましい。該プロピレン・α−オレフィン・エチレン共重合体のガラス転移温度Tgが前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
プロピレン・α−オレフィン・エチレン共重合体は、13C−NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm分率)が好ましくは85%以上、より好ましくは85〜97.5%以下、さらに好ましくは87〜97%、特に好ましくは90〜97%の範囲にある。トリアドタクティシティ(mm分率)がこの範囲にあると、特に柔軟性と機械強度のバランスに優れるため、本発明に好適である。mm分率は、国際公開2004−087775号パンフレットの21頁7行目から26頁6行目までに記載された方法を用いて測定することができる。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)
本発明に用いられる、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)は、上記記載の未変性熱可塑性エラストマー(a−1)に、以下に記載したα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性させて得られるが、一部に反応しないものを含んでも何ら問題ない。
本発明に使用されるα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウロイル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の水酸基含有ビニル類、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有ビニル類及びこれらのモノエステル化物、クリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミド等のアミド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、N、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N、N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N、N−ジヒドロキシエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート類、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート等の不飽和リン酸類、その他アクリロニトリル、メタクリルニトリル、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル(メタ)アクリレート、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。また、前記単量体、或いはその共重合体をセグメントに有し、末端にビニル基を有するマクロモノマー類等も使用できる。また、無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の無水カルボン酸類等も用いることができる。
また、ここに記載されたメチル(メタ)アクリレートのような記載は、メチルアクリレート及びメチルメタアクリレートを示す。
本発明に使用されるα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)は、1種類でも良く、複数種を混合したものを用いても良い。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)からなる樹脂(B)としては、前記α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)からなる重合体である。α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)の量としては、通常、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)の重量の0.1〜70重量%、好ましくは0.3〜50重量%、より好ましくは0.5〜30重量%の範囲である。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)は、種々の方法で得ることできるが、例えば、有機溶剤中で未変性熱可塑性エラストマー(a−1)と単量体(b−1)を重合開始剤(G)の存在下で反応した後に脱溶剤する方法や、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)を加熱溶融し得られた溶融物に上記単量体(b−1)および重合開始剤(G)を攪拌下で反応させる方法や、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)と単量体(b−1)と重合開始剤(G)を混合したものを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法や、有機溶剤中で単量体(b−1)を重合開始剤(G−1)の存在下で反応した後に脱溶剤して得られた単量体(b−1)からなる樹脂(B)と未変性熱可塑性エラストマー(a−1)と重合開始剤(G)を混合したものを押出機に供給して加熱混練しながら反応させる方法等挙げることができる。
ここで使用できる有機溶剤としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、イソオクタン、イソデカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3メトキシブチルアセテート等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶剤を用いることができ、またこれらの2種以上からなる混合物であっても構わない。これらの中でも、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素が好ましく、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素がより好適に用いられる。
本発明に用いる重合開始剤(G−1)としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
ウレタン樹脂(C)で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)
本発明のウレタン樹脂(C)で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)は、特に限定されるものではないが、例えば、有機溶媒中で、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)とウレタン樹脂(C)とを混合し、高温下、及び/又は高温下、ラジカルを発生させ反応を行う方法等がある。
本発明でラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、特に限定されるものではないが、有機過酸化物を添加する方法等の公知の方法を使用することができる。
有機過酸化物としては、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
本発明では、上記した有機過酸化物のうちでも、ジ−tert−ブチルパーオキサイドやtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートがより好適に用いられる。すなわち、分子内にtert−ブチル基及び/又はベンジル基を有する有機過酸化物は水素引抜能力が比較的高く、ポリオレフィンとのグラフト率を向上させる効果がある。
上記有機過酸化物の使用量は、本発明の未変性熱可塑性エラストマー(a−1)及び/又はα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)とウレタン樹脂(C)との総重量に対し、通常2〜50重量%、より好ましくは3〜30重量%の範囲で用いる事で安定性に大きな効果が現れる。この場合、有機過酸化物の使用量が2重量%未満である場合は、得られた組成物の溶媒中での安定が悪く、逆に50重量%を越える使用量である場合は反応中にゲル化、或いは分子量の低下による素材への密着性が劣るものとなるため、上記した範囲で有機過酸化物を使用することが好ましい。また、この有機過酸化物はなるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。すなわち、これの使用する量にもよるが、一般に有機過酸化物を一括で添加するような場合は反応液が比較的ゲル化を起こしやすくなるため、少量ずつ時間をかけて、又は多回数に分けて少量ずつ添加していくようにすることが好ましい。
さらに本発明のウレタン樹脂で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)は、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)の官能基とウレタン樹脂(C)の官能基との反応させたものでも良い。ウレタン樹脂で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)は、特に限定されるものではないが、例えば(a−2)にカルボキシル基を含有させ、(C)の末端に水酸基或いはイソシアナート基を含有するものを混合し、加熱下反応させる方法や、(a−2)に水酸基を含有させ、(C)の末端にイソシアナート基を含有するものを混合し、加熱下反応させる方法や、(a−2)に酸無水物基を含有させ、これに分子内に水酸基を2個以上含有するアルコール類や樹脂類を反応させて水酸基を含有させた後、(C)の末端にイソシアナート基を含有するものを混合し、加熱下反応させる方法や、活性水素基を有する熱可塑性エラストマー(a−2)と多官能イソシアネート化合物を反応させる方法等の種々の方法があり、さらには前記のカルボキシ基或いは水酸基を含有する(a−2)の存在下で、(C)の原料モノマーを反応させウレタン樹脂を合成するとともに変性を行う方法等があり、後者の方が貯蔵安定性の面から好ましい。
