次に、本発明の実施形態について、適宜図面を用いて詳細に説明する。
なお、説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、本実施形態では、本発明を電子写真カラー記録装置に適用した場合を例にして説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る画像形成装置1は、図1に示すように、記録用紙トレイ10と、画像形成部4と、定着部7とを備え、さらにこれらの各部に印刷用媒体としての記録用紙10aを搬送するための用紙搬送ローラ9a〜9xと、搬送路切り替えガイド12a,12bと、印刷された記録用紙10aを保持するスタッカーカバー11とを備えている。
また、本実施形態の画像形成装置1は、図3に示すように、メモリ部2と、制御部3とを備えている。
記録用紙トレイ10は、図1に示すように、その内部に記録用紙10aを積層状態で収納して、装置内下部に着脱自在に配置されている。用紙搬送ローラ9a,9bは、記録用紙トレイ10に収納されている記録用紙10aを、その最上部に位置する記録用紙10aから一枚ずつ分離して用紙搬送路に送り出す。用紙搬送ローラ9c,9d及び用紙搬送ローラ9e,9fは、記録用紙10aを搬送する間に用紙の斜行を矯正し、画像形成部4に送る役割を果たしている。
画像形成部4は、図1に示すように、用紙搬送路に沿って着脱自在に取り付けられた4つの現像装置5,5・・・と、各現像装置5,5・・・により形成されたトナー像を、記録用紙10aの上面に静電力により転写する転写部6とから構成されている。
なお、4つの現像装置5,5・・・は使用されるトナー52の色、即ち、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のみが異なり、その他の構成は全て同一である。したがって、以下の説明においては、ブラック(K)の現像装置5についてのみ説明する。
現像装置5は、図2に示すように、現像部50と、トナー貯蔵容器51とから構成されている。
現像部50は、感光体ドラム50aと、帯電ローラ50bと、LEDヘッド50c(露光装置)と、現像ローラ50dと、トナー供給ローラ50eと、現像ブレード50fと、クリーニングブレード50gと、電流検出回路50hと、現像バイアス電源50i、供給バイアス電源50jとを備えて構成されている。
静電潜像担持体としての感光体ドラム50aは、その表面(外周面)に印刷画像を形成する役割を果たしている。感光体ドラム50aは、導電性支持体と光導電層によって構成されている。すなわち、感光体ドラム50aは、導電性支持体としてのアルミニウムの金属パイプに、光導電層としての電荷発生層及び電荷輸送層を順次積層した構成の有機系感光体である。感光体ドラム50aは、媒体搬送方向と交差する方向に沿って延在している。また、感光体ドラム50aは、転写ベルト60に当接するように配置されている。
帯電装置としての帯電ローラ50bは、高電圧が印加され感光体ドラム50aの表面を均一な電位に帯電させる役割を果たしている。帯電ローラ50bは、感光体ドラム50aの周面に接して設けられ、金属シャフトと半導電性エピクロロヒドリンゴム層によって構成されている。帯電ローラ50bは、感光体ドラム50aの表面に当接するように配置されている。
露光装置としてのLEDヘッド50cは、印刷パターンに従ってLEDを選択的に発光させることによって、感光体ドラム50aの表面を露光して静電潜像を形成する役割を果たしている。LEDヘッド50cは、例えばLED素子とレンズアレイを有し、LED素子から照射される照射光が感光体ドラム50aの表面に結像する位置に近接配置されている。
現像剤担持体としての現像ローラ50dは、トナー供給ローラ50eから供給されたトナー52を静電潜像に付着させて現像化する役割を果たしている。感光体ドラム50aの周面に接して設けられ、例えば、金属シャフトと半導電性ウレタンゴム層によって構成されている。現像ローラ50dは、感光体ドラム50aに当接するように配置されている。また、現像ローラ50dと、電流検出部としての電流検出回路50h及び現像バイアス電源50iとは、直列に接続されている。
現像剤供給体としてのトナー供給ローラ50eは、トナー貯蔵容器51から排出されたトナー52を現像ローラ50dに供給する役割を果たしている。トナー供給ローラ50eは、例えば、金属シャフトと半導電性発泡シリコンスポンジ層によって構成されている。トナー供給ローラ50eは、現像ローラ50dに摺接するように配置されている。
現像剤層規制部材としての現像ブレード50fは、現像ローラ50dの表面上に付着したトナー52を薄層化する役割を果たしている。現像ブレード50fは、例えば、ステンレスなどにより形成され、現像ローラ50dに圧接するように配置されている。また、トナー供給ローラ50e及び現像ブレード50fは、供給バイアス電源50jに接続され、トナー供給ローラ50eと現像ブレード50fとは同電位である。
