JP5432640B2 - 金属箔付き樹脂シート、フレキシブルプリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板等のプリント配線板の製造に用いられる金属箔付き樹脂シート(樹脂付き金属箔)、及びこの金属箔付き樹脂シートを用いて製造されるフレキシブルプリント配線板に関するものである。
電子機器類の小型化に伴う軽量化や高密度化の要求に対して、立体的な実装が可能なフレキシブルプリント配線板の用途が拡大している。フレキシブルプリント配線板は、金属箔層/接着剤層/フィルム層という層構成を基本とするものであり、通常、金属箔層から形成された回路(導体パターン)を保護する目的でこの回路の上にさらにカバーレイフィルム(接着剤層/フィルム層という層構成を有するもの)を貼り合わせて形成されている。そして近年では、小型化、薄型化、軽量化への対応から、ビルドアップ法においては、金属箔層/接着剤層という層構成を有する金属箔付き樹脂シートが用いられ、その接着剤層は、密着性及び電気的絶縁性に優れたエポキシ樹脂組成物で形成されている。
しかし、従来の金属箔付き樹脂シートにあっては、近年における特性に対する厳しい要求に十分に応えられるものではなく、特に屈曲性がなお不十分であるという問題がある。
そこで、この屈曲性を確保するため、金属箔層と接着剤層との間にポリイミド樹脂層をアンカーコート層として介在させて設けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。このポリイミド樹脂層は、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸のワニスを金属箔層に塗布して乾燥させることによって形成されるものであり、屈曲性のみならず密着性及び電気的絶縁性にも優れている。
しかし、ポリイミド樹脂層を形成する場合には、ポリアミド酸を環化反応によりイミド化する必要があるため、300℃以上の高温で加熱して乾燥させなければならないが、この乾燥のための高温による加熱により、ポリイミド樹脂層が大きく熱収縮してしまい、これに伴って金属箔層がポリイミド樹脂層を内側にしてカールすることとなり、作業安定性が損なわれるという問題が新たに生じる。
特許第3992225号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、優れた屈曲性を得ることができると共に、カールを抑制して良好な作業安定性を確保することができる金属箔付き樹脂シート、フレキシブルプリント配線板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る金属箔付き樹脂シートは、金属箔1に厚みが15μm以下であるポリイミド樹脂層2及びBステージ状態のエポキシ樹脂層3をこの順に設けて形成され、前記ポリイミド樹脂層2が、イミド閉環率が80%以上であるポリイミドワニスを前記金属箔1に塗布して200℃以下で乾燥させることによって形成されていると共に、前記ポリイミドワニスが、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との重縮合により生成したポリアミド酸を溶剤中にて環化反応によりイミド化して調製されたものであることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記ポリイミド樹脂層2のガラス転移温度が200℃以上であることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るフレキシブルプリント配線板は、請求項1又は2に記載の金属箔付き樹脂シートを用いて形成されていることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る金属箔付き樹脂シートによれば、優れた屈曲性を得ることができると共に、カールを抑制して良好な作業安定性を確保することができるものである。
請求項2に係る発明によれば、成形後の板厚精度を向上させることができるものである。
本発明の請求項3に係るフレキシブルプリント配線板によれば、優れた屈曲性を得ることができると共に、カールを抑制して良好な作業安定性を確保することができるものである。
本発明に係る金属箔付き樹脂シートの一例を示す断面図である。 従来の金属箔付き樹脂シートを示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る金属箔付き樹脂シート(樹脂付き金属箔)の一例を示すものであり、この金属箔付き樹脂シートは、金属箔1にポリイミド樹脂層2及びエポキシ樹脂層3をこの順に設けて形成されている。このように、ポリイミド樹脂層2は、金属箔1とエポキシ樹脂層3との間に介在されているので、アンカーコート層として形成されている。
金属箔1としては、例えば、銅箔等を用いることができる。また、金属箔1の厚みは3〜70μmであることが好ましい。
またポリイミド樹脂層2は、ポリイミドワニスを金属箔1の表面に塗布し、これを加熱して乾燥させることによって形成されている。ポリイミドワニスの塗布は、コンマコーター、ダイコーター、ロールコーター、グラビアコーター等を用いて行うことができる。