尚、水分散性、基材との密着性の点から、本発明の未変性熱可塑性エラストマー(a−1)及び/又はα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)とウレタン樹脂(C)との比率は、(a−1)及び/又は(a−2)/(C)=10/90〜95/5の重量比であり、好ましくは20/80〜80/20である。
アイソタクチックポリプロピレン(a−4)
本発明で用いられるアイソタクティックポリプロピレン(a−4)としては、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上のポリプロピレンである。
アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)については、先行公報特開2003−147135に記載されている方法で測定・計算されるものである。
アイソタクティックポリプロピレン(a−4)としては、プロピレン単独重合体またはプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられるが、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。
これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。これらのα−オレフィンから導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に35モル%以下、好ましくは30モル%以下の割合で含んでいてもよい。
アイソタクティックポリプロピレン(a−4)は、ASTM D 1238 に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が0.01〜1000g/10分、好ましくは0.05〜100g/10分の範囲にあることが望ましい。
また必要に応じて複数のアイソタクティックポリプロピレン(a−4)を併用することができ、例えば融点や剛性の異なる2種類以上の成分を用いることもできる。
またアイソタクティックポリプロピレン(a−4)としては、耐熱性に優れるホモポリプロピレン(通常プロピレン以外の共重合成分が3mol%以下である公知のもの)、耐熱性と柔軟性のバランスに優れるブロックポリプロピレン(通常3〜30wt%のノルマルデカン溶出ゴム成分を有する公知のもの)、さらには柔軟性と透明性のバランスに優れるランダムポリプロピレン(通常DSCにより測定される融点が110℃〜150℃の範囲にある公知のもの)が目的の物性を得るために選択して、または併用して用いることが可能である。
このようなアイソタクティックポリプロピレン(a−4)は、例えばマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および電子供与体からなるチーグラー触媒系、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒系でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα−オレフィンを用いて共重合することにより製造することができる。
(a−4)成分の含有量は、熱可塑性エラストマー(A)中、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜27重量%、さらに好ましくは2〜25重量%である。
重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)としては、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
式(1)

で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むプロピレン系樹脂が挙げられる。プロピレン系樹脂の重合体鎖に結合したカルボン酸の塩の基(部分中和物ないし部分ケン化物の時はカルボン酸基を含む)は、樹脂1グラム当たり、−COO−基として0.05〜5ミリモル、好ましくは0.1〜4ミリモルである。また、プロピレン系樹脂(a−5)は、たとえば酸変性プロピレン系樹脂に、中和されているか中和されていないカルボン酸基を有する単量体、および/又はケン化されているかケン化されていないカルボン酸エステルを有する単量体を、グラフト共重合することにより得ることができる。
前記(a−2)がカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂である場合は、前記(a−5)より重量平均分子量が大きい。
前記のプロピレン系樹脂(a−5)の分子量は、GPCにより測定される重量平均分子量(以下、Mwと略記する。重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレンを標準として測定可能である。)は、1,000以上50,000未満の範囲、好ましくは2,000以上45,000未満、さらに好ましくは3,000〜40,000の範囲にある、酸変性プロピレン系樹脂が好ましい。
中和されているか中和されていないカルボン酸基を有する単量体、およびケン化されているかケン化されていないカルボン酸エステル基を有する単量体としては、たとえば、エチレン系不飽和カルボン酸、その無水物又はそのエステルなどが挙げられる。
ここでエチレン系不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが、その無水物としてはナジック酸TM(エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などが、不飽和カルボン酸エステルとしては上記エチレン系不飽和カルボン酸のメチル、エチルもしくはプロピルなどのモノエステル又はジエステルなどが例示できる。これらの単量体は単独で用いることもできるし、また複数で用いることもできる。
上記の単量体から選ばれるグラフト単量体を被グラフト重合体にグラフト共重合して変性物を製造するには、従来公知の種々の方法を採用することができる。例えば、被グラフト重合体を溶融させグラフト単量体を添加してグラフト共重合させる方法、あるいは有機溶媒に溶解させグラフト単量体を添加してグラフト共重合させる方法等があげられる。いずれの場合にも、前記グラフト単量体を効率よくグラフト共重合させるためには、重合開始剤(G)の存在下に反応を実施することが好ましい。
グラフト反応は通常60〜350℃の温度で行われる。重合開始剤の使用割合は被グラフト重合体100重量部に対して、通常0.01〜20重量部の範囲である。重合開始剤(G)の中でもジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシドが好ましい。
中和及びケン化に用いる塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、等のアルカリ金属、ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム、等の無機アミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジエチレントリアミン、エチルアミノエチルアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1-アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、モルホリン等の有機アミン、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、水素化物、炭酸ナトリウム、等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の弱酸塩を挙げることができ、塗膜の耐水性から、有機アミン、中でもアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、1-アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−1−ブタノール、モルホリンが好ましい。
高級脂肪酸またはその塩の基(a−6)
本発明で使用される高級脂肪酸またはその塩の基(a−6)としては、炭素数12〜60の高級脂肪酸の塩が好ましく、より好ましくは炭素数15〜40の高級脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩が挙げられ、好ましくは、モンタン酸、オレイン酸のアルカリ金属塩である。
更に、高級脂肪酸(a−6)の塩は、高級脂肪酸の塩のほかに、高級脂肪酸及び/又は高級脂肪酸のエステルを含んでいてもよい。エステルを構成するアルコール残基は、炭素数2〜30であるのが好ましく、炭素数6〜20であるのが特に好ましい。残基は直鎖状でも、分岐状でも差し支えない。炭素数が異なるものの混合物であっても良い。アルコール残基として、具体的には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの残基を挙げることができる。モンタン酸のエステルワックス、モンタンロウが特に好適である。