クリーニング部材としてのクリーニングブレード50gは、転写されずに感光体ドラム50aの表面に残存したトナー52を掻き落とす役割を果たしている。クリーニングブレード50gは、ウレタンゴム製であり、感光体ドラム50aの表面に圧接するように配置されている。
現像剤貯蔵容器としてのトナー貯蔵容器51は、現像剤としてのトナー52をその内部に貯蔵する役割を果たしている。トナー貯蔵容器51は、図1に示すように、現像部50の上方に配置されており、現像部50に対して着脱可能に取り付けられている。なお、本実施形態では、負帯電性のトナー52を使用している。
転写部6は、図1に示すように、記録用紙10aを静電吸着して搬送する転写ベルト60と、駆動部(図示省略)により回転させられて転写ベルト60を駆動するドライブローラ61と、ドライブローラ61と対を成して転写ベルト60を張架するテンションローラ62とを備えて構成されている。また、転写部6は、現像装置5の各感光体ドラム50aに対向して圧接するよう配置され、トナー像(現像潜像)を記録用紙10aに転写するよう電圧を印加する転写ローラ63a〜63d(63)と、転写ベルト60上に付着したトナー52を掻き取ってクリーニングする転写ベルトクリーニングブレード64と、転写ベルトクリーニングブレード64により掻き落とされたトナー52を堆積するトナーボックス65とを備えて構成されている。また、転写ローラ63には、図2に示すように、転写バイアス電源としての転写ローラ用電源66が接続されている。
ここで、図2を参照して、画像形成装置1の現像プロセスについて説明する。
まず、トナー貯蔵容器51からトナー52が筐体50k内に供給される。また、現像バイアス電源50iによって、現像ローラ50dには現像バイアス電圧が印加されるとともに、供給バイアス電源50jによって、トナー供給ローラ50eには供給バイアス電圧が印加される。そして、筐体50k内のトナー52は、トナー供給ローラ50eの回転に伴い、電界の作用によりトナー供給ローラ50eから現像ローラ50dの表面に供給される。
このとき、トナー52は、現像ローラ50dとトナー供給ローラ50eの接触摩擦により帯電され、現像ローラ50dに供給された後に現像ローラ50dと現像ブレード50fの接触摩擦により更に帯電されるとともに、現像ブレード50fにより現像ローラ50d上にトナー52の薄層が形成される。この帯電され且つ薄層化されたトナー52は現像ローラ50dの回転により感光体ドラム50aと接触する現像位置に搬送され、感光体ドラム50a上の静電潜像に付着する。そして、静電潜像が現像され、トナー画像(現像画像)が作成される。
また、転写ローラ用電源66によって、転写ローラ63には転写バイアスが印加される。そして、トナー画像は、感光体ドラム50aと転写ローラ63との間の電界の作用によって、記録用紙10aに転写される。記録用紙10aに転写された後は、定着部7によって定着される(図1参照)。そして、転写後に感光体ドラム50a上に残留しているトナー52は、クリーニングブレード50gによって掻き落とされる。
なお、現像ローラ50d上のトナー52の付着量は、現像ローラ50d及びトナー供給ローラ50eに印加される電圧、現像ブレード50fの押圧力及びトナー52の帯電量などによって定まる。
また、画像印刷時のバイアス電圧は、使用するトナー52の種類や、現像ローラ50d、トナー供給ローラ50e、現像ブレード50fの材質などに応じて良好な画像品質が得られるような値に適宜設定すればよい。さらに、画像印刷時のバイアス電圧は、使用環境や使用時間などにより変動する値であるため、使用環境や使用時間などに応じて適宜設定すればよい。
次に、図3を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1に備えられたメモリ部2及び制御部3について説明する。
記憶部としてのメモリ部2は、感光体ドラム50a上に付着したトナー52の付着量と、転写バイアスとを予め関連付けた情報(例えば、制御テーブル,試験パターンなど。以下「転写バイアステーブル21」という。)を格納している。本実施形態の転写バイアステーブル21は、図5に示すように、例えば「感光体ドラム上のトナー付着量」、「転写バイアス」などの項目を有する。なお、図5中「転写効率」及び「記録用紙上のトナー付着量」の項目は、図5に示した感光体ドラム上のトナー付着量に基づいて、転写バイアスを印加させることによって得られた結果を示したものである。そして、制御部3の転写バイアス設定部34からの要求に応じて、転写バイアステーブル21は、転写バイアス設定部34に送られるようになっている。なお、本実施形態では、転写バイアスの基準値は、1500Vに設定されている。
制御部3は、電流測定部31と、電圧設定部3Aとを備えて構成されている。
電流測定部31は、電流検出回路50hが検出した現像ローラ50dに流れる電流を測定する機能を有する。具体的には、電流測定部31は、現像ローラ50d上から電流測定用潜像パターン(感光体ドラム50a上)へのトナー52の移動時(現像時)に、現像ローラ50d上に流れる電流(現像時測定電流)を測定するとともに、感光体ドラム50a上へトナー52が移動していない時(非現像時)に現像ローラ50dに流れる電流(非現像時測定電流)を測定する機能を有する。
