JP5431753B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に、客室の天井を形成する天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱による影響を抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができる鉄道車両に関するものである。
従来の鉄道車両では、温度や湿度を調整した調和空気を空調装置によって生成し、その生成した調和空気を、例えば、客室の天井部に開口した吹出口から下方へ向けて吹き出す、或いは、床に開口した吹出口から上方へ向けて吹き出すことで、客室の空調を行うように構成されていた(特許文献1,2)。
特開2008−049984号公報(例えば、第2図など) 特開2005−225266号公報(例えば、第5図など)
しかしながら、上述した従来の鉄道車両では、天井構造が天井内装パネルと水密パネルとの間の天井裏の空間を有する構成であるため、例えば、夏には熱い空気が天井裏の空間に滞留する。そのため、天井内装パネルの表面温度が上昇して、その天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱が客室内の冷房の効果を損なわせる。特に、天井内装パネルは、面積が広く乗客から見た場合の視野角が大きいため、輻射熱の作用による乗客の温熱感への影響が大きい。同様に、冬には冷たい空気が天井裏の空間に滞留することで、天井内装パネルの表面温度が低下して、その天井内装パネルの表面からもたらされる負の輻射熱が客室内の暖房の効果を損なわせる。その結果、冷房時または暖房時の乗客の快適性が損なわれるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、客室の天井を形成する天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱による影響を抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができる鉄道車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の鉄道車両は、調和空気を客室へ供給する空調装置と、前記客室の天井を形成する天井内装パネルと、その天井内装パネルの外側に配設され前記客室の水密を保つ水密パネルと、その水密パネルの内面に配設され断熱機能を有する断熱材と、を備えるものであり、前記天井内装パネル及び水密パネルの間の空間として形成される天井裏空間の空気を客室外へ排出する排出手段と、前記天井裏空間を前記客室に連通させる通風口と、複数の開口を有しその開口から取り込んだ空気の流通方向下流側へ向かうほど流路断面積が大きくなると共に前記天井裏空間に配設されるダクト部材と、を備え、前記排出手段は、前記ダクト部材を介して、前記天井裏空間の空気を客室外へ排出する
請求項記載の鉄道車両は、請求項1記載の鉄道車両において、客室内に向けて突設され上面が荷台面となる荷棚を備え、前記天井内装パネルは、湾曲して構成されることで前記荷棚の上面に連設される側天井パネルを備え、前記通風口は、前記側天井パネルの前記荷台面側の端部に位置すると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる荷棚通風口を備える。
請求項記載の鉄道車両は、請求項1又は2に記載の鉄道車両において、前記天井裏空間に配置され前記天井内装パネルの採光用の開口を介して前記客室を照明する照明具と、前記天井内装パネルの採光用の開口を覆い透光性材料から構成される照明カバーと、を備え、前記通風口は、前記照明カバーと前記天井内装パネルとが連設される位置に形成されると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる照明通風口を備える。
請求項記載の鉄道車両は、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両において、前記客室の側面に配設される窓ガラスと、その窓ガラスの上部に位置し前記空調装置から供給される調和空気を下方へ向けて送風する吹出口と、を備え、前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置すると共に前記吹出口よりも前記窓ガラス側に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備える。
請求項記載の鉄道車両は、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両において、前記客室の側面に配設される窓ガラスを備え、前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備える。
請求項記載の鉄道車両は、請求項又はに記載の鉄道車両において、巻き取り軸とその巻き取り軸の外周部にロール状に巻き取られるロールカーテンとを有し、引き出されたロールカーテンにより前記窓ガラスを遮蔽するカーテン機構を備え、前記カーテン機構が前記窓通風口の内部に配設されると共に、前記カーテン機構から引き出されて垂下するロールカーテンにより、前記窓通風口が前記窓ガラス側の流路と前記客室側の流路とに分割されている。
請求項記載の鉄道車両は、請求項からのいずれかに記載の鉄道車両において、前記荷棚通風口、前記照明通風口または前記窓通風口の少なくとも1個を閉鎖して、それら荷棚通風口、照明通風口または窓通風口を経由する前記天井裏空間と客室との連通を遮断する閉鎖手段を備える。
請求項1記載の鉄道車両によれば、天井内装パネル及び水密パネルの間の空間として形成される天井裏空間の空気を客室外へ排出する排出手段と、天井裏空間を客室に連通させる通風口とを備える構成であるので、排気手段により天井裏空間の空気を客室外へ排出することに伴い、その天井裏空間から客室外へ排出した空気の分だけ、客室の空気を客室から通風口を経由して天井裏空間に導入することができる。これにより、天井裏空間に滞留する空気、例えば、夏の熱い空気や冬の冷たい空気を、客室の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された調和空気)に置換することができる。
これにより、客室の天井を形成する天井内装パネルの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができるので、かかる天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
ここで、従来の鉄道車両では、天井裏空間に夏の熱い空気や冬の冷たい空気が滞留した場合に、天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制するために、かかる天井内装パネルの裏面に断熱材を設ける必要があり、材料コストが嵩む。これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述のように、客室の空気の導入により、天井裏空間に滞留する空気を置換して、天井内装パネルの表面温度を客室の室温に近づける構成であるので、かかる天井内装パネルの裏面に断熱材を設けることを省略することができ、その結果、材料コストの削減を図ることができるという効果がある。
また、複数の開口を有しその開口から取り込んだ空気の流通方向下流側へ向かうほど流路断面積が大きくなると共に天井裏空間に配設されるダクト部材を備え、そのダクト部材を介して、排出手段による天井裏空間の空気の客室外への排出を行う構成であるので、ダクト部材の各開口から空気を取り込み客室外へ排出することで、天井裏空間の排気をより均一に行うことができ、その結果、天井裏空間の空気を客室の空気に効率的に置換することができるという効果がある。
即ち、天井裏空間の空気を電動ファンにより直接吸い込み外部へ排出する場合、電動ファンに近い領域では、空気が外部へ排出されるので、その排出された分が通風口から導入された客室の空気に置換されるが、電動ファンから遠い領域では、空気が外部へ排出されず滞留し易いため、客室の空気との置換が行われ難い。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、複数の開口を有するので、電動ファンから遠い領域であっても、各開口から空気を取り入れて外部へ排出することができる。よって、天井裏空間全体の空気を万遍なく外部に排出し易くすることができるので、天井裏空間の空気を客室の空気に置換することをより均一に行うことができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、側天井パネルの荷台面側の端部に荷棚通風口を設け、その荷棚通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、荷棚通風口を介して、荷棚の荷台面上の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる荷棚の荷台面上の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、冷房時の客室内では、天井付近に暖かい空気が滞留している。特に、荷棚の荷台面上は、荷棚と天井内装パネル(側天井パネル)との間に囲まれた奥まった領域であるため、空気が滞留し易い。そして、その暖かい空気の滞留は、天井内装パネルの温度を上昇させるため、天井内装パネル(側天井パネル)の表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、荷棚の荷台面上の暖かい空気を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)に置換することができるので、天井内装パネル(側天井パネル)の表面温度を下げることができる。その結果、かかる天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