高級脂肪酸(a−6)の塩は、上記の高級脂肪酸を中和及び/又は上記の高級脂肪酸エステルをケン化して得ることができる。この際、中和もしくはケン化されていない高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステルが共存する部分中和物ないし部分ケン化物であってもよい。中和及びケン化に用いることのできる塩基性物質は、プロピレン系樹脂(a−5)の塩で挙げたものと同様なものを例示できる。
重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)及び/又は高級脂肪酸またはその塩の基(a−6)の使用量は、前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、前記(a−5)及び/又は(a−6)が0.3〜100重量部が好ましく、1〜90重量部がより好ましく、3〜60重量部がさらに好ましい。
ここで、熱可塑性エラストマー(A1)を含む水系樹脂と熱可塑性エラストマー(a2)を含む水系樹脂との混合割合は、各種基材への密着性・密着力の観点から、固形分重量比で(A1)/A2)が10/90〜90/10が好ましく、基材がエンジニアプラスチックの場合は50/50〜90/10、さらに好ましくは60/40〜85/15である。
[アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(H)]
本発明に用いられる、アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(H)は、限定なく公知のものが用いられる。
アニオン型界面活性剤としては、公知のものを用いることができるが、例えば、第一級高級脂肪酸塩、第二級高級脂肪酸塩、第一級高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、第一級高級アルキルスルホン酸塩、第二級高級アルキルスルホン酸塩、高級アルキルジスルホン酸塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級脂肪酸硫酸エステル塩、高級脂肪酸硫酸エステルスルホン酸塩、高級アルコールエーテルの硫酸スルホン酸塩、高級アルコールエーテルのスルホン酸塩、高級脂肪酸アミドのアルキロール化硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェノールスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩等が挙げられる。
これらのアニオン型界面活性剤の中で特に好適なものとしては、高級脂肪酸塩、特に炭素原子数が10〜20の飽和または不飽和の高級脂肪酸のアルカリ金属塩を挙げることができ、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、リンデン酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸、或いはこれらの混合物のアルカリ金属塩を挙げることができる。
ノニオン型界面活性剤としては、公知のものを用いることができるが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドエーテル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、脂肪酸ショ糖エステル、アルキロールアミド、ポリオキシアルキレンブロックコポリマー等を挙げることができる。
界面活性剤としては、アニオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤をそれぞれ単独で使用することができるし、複数を併用することもできる。
この界面活性剤(H)の使用量は、前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、0.3〜40重量%程度が好ましく、0.5〜30重量%がさらに好ましく、特に0.8〜20重量%が好ましい。
[水への分散方法]
上記で得られた未変性熱可塑性エラストマー(a−1)、及び/又はα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)を水に分散させる方法に、特に制限されるものではないが、例えば、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)及び/又は高級脂肪酸(a−6)を用いて、以下の方法で水に分散できる。また、水への分散安定性を向上させるために、アニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(H)も使用することができる。
前記のような水性樹脂は、前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)と、前記(a−5)及び/又は前記(a−6)を溶融混練した後に、これに塩基性物質と水を添加後、さらに溶融混練し、中和及び/又はケン化を行い、前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)の水相への分散(転相)を行う方法や、前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)と、前記(a−5)及び/又は前記(a−6)と、前記(H)を溶融混練した後に、これに塩基性物質と水を添加後、さらに溶融混練し、中和及び/又はケン化を行い、前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)の水相への分散(転相)を行う方法や、予め、前記(a−5)及び/又は前記(a−6)に塩基性物質として水を添加して、中和及び/又はケン化し、これを前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)と溶融混練した後、さらに水を添加して、溶融混練を行って前記(a−1)、及び/又は前記(a−2)の水相への分散(転相)を行う方法で製造されることが好ましい。
前者の方法が簡便で、かつ粒子直径が小さく均一なものが得られるので好ましい。転相に利用する溶融混練手段は公知のいかなるものでも良いが、好適には、ニーダー、バンバリーミキサー、多軸スクリュー押出機を例示することができる。
中和又はケン化のための前記塩基性物質の添加量の割合は、全カルボン酸又はカルボン酸エステルの60〜250%、好ましくは70〜200%である。
また、溶融混練と転相によって得た水性樹脂は、水が1〜25%含有されていることが好ましく、更には1〜20%含有されていることが好ましい。水分含有量が1重量%未満では、転相(水により樹脂固形分が連続相から分散相に変わること)が起り難く、好適な水系樹脂が得られない。また25重量%を超えると、水系樹脂が流動性を持つようになる。
この水性樹脂はこのままでも使用できるが、これに水を補給し粘度を下げてしようすることもできる。
上記で得られたα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)、及び/又はウレタン樹脂で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)を水に分散させる方法に、特に制限されるものではないが、例えば、有機溶剤で、前記(a−2)、及び/又は前記(a−3)を溶解したものに、攪拌下、塩基性物質とイオン交換水を添加して有機溶剤を除去する方法や、界面活性剤を含有するイオン交換水中で、強制乳化後に有機溶剤を除去する方法や、塩基性物質と界面活性剤を含有するイオン交換水を添加して強制乳化後に有機溶剤を除去する方法等、公知の方法で製造することができる。
[α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体からなる樹脂(B)の水系樹脂]
本発明に使用されるα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体からなる樹脂(B)を構成する単量体としては、前記(b−1)が挙げられる。
本発明に使用されるα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)は、通常、複数種を混合したものを用いる。
α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)からなる樹脂(B)の水系樹脂は、種々の方法で得ることできるが、例えば、有機溶剤中で前記単量体(b−1)を重合開始剤(G)の存在下で溶液重合して得られた樹脂溶液に、塩基性物質、イオン交換水を添加後、有機溶剤を除去する方法や、界面活性剤を含有するイオン交換水中で、重合開始剤(G)存在下、前記単量体(b−1)を重合する乳化重合法等、公知の方法で製造することができる。
前者のような場合、前記(b−1)に塩基性物質で中和し得る酸性基を含有する必要がある。具体的には、前記(b−1)に記載のカルボキシル基含有ビニル類を用い、樹脂の酸価が10mgKOH/g以上として合成する。樹脂の酸価としては、10mgKOH/g以上が好ましく、さらに好ましくは15mgKOH/g以上である。酸価が10mgKOH/g未満になると、親水性が低くなり水性化が困難となる。前記記載の酸価は、溶剤を除いた樹脂(ソリッド)での値である。