電圧設定部3Aは、現像電流算出部32と、トナー付着量算出部33と、転写バイアス設定部34とを備えて構成されている。
現像電流算出部32は、電流測定部31が測定した非現像時測定電流及び現像時測定電流から現像電流を算出する機能を有する。具体的には、現像電流算出部32は、非現像時測定電流と現像時測定電流との差分を現像電流として算出する。
現像剤付着量算出部としてのトナー付着量算出部33は、現像電流算出部32が算出した現像電流から感光体ドラム50a上のトナー52の付着量を算出する機能を有する。
ここで、現像電流及び感光体ドラム50a上のトナー52の付着量の算出方法について詳しく説明する。
まず、図6を参照して、感光体ドラム50aの露光のタイミングと現像ローラ50dに流れる電流の時間的関係について説明する。なお、本実施形態では負帯電性のトナー52を使用する例について説明しているので、図6では電流Ionの値はマイナスとしている。また、以下の説明においては、現像ローラ50dから現像バイアス電源50iに流れ込む電流をマイナス成分の電流と定義し、逆方向の電流をプラス成分の電流と定義する。
図6に示すように、露光がOFFのときは、感光体ドラム50aは帯電ローラ50bにより帯電された電位を保っている。露光がONになると感光体ドラム50a上に静電潜像パターンが形成される。露光がONの継続時間は、感光体ドラム50a上に形成された静電潜像パターンの長さに比例する。この静電潜像パターンが感光体ドラム50aの回転により現像位置に達すると、現像ローラ50dから感光体ドラム50aにトナー52が移動し、移動したトナー52の量に応じた電流Ionが現像ローラ50dに流れる。露光位置と現像位置とは異なるため、電流Ionが流れ始めるタイミングは、露光ONから僅かに(Δt)遅れる。
現像電流Itnrは、現像時に現像ローラ50dから感光体ドラム50aへのトナー52の移動に伴う電流であるが、図6に示すように、露光OFFのタイミング、すなわち非現像時においてもプラス成分の電流Ioffが流れている。本実施形態では、まず非現像時の電流Ioffをオフセット電流として測定し、次に現像時の電流Ionを測定し、IoffとIonとの差分を現像電流Itnrとすることを特徴とする。すなわち現像電流は下記の式(1)で表される。
Itnr =−Ion …(1)
次に、非現像時の電流Ioffについて説明する。現像ローラ50dに流れる電流には、感光体ドラム50aへのトナー52の移動による現像電流Itnr、感光体ドラム50aと現像ローラ50dとの間の電荷移動による電流Iopc、現像ブレード50fと現像ローラ50dとの間の電荷移動による電流Ibl、そしてトナー供給ローラ50eと現像ローラ50dとの間のトナー52の移動による電流Ispがある。現像電流Itnr以外の電流は非現像時にも流れ、オフセット電流Ioffとなるので下記の式(2)が成立する。
Ioff =Iopc +Ibl+Isp …(2)
Ioffは現像時、非現像時にかかわらず、感光体ドラム50a、現像ローラ50d、トナー供給ローラ50eにバイアス電圧が印加され且つ各ローラ50d,50eが回転しているときには常時流れる。そのため、オフセット電流Ioffを構成する電流にマイナス成分の電流があると、このマイナス成分の電流とトナー52の移動に起因する電流との区別ができず、正確な現像電流が測定できない。このため、現像電流測定時においてはIoffを構成する電流を全てプラス成分の電流とすることが望ましい。
次に、Ioffを構成する電流をすべてプラス成分の電流とするバイアス条件について説明する。Iopcは、感光体ドラム50a上の負電荷が現像ローラ50dへ移動することに起因するプラス成分の電流であり、現像時においてはほぼ無視できるレベルである。Iblは、現像ブレード50fから現像ローラ50dへの電荷注入により流れる電流であり、現像バイアス電圧Vdevと現像ブレード電圧Vblとが|Vdev|<|Vbl|の関係にあるときプラス成分の電流となる。本実施形態では、現像ブレード電圧は、供給バイアス電圧Vspと同じにしているため、|Vdev|<|Vsp|がIblをプラス成分の電流とする条件である。但し、Vdev、Vbl、Vspはマイナス値とする。
Ispは、現像ローラ50dとトナー供給ローラ50eとの間のトナー52の移動による電流であり、トナー供給ローラ50eから現像ローラ50dへトナー52が移動するときにプラス成分の電流として流れる。トナー52の移動は、主に電界により生じるので、トナー供給ローラ50eから現像ローラ50dへトナー52が移動するバイアス条件は、|Vdev+Vtnr|<|Vsp|である。Vtnrは、現像ローラ50d上のトナー層電圧であり、トナー52の帯電量、トナー52の付着量により決定されるマイナスの値である。
以上から、Ioffの各電流成分がプラス成分の電流となるバイアス条件は下記の式(3)で示される。
|Vdev+Vtnr|<|Vsp| …(3)