ここで、ポリイミドワニスは、まずテトラカルボン酸二無水物(後述)とジアミン成分(後述)との重縮合によりポリアミド酸(ポリイミドの前駆体)を生成させ、次にこのポリアミド酸を溶剤(後述)中にて環化反応によりイミド化することによって調製することができる。この場合の環化反応は、60〜250℃、好ましくは100〜200℃で加熱することによって進行させる。加熱温度が60℃未満であると、反応速度が非常に遅くなるおそれがあり、逆に加熱温度が250℃を超えると、反応系の着色や副反応等が生じやすくなるおそれがある。また環化反応の時間は、例えば0.5〜50時間に設定することができるが、これに限定されるものではない。
ただし、上記のようにして調製されたポリイミドワニスのイミド閉環率は80%以上(上限は100%)である。イミド閉環率は、ポリアミド酸が環化反応によりイミド化した割合、すなわちポリアミド酸がどれだけポリイミドに転化したかを示すものである。よって、イミド閉環率が80%以上であるポリイミドワニスは、ポリアミド酸の80%以上がポリイミドに転化し、これが溶剤に溶解したものを意味する。このように、イミド閉環率が80%以上であるポリイミドワニスは、イミド化がほぼ完結しているので、ポリイミド樹脂層2を形成するためには金属箔1に塗布した後に溶剤を揮発させるだけでよい。そしてこの乾燥のための加熱温度は200℃以下という比較的低温に設定することができるものであり、このような低温の加熱では形成中のポリイミド樹脂層2は熱収縮しにくくなるので、金属箔付き樹脂シートの製造時にカールを抑制して良好な作業安定性を確保することができるものである。しかし、ポリイミドワニスのイミド閉環率が80%未満であると、イミド化が完結していないので、ポリイミド樹脂層2を形成するためにはポリイミドワニスを金属箔1に塗布した後に溶剤を揮発させるだけでなく、ポリアミド酸の環化反応を進行させてイミド化を完結させなければならない。そしてこのための加熱温度は300℃以上という高温に設定せざるを得ないので、このような高温の加熱では形成中のポリイミド樹脂層2は大きく熱収縮してしまい、これに伴って金属箔1がカールして作業安定性が損なわれたり、回路の形成が困難となったりするものである。なお、イミド閉環率は、例えば、赤外分光法により、イミドカルボニルに基づくピークとイミド化前後で変化しないポリマー鎖中のベンゼン環に基づくピークとの強度比から算出することができる。
ここで、テトラカルボン酸二無水物としては、溶剤への溶解性、耐熱性、接着性の観点から、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を用いるのが好ましく、またジアミン成分としては、同様の観点から、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選ばれるものを用いるのが好ましい。
また溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、メトキシプロパノール(MP)等から選ばれるものを用いることができる。
またポリイミド樹脂層2の厚みは15μm以下(下限は5μm)である。これにより、金属箔1にエポキシ樹脂層3のみを設けて形成された従来の金属箔付き樹脂シート(図2(c)参照)では得ることのできない優れた屈曲性(柔軟性)を得ることができると共に、電子機器類の小型化、薄型化、軽量化にも対応することができるものである。しかし、ポリイミド樹脂層2の厚みが15μmを超えると、層間剥離や凝集破壊が発生し、屈曲性が低下するものである。
またポリイミド樹脂層2のガラス転移温度(Tg)は200℃以上であることが好ましく、250℃以上(上限は400℃)であることがより好ましい。通常、金属箔付き樹脂シートを用いてプリント配線板を製造する場合、成形温度は180℃以下であるので、ガラス転移温度が200℃以上であるポリイミド樹脂層2であれば上記成形温度では流動しなくなり、成形後の板厚精度を向上させることができるものである。しかし、ポリイミド樹脂層2のガラス転移温度が200℃未満であると、上記のような効果が得られないおそれがある。
またエポキシ樹脂層3は、エポキシワニスを乾燥後のポリイミド樹脂層2の表面に塗布し、これを100〜180℃で加熱して、接着機能を有するBステージ状態(半硬化状態)となるまで乾燥させることによって形成することができる。エポキシワニスの塗布は、コンマコーター、ダイコーター、ロールコーター、グラビアコーター等を用いて行うことができる。またエポキシ樹脂層3の厚みは20〜50μmであることが好ましい。なお、エポキシ樹脂層3を形成するための加熱は、カールには特に影響を及ぼさない。