さらに、用いる有機溶剤は、沸点が100℃以下のものであれば特に限定されるものではなく、これらの溶剤は単独で、又は2種類以上の混合状態で用いることができる。溶剤の沸点が100℃を超える、すなわち水の沸点を超える溶剤の使用は、水系樹脂形成後の溶液から溶剤のみを完全に留去する事が困難になり、皮膜中へ高沸点溶剤が残存し物性へ影響する。性能発現のため止むを得ず使用する場合には、前記単量体(b−1)からなる樹脂(B)の水性樹脂100重量部に対し10重量部以下で用いることが好ましい。
本発明の前記単量体(b−1)からなる樹脂(B)の水性樹脂を合成するのに用いる重合開始剤としては、前記に記載の重合開始剤(G)を用いることができ、これらは単独或いは2種以上併用して用いることができる。
本発明の前記単量体(b−1)からなる樹脂(B)の水性樹脂を合成するのに用いる塩基性物質は、前記の塩基性物質を用いることができ、添加量はカルボキシル基の50〜100モル%で中和する。また、これらの2種以上を併用しても構わない。
後者の方法で用いる重合開始剤(G)としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、前記に記載した重合開始剤(G−1)、或いはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナトリウムスルホキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組合せによるレドックス開始剤等が挙げられ、これらの1種もしくは2種類以上を用いることができる。開始剤の使用量は通常、単量体の総量に対して0.1〜5重量%である。さらに水への安定性を向上させるために、上記の界面活性剤を使用することができる。
本発明で用いられる前記単量体(b−1)からなる樹脂(B)の水性樹脂としては、DSCによる測定のTgが−60℃〜50℃が好ましく、さらに好ましくは−30℃〜30℃である。また、GPCによる重量平均分子量は5000〜1000000が好ましく、さらには10000〜500000が好ましい。
[ウレタン樹脂(C)の水系樹脂]
本発明に使用されるウレタン樹脂(C)の水性樹脂を構成する成分である、多官能イソシアネート化合物としては、例えばエチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、等の各種脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4´−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネート、等の脂環族ポリイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4´−ジイソシアネート、等の芳香族ポリイソシアネート、チオジエチルジイソシアネート、等の含硫脂肪族イソシアネート、ジフェニルスルフィド−2,4´−ジイソシアネート、等の芳香族スルフィド系イソシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4´−ジイソシアネート、等の脂肪族ジスルフィド系イソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4´−ジイソシアネート、等の芳香族スルホン系イソシアネート、4−メチル−3−イソシアナトベンゼンスルホニル−4´−イソシアナトフェノールエステル、等のスルホン酸エステル系イソシアネート、4,4´−ジメチルベンゼンスルホニル−エチレンジアミン−4,4´−ジイソシアネート、等の芳香族スルホン酸アミド系イソシアネート、チオフェン−2,5−ジイソシアネート、等の含硫複素環化合物等が挙げられる。
またこれらのアルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できるが、上記化合物以外の多官能イソシアネート化合物を使用してもかまわない。また、これらの多官能イソシアネート化合物は、1種または2種以上の混合物で使用することもできる。
上記化合物のうち、得られた樹脂、及びそれをコートし皮膜形成させた後の皮膜の耐黄変性、熱安定性、光安定性の点、又は多官能イソシアネート化合物の入手のし易さの面から、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネート化合物が好ましく、それらの中でもヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビスイソシアナートメチルノルボルナン、2,6−ビスイソシアナートメチルノルボルナン及びこれらの誘導体が特に好ましい。
多官能イソシアネート化合物と反応し得る活性水素基を、1分子中に、少なくとも2個有する活性水素化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。各種のポリオール化合物:エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、等の脂肪族ポリオール、ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、等の芳香族ポリオール、ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエチレングリコール、ポリエーテルポリオール、ポリチオエーテルポリオール、更に、シュウ酸、アジピン酸、等の有機酸と前記ポリオールとの縮合反応生成物、前記ポリオールとエチレンオキシドや、プロピレンオキシド等アルキレンオキシドとの付加反応生成物、アルキレンポリアミンとアルキレンオキシドとの付加反応生成物、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、カプロラクトン変性品、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、等が挙げられる。
この他、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、等のポリアミノ化合物、セリン、リジン、ヒスチジン等のα−アミノ酸も使用することができる。
本発明において活性水素化合物は、分岐骨格を有さない直鎖構造の化合物を使用する事が好ましく、更に、融点(Tm)が40℃以下であるようなポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオールおよびこれらの共重合体や混合物を、全活性水素化合物100重量部中、50重量部以上98重量部以下使用することが好ましい。50重量部未満であると、水性コート材から得られた皮膜の風合いが悪化する傾向にあり、98重量部を超えると、皮膜強度、硬度が低下する傾向にある。これらの化合物はそれぞれ単独で、また、2種類以上混合して用いても良い。
また、本発明に用いられるウレタン樹脂(C)の水性樹脂として安定にさせるためには、公知の材料、安定化技術を用いる事が出来るが、分子中にカルボキシル基、スルホニル基およびエチレンオキシド基を一種以上有している事が好ましく、カルボキシル基および/またはスルホニル基を一種以上有していることがより好ましい。
これらの原子団を導入する構成成分としては、例えば2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール吉草酸、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの重付加物、エチレングリコールと前記活性水素化合物との重合体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。分子中にこれらの原子団を導入することで、樹脂の機械的安定性、他成分との混和安定性が向上する傾向にある。
上記のカルボキシル基および/またはスルホニル基含有化合物を用いる際の好ましい量は、ウレタン樹脂の水系樹脂組成物の固形分換算における酸価が2〜15KOHmg/g、より好ましくは3〜12KOHmg/gの範囲内である。上記酸価の範囲未満であると、樹脂の機械的安定性が傾向にある。
ウレタン樹脂(C)の水性樹脂の製造方法は、特に制限されるものではないが例えば以下のような方法が例として挙げられる。例えば、多官能イソシアネート化合物、前記活性水素化合物中における、イソシアネート基と反応し得る活性水素基を有する化合物、および前記化合物中のイソシアネート基と反応し得る活性水素基を有し、且つ分子中にカルボキシル基、スルホニル基またはエチレンオキシド基を有する少なくとも1種の化合物を、イソシアネート基が過剰になるような当量比で、適当な有機溶剤の存在下または非存在下に反応させ、分子末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマーを製造し、その後、上記プレポリマー中にカルボキシル基及び/又はスルホニル基を有するものは、三級アミン等の中和剤により中和、ついで、この中和プレポリマーを、鎖伸長剤含有の水溶液中に投入して反応させた後、系内に有機溶剤を含有する場合はそれを除去し得る方法や、上記の方法で得た未中和のウレタンプレポリマーを、中和剤を含有し、かつ鎖伸長剤をする水溶液中に投入して反応させて得る方法や、前記の方法で得た中和済みのウレタンプレポリマー中に、鎖伸長剤を有する水溶液を加え、反応させて得る方法や、前記の方法で得た未中和のウレタンプレポリマー中に、中和剤を含有し、かつ鎖伸長剤を有する水溶液を加え、反応させて水分散液を得る方法等がある。