特に、本発明の車両用制御装置によれば、荷棚通風口の配設位置が、側天井パネルの荷台面側の端部とされている、即ち、荷棚と天井内装パネル(側天井パネル)との間に囲まれた領域の中の一番奥まった位置であるので、客室内の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)が、荷棚の荷台面上の領域を迂回して、荷棚通風口へ直接流入されることを抑制し、荷棚の荷台面上に滞留する暖かい空気を荷棚通風口へ確実に流入させることができるので、かかる荷棚の荷台面上に滞留する暖かい空気を客室内の他の領域の空気に効率的に置換することができるという効果がある。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1又は2に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、照明カバーと天井内装パネルとが連設される位置に照明通風口を設け、その照明通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、照明通風口を介して、照明カバー近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる照明パネル近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
上述したように、冷房時の客室内では、天井付近に暖かい空気が滞留している。特に、照明パネル近傍は、照明具が熱源となるため、その発熱により天井付近の空気の温度を更に上昇させる。そして、その暖かい空気の滞留は、照明カバーや天井内装パネルの温度を上昇させるため、それら照明カバーや天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、照明カバー近傍の暖かい空気を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)に置換することができるので、照明カバーや天井内装パネルの表面温度を下げることができる。その結果、かかる照明カバーや天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓ガラスの上部に窓通風口を設け、その窓通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、窓通風口を介して、窓ガラス近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる窓ガラス近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、例えば、冷房時には、一般に、窓ガラスの温度が、車外の空気から受ける熱と、太陽から受ける熱とにより、客室の空気よりも温度が高くなっている。一方、暖房時には、窓ガラスが、車外へ熱が奪われることで、客室の空気よりも温度が低くなっている。そのため、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
また、暖房時には、窓ガラス近傍の冷やされて重くなった空気が降下して床を這うような流れとなり、客室に広がる(いわゆるコールドドラフト)という問題点があった。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、窓ガラス近傍の空気(客室の空気よりも高温または低温の空気)を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された空気)に置換することができるので、窓ガラスの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができる。その結果、かかる窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、窓ガラス近傍の空気が冷やされて重くなることで降下する前に、かかる窓ガラス近傍の空気を客室の空気に置換することができるので、いわゆるコールドドラフトの発生を抑制することができるという効果がある。
更に、本発明の車両用制御装置によれば、空調装置から供給される調和空気を下方へ向けて送風する吹出口を窓ガラスの上部に配置すると共に、その吹出口よりも窓通風口を窓ガラス側に配置する構成であるので、窓ガラスの温度と天井裏空間の空気の温度とを客室の空気の温度に効果的に近づけることができるという効果がある。
即ち、窓通風口は、吹出口よりも窓ガラス側に位置するので、窓通風口から窓ガラス近傍の空気を吸い込む場合には、その窓通風口に吸い込まれる空気の流れ(上昇流)に、吹出口から流下される空気(即ち、空調装置から供給される調和空気)が取り込まれるので、かかる空調装置から供給される調和空気(即ち、客室の空気よりも目標温度に近い温度の空気)を、窓ガラスの際を経由させた後に、窓通風口へ吸い込ませることができる。
これにより、窓ガラスの温度を、吹出口から送風された調和空気(即ち、客室の空気よりも目標温度に近い温度の空気)を利用して、客室の空気の温度に効果的に近づけることができる。また、かかる調和空気が天井裏空間に導入されることで、天井裏空間の空気の温度を客室の空気の温度に効果的に近づけることができる。その結果、窓ガラスの表面および天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓ガラスの上部に窓通風口を設け、その窓通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、窓通風口を介して、窓ガラス近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる窓ガラス近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、例えば、冷房時には、一般に、窓ガラスの温度が、車外の空気から受ける熱と、太陽から受ける熱とにより、客室の空気よりも温度が高くなっている。一方、暖房時には、窓ガラスが、車外へ熱が奪われることで、客室の空気よりも温度が低くなっている。そのため、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
また、暖房時には、窓ガラス近傍の冷やされて重くなった空気が降下して床を這うような流れとなり、客室に広がる(いわゆるコールドドラフト)という問題点があった。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、窓ガラス近傍の空気(客室の空気よりも高温または低温の空気)を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された空気)に置換することができるので、窓ガラスの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができる。その結果、かかる窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、窓ガラス近傍の空気が冷やされて重くなることで降下する前に、かかる窓ガラス近傍の空気を客室の空気に置換することができるので、いわゆるコールドドラフトの発生を抑制することができるという効果がある。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項又はに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓通風口の風量のバランスを一定に保つことができるという効果がある。即ち、ロールカーテンが巻き取り軸の外周に巻き取られると、その巻き取り部の外径が太くなることで、その分、窓通風口の流路断面積が小さくなる。一方、ロールカーテンが引き出されると、巻き取り部の外径が細くなることで、その分、窓通風口の流路断面積は大きくなるが、この場合、窓通風口の窓ガラス側の流路は、ロールカーテンが窓ガラスを覆っていることで、かかるロールカーテンと窓枠との間の狭い流路を通過した空気が流通される。これにより、ロールカーテンの開閉状態によらず、窓通風口の流路断面積(即ち、ロールカーテンにより分割された窓ガラス側の流路と客室側の流路との合計の流路断面積)の変化を抑制して、窓通風口の風量のバランスを一定に保つことができる。