なお、例えば、トナー層電圧が−70Vの場合、現像バイアス電圧Vdevを−100V、供給バイアス電圧Vspを−200Vに設定して現像電流を測定すればよい。
そして、現像電流Itnrは、下記の式(4)及び(5)で示すように、単位時間当たりの移動電荷量として求めることができる。
C=S×Mdev×k×r×Q/M…(4)
Itnr=dC/dt…(5)
C=移動トナーの総電荷量
S=電流測定用潜像パターンの面積
Mdev=現像ローラ上の単位面積当たりのトナーの付着量
k=現像ローラの感光体ドラムに対する周速比
r=現像効率
Q/M=トナーの帯電量
ここで、周速比kは、同じ装置であれば一定であり、現像効率を100%とし、標準状態におけるトナーの帯電量Q/Mを予め決めておけば、現像電流測定において検出される現像電流Itnrは、下記の式(6)で示すように、トナーの付着量Mdevに対応する値となる。Consは、前記の既知のパラメータからなる定数である。
Itnr×dt=Cons×Mdev…(6)
なお、本実施形態では、トナーの帯電量Q/M=−30μC/gとなるトナー52を使用している。
転写バイアス設定部34は、図3に示すように、トナー付着量算出部33が算出した感光体ドラム50a上のトナー52の付着量に基づいて、メモリ部2の転写バイアステーブル21を参照し、印加させる転写バイアス設定値35を決定する機能を有する。そして、転写バイアス設定部34は、決定した転写バイアス設定値35に基づいて、転写ローラ用電源66が転写バイアスを印加するように制御を行う。
なお、感光体ドラム50aから記録用紙10aへ移動するトナー52の割合は、転写効率と言う。図7に示すように、転写バイアスと転写効率とは、転写バイアスが変化することによって、転写効率が変化する関係にある。換言すると、転写バイアスを調整することによって記録用紙10a上のトナー52の付着量を調整することができる。
次に、図4のフローチャートを参照して、現像電流の検出手順(算出手順)及び転写バイアスの設定手順を説明する。なお、この手順は、例えば、画像形成装置1の電源投入時、所定枚数の印刷が行われたとき、トナー52が補充されたとき、ウォーミングアップ時などに行われる。
まず、制御部3の電流測定部31は、電流検出回路50hが検出した非現像時に現像ローラ50dに流れる電流(非現像時測定電流)を測定する(ステップS10)。次に、LEDヘッド50cが、感光体ドラム50a上に現像時測定電流用の静電潜像パターンを作成する(ステップS11)。なお、現像時測定電流用の静電潜像パターンは、所定の面積の濃度均一の矩形パターンであり、A3型の画像形成装置1の場合、幅290mm×長さ20mmの長方形の「べた画像パターン」とすればよい。ここで、「幅」とは感光体ドラム50aの軸に平行な方向の寸法を言い、「長さ」とは感光体ドラム50aの回転方向の寸法を言うものとする。
次に、制御部3の電流測定部31は、電流検出回路50hが検出した現像ローラ50dから現像時測定電流用の静電潜像パターンへのトナー52の移動時(現像時)に、現像ローラ50d上に流れる電流(現像時測定電流)を測定する(ステップS12)。そして、制御部3の現像電流算出部32が、非現像時測定電流と現像時測定電流との差分を現像電流として算出する(ステップS13)。次に、制御部3のトナー付着量算出部33が、現像電流算出部32が算出した現像電流から感光体ドラム50a上のトナー52の付着量を算出する(ステップS14)。
そして、転写バイアス設定部34は、トナー付着量算出部33が算出したトナー52の付着量に基づいて、メモリ部2の転写バイアステーブル21を参照し、印加させる転写バイアス設定値35を決定する(ステップS15)。図5に示すように、例えば、トナー付着量算出部33において算出したトナー52の付着量が1.0mg/cm2以上であれば、転写バイアス設定部34は、転写バイアス設定値を1000V(基準値1500V−500V=1000V)に決定する(設定1)。
転写バイアス設定部34が、決定した転写バイアス設定値35に基づいて、転写ローラ用電源66が転写バイアスを印加するように制御を行って終了する。
以上説明した第一の実施形態に係る画像形成装置1によれば、転写時に印加される転写バイアスを制御することにより、転写時の電界強度を調整することが可能となるため、感光体ドラム50a上のトナー52の付着量が変化しても、記録用紙10a上のトナー52の付着量を均一にできる。したがって、記録用紙10a上のトナー52の付着量が増減することにより生じるオフセットを防止することができるとともに、記録用紙10a上の印刷濃度を一定にすることができるため、高品質で安定した画像を確実に得ることができる。
次に、本発明の第一の実施形態に係る画像形成装置1について、実施例及び比較例により更に詳細に説明する。以下に示す画像形成装置を用いて、実施例及び比較例に係る画像形成装置の記録用紙上でのトナーの付着量及び画像濃度(OD値)の測定を行い、この結果を図8に示した。