本発明に用いられる中和剤としては、特に制限されるものではないが、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミンのようなアルカノールアミン類、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ピリジン、N−メチルイミダゾール、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンのような3級アミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムのようなアルカリ金属化合物、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドのような4級アンモニウム化合物が挙げられ、これらの化合物は1種、または2種以上の混合物として使用することができる。
前記中和剤の使用量は、好ましくは前記カルボキシル基およびまたはスルホニル基を有するポリウレタン樹脂中のカルボキシル基およびまたはスルホニル基1当量に対し、0.5〜3当量、より好ましくは0.7〜1.5当量である。前記範囲未満であると、ウレタン樹脂(C)の水性樹脂の水中における安定性が低下する傾向にある。
本発明に用いられる鎖伸長剤としては、例えば、水、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、NBDA(商品名、三井化学株式会社製)、N−メチル−3,3´−ジアミノプロピルアミン、及びジエチレントリアミンとアクリレートとのアダクトまたはその加水分解生成物等のポリアミン類が適当である。
上記ウレタン樹脂(C)の水性樹脂を得る際に使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、溶剤の沸点が100℃以下のものであれば特に限定されるものではなく、これらの溶剤は単独で、または2種類以上の混合状態で用いることが出来る。溶剤の沸点が100℃を超える、すなわち水の沸点を超える溶剤の使用は、水系樹脂形成後の溶液から溶剤のみを完全に留去する事が困難になり、皮膜中へ高沸点溶剤が残存し物性へ影響するので、性能発現のため止むを得ず使用する場合には、ウレタン樹脂(C)の水性樹脂100重量部に対し10重量部以下で用いることが好ましい。
また、本発明で用いられるウレタン樹脂(C)の水性樹脂は、他の単量体、樹脂成分等の他成分と反応させることによって変性体としても使用できる。さらに、本発明で得られたウレタン樹脂(C)の水性樹脂中において、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、イタコン酸、マレイン酸等の少なくとも1種以上のモノマーを重合させた複合体としても使用できる。
このようにして得られたウレタン樹脂(C)の水性樹脂の中でも、破断伸び率が0.1〜800%が好ましい。さらに水への安定性を向上させるために、前記の界面活性剤を使用することができる。
[石油系炭化水素樹脂(D)]
本発明で用いられる石油系炭化水素樹脂(D)としては、例えば、タールナフサのC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂およびそれらの共重合系脂環族である。C5系石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分を重合した樹脂)、C9系石油樹脂(ナフサ分解油のC9留分を重合した樹脂)、C5C9共重合石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分とC9留分を共重合した樹脂)が挙げられ、タールナフサ留分のスチレン類、インデン類、クマロン、その他ジシクロペンタジエン等を含有しているクマロンインデン系樹脂、ρ−ターシャリブチルフェノールとアセチレンの縮合物に代表されるアルキルフェノール類樹脂、ο−キシレン、ρ−キシレン、m−キシレンをホルマリンと反応させたキシレン系樹脂等も挙げられる。これらは単独または2種類以上で組み合わせて使用することができる。これらの中でも、GPCによる測定で重量平均分子量が1,000〜50,000の石油系炭化水素樹脂が好ましく、なかでも1,500〜30,000が好ましい。また、これらの樹脂に極性基を有するものはさらに好ましい。
[ロジン系樹脂(E)]
本発明で用いられるロジン系樹脂(E)としては、天然ロジン、重合ロジン、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等で変性した変性ロジンが挙げられる。また、ロジン誘導体としては、前記のロジン類のエステル化物、フェノール変性物およびそのエステル化物等が挙げられ、これらの水素添加物も挙げることができる。
[テルペン系樹脂(F)]
本発明で用いられるテルペン系樹脂(F)としては、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン、テルペンフェノール、テルペンアルコール、テルペンアルデヒド等からなる樹脂が挙げられ、α−ピネン、β−ピネン、リモネン、ジペンテン等にスチレン等の芳香族モノマーを重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂等が挙げられ、これらの水素添加物も挙げることができる。中でもテルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、およびこれらの水素添加物が好ましい。
また、本発明では、石油系炭化水素樹脂(D)、ロジン系樹脂(E)、テルペン系樹脂
(F)を併用して使用することもできる。
本発明は、前記(A)の水系樹脂と、前記(B)及び/又は前記(C)の水性樹脂と、石油系炭化水素樹脂(D)及び/又はロジン系樹脂(E)及び/又はテルペン系樹脂(F)の水性樹脂を混合することができる。その混合比は、前記(A)の固形分100重量部に対し、前記(B)および/または前記(C)が1〜90重量部が好ましく、さらには5〜80重量部が好ましい。
また、さらに、石油系炭化水素樹脂(D)及び/又はロジン系樹脂(E)及び/又はテルペン系樹脂(F)の水性樹脂を混合することもできる。その混合比は、前記(A)の固形分100重量部に対し、前記(D)及び/又は前記(E)及び/又は前記(F)が1〜95重量部が好ましく、さらには5〜80重量部が好ましい。
本発明のコート材のうちで、活性水素及び/又は水酸基を持つ組成物は、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤を用いることができる。
例えば、分子内にイソシアナート基を有する硬化剤と混合して使用することができる。硬化剤としては、イソシアナート基が、オキシム類、ラクタム類、フェノール類等のブロック剤で処理したものが水中に存在するようなタケネートWBシリーズ(三井武田ケミカル(株)製)、エラストロンBNシリーズ(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
また、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル等の少なくとも1種と、ホルムアルデヒドから合成される樹脂であって、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級アルコールによってメチロール基の1部または全部をアルキルエーテル化したようなアミノ樹脂も硬化剤として使用することができる。
また、オキサゾリン化合物を硬化剤として用いることもできる。前記の硬化剤としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン等を挙げることができる。
更には、カルボジイミド化合物を硬化剤として用いることもできる。前記の硬化剤としては、カルボジイミド基は1分子中に2個以上含有するものであって、水溶性または水分散性を有するカルボジイミド樹脂であれば、特に制限されない。カルボジイミド樹脂としては公知のものの中から任意のものを適宜選択することができ、日清紡ホールディングスのカルボジライトなどが挙げられる。
本発明の水性樹脂と活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤は任意の割合で使用する事ができる。
活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がイソシアナート基を有する硬化剤である場合の配合割合は、活性水素とイソシアナート基の当量比で0.5:1.0〜1.0:0.5の範囲が好ましく、0.8:1.0〜1.0:0.8の範囲が更に好ましい。
また、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がアミノ樹脂である場合は、本発明の水性樹脂/アミノ樹脂のソリッドの重量比で95/5〜20/80の範囲で用いるのが好ましく、90/10〜60/40の範囲が更に好ましい。
また、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がオキサゾリン化合物である場合は、本発明の水性樹脂/アミノ樹脂のソリッドの重量比で95/5〜20/80の範囲で用いるのが好ましく、90/10〜60/40の範囲が更に好ましい。
さらには、活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤がカルボジイミド化合物である場合は、本発明の水性樹脂/カルボジイミド樹脂のソリッドの重量比で97/3〜70/30の範囲で用いるのが好ましく、95/5〜80/20の範囲が更に好ましい。
上記に記載の硬化剤を混合したものは、そのままでもコートし硬化させることもできるが、必要に応じて反応性触媒を併用することもできる。