ここで、エポキシワニスは、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解させることによって調製することができる。エポキシワニスの調製は、ビーズミル、ミキサー、ブレンダー等を用いて行うことができる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン骨格エポキシ樹脂等を用いることができる。その他のエポキシ樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、酸化型エポキシ樹脂等を用いることができる。このうちグリシジルエーテル型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂等を例示することができる。またグリシジルエステル型エポキシ樹脂としては、ヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ダイマー酸型エポキシ樹脂等を例示することができる。またグリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、芳香族アミン型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等を例示することができる。また酸化型エポキシ樹脂としては、脂環型エポキシ樹脂等を例示することができる。さらにその他のエポキシ樹脂としては、フェノール骨格とビフェニル骨格を有するノボラック型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラックエポキシ樹脂)、リン変性エポキシ樹脂等を用いることができるが、環境問題に対応するため、ハロゲンが含有されていないエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
またエポキシ樹脂組成物には、熱可塑性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、添加剤等が含有されていてもよい。熱可塑性樹脂としては、屈曲性の観点から、ポリアミドイミド樹脂、スチレン・ブタジエン系エラストマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、ブタジエンゴム、エポキシ変性ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、スチレンゴム、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエステル樹脂等から選ばれるものを用いるのが好ましく、この場合の熱可塑性樹脂の含有量はエポキシ樹脂組成物全量に対して20〜70質量%であることが好ましい。また硬化剤としては、アミノトリアジンノボラック樹脂等をエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜30質量%用いることができ、硬化促進剤としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール等をエポキシ樹脂組成物全量に対して0.01〜1.0質量%用いることができ、難燃剤としては、ホスファゼン等のリン含有化合物や金属水和物等をエポキシ樹脂組成物全量に対して5〜40質量%用いることができ、添加剤としては、消泡剤、レベリング剤、分散剤、カップリング剤、紫外線吸収剤等を用いることができる。さらに溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、メトキシプロパノール(MP)等から選ばれるものを用いることができる。なお、環境問題に対応するため、エポキシ樹脂組成物にはハロゲンが含有されていないのが好ましい。
そして、本発明に係るフレキシブルプリント配線板は、図1に示すような金属箔付き樹脂シートを用いて形成されている。具体的には、例えば、次のようにしてフレキシブルプリント配線板を製造することができる。すなわち、まず可撓性かつ絶縁性のあるポリイミド等のフィルムに回路を形成することによってコア材を製造する。次にこのコア材の回路形成面に金属箔付き樹脂シートのエポキシ樹脂層3を重ねた後、これを加熱加圧成形することによって積層一体化する。このときの温度、圧力、時間は適宜に設定することができる。またこのときエポキシ樹脂層3はCステージ状態(完全硬化状態)となる。その後、表面の金属箔1の不要部分をエッチングにより溶解除去して回路を形成すると共に、必要に応じてめっきスルーホールやバイアホールを形成することによって、フレキシブルプリント配線板を製造することができる。さらにこのフレキシブルプリント配線板をコア材として用いると共に、上記のように金属箔付き樹脂シートをビルドアップ法の材料として用いることによって、多層フレキシブルプリント配線板を製造することができる。このようにして得られたフレキシブルプリント配線板や多層フレキシブルプリント配線板にあっては、図1に示すような金属箔付き樹脂シートを用いて形成されているので、優れた屈曲性を得ることができると共に、製造時にカールを抑制して良好な作業安定性を確保することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(ポリイミドワニス)