画像印刷時の各部材の種類は、それぞれ、トナー:負帯電性、感光体ドラム:有機系感光体、帯電ローラ:半導電性の弾性体、LEDヘッド:LED素子とレンズアレイ、現像ローラ:半導電性の弾性体、トナー供給ローラ:半導電性の絶縁体、現像ブレード:ステンレス製である。また、画像印刷時の各部材におけるバイアス電圧は、それぞれ、感光体ドラムの表面帯電電位:−600V、露光後の潜像電位:−40V、現像バイアス電圧:−200V、供給バイアス電圧:−300Vに設定した。実施例の転写バイアスの基準値は1500Vに設定し、比較例の転写バイアスは常時1500Vに設定した。また、温度25℃、湿度50%の室内環境において、印刷を行った。印刷終了後、分光色彩濃度計X−Rite528(X−Rite社製)を用いてベタ画像濃度を測定した。なお、トナーの帯電量は、表面電位計MODEL344(TREK社製)を用いて測定した現像ローラ上のトナーの電位と、現像ローラ上のトナーの付着量とによって求めた。
(実施例)
実施例では、画像濃度(OD値)=1.4を得るために必要な記録用紙上のトナー付着量の目標値を0.5mg/cm2にして、この目標値に近くなるように、図8に示すように、感光体ドラム上のトナーの付着量に応じた転写バイアスを設定した。
具体的には、感光体ドラム上のトナーの付着量が1.0mg/cm2以上の場合には、転写バイアスを1000V(基準値1500V−500V)に設定した。これによって、転写効率は50%〜60%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.8mg/cm2以上1.0mg/cm2未満の場合には、転写バイアスを1200V(基準値1500V−300V)に設定した。これによって、転写効率は60%〜70%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.6mg/cm2以上0.8mg/cm2未満の場合には、転写バイアスを1400V(基準値1500V−100V)に設定した。これによって、転写効率は70%〜80%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.4mg/cm2以上0.6mg/cm2未満の場合には、転写バイアスを1500V(基準値)に設定した。これによって、転写効率は80%〜90%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.4mg/cm2〜0.5mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.3mg/cm2以上0.4mg/cm2未満の場合には、転写バイアスを2000V(基準値1500V+500V)に設定した。これによって、転写効率は90〜100%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.3mg/cm2〜0.4mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.20〜1.30の範囲内になる結果が得られた。
(比較例)
比較例では、感光体ドラム上のトナーの付着量が変化しても、一定の転写バイアス(1500V)を印加するように設定した。これによって、全ての場合において転写効率は80%〜90%の範囲内になった。また、感光体ドラム上のトナーの付着量が1.0mg/cm2以上の場合には、記録用紙上のトナーの付着量は0.9mg/cm2以上になり、OD値は1.50以上になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.8mg/cm2以上1.0mg/cm2未満の場合には、記録用紙上のトナーの付着量は0.7mg/cm2〜0.9mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.40〜1.50の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.6mg/cm2以上0.8mg/cm2未満の場合には、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.7mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.4mg/cm2以上0.6mg/cm2未満の場合には、記録用紙上のトナーの付着量は0.3mg/cm2〜0.5mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.20〜1.30の範囲内になる結果が得られた。
感光体ドラム上のトナーの付着量が0.3mg/cm2以上0.4mg/cm2未満の場合には、記録用紙上のトナーの付着量は0.25mg/cm2〜0.3mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.10〜1.20の範囲内になる結果が得られた。
以上のように、比較例では、感光体ドラム上のトナーの付着量が変化すると、記録用紙上のトナーの付着量が大きく変化し、OD値が安定しないという結果が得られた。