その他必要に応じて、滑性付与剤(例えば、合成ワックス、天然ワックス等)、粘接着性付与剤、架橋剤、成膜助剤、レベリング剤、粘弾性調整剤、濡れ剤、難燃剤(例えば、ポリリン酸アンモニウム等のリン含有樹脂、リン酸エステル、メラミン、ホウ酸亜鉛、水酸化マグネシウム等)、安定化剤、防錆剤、防かび剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、起泡剤、消泡剤、湿潤剤、凝固剤、ゲル化剤、老化防止剤、軟化剤、可塑剤、付香剤、粘着防止剤、離型剤、沈降防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染料、顔料)、充填剤、有機溶剤、油(鉱物系潤滑油、鉱物油、合成油、植物油等)などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。これらの添加剤は単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の水性樹脂、或いは本発明の水性樹脂に活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤を混合したものの塗布方法は特に限定するものではないが、噴霧塗布により行うのが好適であり、例えば、スプレーガンで被塗装表面に吹きつけ、塗布を行うことができる。塗布は通常、常温にて容易に行なうことができ、また塗布後の乾燥方法についても特に限定はなく、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適宜の方法で乾燥することができる。
また、本発明の水性樹脂、或いは本発明の水性樹脂に活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤を混合したものは、その特徴から上記以外にも、水系エポキシ樹脂、水系ポリエステル、水系アルキド樹脂、或いはこれらの樹脂を含有する塗料等を混合して使用する事ができ、これらを単独でも用いても、2種以上併用してもよい。
特に本発明の水性樹脂、或いは本発明の水性樹脂に活性水素及び/又は水酸基と反応可能な硬化剤を混合したものは、その特性から、難接着プラスチックであるポリプロピレン、とりわけ各種エンジニアプラスチックに高い密着性を発現する。
エンジニアプラスチックとしては例えば、ナイロン等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリベンズイミダゾール等が挙げられ、これに酸化防止剤、耐侯性安定性、防熱防止剤等の各種安定剤、無機顔料、有機顔料等の着色剤、カーボンブラック、フェライト等の導電性付与剤、その他無機系や有機系の添加剤等を添加したものにも使用できる。
以下、本発明の組成物の製法および各種試験例を挙げ、更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
以下において、部および%は特記していない限り重量基準である。
熱可塑性エラストマー(A)の製造
<製造例1>
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン100gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.55MPaになるように加圧した後に、エチレンで系内圧力を0.76MPaに調整した。次いで、ジフェニルメチレン(3−tert−ブチル−5−エチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、系内圧力を0.76MPaにエチレンで保ちながら25分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは137.7gであり、エチレン含量は14モル%、ブテン含量は19モル%からなるPBERであり、GPCにより測定した分子量(Mw)は35万で、分子量分布(Mw/Mn)は2.0であった。mm値は90%であった。また、DSC測定による融解熱量は明確な融解ピークは確認できなかった。
<製造例2>
製造例1で合成したPBER80重量部に、融点163℃、MFR7g/10min、プロピレン含量99モル%以上のホモポリプロピレン20重量部を溶融混練し、組成物ペレットを得た。
<製造例3>
製造例1で合成したPBER80重量部に、融点140℃、MFR7g/10min、プロピレン含量96.3モル%、エチレン含量2.2モル%、ブテン含量1.5モル%のランダムポリプロピレン20重量部を溶融混練し、組成物ペレットを得た。
<製造例4>
製造例3で得られた樹脂100重量部、無水マレイン酸1重量部、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3を0.08重量部とをヘンシェルミキサーで混合し、シリンダー温度240℃に設定した押出機を用いてグラフト変性を行い、組成物ペレットを得た。
<製造例5>
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、866mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン90gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を65℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.7MPaになるように加圧、調整した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温65℃、系内圧力を0.76MPaに保ちながら30間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは12.5gであり、ブテン含量は27.9モル%からなるPBRであり、GPCにより測定した分子量(Mw)は25万で、分子量分布(Mw/Mn)は2.0で、DSC測定による融点は74.4℃であった。
<製造例6>
攪拌機、温度計、還流冷却装置および窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水300gおよびラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、攪拌下、窒素置換しながら75℃まで昇温した。内温を75℃に保持し、重合開始剤としての過硫酸カリウム2gを添加し、溶解後、予めイオン交換水250g、ラウリル硫酸ナトリウム1g、アクリルアミド9gにスチレン200g、2−エチルヘキシルアクリレート220g、メタクリル酸9gを攪拌下に加えて作成した乳化物を、反応容器に連続的に6時間かけて滴下して重合させた。滴下終了後、5時間熟成、中和することにより、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体からなる樹脂(C)の水系樹脂を得た。得られた水系樹脂は、固形分濃度:40%、pH:8、平均粒径:0.2μmであった。
<製造例7>
攪拌機、温度計、還流冷却装置および窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土ヶ谷化学工業株式会社製、PTG2000SN)399.5g、2,2−ジメチロールブタン酸14.0g、1,4−ブタンジオール16.6g、ヘキサメチレンジイソシアネート96.3gおよびメチルエチルケトン374.0gを仕込み、窒素ガス雰囲気下90℃で6時間反応させた。その後、60℃に冷却し、トリエチルアミン13.3gを添加し、この温度下で30分混合した。得られたプレポリマーを0.86%ヘキサメチレンジアミン水溶液1275.7gと混合攪拌し、その後60℃で減圧下にてメチルエチルケトンを脱溶剤することにより、固形分:30%、固形分酸価:10KOHmg/g、pH:8、平均粒径:0.2μmのウレタン樹脂(C)の水系樹脂を得た。
<製造例8>
攪拌機、温度計、還流冷却装置、及び窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、ヘキサンを300部、石油樹脂(三井化学株式会社製、ハイレッツT−480X)を300部仕込み、還流下、加熱溶解した。この溶液500部、イオン交換水250部、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(花王株式会社製、ネオペレックスF−25)1.5部を混合し、回転数10000rpmで15分間攪拌した。ついでポリアクリル酸(和光純薬品工業株式会社製、ハイビスワコー304)0.7部を加え、攪拌混合し、乳化液を得た。この乳化液中のヘキサンをエバポレータで減圧留去し、固形分50%の石油系炭化水素樹脂(D)の水系樹脂を得た。
実施例1
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)として製造例1で得られた樹脂100重量部、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)として無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス(三井化学株式会社製、ハイワックスNP0555A)10重量部およびアニオン型界面活性剤(H)としてオレイン酸カリウム3重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、ジメチルエタノールアミンの15%水溶液を150g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:120℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入して水系樹脂−1を得た。得られた水系樹脂−1は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:10で、平均粒径:0.4μm(マイクロトラックの測定)であった。