請求項記載の鉄道車両によれば、請求項からのいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、荷棚通風口、照明通風口または窓通風口の少なくとも1個を閉鎖して、それら荷棚通風口、照明通風口または窓通風口を経由する天井裏空間と客室との連通を遮断する閉鎖手段を備える構成であるので、かかる閉鎖手段による荷棚通風口、照明通風口の遮断を実行することにより、例えば、暖房時には、天井付近に滞留している暖かい空気が客室内の他の領域の空気に置換されることを抑制することができる。これにより、かかる天井付近に滞留する暖かい空気を利用して、天井内装パネルの温度を上昇させることができるので、天井内装パネル(側天井パネル)の表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調効果を高めることができ、その結果、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、かかる閉鎖手段による窓通風口の遮断を実行することにより、例えば、暖房時には、窓ガラス付近の暖かい空気が客室内の他の領域の空気に置換されることを抑制することができる。これにより、かかる窓ガラス付近の暖かい空気を利用して、窓ガラスの温度を上昇させることができるので、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調効果を高めることができ、その結果、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
本発明の第1実施の形態における鉄道車両の断面図である。 図1のII−II線における鉄道車両の断面図である。 図2のIIIで囲んだ部分を拡大して示した鉄道車両の拡大断面図である。 図1のIV−IV線における鉄道車両の窓部周辺を拡大して示した拡大断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、鉄道車両100の構成について説明する。図1は、本発明の1実施の形態における鉄道車両100の断面図であり、図2は、図1のII−II線における鉄道車両100の断面図である。
なお、図1の切断線は、図2のI−I線に対応する。また、図1では、理解を容易とするために、供給ダクト51と回収ダクト54との高さ寸法(図1上下方向寸法)を縮小し、供給ダクト51を回収ダクト54の上側に図示している。
鉄道車両100は、乗客を輸送する輸送機械であり、図1に示すように、レールの上を転動する車輪が軸支される台車Rと、その台車Rに支持され乗客が収容される構体として構成される車体Bとを備えている。車体Bは、水密パネル3と、断熱材4と、居住室E1と、内装パネル2と、区画壁6,7と、循環ダクト5と、空調装置1とを備えている。
水密パネル3は、図1及び図2に示すように、車体Bの外壁を構成する部材であり、後述する居住室E1を囲うように配設されている。また、水密パネル3は、降雨に対して水密を保つ構造とされており、これにより、居住室E1の水密が保たれている。
断熱材4は、断熱機能を有する材料から構成される部材であり、図1及び図2に示すように、水密パネル3の内側(居住室E1側)の全面に密着した状態で配設されている。このように、本実施形態の鉄道車両100によれば、水密パネル3の内側(内装パネル2側)の面に断熱材4が配設されるので、居住室E1の断熱効果(即ち、内壁パネル2及び水密パネル3を介して居住室E1と車外との間で行われる熱の移動を抑制する効果)を確保することができる。
また、水密パネル3が車外の冷気により冷やされた状態で壁内空間S内を温かい空気Bが流通する場合でも、断熱材4により温度差を緩和して、水密パネル3の内側(断熱材の表面)に結露が生じることを防止することができる。
その断熱材4は、厚みが、上述した水密パネル3と後述する内装パネル2(居住室E1を区画する部材)との間の対向間隔よりも薄くされているので、断絶材4と内装パネル2との間には、所定の空間が形成されており、この空間が壁内空間Sとされる。その壁内空間Sは、図2に示すように、後述する天井パネル21と断熱材4との間の空間として形成される天井壁内空間S1と、後述する側面パネル22と断熱材4との間の空間として形成される側壁内空間S2と、後述する床面パネル23と断熱材4との間の空間として形成される床壁内空間S3とから構成されている。
天井壁内空間S1には、後述する循環ダクト5の天井ダクト53が配設されており、側壁内空間S2には、後述する循環ダクト5の縦供給ダクト52及び回収ダクト54の一部が配設されており、床壁内空間S3には、後述する循環ダクト5の回収ダクト54の一部および循環ダクト5の供給ダクト51が配設されている。
なお、後述する循環ダクト5(供給ダクト51、縦供給ダクト52、天井ダクト53及び回収ダクト54)と断熱材4及び内装パネル2との間には、空気Bが循環するのに十分な隙間が形成されている。よって、壁内空間Sの隙間を空気Bが流れることができる。
居住室E1は、図1及び図2に示すように、車体Bの内部に形成される空間であり、天井面、側面および床面が後述する水密パネル3によって取り囲まれている。また、居住室E1には、後述する内装パネル2と区画壁6,7とが配設され、居住室E1が、乗客の居住室として構成される客室E12と、乗降ドアが設置され乗降時の踊り場として使用されるデッキE13と、身支度を整えるために使用される洗面トイレ室E14とに区画されている。
なお、客室E12は、図1に示すように、乗客が着席するための複数の座席E2と、後述する内装パネル2の側面パネル22から突出され手荷物が載置される荷棚E3と、その荷棚E3の下側(図1下側)であって座席E2の横側(図1紙面奥側)に位置し、後述する内装パネル2の側面パネル22に形成された開口部に配設される複数の窓E4とを備えている。
内装パネル2は、荷棚E3の上方に配設され照明装置70が取り付けられ居住室E1の天井面を形成する天井内装パネル21と、その天井内装パネル21に対向して配設され居住室E1の床面を形成する床面パネル23と、これら天井内装パネル21及び床面パネル23を互いに連結すると共に座席E2の両側、前方および後方に配設される4面の側面パネル22とを備えている。なお、内装パネル2の詳細構成および照明装置70の構成については、図3を参照して、後述する。
区画壁6,7は、居住室E1を客室E12、デッキE13及び洗面トイレ室E14の3室に区画するための部材である。即ち、図1に示すように、居住室E1は、側面パネル22と区画壁6との間に客室E12が、区画壁6と区画壁7との間にデッキE13が、区画壁7と他(図1左側)の側面パネル22との間に洗面トイレ室E14が、それぞれ形成されている。
また、区画壁6は、図1に示すように、客室E12に面する客室区画パネル6aと、デッキE13に面するデッキ区画パネル6bとを備えており、これら客室区画パネル6aとデッキ区画パネル6bとが所定間隔を隔てて対向して配設されている。同様に、区画壁7は、図1に示すように、デッキE13に面するデッキ区画パネル7aと、洗面トイレ室E14に面する洗面区画パネル7bとを備えており、これらデッキ区画パネル7aとデッキ区画パネル7bとが所定間を隔てて対向して配設されている。
循環ダクト5は、後述する空調装置1によって循環される調和空気A及び客室E12から吸い出された空気Bを案内する筒状に構成された部材であり、図1及び図2に示すように、供給ダクト51と、縦供給ダクト52と、天井ダクト53と、回収ダクト54とを備えている。
供給ダクト51は、図2に示すように、空調装置1から供給された調和空気Aを鉄道車両100の前後方向に並んで配設される縦供給ダクト52へ供給する部材であり、床面パネル23と断熱材4との間に配設されている。
縦供給ダクト52は、図2に示すように、供給ダクト51から供給された調和空気Aを鉄道車両100の上方へ案内し、その案内された調和空気Aを荷棚E3と窓E4との間の位置に形成される荷棚下方吹出口22b及び窓側吹出口22cから居住室E1へ供給する部材であり、図2に示すように、側面パネル22と断熱材4との間に配設されている。
天井ダクト53は、天井壁内空間S1から空気Bを吸い出すための部材であり、図1および図2に示すように、天井内装パネル21と断熱材4との間に配設されると共に、断面視矩形の筒状体として構成され、その両側面には、複数の貫通孔55が形成されている。
そのため、後述する熱気回収ファン15によって、天井ダクト53内部の空気Bが吸い出されることで、天井壁内空間S1の空気Bを貫通孔55及び天井ダクト53先端の開口から吸い込むことができる。これにより、天井壁内空間S1に滞留する空気B、例えば、夏の熱い空気や冬の冷たい空気を、客室E12の調和空気A(即ち、空調装置1により温度や湿度が調整された空気)に置換することができる。