本発明の範囲に属する実施例と比較例とを比較すると、以下のことが実証されたことになる。
感光体ドラム上のトナーの付着量に基づいて転写バイアスを設定する制御を行うと、この制御を行わない場合に比べて、感光体ドラム上のトナーの付着量が変化しても、記録用紙上のトナーの付着量が一定に保たれるとともに、OD値も一定に保たれることが実証された。そのため、感光体ドラム上のトナーの付着量に基づいて転写バイアスを設定する制御を行うと、オフセットを防止できること及び記録用紙上の印刷濃度の変動を防止できることが実証された。
なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。前記パラメータ及びテーブルなどは一例であって、例えば画像形成装置やトナーなどの条件に応じてパラメータ及びテーブルなどを適宜設定すればよい。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について、図9乃至図14を参照して説明する。なお、第二の実施形態に係る画像形成装置1の説明においては、第一の実施形態に係る画像形成装置1と重複する部分については、説明を省略する。
第二の実施形態に係る画像形成装置1は、図9に示すように、その内部に環境検出部としての環境センサ13を備えている。環境センサ13は、画像形成装置1の内部(周辺)の温度と湿度を測定する役割を果たしている。
次に、図9を参照して、本実施形態に係る画像形成装置1に備えられたメモリ部2及び制御部3について説明する。
メモリ部2は、図9に示すように、温度及び湿度に基づいて区分けされた環境領域1〜3の情報(以下「環境領域テーブル22」という。)を格納している。また、メモリ部2は、環境領域1〜3ごとに設定されたトナー帯電量(Q/M)の情報(以下「各環境領域トナー帯電量テーブル23」という。)を格納している。さらに、メモリ部2は、感光体ドラム50a上に付着したトナー52の付着量と、転写バイアスとを環境領域1〜3ごとに予め関連付けた情報(以下「各環境領域転写バイアステーブル24という。)を格納している。
そして、環境領域テーブル22は、制御部3の環境領域決定部37からの要求に応じて、環境領域決定部37に送られるようになっている。また、各環境領域トナー帯電量テーブル23は、制御部3のトナー付着量算出部33からの要求に応じて、トナー付着量算出部33に送られるようになっている。さらに、各環境領域転写バイアステーブル24は、制御部3の転写バイアス設定部34からの要求に応じて、転写バイアス設定部34に送られるようになっている。
ここで、図11及び図12を参照して、環境領域1〜3及び各環境領域転写バイアステーブル24について詳しく説明する。
図11中の破線で囲まれた範囲D0(ゼロ)は、画像形成装置1の動作保障領域である。また、D1は、低温での相対湿度曲線であり、D2は、高温での相対湿度曲線である。本実施形態では、D0、D1及びD2で区切られた範囲を中温中湿領域としての環境領域1とし、D0及びD1で区切られた範囲を低温低湿領域としての環境領域2とし、D0及びD2で区切られた範囲を高温高湿領域としての環境領域3と設定した。
また、本実施形態の各環境領域転写バイアステーブル24は、図12(a)に示すように、例えば「感光体ドラム上のトナー付着量」、「転写バイアス」などの項目を有する。なお、図12(a)中の「転写効率」及び「記録用紙上のトナー付着量」の項目は、図12(a)に示した感光体ドラム上のトナーの付着量に基づいて、転写バイアスを印加させることによって得られた結果を示したものである。また、「転写バイアス」は、図12(b)に示すように、環境領域1〜3ごとにそれぞれ異なる数値が設定されている。なお、本実施形態では、環境領域1〜3の転写バイアスの基準値は、それぞれ、環境領域1:1500V、環境領域2:2000V、環境領域3:1000Vに設定されている。
制御部3は、図9に示すように、電流測定部31と、電圧設定部3Aと、環境測定部36と、環境領域決定部37とを備えて構成されている。
電流測定部31は、電流検出回路50hが検出した現像ローラ50dに流れる電流を測定する機能を有する。具体的には、電流測定部31は、現像ローラ50d上から電流測定用潜像パターン(感光体ドラム50a上)へのトナー52の移動時(現像時)に、現像ローラ50d上に流れる電流(現像時測定電流)を測定するとともに、感光体ドラム50a上へトナー52が移動していない時(非現像時)に現像ローラ50dに流れる電流(非現像時測定電流)を測定する機能を有する。
環境測定部36は、環境センサ13が検出した画像形成装置1内部(周辺)の温度及び湿度を測定する機能を有する。
環境領域決定部37は、環境測定部36が測定した温度及び湿度に基づいて、メモリ部2の環境領域テーブル22を参照し、環境領域1〜3のいずれか一つの環境領域を決定する機能を有する。
電圧設定部3Aは、現像電流算出部32と、トナー付着量算出部33と、転写バイアス設定部34とを備えて構成されている。