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を50質量部用意し、ジアミン成分として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを40質量部及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを10質量部用意し、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドンを330質量部用意した。
そして、まずテトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との重縮合によりポリアミド酸を生成させ、次にこのポリアミド酸を溶剤中にて環化反応によりイミド化することによって、ポリイミドワニスを調製した。環化反応は170℃で加熱することによって進行させ、イミド閉環率が98%であるポリイミドワニスが得られた。
(ポリアミド酸ワニス)
テトラカルボン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を50質量部用意し、ジアミン成分として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンを40質量部及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを10質量部用意し、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドンを330質量部用意した。
そして、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との重縮合によりポリアミド酸を生成させ、これを溶剤に溶解させることによって、ポリアミド酸ワニスを調製した。環化反応は進行させず、イミド閉環率が0%であるポリアミド酸ワニスが得られた。
(エポキシワニス)
熱硬化性樹脂として、ナフタレン骨格エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC−7000L」)を29.9質量部用意し、熱可塑性樹脂として、ポリアミドイミド樹脂(東洋紡績(株)製「HR15ET」)を30質量部及びスチレン・ブタジエン系エラストマー(旭化成ケミカルズ(株)製「タフプレンA」)を15質量部用意し、硬化剤として、アミノトリアジンノボラック樹脂(DIC(株)製「LA−1356」)を10質量部用意し、硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製「2E4MZ」)を0.1質量部用意し、難燃剤として、ホスファゼン(大塚化学(株)製「SPB−100」)を15質量部用意し、溶剤として、メチルエチルケトンを36質量部及びトルエンを108質量部混合したものを用意した。
そして、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び難燃剤を配合し、これをビーズミルで分散及び粉砕させつつ溶剤に溶解させた後、さらに硬化剤及び硬化促進剤を添加して撹拌を続けることによって、エポキシワニスを調製した。
(実施例1)
金属箔1として、厚みが12μmである銅箔を用意した。
そして、まずコンマコーターを用いてポリイミドワニス(イミド閉環率98%)を金属箔1の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて170℃で加熱して乾燥させることによって、厚みが10μm及びガラス転移温度が270℃であるポリイミド樹脂層2(イミド閉環率98%)を形成した。次にコンマコーターを用いてエポキシワニスを乾燥後のポリイミド樹脂層2の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて140℃で加熱して、接着機能を有するBステージ状態となるまで乾燥させ、厚みが40μmであるエポキシ樹脂層3を形成することによって、図1に示すような金属箔付き樹脂シートを製造した。
(比較例1)
金属箔1として、厚みが12μmである銅箔を用意した。
そして、まずコンマコーターを用いてポリイミドワニス(イミド閉環率98%)を金属箔1の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて170℃で加熱して乾燥させることによって、厚みが30μm及びガラス転移温度が270℃であるポリイミド樹脂層2(イミド閉環率98%)を形成した。次にコンマコーターを用いてエポキシワニスを乾燥後のポリイミド樹脂層2の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて140℃で加熱して、接着機能を有するBステージ状態となるまで乾燥させ、厚みが40μmであるエポキシ樹脂層3を形成することによって、図2(a)に示すような金属箔付き樹脂シートを製造した。
(比較例2)
金属箔1として、厚みが12μmである銅箔を用意した。