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)を、製造例5で得られた樹脂に変更した以外は、前記水系樹脂−1の製造方法で水系樹脂−2を得た。得られた水系樹脂−2は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:10、平均粒径:0.4μmであった。
前記水系樹脂−1を70重量部、前記水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例2
水系樹脂−1の未変性熱可塑性エラストマー(a−1)を、製造例2で得られた樹脂に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水系樹脂−3を得た。得られた水系樹脂−3は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:10、平均粒径:0.4μmであった。
前記水系樹脂−3を70重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例3
水系樹脂−1の未変性熱可塑性エラストマー(a−1)を、製造例3で得られた樹脂に変更した以外は、実施例1と同様の方法で水系樹脂−4を得た。得られた水系樹脂−4は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:10、平均粒径:0.4μmであった。
前記水系樹脂−4を70重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例4
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)として製造例4で得られた樹脂100重量部、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)として無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス(三井化学株式会社製、ハイワックスNP0555A)30重量部およびアニオン型界面活性剤(H)としてオレイン酸カリウム8重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、アミノメチルプロパノールの30%水溶液を500g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:120℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入し、水系樹脂−5を得た。得られた水系樹脂−5は、収率:99%、固形分濃度:35%、pH:11で、平均粒径:0.1μm(マイクロトラックの測定)であった。
前記水系樹脂−5を70重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例5
未変性熱可塑性エラストマー(a−1)として製造例3で得られた樹脂100重量部、重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂(a−5)として無水マレイン酸変性ポリプロピレンワックス(三井化学株式会社製、ハイワックスNP0555A)10重量部および高級脂肪酸(a−6)としてモンタン酸(クラリアントジャパン株式会社製、リコワックスS)10重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、ジメチルエタノールアミンの15%水溶液を300g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:120℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入し、水系樹脂−6を得た。得られた水系樹脂−6は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:10で、平均粒径:0.4μm(マイクロトラックの測定)であった。
前記水系樹脂−6を70重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例6
加圧反応容器に製造例1で得られたプロピレン系樹脂を140部とトルエン680部を仕込み、窒素置換しながら容器内を145℃に加熱した後、2−ヒドロキシエチルアクリレート1.6部をトルエン20部と混合し、ジ−tert−ブチルパーオキサイド1.1部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、140℃で2時間保持したのち冷却し、PTG2000を44.1部、1,6−ヘキサンジオールを1.2部、2,2−ジメチロールブタン酸を3.7部、1,6−ヘキメチレンジイソシアネートを11.1部、ジブチルスズラウリレート0.11部仕込み、窒素ガス雰囲気下90℃の温度で8時間反応させた。得られた重合体を加圧反応容器で140℃に昇温し、ジ−tert−ブチルパーオキサイド1.0部を2時間かけて滴下し、140℃の温度で2時間保持した。これを60℃まで冷却し、トリエチルアミンを理論上100%となるよう中和を行った後、さらにイオン交換水を300部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5gを混合し、回転数10000rpmで15分間攪拌して乳化液を得た。この乳化液中のトルエンをエバポレータで減圧留去して固形分40%のプロピレン系樹脂を含む水系樹脂−7を得た。
前記水系樹脂−7を70重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を30重量部を室温にて攪拌混合し、水系樹脂を得た。
実施例7
実施例1で得られた水系樹脂100重量部と製造例6で得られたウレタン樹脂(C)の水系樹脂90重量部とテルペン系樹脂(F)の水系樹脂であるナノレットR1050(ヤスハラケミカル株式会社製)80重量部とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例8
実施例1で得られた水系樹脂を実施例2で得られた水系樹脂に変更した以外は、実施例7と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例9
実施例1で得られた水系樹脂を実施例3で得られた水系樹脂に変更した以外は、実施例7と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例10
実施例1で得られた水系樹脂を実施例4で得られた水系樹脂に変更した以外は、実施例7と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例11
実施例1で得られた水系樹脂を実施例5で得られた水系樹脂に変更した以外は、実施例7と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例12
実施例1で得られた水系樹脂を実施例6で得られた水系樹脂に変更した以外は、実施例7と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例13
実施例9のテルペン系樹脂(F)の水系樹脂をロジン系樹脂(E)の水系樹脂であるスーパーエステルE720(荒川化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例9と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例14
実施例9のテルペン系樹脂(F)の水系樹脂を製造例8で乳化した石油系炭化水素樹脂(D)の水系樹脂に変更した以外は、実施例9と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例15
実施例9のウレタン樹脂(C)の水系樹脂を製造例7で得られたアクリル樹脂(B)の水系樹脂68重量部に変更した以外は、実施例9と同様の方法で固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例16
実施例3で得られた水系樹脂100重量部と製造例6で得られたウレタン樹脂(C)の水系樹脂50重量部とテルペン系樹脂(F)の水系樹脂であるナノレットR1050(ヤスハラケミカル株式会社製)45重量部とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例17
実施例3記載の水系樹脂−4を50重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を50重量部、製造例6で得られたウレタン樹脂(C)の水系樹脂90重量部、テルペン系樹脂(F)の水系樹脂であるナノレットR1050(ヤスハラケミカル株式会社製)80重量部とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
実施例18
実施例3記載の水系樹脂−4を20重量部、実施例1に記載の水系樹脂−2を80重量部、製造例6で得られたウレタン樹脂(C)の水系樹脂90重量部、テルペン系樹脂(F)の水系樹脂であるナノレットR1050(ヤスハラケミカル株式会社製)80重量部とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例1