現像電流算出部32は、電流測定部31が測定した非現像時測定電流及び現像時測定電流から現像電流を算出する機能を有する。具体的には、現像電流算出部32は、非現像時測定電流と現像時測定電流との差分を現像電流として算出する。
現像剤付着量算出部としてのトナー付着量算出部33は、現像電流算出部32が算出した現像電流及び環境領域1〜3ごとのトナー帯電量Q/Mから感光体ドラム50a上のトナー52の付着量を算出する機能を有する。なお、トナー付着量算出部33は、環境領域決定部37によって決定された環境領域に基づいて、メモリ部2の各環境領域トナー帯電量テーブル23を参照し、トナー帯電量Q/Mを決定する。
ここで、本実施形態の感光体ドラム50a上のトナー52の付着量の算出方法について詳しく説明する。
第一の実施形態においては、トナー帯電量(Q/M)を予め決められた定数としたが、画像形成装置1やトナー52の種類等の条件によって変化するため、本実施形態では、メモリ部2が環境領域1〜3ごとのトナー帯電量(Q/M)を予め格納している。したがって、本実施形態では、トナー帯電量(Q/M)の値はQ/M(♯)になる。なお、♯には環境領域1〜3のいずれか一つが入る。これによって、現像電流Itnrは、式(7)で示されるように、Mdev(♯)とQ/M(♯)の積で表される。
Itnr=Consa×Mdev(♯)×Q/M(♯)・・・(7)
なお、例えば、NN領域でQ/M(1)=−30μC/gになるトナー52を用いた場合には、Q/M(2)=−40μC/gになり、Q/M(3)=−20μC/gになるように設定すればよい。
転写バイアス設定部34は、図9に示すように、トナー付着量算出部33が算出した感光体ドラム50a上のトナー52の付着量に基づいて、メモリ部2の各環境領域転写バイアステーブル24を参照し、印加させる転写バイアス設定値35を決定する機能を有する。そして、転写バイアス設定部34は、決定した転写バイアス設定値35に基づいて、転写ローラ用電源66が転写バイアスを印加するように制御を行う。
なお、図13に示すように、本実施形態では、各環境領域1〜3における転写効率は、環境領域3>環境領域1>環境領域2という大小関係になっている。
次に、図10のフローチャートを参照して、現像電流の検出手順(算出手順)及び転写バイアスの設定手順を説明する。なお、ステップS20〜ステップS23は、第一の実施形態のステップS10〜ステップS13と同一であるので説明を省略する。
制御部3の環境測定部36は、環境センサ13が検出した画像形成装置1内部の温度及び湿度を測定する(ステップS24)。そして、制御部3の環境領域決定部37が、環境測定部36が決定した温度及び湿度に基づいて、メモリ部2の環境領域テーブル22を参照し、環境領域1〜3のいずれか一つの環境領域を決定する(ステップS25)。
次に、制御部3のトナー付着量算出部33が、環境領域決定部37が決定した環境領域に基づいて、メモリ部2の各環境領域トナー帯電量テーブル23を参照し、トナー帯電量Q/Mを決定する。また、トナー付着量算出部33が、現像電流算出部32が算出した現像電流及び決定した環境領域のトナー帯電量Q/Mから感光体ドラム50a上のトナー52の付着量を算出する(ステップS26)。
次に、転写バイアス設定部34は、トナー付着量算出部33が算出したトナー52の付着量に基づいて、メモリ部2の各環境領域転写バイアステーブル24を参照し、印加させる転写バイアス設定値35を決定する(ステップS27)。図12に示すように、例えば、トナー52の付着量が1.0mg/cm2以上であり、環境領域1である場合には、転写バイアス設定部34は、転写バイアス設定値35を1000V(基準値1500V−500V=1000V)に決定する(設定1)。
転写バイアス設定部34が、決定した転写バイアス設定値35に基づいて,転写ローラ用電源66が転写バイアスを印加するように制御を行って終了する。
以上説明した第二の実施形態に係る画像形成装置1によれば、温度及び湿度などに応じて転写時に印加される転写バイアスを調整することにより、温度及び湿度などの使用環境が変化しても、記録用紙10a上のトナー52の付着量を均一にできる。したがって、温度及び湿度などの環境が変化しても、記録用紙10a上のトナー52の付着量が増減することにより生じるオフセットを防止することができるとともに、記録用紙10a上の印刷濃度を一定にすることができるため、高品質で安定した画像を確実に得ることができる。
次に、本発明の第二の実施形態に係る画像形成装置1について、実施例1及び実施例2により更に詳細に説明する。以下に示す画像形成装置及び条件の下、実施例1〜2に係る画像形成装置の記録用紙上のトナーの付着量及び画像濃度(OD値)の測定を行い、この結果を図14に示した。