これにより、天井内装パネル21の表面温度を客室E12の調和空気Aの温度、即ち、室温に近づけることができるので、かかる天井内装パネル21の表面からもたらされる輻射熱により客室E12内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができる。
また、例えば、壁内空間Sの内部で温められた空気Bは、壁内空間Sの内部を上昇するので、その温められた空気Bが天井壁内空間S1に集まる。その温められた空気Bを天井壁内空間S1に滞留させると、その温められた空気Bによって天井内装パネル21が温められる。その結果、天井内装パネル21から輻射による熱の移動が生じ、乗客の快適性が損なわれる。
特に、天井内装パネル21は、乗客の頭部に近い内装パネル2の部分であるので、天井内装パネル21が温められると乗客の頭部が温められるので、乗客に不快感を与える影響が大きい。
これに対して、本実施の形態では、天井ダクト53が天井壁内空間S1の空気Bを吸い込むので、天井壁内空間S1の圧力が客室E12よりも低くなって、後述する荷棚上方吸込口22a及び後述する天井吸込口21aから客室E12の調和空気Aが天井内装パネル21と断熱材4との間の天井壁内空間S1に吸い込まれる。そのため、天井壁内空間S1の空気Bが温められる前にその空気Bを換気することができるので、天井壁内空間S1の空気Bが温まって天井内装パネル21が温められることを防止することができる。その結果、天井内装パネル21の輻射熱による乗客の体感温度変化を防止して、乗客の快適性を保つことができる。
また、天井ダクト53は、断面視矩形の筒状体として構成され、その両側面には、複数の貫通孔55が形成されるので、天井ダクト53を断面視円形の筒状体として構成する場合と比較して、貫通孔55を平面上に配設することができるので、ドリルなどで切削して加工する場合には、ドリルの芯ブレを少なくして加工精度を向上させることができる。
ここで、従来の鉄道車両では、天井裏空間に夏の熱い空気や冬の冷たい空気が滞留した場合に、天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制するために、かかる天井内装パネルの裏面に断熱材を設ける必要があり、材料コストが嵩むという問題があった。これに対し、本実施の形態における鉄道車両100によれば、上述のように、調和空気Aの導入により、天井壁内空間S1に滞留する空気Bを置換して、天井内装パネル21の表面温度を客室E12の空気温度に近づける構成であるので、かかる天井内装パネル21の裏面に断熱材を設けることを省略することができ、その結果、材料コストの削減を図ることができる。
また、図1に示すように、本実施の形態における鉄道車両100では、天井ダクト53の両側面に、複数の貫通孔55が鉄道車両100の前後方向(図1左右方向)に所定の間隔を保って貫通形成されている。
例えば、従来の鉄道車両は、前後寸法が長い壁内空間Sを均一に換気することができなかった。これに対し、本実施の鉄道車両100によれば、図1に示すように、天井ダクト53には、鉄道車両100の前後方向(図1左右方向)へ貫通孔55が所定の間隔を保って貫通形成されているので、天井壁内空間S1から空気Bを均一に吸い出すことができる。
即ち、天井壁内空間S1を均一に換気することができる。その結果、天井内装パネル21の客室E12側温度を均一にできる。さらに、居住室E1と壁内空間Sとの熱の移動量を均一に近づけることで、居住室E1の空気温度の均一化を図ることができる。
また、本実施の形態における鉄道車両100によれば、天井ダクト53の断面積(天井ダクト53の長手方向に直交する面で切断した断面積、請求項記載の「流路断面積」に対応する。)は、貫通孔55から熱気回収ファン15へ向かう側(図1左側、請求項記載の「流通方向下流側」に対応する。)の部位の断面積ほど、大きく形成されている。
例えば、天井ダクト53の断面積を貫通孔55から熱気回収ファン15の間で、一定とした場合には、一の貫通孔55では、その一の貫通孔55と熱気回収ファン15との間に形成される他の貫通孔55から空気Bが流入されるので、天井ダクト53の内部での圧力勾配(流れ方向における上流と下流とでの圧力差の度合)が大きくなる(熱気回収ファン15から離間するほど吸い込みのための圧力が低下する)。
そのため、一の貫通孔55から天井ダクト53の内部に吸い込まれる空気Bの量が一の貫通孔55に比べて熱気回収ファン15に近い位置に形成される他の貫通孔55から天井ダクト53へ吸い込まれる空気Bの量に比べて少なくなる。その結果、鉄道車両100の前後方向(図1左右方向)において、天井ダクト53に吸い込まれる空気Bの量が不均一となり、空調効率が悪化するという問題があった。
これに対して、本実施の形態では、天井ダクト53の断面積(天井ダクト53の長手方向に直交する面で切断した断面積、請求項記載の「流路断面積」に対応する。)が貫通孔55から熱気回収ファン15へ向かう側(図1左側、請求項記載の「流通方向下流側」に対応する。)の部位の断面積ほど、大きく形成されているので、天井ダクト53の内部の圧力勾配を小さくすることができる。その結果、鉄道車両100の前後方向(図1左右方向)において、天井ダクト53に吸い込まれる空気Bの量を均一として、鉄道車両100の空調効率を確保することができる。
回収ダクト54は、後述する熱気回収ファン15を介して回収された空気Bを鉄道車両100の下側に配設される内気循環ファン13へ案内する部材である。なお、回収ダクト54には、客室E12、デッキE13及び洗面トイレ室E14が接続されており、居住室E1全体の調和空気Aを回収する。
空調装置1は、居住室E1へ調和空気Aを供給すると共に居住室E1から調和空気Aを回収または排出するための装置であり、図1に示すように、外気送風ファン11と、内気循環ファン13と、熱気回収ファン15と、熱交換器17とを備えている。
外気送風ファン11は、鉄道車両100の車外の空気を居住室E1に送り込むファンであり、図1に示すように、鉄道車両100の車外の空気を後述する熱交換器17へ供給する。内気循環ファン13は、調和空気Aの居住室E1の内部への循環と、調和空気Aの鉄道車両100の車外への排出を行うファンであり、回収ダクト54に接続されている。その内気循環ファン13は、回収ダクト54を介して調和空気Aを回収し、内部に備える弁を切り替えることで後述する熱交換器17を介して調和空気Aを供給ダクト51へ供給することと、鉄道車両100の車外へ排出することを適宜選択できるファンである。
熱気回収ファン15は、壁内空間Sの上部に溜まった空気Bを天井ダクト53を介して回収すると共に回収ダクト54へ供給するファンであり、図1に示すように、天井ダクト53と回収ダクト54との間に接続されている。
熱交換器17は、外気送風ファン11及び内気循環ファン13から送り込まれた外気および調和空気Aに対して熱の授受を行い所望する温度および湿度の調和空気Aとする装置であり、図1に示すように、外気送風ファン11及び内気循環ファン13と、供給ダクト51との間に接続されている。
次いで、図3および図4を参照して、内装パネル2の詳細構成および照明装置70の構成について説明する。図3は、図2のIIIで囲んだ部分を拡大して示した鉄道車両100の拡大断面図であり、図面を簡略化するために、天井内装パネル21、水密パネル3及び断熱材4に一部を省略して図示している。図4は、図1のIV−IV線における鉄道車両100の窓E4周辺を拡大して示した拡大断面図である。
図3に示すように、天井パネル21は、湾曲して構成されることで荷棚E3の上面である荷棚面E31に連設される側天井パネル25を備えている。側面パネル22は、荷棚E3の荷棚面E31から側天井パネル25側(図3上方向側)へ向かって延設される上部側パネル27を備えている。その上部側パネル27の上側端部(図3上側端部)と側天井パネル25の下側端部(図3下側端部、請求項記載の「荷台面側の端部」に対応する。)との間には、荷棚上方吸込口22aが開口され、その荷棚上方吸込口22aは、壁内空間Sと客室E12との間を連通させている。
よって、上述したように、天井壁内空間S1の空気Bが天井ダクト53に吸い込まれると、天井壁内空間S1の圧力が客室E12の圧力に対して低下するので、天井壁内空間S1と客室E12との間を連通させている荷棚上方吸込口22aから客室E12の調和空気Aが天井壁内空間S1へと流入する。
また、天井壁内空間S1へと流入する調和空気Aは、荷棚E3の上側の調和空気Aであり、その調和空気Aは、客室E12で温められ上昇し天井内装パネル21の下側に溜まった調和空気Aである。その調和空気Aは、天井内装パネル21の下側に溜まっているので、天井内装パネル21へ熱を伝え易い。その調和空気Aも同時に天井壁内空間S1を介して天井ダクト53へ吸い込ませることができるので、温められた調和空気Aが排除されると共に所望の温度に調整された調和空気Aが天井内装パネル21の客室E12側および壁内空間S側に効率よく送り込まれる。その結果、天井内装パネル21が温められることが防止され、天井内装パネル21からの輻射による乗客への熱の移動を低減して、乗客の快適性を確保することができる。