そして、まずコンマコーターを用いてポリアミド酸ワニス(イミド閉環率0%)を金属箔1の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて300℃で加熱して乾燥させることによって、厚みが10μm及びガラス転移温度が270℃であるポリアミド酸樹脂層4(イミド閉環率98%)を形成した。なお、このポリアミド酸樹脂層4はイミド閉環率が98%であるため、ポリイミド樹脂層2と呼ぶべきであるが、実施例1とはイミド閉環率が98%となる時点が異なるため、便宜上、これ以降もポリアミド酸樹脂層4と呼ぶことにする。次にコンマコーターを用いてエポキシワニスを乾燥後のポリアミド酸樹脂層4の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて140℃で加熱して、接着機能を有するBステージ状態となるまで乾燥させ、厚みが40μmであるエポキシ樹脂層3を形成することによって、図2(b)に示すような金属箔付き樹脂シートを製造した。
(比較例3)
金属箔1として、厚みが12μmである銅箔を用意した。
そして、コンマコーターを用いてエポキシワニスを金属箔1の表面に塗布し、これを乾燥機を用いて140℃で加熱して、接着機能を有するBステージ状態となるまで乾燥させ、厚みが50μmであるエポキシ樹脂層3を形成することによって、図2(c)に示すような金属箔付き樹脂シートを製造した。
次に、実施例1及び比較例1〜3の金属箔付き樹脂シートについて、屈曲性、カール(反り)及び成形後の絶縁層(ポリイミド樹脂層2、エポキシ樹脂層3及びポリアミド酸樹脂層4)のバラツキの程度を以下のようにして測定した。
(屈曲性)
屈曲性は、MIT法によって試験を行い、測定条件をR=0.38mm、荷重500gに設定し、回路の導通が取れなくなるまでの折り曲げ回数により評価した。なお、屈曲性を評価するためのサンプルは、ポリイミド樹脂基板(パナソニック電工(株)製「R−F770」、ポリイミド樹脂層の厚み25μm、圧延銅箔の厚み18μm)の片面に所定のパターン形状に形成された回路に金属箔付き樹脂シートのエポキシ樹脂層3を重ね、これを180℃、1MPaで1時間加熱加圧成形した後、外側の銅箔をエッチングで除去することによって得た。そして、折り曲げ回数が500回以上であるものを「○」、折り曲げ回数が500回未満であるものを「×」と判定した。
(カール)
カールは、金属箔付き樹脂シートを10cm×10cmのサイズの正方形状に切り出してサンプルを得た後、このサンプルの反りを定規にて測定することにより評価した。そして、反りが1mm未満であるものを「○」、反りが1mmを超えるものを「×」と判定した。
(成形後の絶縁層のバラツキ)
成形後の絶縁層のバラツキは、厚みが12μmである銅箔に金属箔付き樹脂シートのエポキシ樹脂層3を重ね、これを180℃、1MPaで1時間加熱加圧成形した後、両面の銅箔をエッチングで除去して残った絶縁層の厚みを複数箇所測定することにより評価した。そして、バラツキが3μm未満であるものを「○」、バラツキが3μmを超えるものを「×」と判定した。
以上の測定結果を表1に示す。なお、総合評価は、「○」の数が3個であるものを「○」、「×」の数が1〜3個であるものを「×」と判定することにより行った。
Figure 0005432640
表1にみられるように、実施例1の金属箔付き樹脂シートでは、優れた屈曲性を得ることができ、カールを抑制して良好な作業安定性を確保することができると共に、成形後の板厚精度を向上させることができることが確認された。
これに対して、比較例1の金属箔付き樹脂シートでは、ポリイミド樹脂層2の厚みが15μmを超えているので、屈曲性が低下すると共に、カールを抑制することもできず、作業安定性が損なわれることが確認された。
また比較例2の金属箔付き樹脂シートでは、イミド閉環率が80%未満であるポリアミド酸ワニスを用いており、乾燥温度を300℃という高温に設定しているので、カールを抑制することができず、作業安定性が損なわれることが確認された。
また比較例3の金属箔付き樹脂シートでは、金属箔1とエポキシ樹脂層3との間にポリイミド樹脂層2が介在していないので、屈曲性が低下すると共に、成形後の板厚精度も低下することが確認された。
1 金属箔
2 ポリイミド樹脂層
3 エポキシ樹脂層

Claims (3)

  1. 金属箔に厚みが15μm以下であるポリイミド樹脂層及びBステージ状態のエポキシ樹脂層をこの順に設けて形成され、前記ポリイミド樹脂層が、イミド閉環率が80%以上であるポリイミドワニスを前記金属箔に塗布して200℃以下で乾燥させることによって形成されていると共に、前記ポリイミドワニスが、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分との重縮合により生成したポリアミド酸を溶剤中にて環化反応によりイミド化して調製されたものであることを特徴とする金属箔付き樹脂シート。
  2. 前記ポリイミド樹脂層のガラス転移温度が200℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属箔付き樹脂シート。
  3. 請求項1又は2に記載の金属箔付き樹脂シートを用いて形成されていることを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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