実施例1記載の水系樹脂−1とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例2
実施例2記載の水系樹脂−2とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例3
実施例2記載の水系樹脂−3とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例4
実施例2記載の水系樹脂−4とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例5
実施例2記載の水系樹脂−5とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例6
実施例2記載の水系樹脂−6とイオン交換水を常温下で混合して、固形分35%の水系樹脂を得た。
比較例7
融点140℃、MFR7g/10min、プロピレン含量96.3モル%、エチレン含量2.2モル%、ブテン含量1.5モル%のランダムポリプロピレン100重量部、ハイワックスNP0555Aを10重量部およびオレイン酸カリウム3重量部とを混合したものを、2軸スクリュー押出機(池貝鉄工株式会社製、PCM−30,L/D=40)のホッパーより3000g/時間の速度で供給し、同押出機のベント部に設けた供給口より、ジメチルエタノールアミンの15%水溶液を150g/時間の割合で連続的に供給し、加熱温度230℃で連続的に押出した。押出された樹脂混合物は、同二軸押出機の先端に連結された40mmφ一軸押出機(L/D=27、バレル温度:140℃)の先端より押し出された固形状の乳化物を、さらに80℃の温水中に投入され得た。得られた水系樹脂は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:11で、平均粒径:0.4μmであった。
比較例8
ランダムポリプロピレンを、融点86℃、MFR7g/10minのポリエチレンに変更した以外は、比較例1と同様の方法で水系樹脂を得た。得られた水系樹脂は、収率:99%、固形分濃度:45%、pH:11、平均粒径:0.4μmであった。
[評価と結果]
<水系樹脂のスプレー適性>
塗装ガン(岩田塗装機工業株式会社製ワイダースプレーガン(商品名;W−88−13H5G))を使用し、霧化圧4kg/cm2 、ノズル1回転開き、塗装ブース内の温度30℃にて、実施例および比較例で得られた水系樹脂をスプレーし、糸曳きが発生するか否かを観察し、発生しなかったものを○、1本でも発生したものを×とし、結果を表に記した。
<塗膜の物性>
各種基材での評価
実施例および比較例で得られた水系樹脂100部に、濡れ剤であるオルフィンE1010(日信化学工業株式会社製)2部添加したものを、イソプロピルアルコールで表面を拭いたホモポリプロピレン、アーレン(三井化学株式会社製、芳香族ポリアミド)、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンサルフィド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネートの各角板に、乾燥後の膜厚が10μmとなるようにそれぞれ塗布したのち、80℃のオーブンに入れて30分間処理を行い、試験片−1を作成した。
また、この塗膜の上に、上塗り塗料として2液の溶剤系樹脂(三井化学株式会社製、商品名;オレスターQ186(主剤)/タケネートD−160N(化合物)をOH/NCO=0.85で混合したもの)を乾燥後の膜厚が40μmになるように塗布して塗膜を成形し、室温にて10分間放置した後、80℃のオーブンに入れて30分間処理を行い、試験片−2を作成した。
これらの試験片について、24時間後碁盤目剥離試験を行い、結果を表に記した。
尚、塗膜の外観については、アーレン上に塗装して乾燥した後の塗膜についてのみ評価し、成膜しているものを○、成膜しているが一部に亀裂があるものを△、成膜していないものを×とした。また、碁盤目剥離試験については、JIS−K−5400に記載されている碁盤目剥離試験の方法に準じ、碁盤目を付けた試験片を作成し、セロテープ(登録商標)(ニチバン株式会社品)を碁盤目上に貼り付けた後、速やかに90°方向に引っ張って剥離させ、碁盤目100個の中、剥離されなかった碁盤目数にて評価した。試験は5回行い、剥離しなかったものについては更に粘着テープ(ニチバン製)での剥離試験も実施した。評価結果は、粘着テープ、セロテープ(登録商標)の全てで剥離のないものを◎、セロテープ(登録商標)(登録商標)で剥離はないが粘着テープの剥離でエッジ部分にかけを生じたものを○、粘着テープ、セロテープ(登録商標)の剥離で1〜10マスの剥離が生じたものを△、セロテープ(登録商標)の剥離で4回以内に剥離が生じたものを×とした。
以下、その結果を表1,2に示す。

Claims (10)

  1. 熱可塑性エラストマー(A)が、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)、及びα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)、及び/又はウレタン樹脂(C)で変性された熱可塑性エラストマー(a−3)を含んでなり、
    前記(a−1)が下記(i)〜(iii)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−1)を含む熱可塑性エラストマー(A1)含有水系樹脂と、下記(i)、(ii)、(iv)を満たす未変性熱可塑性エラストマー(a−1−2)を含む熱可塑性エラストマー(A2)含有水系樹脂の2種類の水系樹脂を混合してなることを特徴とするコート材。
    (i)プロピレンとプロピレン以外の炭素数4〜20のα−オレフィンの少なくとも一種の共重合体で、プロピレンを53mol%以上含有し、炭素数4〜20のα−オレフィンが1〜47mol%、エチレン含有量が0〜25mol%であるプロピレン系重合体。
    (ii)ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量が50,000以上800,000以下である。
    (iii)示差走査熱量分析(DSC)で融点が観測されない。
    (iv)示差走査熱量分析(DSC)で測定された融点が100℃未満。
  2. 前記熱可塑性エラストマー(A1)を含む水系樹脂が更に、アイソタクチックポリプロピレン(a−4)を含有することを特徴とする請求項1に記載のコート材。
  3. 前記熱可塑性エラストマー(A1)を含む水系樹脂の固形分が、前記(a−1)、(a−2)、(a−3)の総合計が70〜99重量%、アイソタクチックポリプロピレン(a−4)が1〜30重量%であることを特徴とする請求項2に記載のコート材。
  4. 前記(a−2)のα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)が、水酸基、カルボキシル基、及びアミノ基から選ばれる少なくとも1つの活性水素基である請求項1に記載のコート材。
  5. 請求項1記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂と、α,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体からなる樹脂(B)の水系樹脂および/またはウレタン樹脂(C)の水系樹脂と、石油系炭化水素樹脂(D)および/またはロジン系樹脂(E)および/またはテルペン系樹脂(F)の水系樹脂とを混合してなることを特徴とするコート材。
  6. 請求項1記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂の固形分100重量部に対して、前記樹脂(B)および/または前記樹脂(C)を1〜90重量部と、前記樹脂(D)および/または前記樹脂(E)および/または前記樹脂(F)を1〜95重量部となるように混合してなることを特徴とする請求項5に記載のコート材。
  7. 請求項1記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂が、未変性熱可塑性エラストマー(a−1)、及びα,β−モノエチレン性不飽和基を有する単量体(b−1)或いは(b−1)からなる樹脂(B)で変性された熱可塑性エラストマー(a−2)と重合体鎖に結合したカルボン酸またはその塩の基を樹脂1グラム当り
    式(1)
    で表される基換算で0.05〜5ミリモル当量の濃度で含むプロピレン系樹脂(a−5)及び/又は高級脂肪酸またはその塩の基(a−6)からなり、前記(a−2)がカルボン酸またはその塩の基を含有するプロピレン系樹脂である場合は、前記(a−5)より重量平均分子量が大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコート材。
  8. 熱可塑性エラストマー(A)が前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、前記(a−5)及び/又は(a−6)が0.3〜100重量部である請求項7に記載のコート材。
  9. 請求項1記載の熱可塑性エラストマー(A)を含む水系樹脂が、更にアニオン型および/またはノニオン型界面活性剤(H)を含む請求項7又は8に記載のコート材。
  10. 熱可塑性エラストマー(A)が前記(a−1)と前記(a−2)の合計100重量部に対し、前記(H)が0.3〜40重量部であること請求項9に記載のコート材。
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