また、荷棚上方吸込口22aには、図3に示すように、揺動されることで荷棚上方吸込口22aを開閉自在とするルーバーTが取り付けられている。ルーバーTは、揺動可能に軸着される軸部を有し、その軸部から径方向に延設される板状体を備えている。よって、揺動されることで、板状体が荷棚上方吸込口22aを開状態または閉状態とする。例えば、乗客に熱を与えたい場合(客室E12を暖房する場合)には、ルーバーTを操作して、荷棚上方吸込口22aを閉じることで、天井内装パネル21の客室E12側および天井壁内空間S1側に温められた調和空気A及び空気Bを滞留させることができる。その結果、天井内装パネル21を温めて、乗客への暖房効果を向上させ快適性を向上させることができる。
次いで、照明装置70の構成について説明する。照明装置70は、客室E12内部を明るく保つための装置であり、図3に示すように、上述した天井ダクト53の両側にそれぞれ配設される一対の蛍光灯72と、それら一対の蛍光灯72の下側に配設され天井内装パネル21に所定の隙間を有した状態に取り付けられ透光性材料から構成される照明カバー74とを備えている。なお、天井内装パネル21は、鉄道車両100の幅方向中央部分に天井開口21bが開口されており、その天井開口21bの内部に蛍光灯72が配設され、鉄道車両100の上側方向視(図3上方向視)において、天井開口21b全体を覆い隠すように照明カバー74が配設されている。
その照明カバー74と天井内装パネル21との間の隙間には、天井吸込口21aが開口され、その天井吸込口21aは、壁内空間Sと客室E12との間を連通させている。よって、上述したように、壁内空間Sの空気Bが天井ダクト53に吸い込まれると、壁内空間Sの圧力が客室E12の圧力に対して低下するので、壁内空間Sと客室E12との間を連通させている天井吸込口21aから客室E12の調和空気Aが壁内空間Sへと流入する。
また、壁内空間Sへと流入する調和空気Aは、客室E12の上側に滞留する調和空気Aであり、暖められて上昇した調和空気Aである。その調和空気Aによって天井内装パネル21が暖められる。
その調和空気Aも同時に壁内空間Sを介して天井ダクト53へ吸い込ませることができるので、所望の温度に調整された調和空気Aが天井内装パネル21の客室E12側および壁内空間S側に効率よく送り込まれる。その結果、天井内装パネル21が暖められることを防止して、天井内装パネル21からの輻射による乗客への熱の移動を低減して、乗客の快適性を確保することができる。
また、天井吸込口21aは、照明カバー74と天井内装パネル21との間に形成されており、天井吸込口21aと天井ダクト53との間の空間には、蛍光灯72が設置されているので、天井吸込口21aを介して天井ダクト53に吸い込まれる調和空気Aは、蛍光灯72と照明カバー74とに当たる。
そのため、蛍光灯72の熱および蛍光灯72によって暖められた照明カバー74の熱を奪うことができる。その結果、蛍光灯72の発熱による天井内装パネル21の温度上昇および照明カバー74の温度上昇を防止することで、天井内装パネル21及び照明カバー74からの輻射による乗客への熱の移動を低減して、乗客の快適性を確保することができる。
また、天井吸込口21aには、図3に示すように、荷棚上方吸込口22aと同様に、天井吸込口21aを開閉自在とするルーバーTが取り付けられている。そこで、乗客に熱を与えたい場合(客室E12を暖房する場合)には、天井吸込口21aを閉じることで、天井内装パネル21の客室E12側および壁内空間S側に暖められた調和空気A及び空気Bを滞留させることができる。その結果、天井内装パネル21を暖めて、乗客への暖房効果を向上させ快適性を向上させることができる。
図4に示すように、内装パネル2には、窓側吹出口22cとロールカーテン吸込口22dとが形成されている。窓側吹出口22cは、窓E4へ調和空気Aを供給するための開口として構成されており、窓E4の上側の部位に、窓E4の幅方向(鉄道車両100の前後方向)に沿って延設されている。
その窓側吹出口22cは、鉄道車両100の下方向に開口が面しており、窓E4に沿って調和空気Aを客室E12へ送り出している。また、窓側吹出口22cは、側面視(図1紙面垂直方向視)において、窓E4の幅方向に窓E4を越えて延設されている。そのため、窓E4の幅方向(鉄道車両100の前後方向)全体に調和空気Aを送り出すことができる。
ロールカーテン吸込口22dは、窓E4によって暖められた調和空気Aを取り除くための開口であり、窓側吹出口22cの下側(図4下側)で且つ窓E4の上側に形成されている。よって、窓側吹出口22cから送り出された調和空気Aを直接吸い込むことを防止することができる。
また、図4に示すように、ロールカーテン吸込口22dと窓側吹出口22cとの間は、客室E12側(図4右側)に凸の湾曲面として構成される連結面22gが形成されており、窓側吹出口22cから排出された調和空気Aを連結面22g沿って導くことで、調和空気Aを送風距離(窓側吹出口22cから送出された調和空気Aが送出の勢いを保つことができる距離)を確保している。よって、窓E4の下側まで調和空気Aを送出することができる。その結果、窓E4と客室E12の乗客との間にエアーカーテンを形成することができるので、窓E4にて暖められた調和空気Aが客室E12の乗客まで到達することを防止することができる。
また、ロールカーテン吸込口22dは、図4に示すように、鉄道車両100の下方向に開口が面しており、窓E4に接した調和空気Aを壁内空間Sへ吸い出している。また、ロールカーテン吸込口22dは、側面視(図1紙面垂直方向視)において、窓E4の幅方向に窓E4を越えて延設されている。そのため、窓E4の幅方向(鉄道車両100の前後方向)全体から窓E4によって暖められた調和空気Aを取り除くことができる。
よって、窓E4に近接した領域の調和空気Aが取り除かれるので、窓E4側への調和空気Aの流れが生じる。そのため、窓側吹出口22cから窓E4に沿って送出された調和空気Aが窓E4側に導かれるので、窓E4を客室E12の調和空気Aの温度に近づけることができる。その結果、窓E4から輻射により乗客へ熱が伝えられることを防止して、乗客の体感温度の変化を防ぎ快適性の向上を図ることができる。
一方、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より低い場合(冷たい調和空気Aを客室E12から排除したい場合)には、ロールカーテン吸込口22dが窓E4によって冷やされた調和空気Aを取り除くことで、窓E4からのコールドドラフト(冷やされた空気が窓に沿って下降すること)を防止することができる。その結果、乗客に冷気が当たることを防いで快適性の向上を図ることができる。
また、ロールカーテン吸込口22dの内部には、図4に示すように、カーテンを巻きとることで窓E4と乗客との間の遮断するロールカーテンKが配設されており、そのロールカーテンKによって、ロールカーテン吸込口22dが外側吸込口22eと内側吸込口22fとに分けられている。
外側吸込口22eは、ロールカーテンKの外側(窓E4側、図4左側)に形成される開口として構成され、内側吸込口22fは、ロールカーテンKの内側(窓E4の反対側、図4右側)に形成される開口として構成されている。
例えば、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より高い場合(暖かい調和空気Aを客室E12から排除したい場合)に、ロールカーテンKを閉じた場合には、窓E4から差し込む陽ざしによって、ロールカーテンKが温められる。そのため、ロールカーテンKからの輻射による乗客への熱の移動によって乗客の体感温度が上昇するという問題がある。また、ロールカーテンKが客室E12の調和空気Aを暖め、乗客に暖かい空気が当たるという問題がある。
これに対して、本実施の形態では、外側吸込口22eによって、ロールカーテンKの窓E4側の側面に沿って調和空気Aを吸い込むので、客室E12からの調和空気AがロールカーテンKの熱を奪って温度上昇を抑える。その結果、ロールカーテンKからの輻射による乗客への熱の移動を低減して、乗客の体感温度の上昇を防止することができる。
また、内側吸込口22fによって、ロールカーテンKの客室E12側の側面に沿って調和空気Aを吸い込むので、客室E12からの調和空気AがロールカーテンKの熱を奪って温度上昇を抑える。その結果、ロールカーテンKからの輻射による乗客への熱の移動を低減して、乗客の体感温度の上昇を防止することができる。
加えて、ロールカーテンKの客室E12側の側面に沿って調和空気Aを吸い込むので、ロールカーテンKによって温められた調和空気Aを客室E12から吸い出し、客室E12の空気温度上昇を防ぐと共に、乗客に温められた調和空気Aが当たることを防止することができる。
また、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より低い場合(暖房している場合)は、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より高い場合(冷房している場合)に対して、調和空気AがロールカーテンKによって冷やされることが異なるのみであり、その冷やされた調和空気Aを客室E12内部の調和空気Aと入れ替えることができるので、同様の効果を奏する。