画像印刷時の各部材の種類は、それぞれ、トナー:負帯電性、感光体ドラム:有機系感光体、帯電ローラ:半導電性の弾性体、LEDヘッド:LED素子とレンズアレイ、現像ローラ:半導電性の弾性体、トナー供給ローラ:半導電性の絶縁体、現像ブレード:ステンレス製である。また、画像印刷時の各部材におけるバイアス電圧は、それぞれ、感光体ドラムの表面帯電電位:−600V、露光後の潜像電位:−40V、現像バイアス電圧:−200V、供給バイアス電圧:−300Vに設定した。印刷終了後、分光色彩濃度計X−Rite528(X−Rite社製)を用いて画像濃度(OD値)を測定した。なお、トナーの帯電量は、表面電位計MODEL344(TREK社製)を用いて測定した現像ローラ上のトナーの電位と、現像ローラ上のトナーの付着量とによって求めた。また、感光体ドラム上のトナーの付着量が0.6mg/cm2という条件で測定を行った。さらに、温度25℃で湿度50%の環境、温度10℃で湿度20%の環境及び温度28℃で湿度80%の環境でそれぞれ測定を行った。
(実施例1)
実施例1では、温度及び湿度に基づいて、環境領域1〜3に区分けするとともに、感光体ドラム上に付着したトナーの付着量に応じた転写バイアスを、環境領域1〜3ごとに設定した。具体的には、温度25℃で湿度50%の環境を環境領域1、温度10℃で湿度20%の環境を環境領域2、温度28℃で湿度80%の環境を環境領域3とした。また、各環境領域1〜3の転写バイアスは、図12の各環境領域転写バイアステーブルを用いた。
温度25℃で湿度50%の環境では、環境領域1に決定され、各環境領域転写バイアステーブルに基づいて、転写バイアスが1400V(基準値1500V−100V)に設定された(設定3)。これによって、転写効率は70%〜80%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
温度10℃で湿度20%の環境では、環境領域2に決定され、各環境領域転写バイアステーブルに基づいて、転写バイアスが1900V(基準値2000V−100V)に設定された(設定3)。これによって、転写効率は70%〜80%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
温度28℃で湿度80%の環境では、環境領域3に決定され、各環境領域転写バイアステーブルに基づいて、転写バイアスが900V(基準値1000V−100V)に設定された(設定3)。これによって、転写効率は70%〜80%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
(実施例2)
実施例2では、温度及び湿度が変化しても、感光体ドラム上のトナーの付着量に応じた転写バイアスを印加するように設定した。なお、実施例2では、図5の転写バイアステーブルを用いた。したがって、感光体ドラム上のトナーの付着量が0.6mg/cm2の条件下では、転写バイアスは1400V(基準値1500V−100V=1400V)に常時設定される。
温度25℃で湿度50%の環境では、転写効率は70%〜80%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.5mg/cm2〜0.6mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.30〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
温度10℃で湿度20%の環境では、転写効率は50%〜60%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.3mg/cm2〜0.5mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.20〜1.30の範囲内になる結果が得られた。
温度28℃で湿度80%の環境では、転写効率は80%〜90%の範囲内になり、記録用紙上のトナーの付着量は0.6mg/cm2〜0.7mg/cm2の範囲内になり、OD値は1.35〜1.40の範囲内になる結果が得られた。
本発明の範囲に属する実施例1と実施例2とを比較すると、以下のことが実証されたことになる。
温度及び湿度に基づいて複数の環境領域に区分けするとともに、環境領域ごとに感光体ドラム上のトナーの付着量に応じた転写バイアスを設定する制御を行うと、感光体ドラム50a上のトナーの付着量に応じた転写バイアスを設定する制御だけを行う場合に比べて、使用環境が変化しても、記録用紙上のトナーの付着量がより一層一定に保たれるとともに、OD値もより一層一定に保たれることが実証された。そのため、使用環境が変化しても、オフセットをより一層防止できること及び記録用紙上の印刷濃度の変動をより一層防止できることが実証された。
尚、本発明はこの実施例に限定されるものではない。前記パラメータ及びテーブルなどは一例であって、例えば画像形成装置やトナーなどの条件に応じてパラメータ及びテーブルなどを適宜設定すればよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実施できるのはいうまでもない。本実施形態の画像形成装置1を、電子写真カラー記録装置に適用したが、これに限定されることなく、トナー52を使用する装置に適用してもよい。例えば、複写機、LEDプリンタ、レーザービームプリンタ、ファクシミリ、MFPなどに適用してもよい。