なお、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より低い場合(暖房している場合)は、日差しによりロールカーテンKが温められるよりも、外気によって冷やされた窓E4からの輻射による熱の移動により、ロールカーテンKが客室E12の調和空気Aよりも温度が低くなった場合を想定している。
また、車外の空気温度が客室E12の調和空気Aの温度より低い場合(暖房している場合)で、日差しによりロールカーテンKが温められ、客室E12の調和空気Aの温度よりもロールカーテンKの温度が高くなった場合には、ロールカーテン吸込口22dによる調和空気Aの吸い込みを停止することで、暖房効率を向上させることができる。
例えば、天井吸込口21aに取り付けられるルーバーTをロールカーテン吸込口22dに取り付けて、窓E4上部にルーバーTの向きを機械的に切り替えるレバーを備えても良い。
または、外側吸込口22eと内側吸込口22fとを流れる調和空気Aの温度を測定するセンサーを設け、その温度差によって、ルーバーTをモータの駆動力によって駆動させて開閉させても良い。この場合、外側吸込口22eを流れる調和空気Aの温度が内側吸込口22fを流れる調和空気Aの温度より高い場合には、客室E12の調和空気Aの温度よりもロールカーテンKの温度が高くなったと判断して、ルーバーTの向きを切り替えてロールカーテン吸込口22dを閉じても良い。
ロールカーテンKは、捲き上がった場合に、捲き取られた布によって巻き取り部の太さが太くなる。この太くなることによって外側吸込口22e及び内側吸込口22fの流路断面積は小さくなる。ロールカーテンKは、下ろした場合に、捲き取り部の太さが細くなる。細くなることによって外側吸込口22e及び内側吸込口22fの流路断面積は大きくなるが、一方でロールカーテンKが下りている場合には、外側吸込口22eを通過する気流は、ロールカーテンKと窓枠との間の狭い流路を流れる。この作用によって、ロールカーテンKの開閉に関わらずロールカーテン吸込口22dを通過する気流の最も狭い流路断面積は一定に保たれる。このことは、ロールカーテンKの開閉に関わらず天井吸込口21a・荷棚上方吸込口22a・ロールカーテン吸込口22dを通過する風量のバランスは一定に保たれる。
上がったり下がったりすることによって外側吸込口22e及び内側吸込口22fの流路断面積を可変とする仕組みは、捲き取り部の太さによる前記仕組みのほかに、カーテンの先端部の厚みを太くして先端部があがったような状態では、外側吸込口22e及び内側吸込口22fを部分的に閉塞することによってもたらされる。同様に、板状の遮光パネルが引戸のように窓開口を開閉するカーテンを採用した場合には、窓の上部に格納されたパネルが上部側パネル27及び断熱材4の間の流路を部分的に閉鎖することによってもたらされる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
また、第1実施の形態では、天井ダクト53に熱気回収ファン15が接続されて構成された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、熱気回収ファン15を省略した構成としても良い。
この場合、デッキE13及び洗面トイレ室E14から空気を回収する回収ダクト54に天井ダクト53が接続されていれば、回収ダクト54に接続される内気循環ファン13の排気力によって、天井ダクト53の内部の空気Bが車外に排出される。よって、本実施の形態と同様の効果を奏する。
窓にはロールカーテンKがついているものとして記載したが、パネル式の遮光板としても何ら趣旨を変えることなく実施することができる。カーテンの形態としては、その他にも水平に開閉するものでも良い。
また、回収ダクト54には、客室E12、デッキE13及び洗面トイレ室E14が接続される構成としたが、回収ダクト54に客室E12及びデッキE13を接続し、洗面トイレ室E14を回収ダクト54と別経路で車外に接続しても良い。即ち、2経路で空気の循環を行っても良い。この場合、洗面トイレ室E14からの汚れた空気(匂いがある空気)が客室E12及びデッキE13へ流入することを防止することができる。
また、更に、回収ダクト54に客室E12のみを接続し、洗面トイレ室E14及びデッキE13のそれぞれを別経路として車外に接続しても良い。即ち、3経路で空気の循環を行っても良い。この場合、客室E12、デッキE13及び洗面トイレ室E14を空気の循環を独立して行うことができるので、各室間での空気の匂いや空気の温度差の影響を受け難くすることができる。
また、外側吸込口22e又は内側吸込口22fの少なくとも一方にル−バTを取り付けた構成としても良い。この場合、ル−バTを揺動させて外側吸込口22e又は内側吸込口22fの少なくとも一方を閉状態とすることで、例えば、暖房時には、窓E4付近に滞留している暖かい空気が客室E12内の他の領域の空気に置換されることを抑制することができる。これにより、窓E4の表面からもたらされる輻射熱により客室E12内の空調効果を高めることができ、その結果、乗客の快適性の向上を図ることができる。
<その他>
技術的思想1記載の鉄道車両は、調和空気を客室へ供給する空調装置と、前記客室の天井を形成する天井内装パネルと、その天井内装パネルの外側に配設され前記客室の水密を保つ水密パネルと、その水密パネルの内面に配設され断熱機能を有する断熱材と、を備えた鉄道車両であって、前記天井内装パネル及び水密パネルの間の空間として形成される天井裏空間の空気を客室外へ排出する排出手段と、前記天井裏空間を前記客室に連通させる通風口と、を備えている。
技術的思想2記載の鉄道車両は、技術的思想1記載の鉄道車両において、複数の開口を有しその開口から取り込んだ空気の流通方向下流側へ向かうほど流路断面積が大きくなると共に前記天井裏空間に配設されるダクト部材を備え、前記排出手段は、前記ダクト部材を介して、前記天井裏空間の空気を客室外へ排出する。
技術的思想3記載の鉄道車両は、技術的思想1又は2に記載の鉄道車両において、客室内に向けて突設され上面が荷台面となる荷棚を備え、前記天井内装パネルは、湾曲して構成されることで前記荷棚の上面に連設される側天井パネルを備え、前記通風口は、前記側天井パネルの前記荷台面側の端部に位置すると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる荷棚通風口を備える。
技術的思想4記載の鉄道車両は、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両において、前記天井裏空間に配置され前記天井内装パネルの採光用の開口を介して前記客室を照明する照明具と、前記天井内装パネルの採光用の開口を覆い透光性材料から構成される照明カバーと、を備え、前記通風口は、前記照明カバーと前記天井内装パネルとが連設される位置に形成されると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる照明通風口を備える。
技術的思想5記載の鉄道車両は、技術的思想1から4のいずれかに記載の鉄道車両において、前記客室の側面に配設される窓ガラスと、その窓ガラスの上部に位置し前記空調装置から供給される調和空気を下方へ向けて送風する吹出口と、を備え、前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置すると共に前記吹出口よりも前記窓ガラス側に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備える。
技術的思想6記載の鉄道車両は、技術的思想1から4のいずれかに記載の鉄道車両において、前記客室の側面に配設される窓ガラスを備え、前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備える。
技術的思想7記載の鉄道車両は、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両において、巻き取り軸とその巻き取り軸の外周部にロール状に巻き取られるロールカーテンとを有し、引き出されたロールカーテンにより前記窓ガラスを遮蔽するカーテン機構を備え、前記カーテン機構が前記窓通風口の内部に配設されると共に、前記カーテン機構から引き出されて垂下するロールカーテンにより、前記窓通風口が前記窓ガラス側の流路と前記客室側の流路とに分割されている。
技術的思想8記載の鉄道車両は、技術的思想3から6のいずれかに記載の鉄道車両において、前記荷棚通風口、前記照明通風口または前記窓通風口の少なくとも1個を閉鎖して、それら荷棚通風口、照明通風口または窓通風口を経由する前記天井裏空間と客室との連通を遮断する閉鎖手段を備える。
<効果>
技術的思想1記載の鉄道車両によれば、天井内装パネル及び水密パネルの間の空間として形成される天井裏空間の空気を客室外へ排出する排出手段と、天井裏空間を客室に連通させる通風口とを備える構成であるので、排気手段により天井裏空間の空気を客室外へ排出することに伴い、その天井裏空間から客室外へ排出した空気の分だけ、客室の空気を客室から通風口を経由して天井裏空間に導入することができる。これにより、天井裏空間に滞留する空気、例えば、夏の熱い空気や冬の冷たい空気を、客室の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された調和空気)に置換することができる。
これにより、客室の天井を形成する天井内装パネルの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができるので、かかる天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
ここで、従来の鉄道車両では、天井裏空間に夏の熱い空気や冬の冷たい空気が滞留した場合に、天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制するために、かかる天井内装パネルの裏面に断熱材を設ける必要があり、材料コストが嵩む。これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述のように、客室の空気の導入により、天井裏空間に滞留する空気を置換して、天井内装パネルの表面温度を客室の室温に近づける構成であるので、かかる天井内装パネルの裏面に断熱材を設けることを省略することができ、その結果、材料コストの削減を図ることができるという効果がある。
技術的思想2記載の鉄道車両によれば、技術的思想1記載の鉄道車両の奏する効果に加え、複数の開口を有しその開口から取り込んだ空気の流通方向下流側へ向かうほど流路断面積が大きくなると共に天井裏空間に配設されるダクト部材を備え、そのダクト部材を介して、排出手段による天井裏空間の空気の客室外への排出を行う構成であるので、ダクト部材の各開口から空気を取り込み客室外へ排出することで、天井裏空間の排気をより均一に行うことができ、その結果、天井裏空間の空気を客室の空気に効率的に置換することができるという効果がある。
即ち、天井裏空間の空気を電動ファンにより直接吸い込み外部へ排出する場合、電動ファンに近い領域では、空気が外部へ排出されるので、その排出された分が通風口から導入された客室の空気に置換されるが、電動ファンから遠い領域では、空気が外部へ排出されず滞留し易いため、客室の空気との置換が行われ難い。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、複数の開口を有するので、電動ファンから遠い領域であっても、各開口から空気を取り入れて外部へ排出することができる。よって、天井裏空間全体の空気を万遍なく外部に排出し易くすることができるので、天井裏空間の空気を客室の空気に置換することをより均一に行うことができる。
技術的思想3記載の鉄道車両によれば、技術的思想1又は2に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、側天井パネルの荷台面側の端部に荷棚通風口を設け、その荷棚通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、荷棚通風口を介して、荷棚の荷台面上の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる荷棚の荷台面上の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、冷房時の客室内では、天井付近に暖かい空気が滞留している。特に、荷棚の荷台面上は、荷棚と天井内装パネル(側天井パネル)との間に囲まれた奥まった領域であるため、空気が滞留し易い。そして、その暖かい空気の滞留は、天井内装パネルの温度を上昇させるため、天井内装パネル(側天井パネル)の表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、荷棚の荷台面上の暖かい空気を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)に置換することができるので、天井内装パネル(側天井パネル)の表面温度を下げることができる。その結果、かかる天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
特に、本発明の車両用制御装置によれば、荷棚通風口の配設位置が、側天井パネルの荷台面側の端部とされている、即ち、荷棚と天井内装パネル(側天井パネル)との間に囲まれた領域の中の一番奥まった位置であるので、客室内の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)が、荷棚の荷台面上の領域を迂回して、荷棚通風口へ直接流入されることを抑制し、荷棚の荷台面上に滞留する暖かい空気を荷棚通風口へ確実に流入させることができるので、かかる荷棚の荷台面上に滞留する暖かい空気を客室内の他の領域の空気に効率的に置換することができるという効果がある。
技術的思想4記載の鉄道車両によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、照明カバーと天井内装パネルとが連設される位置に照明通風口を設け、その照明通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、照明通風口を介して、照明カバー近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる照明パネル近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
上述したように、冷房時の客室内では、天井付近に暖かい空気が滞留している。特に、照明パネル近傍は、照明具が熱源となるため、その発熱により天井付近の空気の温度を更に上昇させる。そして、その暖かい空気の滞留は、照明カバーや天井内装パネルの温度を上昇させるため、それら照明カバーや天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、照明カバー近傍の暖かい空気を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された冷たい空気)に置換することができるので、照明カバーや天井内装パネルの表面温度を下げることができる。その結果、かかる照明カバーや天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想5記載の鉄道車両によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓ガラスの上部に窓通風口を設け、その窓通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、窓通風口を介して、窓ガラス近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる窓ガラス近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、例えば、冷房時には、一般に、窓ガラスの温度が、車外の空気から受ける熱と、太陽から受ける熱とにより、客室の空気よりも温度が高くなっている。一方、暖房時には、窓ガラスが、車外へ熱が奪われることで、客室の空気よりも温度が低くなっている。そのため、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
また、暖房時には、窓ガラス近傍の冷やされて重くなった空気が降下して床を這うような流れとなり、客室に広がる(いわゆるコールドドラフト)という問題点があった。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、窓ガラス近傍の空気(客室の空気よりも高温または低温の空気)を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された空気)に置換することができるので、窓ガラスの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができる。その結果、かかる窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、窓ガラス近傍の空気が冷やされて重くなることで降下する前に、かかる窓ガラス近傍の空気を客室の空気に置換することができるので、いわゆるコールドドラフトの発生を抑制することができるという効果がある。
更に、本発明の車両用制御装置によれば、空調装置から供給される調和空気を下方へ向けて送風する吹出口を窓ガラスの上部に配置すると共に、その吹出口よりも窓通風口を窓ガラス側に配置する構成であるので、窓ガラスの温度と天井裏空間の空気の温度とを客室の空気の温度に効果的に近づけることができるという効果がある。
即ち、窓通風口は、吹出口よりも窓ガラス側に位置するので、窓通風口から窓ガラス近傍の空気を吸い込む場合には、その窓通風口に吸い込まれる空気の流れ(上昇流)に、吹出口から流下される空気(即ち、空調装置から供給される調和空気)が取り込まれるので、かかる空調装置から供給される調和空気(即ち、客室の空気よりも目標温度に近い温度の空気)を、窓ガラスの際を経由させた後に、窓通風口へ吸い込ませることができる。
これにより、窓ガラスの温度を、吹出口から送風された調和空気(即ち、客室の空気よりも目標温度に近い温度の空気)を利用して、客室の空気の温度に効果的に近づけることができる。また、かかる調和空気が天井裏空間に導入されることで、天井裏空間の空気の温度を客室の空気の温度に効果的に近づけることができる。その結果、窓ガラスの表面および天井内装パネルの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができる。
技術的思想6記載の鉄道車両によれば、技術的思想1から4のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓ガラスの上部に窓通風口を設け、その窓通風口を介して天井裏空間を客室に連通させる構成であり、客室の空気を天井裏空間へ導入する場合には、窓通風口を介して、窓ガラス近傍の空気を天井裏空間へ導入することができるので、かかる窓ガラス近傍の空気を客室内の他の領域の空気に置換することができる。
ここで、例えば、冷房時には、一般に、窓ガラスの温度が、車外の空気から受ける熱と、太陽から受ける熱とにより、客室の空気よりも温度が高くなっている。一方、暖房時には、窓ガラスが、車外へ熱が奪われることで、客室の空気よりも温度が低くなっている。そのため、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれ、乗客の快適性が低下するという問題点がある。
また、暖房時には、窓ガラス近傍の冷やされて重くなった空気が降下して床を這うような流れとなり、客室に広がる(いわゆるコールドドラフト)という問題点があった。
これに対し、本発明の鉄道車両によれば、上述したように、窓ガラス近傍の空気(客室の空気よりも高温または低温の空気)を客室の他の領域の空気(即ち、空調装置により温度や湿度が調整された空気)に置換することができるので、窓ガラスの表面温度を客室の空気の温度、即ち、室温に近づけることができる。その結果、かかる窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調の効果が損なわれることを抑制して、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、窓ガラス近傍の空気が冷やされて重くなることで降下する前に、かかる窓ガラス近傍の空気を客室の空気に置換することができるので、いわゆるコールドドラフトの発生を抑制することができるという効果がある。
技術的思想7記載の鉄道車両によれば、技術的思想5又は6に記載の鉄道車両の奏する効果に加え、窓通風口の風量のバランスを一定に保つことができるという効果がある。即ち、ロールカーテンが巻き取り軸の外周に巻き取られると、その巻き取り部の外径が太くなることで、その分、窓通風口の流路断面積が小さくなる。一方、ロールカーテンが引き出されると、巻き取り部の外径が細くなることで、その分、窓通風口の流路断面積は大きくなるが、この場合、窓通風口の窓ガラス側の流路は、ロールカーテンが窓ガラスを覆っていることで、かかるロールカーテンと窓枠との間の狭い流路を通過した空気が流通される。これにより、ロールカーテンの開閉状態によらず、窓通風口の流路断面積(即ち、ロールカーテンにより分割された窓ガラス側の流路と客室側の流路との合計の流路断面積)の変化を抑制して、窓通風口の風量のバランスを一定に保つことができる。
技術的思想8記載の鉄道車両によれば、技術的思想3から6のいずれかに記載の鉄道車両の奏する効果に加え、荷棚通風口、照明通風口または窓通風口の少なくとも1個を閉鎖して、それら荷棚通風口、照明通風口または窓通風口を経由する天井裏空間と客室との連通を遮断する閉鎖手段を備える構成であるので、かかる閉鎖手段による荷棚通風口、照明通風口の遮断を実行することにより、例えば、暖房時には、天井付近に滞留している暖かい空気が客室内の他の領域の空気に置換されることを抑制することができる。これにより、かかる天井付近に滞留する暖かい空気を利用して、天井内装パネルの温度を上昇させることができるので、天井内装パネル(側天井パネル)の表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調効果を高めることができ、その結果、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
また、かかる閉鎖手段による窓通風口の遮断を実行することにより、例えば、暖房時には、窓ガラス付近の暖かい空気が客室内の他の領域の空気に置換されることを抑制することができる。これにより、かかる窓ガラス付近の暖かい空気を利用して、窓ガラスの温度を上昇させることができるので、窓ガラスの表面からもたらされる輻射熱により客室内の空調効果を高めることができ、その結果、乗客の快適性の向上を図ることができるという効果がある。
100 鉄道車両
1 空調装置
3 水密パネル
4 断熱材
13 内気循環ファン(排気手段の一部)
15 熱気回収ファン(排出手段の一部)
21 天井内装パネル
25 側天井パネル
21a 天井吸込口(通風口の一部、照明通風口)
21b 天井開口(通風口の一部、採光用の開口)
22a 荷棚上方吸込口(通風口の一部、荷棚通風口)
22c 窓側吹出口(吹出口)
22d ロールカーテン吸込口(窓通風口)
22e 外側吸込口(窓通風口の一部)
22f 内側吸込口(窓通風口の一部)
53 天井ダクト(ダクト部材)
54 回収ダクト
55 貫通孔(開口)
72 蛍光灯(照明具)
74 照明カバー
A 調和空気
B 空気
E12 客室
E13 デッキ
E14 洗面トイレ室
E3 荷棚
E4 窓(窓ガラス)
S1 天井壁内空間(天井裏空間)

Claims (7)

  1. 調和空気を客室へ供給する空調装置と、前記客室の天井を形成する天井内装パネルと、その天井内装パネルの外側に配設され前記客室の水密を保つ水密パネルと、その水密パネルの内面に配設され断熱機能を有する断熱材と、を備えた鉄道車両において、
    前記天井内装パネル及び水密パネルの間の空間として形成される天井裏空間の空気を客室外へ排出する排出手段と、
    前記天井裏空間を前記客室に連通させる通風口と、
    複数の開口を有しその開口から取り込んだ空気の流通方向下流側へ向かうほど流路断面積が大きくなると共に前記天井裏空間に配設されるダクト部材と、を備え、
    前記排出手段は、前記ダクト部材を介して、前記天井裏空間の空気を客室外へ排出することを特徴とする鉄道車両。
  2. 客室内に向けて突設され上面が荷台面となる荷棚を備え、
    前記天井内装パネルは、湾曲して構成されることで前記荷棚の上面に連設される側天井パネルを備え、
    前記通風口は、前記側天井パネルの前記荷台面側の端部に位置すると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる荷棚通風口を備えることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両。
  3. 前記天井裏空間に配置され前記天井内装パネルの採光用の開口を介して前記客室を照明する照明具と、前記天井内装パネルの採光用の開口を覆い透光性材料から構成される照明カバーと、を備え、
    前記通風口は、前記照明カバーと前記天井内装パネルとが連設される位置に形成されると共に前記天井裏空間を前記客室に連通させる照明通風口を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両。
  4. 前記客室の側面に配設される窓ガラスと、その窓ガラスの上部に位置し前記空調装置から供給される調和空気を下方へ向けて送風する吹出口と、を備え、
    前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置すると共に前記吹出口よりも前記窓ガラス側に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両。
  5. 前記客室の側面に配設される窓ガラスを備え、
    前記通風口は、前記窓ガラスの上部に位置し前記天井裏空間を前記客室に連通させる窓通風口を備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の鉄道車両。
  6. 巻き取り軸とその巻き取り軸の外周部にロール状に巻き取られるロールカーテンとを有し、引き出されたロールカーテンにより前記窓ガラスを遮蔽するカーテン機構を備え、
    前記カーテン機構が前記窓通風口の内部に配設されると共に、前記カーテン機構から引き出されて垂下するロールカーテンにより、前記窓通風口が前記窓ガラス側の流路と前記客室側の流路とに分割されていることを特徴とする請求項又はに記載の鉄道車両。
  7. 前記荷棚通風口、前記照明通風口または前記窓通風口の少なくとも1個を閉鎖して、それら荷棚通風口、照明通風口または窓通風口を経由する前記天井裏空間と客室との連通を遮断する閉鎖手段を備えることを特徴とする請求項から6のいずれかに記載の鉄道車両。
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